1 章計画の目的と方法 計画の目的 小樽市住宅マスタープラン( 住生活基本計画 ) は 安全で快適に暮らせる住環境づくりを推進するために 官民含めた住宅施策の方針を示すものであり 本市の住宅施策は 第 6 次小樽市総合計画及び本プランに基づき展開していきます 平成 16 年度に現行プランを策定後 第

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相模原市住宅基本計画 概要版

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(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

Microsoft Word - 沖縄県住生活基本計画(概要版)1101

Microsoft Word - 【資料3】表紙


公的な住宅改修制度について

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地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画都道府県名三重県作成主体名計画期間平成 17 年度 ~ 22 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 当該地域は 三重県の南部に位置し 人口約 25,000 人 世帯数約 8,400 世帯の地域である は伊勢志摩国立公園の玄関口として 観光及び水産業を中心に発展

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

2

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地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

地域住宅計画の名称 大崎地域住宅計画第 Ⅲ 期 ( 第 2 回変更 ) 作成主体 大崎市 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 32 年度 1. 地域の住宅施策の経緯及び現況 大崎市は, 市西部の奥羽山脈を源とする鳴瀬川, 江合川が東流する肥沃な耕土として形成された大崎平野に位置し, 田園と水資源豊


大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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2-1 沖縄県の住宅事情 (1) 人口 世帯数及び住宅ストックの状況 1 平成 22 年 ~42 年に人口 2.7% 増 ( 全国 :8.9% 減 ) 世帯数 13.0% 増 ( 全国 :5.9% 減 ) 推計によると 本県は人口 世帯数ともに平成 37 年まで増加する ( 全国では人口 H22 世

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

1. 上位計画 1 住生活基本計画 ( 全国計画 )( 平成 23 年度 ~ 平成 32 年度 ) 住生活基本法 ( 平成 18 年法律第 61 号 ) 第 15 条第 1 項に規定する国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画を 平成 23 年度から平成 32 年度までを計画期間と

①基本計画_ xbd

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

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マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

PowerPoint プレゼンテーション

計画策定の背景と目的 本市では 平成 11 年 3 月に 大東市住宅マスタープラン を策定し 施策 事業を推進してきましたが 計画策定から15 年余りが過ぎ この間に本格的な人口減少 少子高齢化社会の到来や 環境問題をはじめ社会情勢は大きく変化してきました これらの変化 課題を踏まえ 住生活の安定の

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

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高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

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福井市住宅基本計画【素案概要版】

平成13年度分譲マンションアンケート調査(簡易集計結果)


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社会資本総合整備計画 計画の名称 都道府県名 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 2. 課題 福井県地域住宅等整備計画 福井県作成主体名 平成 23 年度 ~ 27 年度 地域住宅計画の名称 福井県地域 福井県 福井市 敦賀市 小浜市 大野市 勝山市 鯖江市 あわら市 越前市 坂井市 永平

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満


PowerPoint プレゼンテーション

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用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

第 1 計画の基本的事項 1 計画の目的庄原市住宅基本計画 ( 以下 本計画 という ) は 住宅を取り巻く環境の変化に対応しつつ 本 市の実情や市民ニーズに対応した住宅施策を進めるため 現計画 ( 平成 20 年 3 月策定 ) の見直しを行 い 新たな計画を策定するもので 市民が安心 安全で快適

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2. 相談 29

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

地域住宅計画 計画の名称 岐阜県地域住宅計画 都道府県名岐阜県作成主体名 計画期間 1 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 28 年度 ~ 32 年度 岐阜県 高山市 美濃加茂市 瑞穂市 海津市 垂井町 揖斐川町 坂祝町 川辺町 平成 23 年度から平成 27 年度までの 5 年間 岐阜県地域住宅計

