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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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3 年次後期専門科目群 Ⅰ ( 必修科目 ) 2 単位 臨床薬理学 2 回目 生物薬剤学講座児玉庸夫 1

臨床薬理学は薬物治療学を支える 基礎として機能する 薬物治療学 臨床薬理学 治療薬や用量などの薬物治療の個別化 臨床薬物動態学 例えば TDM や薬物相互作用 医療薬学 例えば 調剤 製剤 服薬指導 在宅医療における訪問薬剤管理指導 2 臨薬

臨床薬理学は医薬品開発や臨床薬効評価などを行う学問である 厚生労働省は 薬事法に基づき医薬品としての承認の可否を判断する 医薬品開発 例えば どの種類の臨床試験をどの時期に行うか 臨床薬効評価臨床試験 ( 治験 ) 例えば 臨床試験では どのような方法で有効性 ( エンドポイント ) を評価するか 例えば 治験の科学性 倫理性 信頼性をどのようにして確保するか 3 臨薬

講義の内容 (1) 第 1 回臨床薬理学の役割 医薬品開発の歴史とコンセプト 第 2 回医薬品市場と開発すべき医薬品 ( 小テスト ) 第 3 回標的生体分子とリード化合物 ( 小テスト ) 第 4 回医薬品の製造と品質管理 ( 小テスト ) 第 5 回医薬品開発における非臨床試験 ( 小テスト ) 第 6 回医薬品の承認 ( 小テスト ) 第 7 回医薬品開発と生産のながれ 及びリード化合物のまとめと演習 ( 中間テスト ) 4

講義の内容 (2) 第 8 回薬害 ( 小テスト ) 第 9 回治験の意義と業務 (1)( 小テスト ) 第 10 回治験の意義と業務 (2)( 小テスト ) 第 11 回治験における薬剤師の役割 ( 小テスト ) 第 12 回治験の意義と業務 (3)( 小テスト ) 第 13 回演習 5

第 2 回医薬品市場と開発すべき 医薬品 医療用医薬品で売上高上位を占める医薬品 薬価決定の要因 ジェネリック医薬品の役割 及び希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) 開発の重要性について説明できる 薬剤師国家試験法 2B-a 医療費法 2C-b 研究 開発法 5A-d 薬価基準制度 6

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (1) * 日本未発売であったが 既に厚生労働省により承認されたものもある MARTA: 多受容体作用薬 7

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (2) * 日本未発売であったが 既に厚生労働省により承認されたものもある 8

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (3) * 日本未発売であったが 既に厚生労働省により承認されたものもある 9

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (4) 抗うつ薬 4 成分 1 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)3 成分 2 セロトニン ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI)1 成分 高脂血症薬 3 成分 1 スタチン系 3 成分 抗潰瘍薬 3 成分 1 プロトンポンプ阻害薬 3 成分 10

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (5) 作用標的別の分類 1 酵素を作用標的とするもの9 成分 2 受容体を作用標的とするもの7 成分 3トランスポーター ( 輸送担体 ) を作用標的とするもの4 成分 4イオンチャネルを作用標的とするもの1 成分 5その他 3 成分 11

世界で 2002 年度売上高 24 位までの医療用医薬品 (6) 世界市場で 売上高が20 億ドル以上の医療用医薬品は24 成分で 日本の製薬企業により創製されたものは ランソプラゾール ( タケプロンカプセル ) とプラバスタチン ( メバロチン錠 ) の2 成分である 慢性疾患や生活習慣病に対する医薬品が上位を占め 第一位はアトルバスタチン ( リピトール錠 ) で85 億ドル ( 約 1 兆円 ) を売り上げた 9 成分は酵素を作用標的とするものである 12

日本における疾患別患者数の特徴 (2) 患者調査 2002 年 厚生労働省 日本での入院の受療率では 精神及び行動の障害を有する患者 ( 統合失調症など ) がトップで ( 人口 10 万人に対して258 調査日に人口の0.26% が入院していることを示す ) 循環器系疾患の順である( 人口 10 万人に対して246 調査日に人口の0.25% が入院していることを示す ) 日本での外来の受療率では 消化器系の疾患を有する患者がトップで ( 人口 10 万人に対して951 調査日に人口の0.95% が外来受診していることを示す ) 循環器系疾患の順である ( 人口 10 万人に対して704 調査日に人口の0.70% が外来受診していることを示 13 す )

