新興アジアにおけるグローバルビジネス戦略 ~ 現状 課題 展望 2014 年 11 月 20 日 JASA グローバルフォーラム 2014 松島大輔 政策顧問タイ政府国家経済社会開発委員会
2 自己紹介. 戦歴 マルチナショナルプロジェクト日本企業進出 インフラ = 国造 5 1 4 2 3
自己紹介. 戦歴 具体的な成果 含意 1DMIC 構想 ( インド デリー ~ ムンバイ間の総合経済産業開発を展開する構想 ) において 日本の太平洋ベルト コンセプトの導入に成功 同プロジェクトの命名者 2006-7 年 2 インド チェンナイ複合型都市開発 ( オメガプロジェクト ) において みずほコーポレート銀行 ( 旧 ) 日揮 アセアンダスによる共同開発会社設立に成功 2010-11 年 3 ミャンマー南部ダウェイ深海港 総合都市開発プロジェクトで タイ ミャンマー両国政府によるダウェイ開発会社設立に成功 2012-13 年 4 日本とタイの お互いプロジェクト ( 日本とタイの地方産業クラスターを結びつけ 具体的な事業主体を形成することを通じ 相互補完的に成長を進めるプラットフォームプロジェクト ) の複数の具体的案件形成に成功 同プロジェクトのアセアンへの展開に緒をつけるとともに 同プロジェクトの持続可能ならしめる枠組みを検討中 2011-2014 年 日本の太平洋ベルトに範をとった首都デリーと商都ムンバイ間のインフラ整備と産業クラスター構築を進めるナショナルプロジェクトを提案 インド首相以下 インド政府幹部と連携し 日本企業のむけのビジネス プラットフォーム構築に成功した 日本企業による世界初の不動産ビジネスに介在した新しいインフラ開発モデルの案件形成に成功 オールジャパン ではなく ベースジャパン を採用 シンガポール アセンダスと連携した第三国連携モデルとして また 政府資金支援を一切使わない民間主導モデルとして同会社設立に成功した 当時絶望的と言われていたダウェイプロジェクトにおいて 泰緬両国政府への能力構築を図り あらゆる手段を駆使して 開発向けた開発会社設立を指南 泰緬両国政府の出資を含むコミットメントに成功した 新たに Local to Local のコンセプトに基づく日本の中小企業を中心としたアジア進出をさきがけて実現 我が国各地域の産業シーズを 当該自治体等と連携し アジアの各地と結び付けるプラットフォームを構築するとともに 具体的な日本とアジアを結ぶ手法開発 ( 産業ミッシングリンク 技術センサス ) を整備するととともに その具体的な成果として複数の事業形成の実現を成功してきた 5 空洞化のウソ を上梓し 日本企業の新興アジアに対する海外展開の必然性とその戦略を理論化 政府及び経済界 アカデミアの世論を喚起することに成功 2012 年 従来の 空洞化論 から 中小企業を中核とした産業クラスター型アジア分業論を提唱 アジアを介した日本企業のイノベーション 現地産業高度化への貢献をパッケージ化した具体的な案件形成製造メカニズム 仕組みとしてのお互いプロジェクトとその運営母体構築に成功した 3
自己紹介. 戦歴 お仕えした二人の首相 デリー グジャラート州 : インド版中京工業地帯 カルカッタ ムンバイ グジャラート州におけるモディ首相 ( 当時州首相 ) とのプロジェクト シップリサイクル事業 海水淡水化事業 廃棄携帯電話からリチュウム回収事業 含意海洋国家日本の復権インド最大のニーズ携帯電話市場の拡大 チェンナイ スズキ新工場 輸出港ムンドラ港の活用 輸出港の拡大インド版小林一三 4
内容 1 現状 2 課題 3 展望
内容 1 現状 2 課題 3 展望
1. 現状 入門 新興アジアの見取り図を理解する 基礎 新興アジアは引き続き人口ボーナスを享受できる地域 応用 新興アジアは成長のアジア(2050 年に世界 GDPの半分はアジアとのシナリオも : ADB) 人口構成比較 (%) 出典 :UN 世界人口予測 2012 年改訂版 タイ尼越インド中国日本 20 歳未満 25.7 38.1 32.9 39.8 26.1 17.8 65 歳以上 8.6 5.0 6.4 5.1 8.3 22.6 日本 インド ミャンマーラオス タイベンガル湾 ベトナムカンボジア シャム湾 中国 フィリピン 市場規模 : メコン経済圏 :3 億人超 ASEAN: 約 6 億人 (2030 年には7 億人 ) インド+ 中国 : 約 25 億人 インドネシア マレーシアシンガポールブルネイ 7