計画の今後の方向性

札幌市住宅マスタープラン2011

1 計画の目的と位置づけ 1 計画の目的 本県では 平成 17 年度に 福井県住宅 宅地マスタープラン を策定 平成 23 年度に改定して ゆとりある豊かな住生活の実現に取り組んでいます 今回 本計画の上位計画となる住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 28 年 3 月に改定されたことや 人口減

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

スライド 1

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

地域住宅計画 計画の名称鳥取市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 22 年度 ~ 26 年度 鳥取市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 鳥取市の概要鳥取市は鳥取県東部に位置する県庁所在地で 平成 16 年 11 月 1 日に国府町 福部村 河原町 用瀬町 佐治村 気高町 鹿野町 青谷町

地域住宅計画 計画の名称境港市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 29 年度 ~ 33 年度 境港市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 境港市の概要境港市は鳥取県の北西部 弓浜半島の北端に位置し 東は美保湾に西は中海に 北は境水道をへだてて島根県松江市美保関町に相対し 南は米子市と接し

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

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3 年ごとの定期借家契約を交わす仕組となっており 利用者は住宅の借り手を自身で探す必要もないことから 中古住宅市場の活性化や空き家問題の解決等の面でも期待されている取組である リバースモーゲージローン 住活スタイル は 住まなくなった家を活用し 充実したセカンドライフ 住みかえライフを送るための個人

<第1回> 帯広市都市計画審議会 第二次 都市計画マスタープラン検討                   専門部会

2. 重点施策 事業 (1) 人が集まるまちづくりの取り組み空き家 空き地の適切な管理を促進し その活用等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため 枚方市空家等対策計画 を策定し 空き家等対策に取り組みます また 市外に住む子育て世帯や若年夫婦世帯が 市内在住の親世帯と同居 近居する目標ための住

(3) 住宅ストック の概況 1 住宅総数と空家率住宅総数は一貫して増加傾向にあり 昭和 63 年の 38,100 戸から平成 20 年の 58,570 戸へと 20 年間で 20,470 戸増加しています 空家数は昭和 63 年の 3,500 戸 ( 空家率 9.2%) から バブル後の平成 5

目次 第 1 章 : この計画について 1 (1) 舞鶴市住生活基本計画とは (2) 国 府の住宅政策の動向 (3) 舞鶴市住生活基本計画策定の考え方 第 2 章 : 舞鶴市の住宅 住環境に係る課題 2 (1) 地域生活の 安心基盤 としての住宅 住環境づくり (2) 居住魅力の向上に資する 良質な

基本方針

地域住宅計画 計画の名称地域都道府県名大阪府作成主体名計画期間平成 21 年度 ~ 24 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 は東西 16km 南北 4.8km 面積は 43.99k m2を有し 大阪市中心部 和歌山市中心部よりそれぞれ約 30km の位置にある 市域では寺社仏閣の歴史的資源

社会資本総合整備計画 ( 地域住宅支援 ) 計画の名称計画の期間計画の目標 1 下田市安全で安心できるすまいづくり まちづくり ( 地域住宅計画 ) 平成 20 年度 ~ 平成 24 年度 (5 年間 ) 交付対象下田市 住宅 建築物の改善や防災対策を行うことにより 安全で安心できる住まい まちづく

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第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

目次 1 帯広市住生活基本計画について 1~2 2 帯広市住生活基本計画 3 3 帯広市住生活基本計画の進捗管理について (1) 計画の進捗管理 4 (2) 施策の評価総括表 5 (3) 第六期帯広市総合計画や分野計画に定めている住生活に関わる成果指標の実績値 6 4 平成 27 年度施策評価表 基


第 4 章住宅施策の展開 1 安全 安心で快適な住生活の実現 に関する住宅施策 基本目標 1の 安全 安心で快適な住生活の実現 については 次の施策目標ごとに 施策を展開していきます (1) 災害に強い住まいづくり (2) 既存住宅の質の向上と活用 (3) 快適な住生活の実現 (1) 災害に強い住ま


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②鳥取県地域住宅計画3期(当初)

