鳥取県社会資本総合整備計画 ( 地域住宅計画 Ⅱ 期 ) ちいき地域 じゅうたく住宅 けいかく計画 き Ⅱ 期 とっとりけんぜんいき鳥取県全域 ( 社会資本総合整備計画 ) とっとりけん鳥取県 平成 23 年 3 月
地域住宅計画 計画の名称鳥取県全域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 23 年度 ~ 27 年度 鳥取県 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 鳥取県の概要鳥取件は中国地方の北東部に位置し 東西約 120 km 南北 20~50 kmと東西に長く 国山地を中心とする森林が県土の約 7 割を占める豊かな自然に恵まれた県である 年間降水量は約 1,900 mmと中国地方で最も多く 冬期は東部地区を中心に積雪がある 人口は約 59 万人 世帯数は約 21 万世帯と全国で最も少なく 19 市町村のうち 鳥取 倉吉 米子 境港の 4 つの市に人口の約 7 割が集中している 人口の 26.1% は高齢者が占め 特に中山間部では少子高齢化とともにさらなる過疎化が進んでいる 2 住宅事情住宅総数は 247,200 戸で総世帯数を 37,200 戸上回っており 空家率は 15.0% と全国平均 (13.1%) を上回っている 住宅の所有は関係別にみると 持ち家 146,000 世帯 (70.0%) 民営借家 42,900 世帯 (20.6%) 公営 公社等借家 11,300 世帯 (5.4%) 等となっている 持ち家率は 70.0% と全国的に高水準にあるが 昭和 43 年が 77.2% 昭和 63 年が 74.5% と近年低下傾向にある また 専用住宅の 1 住宅当たりの延べ面積は 122.29 m2 ( 持ち家 151.3 m2 ) 全国平均 92.41 m2 ( 持ち家 121.03 m2 ) を大きく上回っている 一方 1 世帯当たりの居住人口は 2.77 人で減少傾向にあり 核家族化の進展やライフスタイルの多様化とともに 少子高齢化の進展に伴う高齢者単独世帯が 今後さらに増加することが予想される ( 数値はいずれも 平成 20 年住宅 土地統計調査 による ) 世帯 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 住宅の所有関係の推移 41,800 42,900 33,700 28,900 30,200 21,100 23,100 9,600 10,100 9,100 10,300 11,200 10,200 11,300 6,000 5,200 4,800 5,300 6,200 3,900 5,100 S53 S58 S63 H5 H10 H15 H20 民間借家 公営借家 給与住宅
3 県営住宅の状況県内の公営住宅は 県営約 4,000 戸 市町村営約 6,000 戸 合計約 10,000 戸が整備されている このうち 県営住宅については 平成 15 年 7 月から障がい者世帯 高齢者世帯 母子 父子世帯等に限定して第一次募集を行う 優先入居制度 を導入しており 平均応募倍率が約 5 倍で 優先入居対象者以外は入居できない状態が続いており コミュニティバランスが悪化 団地の自治活動に支障が出始めている また 中層耐火の県営住宅ストックは 昭和 55 年度までの建設に 4 割強 (1,400 戸 ) が集中しており 老築化している 供給している住戸タイプを見ると 3DK 以上が 86.5% だが 実際に入居されている世帯人数は 単身 二人世帯が半数以上を占め 住宅規模と世帯人数のミスマッチが生じている 4 その他の公的賃貸住宅の状況特定優良賃貸住宅は現在 113 戸が整備され 家賃補助がほぼ完了している 入居に収入などの制限があることから 長期の空き家は用途廃止を行い通常の賃貸住宅として管理されている 高齢者向け優良賃貸住宅は 296 戸整備され 入居待ちの住宅が多くニーズは高い その他 県内市町村は 特公賃 232 戸 改良住宅 464 戸 単独住宅 176 戸となっている 中堅所得世帯向けに供給していた県の単独住宅 ( 特別県営 )144 戸は 老朽化に伴い平成 22 年から順次 廃止している 2. 