東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨 東日本大震災 ( 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいいます ) からの復興を図ることを目的として 東日本大震災復興基本法 (

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[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

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き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

上場株式等の配当等に対する課税

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 1 この明細書の用途この明細書は 法人が当期中に支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について課された所得税の額について 法第 68 条第 1 項 (( 所得税額の控除 ))( 復興財源確保法第 33 条第 2 項 (( 復興特別所得税

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

15 共済事業を行う農業協同組合の締結した建物更生共済契約又は火災共済契約その他これに類する共済に関する契約 ( 注 )1 確定給付企業年金法の規定による承認の取消しを受けた規約型企業年金に係る規約に基づきその取消しを受けた時以後に支払われる年金等についても 上記と同様に源泉徴収を行うこととなります

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 1 節国税の還付 学習のポイント 1 国税の還付金等とはどのようなものか 2 充当とはどのようなものか 1 還付金等の種類国税の還付には 還付金の還付と過誤納金の還付の二種類があり 還付金と過誤納金を併せて還付金等という (

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

います ( 所法 2042 二 ) Ⅲ 源泉所得税及び復興特別所得税の納税地 1 納税地源泉徴収義務者が源泉徴収した所得税は その納税地の所轄税務署に納付することになります この場合の納税地は 次の2に掲げる所得に対するものを除き 源泉徴収の対象とされている所得の支払事務を取り扱う事務所や事業所等の

3 平成 25 年 4 月に給与の支給規程を改訂し 平成 24 年分 10 月にまでさかのぼって実施する こととなり 平成 25 年 4 月の給与支給日に支払うこととなった平成 24 年 10 月から平成 25 年 3 月までの給与改訂差額 A 3 1 給与所得の収入金額の収入すべき時期は 契約又は

平成23年度税制改正の主要項目

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平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

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を受けたものを除きます ) の合計額に対応する譲渡所得 ( 又は山林所得 ) がないものと仮定して次の算式により計算した税額 X 又はYと 確定申告書に記載される所得税額との差額に相当する金額とされています ( 所法 1324 所令 266 措令 平 25.5 改正前の措令 25の814

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

与等の支払者 ) から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに 次に掲げる事項を記載した申告書を 当該給与等の支払者を経由して その給与等に係る所得税の納税地 第一章第五節 の所轄税務署長に提出しなければならない ( 法 1941 措法 41の162 41の172 規 731) ( 一 ) 当該

〇本事例集は 平成 31 年 3 月を期限とした個人の確定申告について 国税通則法関連 ( 所得税 の納税地を含む ) の 誤りやすい事例 について取りまとめています 〇本事例集は 誤りやすい事例 を載せた後に 正しい解釈 処理方法を提示しています なお 無用 な文字数 ページ数の増加を避けるため

過納金とは 納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していたが 結果的に不適法な納付納入となった場合における地方公共団体の徴収金のことであり 1 納付納入の時には一応適法であったものが その申告 更生 決定又は賦課決定が誤って過大にされていたため 後になって減額更正 減額の賦課決定又は賦課決定の

所令要綱

第1 所得税の源泉徴収制度について

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公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

目次 1. 年末調整とは 2. 平成 30 年分の留意点 3. 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書の書き方 4. 給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方 5. 給与所得者の保険料控除申告書の書き方 2

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に掲げる税額ロ給与等の支給期が毎半月と定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額ハ給与等の支給期が毎旬と定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額ニ給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

第 5 章 N

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

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厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

【表紙】

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経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

( 二 ) その年中に支払った社会保険料 ( 給与等から控除されるものを除く ) の金額 小規模企業共済等掛金 ( 給与等から控除されるものを除く ) の額及び次に掲げる事項イその年中に支払った種類別の社会保険料の金額 ( 給与等から控除されるものを除く ) 及びその支払の相手方の名称ロ社会保険料の

源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

Ⅲ 納付 [Q10] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q11] 今般の北海道胆振東部地震により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q12] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

所得税関係 ( 住宅ローン控除の特例 ) の改正 ⑵ 震災税特法の制度 ( 適用期間の特例 ) の概要東日本大震災によって被害を受けたことにより 住宅ローン税額控除の適用を受けていた家屋 ( 以下 従前家屋等 といいます ) を居住の用に供することができなくなった居住者については その居住の用に供す

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所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

1 基本項目 ⑴ 所轄税務署長給与の支払者の所在地 ( 住所 ) の所轄税務署名を入力します 所轄税務署が不明な場合 国税庁ホームページ にある 税務署を検索 で郵便番号等による検索ができますので 参照してください ⑵ 給与の支払者の法人番号この欄には 申告書を受理した給

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新規文書1

●東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

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●所得税法等の一部を改正する法律案

げる期間 ( 令第 48 条の9の9 第 4 項各号に掲げる市民税にあつては 第 1 号に掲げる期間に限る ) を延滞金の計算の基礎となる期間から控除する 第 40 条の各納期限の翌日から当該減額更正に基因して変更した税額に係る納税通知書が発せられた日までの期間当該減額更正に基因して変更した税額に係

国税通則法施行令新旧対照表

( 復興特別法人税制度の具体的内容 ) 復興特別法人税制度の具体的な内容は 次のとおりです 1 納税義務者法人は 基準法人税額につき 復興特別法人税を納める義務があります ( 復興財源確保法 42) なお 人格のない社団等及び法人課税信託の受託者である個人は 法人とみなすこととされています ( 復興

税法実務コース 海外勤務者と外国人の出国 入国 滞在時の国際税務 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 テーマ 1 居住者 非居住者判定テーマ 2 課税範囲についてテー

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株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得から控除)編

た後に その賦課した税額が増加したときに限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

() () () () () () () () 2

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

資料2-1(国保条例)

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特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

次に掲げる氏名又は住所の変更に係る申告書又は届出書 ( 以下 申告書等 といいます ) を提出する場合には その申告書等を提出する人の個人番号の記載を要しないこととされました ( 既に個人番号を提供済みの人に限ります ) ⑴ ( 特別 ) 非課税貯蓄に関する異動申告書 ⑵ ( 特別 ) 非課税貯蓄申

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

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復興特別所得税の創設 目 Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨 798 Ⅱ 復興特別所得税の総則 798 一定義 ( 復興財確法 6 条 ) 798 二法人課税信託の受託者等に対する復興特別所得税の規定の適用 ( 復興財確法 7 条 ) 800 三納税義務者及び源泉徴収義務者 ( 復興財確法 8 条 ) 801 四課税の対象 ( 復興財確法 9 条 ) 801 五基準所得税額 ( 復興財確法 10 条 ) 802 六納税地 ( 復興財確法 11 条 ) 803 Ⅲ 復興特別所得税の個人の納税義務 804 一個人に係る復興特別所得税の課税標準 ( 復興財確法 12 条 ) 804 二個人に係る復興特別所得税の税率 ( 復興財確法 13 条 ) 804 三外国税額の控除 ( 復興財確法 14 条 ) 804 四復興特別所得税申告書の提出がない場合の税額の特例 ( 復興財確法 15 条 ) 805 五予定納税 ( 復興財確法 16 条 ) 806 六課税標準及び税額の申告 ( 復興財確法 17 条 ) 807 七申告による納付等 ( 復興財確法 18 条 ) 809 八申告による源泉徴収特別税額等の還付等 ( 復興財確法 19 条 ) 811 九青色申告 ( 復興財確法 20 条 ) 813 十更正の請求の特例 ( 復興財確法 21 条 ) 813 十一更正及び決定 ( 復興財確法 22 条 ) 815 十二更正等又は決定による源泉徴収特別税額等の還付等 ( 復興財確法 23 条 ) 815 次十三課税標準の端数計算等 ( 復興財確法 24 条 ) 817 十四充当の特例 ( 復興財確法 25 条 ) 819 Ⅳ 復興特別所得税の法人の納税義務 819 一法人に係る復興特別所得税の課税標準 ( 復興財確法 26 条 ) 819 二法人に係る復興特別所得税の税率 ( 復興財確法 27 条 ) 819 Ⅴ 復興特別所得税の源泉徴収 819 一源泉徴収義務等 ( 復興財確法 28 条 ) 819 二居住者の給与等に係る源泉徴収税額及び源泉徴収特別税額の特例 ( 復興財確法 29 条 ) 823 三年末調整 ( 復興財確法 30 条 ) 825 四源泉徴収に係る復興特別所得税の課税標準の端数計算等 ( 復興財確法 31 条 ) 826 Ⅵ 雑則 828 一当該職員の質問検査権等 ( 復興財確法 32 条 ) 828 二復興特別所得税に係る所得税法の適用の特例等 ( 復興財確法 33 条 ) 828 Ⅶ 罰則 833 一復興特別所得税の脱税犯 ( 復興財確法 34 条 ) 834 二源泉徴収に係る復興特別所得税の脱税犯 ( 復興財確法 35 条 ) 834 三源泉徴収に係る復興特別所得税の不納付犯 ( 復興財確法 36 条 ) 834 四申告書不提出犯 ( 秩序犯 )( 復興財確法 37 条 ) 835 五検査忌避犯 ( 復興財確法 38 条 ) 835 六責任罰 ( 復興財確法 39 条 ) 835 797

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨 東日本大震災 ( 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいいます ) からの復興を図ることを目的として 東日本大震災復興基本法 ( 平成 23 年法律第 76 号 ) に定める基本理念に基づき平成 23 年度から平成 27 年度までの間において実施する復興施策に必要な財源を確保するための特別措置として 財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの国債整理基金特別会計への繰入れ並びに日本たばこ産業株式会社及び東京地下鉄株式会社の株式の所属替等の措置を講ずるとともに 復興特別所得税及び復興特別法人税を創設するほか その財源についての公債の発行に関する措置等を定める 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 ( 以下 復興財確法 といいます ) が 衆議院での議員修正を経て平成 23 年 11 月 30 日に参議院 本会議において可決成立しています ( 平成 23 年法律第 117 号 ) 税制措置については 1 次の世代に先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し 負担を分かち合うという観点 2 未曾有の災害からの復旧 復興に必要かつ十分な財源を確保する観点などから 対象とする税目が検討され 政府が国会に提出した法律案では 復興特別所得税 復興特別法人税及び復興特別たばこ税による措置が提案されましたが 衆議院での修正により復興特別たばこ税は措置しないこととされました また 復興特別所得税については 政府が提出した法律案ではその年分の所得税額 ( 基準所得税額 ) の 4 % 相当額の付加税を平成 25 年から10 年間課税するという内容でしたが 衆議院での修正により税率は 2.1% 課税期間は25 年間に改められました 以下 復興特別所得税の制度の詳細について 法律の条文に沿って説明します Ⅱ 復興特別所得税の総則 一定義 ( 復興財確法 6 条 ) 復興特別所得税における用語の意義は 以下のとおりです ( 復興財確法 6 一 ~ 十八 ) ⑴ 居住者所得税法の居住者 ( 所法 2 1 三 ) とされ 具体的には 国内に住所を有し 又は現在まで引き続いて 1 年以上居所を有する個人をいいます ⑵ 非永住者所得税法の非永住者 ( 所法 2 1 四 ) とされ 具体的には 居住者のうち 日本の国籍を有しておらず かつ 過去 10 年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が 5 年以下の個人をいいます ⑶ 非居住者所得税法の非居住者 ( 所法 2 1 五 ) とされ 具体的には 居住者以外の個人をいいます ⑷ 内国法人所得税法の内国法人 ( 所法 2 1 六 ) とされ 具体的には 国内に本店又は主たる事 務所を有する法人をいいます ⑸ 外国法人所得税法の外国法人 ( 所法 2 1 七 ) とされ 具体的には 内国法人以外の法人をいいます ⑹ 人格のない社団等所得税法の人格のない社団等 ( 所法 2 1 八 ) とされ 具体的には 法人ではない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものをいいます ⑺ 確定申告書所得税法の規定による所得税の確定申告書 ( その申告書に係る期限後申告書を含みます )( 所法 2 1 三十七 ) 及び租税特別措置法の規定による申告書 ( 措法 37の12の 2 11 等 ) をいいます ⑻ 復興特別所得税申告書復興特別所得税の課税標準及び税額を申告するための申告書をいいます 798

