PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
個人依存開発から組織的開発への移行事例 ~ 要求モデル定義と開発プロセスの形式化 による高生産性 / 高信頼性化 ~ 三菱電機メカトロニクスソフトウエア ( 株 ) 和歌山支所岩橋正実 1

開発プロセスによる形式化と 双方向トレーサビリティのメリット

15288解説_D.pptx

2015 TRON Symposium セッション 組込み機器のための機能安全対応 TRON Safe Kernel TRON Safe Kernel の紹介 2015/12/10 株式会社日立超 LSIシステムズ製品ソリューション設計部トロンフォーラム TRON Safe Kernel WG 幹事

スライド 1

テスト設計コンテスト

f2-system-requirement-system-composer-mw

日経ビジネス Center 2

スキル領域 職種 : ソフトウェアデベロップメント スキル領域と SWD 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

NEXCESS基礎コース01 組込みソフトウェア開発技術の基礎 ソフトウェア開発プロセス編

untitle

ソフトウェア要求分析から詳細設計までシームレスにつなぐ開発手法

メンバーの紹介 日本科学技術連盟ソフトウェア品質管理研究会 2010 年度第 6 分科会 B グループ リーダー関野浩之 アズビル株式会社 ( 発表者 ) 大坪智治 株式会社インテック 外谷地茂 キヤノンITソリューションズ株式会社 メンバーの特徴 開発案件のほとんどが派生開発 ( 組み込み系 :1

Microsoft PowerPoint - ID005(R02).pptx

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

テスト設計コンテスト

Microsoft Word - AOO a.DOC

短納期開発現場への XDDP 導入手法


プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

Microsoft PowerPoint - ETEC-CLASS1資料 pptx

Microsoft PowerPoint - ●SWIM_ _INET掲載用.pptx

変更の影響範囲を特定するための 「標準調査プロセス」の提案 2014年ソフトウェア品質管理研究会(30SQiP-A)

Using VectorCAST/C++ with Test Driven Development

Oracle Un お問合せ : Oracle Data Integrator 11g: データ統合設定と管理 期間 ( 標準日数 ):5 コースの概要 Oracle Data Integratorは すべてのデータ統合要件 ( 大量の高パフォーマンス バッチ ローブンの統合プロセスおよ

日本機械学会 生産システム部門研究発表講演会 2015 資料

i コンピテンシ ディクショナリ を 活用した品質エンジニアの育成 その 2 独立行政法人情報処理推進機構 HRD イニシアティブセンター 奥村有紀子

Microsoft PowerPoint - 配布用資料.ppt

エンジニアリング・サービスから見たMBD導入の成功・失敗

2 概要 市場で不具合が発生にした時 修正箇所は正常に動作するようにしたけど将来のことを考えるとメンテナンス性を向上させたいと考えた リファクタリングを実施して改善しようと考えた レガシーコードなのでどこから手をつけて良いものかわからない メトリクスを使ってリファクタリング対象を自動抽出する仕組みを

Microsoft PowerPoint - 23_電子制御情報の交換(配布用a).pptx

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

PowerPoint プレゼンテーション

組込みシステムにおける UMLモデルカタログの実践研究

リソース制約下における組込みソフトウェアの性能検証および最適化方法

目次 ペトリネットの概要 適用事例

PowerPoint プレゼンテーション

トレーニングのプレゼンテーション

<4D F736F F F696E74202D D4C82F08A B582BD A A F2E707074>

ET2014 ミニセミナー フィーチャー図と BricRobo で 簡単プロダクトライン 2014/11/19~21 ( 株 ) 富士通コンピュータテクノロジーズ伊澤松太朗 1294karch01 Copyright 2014 FUJITSU COMPUTER TECHNOLOGIES LIMITE

智美塾 ゆもつよメソッドのアーキテクチャ

アナリシスパターン勉強会 責任関係事例紹介 株式会社オーエスケイ小井土亨 (CBOP COM 分科会主査 ) 2000/07/19 1

はじめに : ご提案のポイント

MogiExam 専門的な MogiExam は権威的な資料を提供します

Microsoft PowerPoint - Tsuzuki.ppt

障害管理テンプレート仕様書

ソフトウェアテストプロセスに関する一考察 - V ⇒ W ⇒ V3 -

作成履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 年 4 月 17 日平成太郎新規作成 プロジェクト計画の全体概要 本書に記載するプロジェクト作業の概要を簡単に記述します 本書の内容の概要がこの部分で大まかに理解できます ] 本計画書の位置づけ プロジェクトにおいて本書

