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長崎県の鳥類 40 長崎県産鳥類の年間生息状況 種名 チゴモズ モズ アカモズ タカサゴモズ オオモズ オオカラモズ 亜種名 1 月 上旬 72 中旬 39 下旬 月 上旬 31 1 中旬 下旬 23 3 月 上旬 21 中旬 29 下旬 36 4 月 上旬 9 中旬 1

バードウォッチングへの誘い27 ( 夏休み企画 Ver) 高らかに宣言しよう! 恐竜は鳥も同然である! と! シソチョウ 鳥の祖先は恐竜であるという仮説が提唱され 近年発見された化石から羽毛が見つかったことで恐竜から鳥への進化は定説となりました Raptor は猛禽類と恐竜を表すラテン語であることに

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H30 秋第 2 号平成 30 年 10 月 16 日現在 10/14( 日 ) 風もなく穏やかな一日 個体数は少なく 鳥がいないが ウグイス アオジ アトリ オオルリ キビタキなどは増えた カラフトムジセッカも複数いるようだ キマユムシクイ 1 ムギマキ 5(2 の畑 ) コホオアカ 2 オジロビ

第1部 わかやまの貴重な動植物 1 選定の考え方 (1) 対象種 県内域に生息 生育する陸産 淡水産及び汽水産の野生動植物とする ただし 海域を生息域とするウミガメ類については 産卵地が県内域で確認されている種を 選定の範疇に含めた 原則として外来種や飼育種 栽培種は除外するが これらに該当する種で

~ バードウォッチングへの誘い ~ 第 4 回探鳥の秋 猛禽の秋! 秋の渡りを見よう! 夏鳥として日本にやってきて 子育てをしていたワシタカ達も いよいよ冬を前に暖かい越冬地へと渡ってい く季節です ハチクマやサシバといったワシタカ達の勇姿を見ることができる ワシタカファンには待ちに待っ たシーズン

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鳥海イヌワシみらい館通信 Vol, 年夏号 鳥海イヌワシみらい館マスコットキャラクター ワッシーくん バードウォッチングへの誘い23 探訪! 最上川河口鳥獣保護区 突撃! 鳥海イヌワシみらい館 6 酉年記念! 自然写真家斎藤政広さんに聞く! 蜂蜜の森から 1 蜂蜜の森から 森のドリンク

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資料一覧 資料 1 オオタカの希少種解除の検討について 3 資料 2 オオタカの国内希少野生動植物種の指定解除についての 5 パブリックコメントから見えてくる課題 資料 3 オオタカの生息状況の変遷と現状 7 資料 4 違法な捕獲 飼育の現状と対処 12 資料 5 オオタカ保護制度のあり方 14 資

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Transcription:

鳥海イヌワシみらい館通信 Vol,17 2016 年新年号 鳥海イヌワシみらい館マスコットキャラクター ワッシーくん バードウォッチングへの誘い 17 冬の大型猛禽類 鳥海山南麓 ( 山形県酒田市草津 ) で確認されたイノシシ イノシシ (2015 年 12 月 ) 酒田市にて