1. 現状 人口増減率 2010 年 2050 年 1km² 毎の地点 ( メッシュ ) 別の将来人口の試算について 居住メッシュ / 面積 2010 年 人口増減率別メッシュ割合 半減 ( 内数 ) 0~50% 減少増加 非居住 50% 以上減少 北海道 -34% 25% 87% 47% 40% 12% 1% 東北圏 -36% 44% 68% 17% 51% 31% 1% 首都圏 -18% 67% 37% 7% 30% 60% 3% 中部圏 -22% 47% 45% 13% 33% 52% 3% 北陸圏 -29% 46% 51% 13% 37% 48% 2% 近畿圏 -24% 54% 50% 13% 37% 48% 2% 中国圏 -28% 64% 70% 22% 48% 29% 1% 四国圏 -35% 55% 73% 25% 48% 27% 0% 九州圏 -27% 63% 63% 17% 46% 36% 1% 沖縄 -6% 58% 40% 13% 26% 44% 16% 第 8 回 新たな 国土のグランドデザイン 構築に関する有識者懇談会 配布資料 2014 年 7 月 4 日 8
1. 現状 1km² 毎の地点 ( メッシュ ) 別の将来人口の試算について 総人口 2010 年 1 億 2,805 万 7 千人 2050 年 9,707 万 6 千人 減少率 24% 減少島根は 37% 減 色別人口増減全国島根 100% 減少 ( 非居住地化 ) 19% 29% 50% 以上減少 44% 48% 0% 以上 50% 未満減少 35% 23% 増加 2% 0% 第 8 回 新たな 国土のグランドデザイン 構築に関する有識者懇談会 配布資料 2014 年 7 月 4 日 9
1. 現状 中国 ものづくりアーキテクチャに基づく産業地政学地図 ダウェイ 日本 モジュール型 Modular 米国 すり合わせ型 Integral シーレーン 台湾インドメコン海のアセアン 日本 韓国 タイプラスワンとはすり合わせ型ものづくり : すり合わせ VS モジュール 中国 出典 : 藤本隆宏教授のものづくりアーキテクチャ資料を参照し作成 10
2006-10 年の売上高経常利益率の平均 1. 現状 海外に展開する日本の製造企業の売上高経常利益率 (%, in the average of 2006-2010) 7.0 6.0 新興アジア 11.5 タイ工業団地別売上高経常利益率 ( 儲け ) 7.9 7.8 8.1 8.2 5.0 成熟国 6.2 6.7 6.7 6.0 6.0 4.0 3.0 5.85.7 4.8 6.1 4.2 4.1 4.2 2.0 1.0 3.22.5 1.8 3.8 1.1 0.0 泰越中英仏独米日本尼 Sources: Countries except Japan: Basic Survey on Overseas Business Activities by METI, Japan Japan: "Financial Statements Statistics of Corporations by Industry" by Ministry of Finance, Japan Exstracted from the documents presented in RIETI (Japan) research project. 189 75 74 62 58 43 42 30 28 24 23 23 23 (45) (16) (27) (39) (24) (9) (7) (10)(10)(7) (9) (5) (8) 工業団地 A B C D E F G H I J K L M 出典 : 現地化 研究会資料 タイ 11
12 1. 現状 入門 なぜ日本企業は 新興アジア に進出するのか? 儲かる から 基礎 2011 年の洪水後 日本企業の進出は25% 増 ( 帝国データバンク調べ ) 応用 ASEAN 中間層人口は4 千万人 (2010 年 ) から8 千 5 百万人 (2017 年 ) に増加