要求仕様管理テンプレート仕様書

プロダクトオーナー研修についてのご紹介

Microsoft PowerPoint - 【最終提出版】 MATLAB_EXPO2014講演資料_ルネサス菅原.pptx

デザインパターン第一章「生成《

Information-technology Promotion Agency, Japan (ET-WEST 2013)2013 年 6 月 13 日 ~14 日 組込みシステム開発技術リファレンス ESxR シリーズ概要紹介 IPA 独立行政法人情報処理推進機構 SEC ソフトウェア高信頼化セン

アジャイル開発入門

Microsoft Word - ESxR_Trialreport_2007.doc

Microsoft Word - ModelAnalys操作マニュアル_

Microsoft PowerPoint - B3-3_差替版.ppt [互換モード]

ホンダにおける RT ミドルウェア開発と標準化活動 株式会社本田技術研究所基礎技術研究センター関谷眞

13 ソフトウェア工学 Software Engineering ソフトウェアプロセス SOFTWARE PROCESS ソフトウェアプロセスとは ソフトウェアプロセス : ソフトウェアプロダクト ( 製品 ) を作り出すための, 互いに関連する活動 (activity) の集合 ソフトウェアプロセ

Microsoft Word 基_シラバス.doc

TopSE並行システム はじめに

D5-2_S _003.pptx

Oracle Business Rules

V8.1新規機能紹介記事

Microsoft PowerPoint - 04_01_text_UML_03-Sequence-Com.ppt

WBS テンプレート 2009/8/4 NO 作業項目 計画分析設計開発 SA UI SS PS PG PT テスト IT ST 運用 OT 保守 OM 作業概要 成果物 計画 プロジェクト編成 * プロジェクト責任者 メンバー ( システム部門 現場部門 外

Microsoft PowerPoint - IAF フォーラム2015講演資料_PLCopenJapan_A02.pptx

IT スキル標準 V3 2011_ 職種の概要と達成度指標 (7) アプリケーションスペシャリスト 職種の概要と達成度指標 APS 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

Microsoft PowerPoint - FormsUpgrade_Tune.ppt

変更要求管理テンプレート仕様書

過去問セミナーTM

【NEM】発表資料(web掲載用).pptx


目次 取組み概要 取組みの背景 取組みの成果物 適用事例の特徴 適用分析の特徴 適用事例の分析結果から見えたこと JISAによる調査結果 どうやって 実践のヒント をみつけるか 書籍発行について紹介 今後に向けて 2

(Microsoft PowerPoint - Java\221\3462\225\224\211\357\224\255\225\\\216\221\227\ ppt)

DumpsKing Latest exam dumps & reliable dumps VCE & valid certification king

はじめてのPFD

使用する前に

SEC セミナー (2012 年 12 月 21 日 ) 定量的品質管理 実践的取組み 定量的品質管理 手法の企業での取り組み事例 1 品質 生産性目標の設定方法 2 現場で定着させるテクニック ~ 品質管理を効果的に実践するには ~ 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社業務プロセス改善推進

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

Microsoft PowerPoint - 08LR-conflicts.ppt [互換モード]

HIGIS 3/プレゼンテーション資料/J_WhiteA.ppt

表 3 厚生労働省新旧ガイドライン目次比較 は新ガイドラインで追加された項目 コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン 第 1 目的 1. 総則 1.1 目的 第 2 適用の範囲 2. 適用の範囲 第 3 開発業務 1. 開発検討段階 (1) 開発段階の責任体制の確立 (2) 開発マニュア

RaQuest MindManager

第25回運営委員会 議題

Microsoft PowerPoint - Map_WG_2010_03.ppt

Microsoft PowerPoint Java基本技術PrintOut.ppt [互換モード]