課題 地域の実情に応じた公営住宅の供給と公平性の確保少子化等により人口 世帯が減少に向かう中 これからの公営住宅は ますます増加する高齢単身 夫婦のみ世帯への対応など 今まで以上に地域や福祉施策との連携 地域の実情や地域住宅政策への貢献が求められるため 入居者に身近な存在である市町村の役割が重要となっている 公営住宅に入居できた者とできなかった者との家賃負担の格差が大きく不公平で 優先入居制度のため公営住宅が本来対象としている低額所得者が入居できない状況のため 県は真に住宅に困窮する者に確実に県営住宅を供給し 公平性を確保する必要があるため 入居基準の厳格な適用や高額所得者等への明渡しの促進 入居承継の厳格化など 一層の管理の適正化を図る また 入居を希望する住宅困窮者に対し 公的賃貸住宅インフォメーションにより住情報提供を拡充 ( 市町村 特優賃 高優賃 ) する 近年 年収の低下により若年子育て世帯の負担が相対的に増大していること 県営住宅入居者のコミュニティバランスが悪化 住宅規模と入居世帯のミスマッチが生じていることから 子育て世帯に対し期限付きの優先入居制度の検討が必要となっている また 多様化する社会的弱者 (DV 被害者 犯罪被害者 ホームレス 知的 精神障害者 ) について 随時 優先入居対象への追加やグループホーム利用での受入れ等を検討する必要がある
県営住宅ストックの老朽化等に伴う建替と改善現在の県の財政事情等を踏まえると 昭和 55 年度までに建設した大量の中層耐火ストックを 老朽化したからといってこれまでどおりのペースで全て建替えることは困難な状況にあり 将来の世帯減に併せ 一部 小規模団地等の住棟は耐用年数を持って縮減すると共に 大規模団地等の既存ストックは長寿命化で有効に活用することで 更新期の工事量を平準化していく必要がある なお 将来的には 公営住宅の供給 管理を県と市町村がそれぞれの役割を担い 協働 連携して効率的で住民ニーズにあった体制とするため 市町村に一元化するのが望ましいが 県営住宅の市町移管は市町の体制整備が必要なため 当面は県営住宅ストックを適正に維持管理 ( 改善や更新を含む ) し 市町村が抱える課題を諸課題を解消しつつ段階的に行う必要がある 地場産業の活性化と木造住宅県では 鳥取ルネッサンス運動 を展開し 鳥取県における資源 ( 人 もの 文化 伝統など ) の活用を推進してきた この中にある県産材の活用は 木材産業の振興 地域の活性化という観点から引き続き重要な取り組みの一つである また 木造住宅は地域の風土に根ざした家であり それは伝統であり地域の文化 住まいづくり まちづくりという点からも在来軸組工法を中心とした木造住宅の需要拡大と同時に住宅生産者の活性化が必要である 高齢化に対応した住宅供給 情報提供入居者の高齢化の進展に伴って 今後の県営住宅整備 ( 建替及び全面的改善 ) は エレベーター設置やバリアフリーなど高齢対応仕様による整備が必要となっている 民間賃貸住宅においても 高齢者が安心して居住できる住宅の確保及び情報提供が必要である また近年 多くのマンションが短期間で建設されたことから マンション管理に係る情報提供が必要となっている
3. 計画の目標 真の住宅困窮者の居住の安定のための住宅セーフティネットの構築 安全 安心 快適な住まいづくり まちづくりの実現 地域と地場産業の活性化のため 県産材の活用など地域に根ざした住まいづくりの推進 4. 目標を定量化する指標等指標定義従前値目標値単位基準年度目標年度 長寿命化計画に定める全面的改善対象の既存ストック ( 昭和 55 年度以前建設の 20 戸以上中層耐火 階段室型住棟 ) の全面的改善の実施割合 % 全面的改善の対象となる住棟における 全面的改善を実施した住棟の割合 38.7% 22 80.6% 27 長寿命化計画に定める個別改善 ( 長寿命化 ) 対象の既存ストック ( 昭和年代建設の中層耐火 階段室型住棟 ) の個別改善の実施割合 % 個別改善 ( 長寿命化 ) の対象となる住棟における 個別改善 ( 長寿命化 ) を実施した住棟の割合 0.0% 22 40.9% 27 CASBEE を利用した新築住宅の割合 % 新設住宅着工戸数に占める CASBEE を利用した新設住宅着工戸数の割合 1.0% 22 5.0% 27 注 ) 計画期間の終了後 上記の指標を用いて評価を実施する