復興特別所得税の創設 ⑼ 期限後申告書国税通則法の期限後申告書 ( 通法 182) をいいます 具体的には 期限内申告書を提出すべきであった者 ( 申告書を提出することができる者でその提出期限内に申告書を提出しなかったもの及びこれらの者の相続人等を含みます ) は その提出期限後においても 決定があるまでは納税申告書を税務署長に提出することができ その場合に提出する納税申告書を期限後申告書といいます ⑽ 修正申告書国税通則法の修正申告書 ( 通法 193) をいいます 具体的には 納税申告書を提出した者 ( その相続人等を含みます ) は 1 先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額があるとき 2 先の納税申告書に記載した純損失等の金額が過大であるとき 3 先の納税申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過大であるとき 4 先の納税申告書にその申告書の提出により納付すべき税額を記載しなかった場合において その納付すべき税額があるときは その申告について更正があるまでは その申告に係る課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができ ( 通法 191) また 更正又は決定を受けた者 ( その相続人等を含みます ) は 1その更正又は決定により納付すべきものとしてその更正又は決定に係る更正通知書又は決定通知書に記載された税額に不足額があるとき 2その更正に係る更正通知書に記載された純損失等の金額が過大であるとき 3 その更正又は決定に係る更正通知書又は決定通知書に記載された還付金の額に相当する税額が過大であるとき 4 納付すべき税額がない旨の更正を受けた場合において 納付すべき税額があるときは その更正又は決定について更正があるまでは その更正又は決定に係る課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができます ( 通法 192) これらの場合に提出する納税申告書を修正申告書といいます ⑾ 更正の請求国税通則法の更正の請求 ( 通法 232) をいいます 具体的には 納税申告書を提出した者は 原則としてその申告書に係る国税の法定申告期限から 5 年以内に限り 税務署長に対し その申告に係る課税標準等又は税額等につき更正をすべき旨の請求をすることができ それを更正の請求といいます ⑿ 更正請求書国税通則法の更正請求書 ( 通法 233) をいいます 更正の請求をしようとする者は その請求に係る更正前の課税標準等又は税額等 更正後の課税標準等又は税額等 その更正の請求をする理由 請求をするに至った事情の詳細等を記載した更正請求書を税務署長に提出しなければならないこととされています ⒀ 更正国税通則法の更正 ( 通法 24 26) をいいます 税務署長は 納税申告書の提出があった場合において その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったとき その他その課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは その調査により その申告書に係る課税標準等又は税額等を更正することとし また 更正又は決定をした後 その更正又は決定をした課税標準等又は税額等が過大又は過少であることを知ったときは その調査により その更正又は決定に係る課税標準等又は税額等を更正 ( 再更正 ) することとされています ⒁ 決定国税通則法の決定 ( 通法 25) をいいます 税務署長は 納税申告書を提出する義務があると認められる者が申告書を提出しなかった場合には その調査により その申告書に係る課税標準等及び税額等を決定することとされています なお 復興財確法第 23 条 ( 更正等又は決定による源泉徴収特別税額等の還付等 ) で使用する場合は除かれていますが これは 同条において国税通則法で定める決定とは異なる概念の 4 4 不服申立て又は訴えについての決定 という文言が使用されていることによるものです ⒂ 源泉徴収復興特別所得税の源泉徴収の規定 ( 復興財確法第 4 章第 4 節 ) により所得税の源 799

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 泉徴収の際に復興特別所得税を併せて徴収し 所得税に併せて国に納付することをいいます ⒃ 附帯税国税通則法の附帯税 ( 通法 2 四 ) とされ 具体的には 国税のうち延滞税 利子税 過少申告加算税 無申告加算税 不納付加算税及び重加算税をいいます ⒄ 充当国税通則法の充当 ( 通法 571) をいいます 国税局長 税務署長等は 還付金等がある場合において その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなっている国税があるときは 還付に代えて 還付金等をその国税に充当しなければならないこととされています なお 復興財確法第 30 条第 1 項 ( 年末調整 ) で使用する場合は除かれていますが 同項は源泉徴収された復興特別所得税の税額の過不足の 充当 徴収の規定であり この充当は 国税通則法第 57 条第 1 号で定める充当とは異なる概念であることによるものです ⒅ 還付加算金国税通則法の還付加算金 ( 通法 581) をいいます 国税局長 税務署長等は 還付金等を還付し 又は充当する場合において 還付金等の区分に従い一定の日の翌日からその還付のための支払決定の日又はその充当の日までの期間 ( 他の国税に関する法律に別段の定めがある場合には その定める期間 ) の日数に応じ その金額に年 7.3% の割合を乗じて計算した還付加算金をその還付し 又は充当すべき金額に加算しなければならないこととされています 二法人課税信託の受託者等に対する復興特別所得税の規定の適用 ( 復興財確法 7 条 ) ⑴ 人格のない社団等は 復興特別所得税に関する規定の適用において 所得税法の規定 ( 所法 4 ) と同様 法人とみなすこととされています ( 復興財確法 7 1) ⑵ また 所得税法の法人課税信託 ( 所法 2 1 八の三 ) の受託者は その引き受けた法人課税信託の信託資産等 ( 信託財産に属する資産及び負債並びにその信託財産に帰せられる収益及び費用をいいます ) 及び固有資産等 ( 法人課税信託の信託資産等以外の資産及び負債並びにその信託財産に帰せられる収益及び費用をいいます ) に係る所得について 所得税と同様に復興特別所得税の納税義務を有することになりますが その課税にあたっては その引き受けた各法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに それぞれ別の者とみなして 復興特別所得税に関する規定 ( 下記 三納税義務者及び源泉徴収義務者 六納税地 及び Ⅶ 罰則 に関する規定を除きます ) を適用することとされており ( 復興財確法 7 2) その場合 所得税法で定める法人課税信託の受託者及び受 託法人等に関する所得税法の適用に関する規定 ( 所法 6 の 2 2 6 の 3 所令 161~3) を準用することとされています ( 復興財確法 7 3 復興特別所得税政令 2 ) このように その引き受けた各法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに それぞれ別の者とみなすことで それぞれの所得を区分して別々に所得金額の計算を行い 別の者とみなされた信託資産等と固定資産等とが そのみなされた別の者にそれぞれ帰属することにより 法人課税信託の受託者については 各別に計算された所得金額に応じて 所得税及び復興特別所得税が課税されることになります ( 注 1 ) 信託資産等と固定資産等とを区別して適用する復興財確法の規定の対象から 下記 三納税義務者及び源泉徴収義務者 六納税地 及び Ⅶ 罰則 に関する規定が除かれていますが これは 所得税法の規定と同様に 信託資産等と固定資産等とを別の者とみなすことでそれぞれの所得を区分して復興特別所得税を課税することと 800

復興特別所得税の創設 しているものの 法人課税信託の信託財産に帰せられる所得についても納税義務者は受託者である法人又は個人であり また 法人課税信託に係る収益の分配について源泉徴収義務を有する者もその受託者である法人又は個人であることから納税義務者や源泉徴収義務者に関する規定 納税地に関する規定 罰則に関する規定については 別の者とみなすことなく 受託者に対して復興特別所得税の規定を適用することによるものです ( 注 2 ) 所得税法第 6 条の 2 第 2 項は 各法人課税信託の信託財産等及び固定資産等は 別の者とみなされたそれぞれの者に帰属するものとされ 同法第 6 条の 3 は 法人課税信託の受託法人又は法人課税信託の委託者若しくは受益者についての所得税法の規定を適用する場合の通則が定められています また 所得税法施行令第 16 条第 1 項から第 3 項までには 法人課税信託の併合又は分割等があった場合の適用関係が定められています 三納税義務者及び源泉徴収義務者 ( 復興財確法 8 条 ) 1 復興特別所得税の納税義務者所得税法の納税義務者の規定 ( 所法 5 ) その他租税特別措置法などの所得税に関する法令の規定により所得税を納める義務のある居住者 非居住者 内国法人又は外国法人は 下記五の基準所得税額を課税標準として 復興特別所得税を納める義務があります ( 復興財確法 8 1) 2 復興特別所得税の源泉徴収義務者所得税法の源泉徴収義務者の規定 ( 所法 6 ) その他租税特別措置法の規定により所得税を徴収して納付する義務のある者は その徴収して納付する所得税と併せて 復興特別所得税の源泉徴収をする義務があります ( 復興財確法 8 2) 四課税の対象 ( 復興財確法 9 条 ) 1 居住者又は非居住者居住者又は非居住者の復興特別所得税の課税の対象は 居住者又は非居住者に対して課される平成 25 年から平成 49 年までの各年分の所得税に係る下記五の基準所得税額とされます ( 復興財確法 9 1 ) 2 内国法人又は外国法人内国法人又は外国法人の復興特別所得税の課税 の対象は 内国法人又は外国法人に対して課される平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得に対する所得税に係る下記五の基準所得税額とされます ( 復興財確法 9 2) 内国法人又は外国法人については その支払時に源泉徴収により所得税が課税されるため その年の所得に対して課税 ( 暦年課税 ) される居住者又は非居住者とは異なることから 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間 という期間概念によることとされています 801

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 五基準所得税額 ( 復興財確法 10 条 ) 基準所得税額とは 次の表の区分に応じ 同表の基準所得税額の欄に掲げる金額とされています ( 復興財確法 10) 区分基準所得税額 居住者 所得税法の課税所得の範囲 ( 所法 7 1 一 ) で定める所得 ( すべての所得 ) について 非永住者所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額以外 ( 注 ) 外国税額控除の規定 ( 所法 95) を除きます 所得税法の課税所得の範囲 ( 所法 7 1 二 ) で定める所得 ( 国内源泉所得及びこれ以外の所得で国内において支払われ 又は国外から送金されたもの ) について 所得非永住者税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 ( 注 ) 外国税額控除の規定 ( 所法 95) を除きます 非居住者 内国法人 外国法人 所得税法の課税所得の範囲 ( 所法 7 1 三 ) で定める所得について 所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 次に掲げる所得について 所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 所得税法の課税所得の範囲 ( 所法 7 1 四 ) で定める所得 ( 利子等 配当等 給付補てん金 利息 利益 差益 利益の分配及び賞金 ) 租税特別措置法の国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等 ( 措法 3 の 3 2) で定める国外公社債等の利子等 租税特別措置法の民間国外債の利子の課税の特例 ( 措法 6 1) で定める民間国外債の利子 租税特別措置法の外貨債の利子の課税の特例 ( 措法 6 11) で定める外貨債の利子 租税特別措置法の国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る配当所得の分離課税等 ( 措法 8 の 3 2) で定める国外投資信託等の配当等 租税特別措置法の国外で発行された株式の配当所得の源泉徴収等の特例 ( 措法 9 の 2 1) で定める国外株式の配当等 租税特別措置法の懸賞金付預貯金等の懸賞金等の分離課税等 ( 措法 41 の 9 2) で定める懸賞金付預貯金等の懸賞金等 租税特別措置法の償還差益等に係る分離課税等 ( 措法 41 の 122) で定める償還差益 次に掲げる所得について 所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 所得税法の課税所得の範囲 ( 所法 7 1 五 ) で定める所得 ( 国内源泉所得のうち所得税法第 161 条第 1 号の 2 から第 7 号まで及び第 9 号から第 12 号までに掲げるもの ) 租税特別措置法の外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配に係る課税の特例 ( 措法 9 の 6 2) で定める外国特定目的信託の利益の分配及び外国特定投資信託の収益の分配 租税特別措置法の懸賞金付預貯金等の懸賞金等の分離課税等 ( 措法 41 の 9 2) で定める懸賞金付預貯金等の懸賞金等 租税特別措置法の償還差益等に係る分離課税等 ( 措法 41 の 122) で定める償還差益 802

復興特別所得税の創設 六納税地 ( 復興財確法 11 条 ) 1 復興特別所得税の納税地 ⑴ 復興特別所得税 ( 源泉徴収に係るものを除きます ) の納税地は 復興特別所得税の納税義務者の所得税の納税地とされています ( 復興財確法 111) 具体的には 納税義務者が次に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ それぞれ次に掲げる場所となります ( 所法 15) 1 国内に住所を有する場合その住所地 2 国内に住所を有せず 居所を有する場合その居所地 3 1 及び2に掲げる場合を除き 所得税法第 164 条第 1 項第 1 号から第 3 号まで ( 国内に恒久的施設を有する非居住者 ) に掲げる非居住者に該当する場合その国内において行う事業に係る事務所 事業所その他これらに準ずるものの所在地 ( これらが 2 以上ある場合には 主たるものの所在地 ) 4 1 又は2により納税地を定められていた者が国内に住所及び居所を有しないこととなった場合において その者がその有しないこととなった時に3の事業に係る事務所 事業所その他これらに準ずるものを有せず かつ その納税地とされていた場所にその者の親族その他その者と特殊の関係を有する者が引き続き 又はその者に代わって居住しているときその納税地とされていた場所 5 1から4までに掲げる場合を除き 所得税法第 161 条第 3 号 ( 不動産の貸付け等の対価 ) に掲げる対価 ( 船舶又は航空機の貸付けによるものを除きます ) を受ける場合その対価に係る資産の所在地 ( その資産が 2 以上ある場合には 主たる資産の所在地 ) 6 1から5までに掲げる場合以外の場合一定の場所 ⑵ ただし 納税地の特例として 国内に住所のほか居所を有する納税義務者は その住所地に 代え その居所地を納税地とすることが可能であり また 国内に住所又は居所を有し かつ その住所地又は居所地以外の場所にその営む事業に係る事業場その他これに準ずるもの ( 事業場等 ) を有する納税義務者は 上記 ⑴1 又は2 に関わらず その住所地又は居所地に代え その事業場等の所在地 ( その事業場等が 2 以上ある場合には これらのうち主たる事業場等の所在地 ) を納税地とすることができます ( 所法 16) ⑶ なお 納税地の所轄国税局長による納税地の指定があった場合には その指定をされた納税地が納税義務者の復興特別所得税の納税地となります ( 所法 18) 2 源泉徴収に係る復興特別所得税の納税地 ⑴ 源泉徴収に係る復興特別所得税の納税地は 源泉徴収義務者の源泉所得税の納税地とされています ( 復興財確法 112) 具体的には 給与等の支払をする者その他所得税法第 4 編第 1 章から第 6 章まで ( 源泉徴収 ) に規定する支払をする者の事務所 事業所その他これらに準ずるものでその支払事務を取り扱うもののその支払の日における所在地ですが 公社債の利子 内国法人が支払う剰余金の配当その他の一定のものについては その支払をする者の本店又は主たる事務所の所在地等の場所が納税地となります ( 所法 17) ⑵ なお 納税地の所轄国税局長による納税地の指定があった場合には その指定をされた納税地が源泉徴収義務者の源泉徴収に係る復興特別所得税の納税地となります ( 所法 18) ( 注 ) 復興特別所得税の納税地の指定の処分の取消しがあった場合には 所得税法第 19 条 ( 納税地指定の処分の取消しがあった場合の申告等の効力 ) の規定が準用され ( 復興財確法 113) 納税地の指定の処分の取消しがあった場合に 803