アスペクトの相互作用を解消するアスペクトの提案

3. 回路図面の作図 回路図の作成では 部品など回路要素の図記号を配置し 要素どうしを配線するが それぞれの配線には 線番 などの電気的な情報が存在する 配線も単なる線ではなく 信号の入力や出力など部品どうしを結び付ける接続情報をもたせることで回路としての意味をもつ このように回路図を構成する図面は

改訂履歴 項番版数作成日 / 改訂日変更箇所変更内容. 平成 28 年 5 月 3 日新規章構成の変更, 分冊化に伴い新規作成 (i)

ETOS 画面の Web 化 / 帳票印刷のオープン化体験お試し変換サービスのご紹介 ACOS-4 システムの業務改善提案

テスト設計コンテスト フロア展示資料

1 JAXA IV&V の概要 ~IV&V と評価戦略可視化の関係 ~ 2016 年 01 月 19 日 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構研究開発部門第三研究ユニット Copyright 2015 JAXA all rights reserved.

PowerPoint プレゼンテーション

三菱電機マイコン機器ソフトウエア株式会社

Test.SSF Skill Standards Version 1.0

ビッグデータ分析を高速化する 分散処理技術を開発 日本電気株式会社

11 ソフトウェア工学 Software Engineering デザインパターン DESIGN PATTERNS デザインパターンとは? デザインパターン 過去のソフトウェア設計者が生み出したオブジェクト指向設計に関して, ノウハウを蓄積し 名前をつけ 再利用しやすいようにカタログ化したもの 各デ

Transcription:

課題解決型アーキテクチャ事例と アーキテクト育成の取り組み 1. 課題解決型アーキテクチャ 2. アーキテクチャ事例紹介 3. アーキテクト育成の取り組み 4. まとめ 三菱電機メカトロニクスソフトウエア ( 株 ) 和歌山支所岩橋正実 Iwahashi.Masami@wak.msw.co.jp 1

1. 課題解決型アーキテクチャ 2

モデル アーキテクチャ アーキテクト モデルソフトウェアで実現したい機能を定義して機能を実現するソフトウェアの構造と振る舞いの定義 アーキテクチャ特定の目的を達成する指針に基づく要素の構造と振る舞い アーキテクト組織ゴールを達成する為のアーキテクチャを開発できる人 3

アーキテクチャの種類 アーキテクチャは 特定の要求を達成する為の要素の構造と振る舞い 要素の粒度でビジネス システム ソフトウェアのアーキテクチャがある 顧客ニーズ事業目標事業目標 顧客営業 SE 設計 S/W 開発 ビジネスアーキテクチャ システムアーキテクチャ S/W アーキテクチャ ビジネスアーキテクチャ顧客ニーズに基づき事業目標を達成する為にキャッシュフローを含むアーキテクチャを構築 システムアーキテクチャ顧客ニーズに基づき事業目標を達成する為に社会インフラ含め複数のサブシステム間のアーキテクチャを構築 ソフトウェアアーキテクチャ顧客ニーズに基づき事業目標を達成する為のアーキテクチャの構築 顧客ニーズ及び事業目標をビジネス / システム / ソフトウェアのアーキテクチャで実現 ビジネスを成功させる為の要求を高信頼性と高生産性で実現するアーキテクチャが大切 4

課題と課題解決方法 課題を抑制するアーキテクチャを用いることでソフトウェアの高品質 / 高生産性を実現する 課題課題解決方法 開発のバラツキ 要求定義のバラツキ 要求分析定義手法 工程間の変換バラツキ シーケンスパターン 重複記述 クラス分析設計手法 要求 S/Wの発散 SPL( ソフトウェアプロダクトライン ) 文書精度 ( 曖昧表現 ) 日本語による形式記法の推進 DSL 要求精度 目的指向開発 競合及び制約 機能競合 競合分析設計 出力競合例外競合時間制約 絶対時間分析設計 安定しない要求 段階的仕様詳細化 仕様安定度に基づくプロセス最適化 ( イテレーティフ 開発 ) 段階的仕様追加 変更粒度によるプロセス最適化 ( インクリメンタル開発 ) 見積り精度 見積り手法 5