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (1) 1 2 3 アムロジピンには 3 番目と 17 番目の 2 商品がある 14

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (2) 1 4 アムロジピンには 3 番目と 17 番目の 2 商品がある 15

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (3) 5 6 アムロジピンには 3 番目と 17 番目の 2 商品がある 16

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (4) 降圧薬 6 成分 1カルシウム拮抗薬 3 成分 2アンギオテンシンⅡ 受容体拮抗薬 2 成分 3アンギオテンシン変換酵素阻害薬 1 成分 17

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (5) 高脂血症薬 4 成分 1スタチン系 3 成分 2エイコサペンタエン酸製剤 1 成分 抗菌薬 4 成分 1 合成抗菌薬 1 成分 2β-ラクタム系 2 成分 3マクロライド系 1 成分 抗潰瘍薬 4 成分 1 防御因子増強薬 2 成分 2ヒスタミンH2 受容体遮断薬 1 成分 3プロトンポンプ阻害薬 1 成分 18

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (6) 作用標的別の分類 1 酵素を作用標的とするもの13 成分 2 受容体を作用標的とするもの5 成分 3イオンチャネルを作用標的とするもの3 成分 19

日本で 2001 年度売上高 30 位までの医療用医薬品 (7) 慢性疾患や生活習慣病に対する医薬品が上位を占める 世界市場で大きな売上高をもつ中枢神経系用薬 ( 特に 抗うつ薬 統合失調症 ) や プロトンポンプ阻害薬系の抗潰瘍薬の売上高が低い 胃潰瘍の治療ガイドライン (2003 年 厚生労働省研究班 ) において 防御因子増強薬の使用は推奨しないとの判定がなされたため 今後はプロトンポンプ阻害薬が中心となる可能性がある 13 成分は酵素を作用標的とするものである 20

有効性 安全性安全性製造販売前 製造販売後を通じた医薬品評価 製造販売前 製造販売後 承認審査 有効性と安全性の基本的評価 毒性試験薬理試験薬物動態試験第 Ⅰ 相試験第 Ⅱ 相試験第 Ⅲ 相試験 通常 6 年後 再審査 臨床的特性の明確化 再評価 使用成績調査特定使用成績調査製造販売後臨床試験 医療上の評価の確立 ( 薬剤疫学的評価?) 市販直後調査 安全性定期報告 ( 再審査期間中 ) 感染症定期報告 副作用 感染症報告 ( 企業 + 医療機関 薬局 )( 随時 ) 21

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 )(1) 医療用医薬品には 先発医薬品 ( 先に開発された医薬品で巨大な研究開発費用を必要とする ) とジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 )( 研究開発費用が僅かですむ ) がある 薬事法では ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) を その他の医薬品 として分類している ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品の再審査期間 ( 通常 6 年間 ) が過ぎれば承認申請できるが その時点で先発医薬品が有する特許の有効期間が満了している必要がある ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) という言葉は 医薬品の一般名 (generic name) に由来する 22 通知

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 )(2) ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) と先発医薬品の成分は同一である ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) と先発医薬品の剤形は異なってもよい ( 例えば 先発医薬品は錠剤 ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) はカプセル剤など ) 現時点で ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品の全規格 ( 例えば 5mg 錠 10mg 錠 20mg 錠 ) を揃える必要はない ( 今後は 全規格を揃えるよう厚生労働省から要請される ) 23 通知

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 )(3) 2003 年 3 月に日本の国立病院が行ったジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の採用状況調査では 品目数で6.5% 薬価換算金額で 5.6% を占めているが 欧米に比べてジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の採用は低い 欧米におけるジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) のシェアは 品目数でドイツ53.4% 英国 49.0% 米国 42.1% である 24