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) おいても その取消しの時までのその取消しの 対象となった納税地を基準としてなされた申 告等の効力には影響しないこととされていま す Ⅲ 復興特別所得税の個人の納税義務 一個人に係る復興特別所得税の課税標準 ( 復興財確法 12 条 ) 個人に対して課する復興特別所得税の課税標準は 個人のその年分の基準所得税額とされています ( 復興財確法 12) 個人は 非永住者以外の居住者 非永住者又は 非居住者に区分されますが 復興特別所得税の課税標準である基準所得税額は 上記 Ⅱ 五の表の区分に応じ それぞれ同表に掲げる所得税の額になります 二個人に係る復興特別所得税の税率 ( 復興財確法 13 条 ) 個人に対して課する復興特別所得税の額は その個人のその年分の基準所得税額に100 分の2.1の税率を乗じて計算した金額です ( 復興財確法 13) 算式 復興特別所各年分の基準 = 税率 2.1% 得税の額所得税額 三外国税額の控除 ( 復興財確法 14 条 ) 復興特別所得税申告書を提出する居住者が平成 25 年から平成 49 年までの各年において所得税法第 95 条第 1 項 ( 外国税額控除 ) の適用を受ける場合において その年の同項に規定する控除対象外国所得税の額が所得税の控除限度額を超えるときは その超える金額を一定の控除限度額の範囲内で 上記二により計算した復興特別所得税の額から控除することとされています ( 復興財確法 14) この復興特別所得税における外国税額控除の控除限度額は その年分の確定申告書に係る基準所得税額について上記二により計算した復興特別所得税の額に所得税法施行令第 222 条第 1 項 ( 控除限度額の計算 ) に規定する割合 すなわちその年の所得金額のうちにその年の国外所得の占める割 合を乗じて計算した金額になります ( 復興特別所得税政令 3 ) 算式 復興特別所控除限度額 = その年の国外所得金額得税の額その年の所得金額 なお 復興特別所得税について外国税額控除の適用を受けるためには復興特別所得税申告書 修正申告書又は更正請求書に控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細を記載した書類を添付しなければならないこととされています ( 復興財確法 142) この場合に控除されるべき金額は 当該金額として記載された金額を限度とすることとされています ( 復興財確法 142) 804

復興特別所得税の創設 四復興特別所得税申告書の提出がない場合の税額の特例 ( 復興財確法 15 条 ) ⑴ この特例は 所得税法第 103 条 ( 確定申告書の提出がない場合の税額の特例 ) と同趣旨で置かれた規定ですが 所得税法では 所得税の確定申告とその概算納付に相当する納付との関係が定められており その内容は その年分の所得税に係る予定納税又はその年分の所得税について源泉徴収をされた 若しくはされるべき税額がある居住者が その年の所得税に係る確定申告の義務がないときは その者に対して課される所得税の額は その予納税額とその源泉徴収所得税との合計額とするものです ( ただし その者が任意に確定申告書を提出すれば その確定申告に係る税額によることになります ) ⑵ 具体的には 所得税と同様に 復興特別所得税申告書を提出する義務のない者に対して課する復興特別所得税の額は 上記 一個人に係る復興特別所得税の課税標準 ( 復興財確法 12) 上記 二個人に係る復興特別所得税の税率 ( 復興財確法 13) 及び上記 三外国税額の控除 ( 復興財確法 14) により計算した復興特別所得税の額によらず その者のその年分の予納特別税額及び源泉徴収特別税額の合計額になります ( 復興財確法 15) ただし その年の所得税に係る確定申告の義務がない場合であっても 還付を受けるための申告により所得税の確定申告書を提出する場合には 復興特別所得税申告書を併せて提出する必要があることから ( 復興財確法 173) その場合のその者に対して課される復興特別所得税の額は 予納特別税額及び源泉徴収特別税額の合計額ではなく正規の計算により算定された復興特別所得税の額によることになります ( 注 1 ) 予納特別税額 とは 次に掲げる税額の 合計額 ( その税額のうちに 出国申告書を提出したことにより 又は出国申告書に係る復興特別所得税につき更正若しくは決定を受けたことにより還付される金額がある場合には その金額を控除した金額 ) をいいます ( 復興財確法 174) 1 下記五 1 ⑵により納付すべき復興特別所得税の額 2 その年において出国申告書を提出したことにより 又は出国申告書に係る復興特別所得税につき更正若しくは決定を受けたことにより 下記七又は申告納税方式による国税等の納付 ( 通法 352) の規定により納付した 又は納付すべき復興特別所得税の額 ( 注 2 ) 源泉徴収特別税額 とは 所得税の源泉徴収税額に併せて源泉徴収をされた 又は源泉徴収をされるべき復興特別所得税の額 ( この復興特別所得税の額のうちに 出国申告書所得税法第 127 条第 1 項から第 3 項までの規定 ( 年の中途で出国をする場合の確定申告 ) による確定申告書に併せて提出する復興特別所得税申告書をいいます ) を提出したことにより 又は出国申告書に係る復興特別所得税につき更正若しくは決定を受けたことにより還付される金額若しくは非居住者の人的役務の提出に係る対価について源泉徴収された復興特別所得税の額のうち徴収が行われたものとみなされる金額がある場合には これらの金額を控除した金額 ) をいいます ( 復興財確法 171 三 復興特別所得税政令 5 2) 805

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 五予定納税 ( 復興財確法 16 条 ) 1 復興特別所得税に係る予定納税 ⑴ 所得税においては 納税義務者の便宜 歳入の均分化その他の理由に基づき 所得税額の一部をあらかじめ分割納付させる予定納税の制度を採用しており その内容は 居住者についてその年 6 月 30 日現在の現況において予定納税基準額が15 万円以上である場合には その予定納税基準額の 3 分の 1 に相当する金額の所得税をそれぞれ 第 1 期 ( その年 7 月 1 日から7 月 31 日まで ) 及び第 2 期 ( その年 11 月 1 日から11 月 30 日まで ) に納付することとされています ( 所法 104) なお 農業の収穫時期との関係で所得の大半がその年の 9 月以降に実現する特別農業所得者として予定納税の納付義務のある居住者については その年 9 月 15 日の現況によりその予定納税基準額を計算し その 2 分の 1 に相当する金額の所得税を第 2 期 ( その年 11 月 1 日から 11 月 30 日まで ) に納付することとされています ( 所法 107) ⑵ 個人に対して課される平成 25 年分から平成 49 年分までの各年分の所得税に係る基準所得税額には 復興特別所得税が課税されることから 予定納税についても同様に復興特別所得税を所得税に併せて納付しなければなりません 具体的には 平成 25 年分から平成 49 年分までの各年分の所得税の予定納税基準額及びその予定納税基準額に100 分の2.1を乗じて計算した金額の合計額が15 万円以上である者は 所得税の予定納税に係る復興特別所得税を その所得税の予定納税に併せて国に納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 161) ⑶ この場合の所得税の予定納税と併せて納付すべき復興特別所得税については 予定納税基準額の計算の基準日 予定納税額の通知 予定納税額の減額の承認の申請手続その他の所得税の予定納税に係る規定 ( 所法第 2 編第 5 章第 1 節 所令第 2 編第 5 章第 1 節 所規第 2 編第 3 章第 1 節 ) を準用することとされています ( 復興財確法 162 復興特別所得税政令 4 復興特別所得税省令 2 ) 2 復興特別所得税及び所得税に係る予定納税額の納付 ⑴ 復興特別所得税及び所得税の予定納税額の納付があった場合には その納付額を納付すべき復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の納付があったものとされます ( 復興財確法 163) ⑵ この納付があったものとされる復興特別所得税の額 ( 以下 復興特別所得税納付額 といいます ) に 1 円未満の端数がある場合又は復興特別所得税納付額の全額が 1 円未満である場合において その端数金額又は全額 ( 以下 端数金額等 といいます ) に1に掲げる合計額を加算した金額から2に掲げる合計額を控除した金額 ( 以下 調整後端数金額等 といいます ) が50 銭以下であるときは その端数金額等を切り捨てるものとし その調整後端数金額等が50 銭超であるときは その端数金額等を 1 円とします ( 復興特別所得税政令 4 2) 1 その復興特別所得税納付額に係る納付すべき復興特別所得税の額のうち既に納付された額について 切り捨てられた額の合計額 2 その復興特別所得税納付額に係る納付すべき復興特別所得税の額のうち既に納付された額について 1 円とされた額を 1 円から控除した額の合計額 ( その 1 円とされた額がない場合には 零 ) ⑶ なお 復興特別所得税及び所得税の予定納税額の納付があった場合における 納付があったものとされる所得税の額は その納付額から上記により計算した復興特別所得税納付額に相当する額を控除した額に相当する額とされます ( 復興特別所得税政令 4 3) 806

復興特別所得税の創設 計算例 納付があったものとされた金額に 1 円未満の端数がある場合の端数計算 ( 復興特別所得税政令 4 2) 前提 : 予定納税基準額 :150,000 円 第 1 期 合計所得税復興税 (102.1%) (100%)(2.1%) 復興税の端数 第 2 期 合計所得税復興税 (102.1%) (100%)(2.1%) 復興税の端数 納付すべき金額 50,000.00 48,971.60 1,028.40 納付すべき金額 50,000.00 48,971.60 1,028.40 例 1: 一括納付の場合 50,000 48,972 1,028 0.40 例 1: 一括納付の場合 50,000 48,972 1,028 0.40 例 2: 分割納付の場合 例 2: 分割納付の場合 7 月 31 日 :20,000 円 20,000.00 19,588.64 411.36 0.36 11 月 30 日 :10,000 円 10,000.00 9,794.32 205.68 0.68 調整後端数金額等 0.36 調整後端数金額等 0.68 端数処理後 20,000.00 19,589.00 411.00 0.36 端数処理後 10,000.00 9,794.00 206.00 0.32 8 月 31 日 :20,000 円 20,000.00 19,588.64 411.36 0.36 12 月 28 日 :15,000 円 15,000.00 14,691.48 308.52 0.52 調整後端数金額等 0.72 調整後端数金額等 0.20 端数処理後 20,000.00 19,588.00 412.00 0.64 端数処理後 15,000.00 14,692.00 308.00 0.52 9 月 30 日 :10,000 円 10,000.00 9,794.32 205.68 0.68 1 月 31 日 :25,000 円 25,000.00 24,485.80 514.20 0.20 調整後端数金額等 0.40 調整後端数金額等 0.40 端数処理後 10,000.00 9,795.00 205.00 0.68 端数処理後 25,000.00 24,486.00 514.00 0.20 合計納付額 50,000.00 48,972.00 1,028.00 0.40 合計納付額 50,000.00 48,972.00 1,028.00 0.40 六課税標準及び税額の申告 ( 復興財確法 17 条 ) 1 確定申告に係る復興特別所得税額の申告 ⑴ 所得税の確定所得申告 ( 所法 1201) 確定申告書を提出すべき者等が出国をする場合の確定申告 ( 所法 1261) 又は年の中途で出国をする場合の確定申告 ( 所法 1271) により確定申告書を提出すべき者は 次に掲げる事項を記載した申告書を その確定申告書の提出期限までに 税務署長に提出しなければならないこととされています ( 復興財確法 171 復興特別所得税省令 3 1 一 三 ) 1 その年分の確定申告書に係る基準所得税額 2 1の基準所得税額につき上記二及び三により計算した復興特別所得税の額 3 その年分の源泉徴収特別税額がある場合には 2の復興特別所得税の額からその源泉徴収特別税額を控除した金額 4 3の金額の計算上控除しきれなかった源泉徴収特別税額がある場合には その控除しきれなかった金額 5 その年分の予納特別税額がある場合には 2の復興特別所得税の額 ( 源泉徴収特別税額がある場合には 3の金額 ) からその予納特別税額を控除した金額 6 5の金額の計算上控除しきれなかった予納特別税額がある場合には その控除しきれなかった金額 7 1から6までの金額の計算の基礎及び次に掲げる事項イ復興特別所得税申告書を提出する者の氏名及び住所 ( 国内に住所がない場合には 居所 ) 並びに住所地 ( 国内に住所がない場合には 居所地 ) と納税地とが異なる場合には その納税地ロその他参考となるべき事項 807