アーキテクチャとプロセス アーキテクチャ特定の課題を解決するための構造と振る舞い アーキテクチャは 要素と要素間の関連で表現される 課題解決の為のアーキテクチャを構築することが大切 分析 設計 試験のアーキテクチャは様式 ( 文書フレーム ) で確立する 実装のアーキテクチャは フレームワークで確立する 開発プロセスアーキテクチャを指針に基づき正しく使用する作業手順 分析 : 要求を分析アーキテクチャへ落し込む手順設計 : 分析を設計アーキテクチャへ落し込む手順実装 : 設計を実装アーキテクチャへ落し込む手順試験 : 分析 設計を試験アーキテクチャへ落し込む手順 課題解決のアーキテクチャの使い方を開発プロセスで定義する事で組織的な適用効果が得られる 更にアーキテクチャの発散の抑制にも繋がる 6

課題解決型アーキテクチャ開発 不具合の発生源と作り込み要因を分析して 再発させないアーキテクチャ定義と開発プロセスの定義が重要 不具合課題 本質要因 アーキテクチャ開発 プロセス定義 定型化 システム化 ソフトウェア要求分析 分析アーキテクチャ ソフトウェアアーキテクチャ設計 ソフトウェア詳細設計 設計アーキテクチャ 要求定義の精度要求の大規模複雑化製品バリエーションの増加状態遷移のバラツキ機能競合の課題 仕様変更の多発単体テスト S/W 構造とI/Fのバラツキ時間制約の保証試験アーキテクチャ 実装 試験アーキテクチャ ソフトウェア結合及び 結合テスト ソフトウェア 総合テスト 実装アーキテクチャ 7

アーキテクチャ開発プロセス アーキテクチャで解決する目的 / 課題を定義 目的 / 課題解決を達成する指針を定義した上でアーキテクチャ定義とタスクの定義を行う事により組織全体の品質を改善する アーキテクチャ定義 : 目的 / 課題 + 指針 + モデル 1. 目的指向アーキテクチャ開発プロセス 2. 課題解決アーキテクチャ開発プロセス 8

目的指向アーキテクチャ開発プロセス 顧客要求及び組織目標を定義 現状とのギャップ分析を実施して目的 ( 実行目標 ) を定義する 目的達成の指針とアーキテクチャ定義と目的達成のタスク定義により組織全体の品質を改善する アーキテクチャ定義 : 目的 + 指針 + モデル 1 顧客ニーズを定義 2 対象組織の目標を定義 3 顧客ニーズ及び組織目標と現状とのギャップを分析して目的を定義 4 目的を達成する為の指針とアーキテクチャを定義 5 アーキテクチャの使用プロセスを定義 9

課題解決アーキテクチャ開発プロセス 課題の発生源を特定して作り込み要因を分析して課題を定義 課題を作り込まない技術開発を行い 課題解決の指針とアーキテクチャ定義と課題解決のタスクの形式化により組織全体の品質を改善する アーキテクチャ定義 : 課題 + 指針 + モデル 1 課題の発生源の特定 2 作り込み本質要因を特定 3 課題を定義 4 課題抑制の指針とアーキテクチャを定義 5アーキテクチャの使用プロセスを定義 6プロセスの形式化による安定化 7 形式化したプロセスのシステム化 10

2. アーキテクチャ事例紹介 11

アーキテクチャ事例 :A 開発手法紹介 自律オブジェクト指向 (AOO:Autonomic architecture base Object-Oriented development technique) が 1998 年に組込みソフトウェア開発向けオブジェクト指向の開発手法として発表 その後 AOO は プロセス (AOO_PRS) プロダクトライン (AOO_SPL) 見積り (AOO_EST) 形式手法 (AOO_DSL) を拡張 組込みソフトウェアの最強のオープンな開発手法として総称を A エース (Autonomic architecture base embedded software development technique) と呼んでいる Autonomic は 自律 という意味と 自律神経 という意味も含まれる 自律は 他からの支配 制約などを受けずに 自分自身で立てた規範に従って行動するアーキテクチャを基準に開発手法を定義 要求を 1 機能 1 目的で階層的にカテゴリで分類整理して 機能間に依存関係を持たせず自分自身の機能目的達成のための要求を定義する 更に 共通機能 機能ブロック ( 操作 ) 名詞 ( 属性 ) バリエーション ( ポイント + バリアント ) を定義して要求モデルの洗練化して日本語による DSL 化を進める 要求から変換されるオブジェクトも目的単位で自律して振る舞い オブジェクト間の関連は 静的結合で自分自身の 1 つの目的達成の為に振る舞う 要求を人の認知方式に基づきモデル化され自律神経モデルに基づきフレームワークに変換することで要求 設計 実装 試験への双方向の紐付けを可能にして 高品質を確保した上で派生機種開発 SPL 開発を可能にする 12

