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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

Microsoft PowerPoint - 問題提起1_日本総研.pptx

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

第6回税制調査会 総6-3

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税制について

三鷹を考える基礎用語事典

北陸3県、法人税改革に対する企業の意識調査

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

H28秋_24地方税財源

平成18年度地方税制改正(案)について

タイトル

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本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

所得税 12 兆 6,14 億円 ( 歳入比 13.7%) これまで行われてきた度重なる税率構造の累進性の緩和や各種控除の拡充などにより 個人所得課税の負担は大きく軽減されてきています 所得税収の推移 ( 注 ) 所得税収は 21 年度以前は決算額 22 年度は予算額です なお 所得譲与税による税源

資料 1 税財政制度を通じた論点 Ⅰ 現状と課題 1. 地方財政の財政の概要 地方財政の平成 23 年度決算は 歳入約 兆円 歳出 97.0 兆円となっている なお 借入金残高は約 兆円と依然と高い水準にある 国と地方における最終支出ベースにおける比率は 42:58 となって

Microsoft PowerPoint - 【0918】統合版.pptx

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

公益法人の寄附金税制について

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消費税にまつわる諸問題とその後の税制の課題

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

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< 参考資料 目次 > 1. 平成 16 年年金制度改正における給付と負担の見直し 1 2. 財政再計算と実績の比較 ( 収支差引残 ) 3 3. 実質的な運用利回り ( 厚生年金 ) の財政再計算と実績の比較 4 4. 厚生年金被保険者数の推移 5 5. 厚生年金保険の適用状況の推移 6 6. 基

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

平成20年度税制改正(地方税)要望事項


このページを印刷する 2017 年 11 月 23 日森信茂樹 : 中央大学法科大学院教授東京財団上席研究員 副業 兼業の時代 所得税控除見直 し で不公平を正せ 来年度税制改正の作業が 与党税調で始まっている 連日のように改正案の 断片が報道されているが 全体像がいまだよくわからない そこで これ

2008

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

PDF用 レポート:中国保険市場の現状と展望.PDF

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

鳩山政権の経済政策の効果

老いても美しく輝くために

構成 Ⅰ 所得税改革 下向きジェットコースターの不安 格差への対応 - 所得税の四位一体改革 日本の所得税 - 負担の実態 税額控除制度の効果 Ⅱ 納税者番号制度 適正課税と利便性のための基盤整備 ドイツ ( 税務識別番号 ) イギリス ( 国民保険番号 NINO) オランダ ( 市民サービス番号

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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経済 財政 社会保障の一体的建て直し 強い経済 税収の基盤 重要な成長分野 健康 分野で需要と雇用を創出 成長を実現する予算編成 持続可能な財政の下で可能となる消費 保険料の基盤 社会不安の最小化 強い財政 最大の支出項目 安定財源の確保による持続可能な 社会保障制度の確立 ( 抜本的税制改革による

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

(21.5%) ( %) ( %)

トランプ政権、税制改革案を公表

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

H29租特評価書「産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長」

第4章 ポーランド

1 1 A % % 税負 300 担額

平成 31 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名車体課税の抜本的見直し 税 目 ( 経済産業省製造産業局自動車課 ) 自動車重量税 ( 自動車重量税法全文 自動車重量税法施行令全文 自動車重量税法施行規則全文 租税特別措置法第 90 条の 12 自動車重量譲

レーガン政権 1981 年 ~1989 年 H.W. ブッシュ政権 1989 年 ~1993 年 クリントン政権 1993 年 ~2001 年 W. ブッシュ政権 2001 年 ~2009 年 アメリカ資産課税改革の変遷 資産課税相続 贈与税 1981 年経済再建租税法 - 遺産税の最高税率の段階的

知創の杜 2016 vol.10

市場と経済A

表紙(資料5)

[ 月 ] 金融財政ビジネス第 3 種郵便物認可応益性の概念外形標準課税は 03 年度税制改正大綱で導入が決定され 04 年度から適用が開始された 法人事業税の課税ベースを所得から外形的基準に見直すべきとの意見はそれ以前からあったものの それが政府内で議論の俎そ上じょうに載せら

個人投資家の参加拡大

新設 拡充又は延長を必要とする理由15-2 ⑴ 政策目的 1 平成 28 年度与党税政改正大綱等を踏まえ 以下の要望を行う 自動車取得税については 消費税率 10% への引き上げ時に廃止が決まっていたが 消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置 ( 平成 28 年 8 月 24 日閣議決定 ) を

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

新又は延長を必要とする理由設 拡充⑴ 政策目的 1 社会保障 税一体改革大綱 ( 平成 24 年 2 月 17 日閣議決定 ) 等に基づき 自動車取得税及び自動車重量税について 廃止 抜本的な見直しを強く求める 等とした平成 24 年度税制改正における与党の重点要望に沿って 国 地方を通じた関連税制

谷達彦氏博士論文審査報告書201401

第 6 回地方法人課税のあり方等に関する検討会議事概要 1 日時平成 25 年 4 月 11 日 ( 木 ) 13 時 30 分 ~15 時 30 分 2 場所総務省 7 階省議室 3 出席者神野会長 鎌田委員 熊野委員 小山委員 中村委員 小西委員 関口委員 辻委員 中里委員 林委員 吉村委員 田