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) ⑵ なお 確定申告書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告 ( 所法 1241) 又は年の中途で死亡した場合の確定申告 ( 所法 1251) により確定申告書を提出すべき者は 上記 ⑴1から7 までに掲げる事項に加え 次に掲げる事項を記載した申告書を その確定申告書の提出期限までに 税務署長に提出しなければならないこととされています ( 復興財確法 171 復興特別所得税政令 5 1 復興特別所得税省令 3 1 二 2) 1 各相続人の氏名及び住所 ( 国内に住所がない場合には 居所 ) 被相続人との続柄 民法の規定によるその相続分並びに相続又は遺贈によって得た財産の価額 2 相続人が限定承認をした場合には その旨 3 相続人が 2 人以上ある場合には 所得税の額 ( 源泉徴収税額があり かつ 予納税額がない場合には 所得税の額から源泉徴収税額を控除した金額とし 予納税額がある場合には 所得税の額から予納税額を控除した金額となります ) を各相続人の相続分により按分して計算した額に相当する所得税の額 4 死亡をした者の氏名及びその死亡の時における住所 ( 国内に住所がない場合には 居所 ) 並びに住所地 ( 国内に住所がない場合には 居所地 ) と納税地とが異なる場合には その納税地 2 還付申告に係る復興特別所得税額の申告所得税の還付等を受けるための申告 ( 所法 122 1) 確定損失申告( 所法 1231) その他租税特別措置法の規定による損失の繰越控除を適用するために確定申告書を提出する場合は 上記 1 の確定申告書を提出すべき者の確定申告ではなく 所得税の申告義務のない者の確定申告となりますが この所得税の申告義務のない者が確定申告書を提出する場合においても 上記 1 ⑴1から7までに掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならないこととされています ( 復興財確法 172) 3 復興特別所得税申告書等の提出その年分の復興特別所得税に係る復興特別所得税申告書 修正申告書又は更正請求書は その復興特別所得税と年分が同一である所得税に係る確定申告書 修正申告書及び更正請求書に併せて提出しなければならないこととされています ( 復興財確法 173) 4 非居住者給与等申告書を提出する場合の復興特別所得税の申告所得税法第 172 条第 1 項 ( 給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告納税等 ) の規定による申告書 ( 以下 非居住者給与等申告書 といいます ) を提出すべき者は その年分の非居住者給与等申告書に係る次に掲げる事項を記載した申告書を その非居住者給与等申告書の提出期限までに 税務署長に提出しなければならないこととされています ( 復興財確法 175 復興特別所得税省令 3 2) ⑴ 所得税法第 172 条第 1 項第 1 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額につき上記二により計算した復興特別所得税の額 ⑵ 所得税法第 172 条第 1 項第 2 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額につき上記二により計算した復興特別所得税の額 ⑶ ⑴の復興特別所得税の額から⑵の復興特別所得税の額を控除した金額 ⑷ その者が所得税法第 171 条 ( 退職所得についての選択課税 ) に規定する退職手当等について同条の選択をする場合には 次に掲げる事項 1 所得税法第 172 条第 2 項第 1 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額につき上記二により計算した復興特別所得税の額 2 所得税法第 172 条第 2 項第 2 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額に併せて源泉徴収をされた 又はされるべき復興特別所得税の額 ( その所得税の額のうちに同法第 170 条 ( 分離課税に係る所得税の税率 ) の規定を適用して計算した所得税の額がある場合には その所得税の額につき上記二により計算した 808

復興特別所得税の創設 復興特別所得税の額を含みます ) 3 1の復興特別所得税の額から2の復興特別所得税の額を控除した金額 ⑸ ⑴ 及び⑷1の金額の計算の基礎その他所定の事項なお その年分の復興特別所得税に係る上記の申告書 ( その申告書に係る期限後申告書を含みます ) 又はこれらの申告書に係る修正申告書若しくは更正請求書の提出については 上記 3 の復興特別所得税申告書等の提出の方法に準じて行うこととされています ( 復興財確法 177) 5 退職所得の選択課税による還付のための申告書を提出する場合の復興特別所得税の還付の申告所得税法第 173 条第 1 項 ( 退職所得の選択課税による還付 ) の規定による申告書 ( 以下 退職所得の選択課税による還付申告書 といいます ) を提出する者は その年分の退職所得の選択課税による還付申告書に係る次に掲げる事項を記載した申告書を 税務署長に提出しなければならない こととされています ( 復興財確法 176 復興特別所得税省令 3 2) ⑴ 所得税法第 172 条第 2 項第 1 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額につき上記二により計算した復興特別所得税の額 ⑵ 所得税法第 172 条第 2 項第 2 号に掲げる所得税の額及びその所得税の額に併せて源泉徴収をされた 又はされるべき復興特別所得税の額 ( その所得税の額のうちに同法第 170 条の規定を適用して計算した所得税の額がある場合には その所得税の額につき上記二により計算した復興特別所得税の額を含みます ) ⑶ ⑵の復興特別所得税の額から⑴の復興特別所得税の額を控除した金額 ⑷ ⑴の金額の計算の基礎その他所定の事項なお その年分の復興特別所得税に係る上記の申告書又はその申告書に係る修正申告書若しくは更正請求書の提出については 上記 3 の復興特別所得税申告書等の提出の方法に準じて行うこととされています ( 復興財確法 177) 七申告による納付等 ( 復興財確法 18 条 ) 1 確定申告に係る復興特別所得税額の納付 ⑴ 上記六 1の所得税の確定所得申告 確定申告書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告 年の中途で死亡した場合の確定申告 確定申告書を提出すべき者等が出国をする場合の確定申告又は年の中途で出国をする場合の確定申告により復興特別所得税申告書を提出した者は 次に掲げる表の区分に応じ それぞれ納付すべき復興特別所得税額に相当する復興特別所得税をその復興特別所得税申告書の提出期限までに 国に納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 181) 区分 1 源泉徴収特別税額があり かつ 予納特別税額がない場合 2 予納特別税額がある場合 3 1 及び 2 以外の場合 納付すべき復興特別所得税額 上記六 1⑴3 の金額 上記六 1⑴5 の金額 上記六 1⑴2 の金額 ⑵ 復興特別所得税を納付する場合 ( 期限後申告書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは決定通知書により復興特別所得税を納付する場合 ( 通法 352) を含みます ) において 確定申告による納付 ( 所法 128) 死亡の場合の確定申告による納付 ( 所法 129) 又は出国の場合の 809

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 確定申告による納付 ( 所法 130) の規定により納付すべき年分が同一である所得税があるとき ( 期限後申告書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは決定通知書により納付すべき年分が同一である所得税があるとき ( 通法 352) を含みます ) は その復興特別所得税は その所得税に併せて納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 182) なお 復興特別所得税及び所得税の納付があった場合には その納付額を納付すべき復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の納付があったものとされることから ( 復興財確法 183) 例えば 一部納付の場合に 納付する者の意思により復興特別所得税又は所得税のいずれかから先に納付するということにはなりません この場合において 納付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2 の計算の方法に準じて復興特別所得税及び所得税の納付額を計算することとされています ( 復興特別所得税政令 6 2) 2 復興特別所得税の納付の延期 延納の許可 ⑴ 所得税では 確定申告書の提出により納付すべき第 3 期分の所得税の額の 2 分の 1 以上の金額を納期限までに納付したときは その残額については 届出によりその年 5 月 31 日まで納付を延期することができますが ( 所法 131) 復興特別所得税についても 復興特別所得税申告書を提出した者が 納付すべき復興特別所得税の額の 2 分の 1 以上の金額を所得税と併せて納期限までに納付したときは その残額については 届出によりその年 5 月 31 日まで納付を延期することができます ( 復興財確法 184 復興特別所得税省令 4 ) なお この納付すべき復興特別所得税の額については 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納の手続き等 ( 所法 1331) により申請書を提 出する場合には その納付すべき復興特別所得税の額からその申請書に記載した延払条件付譲渡に係る延納を求めようとする復興特別所得税の額を控除した額とされます ( 復興財確法 184 括弧書き ) ⑵ 税務署長は 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納 ( 所法 1321) の規定により納付すべき所得税の延納の許可をする場合には その延納に係る所得税の額に100 分の2.1を乗じて計算した金額に相当する復興特別所得税の延納を併せて許可するものとされています ( 復興財確法 18 5 ) 復興特別所得税の納付の延期又は延納の許可については 所得税の確定申告税額の延納 ( 所法 13123) 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納 ( 所法 1322) 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納の手続等 ( 所法 133) 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納条件の変更 ( 所法 134) 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納の取消し ( 所法 135) 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納に係る利子税 ( 所法 136) 及び延納税額に係る延滞税の特例 ( 所法 137) の規定を準用することとされています ( 復興財確法 186) これにより 税務署長が延納の許可をする場合には その延納に係る所得税及び復興特別所得税の額の合計額に相当する担保を徴することになりますが その延納に係る所得税及び復興特別所得税の額の合計額が50 万円以下で かつ その延納の期間が 3 年以下である場合には 担保は不要とされます ( 復興財確法 186) また 税務署長は 延納の許可を受けた者が提出した申告書に係る所得税及び復興特別所得税につき修正申告書の提出又は更正があった場合において その申告又は更正があった後における所得税及び復興特別所得税の額 ( 以下 修正後の年税額 といいます ) を基礎として延払条件付譲渡に係る税額の計算に準じて計算した金額が 修正後の年税額の 2 分の 1 に相当する金額以下となり 又は30 万円以下となったときは その延納の許可を取り消すことができま 810

復興特別所得税の創設 す ( 復興特別所得税政令 6 1) 3 非居住者給与等申告書を提出する場合の復興特別所得税額の納付 ⑴ 上記六 4の申告書を提出した者は その申告書に記載した上記六 4⑶の金額 ( 上記六 4⑷3 の金額がある場合には 上記六 4⑶の金額と上記六 4⑷3の金額との合計額 ) に相当する復興特別所得税をその申告書の提出期限までに 国に納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 187) ⑵ 復興特別所得税を納付する場合 ( 期限後申告書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは決定通知書により復興特別所得税を納付する場合 ( 通法 352) を含みます ) において 所得税法第 172 条第 3 項の規定により納付すべき年 分が同一である所得税があるとき ( 期限後申告書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは決定通知書により納付すべき年分が同一である所得税があるとき ( 通法 352) を含みます ) は その復興特別所得税は その所得税に併せて納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 188) なお 復興特別所得税及び所得税の納付があった場合には 上記 1 ⑵の取扱いに準じて復興特別所得税及び所得税の納付があったものとされます ( 復興財確法 189) この場合において 納付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法については 上記 1 ⑵を参照してください ( 復興特別所得税政令 6 2) 八申告による源泉徴収特別税額等の還付等 ( 復興財確法 19 条 ) 1 復興特別所得税申告書に係る還付 ⑴ 復興特別所得税申告書の提出があった場合において その復興特別所得税申告書に上記六 1 ⑴4 又は6の金額の記載があるときは 税務署長は その復興特別所得税申告書を提出した者に対し その金額に相当する復興特別所得税又は予納特別税額を還付することとされています ( 復興財確法 1913) なお 所得税においては 還付の対象となる源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは その未納付相当額については納付があるまでは還付しないこととされており ( 所法 1382) 復興特別所得税においても 復興特別所得税申告書に記載された上記六 1⑴4 の源泉徴収特別税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは 還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については その納付があるまでは還付しないこととされています ( 復興財確法 192) また 予納特別税額に係る還付金の還付をす る場合において 復興特別所得税申告書に係る年分の予納特別税額について納付された延滞税があるときは その額のうち 還付される予納特別税額に対応する金額を併せて還付することとされています ( 復興財確法 194) ⑵ 還付する復興特別所得税 ( 予納特別税額に係る還付金及び還付される予納特別税額に対応する延滞税を含みます ) は 源泉徴収税額等の還付 ( 所法 138) 又は予納税額の還付 ( 所法 139) の規定により還付する年分が同一である所得税に併せて還付することとされており ( 復興財確法 195) 復興特別所得税及び所得税の還付があった場合には その還付額を併せて還付する復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の還付があったものとされます ( 復興財確法 19 6 ) この場合において 還付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2の計算の方法に準じて復興特別所得税及 811

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) び所得税の還付額を計算することとされています ( 復興特別所得税政令 7 2) ⑶ 復興特別所得税申告書の提出により復興特別所得税又は予納特別税額を還付する場合は 所得税に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1383) 還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1384) 並びに予納税額に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1393) 還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1394) 及び還付延滞税の還付加算金の不加算 ( 所法 1395) の規定を準用して計算した還付加算金を付して還付することとされ ( 復興財確法 197) 還付する復興特別所得税については 所得税の還付を受ける場合の確定申告書の記載事項 還付すべき所得税額の充当の順序 予納税額に係る還付加算金の額の計算などの規定を準用することとされています ( 復興特別所得税政令 7 1 復興特別所得税省令 5 ) ⑷ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計算は その年分の復興特別所得税及び所得税に係る還付金の合計額により行い 算出された還付加算金をその計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税に係る還付金の額にそれぞれ按分した額に相当する金額が復興特別所得税又は所得税に係る還付加算金の額とされます ( 復興財確法 245) なお 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の端数計算は 復興特別所得税及び所得税を一つの税とみなして行うこととされています ( 復興財確法 246) 2 退職所得の選択課税による還付申告書を提出する場合の復興特別所得税の還付 ⑴ 上記六 5の申告書の提出があった場合には 税務署長は その申告書を提出した者に対し 上記六 5⑶の金額に相当する復興特別所得税を還付することとされています ( 復興財確法 198) なお 所得税においては 還付の対象となる 源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは その未納付相当額については納付があるまでは還付しないこととされており ( 所法 1733) 復興特別所得税においても 上記六 5の申告書に記載された上記六 5⑵の復興特別所得税の額 ( 下記 Ⅴ 一 1 により併せて徴収されるべきものに限ります ) のうちにまだ納付されていないものがあるときは 還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については その納付があるまでは還付しないこととされています ( 復興財確法 199) ⑵ 還付する復興特別所得税は 所得税法第 173 条第 2 項の規定により還付する年分が同一である所得税に併せて還付することとされています ( 復興財確法 1910) なお 復興特別所得税及び所得税の還付があった場合には 上記 1 ⑵の取扱いに準じて復興特別所得税及び所得税の還付があったものとされます ( 復興財確法 1911) この場合において 還付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法については 上記 1 ⑵を参照してください ( 復興特別所得税政令 7 2) ⑶ 上記六 5の申告書の提出により復興特別所得税を還付する場合には 所得税に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1734) の規定を準用して計算した還付加算金を付して還付することとされ ( 復興財確法 1912) 還付する復興特別所得税については 所得税の還付を受ける場合の退職所得の選択課税による還付申告書に添付すべき明細書など ( 所令 297 所規 71) の規定を準用することとされています ( 復興特別所得税政令 7 1 復興特別所得税省令 5 ) ⑷ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計算並びに復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の端数計算については 上記 1 ⑷を参照してください ( 復興財確法 2456) 812