バードウォッチングへの誘い17 冬の大型猛禽類 大型の猛禽類たちが観察できるシーズンがやってきました 観察できるといっても 個体数の少ないオオワシ オジロワシはいつも姿を見せてくれるものではありません 冬のごく短い期間にしか会えないこのワシたちが どうしてここにいるのか 現在どのような危険にさらされているのかといったことを知れば 出会えた時の感動も倍増すること間違いなしです オジロワシ学名 Heliaeetus albicilla 英名 White tailed Sea-eagle 翼開長 200cm~ 230cm 2mを超える大型のワシです シベリアを含む北極圏を繁殖地としています 日本でも北海道でのみ繁殖が確認されています 名前の通り真っ白な尾羽が特徴ですが 体の割に尾羽は小さいです 環境省レッドリスト絶滅危惧 Ⅱ 類 天然記念物 国内希少野生動植物種 オジロワシ 撮影 : 長船裕紀氏 オオワシ 撮影 : 高橋雄成氏 オオワシ オジロワシはどうしてこんなに寒い日本にいるの? ダメだこりゃ! カキーン! ニヤリ -30 オオワシ オジロワシが繁殖期に暮らすシベリア地方は 冬の気温がマイナス30 にも達する極寒の地 川面が氷ってしまっては エサとなる魚をとらえることはできません また もう一つのエサであるカモたちも越冬のために日本にやってきますので シベリア地方にはワシたちが食べる物が少なくなってしまいます 日本も確かに寒いのですが 海岸や川が氷るほどではなく エサとなる魚がいたりカモ類も豊富に越冬しますので それを狙っているのですね 琵琶湖に行く個体もいます! まて ~! 北海道では 漁で廃棄された魚たちを狙う個体もいます オオワシ学名 Heliaeetus pelagicus 英名 Steller's Sea eagle 翼開長 220cm~ 250cm白と黒のはっきりした体色と 黄色くて大きなクチバシが特徴です 世界での生息数はおよそ5200 羽と言われており 絶滅が危惧されています 環境省レッドリスト絶滅危惧 Ⅱ 類 天然記念物 国内希少野生動植物種 オオワシ オジロワシの生存を脅かすもの 1 開発による大規模な生息地の破壊 大規模な開発などによって ねぐらとなる場所や 繁殖地の環境が破壊 ( 土地造成 道路建設 河川開発 森林伐採等 ) されています これは日本だけでなく海外の繁殖地の問題でもあります 2 鉛弾による鉛中毒 うっ! 3 バードストライクバードストライクとは 飛行機や車 高層ビルの窓などに鳥がぶつかってしまう事故です 近年建設が進む 風力発電 も 原因の一つになっています 特にオジロワシはプロペラと同じ高さを飛行するためにバードストライクに遭遇する確率が高いようです これは モーションスメア と呼ばれる現象で 早く動くものに近寄れば近寄るほど物体を認識することが難しくなります こうした現象がもとで 現在までに 43 羽のオジロワシが風力発電施設へぶつかって死んでいることが報告されています (Strix Vol,31 浦達也 風力発電が鳥類に与える影響の国内事例 ) オオワシ オジロワシを猟銃で撃つことは法律で禁止されているのに どうして鉛弾が生息数の減少に影響しているのでしょうか それはオオワシ オジロワシが死肉食の習性も持ち合わせているからです 鉛弾で撃たれたシカやカモなどの死肉に残った鉛弾を食べることによって 鉛中毒になるケースが非常に多いのです これまでに 150 羽以上の死亡例が報告されています ( 猛禽類医学研究所より )

今年の冬将軍は弱いのか!? 冬将軍ならぬ冬足軽 いつまでたっても雪が降りません (12 月の庄内地方市街地 ) カメムシが大発生すると大雪になるという言い伝えがありますが 当館では今年はカメムシが多く発生したので冬本番はこれからということでしょうか 積雪地のみなさん 運転 除雪作業に気を付けてくださいね 積雪地でない地域の皆さんも急な降雪には注意しましょう 備えあれば憂いなし! 秋から冬にかけての動物達です 2015/10/1 クロサギ 遊佐町魚を食むクロサギもまたハンターなのですね 白いサギと比べると 黒い姿はワイルドさが増すような気がします 撮影 : 渡会様 2015/10/5 ハクチョウ ( 初飛来 ) 酒田市 ハクチョウの鳴き声 で 環境省の残したい日本の音風景 100 選にもなっている最上川スワンパークへ 今年もハクチョウが飛来しました 撮影 : 阿呆撮様 2015/11/22 サケ 遊佐町立派な鼻曲がりのサケですね! 水中カメラで撮影してくれました いけない! よだれが! 撮影 : ナッシーくん 2015/11/23 ハクチョウ 酒田市東京都から旅行で来たお客様が 最上川河口のスワンパークで撮影してくれました そう 最上川はハクチョウの聖地 日本有数の飛来地になっています 撮影 : 東京都大川様 2015/11/28 ハヤブサとカラス 酒田市ハヤブサが止まった電柱はカラスのお気に入りの場所だったようで しつこくモビングしていたそうです 撮影 : ナッシーくん 2015/11/28 オオバン 酒田市水面を泳いだりするので 黒いカモの仲間? と思いきや クイナ の仲間 額の白い部分は羽毛ではなく肉質の額板です 最上川河口鳥獣保護区でエサを食べている様子 撮影 : 阿部一彦様 2015/11/29 カジカ 遊佐町川の土手の上 ( 陸上 ) に落ちていたそうです 救命措置をとって川にもどしてやったそうな カジカの恩返し来るかな? 少し先に視線をやると ある鳥の存在が! 撮影 : ナッシーくん 2015/11/29 カワガラス 遊佐町前出のカジカの続き お前か! お前がやったのか ~! 撮影 : ナッシーくん 2015/8/21 番外編 ミサゴ 山形県舟形町橋の橋梁に止まる猛禽類を見て 何だろう? と 車を路肩に寄せて車内からスマホで撮影したそうです その距離 3m ほどといったところでしょうか? 撮影 : 森島様 2015/9/4 アオバト 神奈川県大磯アオバトの乱舞! この写真に入っているだけでも 40 羽以上! 淡い緑色の羽毛が美しいですね ~ 撮影 : こまたん金子典芳様 2015/11/3 番外編 ミズカマキリ 新潟県村上市最近めっきり見なくなったこの水生昆虫 カマキリとつきますが 実はカメムシの仲間です 臭いにおいを出すのかな? 撮影 : ナッシーくん 2016/1/4 番外編 ハイタカ 神奈川県平塚市ベニマシコの美しい鳴き声に聞き入っていると 急に警戒の鳴き声に変わったそうです ふと上を見上げると飛んでいたのがこのハイタカ! 撮影 : こまたん金子典芳様