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の 承認審査 ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の成分は先発医薬品と同一であるため 既に有効性及び安全性は先発医薬品の承認の際に確認されている このため ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の承認申請に添付すべき資料は 以下に示すように品質と先発医薬品との同等性の確認が行われるために必要なものである 1 規格および試験方法に関する資料 2 安定性に関する資料 3 生物学的同等性に関する資料 25 通知

経口製剤のジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) と先発医薬品の生物学的同等性 経口製剤のジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品との間で溶出試験を行い溶出挙動の同等性を確認する 経口製剤のジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 健康成人志願者を対象として 先発医薬品との間で薬物動態試験を行い 最高血漿中濃度 (Cmax) 及び血漿中薬物濃度 - 時間曲線下面積 (AUC) を比較して生物学的同等性を確認する 26 通知

経口製剤でないジェネリック医薬品 ( 後発医 薬品 ) と先発医薬品の生物学的同等性 経口製剤でないジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品との間で薬力学試験 ( 効力を裏付ける薬理作用の比較 ) もしくは臨床試験 ( 主要効能に対する治療効果の比較 ) を行い 生物学的同等性を確認する 静脈内投与の注射薬であるジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品との間で生物学的同等性の確認が免除される 27 通知

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の使用が推奨される理由 ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品に比べ薬価が低く設定されるため 日本における医療費の軽減に寄与する 患者が支払う薬剤費が軽減される 患者は 自分の使用する医薬品を安価なものに変更することができる この際 薬剤師は調剤するジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) に関する説明を十分に行う必要がある 28

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の問題点 (1) ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の品質は 先発医薬品と同等か ( 厚生労働省による承認審査において確認されている ) 経口製剤のジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品と同等の臨床薬物動態特性を有するか ( 厚生労働省による承認審査において確認されている ) 経口製剤でないジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品と同等の薬力学試験成績 ( 効力を裏付ける薬理作用で同等 ) もしくは臨床試験成績 ( 主要効能に対する治療効果の比較 ) が得られているか ( 厚生労働省による承認審査において確認されて いる ) 29

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の問題点 (2) ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の品質 有効性 及び安全性に関する情報提供は 先発医薬品に比べ十分でない可能性がある ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) として製造販売される製品の規格は 先発医薬品の全規格に対応していない場合があるため 医療現場が混乱する ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) を採用した後 継続した供給がなされるか不安がある 30

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) を採用する薬剤師 ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) を販売する製薬会社は 規模が小さく MR( 医薬情報担当者 ) の数も十分でないため 医療機関や薬局に勤務する薬剤師は 採用したジェネリック医薬品の品質 有効性 及び安全性に関する情報を迅速に入手できない可能性がある 薬剤師は 採用したジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) に関する品質及び有効性 安全性に関する情報を 積極的の入手するよう努力する必要がある 31

希少疾病 希少疾病とは 日本国内において対象患者数が 5 万人未満の重篤な疾病をいい 原因不明 治療法未確立のいわゆる難病の多くは希少疾病に該当する 32 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の指定 薬事法第 77 条の 2 第 1 項 ( 指定等 ) 厚生労働大臣は 次の各号のいずれにも該当する医薬品又は医療機器につき これを製造又は輸入しようとする者から申請があったときは 薬事 食品衛生審議会の意見を聴いて 当該申請に係る医薬品又は医療機器を希少疾病用医薬品又は希少疾病用医療機器として指定することができる 33 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の研究支援策 薬事法第 77 条の 2 の 2( 資金の確保 ) 国は 前条第 1 項各号のいずれにも該当する医薬品 ( 希少疾病用医薬品のこと ) 及び医療機器 ( 希少疾病用医療機器のこと ) の試験研究を促進するのに必要な資金の確保に努めるものとする 34 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の研究支援策 薬事法第 77 条の 2 の 3( 税制上の措置 ) 国は 希少疾病用医薬品及び希少疾病用医療機器の試験研究を促進するため必要な措置を講ずるものとする 35 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) 開発振興制度 (1) ー指定制度ー 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) とは 医療上 特にその必要性が高いものであることが条件となる ( 代替する適切な医薬品又は治療法がないこと 又は 既存の医薬品と比較して著しく有効性もしくは安全性が高いものをいう ) 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の指定にあたっては 開発の可能性が高いことが条件となる ( 当該医薬品を使用する理論的根拠およ び開発計画に妥当性が高いことをいう ) 36 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) 開発振興制度 (2) ー指定された医薬品に対する措置ー 助成金の交付 ( 交付額は対象となる試験研究費の 2 分の 1 を限度とする ) 税額控除 指導 助言 ( 医薬品医療機器総合機構 ) 承認申請手数料の減額 優先審査 ( 他の医薬品等に優先して承認審査を行う ) 薬価 ( 加算適用 ) 再審査期間の延長 ( 最長 10 年まで延長 ) 37 通知