アーキテクチャ事例 :A 開発手法の概要 要求を 1 機能 1 目的として階層的に機能ブロック ( 操作 ) 属性 時間制約 変換パターン etc のプロパティを定義して要求定義での洗練化を進めて想定可能な競合 例外事象を定義 製品内 製品間でのバリエーションを定義することで高品質 高生産性を確保する 目的指向開発 要求機能のモデル化 形式記法による DSL 化 SPL 分析設計 絶対時間分析設計 状態分析設計 機能項目 / 物理項目を共通目的で項目のカテゴリ化による要求定義 機能ブロック 名詞の定義と条件及び操作の形式記述化と検証 共通機能ブロックの再利用 製品間の仕様のバリエーションポイント ( 仕様の可変ポイント ) とバリアント ( 可変仕様 ) の分析定義 物理 機能の時間制約の定義と解決 機能目的に基づく状態定義の形式化と状態に基づく操作の形式記述化 機能競合分析設計 要求 機能競合の解決例外競合の解決 クラス分析設計 カテゴリでの機能の整理 共通機能ブロック 名詞の定義とクラスへの変換 分析設計変換パターン 機能項目からオブジェクトへの変換パターンにより双方向のトレーサビリティを確立 フレームワーク 実装基盤 Input Kernel ControlJuge Output ConrolManger Object Manager 制御対象物及び外部環境 開発プロセス 13

課題に基づくアーキテクチャ開発 事業戦略 事業特性 開発上の課題に基づくアーキテクチャ 課題 1 事業特性に基づくアーキテクチャ開発 2 開発上の課題に基づくアーキテクチャ開発 3 事業戦略に基づくアーキテクチャ 1 仕様変更の多発 2S/W 構造と I/F のバラツキ 2 機能競合の課題 2 状態遷移定義のバラツキ 2 時間制約の保証 3 要求の大規模複雑化 3 製品バリエーションの増加 3 リードタイムの短縮 課題解決方法 仕様変更影響範囲の局所化のためのアーキテクチャ 分析設計変換バラツキ抑制のためのアーキテクチャ 機能競合解決のアーキテクチャ 状態定義のアーキテクチャと状態抽出方法の定義 時間制約解決のアーキテクチャ 要求の分解整理のアーキテクチャと形式記述化 バリエーションポイント及びバリアント定義の枠組み 目的指向開発の推進 ソフトウェアの構造 振る舞いの決定の明確な理由がある 事業戦略 特性 課題の組織的な解決を推進するのがアーキテクトである 14

AOO_PRS:1~3 プロセスによるアーキテクチャの安定化 ソフトウェア要求分析 3 要求の大規模複雑化 の抑制 機能項目 変換パ目的属性操作状態優先度ターン 時間例外 F111 xxx aaa E01 F11 F1 F112 F12 F121 F2 F21 F211 物理項目 変換パ目的属性操作状態優先度ターン 時間制約 例外 P111 E02 P1 P11 P112 P2 P21 P211 E032 F111 条件記述 操作記述 <aaa> 機能ブロック記述 XXX タイマー 2 状態遷移定義のバラツキ の抑制 1 仕様変更の多発 の抑制 ソフトウェアアーキテクチャ設計 3 リードタイムの短縮 2 時間制約の保証 2 S/W 構造と I/F のバラツキ の抑制 2 機能競合の課題 の解決 F1 F2 機能マトリクス F11 F12 F21 F111 F112 F121 F211 F111 F11 F11 F112 F12 F121 F21 F21 F211 ソフトウェア詳細設計 例外マトリクス E01 E02 E03 F111 F11 F11 F112 F12 F121 F21 F21 F211 Kernel Object Manager Input Output ControlJuge ControlManger オブジェクト 属性 操作 状態 優先度時間 F111 xxx aaa F11 F1 F112 F12 F121 F2 F21 F211 P1 P11 P111 P112 P2 P21 P211 ControlManager ObjectManager Kernel O111 入力処理 条件記述 操作記述 <aaa> 機能ブロック記述 XXX タイマー 2 S/W 構造と I/F のバラツキ の抑制 15 出力