1. 現状 入門 日本で考え アジアで作り 欧米で売る時代 から アジアで考え アジアで作り アジアで売る時代 へ 基礎 日本の域内貿易依存度は対米依存 8% 以下に低下 対してアジアは軒並み増加! 応用 日本企業海外直接投資 (FDI) の生産ネットワークが 新興アジア 経済を牽引 アジアの日系企業数 :15,234 社 ( 全世界 :23,351 社 ) (65.2%) アジアの日系企業雇用者数 :394 万人 ( 全世界 :558 万人 ) 出典 : 経済産業省第 43 回海外事業活動基本調査結果概要 (2012 年度末実績 ) 日本とアジア地域 (+ 米国 ) との域内貿易依存度 45.1% 33.0% 5.1% 日メコン ( 緬柬老越 ) 21.7% 日アセアン アセアン +6 ( 日中韓印豪乳 ) 19.9% 日米 9.2% 日メコン ( 緬柬老越 ) 27.3% 日アセアン アセアン +6 ( 日中韓印豪乳 ) 7.9% 日米 出典 : 現地化 研究会 1990 年 2010 年 * 他地域の貿易依存度 (2000 年代 ):EU(60~70%) NAFTA(40~50%) MERCOSUR(15~20%) 13
14 1. 現状 入門 2015 年にASEAN 共同体発足 (AEC:ASEAN Economic Community) 基礎 AECは自由貿易の束 : 関税障壁の撤廃以外 EU 並の経済統合には一定時間がかかる 応用 ASEAN 経済統合は事実上の統合が先行している! AEC(AFTA) EU( 関税同盟 ) 域内関税統一化統一化 域外関税各国別裁量残る統一化 出典 : ASEAN Secretariat サービス貿易自由化一部自由化自由化 投資自由化統一化統一化 人の移動熟練工のみ自由化 経済統合の形態 de facto 事実上の統合 de jure 制度上の統合
1. 現状 入門 AECはFTAのネットワークの総体が基礎 生産ネットワークによる事実上の統合が進む 基礎 関税以外のポイントについては注意が必要となる 応用 ビジネス環境を変えるのは制度ではなく 事実!? 1993 年 AFTA 発効 2015 年 ASEAN 経済共同体 (AEC) 設立 現加盟 ASEAN6 か国 CLMV4 か国 2010 年 全品目を 0% へ 原則 0~5% へ 2015 年 全品目を 0% へ ( 一部例外は 2018 年迄 ) AEC のポイント 1. スパゲッティボール問題 : 複数の原産地規則フォーマット 実効性に疑問の声も 2.2018 年関税全面撤廃 : 現加盟 6 か国は品目数で 99.2% 関税撤廃 CLMV は 27% 程度関税が残り (2013 年末 ) 2015 年以降も CLMV には 7% 程度の品目が関税撤廃猶予措置あり 3. 反動的保護主義 :AEC を見越した先取り合戦 市場の自由化に反し 非関税障壁 ( 強制規格導入や 輸入ライセンス制度の運用強化 アンチ ダンピング措置の発動増加など ) が台頭 4. 人の移動 : ほとんどなし 5. サービス分野 : 一応 ASEAN 資本に対する外資 70% まで開放目標があるが 定義が不明 製造業随伴サービス ( 対事業所サービス ) がカギ 15
1. 現状 入門 タイの二大課題解消 ( 労働力と部材調達 ) のダイナミックな解消が狙い = サルの木登 基礎 2015 年 ASEAN 経済共同体 (AEC) に合わせ産業再配置戦略 Look Thailand! 応用 経済統合が進む中 一国フルセット主義から域内適地適合生産へ Dani Rodrik(1994): 中所得国は労働集約産業と高付加価値産業が混在するため 放っておくと産業構造転換の障碍になる このため 前者より後者への高賃金政策が有効な手段に! Dhaka (Bangladesh) Phnom Penh (Cambodia) Vientiane (Lao P.D.R.) Ho Chi Minh (Vietnam) Hanoi (Vietnam) New Delhi (India) Chennai (India) Manila (Philippines) Shenyang (China) Dalian (China) Jakarta (Indonesia) Bangkok (Thailand) Beijing (China) Shanghai (China) Guangzhou (China) (As of 1st Jan 2012) 136: 1 日最低賃金 300 バーツ以前 40 55 78 95 95 98 105 Unit: U.S.$ USD, per month 153 158 166 167 190 199 203 206 0 50 100 150 200 250 Reference: JETRO Research 日本から S M Es S M Es S M Es お互い PJ S M Es S M Es S M Es S M Es 互恵メカニズム タイ +1 の生産ネットワーク 産業構造転換 産業高度化 産業高度化 産業移転 産業高度化 産業移転 産業移転 産業再配置 ダウェイ 16