復興特別所得税の創設 九青色申告 ( 復興財確法 20 条 ) 1 青色申告の承認を受けている者所得税の青色申告の承認を受けている者は 復興特別所得税申告書及び復興特別所得税申告書に係る修正申告書について 青色申告書により申告をすることができます ( 復興財確法 201) 2 青色申告の承認を取り消された者 の青色申告の承認を取り消された場合には その取消しに係る年分以後の各年分の復興特別所得税についてその個人が青色申告書により提出した復興特別所得税申告書及び復興特別所得税申告書に係る修正申告書は 青色申告書以外の申告書 ( いわゆる白色申告書 ) とみなされます ( 復興財確法 202) 所得税の青色申告の承認を受けていた者が そ 十更正の請求の特例 ( 復興財確法 21 条 ) 1 各種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求の特例 ⑴ 所得税法は 確定申告した税額が過大であった場合に 国税通則法で定める更正の請求 ( 通法 23) とは別に 所得税特有の後発的事由として次に掲げるものが定められており これらの事由が申告書提出後又は決定後において生じたことにより税額が過大になった場合においては その事実が生じた日の翌日から 2 月以内に更正の請求ができることとされています ( 所法 152 所令 274) 1 事業を廃止した場合の必要経費の特例 ( 所法 63) 及び資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例 ( 所法 64) に定める事実 2 各種所得の金額 ( 事業所得の金額並びに事業から生じた不動産所得の金額及び山林所得の金額を除きます 3において同じです ) の計算の基礎となった事実に含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたこと 3 各種所得の金額の計算の基礎となった事実のうちに含まれていた取り消すことのできる行為が取り消されたこと ⑵ 復興特別所得税についても所得税と同様に更正の請求の特例の規定が置かれており 復興特別所得税申告書を提出し 又は決定を受けた者 ( その相続人及び包括受遺者を含みます ) のその復興特別所得税申告書又は決定に係る基準所得税額の計算の基礎となる各種所得の金額につき上記 ⑴1から3までの事実が生じたことにより 税額が過大であること等の事由が生じた場合 ( 通法 231 一 ~ 三 ) には 所得税と同様に各種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求の特例が適用されます ( 復興財確法 211) 2 前年分の所得税額等の更正等に伴う更正の請求の特例所得税について修正申告をし 又は更正若しくは決定がされたことに伴いその翌年以後の年分の既に確定している所得税について 税額が過大となり又は還付金が過少となったときには 修正申告書を提出した日又は更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から 2 月以内に 税務署長に対して更正の請求をすることができます ( 所法 153) 復興特別所得税についても 個人が 次の⑴から⑶までに掲げる金額につき修正申告書を提出し 又は更正若しくは決定を受けた場合において その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い 813

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) その年分の翌年分以後の各年分で決定を受けた年分に係る復興特別所得税の納付額が過大となるとき 又は復興特別所得税の還付額が過少となるときは 修正申告書を提出した日又は更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から 2 月以内に 税務署長に対して更正の請求をすることができます ( 復興財確法 212) ⑴ 所得税の確定所得申告に係る確定申告書に記載すべき次に掲げる金額 ( 復興財確法 212 一 ) 1 その年分の総所得金額 退職所得金額及び山林所得金額 2 雑損控除その他の控除の額 3 課税総所得金額 課税退職所得金額及び課税山林所得金額又は純損失の金額 4 課税総所得金額 課税退職所得金額及び課税山林所得金額につき税額の計算の規定を適用して計算した所得税の額 5 所得税の額の計算上控除しきれなかった外国税額控除の額がある場合には その控除しきれなかった金額 6 総所得金額若しくは退職所得金額又は純損失の金額の計算の基礎となった各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額 ( その所得税の額のうちに 源泉徴収税額がある場合には 所得税の額からその源泉徴収税額を控除した金額 ) 7 6の金額の計算上控除しきれなかった源泉徴収税額がある場合には その控除しきれなかった金額 8 その年分の予納税額がある場合には 所得税の額 ( 源泉徴収税額がある場合には 所得税の額からその源泉徴収税額を控除した金額 ) からその予納税額を控除した金額 9 8の金額の計算上控除しきれなかった予納税額がある場合には その控除しきれなかった金額 ⑵ 所得税の確定損失申告に係る確定申告書に記載すべき次に掲げる金額 ( 復興財確法 212 一 ) 1 その年において生じた純損失の金額及び雑損失の金額 2 翌年以後において総所得金額 退職所得金額及び山林所得金額の計算上控除することができる純損失の金額及び雑損失の金額 3 その年において外国税額控除の規定による控除をされるべき金額がある場合には その金額 4 純損失の金額又は総所得金額若しくは退職所得金額の計算の基礎となった各種所得に係る源泉徴収税額がある場合には その源泉徴収税額 5 その年分の予納税額がある場合には その予納税額 ⑶ 復興特別所得税の復興特別所得税申告書に記載すべき次に掲げる金額 ( 復興財確法 212 二 ) 1 その年分の確定申告書に係る基準所得税額 2 1の基準所得税額につき上記二及び三により計算した復興特別所得税の額 3 その年分の源泉徴収特別税額がある場合には 2の復興特別所得税の額からその源泉徴収特別税額を控除した金額 4 3の金額の計算上控除しきれなかった源泉徴収特別税額がある場合には その控除しきれなかった金額 5 その年分の予納特別税額がある場合には 2の復興特別所得税の額 ( 源泉徴収特別税額がある場合には 3の金額 ) からその予納特別税額を控除した金額 6 5の金額の計算上控除しきれなかった予納特別税額がある場合には その控除しきれなかった金額 814

復興特別所得税の創設 十一更正及び決定 ( 復興財確法 22 条 ) 復興特別所得税及び所得税に係る更正又は決定は 年分が同一であるこれらの税に係る更正又は決定に併せて行わなければならないこととされています ( 復興財確法 221) また 税務署長は 青色申告書に係る年分の所得税の更正をする場合には 納税者の記帳を尊重して 更正通知書にその更正の理由を付記するこ ととされていますが ( 所法 1552) この所得税法の規定は 個人が提出した青色申告に係る復興特別所得税について準用することとされており ( 復興財確法 222) 所得税の更正と併せて行う復興特別所得税の更正についても 更正通知書にその更正の理由を付記することになります 十二更正等又は決定による源泉徴収特別税額等の還付等 ( 復興財確法 23 条 ) 1 復興特別所得税につき決定があった場合 ⑴ 個人の各年分の復興特別所得税につき決定 ( 国税通則法第 25 条の決定をいいます ) があった場合において その年の復興特別所得税の額から源泉徴収特別税額を控除する際に その決定による復興特別所得税の額から控除しきれない源泉徴収特別税額があるときは 税務署長は その個人に対し その控除しきれない金額に相当する復興特別所得税を還付することとされています ( 復興財確法 231) ⑵ ⑴の決定による源泉徴収特別税額の還付について 還付金の額の計算の基礎となった源泉徴収特別税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは 還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については その納付があるまで還付しないこととされています ( 復興財確法 233) ⑶ また 個人の各年分の復興特別所得税につき決定があった場合において その年の復興特別所得税の額から予納特別税額を控除する際に その決定による復興特別所得税の額から控除しきれない予納特別税額があるときは 税務署長は その個人に対し その控除しきれない金額に相当する予納特別税額を還付することとされ ています ( 復興財確法 234) この場合において その年分の予納特別税額について納付された延滞税があるときは その額のうち 還付される予納特別税額に対応する金額を併せて還付することとされています ( 復興財確法 236) ⑷ 決定により復興特別所得税を還付する場合において 所得税法の決定による源泉徴収税額等の還付 ( 所法 159) 又は決定による予納税額の還付 ( 所法 160) の規定により還付する年分が同一である所得税があるときは その復興特別所得税は その所得税に併せて還付するものとされ ( 復興財確法 237) 復興特別所得税及び所得税の還付があった場合には その還付額を併せて還付する復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の還付があったものとされます ( 復興財確法 238) この場合において 還付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2の計算の方法に準じて復興特別所得税及び所得税の還付額を計算することとされています ( 復興財確法 2310 復興特別所得税政令 8 2) ⑸ 決定により復興特別所得税及び所得税を還付する場合には 所得税法の決定による源泉徴収税額等の還付に係る還付加算金の計算期間 ( 所 815

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 法 1594) 並びに還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1595) 又は決定による予納税額の還付に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1604) 還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1605) 並びに還付延滞税の還付加算金の不加算 ( 所法 1606) の各規定により計算した還付加算金を付して還付することとされ ( 復興財確法 239) 還付する復興特別所得税又は予納特別税額については 所得税の未納の国税及び滞納処分費への充当 ( 所令 2772 2783) 未納の源泉徴収税額が納付された場合の税務署長への届出の提出 ( 所令 2773) などの規定を準用することとされています ( 復興特別所得税政令 8 1) ⑹ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計算は その年分の復興特別所得税及び所得税に係る還付金の合計額により行い 算出された還付加算金をその計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税に係る還付金の額にそれぞれ按分した額に相当する金額が復興特別所得税又は所得税に係る還付加算金の額とされます ( 復興財確法 245) なお 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の端数計算は 復興特別所得税及び所得税を一つの税とみなして行うこととされています ( 復興財確法 246) 2 復興特別所得税につき更正等があった場合 ⑴ 個人の各年分の復興特別所得税につき更正等があった場合において その年の復興特別所得税の額から源泉徴収特別税額を控除する際に その更正等による復興特別所得税の額から控除しきれない源泉徴収特別税額が増加したときは 税務署長は その個人に対し その増加した部分の金額に相当する復興特別所得税を還付することとされています ( 復興財確法 232) ( 注 ) 更正等とは 復興特別所得税についての更正及び復興特別所得税についての処分等 ( 更正の請求に対する処分又は決定をいいます ) に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決をいいます ( 復興財確法 232) ⑵ ⑴の更正等による源泉徴収特別税額の還付について 還付金の額の計算の基礎となった源泉徴収特別税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは 還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については その納付があるまで還付しないこととされています ( 復興財確法 233) ⑶ また 個人の各年分の復興特別所得税につき更正等があった場合において その年の復興特別所得税の額から予納特別税額を控除する際に その更正等による復興特別所得税の額から控除しきれない予納特別税額が増加したときは 税務署長は その個人に対し その増加した部分の金額に相当する予納特別税額を還付することとされています ( 復興財確法 235) この場合において その年分の予納特別税額について納付された延滞税があるときは その額のうち 還付される予納特別税額に対応する金額を併せて還付することとされています ( 復興財確法 23 6 ) ⑷ 更正等により復興特別所得税を還付する場合において 所得税法の更正等による源泉徴収税額等の還付 ( 所法 159) 又は更正等による予納税額の還付 ( 所法 160) の規定により還付する年分が同一である所得税があるときは その復興特別所得税は その所得税に併せて還付するものとされ ( 復興財確法 237) 復興特別所得税及び所得税の還付があった場合には その還付額を併せて還付する復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の還付があったものとされます ( 復興財確法 238) この場合において 還付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2の計算の方法に準じて復興特別所得税及び所得税の還付額を計算することとされていま 816

復興特別所得税の創設 す ( 復興財確法 2310 復興特別所得税政令 8 2) ⑸ 更正等により復興特別所得税及び所得税を還付する場合には 所得税法の更正等による源泉徴収税額等の還付に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1594) 並びに還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1595) 又は更正等による予納税額の還付に係る還付加算金の計算期間 ( 所法 1604) 還付加算金の不加算及び延滞税の免除 ( 所法 1605) 並びに還付延滞税の還付加算金の不加算 ( 所法 1606) の各規定により計算した還付加算金を付して還付することとされ ( 復興財確法 239) 還付する復興特別所得税又は予納特別税額については 所得税の未納の国税及び滞納処分費への充当 ( 所令 2772 2783) 未納の源泉徴収税額が納付された場合の税務署 長への届出の提出 ( 所令 2773) などの規定を準用することとされています ( 復興特別所得税政令 8 1) ⑹ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計算は その年分の復興特別所得税及び所得税に係る還付金の合計額により行い 算出された還付加算金をその計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税に係る還付金の額にそれぞれ按分した額に相当する金額が復興特別所得税又は所得税に係る還付加算金の額とされます ( 復興財確法 245) なお 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の端数計算は 復興特別所得税及び所得税を一つの税とみなして行うこととされています ( 復興財確法 246) 十三課税標準の端数計算等 ( 復興財確法 24 条 ) 1 復興特別所得税の課税標準の端数計算個人に係る復興特別所得税 ( 附帯税を除きます ) の課税標準の端数計算については 国税通則法で定める一般規定 ( 通法 118) によらず その課税標準に 1 円未満の端数があるとき 又はその全額が 1 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 復興財確法 241) 2 復興特別所得税の確定金額の端数計算及び基準所得税額である所得税の確定金額の端数計算復興特別所得税の確定金額の端数計算及びその復興特別所得税の基準所得税額である所得税 ( 附帯税を除きます ) の確定金額の端数計算については 国税通則法で定める一般規定 ( 通法 119) によらず これらの確定金額の合計額によって行い その合計額に100 円未満の端数があるとき 又はその全額が100 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 復興財確法 242) 3 還付すべき復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の額の端数計算還付すべき復興特別所得税及び所得税 ( 附帯税を除きます ) に係る還付金等 ( 還付金又は国税に係る過誤納金をいいます ) の額の端数計算については 復興特別所得税及び所得税を一の税とみなしてこれを行うこととされています ( 復興財確法 243) 4 復興特別所得税及び所得税に係る附帯税等の計算納付すべき復興特別所得税及び所得税に係る附帯税等 ( 附帯税及び附帯税の免除に係る金額をいいます ) の計算については その計算の基礎となるべきその年分の復興特別所得税及び所得税の合計額によって行い 算出された附帯税等をその計算の基礎となった復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相当する金額を復興特別所得税又は所得税に係る附帯税等の額とすることとされています ( 復興財確法 244) この場合において 按分された復興特別所得税 817