AOO_DSL:3 要求の大規模複雑化の解決表形式と日本語による形式記法による複雑化の抑制 1) 要求のカテゴリ化と機能ブロック / 属性の形式化 2) 形式記法を用いた機能仕様の日本語による形式化 3) 機能ブロック / 属性の再利用による DSL 化の推進 要求 要求 機能項目リスト 機能項目 1.xxx 2.xxx 1.1.xxx 1.2.xxx 2.1.xxx 2.2.xxx 制御マネージャ 物理項目リスト 物理項目 2.2.1.xxx 2.2.2.xxx 目的操作目的属性 目的操作目的属性 機能ブロック 機能ブロック 機能仕様で扱う名詞の定義して形式記法で仕様定義更に 1 機能項目内を目的で分解して機能ブロックを定義機能ブロックの再利用による要求分析定義の生産性向上 文書コード生成検証の実現 DSL 要求 1.xxx 2.xxx デバイス 1.1.xxx 1.2.xxx 1.3.xxx 2.1.xxx 2.1.1.xxx 2.1.2.xxx 1and2 1 外気温度 >10 2 運転モード = 冷房 XXX 制御状態 制御中 XXX 制御状態 = 制御中 ドメイン形式記述 1 機能項目 1 目的として階層的にカテゴリ化を進める 形式記述言語 16

AOO_SPL:3 製品バリエーションの増加の解決 製品 A 要求製品 B 要求製品 C 要求 1 機能項目 1 目的で カテゴリで分類整理 オブジェクトに変換 ( 可変性の継承 ) 製品間の可変性を分析して可変ポイント ( バリエーションポイント ) と可変部分 ( バリアント ) を定義する 1 要求の物理と目的 ( 機能 ) で分解整理してソフトウェアと双方向に紐付することで SPL 開発を可能にする 2 フレームワークをドメイン依存として構築すると中長期開発で破綻するリスクがある 状態遷移 状態に基づく操作 競合解決 バリエーション解決は 多くの組込み制御システムに共通であり 共通フレームワーク上で実現することで SPL 開発を成功させる 機能項目名称 1.1.xxxx 機能目的 XXXXXXXXXXXXXXXXXXX バリエーションポイント バリアント 機種 A,B 機種 C 機種 D 開始条件 標準 北米 欧州 条件記述 << 開始条件 >> XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX 操作記述 XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX < 標準 > XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX < 北米 > XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX 17 < 欧州 > XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

AOO:1~3 フレームワークによるアーキテクチャの安定化 静的分析設計手法 ( カテゴリ化 クラス分析設計 DSL SPL) ハードウェアカーネル入力制御判定 i1 i2 出力 動的分析設計手法 ( 状態分析設計 ) 制御状態 s1~3 制御状態 s1 s2 s3 制御マネーシ ャ 動的分析設計手法 ( 競合分析設計 ) 動的分析設計手法 ( 絶対時間分析設計 ) オブジェクトマネージャ 18