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スライド 1

青森県高齢者居住安定確保計画 ( 案 ) 平成年月 青森県

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小樽市 住宅マスタープラン ( 住生活基本計画 ) 概要版 平成 27 年 3 月小樽市

1 章計画の目的と方法 計画の目的 小樽市住宅マスタープラン( 住生活基本計画 ) は 安全で快適に暮らせる住環境づくりを推進するために 官民含めた住宅施策の方針を示すものであり 本市の住宅施策は 第 6 次小樽市総合計画及び本プランに基づき展開していきます 平成 16 年度に現行プランを策定後 第 6 次小樽市総合計画 ( 平成 21~30 年度 ) が策定されたこと 現行プランが10 年間の計画期間を終了すること 上位計画である 北海道住生活基本計画 が見直し ( 平成 23 年度 ~) されたことを踏まえ 新たに理念や目標などを定め 各施策に取り組んでいくことを目的とします 計画策定の方法 現行プランを基本とし 社会 経済情勢の変化や国 北海道の住宅政策の動向を踏まえ 現行の各施策の進捗状況の検証を行います 本市の住環境を取り巻く状況変化の分析や市民等意向調査などから課題を整理し 市民の住宅ニーズにより的確に対応する計画となるよう 各施策の見直しを行い 新しい住宅マスタープランとして策定します 計画の位置づけ 総合計画の住宅施策の目標 展開方向を示す部門別計画であり 小樽市の住宅施策 市営住宅施策は この計画に基づき展開します また 都市計画 福祉部門などの関連計画と連携を図り 総合計画の理念 目標の実現に資するものとします 1

計画期間 計画期間は 平成 27 年度から平成 36 年度までの 10 年間とします 策定体制 小樽市住宅マスタープラン策定委員会 を設置し 市民の立場から策定内容に対し意見をいただきます 庁内には 関係課長職で構成する 庁内検討委員会 を設置し 関係部長会議及び企画政策会議を経て 最終的には市長の附属機関である 小樽市住宅行政審議会 からの答申を受けて 市長が決定します 小樽市 住宅行政審議会 諮問 答申 市 長 報告 議 会 計画案決定 企画政策会議 ( 関係部長会議 ) 計画案作成 小樽市住宅マスタープラン策定委員会 ( 各方面の識者 専門家 市民で構成 ) 指導 助言 北海道 計画素案作成 庁内検討委員会 事務局 パブリックコメント市民等意向調査市民関係団体等 2

2 章住宅事情と課題 人口 世帯数の推移小樽市の総人口は 125,540 人 総世帯数は 65,981 世帯です ( 平成 26 年 9 月末 ) 人口はこの 10 年で 17,950 人の減少 世帯数はピークだった平成 18 年の 67,923 世帯から 1,942 世帯の減少です ( 世帯 ) 80,000 70,000 ( 人 ) 170,000 67,910 67,923 67,831 67,859 67,715 67,394 67,232 67,158 66,605 65,981 160,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 143,490 141,322 139,267 137,120 135,168 133,168 131,444 129,947 127,793 125,540 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 人口世帯数 150,000 140,000 130,000 120,000 110,000 100,000 90,000 子育て世帯 高齢者世帯の推移 資料 : 住民基本台帳 ( 各年 9 月末 ) 平成 2 年と 22 年で比較すると 6 歳未満の親族がいる世帯が 5,830 世帯から 2,308 世帯減少して 3,522 世帯に 6 歳以上 18 歳未満の親族がいる世帯が 13,089 世帯から 6,727 世帯減少して 6,362 世帯になっています また 65 歳以上の単身世帯が 4,953 世帯の増加 65 歳以上の夫婦のみの世帯が 3,934 世帯の増加で この 20 年で 2 倍以上増加しています ( 世帯 ) 70,000 60,313 61,371 60,284 58,820 57,560 60,000 5,830 5,048 4,833 4,166 3,522 8,413 7,184 50,000 10,457 6,362 13,089 7,067 8,288 5,533 9,174 40,000 4,221 4,547 5,829 6,762 3,263 7,197 30,000 20,000 10,000 32,417 34,728 35,229 33,884 31,305 0 平成 2 年平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年 その他の世帯 共に65 歳以上の夫婦のみの世帯 65 歳以上の単身世帯 6 歳以上 18 歳未満の親族のいる世帯 6 歳未満の親族のいる世帯 総数 資料 : 各年国勢調査 3