鳥海山南麓 ( 山形県酒田市草津 ) で確認されたニホンイノシシ 文 写真長船裕紀 イノシシを 2015 年 12 月 21 日 山形県酒田市 鳥海山南麓 500m 付近で撮影したので報告します 日本には2 亜種 ( ニホンイノシシ リュウキュウイノシシ ) が生息し 今回撮影したイノシシは分布上では亜種ニホンイノシシ S. scrofa leucomystax にあたります 2015 年の 12 月中旬 鳥海山南麓にも降雪し 雪上に残された足跡を観察していたところ ニホンカモシカとは若干の違いを感じさせる足跡を見つけました 一般的にニホンジカやカモシカと比較すると副蹄が低い位置にあるため 副蹄が足跡とし て残りやすいこと 外側に開いているなど 図 3. 国内のイノシシの分布 の違いがあります そこで自動撮影カメラを設置し 動物の撮影を試みたところ 図 1. 撮影したイノシシ 1 週間後の 12 月 21 日にイノシシの撮影に成功しました 山形県版レッドデータブック (2003) によると 山形県では明治時代末期を最 主蹄 副蹄 後に絶滅したといわれていました しかし 2000 年頃から東北地方では福島県や宮城県で分布が拡大するとともに イノシシによる農作物被害の増加も報告されるなど社会問題にまで発展しています そんな中 山形県でも平成 14 年に天童市で狩猟捕獲されて以降 相次いで捕獲されるようになり 平成 25 年以降急激に増加 ついに平成 26 年度に初めて捕獲数が 100 個体を越えました 図 2. イノシシの足跡 ( 雪上 ) これに伴い農業被害も発生しており 今後も分布域の拡大及び被害面積も 増大することが予測されることもあり 現在山形県ではイノシシ 管理計画の策定が進められています 山形県みどり自然課による と平成 28 年 12 月現在 酒田市においてイノシシが撮影された情 報はこれまでにないようです 先ほど述べたように 福島県等で 増加するイノシシには 特に東日本大震災後に家畜のブタと交配 したイノブタが確認されており 拡大するイノシシには遺伝的に 図 4. 山形県におけるイノシシの捕獲位置メッシュ図 ( 左 ;H13-26 年 ) と農作物被害発生市町村 ( 右 ;H19-26 年 ) 引用 : 山形県みどり自然課 純粋な個体ではないイノシシも含まれている可能性も高く 山形県で確認されるイノシシも例外ではありません かつて 山形県においてイノシシが衰亡した理由は定かではありませんが 江戸時代から明治時代にかけて土地利用が拡大したことや狩猟圧 豚コレラの流行などによって東北地方の殆どの地域で絶滅していったようです 長いスパンでとらえると 一度絶滅した野生動物が長い年月をかけて回復しつつあると考えるか 農作物被害をもたらす害獣の侵略と捉えるのか議論のわかれるところです 今後の動向に注目したいと思います 引用 参考資料 山形県.2003. レッドデータブックやまがた山形県の絶滅の恐れのある野生動物環境省.2010. 特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン ( イノシシ編 ) 山形県みどり自然課.2015. 山形県イノシシ管理計画 ( 案 )2015 年 12 月版 ( 素案 )