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ )(1) 38

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ )(2) 39

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ )(3) 40

希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の承認と取消し 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) の指定件数は 2003 年 10 月までで 165 件で うち 30 件が指定を取消されており ( 有効性 安全性が確認できなかった ) またこれらのうち厚生労働省による承認までに至ったものは 94 件である 41 通知

薬価 (1) 薬価は 診療行為を行った医療機関や保険薬局に対し 医療保険が支払う医薬品の公定価格である 医薬品の薬価 ( 医薬品の公定価格 ) は 厚生労働大臣が規定する方法で算定される ( 健康保険法第 76 条療養の給付に関する費用第 2 項 ) 厚生労働大臣は 医薬品の薬価調査を行う ( 健康保険法第 77 条薬価調査等についての厚生 労働大臣の権限 ) 42 新聞 法

薬価 (2) 日本は国民皆保険であり 保険医療では 原則として厚生労働大臣の指定する医薬品 ( 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載された医薬品 ) 以外は使用することができない 保険医又は保険薬剤師が 保険医療又は保険調剤において使用する医薬品は 薬価基準に収載されている医薬品のみである 43 新聞 法

薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) (1) 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) は 健康保険法およびこれに基づく法令の規定に基づき定められている 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) には 厚生労働大臣の指定する医薬品と 保険から支払われる価格 ( 薬剤料 ) とが収載されている ( 表形式 ) 44 法

薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) (2) 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載された医薬品であれば保険医療に使用できることを示し 同時に薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) は 医療保険から支払われる薬剤料を算定する価格表として使用される 薬価基準は 保険医療機関又は保険薬局が保険請求を行うための価格である 薬価基準は 保険医療機関又は保険薬局が 保険者に診療報酬を請求するときの算定の基礎となる医薬品の価格について定めたものである 45 法

薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) (3) 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載される医薬品は 薬事法に基づく厚生労働大臣の承認が必要である 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への医薬品の収載は 承認を取得した企業 ( 承認取得者 ) からの申請によって検討される 価格が折り合わないため 承認取得者が薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への収載を断念することがある 46 法

薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) (4) 予防を目的とした医薬品や生活改善のための医薬品は 保険の趣旨に照らして薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) へ収載されないことがある ( 例えば 禁煙補助剤 勃起不全薬 経口脱毛症薬などは 全額自己負担 ) 禁煙補助剤は 2006 年度から医療保険が適用された 47 法

薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への収載 新医薬品の薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への収載は 年 4 回行われる 輸液のような 新規性の乏しい医療用の配合剤 ( 類似処方医療用配合剤とよばれる ) の薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への収載は 年 2 回行われる ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) への収載は 年 1 回行われる 48

49 新医薬品の薬価算定新薬類似薬の有無類似薬と新規性 効能を比較し 算定原価計算によって算定画期性 有用性 市場性に応じて加算外国平均価格と比べ調整中央社会保険医療協議会(中医協)で審議 承認ありなし高い効能新規性に乏しい場合類似薬効比較方式補正加算外国価格調整原価計算方式薬価新聞

新医薬品の薬価算定 - 類似薬効比較方式 (1)- 類似薬効比較方式とは すでに薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載されている医薬品の中から 薬価を算定しようとする新医薬品に最も類似したものを選び それぞれの1 日薬価を一致させる方式である 医薬品の1 日薬価とは 標準的な用量で治療した場合の1 日あたりの薬剤費のことである 類似薬は 効能 効果 薬理作用 構造及び化学構造 投与形態などを踏まえて選択される 50