住宅所有関係別世帯数構成比の比較平成 22 年国勢調査においては 持ち家が全体の約 3 分の 2 の 37,295 世帯で最も多くなっています 構成比でみると 持ち家 64.8% 公営借家 6.9% 民営借家 23.3% 給与住宅 2.0% となっています 北海道 市部 後志管内と比較すると 持ち家率は最も高く 公営借家率は市部より高く 北海道 後志管内より低くなっています 民営借家率は後志管内より高く 北海道 市部より低くなっています 0% 20% 40% 60% 80% 100% 北海道 55.5 7.4 30.4 3.8 3.0 市部 53.6 6.2 34.3 3.1 2.8 後志管内 62.1 9.6 19.5 3.9 4.9 小樽市 64.8 6.9 23.3 2.0 2.9 持ち家公営 都市機構 公社の借家民営借家給与住宅間借りその他 資料 : 平成 22 年国勢調査 公営住宅管理戸数の推移この 10 年でみると 市営住宅はオタモイ住宅の建替え 道営住宅は築港団地の建設があったほか 道営住宅から市営住宅に管理が変更になった住宅がありました 道営住宅の管理戸数に大きな変動はありませんが 市営住宅は老朽化が進んだ住宅の解体を進めていて 管理戸数は減少してきています ( 戸 ) 6,000 5,000 4,772 4,807 4,807 5,027 4,965 4,731 4,776 4,732 4,683 4,587 4,000 1,195 1,195 1,195 1,365 1,365 1,305 1,305 1,305 1,187 1,175 3,000 2,000 3,577 3,612 3,612 3,662 3,600 3,426 3,471 3,427 3,496 3,412 1,000 0 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H25 年度市営住宅年度末戸数道営住宅年度末戸数総計年度末戸数 資料 : 建築住宅課 4

3 章基本目標 基本理念平成 26 年度に実施した市民アンケート調査においては 小樽市に住む魅力として 歴史の中に小樽がある 自然の中にマッチした小樽が大好きです 古い街並みが好き 歴史と伝統のある小樽 等の歴史文化 自然環境が挙げられる一方 除雪がたいへん 高齢者にとって住みやすい住宅が少ない 空き家 空き地が多くなりさびしい といった改善要望が見られます 上記のように 市民は小樽市の歴史文化 自然環境を大事な資産としてとらえ それらと調和しつつも暮らしやすく賑わいのある住環境を求めています 小樽市の住宅施策としては 既に人口 世帯数が減少し 少子高齢化する社会を迎えている中 よりコンパクトで かつ活力やにぎわいのある住宅市街地を形成するとともに 本市の持つ自然環境や歴史 特徴ある街並みと調和し さらには良好な地域コミュニティが維持される中で子どもから高齢者まで誰もが暮らしやすい施策の展開が望まれています このような社会背景や市民ニーズを踏まえ 小樽市住宅マスタープランの基本理念は 従来の住宅施策の考え方を踏襲しつつ 次のとおり定めます - 基本理念 - 小樽に住まう安心 安全 快適な住環境づくり * 住まう とは 住んでいる 住み続ける という意味です 5