按分 ( 復興財確法 244) 東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) の額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2 の計算の方法に準じて計算することとされています ( 復興特別所得税政令 9 ) 5 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の計算還付すべき復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の計算については その年分の復興特別所得税及び所得税に係る還付金の合計額又は復興特別所得税及び所得税に係る過誤納金の合計額によって行い 算出された還付加算金をその計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税に係る還付金の額又は復興特別所得税及び所得税に係る過誤納金の額にそれぞれ按分した額に相当する金額 ( 参考 ) 復興特別所得税及び所得税の端数計算 を復興特別所得税又は所得税に係る還付加算金の額とすることとされています ( 復興財確法 245) この場合において 按分された復興特別所得税の額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2 の計算の方法に準じて計算することとされています ( 復興特別所得税政令 9 ) 6 復興特別所得税及び所得税に係る附帯税等及び還付加算金の端数計算上記 4 及び 5 により復興特別所得税及び所得税に係る附帯税等及び還付加算金の計算をする場合の端数計算は 復興特別所得税及び所得税を一の税とみなしてこれを行うこととされています ( 復興財確法 246) 区分復興特別所得税所得税 課税標準の端数計算 確定金額の端数計算 1 円未満切捨て ( 復興財確法 241) 1,000 円未満切捨て ( 通法 1181) 復興特別所得税及び所得税の確定金額の合計額の 100 円未満切捨て ( 復興財確法 242) 附帯税等の基礎となる金額 附帯税等の端数計算 納付 ( 増加 ) する復興特別所得税及び所得税の合計額 ( 合計額の 10,000 円未満の端数切捨て ) ( 復興財確法 244 通法 1183) 復興特別所得税及び所得税の附帯税の確定金額の合計額に 100 円未満の端数があるとき 又はその全額が 1,000 円未満 ( 加算税に係るものについては 5,000 円未満 ) であるときは その端数金額又はその全額を切捨て ( 復興財確法 246 通法 1194) 復興特別所得税及び所得税算出された附帯税等を計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税の額でに係る附帯税等の按分 還付金等の額の端数計算 復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の按分 還付加算金の基礎となる金額 還付加算金の端数計算 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の按分 還付すべき復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の合計額の 1 円未満を切捨て ( 復興財確法 243 通法 1201) 還付すべき復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の合計額が 1 円未満であるときは その額を 1 円とする ( 復興財確法 243 通法 1202) 計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税の額で按分 ( 復興財確法 244) 復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の合計額 ( 合計額の 10,000 円未満の端数切捨て ) ( 復興財確法 245 通法 1204) 復興特別所得税及び所得税に係る還付加算金の確定金額の合計額に 100 円未満の端数があるとき 又はその全額が 1,000 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切捨て ( 復興財確法 246 通法 1203) 算出された還付加算金を計算の基礎となった復興特別所得税及び所得税に係る還付金等の額で按分 ( 復興財確法 245) 818

復興特別所得税の創設 十四充当の特例 ( 復興財確法 25 条 ) ⑴ 充当 とは 納税者に還付すべき還付金又は国税に係る過誤納金 ( 以下 還付金等 といいます ) を 還付に代えて その納税者の納付すべき国税に充てる行為をいい ( 通法 57) 還付金等及び還付加算金を未納の復興特別所得税及び所得税に充当するときは これらの税に併せて充当しなければならないこととされています ( 復興財確法 251) ⑵ 充当があった場合には その充当に係る金額を納付すべき復興特別所得税の額及び所得税の 額にそれぞれ按分した額に相当する復興特別所得税及び所得税の充当があったものとされます ( 復興財確法 252) この場合において 充当があったものとされる復興特別所得税の額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合のその処理の方法は 上記五 2の計算の方法に準じて計算することとされています ( 復興特別所得税政令 9) Ⅳ 復興特別所得税の法人の納税義務 一法人に係る復興特別所得税の課税標準 ( 復興財確法 26 条 ) ⑴ 法人の所得に対しては法人税が課税されますが 源泉徴収の方法により所得税を徴収している利子等や配当等の所得については それが法人に帰属するものであっても 所得税の納税義務があります そして 法人に対して課する復興特別所得税の課税標準は その法人の基準所 得税額とされています ( 復興財確法 26) ⑵ 法人は 内国法人又は外国法人に区分されますが 復興特別所得税の課税標準である基準所得税額は 上記 Ⅱ 五の表の区分に応じ それぞれ同表に掲げる金額となります 二法人に係る復興特別所得税の税率 ( 復興財確法 27 条 ) 法人に対して課する復興特別所得税の額は その法人の基準所得税額に100 分の2.1の税率を乗じ て計算した金額です ( 復興財確法 27) 算式 復興特別所得税の額 = 基準所得税額 税率 2.1% Ⅴ 復興特別所得税の源泉徴収 一源泉徴収義務等 ( 復興財確法 28 条 ) ここでは 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間における復興特別所得税の源泉徴収に関する事項について解説します 1 源泉徴収義務所得税法及び租税特別措置法の規定により所得税の源泉徴収義務を有する者は その所得税を徴収する際に 復興特別所得税を併せて徴収し そ 819

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) の所得税の法定納期限までに その徴収した復興特別所得税を所得税と併せて国に納付しなければならないこととされています ( 復興財確法 281) 所得税法及び租税特別措置法において規定されている源泉徴収義務者は 以下のとおりです ⑴ 所得税法に基づくもの 1 利子等及び配当等の支払者 ( 所法 181) 2 給与等の支払者 ( 所法 183) 3 退職手当等の支払者 ( 所法 199) 4 公的年金等の支払者 ( 所法 203の 2 ) 5 報酬 料金 契約金又は賞金の支払者 ( 所法 204) 6 生命保険契約等に基づく年金の支払者 ( 所法 207) 7 定期積金の給付補塡金等の支払者 ( 所法 209の 3 ) 8 匿名組合契約等に基づく利益の分配の支払者 ( 所法 210) 9 非居住者又は法人の所得のうち一定のものの支払者 ( 所法 212) ⑵ 租税特別措置法に基づくもの 1 国外公社債等の利子等の国内における支払の取扱者 ( 措法 3 の 3 ) 2 民間国外債等の利子の支払者 ( 措法 6 ) 3 国外投資信託等の配当等の国内における支払の取扱者 ( 措法 8 の 3 ) 4 国外株式の配当等の国内における支払の取扱者 ( 措法 9 の 2 ) 5 上場株式等の配当等の国内における支払の取扱者 ( 措法 9の3の2) 6 外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配の国内における支払者 ( 措法 9の6) 7 特定口座内保管上場株式等の譲渡の対価等の支払者 ( 措法 37の11の 4 ) 8 懸賞金付預貯金等の懸賞金等の支払等をする者 ( 措法 41の 9 ) 9 割引債の発行者 ( 措法 41の12) 10 芸能人等の役務提供報酬等を支払う免税芸能法人等 ( 措法 42) 2 源泉徴収税率源泉徴収すべき復興特別所得税の額は 所得税に関する法令の規定により徴収して納付すべき所得税の額に2.1% の税率を乗じて計算した金額とされています ( 復興財確法 282) この場合の 所得税に関する法令の規定 には 上記 1 ⑴ 及び⑵ に掲げた源泉徴収に関する規定のほか 上場株式等の配当等及び譲渡所得等に対する 7 % 軽減税率の特例に関する規定 ( 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 20 年法律 23 号 ) 附則 322 451) も含まれます ( 注 ) 所得税と復興特別所得税をあわせた合計税率については 後述四 3の ( 参考 1 ) を参照してください ( 参考 ) 国外において発行された公社債 株式の利子 配当等を国内の支払の取扱者が源泉徴収を行う いわゆる水際源泉徴収の場合における上記の 徴収して納付すべき所得税の額 は 次のようになります 1 国外公社債等の利子等や国外私募公社債等運用投資信託等の配当等の場合利子等について国外で徴収された所得税 ( 外国所得税 ) の額を国内において徴収すべき所得税の額から控除する方式で水際源泉徴収を行うこととされている利子等の場合 ( 措法 3 の 3 措法 8 の 3 4 一 ) には 利子等の金額 ( 外国所得税額の控除前 ) に所得税の源泉徴収税率を乗じて算出した金額から 外国所得税額を控除した金額に2.1% を乗じて源泉徴収をすべき復興特別所得税の額を計算します 1 利子等の支払金額 10,000 円 2 外国所得税額 1,000 円 ( =10,000 円 10%) 3 支払の取扱者の受領額 9,000 円 (= 10,000 円 -1,000 円 ) 4 所得税の源泉徴収税額 500 円 (= 820

復興特別所得税の創設 (10,000 円 15%)-1,000 円 ) 5 復興特別所得税の源泉徴収特別税額 10.5 円 (=500 円 2.1%) の 6 ) の規定により平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に行うべき還付 ( 参考 ) 特定口座内保管上場株式等の譲渡によ 6 源泉徴収すべき所得税及び復興特別 所得税の合計額 510 円 ( 500 円 +10.5 円 )( 1 円未満の端数切捨て ) る所得等に対する源泉徴収等の特例では 源泉徴収を選択した特定口座内において生じた上場株式等の譲渡損失の金額の15 2 国外株式の配当等や国外投資信託等の配当等 ( 上記 1 に該当するものを除きます ) の場合配当等に係る外国所得税を課税標準から控除する方式で水際源泉徴収を行うこととされている配当等の場合 ( 措法 8 の 3 4 二 9 の 2 ) には 配当等の金額 ( 外国所得税額の控除後 ) に所得税の源泉徴収税率を乗じて算出した金額に2.1% を乗じて源泉徴収すべき復興特別所得税の額を計算します 1 配当等の支払金額 10,000 円 2 外国所得税額 1,000 円 ( =10,000 円 10%) 3 支払の取扱者の受領額 9,000 円 (= 10,000 円 -1,000 円 ) 4 所得税の源泉徴収税額 1,800 円 (= 9,000 円 20%) %( 平成 25 年 12 月 31 日までは 7 %) 相当額の源泉徴収税額を還付することとされています ( 措法 37の11の 4 3) また 源泉徴収選択口座内配当等に係る所得計算及び源泉徴収等の特例では 源泉徴収を選択した特定口座内における年間の上場株式等の譲渡損失の金額をその口座に受け入れた上場株式等の配当等の額から控除できることとされ その控除した金額の15%( 平成 25 年 12 月 31 日までは 7 %) 相当額の源泉所得税を還付することとされています ( 措法 37の11の 6 7) 2 割引債の償還差益に対する発行時源泉徴収の特例 ( 措法 41の12) の規定により 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に発行された割引債について行うべき還付 ( 参考 ) 割引債は発行時に償還差益に対して源泉徴収が行われますが ( 措法 41の123) 5 6 復興特別所得税の源泉徴収特別税額 37.8 円 (=1,800 円 2.1%) 源泉徴収すべき所得税及び復興特別 所得税の合計額 1,837 円 ( 1,800 円 + 37.8 円 )( 1 円未満の端数切捨て ) 割引債について繰上償還又は買入消却を行った場合には その源泉徴収税額の一部を還付することとされています ( 措法 41の125) また 非課税法人等が割引債の償還等を受ける場合には 原則として 3 源泉徴収した復興特別所得税の還付次に掲げる所得税の還付をすべき者は その還付の際 その還付をする所得税の額の2.1% に相当する復興特別所得税を その所得税に併せてその所得税の還付を受ける者に対して還付しなければならないこととされています ( 復興財確法 283) 1 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等に対する源泉徴収等の特例 ( 措法 37の11 の 4 ) 又は源泉徴収選択口座内配当等に係る所得計算及び源泉徴収等の特例 ( 措法 37の11 源泉徴収された所得税のうちその非課税法人等がその割引債を所有している期間に対応する部分の金額を還付することとされています ( 措法 41の126) 4 非居住者の人的役務の提供による給与等に係る復興特別所得税の特例この特例は 所得税法第 215 条 ( 非居住者の人的役務の提供による給与等に係る源泉徴収の特例 ) と同趣旨で置かれた規定ですが 同条の規定により所得税の徴収が行われたものとみなされる 821