第3回税制調査会 総3-2

橡財政班論文.PDF

平成 22 年 12 月 7 日 資料 ( 資産課税 )

Microsoft Word 【資料】 抜本改革法案 概要.doc

です 日本共産党は 消費税 10% 増税は 先送り 実施ではなく きっぱり断念することを求めます 社会保障の拡充や財政危機打開に必要な財源は 消費税にたよらない別の道 で確保します 具体的には 次の二つの改革を提案します 1 富裕層や大企業への優遇をあらため 能力に応 じた負担 の原則をつらぬく税制

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Microsoft Word - パフォーマンス評価テスト 消費税増税(平田担当)  発表.docx

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 1 平成 26 年度与党税制改正大綱を踏まえ 以下の見直しを行う 自動車取得税のエコカー減税について対象車の基準を 2020 年度燃費基準へ切替え 自動車取得税について消費税率 10% への引上げ時点 ( 平成 27 年 10 月予定 ) で廃止

財政再建は待ったなし

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

- 平成 28 年度税制改正について ( 税制改正大綱 の概要解説 ) - 1. 法人税 改正の概要 (1) 法人税率の引下げ等 現行 28 年度 30 年度 法人税率 23.9% 23.4% 23.2% 法人事業税所得割 6.0% 3.6% 3.6% ( 標準税率 ) 法人実効税率 32.11%

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

【資料1-2】予算及び税制

2 都市的税目に乏しい市町村税 市町村税は 法人所得課税 消費 流通課税といった経済活動を反映する都市的税目に乏しいため 増大する都市的財政需要に市税収入が対応しきれない大きな要因となっています 都市的税目の割合比較 ( 平成 22 年度 ) 100% 80% 37.7% 34.9% 60% 資産課

Microsoft PowerPoint - 15InMacro4.pptx

車体課税の見直しの考え方 ( 地方税 ) < 当面の対応 > 環境への配慮 我が国自動車産業の技術的優位性の確保 向上等の観点から 一律の負担軽減ではなく 環境性能等に優れた戦略的商品の普及を重点的に促進していくという視点が重要 自動車取得税 一律の負担軽減は 環境性能が劣る自動車が相対的に有利とな

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

残された税制の課題

税調第20回総会 資料2-1

地方財政論

経済成長論

個人金融に関する研究会

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

財政政策の考え方 不況 = モノが売れない仕事がない ( 失業増加 ) が代わりにモノを買う! 仕事をつくる ( 発注する )! = 財政支出拡大 ( がお金を使う ) さらに乗数効果で効果増幅!! 3 近年の経済対策の財政規模 名 称 内閣 事業規模 公共投資 減税 財政規模 日本経

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2 一般会計予算案の構成の概要 ⑴ 一般会計予算案のうち主な歳入の説明 Ⅰ 県 区 税 分 平成 31 年度予算案 平成 30 年度予算額 比 ( 単位百万円 ) 較 増減額増減率 % 県 民 税 57,320 59,877 2, 法人県民税 3,670 3, 個人

第25回税制調査会 総25-1


トランプ政権の事業体課税改革案

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資産課税についてのアンケート調査結果について 平成 23 年 1 月 31 日財団法人関西社会経済研究所問合先 ( 鈴木 ) 平成 23 年度税制改正において 資産課税 に関する改正が行われ 高額の遺産相続に対する課税が強化されました そこで関西社会経済研究所では 今回の税制

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Transcription:

企業 税制 平成 26 年度税制改正に関する勉強会開催報告 財源論 課税ベース 国際比較 我が国の法人税制は 課税ベースについてこれまで累 参考 平成 23 年度法人実効税率引下げ時における課税 ベース拡大 次の見直しを実施 税率引下げによる1.2兆円の減収に対して 約6,000億 主要な項目について諸外国と比べても 有利なものは 円の課税ベースを拡大で ネットで約6,000億円の減 なく 課税ベースを拡大することは企業の競争力に影 収 響を与えることになるため 更なる見直しの余地は小 さい 政策効果 EU の法人実効税率引下げと税収増 EUでは 1995年 2007年に法人実効税率を10 程度 継続的に引下げ 一方 法人税収比率 名目GDPに 対する法人税収の割合 は増加 いわゆる 法人税パ ラドクス 税率を引下げた場合でも 経済成長等により 税収が 増加する事例がある 参考 平成 22 年度経済財政白書における法人税パラ ドックスの分析 法人実効税率と法人税収対 GDP の各国の平均的な 関係を見ると 税率の引下げが必ずしも税収を低下さ せない いわゆる 法人税パラドックス ことが分 かる 実効税率と法人税収は逆相関の関係が検出できる 32 企業活力

企業 税制 参考 実際の税収推移 政策効果 諸外国の税制改革 ドイツの法人税改革 独メルケル政権では 立地条件の魅力を高めること 2008年政府税制改正計画 を目的として 法人税 率引下げを実施 この際 課税ベースの拡大をあわせて行っているもの の 法人税全体でネット減税 企業活力 33