基本目標 目標 1 小樽の風土に根ざした良質な居住環境づくり人口 世帯数が減少する中 新たな市街地の拡大を抑制し 利便性が高く環境負荷を低減するコンパクトな住宅市街地づくりを目指します 目標 2 子どもから高齢者まで安心して暮らせる住環境づくり急速に進行する少子高齢化に対応し 子どもから高齢者まで誰もが安心して暮らせる住まいの環境づくりを目指します 目標 3 既存ストックの有効活用住宅数が減少し空き家が増加する中 新規に供給される住宅の性能向上はもちろんのこと 空き家を含む既存ストックを大切に使い 住宅全体の質の向上を目指します 将来世帯数の設定 ( 単位 : 世帯 ) 65,000 59,687 60,850 59,919 60,000 57,210 55,000 50,000 54,060 50,870 47,990 45,000 H7 H12 H17 H22 H27 H32 H36 平成 7~22 年度国勢調査による世帯人員をもとに推計 住宅所有関係別世帯数の設定 将来の住宅所有関係別世帯数は 過去の趨勢を考慮して各区分割合を想定し 持ち家 63% 借家 34% と設定します その結果 各区分別の世帯数は下表のようになります 国勢調査 推計値 H7 H12 H17 H22 H27 H32 H36 住宅に住む一般世帯 59,687 60,850 59,919 57,210 54,060 50,870 47,990 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100% 100% 100% 持ち家 36,831 37,977 37,791 37,295 34,060 32,050 30,240 61.7% 62.4% 63.1% 65.2% 63.0% 63.0% 63.0% 借家 21,636 21,391 19,909 18,574 18,370 17,290 16,320 36.2% 35.2% 33.2% 32.5% 34.0% 34.0% 34.0% 間借り 1,220 1,482 2,219 1,341 1,630 1,530 1,440 2.0% 2.4% 3.7% 2.3% 3.0% 3.0% 3.0% ( 単位 : 世帯 %) 6

4 章施策の展開方向 課題基本理念基本目標展開方向 1 周辺環境と調和しまちの魅力 を創出する住環境づくり (1) まちなか居住の推進 2 気候風土に対応した省エネ住 1. 小樽の風土に根ざし 宅対策 た良質な居住環境づ (2) 良好な住宅市街地づくり 3 冬期間の雪処理対策 くり 4 利便性の高いまちなか居住対 策 (3) 住まいの情報の充実 強化 5 高齢者等の自立を支援する住宅 住環境対策 6 子育て支援につながる住宅 住環境対策 7 世帯の変化に対応する住宅 住環境対策 小樽に住まう 安心 安全 快適な住環境づくり 2. 子どもから高齢者まで安心して暮らせる住環境づくり (1) 安心して子育てできる住まいづくり (2) 高齢者 障がい者にやさしい住まいづくり (3) 住宅セーフティネットの形成 (1) リフォーム 中古住宅市場 8 空き家対策 の活性化 9 民間活力の活用 10 既存住宅の性能向上 11 中古流通 リフォーム市場等の環境整備 3. 既存ストックの有効活用 (2) マンションの適正な維持管理 12 公共賃貸住宅の整備活用 13 既存公共賃貸住宅の長寿命化 (3) 公共賃貸住宅の供給及び 対策 ストックの維持改善 (4) 空き家等の対策 7