1. 現状 入門 新興アジアは 時間差攻撃 の発想が可能 ~ 顧客開拓の道しるべ 基礎 一人当たりGDPが2,000ドルで家電 3,000ドルで自動車の市場に火がつく 応用 新興アジアビジネスの要諦は 顧客確保 一人当たり GDP 比較 (2013 年 ) ミャンマーバングラカンボジアラオスインドベトナムフィリピンスリランカインドネシアタイ中国マレーシア 868.72 903.88 1016.41 1476.95 1504.54 1901.7 2790.37 3161.7 3509.82 5674.39 6747.23 1976 年 ( 日本 ) のヒット商品 クロネコヤマトの宅急便 漢方薬ブーム できたてホカホカ弁当 参考 日本 :38491.35 米ドルシンガポール :54775.53 米ドル 10547.97 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 出典 :IMF 世界経済アウトルック 2014 年 4 月より著者作成 ( 実績と推計あり ) 単位 USD 17
1. 現状 入門 クーデターで経済混乱が収束 基礎 経済成長戦略 AEC 適合性 但し所得再分配政策にも新展開 応用 ダウェイ開発が大きな試金石 役職首相蔵相運輸相運輸副相 氏名プラユット (Prayuth Chan-ocha) ソムマイ (Sommai Phasee) プラジン (Prajin Juntong) アーコム (Arkhom Termpittayapaisith) エネルギー相 商業相 商業副相 工業相 ナロンチャイ (Narongchai Akrasanee) チャチャイ (Chatchai Sarikalya) アピラディ (Apiradee Tantraporn) チャカモン (Chakramon Phasukavanich) << 情報通信技術省に関する新政策 >> 1 デジタル経済の推進 2 ソフトウエア ICTを通じた関連産業競争力強化 ICTと関連部品の輸入依存度引き下げ 3 ICT 関連の既存法改正による透明性の確保 消費者保護 4 ICTマスタープラン の策定 アーコム新運輸副大臣出典 : 第 2 回お互いフォーラム 産業政策の展望 1. 親日政策 (FDI 誘致 ダウェイ等 ) 日本への関心は高い 2.BOI OSMEPの首相府への再移管 投資新政策の行方は? 3.AEC 適合型新政策 国境開発は? ダウェイ開発は? 18
1. 現状 ダウェイ = 日本産業の生命線 = 世界史的課題 3 つのミッシングリンク解消 Ⅰ. 貿易ミッシングリンク :2 つのデトロイトの邂逅 Ⅱ. 連結性ミッシングリンク : 西へのゲートウェイ Ⅲ. 素部材産業ミッシングリンク : 供給制約解消 鉄鉱石 石炭等の資源調達 チャオピューネピドー ( 首都 ) SEZ ( 中国が開発 ) ヤンゴンティラワSEZ ダウェイ SEZ バンコクの西 300km に位置 深海港 ( 水深 20m) 鉄鋼等の重工業にも適合 ( 地盤が強固 ) アユタヤ インド 欧州 中東 アフリカ市場への輸出 バンコクカンチャナフ リラヨン 300km チョンフ リ シェムリアッフ フ ノンヘ ン 面田紋次 ネアックルン橋建設中 ( 日本の円借款活用 ) * 現状はフェリーで輸送 ホーチミン 19
1. 現状 中国 世界での鉄鋼シェア急落 2008 年マプタプット問題で高炉建設頓挫 鋼材コストは高止まり ベトナム国境で高炉建設が認可されるも国内で鉄鋼供給過剰と反日暴動勃発 現状 鉄鋼輸出は ASEAN が首位 鉄鋼輸出仕向地別シェア ダウェイ ( ミャンマー ) タイ その他 23% ASEAN5 カ国 24% タイ 46% 地盤が固く 深海港で重工業向き インドネシア ベトナム 深海港の適地が乏しい POSCO が高炉建設中 (2015 年運転開始予定 ) 台湾 3% 7% インド 6% 米国 18% 主に自動車メーカー向け 19% 韓国 2011 年度輸出統計 中国 イント ネシア 17% マレーシア 17% ヘ トナム 13% シンカ ホ ール 8% 20