AOO_PRS:1~3 プロセスによるアーキテクチャの安定化 ソフトウェア要求分析 ソフトウェア総合テスト F111 条件記述 操作記述 <aaa> 機能ブロック記述 XXX タイマー 機能項目目的属性操作時間 F11 F111 xxx aaa F1 F112 F12 F121 F2 F21 F211 物理項目目的属性操作時間 P1 P11 P111 F1 P112 F2 例外マトリクス E01 E02 E03 P2 P21 P211 機能マトリクス F11 F12 F21 F111 F111 F112 F121 F211 F11 F11 F112 F11 F11 F111 F12 F121 F112 F21 F21 F211 F12 F121 ソフトウェアアーキテクチャ設計 F21 F21 F211 F1 要求定義の精度要求の大規模複雑化 F2 製品バリエーションの増加 P1 S/W 構造とI/Fのバラツキ P2 状態遷移のバラツキ機能競合の解決時間制約の保証 機能項目目的属性操作時間 F11 F111 xxx aaa F112 F12 F121 F21 F211 物理項目目的属性操作時間 P11 P111 P112 F1 F2 P21 P211 機能マトリクス F11 F12 F21 F11 F11 F111 F112 F121 F211 F111 F112 F12 F121 F111 試験手順 条件記述 期待値 操作記述 例外マトリクス E01 E02 E03 F11 F11 F111 F112 F12 F121 F21 F21 F211 F21 F21 F211 ソフトウェア結合および結合テスト O111 入力処理 条件記述 操作記述 <aaa> 機能ブロック記述 XXX タイマー ソフトウェア詳細設計 オブジェクト属性操作時間出力 F111 xxx aaa F11 F1 F112 F12 F121 F2 F21 F211 P1 P11 P111 P112 Kernel P2 P21 Input P211 ControlJuge ControlManager ObjectManager Kernel Output ControlManger Object Manager O111( ソースコード ) if(xxxx) if(xxx) aaa_st=xxxx*2; aaa(); 実装 Aaa(){ Xxxxxxxx; Xxxxxxxxxxx; Xxx_ti=START; } O111 入力処理 条件記述 操作記述 <aaa> 機能ブロック記述 XXX タイマー 単体テスト オブジェクト属性操作時間出力結果 F111 xxx aaa F11 F1 F112 F12 F121 F2 F21 F211 P1 P11 P111 P112 Kernel P2 Input P21 P211 ControlJuge ControlManager ObjectManager Kernel Output ControlManger Object Manager 19

3. アーキテクト育成の取り組み 20

アーキテクトに求められるスキル アーキテクトには以下のスキルが必要である 1 アーキテクチャ使用スキル ( モデル化とプロセスがポイント ) 2 アーキテクチャ構築スキル ( 本質の定義がポイント ) 抽象化スキル対象の本質を定義するスキル 汎用化スキル複数の対象から共通的な本質を定義するスキル 構築スキルアーキテクチャを構築できるスキル 21

アーキテクト育成の取り組み ( 使用スキル ) 1 フレームワーク定義分析 設計 試験及び実装の汎用アーキテクチャ定義分析 設計 試験の様式フレーム定義と実装のフレームワーク定義目的 : 優れたアーキテクチャの形式知化と共有アーキテクチャ発散の抑制と改善スキルの向上教育 : 課題解決型フレームワーク教育 2 プロセス定義分析 / 設計 / 試験 / 実装のアーキテクチャの使用方法の定義目的 : アーキテクチャの正しい使用法の徹底と発散の抑制育成 : 課題解決型プロセス教育 3 システム化アーキテクチャとプロセスの安定化の支援目的 : アーキテクチャの正しい使用の徹底と発散の抑制の効率化ガイダンスによる OJT 負荷の低減 22