主な施策 事業の内容 まちなか居住の支援雪と寒さに強い住宅地づくり周囲の環境と調和した住環境づくり災害に強い住宅地づくり相談体制の充実 事業者との連携及び支援 / 既存借上公営住宅制度の検討 / まちなか居住誘導施策の検討 / 助成制度等のまちなか優遇策の検討 新しい北方型住宅 きた住まいる の普及啓発 / 長期優良住宅の普及啓発 / 雪処理に配慮した住宅の普及啓発 / 福祉除雪サービス事業の活用 / 貸し出しダンプ制度の活用 / ロードヒーティング整備助成制度の活用 / 省エネルギー住宅の普及啓発 / シックハウスに関する相談 簡易測定の対応 小樽市都市計画マスタープランとの連携 / 小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例に基づく良好な景観への誘導 / 地区計画制度などの活用による街並みに配慮した景観形成の誘導 / 花いっぱいコンクールへの支援 急傾斜地崩壊防止事業の推進 / 土砂災害防止法に基づく区域指定 周知の推進 / 被災宅地危険度判定士の活用 / 建て替えや共同化などの誘導 各相談機関の連携強化 / 市ホームページでの住まいに関する情報提供 / 移住に関する情報提供 子育て支援高齢者 障がい者にやさしい住宅供給公共賃貸住宅の高齢化対応収入超過者への対応強化特定目的住宅の供給 子育て世帯の公営住宅への入居促進の検討 / 子育て支援住宅の整備検討 サービス付き高齢者向け住宅の普及啓発 / 介護保険居宅介護住宅改修費の支給新規整備におけるユニバーサルデザインの導入 / 車いす専用住宅の供給 / シルバーハウジング住宅の活用 / 高齢化に対応した住宅への改善 公営住宅法に基づく明け渡しの請求 特定目的住宅の必要戸数の確保 住宅リフォーム支援耐震性能の向上中古住宅の流通促進マンション維持管理に対する市民への情報提供関係団体との協力連携 人材育成市営住宅の供給及びストックの維持管理民間活力の活用道営住宅の供給空き家等の利活用 住宅リフォームガイドブック及び診断マニュアルの提供 普及 / 小樽市水洗便所等改造資金貸付制度の活用 / 小樽市バリアフリー等住宅改造資金融資制度の活用 / 住宅エコリフォーム助成の検討小樽市耐震改修促進計画の普及啓発 / 木造戸建て住宅の無料耐震診断及び詳細耐震診断助成制度の活用北海道 R 住宅制度の普及啓発 / 北海道住宅検査人の活用 / 中古住宅相談会の開催 マンション相談の受付 対応 関係団体との勉強会の開催 / マンション管理士の活用 老朽住宅の建替え 改善の推進 新築借上公営住宅制度の検討 / 買取公営住宅制度の活用 道営住宅の建替え 建設の促進 空き家 空き地バンク制度の活用 / 空き家活用支援策の検討 / 空き家の適正管理に向けた方策等の検討 8

5 章重点施策の展開方向 まちなか居住の推進人口減少社会の到来に伴い 利便性の高い居住環境や環境負荷の少ないコンパクトなまちづくりが求められています 本市ではこれまで 第 6 次小樽市総合計画 ( 平成 20 年度策定 ) などの中で まちなか居住の推進 を掲げ 各種施策に取り組んできました 今後も引き続き まちなか居住の推進を図るために 以下の施策を展開します 中心となる事業 事業者との連携及び支援既存借上公営住宅制度の検討まちなか居住誘導施策の検討助成制度等のまちなか優遇策の検討 関連する事業 子育て世帯の公営住宅への入居促進の検討 / 子育て支援住宅の整備検討 / サービス付き高齢者向け住宅の普及啓発 / 公営住宅の新規整備におけるユニバーサルデザインの導入 / 市営住宅の老朽住宅の建替え 改善の推進 安心して子育てできる住まいづくり少子化が進行していることから 子育てを担う世代が安心して快適に暮らすことができるよう 子育てに適した住宅の確保などが急務となっており 加えて定住や移住の観点からも 住宅分野における子育て支援策が求められています 広くゆとりのある子育て支援用の公営住宅整備などを促すために以下の事業を展開します 中心となる事業 子育て世帯の公営住宅への入居促進の検討子育て支援住宅の整備検討 関連する事業 既存借上公営住宅制度の検討 / 住宅リフォームガイドブック及び診断マニュアルの提供 普及 / 住宅エコリフォーム助成の検討 / 北海道 R 住宅制度の普及啓発 / 北海道住宅検査人の活用 / 中古住宅相談会の開催 / 空き家 空き地バンク制度の活用 空き家等の対策市内の住宅数減少に対し空き家は増加傾向にあり 住宅数全体の 15% が空き家となっています 空き家は防火 防犯 落雪や景観などの問題が懸念されることから 有効活用の支援策や所有者に対する適正管理の要請等が求められているため 以下の施策を展開します 中心となる事業 空き家 空き地バンク制度の活用空き家活用支援策の検討空き家の適正管理に向けた方策等の検討 関連する事業 既存借上公営住宅制度の検討 / 各種相談機関の連携強化 / 市ホームページでの住まいに関する情報提供 / 移住に関する情報提供 / 住宅エコリフォーム助成の検討 / 木造戸建て住宅の無料耐震診断及び詳細耐震診断助成制度の活用 / 北海道 R 住宅制度の普及啓発 / 北海道住宅検査人の活用 / 中古住宅相談会の開催 9