1. 現状 2013 年 6 月 17 日に泰緬ダウェイ開発会社発足 2013 年 11 月 22 日泰麺両国正式合意 泰? 緬 政府 政府 開発会社 SPV 包括的成長 Inclusive 国境 100 万人雇用創出 泰緬国境ティキ工業団地の潜在的魅力 カレン族 10 万人の難民対策 生産金額から予想される付加価値金額は 2045 年で 13bil. USD 程度に達し 2030 年時点ではミャンマー GDP の 11% 程度に相当 S P C ( 道路 ) S P C ( 港湾 ) S P C ( 工業団地 ) S P C S P C S P C S P C 北九州モデル グリーン成長 持続可能な成長 強靭な成長 域内唯一の重化学工業地帯 ( 鉄鋼 化学等 ) 21
1. 現状 2015 年向け新ダウェイパッケージ : 3Dプラン 関心があればぜひ参加を! 1. 持続可能型エネルギー開発 Sustainable Energy Development (SED) ダウェイにおける再生可能エネルギーの実証プロジェクト a. 潮流発電システム b. バイオマス発電システム c. 省エネシステム 2. 新産業開発 New Industry Development (NID) 地域資源を活用した新産業開発 a. 新エネを活用した冷凍システムと水産加工 b. 新ゴム産業 c. 農業分野 六次産業化 3. 人材育成 Human Resource Development (HRD) ダウェイ周辺での人材育成活動 a. ダウェイ工科大学と日本の大学との連携 b. PC 配布によるIT 教育とBPOビジネスの定着 c. OJTを活用した新産業教育 22
内容 1 現状 2 課題 3 展望
2. 課題 Key Word プロダクトアウトから 新興アジアの顧客ニーズ起点にビジネス案件形成へ新興アジアと日本の地域連携を進め産業クラスターの強みを先鋭化 ( 選択と集中 ) 日本とASEANを手始めに お互いプロジェクト が展開中 Version1.0 農耕型 守り型 Version2.0 狩猟型 攻め型 24
2. 課題 グローバルビジネス人材 1.0 運営形態 : 代理統治 代理運営型 国内の業務機能の一部 ( 特に生産機能部分 ) を海外現地で運営 国内本社としての運営管理を代理的に遂行 執行する形態 役割と責任 : 生産現場の運営 国内で培われたノウハウや手法を現地生産現場へ導入 浸透 国内本社からの生産計画に沿って 生産量 品質 コストを遵守 重視される能力 : 現地でのビジネス耐性 国内本社からの指示等に従いながら 現地での違いや差に対応する耐性力 現地従業員とのやり取りや現地での生活等 海外現地での耐性力 専門性 グローバルビジネス人材 2.0 運営形態 : 委任統治 委任運営型 現地での生産に加え 現地での市場開拓を合せて運営 現地市場への適応の観点から 権限を委任されて業務遂行する形態 役割と責任 : 生産現場運営 + 市場 開拓 左記に加え 現地市場の開拓 現地での顧客を切り拓き 売上 収益を確立 現地市場の商流や商習慣に合せた販路 販売網 販売ノウハウを構築 重視される能力 : 現地でのビジネス創造 現地での商流や商習慣に応じて 商取引を成立させるビジネス創造力 現地の企業や顧客を切り拓き 現地市場で確実に数字を作るビジネス創造力 全人的教養 強固なポジショニング確立に向けたもう一段上の創造力 円高 1985 年プラザ合意後 2008 年リーマンショック後 サプライチェーンを構成する日本の海外直接投資 (FDI) 垂直的集団投資 = 系列 : 親子関係 ( チェーン ) 水平的集団投資 = クラスター : 姉妹クラスター ( ネットワーク ) お互い グローバルビジネス人材像 新興アジアビジネス統合力 俯瞰力 新興アジア特性を踏まえたもう一段上の耐性力 新興アジアビジネス創造力 新興アジアビジネス耐性力 25
2. 課題 グローバル 人材 Version2.0 案件形成能力 教養力俯瞰力現地化力捨てる力 / スピード力ルールメーキング力 いくつかの論点 親会社と子会社の企業間関係をどう整理するか? グローバル人材 Version2.0 をどう調達するか? 案件形成能力は十全か? 26
内容 1 現状 2 課題 3 展望
3. 展望 2015 年 ASEAN 経済統合に向けたお互いプロジェクト ASEAN10 か国 日 ASEAN お互いプロジェクト プラットフォームクラスター間連携を通じて ASEAN の経済産業のミッシングリンク 経済社会課題の解消を進める お互いコンクレーブ ( 地方キーパーソン会議 ) ( 第 1 回東京 第 2 回鳥取 第 3 回大阪 第 4 回山梨 第 5 回金沢 第 6 回茨城 第 7 回姫路 第 8 回 TAMA 第 9 回島根予定 ) お互いプロジェクト お互いプロジェクトメソッド ( ミッシングリンク ) 地方企業支援 28
