年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

発達障害者支援に関する行政評価・監視-概要

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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校外教育施設について

地域子育て支援拠点事業について

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01 【北海道】

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

平成 29 年度児童発達支援センターバンビ事業計画 1. 基本方針 児童発達支援センターバンビは相模原市南区の発達障害児の療育を遂行するため 以下の基本理 念 療育基本指針に則りサービスを提供する 1) 基本理念 1 児童一人ひとりに対する丁寧な 根拠 ある療育相模原療育園の医療スタッフとの連携によ

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

学力向上のための取り組み

第 4 章施策の展開 1 到達目標障害のある方の自立支援の観点から 地域生活への移行や就労支援などの主要な課題に対応するため 国の基本指針 11 に示された見込量の確保に係る目標事項について 本市における障害福祉計画 ( 第 4 期 ) 期間中の実績等を踏まえ 到達目標 12 を設定します 一覧 (

障害児・発達障害支援_

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

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基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

主な事業 ( 平成 27 年度内容 ) 支援の方向事業名内容 / 対象者 / 対応者 / 実施場所 発達支援健診 総合発達相談 健康づくり推進課 各健康支援課 あそびの教室 健康づくり推進課 各健康支援課 発達障害者支援センターの運営 障害者福祉課 障害児等療育支援事業 障害者福祉課 障害児巡回指導

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

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障害福祉計画資料 3 障害福祉サービスの目標 1 成果目標 柱 No. 事業 単位 2020 年度 解説 3 暮らしを支えるサービスの充実 3 1 福祉施設の入所者の地域生活への移行 目標値 年度末までに地域生活へ移行する施設入所者数 ( 移行率 ) 年度末時点の施設入所者数

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

第3章 指導・監査等の実施

18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

平成29年度 障害者白書(PDF版)

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

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1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

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00 資料表紙

医療的ケア児について


補足説明資料_教員資格認定試験

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

第2節 茨木市の現況

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

企業の人材確保支援 中小企業人材支援センターによる採用 定着支援や 障がい者の雇用促進 企業の成長を担うプロ人材の採用支援等により 大阪産業を支える中小企業の人材確保を支援する 大阪働き方改革支援センターの人材確保支援の機能を強化し 大阪人材確保推進会議と協働して製造 運輸 建設の 3 分野を中心に

区分 チェック項目現状評価 ( 実施状況 工夫点等 ) 保護者の評価保護者の評価を踏まえた改善目標 内容 4 児童発達支援計画又は放課後等デイサービス計画に沿った適切な支援の実施 職員研修等を行い職員間の共通理解を持ち 日常の保護者との情報交換を行い支援を進めています 計画に沿った支援が行われている

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

重点番号 1: 保育所等の児童福祉施設に係る 従うべき基準 等の見直し ( 神奈川県 ) 児童発達支援センターにおける食事提供方法について ( 施設内調理以外による提供方法への緩和 ) 1 提案の概要児童福祉施設のうち 保育所における児童への食事の提供については 一定の条件が整えば 満 3 歳以上の

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

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事業者向け 放課後等デイサービス自己評価表 平成 30 年 9 月実施 職員数 5 名 ( 回答数 :5 名回答率 :100%) チェック項目はいどちらともいえないいいえ現状改善点 工夫している点など 環境 体制整備 1 利用定員が指導訓練室等スペースとの関係で適切であるか 2 職員の配置数は適切で

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I. はじめに 平成 28 年度においては 社会福祉法人制度改革の対応として 1 経営組織のガバナンス 2 事業運営の透明性 3 財務規律の強化 4 地域貢献事業に取り組んでいかなければならないと考えています 社会福祉法人は社会から期待される役割を果たすため 積極的な取り組みを進めていくことが必要で

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

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計画の策定にあたって 今回策定する あま市障がい者計画及び障がい福祉計画 は 現行の 障害者基本法 に定める 障害者計画 と 現行の 障害者自立支援法 に定める 障害福祉計画 を一体のものとしてとらえ 今後の制度改正を踏まえた あま市総合計画 を上位計画とする障がいのある人に対する支援活動や障がい者

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H27 年度 子ども 若者総合支援センター エールぎふ 20 歳 18 歳 例 : 学校とセンターとの関係 子ども 若者総合支援センターは 社会の変化による子どもや若者に関する問題の複雑化 多様化に対応するため 平成 26 年 4 月に新設され 本年度で 2 年目となりました 支援を必要とする子ども

