糖尿病の足病変 糖尿病ではなぜ足病変が生じやすのか 糖尿病足病変の予防と治療 全身の血管の走行 心臓から全身に動脈が広がっています 心臓から頭部心臓から両上肢心臓から大動脈大動脈から脇腹大動脈から腹部臓器大動脈から腎臓大動脈から骨盤動脈骨盤から足の動脈 一方通行です 太くても細くても血管は三層構造で出来ています 放射線科 外科 IVR 外来担当秋本和美 腹部大動脈骨盤動脈足の動脈 三層構造に注目して下さい 動脈硬化の進行について 全て連続しています 足の動脈は足の付け根で浅大腿動脈 深大腿動脈にわかれます 深大腿動脈は大腿の筋肉へ線大腿動脈は膝より下の筋肉や足先に栄養を送っています どの血管も三層構造で出来ています 1. 内皮細胞が障害を受ける 血中の多量の糖 2. その隙間からコレステロールが内皮細胞の隙間から血管壁に入り込む 3. 血管壁内で炎症が起きる 4. 炎症後部位が固くなる 5. これらが毎瞬間毎瞬間何年もかかって続く 6. 固くなる部位が増えていく 7. 血管が狭くなっていく 糖尿病の方の動脈硬化を予防する要は次のことに集約されます * 内皮細胞を障害する糖をコントロールする * 入り込むコレステロールの量をコントロールする
M もう一度全身の血管の走行を振り返ってみましょう だから糖尿病は血管の病気といえるのです 血管障害最小血管 大血管 血管障害以外 糖尿病と血管障害 網膜症腎症神経障害特に足脳梗塞心筋梗塞骨盤から足の動脈 : 閉塞性動脈硬化症 感染症肝障害白内障認知症 糖尿病は血管の病気 最小血管症網膜症 : 後天性失明の原因の第 1 位腎症 : 進行すると腎不全になる : 人工透析の原因の第 1 位神経障害 : 知覚障害 運動神経障害 自律神経障害 大血管症 = 動脈硬化症 : 糖尿病は最も重要な危険因子脳梗塞心筋梗塞下肢の閉塞性動脈硬化症 (AS0): 糖尿病性足病変 糖尿病の足病変は閉塞性動脈硬化症神経障害感染症が要因となり 難治性の潰瘍や壊疽に進行することが多くなります 足の神経は脊髄をでてからの経路が長いので 血管障害からの損傷の頻度が高くなります
透析導入患者の原疾患原疾患の推移 糖尿病性腎症からの導入が増加増加している 糖尿病性足病変 米国のデータでは糖尿病患者さんの 15 20% の方が生涯に一度足潰瘍になり 足潰瘍のできた 14 20% の方が足切断に至っています 足切断後の予後は不良で 切断後の 3 年生存率は 40% 5 年生存率は 50% といわれています だから 潰瘍が出来ないように! 潰瘍が進まないように! することが 目標になります
足の病気のいろいろその 1 足の病気のいろいろその 2 病気の原因は重なっていることがあります 私の外来に来て下さる患者様の場合 閉塞性動脈硬化症 腰部脊柱間狭窄症 糖尿病性神経症が同時に存在していることが多いです こうした病気の最終診断はあなたの先生が行って下さいますが ご自分でもご自分の体をよくみることがたいせつです 動脈硬化の原因の最重要要因は糖尿病ですが 糖尿病以外にも 動脈硬化の原因になる因子があります それは タバコ肥満加齢家族歴高血圧脂質異常そして糖尿病このうち 患者様のご努力で危険を下げることにつながる因子は タバコ 肥満 脂質 そして糖尿病のコントロールです 糖尿病 肥満のコントロールには 食事 運動が最重要です このように閉塞性動脈硬化症の原因になるものは糖尿病を第 1 位としていろいろな原因が重なっていますが 原因がなににしろ 症状は 次のようになります 糖尿病患者さんの場合 この順序でなく 1 度から急速に潰瘍壊疽になることがあります なぜなら 神経障害があったり 傷が治りにくい 感染が生じやすいからです 次のスライドで その誘因を見てみましょう
末梢動脈疾患患者の重症下肢虚血 (CLI) 発症に対するするリスクファクターリスクファクターの影響力 脂質異常 TG 高値 x2 倍 >65 X2 倍 年齢 糖尿病 X4 倍 Risk of developing CLI ABPI <0.7 X2 倍 <0.5 x2.5 倍 喫煙 X3 倍 TASC Ⅱ Working Group/ 日本脈管学会訳メディカルトリビューン発行 2007 年 ABI (Ankle Brachial Index) ABI= 足関節血圧上腕血圧 正常肢 1.0 以上 下肢血行障害 * API(Ankle Ankle Pressure Index) ABPI とも表す 0.9 以下 (1.3 以上も注意 ) 最近では 動脈石灰化により ABI が高めに出ることを考慮して TBI(Toe Brachial Index) や血管エコー SPP( 皮膚灌流圧 ) 測定の組み合わせが有用といった報告が多い 症状に応じた治療法の選択 糖尿病性足病変を増悪させる原因 糖尿病性足病変の治療法 靴擦れ : あわない靴 靴下の重ね履き 草履 下駄の鼻緒ずれ やけど : こたつ 湯たんぽ カイロなどによる低温火傷に注意 外傷 : 擦り傷 切り傷 : 神経障害で痛みを感じにくいので 気付かない時がある 爪障害 : 深爪 巻き爪 白癬症 皮膚の乾燥 亀裂 : 糖尿病性自律神経障害で発汗障害を生じ 乾燥してしまう