3. 展望 2011 年 東日本大震災 3 月 11 日 タイ大洪水 10~11 月 When written in Chinese the word crisis is composed of two characters. One represents danger, and the other represents opportunity. John F. Kennedy.. Indianapolis, April 12, 1959. Presentation: Mr. Passakorn Chairat Presentation (at Nye Phi Daw, 25 Aug 2014, Department of Industrial Promotion, Thai Ministry of Industry 29
3. 展望 Key Word 地域間連携 (Local to Local) は グローカル Version2.0 新興アジアでビジネス案件形成を行う お互いコンクレーブ 開催 開催中 単なる会議ではなく 具体的なビジネス案件形成が原動力 北陸ハイエンド観光漢方 新潟県 / 南魚沼周辺コメ食品加工 鳥取県 / 米子電子制御 デバイス 兵庫県 / 姫路市観光 埼玉県 / 交通制御システム 島根県 / 安来特殊金属加工 北九州エコ 中京 / 山梨県 / 富士裾野精密機械 愛媛県 / 大阪府 / 2014 年 2 月帝国データバンコク調査 30
3. 展望 notes The local municipality and the local economic organization which held the Otagai Conclave(Venue region) The local municipality which concluded MOU with Ministry of Industry Thailand The participating local municipality and local economic organization to the Otagai Conclave The held area of a study meeting or a seminar The 5th time タイ工業省とのお互い行政協定締結権山梨鳥取島根愛知川崎市福井福岡 The 2nd time The 1st time The 7th time The 3rd time The 4th time The 8th time (planned site) Fig The local municipality which held the Otagai Conclave, and which participating the Otagai Conclave 31
32 3. 展望 Key Word 新結合 諸類型 (J. シュンペータ ) オープンイノベーション 新興アジア とはイノベーション( 技術革新 ) の磁場とみつけたり方法としての新興アジア 類型方法論具体事例 新規製品 サービス扶植型 ライスバレー プロジェクト 新規生産方式支援産業連合アモルファスプロジェクト 新規販路 産業補完 北陸ハイエンド観光 プロジェクト 新規調達 ミッシングリンク解消 自動車 ( チェーンが長い場合 ) 漢方プロジェクト 新規組織一括受注会社病院の輸出
3. 展望 Key Word 新興アジアビジネスの基本は欠如 (Missing Link) をビジネスに変える お互いプロジェクトでは 各分野の欠如 (Missing Link) を抽出 5 大分野 ( 産業 技術 ソリューション 経営 労働力 ) で! 互恵関係 (Win-Win)= お互いプロジェクト : お互いの弱みを補い合う関係へ お互いコンククレーブ 産業産業ミッシングリンクマップ 技術 技術センサス ソリューション経営労働力 THAICOBAN 産業集積持続可能性基準 サムライ会議新規ビジネスモデル開発 : 軒先ビジネス 熟練労働者 Matrix (T.T.V.) 産業ミッシングリンク 技術ミッシングリンク ソリューションミッシングリンク マネジメントミッシングリンク 熟練工ミッシングリンク お互い WS ASEAN キャラバン お互いプロジェクト = 互恵的補完 = ミッシングリンク探しとその解消へ 33