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⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

厚生労働省(職業能力開発行政)におけるキャリア教育の捉え方と関連する取組について

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流山市子ども・子育て会議


高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大


認知症医療従事者等向け研修事業要領

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2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

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Taro-平成27年度の取り組み(資料:1)

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放課後等デイサービス事業所における自己評価結果 ( 公表 ) 公表 : 平成 31 年 3 月 15 日事業所名運動療育スクール jump 宇部校 環境 体制整備業務改善 1 チェック項目はいいいえ工夫している点 利用定員が指導訓練室等スペースとの関係で 適切である 2 職員の配置数は適切である 3

(1) 庁内外の関係機関と密に連携を図りつつ必要に応じてひとり親家庭を訪問 1 背景ひとり親家庭からの相談窓口に寄せられる相談件数は増加傾向にある また養育に問題を抱える父母からの相談 父母や子どもが精神的に不安定であるケースに関する相談等 相談内容やその背景も複雑化してきていることから 碧南市では

資料 1 ~ ケース会議会議に向けて ~ 児童生徒生徒を理解理解しよう!! ケース会議を開催する前に 児童生徒の情報を整理することはとても大切です 情報を整理する中で 児童生徒に対して あるいは支援の在り方について 新たな発見や可能性を見出すことにつながります アセスメントシートアセスメントシート

07体制届留意事項(就労継続支援A型)

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

第 2 節キャリア コンサルティングの理解 (4) キャリア コンサルタントの能力 Ⅰ キャリア コンサルティングの社会的意義に対する理解 1 社会 経済的動向とキャリア形成支援の必要性の認識 2 キャリア コンサルティングの役割の理解 3 キャリア コンサルティングを担う者の活動範囲と義務 ( 活

教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

乳幼児新規相談者 主訴別内訳

系統的で一貫性のあ評価指標 評価指標による達成度 総合評価 るキャリア教育の推進に向けて 小 中 1 卒業後の生活につながる客観的 < 評定 > 学部段階での客観的アセスメントに基づいた指導計画 指標に基づいた卒業を立案することができる A B C 後の生活を見据えた教育活動につながる 2 立案され

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2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

子ども・子育て支援新制度における教育委員会の役割について 3

Transcription:

資料 発達障害者支援の課題と方向性 ( たたき台案 ) 1. 発達障害者支援によって目指すべき社会 発達障害者の一人一人が持つ学習面 行動面 社会性 コミュニケーション等に係る課題に対して 様々な分野の関係者が連携し ライフステージ ( 乳幼児期 ~ 成人期 ) を通じて継続的に支援を提供し 対応能力の向上を図ることにより 二次的な障害の発生を防止し 成人期に企業等で一般就労を行うなど 発達障害者が自立と社会参加を実現できる社会を目指す このため 今後 5 年間を目途として 優先順位を付けながら 保健 医療 福祉 教育 労働 行政等が連携し 発達障害者の早期発見 早期療育 学校教育における支援 就労の支援 生活の支援 支援体制の整備 人材の育成 発達障害への理解促進等に取り組む 2. 発達障害者支援の課題と方向性 (1) オール京都体制の支援 連携ネットワークの構築 小 中学校の児童生徒の 6.3% が発達障害の可能性があるなど 多くの発達障害者が社会で生活しているが 外見からは分かりにくく 行政 企業 府民の発達障害の理解が不十分 発達障害者への支援は様々な関係機関が連携して行う必要があるが 保健 医療 福祉 教育 労働 行政等の支援体制や連携はまだ十分ではない状況 オール京都体制での支援 連携ネットワークの構築 保健 医療 福祉 教育 労働 行政等が参加した オール京都体制での発達障害者支援 連携ネットワークを構築する 課題ごとのプロジェクトチームの設置 オール京都体制の支援 連携ネットワークの下で 課題ごとや 地域ごとに 関係者が具体的な解決方策を検討するプロジェクトチームを設置し 支援の充実や連携強化等を図る (2) ライフステージに対応した支援策 1 乳幼児期 年中児スクリーニング 年中児スクリーニング (5 歳児健診 ) については 発達障害者の早期発見に有効 ( 要支援児 の約 3 割が年中児スクリーニングで初めて 要支援 と判定 ) 府内の全ての市町村が年中児スクリーニングを実施しているが 保育所 幼稚園でみると 対象保育所 幼稚園は約 6 割に止まる ( 特に私立保育所 幼稚園では約 4 割に止まる ) 年中児スクリーニングの方法について 問診票を用いて実施する市町村が減少 市町村によっては 保健師や保育所 幼稚園の保育士等が行動に問題のある児童を抽出した上で専門家による判定を実施 ( 府の財政支援の対象外 ) 1