5. 目標を達成するために必要な事業等の概要 (1) 基幹事業の概要 公営住宅等整備事業県営住宅余子団地は 昭和 49~51 年度に建設した中層耐火住棟 3 棟 64 戸は 構造劣化が著しく全面的改善ができないため 木造 32 戸での建替えを実施する 公営住宅等ストック総合改善事業 ( 全面的改善 ) 安全性 経済性及び既存ストックの有効活用 環境配慮の観点から 鳥取県長寿命化計画で全面的改善に位置付けた住棟 ( 昭和 55 年度以前建設の 20 戸以上中層耐火 階段室型住棟 ) のうち 7 団地 13 棟 328 戸 (TR 後は 320 戸の予定 ) について 住棟を長期使用するために全面的改善 ( トータルリモデル ( エレベーター設置 バリアフリー化 設備更新等 )) を実施する 公営住宅等ストック総合改善事業 ( 個別改善 ( 長寿命化 )) 安全性 経済性及び既存ストックの有効活用 環境配慮の観点から 鳥取県長寿命化計画で個別改善 ( 長寿命化 ) に位置付けた住棟 ( 昭和年代建設の中層耐火 階段室型住棟 ) のうち 4 団地 9 棟 158 戸について 住棟を長期使用するために個別改善 ( 長寿命化 : 断熱 省エネ改修 設備更新等 ) を実施する 公営住宅等ストック総合改善事業 ( その他個別改善 ) その他の個別改善として 外壁 ( 落下防止 ) 屋上断熱防水 断熱改修 ( 結露対策 ) 車いす使用者用改修その他個別改善事業について 長寿命化計画に位置付け計画的に実施する 住宅地区改良事業 ( 住宅新築資金等貸付助成 ) (2) 提案事業の概要 該当事業なし
(3) その他 ( 関連事業など ) 社会資本整備総合交付金事業 (1) 効果促進事業 公営住宅整備関連事業: 県営住宅整備に伴う移転費 駐車場整備その他基幹事業とならない事業 木の住まい助成事業 : 県営住宅整備で県産材利用を推進するほか 民間建設の住宅に県産材使用 伝統技術活用 CASBEE 利用を助成することで 地域と地場産業の活性化 地域に根ざした住まいづくりを推進する 木造住宅の普及 担い: 木造住宅の魅力を伝え 県産材需要の拡大を推進する団体の活動等を支援し 木造住宅手育成を普及 担い手育成することで 地域住宅産業の振興及び伝統建築承継者の育成を図る 人と環境にやさしい : 県産材を用いた鳥取型環境配慮住宅 ( 鳥取エコハウス ) を研究 提案することで 工務住まいづくり推進店 設計事務所の受注を拡大し 県産材の需要拡大につながる仕組みを構築する 住情報提供 : 県ホームページ 公共住宅インフォメーション等で住情報を提供する 講演会やセミナーの開催 パンフレットや冊子の作成 相談体制の確立で 安全 安心な住まいづくりを推進する 具体的には 少子 高齢化 ライフスタイルの多様化等により 住まいに関する個々の要望が複雑化しているため 県民が住まいに関する正しい知識と情報が得られるよう講演会や住宅相談 インターネット等による住情報の提供等 あらゆる手法を用いて情報提供を行うことで 安全 安心な住まいづくりを推進する 木造住宅は県産材利用による森林環境保全 地域住宅産業の活性化及び後継者育成強化 伝統技術の継承と地域文化 ( 景観 ) の維持等に寄与することから 民間団体への支援を含めて積極的に施策を展開する 住宅を通じて環境にやさしい住まいづくりを推進するため 県民の環境に対する関心を高め また実践させるための普及啓発や 自然素材を使用した家づくりなどを推進する 民間賃貸住宅については 一般住宅に比べて高齢者等に対応した設備の整備率が低いことから 高齢者等に対応した賃貸住宅ストックの形成を推進する