新医薬品の薬価算定 - 類似薬効比較方式 (2)- 新医薬品には 最初に開発された医薬品とその後に開発された類似医薬品があり ( 例えば カルシウム拮抗薬 β- 遮断薬などの薬効領域 ) その後の数番目かに開発された類似医薬品は ゾロ新とよばれる ゾロ新には類似薬候補が多数存在するため 過去 10 年間に薬価基準に収載された類似薬の 1 日薬価の平均 過去 6 年間に薬価基準に収載された類似薬の最も低い1 日薬価及び最も類似性の高い類似薬の1 日薬価などを踏まえて 新医薬品の1 日薬価としている 51

新医薬品の薬価算定 - 補正加算 - 補正加算は 類似薬よりも優れた点のある医薬品が対象となる 補正加算には 画期的加算 有用性加算 (Ⅰ) 有用性加算 (Ⅱ) 市場性加算(Ⅰ) 市場性加算 (Ⅱ) の5 種類があり それぞれの加算ごとに加算比率が決められていて 類似薬効比較方式で算定された価格にこの加算比率をかけて算出された額を加算することになっている 52

新医薬品の薬価算定 - 画期的加算 - 画期的加算では 以下の 3 つの要件をすべて満たす必要がある 1 臨床上 有用な新規の作用機序を有すること 2 類似薬と比べて 高い有効性または安全性を有することが 客観的に示されていること 3 当該新規収載品により 対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること 客観的に示されていること とは 比較臨床試験で対照薬に比べ統計的に有意に優れる場合などを想定している 53

新医薬品の薬価算定 - 有用性加算 (Ⅰ)- 有用性加算 (Ⅰ) は 画期的加算の要件のうち 2 を満たし さらに 1 か 3 のいずれかの要件を満たす必要がある 1 臨床上 有用な新規の作用機序を有すること 2 類似薬と比べて 高い有効性または安全性を有することが 客観的に示されていること 3 当該新規収載品により 対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること 客観的に示されていること とは 比較臨床試験で対照薬に比べ統計的に有意に優れる場合などを想定している 54

新医薬品の薬価算定 - 有用性加算 (Ⅱ)- 有用性加算 (Ⅱ) は 以下のいずれかの要件を満たす場合に対象となり 2 に示されるように製剤的な工夫に基づく有用性も評価の対象となる 1 類似薬と比べて 高い有効性または安全性を有することが 客観的に示されていること 2 製剤における工夫により 類似薬に比して 高い医療上の有用性を有することが 客観的に示されていること 3 当該新規収載品により 対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること 客観的に示されていること とは 比較臨床試験で対照薬に比べ統計的に有意に優れる場合などを想定し ている 55

新医薬品の薬価算定 - 市場性加算 (Ⅰ)- 市場性加算 (Ⅰ) は 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) に対して適用される 市場が小さいために 企業が開発しにくいような分野の薬に対して 開発を促進するための施策として設けられた 56

新医薬品の薬価算定 - 市場性加算 (Ⅱ)- 市場性加算 (Ⅱ) は 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) よりも 少し大きな患者集団を対象とした医薬品に対して適用される 市場が小さいために 企業が開発しにくいような分野の薬に対して 開発を促進するための施策として設けられた 57

新医薬品の薬価算定 - 原価計算方式 - 原価計算方式は 適当な類似薬がない場合に 製造原価や販売経費 開発費 流通経費 利益などを積み上げて薬価とする方式である 薬価算定にあたり 企業は売上げの予測を提出する 58

新医薬品の薬価算定 - 外国価格調整 - 外国価格調整では 外国 ( 米国 英国 ドイツ フランスの 4 ヵ国 ) の平均価格 ( これら 4 ヵ国の価格の平均 ) の 1.5 倍以上であれば引き下げが 4 分の 3 以下であれば引き上げが行われる 59

ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の 薬価算定 ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品の再審査期間 ( 通常は6 年 ) 及び特許期間が経過してから承認申請されるため 薬価基準に収載されるのは 新医薬品である先発医薬品が薬価基準に収載されてから 6 年後以降である 初めて薬価基準に収載されるジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の薬価は その時点で先発医薬品の薬価の70% と決められている 既にジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) が薬価基準に収載されているときは それらの中の最も低い価格と同額とされる 60

薬価調査と薬価改定 保険医療機関又は保険薬局が使用する医薬品の購入価格は 医薬品卸売業者との価格交渉によって決まる 薬価と医療機関や保険薬局が購入する医薬品の価格には差があるため ( 薬価差とよばれ 医療機関や保険薬局の収入となっている ) 原則 2 年に1 度 薬価の改定が薬価調査に基づき行われる 薬価調査は ある月の薬の取引について 医薬品卸 ( 販売側 ) と医療機関など ( 購入側 ) で取引された価格を調査して行われる 61

第 2 回講義の結論 (1) 日本で売上高上位を占める医療用医薬品は 慢性疾患や生活習慣病に対する医薬品が上位を占める 日本では 世界市場で大きな売上高をもつ中枢神経系用薬 ( 特に 抗うつ薬 統合失調症 ) や プロトンポンプ阻害薬系の抗潰瘍薬の売上高が低い 日本では 胃潰瘍の治療ガイドライン (2003 年 厚生労働省研究班 ) において 防御因子増強薬の使用は推奨しないとの判定がなされたため 今後はプロトンポンプ阻害薬が中心となる可能性がある 日本で売上高上位を占める医療用医薬品の13 成分は酵素を作用標的とするものである 62

第 2 回講義の結論 (2) 医療用医薬品には 先発医薬品 ( 先に開発された医薬品で巨大な研究開発費用を必要とする ) とジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 )( 研究開発費用が僅かですむ ) がある ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品の再審査期間 ( 通常 6 年間 ) が過ぎれば承認申請できるが その時点で先発医薬品が有する特許の有効期間が満了している必要がある ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) は 先発医薬品に比べ薬価が低く設定される 63

第 2 回講義の結論 (3) ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) の品質 有効性 及び安全性に関する情報提供は 先発医薬品に比べ十分でない可能性がある ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) として製造販売される製品の規格は 先発医薬品の全規格に対応していない場合があるため 医療現場が混乱する ジェネリック医薬品 ( 後発医薬品 ) を採用した後 継続した供給がなされるか不安がある 64

第 2 回講義の結論 (4) 希少疾病とは 日本国内において対象患者数が 5 万人未満の重篤な疾病をいい 原因不明 治療法未確立のいわゆる難病の多くは希少疾病に該当する 希少疾病用医薬品 ( オーファンドラッグ ) とは 医療上 特にその必要性が高いものであることが条件となる ( 代替する適切な医薬品又は治療法がないこと 又は 既存の医薬品と比較して著しく有効性もしくは安全性が高いものをいう ) 65 通知

第 2 回講義の結論 (5) 医薬品の薬価 ( 医薬品の公定価格 ) は 厚生労働大臣が規定する方法で算定される ( 健康保険法第 76 条療養の給付に関する費用第 2 項 ) 日本は国民皆保険であり 保険医療では 原則として厚生労働大臣の指定する医薬品 ( 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載された医薬品 ) 以外は使用することができない 薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載される医薬品は 薬事法に基づく厚生労働大臣の承認が必要である 66 法

第 2 回講義の結論 (6) 類似薬効比較方式とは すでに薬価基準 ( 使用薬剤の薬価 ) に収載されている医薬品の中から 薬価を算定しようとする新医薬品に最も類似したものを選び それぞれの1 日薬価を一致させる方式である 補正加算には 画期的加算 有用性加算 (Ⅰ) 有用性加算 (Ⅱ) 市場性加算(Ⅰ) 市場性加算(Ⅱ) の5 種類があり それぞれの加算ごとに加算比率が決められていて 類似薬効比較方式で算定された価格にこの加算比率をかけて算出された額を加算することになっている 原価計算方式は 適当な類似薬がない場合に 製造原価や販売経費 開発費 流通経費 利益などを積み上げて薬価とする方式である 67