6 章計画の実現に向けて 市民 事業者 行政の役割 市民の役割事業者の役割行政の役割 本プラン対象住宅の 9 割は持ち家などの民間住宅 自らの生活の場である住宅を 安全で快適なものとし よりよい住環境を次世代に残していく意識と協力 本プランの理念や目標を理解し 各種施策を積極的に活用 新築やリフォームなどの際には積極的に住宅の 質 の向上 維持に取組む 設計者 建築施工業者 宅地建物取引業者 不動産経営者 福祉関連事業者などの関わりによる住宅整備 日常の事業活動 団体活動を通じて市民のニーズに応えるとともに 相互に連携を図りながら住みよい住宅を提供 行政の住宅政策について情報収集や理解を深め 各種施策の展開に協力 地域の住宅事情に応じたきめ細やかな住宅政策の推進 市民に対して : 公営住宅の供給や支援制度の実施 情報提供による 快適な住環境づくりへの意識啓発と知識の向上 事業者に対して : 住宅に関する専門的な情報を適切に提供することによる 事業者の意識啓発と技術の向上 国 北海道 関係機関などに対して : 地域の実情に即した住宅関連制度の拡充や情報の提供を働きかけによる 各種支援策の充実 計画の進捗管理 小樽市住宅マスタープラン は住宅施策の方針を示す基本計画であることから 事業ごとの目標値は定めませんが 市営住宅の整備は実施計画である 小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画 に基づき事業の進捗を把握するとともに 住宅リフォームなどの民間支援事業についてもそれぞれの実施状況を把握しながら 計画全体の進捗管理を行います また 本プランの計画期間中に見直しが予定される他の計画策定時には 本プランの進捗状況も踏まえて整合性を図ります なお 第 6 次小樽市総合計画 や他の分野計画で既に定めている目標値のうち 住宅に関わる指標を以下に掲載し 進捗管理の参考とします 他の計画で設定している住宅に関わる目標値 項 目 市営住宅の建替 改善事業の実施戸数 ( 改善は大規模改善のみ ) 住宅や暮らしの情報提供件数 中心市街地の居住人口 市営住宅の建替 改善の実施棟数 ( 改善は大規模と屋根 外壁等改善を含む ) 新耐震基準が求める耐震性を有する住宅ストックの比率 現状値 ( 基準年 ) 280 戸 (H10~19 年度計 ) 20,461 件 / 年 (H19 年度 ) 14,455 人 (H19 年度 ) 0 棟 (H21 年度 ) 64.7% (H15 年 ) 目標値 200 戸 (H21~30 年度計 ) 48,000 件 / 年 (H30 年度 ) 15,000 人 (H30 年度 ) 48 棟 (H31 年度 ) 95% * (H32 年 * ) 計画名 第 6 次小樽市総合計画第 6 次小樽市総合計画第 6 次小樽市総合計画小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画小樽市耐震改修促進計画 ( 告示 * に基づき見直し予定の数値 ) * 告示 : 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針 (H18 国交省告示第 184 号を H25 第 1055 号 により改正 ) 10