年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言 SST( ソーシャルスキルトレーニング ): 集団生活のルールや人間関係づくりを学ぶため ゲーム等の 小集団活動を実施 ペアレントトレーニング : ほめられることで子どもが達成感を味わい 自信を深め 将来の生きる力をは ぐくめるよう 保護者を対象とした子どものほめ方教室を実施 要支援児 について 保護者が障害を受容し 早期に療育が開始できるよう 事後支援体制とともに 精神的サポートや総合的に情報提供できる相談支援体制を充実する必要 園支援児 については 園巡回等の支援を受けながら 保育所 幼稚園の保育士等が対応できるよう 保育士等の資質を向上する必要 年中児スクリーニングの対象保育所 幼稚園の拡大 京都府と市町村が連携して 私立を含め 保育所 幼稚園の関係団体や 未実施の保育所 幼稚園に働きかけを行う 未実施の保育所 幼稚園に対して まずは問診票を用いず 保育所 幼稚園の保育士等が行動に問題のある児童を抽出した上で専門家による判定を実施する方法も含め 年中児スクリーニングの実施を促す 年中児スクリーニングの事後支援を実施する市町村の拡大 事後支援を行う市町村が拡大するよう 財政支援の見直しを検討する 事後支援に関する専門的分野 ( 発達クリニック 保育士 教師等を対象とした発達障害の理解を深める研修 保育士 教師等を対象とした子どものほめ方教室 ( ペアレントトレーニング手法の普及 ) ペアレントトレーニング指導者養成 ペアレントメンター養成等 ) について 保健所が実施する 事後支援を行える人材 ( 作業療法士 言語聴覚士 臨床心理士 保健師等 ) の育成を支援する 身近な相談支援体制の充実 保護者が身近な場所で精神的サポートや総合的な情報提供を受けられるよう 相談支援事業所や発達障害者圏域支援センター等の相談支援従事者を対象とした発達障害専門研修を実施する 発達障害者支援センターについて 京都府全域の発達障害者支援の中核機関として 発達障害者圏域支援センターや相談支援事業所のバックアップ支援機能のほか 支援 連携体制の構築機能 人材養成機能 支援手法開発機能等を強化する 2 学齢期 ライフステージを通じて一貫した支援 就学に伴い児童の生活環境が大きく変わるため 学校生活にスムーズに適応できるよう 就 2