アーキテクト育成の取り組み ( 構築スキル ) 1 抽象化スキル : 対象の本質を定義するスキル既存コードのアーキテクチャのモデル化による抽象化スキルを育成目的 : アーキテクチャ発散防止抽象化能力の向上とコード解析精度スピード向上 2 汎用化スキル : 複数の対象から共通的な本質を定義するスキル既存アーキテクチャ間の共通性を分析して汎用化スキルを育成目的 : アーキテクチャの再利用と発散防止汎用化能力向上による組織全体の設計品質向上 3 構築スキル : 小さな課題解決のアーキテクチャとプロセス定義目的 : 開発上の小さい課題を解決する為のアーキテクチャとプロセス定義により組織全体の開発力向上とアーキテクトを育成 一般化と抽象化 既存ソースコード 抽象化 標準プロセスアクティビティタスクサブタスクサブタスク項名称項名称項番名称項番名称 1.1.1 制約条件の確認 1.1.2 ソフトウェア機能要求事項の明確化 1.1.2. 機能要求を1 機能 1 目的で階層的に分類整理する 1.1.2. 機能項目の実行優先レベルを定義する 1.1.2. 機能項目マトリクスを定義して機能競合の動作仕様を定義す 1.1.2. 並行動作うする機能項目で且つ同じ出力を操作する機能項 4 目で出力マトリクスを定義して出力競合の仕様を定義する 1.1.2. 物理項目を階層的に分類整理する 1.1 ソフトウェア要求仕様書の作成 1. ソフトウェア要求分析 1.1.2. 物理項目に対して発生する例外事象を定義した上で例外リス 6 トを定義する 1.1.2. 例外が定義している物理項目をアクセスする機能項目と例外 7 リストから例外マトリクスを作成して例外動作仕様を定義する 1.1.3 ソフトウェア非機能要求事項の明確化 1.1.3. 機能項目及び物理項目に時間制約を定義する 1.1.4 要求の優先順位付け 1.1.5 ソフトウェア要求仕様書の作成 1.2 ソフトウェア要求仕様の確認 1.2.1 ソフトウェア要求仕様書の内部確認 2.1.1 設計条件の確認 2.1.2. 機能項目及び物理項目をソフトウェアユニットへ事案制約を含 2.1.2 ソフトウェア構成の設計 1 めて変換する 2.1.2. 同じ時間制約のソフトウェアユニットを同タスクに定義するソフトウェア アーキテ 2.1 ソフトウェア アーキテクチャ設計書の作成 2. 2.1.3 ソフトウェア全体の振る舞いの設計クチャ設計 2.1.4 インターフェースの設計 2.1.5 性能 / メモリ使用量の見積もり 2.1.6 ソフトウェア アーキテクチャ設計書の作成 2.2 ソフトウェア アーキテクチャ設計の確認 2.2.1 ソフトウェア アーキテクチャ設計書の内部確認 2.3 ソフトウェア アーキテクチャ設計の共同レビュー 2.3.1 ソフトウェア アーキテクチャ設計書の共同レ 23

4. まとめ 24

アーキテクチャ開発ポイントまとめ 1) 解決する目標 / 課題を定義する顧客ニーズ / 事業目標と現状のギャップを分析して定義 バリエーション増加, リードタイム短縮 低コスト開発 品質特性 要求や課題を分類整理する事でアーキテクチャを発掘 2) 時間軸を考慮する製品の長いライフサイクルの中での変動に対応できるアーキテクチャを設計する 3) 対象範囲の拡大対象ドメインの範囲を可能な限り広げる 制御機器の組込みシステム及び IT 系システムまで対象領域を拡大する事で安定したアーキテクチャを設計する 対象範囲の拡大 現時点での対象 時間軸 25

アーキテクト育成の取り組みまとめ 1. 優秀なアーキテクトが開発したアーキテクチャの形式知化 優秀なアーキテクトは 事業戦略 製品特性 開発上の課題解決を継続的に対応可能なアーキテクチャを開発している 優秀なアーキテクトのスキルを形式知化して育成 1 アーキテクチャの定義とフレームワーク化 ( 課題 / 目的定義 + 方針定義 + モデル定義 ) 2 アーキテクチャを使用する為のプロセス定義 2. 実務中心アーキテクト育成の取り組み 継続的なアーキテクチャとプロセスの改善と教育 1 定期教育 (QP-Meeting): アーキテクチャとプロセスを開発関連要員全員に継続実施 2 プロジェクト開始時の導入教育 3 プロジェクトレビューでの個人に合わせた育成 3. ボトムアップ的アーキテクト育成の取り組み本質を見極める抽象化能力を育成する事によるアーキテクトの育成 1 既存資産のモデル化 ( アーキテクチャ定義 : 課題 + 方針 +モデル ) 2 複数モデルからの共通モデル化 ( アーキテクチャ定義 : 課題 / 目的 + 方針 +モデル ) 3 発生した課題に対するアーキテクチャ開発 26

ご清聴ありがとうございました 詳細お問い合わせ先三菱電機メカトロニクスソフトウエア株式会社岩橋正実 073-436-0776 iwahashi@est.hi-ho.ne.jp Iwahashi.Masami@wak.msw.co.jp 27