3. 展望 Key Word 産業ミッシングリンクが進出の狙い目 ( ライバルがいない!) タイの産業ミッシングリンク= 高炉 金属加工 自動車ではE&E 等テクノロジー センサスでタイ ローカル企業とも連携 ( 新結合の前診断 ) Water pump Drive belt pump Electric water pump 電装化 Power steering Hydraulic power steering Pump (disuse) Electric power steering Motor (addition) Piping (disuse) Reserve tank (disuse) ECU (addition) 普通鋼 特殊鋼 汎用鋼 高級鋼 タイ国内に存在タイ国内に不在 汎用鋼 各種鋼材 高級鋼 条鋼 棒材 線材 パイプ 熱延鋼板 冷延鋼板 カラーコーティンク 溶融亜鉛鍍金 電気亜鉛鍍金 ステンレス その他特殊鋼 出所 :ISTI ヒアリング タイ国内の主要自動車部品 部材サプライチェーン 高炉粗鋼生産 電炉 圧延 造管 ロシア 中国 台湾 フ ラシ ル ウクライナ等日本 韓国 日本 韓国 日本 韓国 日本 韓国 日本 韓国 日本 韓国 タイの自動車産業は日本 韓国の 鉄鋼産業に支えられている状況 日本 韓国 南アフリカ 欧州日本 韓国等 表面処理 ( 供給過剰状態 ) 日本 韓国日本 韓国日本 韓国 タイ内需以外に ASEAN 中東 オーストラリアに輸出 ( ほぼ建材用途 ) タイ国内の自動車 機械 工具 製缶産業の需要 タイ国内の化学プラント 機械 食器の需要 34
3. 展望 Key Word 技術センサスにより新結合が情緒から科学へ 系列 業種を超えた顧客創造のツールとして活用 新結合 新連携のための道具立てとして活用中 (12) 製品の工程について該当するところに 印を記入して下さい また外注理由については ( イ - カ ) の中から選んで下さい ( 複数可 ) 産業分類アプローチ 技術センサス 工程の記号 工程名 1 位 2 位 3 位内製外注外注理由内製外注外注理由内製外注外注理由県内県外海外 ( イ-カ ) 県内県外海外 ( イ-カ ) 県内県外海外 ( イ-カ ) Ⅰ-1 鍛造 自動車 電気 電子 機械 鍛造 鋳造 自動車 電電装化機気械 電子 Ⅰ-2 鋳造 Ⅰ-3 ダイカスト Ⅰ-4 粉末冶金 Ⅰ-5 プラスチック ホ Ⅰ-6 プレス Ⅰ-7 ゴム Ⅰ-8 ガラス Ⅱ-1 切削 ホ ホ Ⅱ-2 研削 ホ ホ Ⅱ ー 3 切断, 溶断 ト Ⅱ-4 型彫り放電 ホ 切削 Ⅱ-5 ワイヤーカット ホ Ⅱ-6 ポリッシング Ⅱ-7 積層 (3Dプリンター) Ⅱ-8 その他特殊加工 Ⅱ-9 手仕上げ แบบสารวจทางสถ ต ด านเทคโนโลย ภ ม ภาค(ฉบ บแก ไข) Ⅲ-1 熱処理 ホ Ⅲ-2 めっき Ⅲ-3 塗装 Ⅲ-4 コーティング イ Ⅲ-5 その他表面処理 1. กร ณาตอบในห วข อ(1)-(3)ท อย ด านล างน เก ยวก บภาพรวมบร ษ ทของท าน (1) กร ณากรอกเก ยวก บสภาพป จจ บ นของบร ษ ท ช อบร ษ ท ช อประธานบร ษ ท จ านวน ยอดขายต อป ท พน กงาน ค านวณได ในช วงน ท อย จ านวนป ล านบาท/ป ท ก อต ง เบอร โทร ( ) - ป ผ กรอก แผนกท ส งก ด ช อ เง นท น ข อม ล แบบ ล านบาท สารวจ อ เมลล : (2) กร ณากรอกเป นส ดส วนเปอร เซนต ของยอดขายจากค าถามท (1)ตามร ปแบบท แสดงด านล างเก ยวก บตลาดและ ผล ตภ ณฑ ของค ณ ล กค า ประเภทผล ตภ ณฑ ภายในเม องภายในจ งหว ด ต างจ งหว ด ต างประเทศ ผล ตภ ณฑ % % % % % รวม 100% บร ษ ท ผล ตภ ณฑ % ท ร บส ง % % % % รวม 100% ผล ต รวม 100% Ⅳ-1 電気製品の組立 Ⅳ-2 機械製品の組立 Ⅳ-3 溶接組立 Ⅴ-1 試作 ホ Ⅴ-2 測定, 検査 へ 外注理由イ社内に設備がないロコスト対策ハ品質の保証ニ近くに協力工場がある 海外理由リ自社の海外拠点があるヌ品質の保証ル技術に問題がない ホ設備能力不足ヘ人手不足ト必要技術がないチその他 ヲ納期に問題がないワ価格が国内より安いカその他 ด านล างน ไม ต องกรอก 3. 貴社の人材とそれに担当する業務について以下の (13)~(14) の質問にお答え下さい 担当者名は 個人名称ではなくアルファベットを用いて記入して下さい なお 各設問を通して個人名とアルファベットを統一し重複しないようにして下さい ( 必要ならばアルファベットと数字を組合せてお使い下さい ) 35