学前から就学期への移行に当たり 就学前の本人の状況 支援内容 配慮事項等を小学校に引き継ぐシステムが必要 学年進級に伴い担任教師が替わると それまでの支援が途切れてしまう場合があり また 教師が家庭を含めた生活全般を支援することは困難 一人一人の発達障害者について ライフステージ ( 就学前から就学中 就学後まで ) を通じて相談支援事業所や発達障害者圏域支援センター等が継続的に支援するとともに 各ライフステージに対応して 保育所 幼稚園 小 中 高校 児童発達支援事業等の支援を組み合わせる体制を構築する必要 就学中の SST 就学中の SST について モデル事業として 中丹西保健所や福知山市等において発達障害のある小学 2 年生と小学 5 年生を対象に実施してきたが 実施地域の拡大や 小 中 高校での各段階に応じた実施が課題 支援ファイル や 移行支援シート の活用促進 保育所 幼稚園 小 中 高校等の間で 本人の状況 支援内容 配慮事項等が引き継がれるよう 支援ファイル や 移行支援シート の活用を促進するため 支援ファイル や 移行支援シート の標準モデル及び記入マニュアルを作成 改訂した上で 地域ごとに独自に修正できるように市町村に電子媒体を提供する 地域ごとに関係者で協議し 支援ファイル や 移行支援シート の引継方法 引継窓口等を定めるとともに 地域の社会資源マップ ( 保健 医療 福祉 教育 労働等 ) を作成する 支援ファイル 移行支援シート を活用する市町村が拡大するよう 財政支援を検討する 支援ファイル : 乳幼児期から学齢期 成人期まで 成長記録や支援内容等を記入することにより 関係 者が情報を共有 移行支援シート : 保育所 幼稚園から小学校 小学校から中学校 中学校から高校等の移行に当たり それまでの支援内容や配慮事項等を記入し 移行先に引き継ぎ ライフステージを通じて一貫した相談支援体制の構築 就学前から就学中 就学後まで 発達障害の特性を踏まえた相談支援が行われるよう 相談支援事業所や発達障害者圏域支援センター等の相談支援従事者を対象とした発達障害専門研修を実施する 発達障害者支援センターについて 京都府全域の発達障害者支援の中核機関として 発達障害者圏域支援センターや相談支援事業所のバックアップ支援機能のほか 支援 連携体制の構築機能 人材養成機能 支援手法開発機能等を強化する 就学中の SST の拡大 就学中の SST について モデル事業を踏まえ 実施地域の拡大や 小 中 高校での各段階に応じた実施を検討する 発達障害者を含むクラス全員を対象にした SST や 社会福祉法人等による地域の児童を対象にした SST の実施を検討する ペアレントトレーニング手法の普及 保育士 教師等を対象とした子どものほめ方教室 ( ペアレントトレーニング手法の普及 ) を実 3

施する 3 成人期 一般就労に向けた支援 学齢期から 将来的な一般就労に向けて 就労支援を行うことが重要 一般就労を希望する発達障害者について 職業人の基本ルール マナーの習得 社会生活の技能向上 企業実習等の就労支援を行うことが必要 雇用先の確保のためには 地域や企業などによる発達障害の理解が不可欠 生活支援 一般就労が困難な発達障害者が就労継続支援事業所や生活訓練 地域活動支援センター等を利用する場合に 事業所の対応ノウハウが不十分なことがある 自閉症等で強度行動障害をもつ者について 入所施設や在宅において支援が困難となっている場合がある 一般就労に向けた支援の充実 高校において ハローワーク等と連携して 引き続き計画的 組織的な進路指導 ( キャリア教育 ) を実施する 発達障害者支援センターにおいて 発達障害者からの一般就労に関する相談を受け 必要に応じて 障害者職業センター等と連携して就労準備プログラムを行い ハローワーク はあとふるジョブカフェ 障害者就業 生活支援センター等の利用支援を行う 高等技術専門校において 発達障害者を対象とした キャリア プログラム科 で 各種作業を通じて職場での適応能力を高めるとともに 社会人として必要なコミュニケーション能力やマナーの習得を目指す職業訓練を実施する 障害者就業 生活支援センターにおいて 一般就労を行う発達障害者 発達障害者を雇用する企業 雇用を考えている企業等からの相談を受け 必要に応じて企業を訪問して 適切な就労環境や配慮等に関する助言を行う また 発達障害を雇用する企業の事例について普及啓発を行う 企業の発達障害への理解を深め 雇用先企業を開拓するとともに 発達障害者とのマッチング 職場定着支援等を行う仕組みを検討する 生活支援の充実 障害者自立支援協議会の意見等を踏まえ グループホーム等の 住まいの場 の確保を図るとともに 就労継続支援事業所 生活訓練 地域活動支援センター等の 活動の場 の整備を推進する 就労継続支援事業所等の発達障害に関する対応ノウハウが不十分な場合に 発達障害者支援センターや発達障害者圏域支援センターが適切な生活環境や配慮等に関する助言を行う 自閉症等で強度行動障害をもつ者について 入所施設や在宅における支援状況に関する調査を行い 支援のあり方や支援体制等を検討する 4