イベント開催報告 猛禽類観察会 葦原の猛禽 ~ チュウヒ ~ 開催しました! 11 月 21 日 ( 土 ) 野鳥観察入門 葦原の猛禽 ~ チュウヒ ~ と題して 身近に生息する絶滅危惧 ⅠB 類 チュウヒ を対象にした観察会を開催しました 講師は日本野鳥の会山形県支部長の簗川堅治さんです 当日は秋晴れの下 最上川河口にある国土交通省が管理する小牧川水門を特別に利用させていただき観察をしました 開始してすぐに ハヤブサ が川岸の枝に止まりました その後 大型猛禽類の オジロワシ が川の中州から海岸方面へ飛んでいくところを観察できました また シジュウカラガン ( 絶滅危惧 ⅠA 類 ) も 1 羽だけ飛んでいるのを見ることができました 講師の簗川さんは 解説アイテムを使って楽しく解説をしてくれました 参加者も興味深く楽しいお話に耳を傾けていました この日は チュウヒ の姿を見ることはできませんでしたが 河川敷にわずかに残る葦原を見ながら 湿地環境の保全の重要さを知っていただき 講師の軽妙なトークと解説で 終始笑いの絶えない観察会となりました 参加してくださった皆さん 講師の簗川堅治さんありがとうございました 最上川の土手を歩きながら観察 後日 観察会参加者数名より 参加してみての感想や お礼の手紙をいただきました こうした参加者の声はスタッフも喜びを感じますし 今後の運営に励みになります ありがとうございました オジロワシ この日見られた鳥 トビ ノスリ ハヤブサ オジロワシ ハシボソガラス ヒヨドリ ムクドリ キジバト アカゲラ モズ ツグミ カワラヒワ ハクセキレイ スズメ ホオジロ カワウ ダイサギ アオサギ マガモ ミコアイサ カルガモ コガモ シジュウカラガン ホシハジロ カンムリカイツブリ オナガガモ セグロカモメ スズガモ オオハクチョウ コハクチョウ イベント情報コーナー 猛禽類観察会 冬のワシ タカ探し この時期にしか観察できない大型の猛禽類たちを観察します ラムサール条約登録湿地である下池に集まる水禽達も観察しましょう 期日平成 28 年 2 月 6 日 ( 土 ) 時間 9:00~12:00 場所大山下池 ( 鶴岡市 ) 定員先着 15 名参加費一人 300 円 ( 保険代 資料代 ) 講師宮川道雄 ( 鳥獣保護区管理員 ) 持ち物双眼鏡 ( 貸出可 ) 防寒着 飲み物 マイコップ お申込み お問合せ TEL 0234-64-4681( 鳥海イヌワシみらい館 ) E-mail: moukin@raptor-c.com 締切 2 月 4 日 ( 木 )17:00 まで ( 土日は休館となります ) シジュウカラガン

イヌワシってどんなワシ?15 イヌワシの生息数 ここ猛禽類保護センターには 鳥海イヌワシみらい館 という愛称がついていますが イヌワシって何? と思う人や図鑑でしか見たことがない人もいるかと思います そこでシリーズ 15 回目は イヌワシの生息数 について紹介します 前回の記事で イヌワシが環境省レッドリスト (2012) において 絶滅危惧種 Ⅰ 類 であり 絶滅危険度の高いグループにカテゴリーされていることを紹介しました 2002 年版 レッドデータブック ではイヌワシの日本国内での推定生息個体数は 400~500 羽と記載されており 最新の 2014 年版レッドデータブックでは 650 羽とされています この数値だけを聞くと なぁ ~ んだ! 生息数が増えてるし まだ全然大丈夫じゃないですか! と思いそうですが これには理由があって 生息数が増えているのは実際に生息個体が回復したことによるものではなく これまで未調査地があったことや 調査で使用する機器の進歩 技術の進歩から調査の精度が向上したことによるものです また この 650 羽という生息個体数は 種を維持していくためにはもうギリギリの数で 決して安心できる数ではないのです さて レッドデータブックで公表している イヌワシの国内生息個体数 650 羽 という数について疑問を持つ人もいるのではないでしょうか 生息確認 生息推定 一時滞在 日本におけるイヌワシの生息分布猛禽類保護の進め方改訂版より ( 環境省 2012) ちょうさいん マイナンバーカード 鳥海 狗鷲 野生生物であるイヌワシは 人間のように戸籍 出生届や国勢調査などあるわけではありません 個体別の特徴も判別は不可能だと思えます さらに空を自由に飛行するので どこのなわばりのイヌワシなのか把握することは容易ではないはずと考えますよね しかし留鳥として定住性のあるイヌワシは ペア数を把握することはある程度可能で 1997~ 2001 年の希少猛禽類調査報告書では 日本国内に留鳥として なわばり を持って暮らしているイヌワシのペアが 少なくとも 260 組いることが明らかになっています ということは 520 羽は確実に生息しているという事になり これになわばりを持たないで暮らしている 非繁殖個体の推定生息数を加えて 650 羽という数が導き出されているのです 皆さんが疑問を抱く通りこの 650 羽という数はおおよその数であり 1 羽単位での正確な実数を言える報告は存在しないのですが これでもイヌワシは数ある野生鳥類の中で もっとも生息数が把握されている鳥でもあるのです 編集後記 & 施設情報 1 月 ~3 月の開館情報 いよいよ来年は酉年 年男です 今年はリオオリンピックに海のイベント等盛りだくさんカモ ( 本 ) 2015 年 12 月はドカ雪に遭ってません たまには楽ちんな冬を過ごしたい!( 村 ) 休館日 1 月 2 月の毎週 ( 火 土 日 )( 祝日 ) 3 月は毎週 ( 火 ) が休館 http://www.raptor-c.com/ 猛禽類保護センター リーオ! リーオ! リーオ! リーオ!!( 長 ) 2016 年もよろしくお願いします!( 鎌 ) Vol,17 新年号