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 場合には 復興特別所得税についても その所得税の額につき復興特別所得税の徴収が行われたものとみなすこととされています ( 復興財確法 284) 5 源泉徴収に係る復興特別所得税の納付及び徴収復興特別所得税の源泉徴収は 所得税と併せて徴収及び納付をすることとされているため その手続きに関する規定についても 所得税法及び租税特別措置法の規定を準用し 所得税と同様に行うこととされています ( 復興財確法 285 復興特別所得税政令 101 復興特別所得税省令 6 ) 具体的には 次に掲げる規定を準用して 所得税と同様に源泉徴収を行うこととされています 1 源泉徴収に係る所得税の納付手続 ( 所法 220 所規別表第 3 ⑴~ 別表第 3 ⑹) 2 源泉徴収に係る所得税の徴収 ( 所法 221) 3 不徴収税額の支払金額からの控除及び支払請求等 ( 所法 222) 4 源泉徴収に係る所得税について納付があつたものとみなす場合 ( 所法 223) 5 民間国外債等の利子の課税の特例 ( 措令 3 の2の24) 6 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等に対する源泉徴収等の特例 ( 措令 25の10 の116~1113) 7 源泉徴収選択口座内配当等に係る所得計算及び源泉徴収等の特例 ( 措令 25の10の1313~ 1517 措規別表第 7 ⑵) 8 償還差益に対する源泉徴収に関する規定 ( 措令 26の1012 26の122 26の134 5 26の14 措規別表第 9 ⑴) 9 免税芸能法人等が支払う芸能人等の役務提供報酬等に係る源泉徴収の特例 ( 措令 271) ( 注 ) なお 源泉徴収した所得税及びその所得税に係る復興特別所得税を納付する際には これらの金額を区分することなく その所得税及び復興特別所得税の合計額を納付することとされています 6 復興特別所得税及び所得税の納付税額の区分源泉徴収をした復興特別所得税及び所得税の徴収及び納付又は還付があった場合においては その徴収及び納付又は還付をすべき金額の102.1 分の2.1に相当する額の復興特別所得税及び102.1 分の100に相当する額の所得税の徴収及び納付又は還付があったものとすることとしています ( 復興財確法 286) これは 所得税及び復興特別所得税は その内訳を表示することなく併せて納付されることから 例えば納付すべき金額の一部が納付された場合に その納付された金額は所得税と復興特別所得税にどのように配分されるのかを明らかにするために規定しているものです なお 納付があったものとされる復興特別所得税の額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円未満である場合には 上記 Ⅲ 五 2 の復興特別所得税の予定納税があった場合と同様に処理することとされています ( 復興特別所得税政令 102 4 23) 7 支払調書等の記載事項の特例復興特別所得税を所得税に併せて徴収して納付する場合における所得税又は租税特別措置法の規定により作成する調書 通知書 源泉徴収票 支払明細書 支払通知書又は報告書には その徴収して納付すべき所得税及びその所得税に係る復興特別所得税の金額を区分することなく 復興特別所得税及び所得税の額の合計額を記載することとされています ( 復興特別所得税省令 7 ) 822

復興特別所得税の創設 二居住者の給与等に係る源泉徴収税額及び源泉徴収特別税額の特例 ( 復興財確法 29 条 ) 1 給与等に係る所得税及び復興特別所得税の源泉徴収前述のとおり 給与や賞与 ( 給与等 ) に対して源泉徴収すべき復興特別所得税の額は その給与等につき源泉徴収すべき所得税の額に対して2.1 % の税率を乗じた金額とすることが原則とされていますが これまで行われてきた給与等に対する所得税の源泉徴収の実務等を踏まえ 居住者に対して支払う給与等について徴収すべき次に掲げる所得税の額及び復興特別所得税の額は 次に定める方法のいずれかにより算出した金額とすることができる特例が定められています ( 復興財確法 29 1 ) ⑴ 源泉徴収税額表に定める所得税の額及び復興特別所得税の額とする方法 1 居住者に対し平成 25 年 1 月 1 日以後に支払うべき月々 ( 又は日々 ) の給与等につき源泉徴収すべき所得税の額及び復興特別所得税の額は 所得税法に定める 給与所得の源泉徴収税額表 ( 所法別表第 2 ~ 4 ) に定める所得税の額及びその所得税の額に2.1% を乗じた復興特別所得税の額の合計額によらず 所得税法の 給与所得の源泉徴収税額表 に定める所得税の額及び復興財確法に定める復興特別所得税の計算を勘案して財務大臣が定める表 ( 源泉徴収税額表 ) を適用して求めることができることとされています ( 復興財確法 291 一 ) 2 この源泉徴収税額表は 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第 29 条第 1 項第 1 号の規定に基づき 同号に規定する所得税法別表第 2 から別表第 4 までに定める金額及び復興特別所得税の額の計算を勘案して 財務大臣が定める表を定める件 ( 平成 24 年財務省告示 115 号 以下 税額表告示 といいます ) により定められており この税額表告示は 以下のような構成となっています イ税額表告示別表第 1 平成 25 年 1 月 1 日以後の給与所得の源泉徴収税額表 ( 月額表 ) ロ税額表告示別表第 2 平成 25 年 1 月 1 日以後の給与所得の源泉徴収税額表 ( 日額表 ) ハ税額表告示別表第 3 平成 25 年 1 月 1 日以後の賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 3 これらの給与等に適用される源泉徴収税額表の税額等は 所得税法別表第 2 から第 4 までにおいて定められている 給与所得の源泉徴収税額表 の所得税額に復興特別所得税率 2.1% を加算して定められています 源泉徴収すべき税額は 従来と同様に 社会保険料及び小規模企業共済等掛金を控除した後の給与等の額に対し 控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の人数 自己が障害者 寡婦 寡夫又は勤労学生に該当するかどうか 扶養親族のうちに障害者又は同居の特別障害者に該当するものがあるかどうか等を勘案して算出することとされています ⑵ 事務機械を利用する場合の源泉徴収税額及び源泉徴収特別税額の特例を用いる方法 1 その月の給与等につき所得税の源泉徴収を行う場合にその給与等の支払額に関する計算を事務機械によって処理しているときは 最も利用度の高い月額表の甲欄に掲げる税額に限り 月額表 ( 所法別表第 2 ) に掲げる税額に代えて 財務大臣が定める次の算式によって計算した税額により源泉徴収を行うことができる特例が設けられています ( 所法 189 昭和 63 年大蔵省告示 185 号 ) 823

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) その月の社 会保険料等 基礎控除 配偶給与所得控 - + 者控除及び扶養控除後の給 除の月割額 控除の月割額与等の金額 税率 = 求める税額 2 上記の特例が認められている月額表の甲欄 に掲げる税額については 復興特別所得税を併せて徴収して納付する場合にも 従来どおり事務機械を利用する場合の源泉徴収の税額の特例を認めることとされ ( 復興財確法 291 二 ) 上記の算式にあてはまる給与所得控除の額 配偶者控除の額 扶養控除の額及び基礎控除の額の月割額並びに所得税及び復興特別所得税を加味した税率は 次の別表第一から別表第三までに掲げる金額及び税率によ ることとされました ( 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第 29 条第 1 項第 2 号の規定に基づき 同号に規定する所得税法第 189 条第 1 項に規定する財務大臣が定める方法及び復興特別所得税の額の計算を勘案して財務大臣が定める方法を定める件 ( 平成 24 年財務省告示 116 号 )) なお 次の表は 別表第三に復興特別所得税が織り込まれた税率となっているほか 別表第一は平成 24 年度改正による給与所得控除の上限設定を反映したものとなっています 別表第一 ( 給与所得控除 ) その月の社会保険料等 控除後の給与等の金額 給 与 所 得 控 除 の 額 以上以下 円 円 135,416 円以下 54,167 円 135,417 149,999 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 40% 150,000 299,999 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 30%+15,000 円 300,000 549,999 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 20%+45,000 円 550,000 833,333 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 10%+100,000 円 833,334 1,249,999 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 5 %+141,667 円 1,250,000 円以上 204,167 円 ( 注 ) 給与所得控除の額に 1 円未満の端数があるときは これを切り上げた額をもってその求める給与所得控除の額とする 別表第二 ( 基礎控除等の人的控除 ) 配偶者控除の額 31,667 円 扶 養 控 除 の 額 31,667 円 控除対象扶養親族の数 基 礎 控 除 の 額 31,667 円 824

復興特別所得税の創設 別表第三 ( 復興特別所得税率が織り込まれた税率 ) その月の課税給与所得金額 以上以下 税額の算式 円 円 162,500 円以下 その月の課税給与所得金額 5.105% 162,501 275,000 その月の課税給与所得金額 10.210%-8,296 円 275,001 579,166 その月の課税給与所得金額 20.420%-36,374 円 579,167 750,000 その月の課税給与所得金額 23.483%-54,113 円 750,001 1,500,000 その月の課税給与所得金額 33.693%-130,688 円 1,500,001 円以上 その月の課税給与所得金額 40.840%-237,893 円 ( 注 ) 税額に10 円未満の端数があるときは これを四捨五入した額をもってその求める税額とする 三年末調整 ( 復興財確法 30 条 ) 年末調整とは 給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする際 給与所得者の各人ごとに 給与等を支払う都度源泉徴収をした税額の合計額と その年中の給与等の支給総額について納付すべき税額 ( 年税額 ) とを比較して過不足額の精算を行うことをいいますが 復興特別所得税についても 所得税に併せて年末調整を行うこととされています 1 年末調整 ⑴ 給与等の支払者が その年最後に支払う給与等につき所得税及び復興特別所得税を徴収する場合において 次の1に掲げる所得税の額及び復興特別所得税の額の合計額が2に掲げる所得税の額及び復興特別所得税の額の合計額に比して過不足があるときは その超過額は その所得税及び復興特別所得税を徴収する際に徴収すべき所得税及び復興特別所得税に充当し その不足額は その所得税及び復興特別所得税を徴収する際に徴収して その所得税の法定納期限までに国に納付しなければなりません ( 復興財確法 301) 1 その年中に徴収された 又は徴収されるべ き所得税の額及び復興特別所得税の額の合計額 2 その年中の給与等に対する所得税の年税額及び当該所得税の年税額に2.1% を乗じて計算した復興特別所得税の額の合計額 ( 注 ) 上記 2の所得税の年税額は 住宅ローン税額控除 ( 措法 41の 2 の 2 1) の適用がある場合には その適用後の金額となります また 所得税の年税額と復興特別所得税の年税額を合計した金額に100 円未満の端数がある場合には その端数は切り捨てとなります ⑵ 居住者に給与等を支払う際に源泉徴収をした所得税は 給与等を支払った月の翌月 10 日 ( 納期の特例の承認を受けている場合には 7 月 10 日と翌年 1 月 20 日 ) までに 給与所得 退職所得等の所得税徴収高計算書 ( 納付書 ) を添えて納付することとされていますが ( 所法 1831 190 220 所規 80 通法 341) その際に復興特別所得税も併せて納付することになります ( 注 ) 納付する際には 所得税の額と復興特別所得税の額を区分する必要はなく これらの合計額で納付することとなります 825

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 2 過納額又は不足額の精算年末調整は その年中に支払うべき給与等の金額とその給与等について月ごと又は日ごとに源泉徴収した所得税の額及び復興特別所得税の額の合計額 ( 所得税と復興特別所得税を区分する必要はありません ) を集計し その集計した税額の合計額と集計した年間給与等について求めた年税額とを対比して精算を行うことになります この場合に その源泉徴収した税額の合計額が年税額を超えるときは その超える部分の額が過納額となり その源泉徴収した税額の合計額が年税額に満たないときは その満たない部分の金額が不足額となります 復興特別所得税について所得税と併せて年末調整を行う際にも これまでと同様に 次のように過不足額が生じた場合の処理を行います ( 復興財確法 302 復興特別所得税政令 11) なお これらの処理についても 所得税と復興特別所得税を区分する必要はなく これらの税額の合計額で行うこととなります ⑴ 過納額の精算過納額が生じたときは まずその年最後に支給する給与等について徴収すべき所得税及び復興特別所得税に充当し なお過納額があるときは その給与等の支払者が年末調整を行った月 分として納付すべき源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の額から還付します この場合に 還付すべき過納額が源泉徴収義務者の年末調整した月分の税額を超える場合には その超える過納額は その源泉徴収義務者が翌年 1 月 2 月分として納付すべき源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の額のうちから控除して順次還付することになっています ( 従来と同様です ) ⑵ 不足額の精算不足額は 本年最後に支払う給与等から徴収し なお不足額があるときは 翌年支給される給与等から順次徴収することを原則とします しかし 年末調整を受ける月の給与等の金額 ( 賞与の金額を含みます ) から その月に源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額とその不足額とを控除した残額が その年 1 月から年末調整を受ける月の前月まで ( 通常は 1 月から 11 月まで ) の給与等の税引手取額の平均額 ( 月割額 ) に比して著しく減少すると認められる場合には 給与所得者が給与等の支払者を経由して所轄税務署長に 不足税額徴収繰延承認申請書 を提出することにより 一定の徴収の猶予を受けることができます ( 従来と同様です ) 四 源泉徴収に係る復興特別所得税の課税標準の 端数計算等 ( 復興財確法 31 条 ) 国税通則法では 国税の課税標準及び確定金額に端数金額が生じた場合の処理に関する規定が置かれていますが 源泉徴収に係る復興特別所得税については 源泉徴収義務者の事務負担を考慮して 復興特別所得税及びその課税標準となる所得税のそれぞれで端数処理を行うことをせずに これらの税を一の税として処理することが可能となるように 以下のような特例が設けられています 1 源泉徴収に係る復興特別所得税の課税標準の端数計算 ⑴ 国税通則法における原則国税通則法では 国税の課税標準を計算する場合において その額に1,000 円未満の端数があるとき 又はその全額が1,000 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 通法 1181) また 源泉徴収に係る所得税の課税標準については そ 826