3. 展望 入門 対事業所サービスの進出加速が必要 ~ものづくり支援型サービス産業の新興アジア展開のチャンス 基礎 日本の製造業は新興アジアで成功すれば収益率が高いがサービスを内生化( 屯田兵 ) 応用 軒先ビジネス は新規企業と既出企業がお互い連携できる方法の一つ << 軒先ビジネス >> 日本の中小企業はタイ工業団地が用意する工場であってもコスト的に敷居が高い 既にタイ メコン地域に進出済みの企業が 自社の空きスペースを提供する 軒先ビジネス が強力な推進策になる可能性が大 法制面の課題を検討中 貸す企業側 ( 進出済み企業 ) にとっても 1) 余剰スペースの有効活用 2) 製造業からサービス業への足がかり 3) 販路共有でコスト削減や基幹部品構築 ( クラスター化 ) のメリット 36
3. 展望 Key Word エネルギー需給の逼迫 省エネ 金属加工のミッシングリンク 産業高度化 たたらの伝統を持つ特殊金属加工クラスター SUSANNO アモルファスを活用した省エネ変電設備で ASEAN のエネルギ - 課題を克服 Material tests Milling Manufacturing Techniques Retain high-skill levels and long experience with difficult-to-cut materials like heat-resistant special steel Lathe-turning manufacturing Electrospark machining SUSANOO's Special Steel Manufacturing Techniques Rapid Prototyping Technology Grinding Processing Techniques Vacuum heat processing techniques Finishing Techiques Laser Manufacturing Plate/Press Manufacutring Incorporation of new partners, with a focus on in-prefecture partnerships + アモルファス 特殊金属加工技術 37
3. 展望 Key Word 日本最大の産業クラスター TAMA クラスターとタイとのビジネスマッチング = 課題大喜利 を実施 お題は 1 運河の水質悪化 2 天然ゴムの過剰生産 3 工場の労働力不足 STEP1: 課題発見 WS@ 新興アジア STEP2: 課題大喜利 @ 日本 STEP3: 商談交渉 @ 新興アジア 38
3. 展望 Key Word 日本が成長できないのは 変えるためのコスト ( 調整コスト ) が高すぎる! カンバン系列 と 岩盤規制 と調整を節約する方法としての新興アジア自分で強みを決めない 新興アジアで組み合わせを変えて勝負下請を脱して新興アジアに飛翔せよ! 第二の創業へ : 次世代に業を残せ! 下請 これまで 大企業 これから プラットフォーム 1 要望 新興アジア 個別市場 A 2 融合産業融合 3 提供 1 要望 2 融合産業融合 ( 中小 ) 企業群 3 提供 新興アジア 個別市場 B 市場 Japanese G Y Z B Japanese F K A J B I B D C H G F E 日本への遡行 : リバース イノベーション 39
御清聴有難うございました 何か個別プロジェクトでご質問 ご相談が あればお気軽にどうぞ 本稿は教育用教材として活用する性質のものである 松島大輔 matsushima@nesdb.go.th +66-81-839-7893 主な著作 活動 空洞化のウソ (2012 年 7 月 ) 講談社現代新書出版 世界のインフラ事情 ( 土木技術 (2011~13 年 ) 連載中 インドものづくり原論 ( 日刊工業新聞 ) (2010 年 ) 連載 インドの知的財産戦略 ( 特許ニュース ) (2009 年 ) 連載 インド物流ネットワークマップ (2009 年 )JETRO 出版 その他講演 講義多数