****** その前に ******** 症状に応じた治療法の選択 ご病状により このような診療行為を医療サービスとして提供しています 私どもの IVR 外来に通院して頂く患者様に到達して頂きたい目標は ご自分で運動し 運動により血糖コントロールと肥満解消を進めて頂けるような状態に導かせて頂くことです IVR による治療法
血管が閉塞していても ABIが低くても 内服と運動で側副血行路を作っていけばやっていける 場合が多いのです 人工血管バイパス手術やステント治療をおこなっても 糖尿病のコントロールが不良だったり 運動しないと 再閉塞します 糖尿病のコントロールが不良の場合 足を不潔にしていたり けがをしたりすると急速に増悪することがあります そこでこれから申し上げる足のお手当が 重要になってきます
糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケアあしをチェックあしをチェックしっかり靴選びしっかり靴選びはいる前に温度の確認はいる前に温度の確認たばこをやめるたばこをやめるいつも靴下を履くいつも靴下を履くせいけつを保つせいけつを保つつめの手入れつめの手入れあしはたいせつ重症化を防ぐために日頃から心がけましょう糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア毎日 明るい場所でしっかりチェック! 傷 ヤケド 皮膚の変色 足や爪の変形がないかよく確認 足の裏も鏡を使って忘れずに 家族に見てもらったり 手で直接触れることも大事 水虫やウオノメ タコがあったら自分で処置せずに医師や看護師に相談を 患者患者患者患者さんにもさんにもさんにもさんにも足を見る習慣習慣習慣習慣をつけてもらうをつけてもらうをつけてもらうをつけてもらう患者患者患者患者さんにもさんにもさんにもさんにも足を見る習慣習慣習慣習慣をつけてもらうをつけてもらうをつけてもらうをつけてもらう毎日足を観察する習慣をつけましょう 足に傷やタコ 靴ずれができていても 自分では気づかないこともあります 見えにくいところは 鏡を用いて自分で見たり 家族の人に見てもらうなどして こまめに足をチェックしましょう 糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア足に合った蒸れにくい靴を選ぶ 高いヒールや先端のとがった靴は避け 足に合ったものにする靴を履く前に 小石などの異物が入っていないか確認する習慣を
糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア入浴時は必ず 手でお湯の温度を確かめる 暖房器具は身体から離して使う 湯たんぽ カイロは用いず 靴下で暖かくする 糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病と診断されたら禁煙! ( タバコは動脈硬化を進展させ 血流障害を悪化させます ) 糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア通気性のよい素材で しめつけないものを選ぶ 白い靴下なら出血を容易に発見できる 糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者糖尿病患者さんさんさんさん 透析患者透析患者透析患者透析患者さんのさんのさんのさんのフットケアフットケアフットケアフットケア足の裏や足のゆび ( 足趾 ) の間も丁寧に洗う 洗った後は清潔なタオルで水分をしっかりふき取る 乾燥してひび割れしやすいところにはクリームを塗る
糖尿病患者さんさん 透析患者透析患者さんのさんのフットケア IVR 外来で患者様に指導させて頂いていること 大切なのは足だけじゃない まず 爪の状態をしっかりチェック 伸びた爪はケガのもと こまめに手入れを! 切りにくい場合は無理に自分で切らず 医師や看護師に相談する 爪の切り方 1 爪の先端を真っすぐに切る 2 両角は少し丸める程度にとどめ 深爪をしない 3 最後にヤスリをかけ滑らかにする 一番重要なことは 血管の狭窄の有無や狭窄率だけじゃなく 血糖のコントロールです 内科の主治医からインシュリンが必要ですといわれるようになったらインシュリン療法にかえることは重要です 食事療法と運動療法肥満改善毎日 腹囲を計測して自分のお腹の出っ張りをみつめる 見つめていくとなんとか頑張ろうと思えてきます おしまい