復興特別所得税の創設 の額に 1 円未満の端数があるとき 又はその全額が 1 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 通法 1182 通令 401) ⑵ 復興特別所得税の特例源泉徴収に係る復興特別所得税については この国税通則法における課税標準に係る端数計算の規定を適用せず 復興特別所得税の課税標準となる所得税額 ( 基準所得税額 ) に 1 円未満の端数が生じた場合でも その端数金額を切り捨てることなく 小数点以下の金額を残したままで税率 (2.1%) を乗じて計算することとされています ( 復興財確法 311) 2 源泉徴収に係る復興特別所得税の確定金額の端数計算 ⑴ 国税通則法における原則国税通則法では 国税の確定金額に100 円未満の端数があるとき 又はその全額が100 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 通法 1191) また 源泉徴収に係る所得税の確定金額については その額に 1 円未満の端数があるとき 又 はその全額が 1 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 通法 1192 通令 402) ⑵ 復興特別所得税の特例源泉徴収に係る復興特別所得税の確定金額の端数計算及びその復興特別所得税と併せて徴収する所得税の確定金額の端数計算については 復興特別所得税と所得税のそれぞれで確定金額の端数計算を行わずに 復興特別所得税と所得税の確定金額の合計額によって行うこととされ 復興特別所得税と所得税の確定金額の合計額に 1 円未満の端数があるとき 又はその全額が 1 円未満であるときは その端数金額又はその全額を切り捨てることとされています ( 復興財確法 312) 3 源泉徴収に係る復興特別所得税及び所得税の額の計算例上記 1⑵ 及び 2⑵の特例が設けられていることにより 源泉徴収を行う際には 次の計算例のように 復興特別所得税の額と所得税の額を別々に計算することなく これらの税の合計税率を乗じることにより計算をすることができます 計算例 所得税 + 復興特別所得税 ( 課税標準 ) ( 合計税率 ) ( 算出税額 ) ( 端数処理後 ) 888,888 10.21% = 90,755.4648 90,755 ( 参考 1 ) 上記の所得税と復興特別所得税の合計税率は 以下のようになります 所得税率 (%) 5 7 10 15 16 18 20 合計税率 (%) ( 所得税率 (%) 102.1%) 5.105 7.147 10.21 15.315 16.336 18.378 20.42 ( 参考 2 ) 上記の計算例において復興特別所得税と所得税を別々に計算した場合 ( 課税標準 ) ( 税率 ) ( 算出税額 ) ( 端数処理後 ) 所得税 888,888 10% = 88,888.8 復興特別所得税 88,888.8 2.1% = 1,866.6648 合計 90,755.4648 90,755 827

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 4 その他規定の準用源泉徴収に係る復興特別所得税及び所得税について附帯税等又は還付加算金を計算する場合や還付金等又は還付加算金を未納の源泉徴収に係る復 興特別所得税及び所得税に充当する場合には 上記 Ⅲ 十三の 3 から 6 の申告に係る復興特別所得税と同様に行うこととされています ( 復興財確法 31 3 ) Ⅵ 雑則 一当該職員の質問検査権等 ( 復興財確法 32 条 ) 1 当該職員の質問検査権 2 身分証明書の携帯等 国税庁 国税局又は税務署の当該職員が復興特国税庁 国税局又は税務署の当該職員が復興特別所得税に関する調査を行う場合には 国税通則別所得税に関する質問 検査若しくは物件の提示法の質問検査権 提出物件の留置き 納税義務者若しくは提出の要求をする場合又は団体への諮問に対する事前通知等の調査手続及び団体に対するをする場合には その身分を示す証明書を携帯し 諮問等に関する規定を準用し 所得税と同様の権関係人の請求があったときは これを提示しなけ限を定めています ( 復興財確法 321) ればならないこととされています ( 復興財確法 32 2 ) 二復興特別所得税に係る所得税法の 適用の特例等 ( 復興財確法 33 条 ) 1 他の法令の読替規定復興特別所得税が課される場合における所得税法 租税特別措置法 国税通則法その他の法律の適用について 必要な読替規定が定められています ( 復興財確法 331 復興特別所得税政令 13 復興特別所得税省令 8 ) ⑴ 所得税法 1 家事関連費等の必要経費不算入復興特別所得税は 所得税における所得金額の計算上必要経費に算入しないこととされています ( 所法 45 所令 97) 2 外国税額控除所得税の外国税額控除制度では 当年分の控除対象外国所得税の額が当年分の所得税の控除限度額と地方税控除限度額との合計額を超える場合に 前年以前 3 年内の控除余裕枠 を使って所得税の額から控除することが認められていますが その合計額に当年分の復興特別所得税の控除限度額を加えることとされています ( 所法 952 所令 223 224) 3 前年分の所得税額及び復興特別所得税額の更正等に伴う更正の請求の特例所得税及び復興特別所得税について修正申告書の提出等をしたことにより その修正申告書の提出等に係る翌年分以後の各年分で決定を受けた年分に係る所得税及び復興特別所得税の納付額が過大となる場合又は還付額が過少となる場合には 更正の請求ができることとされています ( 所法 153) 4 信託財産に係る利子等の課税の特例次の制度は 所得税と同様に 復興特別所得税も対象とすることとされています イ信託会社が引き受けた集団投資信託の信託財産について納付した所得税額及び復興 828

復興特別所得税の創設 特別所得税額の控除 ( 所法 1763 180の 2 2 所令 3002 306の 2 ) ロ集団投資信託の信託財産について納付した所得税額及び復興特別所得税額のその集団投資信託の収益分配金への加算 ( 所法 1764 180の 2 3) 5 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書等の記載事項給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 退職所得の受給に関する申告書又は簡易な公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の承認申請書の記載事項に 支払済みの給与等 退職手当等又は公的年金等について徴収された 又は徴収した所得税の額及び復興特別所得税の額を記載することとされています ( 所規 73 2 三 771 77の 4 1) ⑵ 租税特別措置法 1 特定口座に関する帳簿の備付け等金融商品取引業者等が備え付ける特定口座に関する帳簿には その特定口座において徴収又は還付をした所得税の額及びその所得税に係る復興特別所得税の額の合計額に関する事項その他必要な事項を記載しなければならないこととされています ( 措令 25の10の1112 25の10の1316 措規 18の13の 6 4 18の13の 7 5 ) 2 公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の適用対象となった財産につき その寄附を受けた公益法人等が公益目的事業の用に供さなくなった場合には その公益法人等を個人とみなして その非課税となった寄附時点の含み益に対して所得税を課すこととされていますが ( 措法 403 措令 25の1723 ) その際には復興特別所得税も併せて課税することとされています 3 利子税の割合の特例利子税の割合の特例について 復興特別所 得税に係る利子税も同様に対象とすることとされています ( 措法 93) ⑶ 災害被害者に対する租税の減免 徴収猶予等に関する法律による所得税及び復興特別所得税の減免災害減免法の規定により所得税の減免又は徴収猶予がされる場合には その所得税に係る復興特別所得税についても同様に減免等の対象とすることとされています ( 災害減免法 3 災害減免令 3の2 4 5 6 8) ⑷ 租税条約等実施特例法 1 免税芸能法人等の役務提供の対価に係る復興特別所得税の源泉徴収 還付免税芸能法人等に該当する相手国居住者等が支払を受ける芸能人等の役務提供に係る対価 ( 以下 免税対象の役務提供対価 といいます ) については 租税条約の規定による所得税及び復興特別所得税の免税の適用がある場合であっても いったん支払時にその免税対象の役務提供対価につき源泉徴収すべき所得税に併せて その所得税の2.1% の税率で復興特別所得税の源泉徴収が行われることとされています ( 復興財確法 2812 実特法 3 1 ) この源泉徴収された復興特別所得税については 所得税の還付請求と併せて還付請求することにより 税務署長から所得税に併せて免税芸能法人等に対して還付することとされています ( 実特法 3 2 実特令 2 実特規 1 の 3 復興特別所得税省令 8 3 一 ) なお 還付の時期は その免税芸能法人等が芸能人等の役務提供報酬について徴収すべき所得税及び復興特別所得税を納付した後とされています ( 実特法 3 3) 2 割引債の償還差益に係る復興特別所得税の還付相手国居住者等が支払を受ける割引債 ( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの 829

東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) 間に発行されたものに限ります 以下同じです ) の償還差益又は外国法人が支払を受ける割引債の株主等償還差益につき租税条約の規定による所得税及び復興特別所得税の軽減又は免除の適用がある場合には その割引債の発行者は その割引債の発行の際に源泉徴収された所得税の額に相当する金額の全部又は一部とその所得税の額につき併せて源泉徴収された復興特別所得税の額に相当する金額の全部又は一部とを併せて還付することとされています ( 実特法 3 の 3 12 実特令 3 1 ~3) なお この復興特別所得税の還付は 相手国居住者等又は外国法人が所得税の還付請求書とその所得税に係る復興特別所得税の還付請求書とを併せて提出した場合に限り 割引債の償還の際に還付することとされています ( 実特令 3 7 実特規 3 の 4 復興特別所得税省令 8 3 一 ) 3 国内に恒久的施設を有しない相手国居住者等が支払う特定社会保険料に係る復興特別所得税の還付国内に恒久的施設を有しない相手国居住者等が その給与又は報酬から特定社会保険料を支払った場合又は控除される場合には その給与又は報酬につき源泉徴収された所得税の額のうち特定社会保険料に対応する部分の金額とその所得税につき併せて源泉徴収された復興特別所得税の額のうち特定社会保険料に対応する部分の金額とを併せて還付することとされています ( 実特法 5 の 2 5) なお 復興特別所得税の還付請求書は 所得税の還付請求書に併せて提出することとされています ( 実特令 4 の 2 5 実特規 6 の 2 56 復興特別所得税省令 8 3 一 ) 4 双方居住者の取扱い所得税法等と同様に 居住者で租税条約の規定によりその租税条約の相手国等の居住者とみなされるものは 復興財確法の施行地に住所及び居所を有しないものとみなして 復 興特別所得税に関する規定 ( 上記 Ⅱ 六 ( 納税地 ) に関する規定を除きます ) を適用することとされています ( 実特法 6 ) ⑸ 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律国外財産調書の提出があった場合又はなかった場合の過少申告加算税等の特例について 復興特別所得税に係る過少申告加算税等も対象とすることとされています ( 国外送金等調書法 6 国外送金等調書令 121) ⑹ 国税通則法次に掲げる国税通則法等の規定の適用について 復興特別所得税は所得税と同様の取り扱いとすることとされています 1 国税通則法第 2 条 ( 定義 ) 第 15 条 ( 納税義務の成立及び納付すべき税額の確定 ) 第 21 条 ( 納税申告書の提出先等 ) 第 30 条 ( 更正又は決定の所轄庁 ) 第 33 条 ( 賦課決定の所轄庁 ) 第 37 条 ( 督促 ) 第 43 条 ( 国税の徴収の所轄庁 ) 第 46 条 ( 納税の猶予の要件等 ) 第 60 条 ( 延滞税 ) 第 65 条 ( 過少申告加算税 ) 第 75 条 ( 不服申立て ) 第 85 条 ( 納税地異動の場合における異議申立先等 ) 及び第 86 条 ( 異議申立事件の決定機関の特例 ) 2 国税通則法施行令第 5 条 ( 納税義務の成立時期の特例 ) 第 13 条 ( 納税の猶予の期間 ) 第 23 条 ( 還付金等の充当適状 ) 第 24 条 ( 還付加算金 ) 及び第 41 条 ( 納税証明書の交付の請求等 ) 3 国税通則法施行規則第 12 条 ( 審査請求に係る書類の提出先 ) ⑺ 相続税法相続税の債務控除の対象となる公租公課の範囲に 復興特別所得税が加えられています ( 相法 14 相令 3 ) 830

復興特別所得税の創設 ⑻ 地方税法道府県民税からの外国税額の控除は 所得税及び復興特別所得税から控除しきれない場合に行うこととされ ( 地法 37の 3 地令 7 の192) 市町村民税からの外国税額の控除は 所得税 復興特別所得税及び道府県民税から控除しきれない場合に行うこととされています ( 地法 314 の 8 地令 48の 9 の 2 2) ⑼ 国税徴収法国税徴収法第 2 条 ( 定義 ) 第 15 条 ( 法定納期限等以前に設定された質権の優先 ) 第 76 条 ( 給与の差押禁止 ) の規定の適用について 復興特別所得税は所得税と同様の取り扱いとすることとされています ⑽ 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 会社更生法更生会社等に対して更生手続開始前の原因に基づいて生じた源泉徴収に係る復興特別所得税で 更生手続開始当時まだ納期限の到来していないものは 共益債権とすることとされています ( 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 76 242 会社更生法 129) ⑾ 民事再生法再生計画不認可の決定の事由の判定の際に考慮される収入金額から控除する所得税等の範囲に 復興特別所得税を含めることとされています ( 民事再生法 2412 七 ) ⑿ 国税質問検査章規則国税庁 国税局又は税務署の当該職員が復興特別所得税の質問検査等を行う場合に その身分を示す証明書の書式は 所得税と同様のものとされています ( 国税質問検査章規則 2 1) 2 国税通則法の規定の適用の特則上記 1 のほか 国税通則法の規定の適用について 次の特則が設けられています ⑴ 国税の更正 決定等の期間制限の特例更正決定等に係る不服申立て若しくは訴えについての裁決 決定若しくは判決 ( 以下 裁決等 といいます ) による原処分の異動又は更正の請求に基づく更正に伴って課税標準等又は税額等に異動を生ずべき国税でその裁決等又は更正を受けた者に係るものについての更正決定等については その裁決等又は更正があった日から 6 月間は 更正決定等の期間制限の規定にかかわらず することができることとされています ( 通法 711 一 ) この場合に この更正決定等の期間制限の特例の対象となるのは その裁決等又は更正に係る国税の属する税目に属するものに限られるため 例えば所得税について更正決定等があった場合に 復興特別所得税についても更正決定等の期間制限の特例が適用できるように 所得税及び復興特別所得税を一の国税とみなして国税通則法第 71 条第 1 項第 1 号の規定を適用することとされています ( 復興財確法 332 一 ) ⑵ 納税証明書の交付等国税局長又は税務署長は 国税に関する事項のうち納付すべき税額その他一定の事項についての証明書 ( 納税証明書 ) の交付を請求する者があるときは その者に関するものに限り これを交付しなければならないこととされています ( 通法 123) この納税証明書を交付する場合には 所得税及び復興特別所得税を一の国税とみなして 交付することとされています ( 復興財確法 332 一 ) ⑶ 他の審査請求に伴うみなす審査請求国税通則法第 90 条は 同一の国税の課税標準等又は税額等についてされた複数の更正決定等の処分が存する場合において これらの処分が異なる審級において不服申立ての対象となっているときは 争訟経済を勘案し また 相互に矛盾した判断が下されて混乱の生ずることのないようにするため 国税不服審判所長がこれら 831