6. 目標を達成するために必要な事業等に要する経費等 交付金算定対象事業費 5,859 要綱第 5に掲げる式による交付限度額 2,642 本計画における交付限度額 2,636 国費率 45.3% ( 金額の単位は百万円 ) 基幹事業 事業公営住宅等整備事業 公営住宅等ストック総合改善事業長寿命化改善 ( 長寿命化 )( 永江ほか 4 団地 ) 交付期間内交付金算定事業主体規模細項目事業費対象事業費 建替 ( 余子団地 ) 鳥取県 32 戸 535 535 全面的改善 ( 永江ほか7 団地 ) 鳥取県 328 戸 3,719 3,719 鳥取県 158 戸 988 988 その他個別改善事業 鳥取県 500 500 合計住宅地区改良事業等合計提案事業事業 ( 例 ) 5,742 5,742 A 住宅地区改良事業住宅新築資金等貸付助成事業 鳥取県 - 90 117 90 117 K 交付期間内交付金算定事業主体規模細項目事業費対象事業費 合計 0 0 B ( 参考 ) 関連事業事業 ( 例 ) 社会資本整備総合交付金効果促進事業 ( 公営住宅整備関連事業 ) 社会資本整備総合交付金効果促進事業 ( 木の住まい助成事業 ) 社会資本整備総合交付金効果促進事業 ( 木造住宅の普及 担い手育成 ) 社会資本整備総合交付金効果促進事業 ( 人と環境にやさしい住まいづくり推進 ) 社会資本整備総合交付金効果促進事業 ( 住情報提供 ) 合計 事業主体 鳥取県 ( 市町村 ) 規模 住宅地区改良事業等については 交付交付期間内金算定対象事業費に事業費換算後の額を記入 - 148 鳥取県及び市町村 - 735 鳥取県 ( 市町村 ) - 33 鳥取県 ( 市町村 ) - 20 鳥取県 ( 市町村 ) - 3 939
7. 法第 6 条第 6 項の規定に基づく公営住宅建替事業に関する事項 該当無し 法第 6 条第 6 項に規定する公営住宅建替事業に関する事項を地域住宅計画に記載する場合には 法第 12 条に規定する施行要件の特例の対象となります 8. 法第 6 条第 7 項の規定に基づく配慮入居者及び特定優良賃貸住宅の賃貸に関する事項 県内の民間が管理する特定優良賃貸住宅は 8 団地 ( 合計 110 戸 ) で 県が管理する特定公共賃貸住宅は無い 現在 民間が管理する特定優良賃貸住宅で空家が増加傾向にあり 長期の空家により事業者の経営を圧迫してきている このことから 制度の範囲内で入居要件を最大限に緩和し また公営住宅における収入超過者の受け入れ先として活用するなど空家対策に努める 法第 6 条第 7 項に基づく配慮入居者を以下に掲げる 1~6 のとおり定め 3 ヶ月以上空家となった住戸について配慮入居者の入居を認め 空家の有効活用を図る 118 歳未満の同居する児童がいる者 2 入居者及び同居親族 ( 同居親族がある場合 ) に 60 歳以上の者がある者 3 入居者又は同居親族に身体障害者がある者 4 公営住宅からの転居世帯 5 災害による住宅困窮者 6 県外から県内に転入する者 法第 6 条第 7 項に規定する配慮入居者及び特定優良賃貸住宅の賃貸に関する事項を地域住宅計画に記載する場合には 法第 13 条に規定する特定優良賃貸住宅の入居者の資格に係る認定の基準の特例の対象となります ( ただし 一定の要件を満たすことが必要です ) 9. その他公的賃貸住宅等の管理等に関する事項 市町村主体の住宅施策の展開公営住宅供給を始めとする住宅施策は 県民に身近な存在である市町村の役割が重要であり 今後 県営住宅のうち市町村営住宅に近接している団地や市から借地している団地 地域性の高い小規模団地等を市町村に移管するなど 市町村の裁量による住宅供給の推進について検討する 法 とは 地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法 をいう