(3) 支援体制の整備 1 相談支援体制 発達障害者支援センターや発達障害者圏域支援センターへの相談件数が急増しているが 相談支援機関の役割分担 連携体制が不明確 発達障害者や家族等がどこに相談すればよいか分からない状況 体系的な相談支援体制の構築 発達障害者支援センターについて 京都府全域の発達障害者支援の中核機関として 発達障害者圏域支援センターや相談支援事業所のバックアップ支援機能のほか 支援 連携体制の構築機能 人材養成機能 支援手法開発機能等を強化する 発達障害者圏域支援センターについて 地域の中核的な相談支援機関として 発達障害に関する専門性の向上を図り 地域の相談支援事業所等の支援を行うとともに 困難ケースの相談支援を行う 相談支援事業所について 地域の身近な相談支援機関として 相談支援従事者の発達障害への理解の向上を図る 発達障害者支援センターにおいて 地域の発達障害者支援の中核を担う発達障害者圏域支援センター職員を対象とした専門的 実践的な研修を検討する 2 医療提供体制 発達障害の診断を行う医療機関が少なく 初診待ち時間が長い 成人期の発達障害に対応できる医療機関が周知されてない 作業療法士 言語聴覚士 臨床心理士等による発達障害者の療育体制が不足 発達障害に関する医療連携体制の構築 発達障害の診断 療育を行う府内の医療機関に関する調査を行い 関係者で連携体制を協議し 発達障害に関する医療連携体制について府民に情報提供することを検討する 発達障害等の児童 思春期の精神疾患患者に対して集中的 多面的に入院医療を提供するとともに 子どもの心の診療に専門的に携わる医師や関係専門職の育成等を行う 拠点機能の整備を検討する 北部地域における発達障害者に対する支援拠点として 府立舞鶴こども療育センターの機能強化を図る 療育を行う人材の育成 発達障害者の療育を行える作業療法士 言語聴覚士 臨床心理士等の育成を支援する 3 福祉サービス提供体制 5

平成 24 年 4 月に改正児童福祉法が施行されたが 児童発達支援センター 児童発達支援事業 放課後等デイサービス等の役割分担と連携のあり方に混乱が生じているとの指摘 一般就労が困難な発達障害者が就労継続支援事業所や生活訓練 地域活動支援センター等を利用する場合に 事業所の対応ノウハウが不十分なことがある 自閉症等で強度行動障害をもつ者について 入所施設や在宅において支援が困難となっている場合がある 福祉サービス提供体制の整備 改正児童福祉法の施行状況等を踏まえ 児童発達支援センター 児童発達支援事業 放課後等デイサービス等の整備のあり方や方向性等について検討する 障害者自立支援協議会の意見等を踏まえ グループホーム等の 住まいの場 の確保を図るとともに 就労継続支援事業所 生活訓練 地域活動支援センター等の 活動の場 の整備を推進する 就労継続支援事業所等の発達障害に関する対応ノウハウが不十分な場合に 発達障害者支援センターや発達障害者圏域支援センターが適切な生活環境や配慮等に関する助言を行う 自閉症等で強度行動障害をもつ者について 入所施設や在宅における支援状況に関する調査を行い 支援のあり方や支援体制等を検討する (4) 人材の育成 発達障害者への支援は様々な関係機関が連携して行う必要があるが 保健 医療 福祉 教育 就労等の支援がまだ十分ではない状況 発達障害の診断を行う医師の育成や SST 療育 ペアレントトレーニング等を行える人材 ( 作業療法士 言語聴覚士 臨床心理士 保健師等 ) の育成が必要 園支援児 について 園巡回等の支援を受けながら 保育所 幼稚園の保育士等が対応できるよう 保育士等の資質を向上する必要 保護者が孤立しないよう ペアレントメンターの育成が課題 ペアレントメンター : 発達障害者の保護者に対して 同じように発達障害のある子どもを持つ保護者が 相談相手となって 悩みを共感し 自らの子育て経験を基に子どもへの関わり方等の助言 発達障害等の児童 思春期の精神疾患患者に対して集中的 多面的に入院医療を提供するとともに 子どもの心の診療に専門的に携わる医師や関係専門職の育成等を行う 拠点機能の整備を検討する SST 療育 ペアレントトレーニング等を行える 発達障害に精通した作業療法士 言語聴覚士 臨床心理士等を育成するため 障害者自立支援協議会で推薦された者に対する大学等の専門養成講座への派遣研修や 職能団体の委託研修等を検討する 相談支援事業所や発達障害者圏域支援センター等の相談支援従事者を対象とした発達障害専門研修を実施する 発達障害者支援センターにおいて 地域の発達障害者支援の中核を担う発達障害者圏域 6

支援センター職員を対象とした専門的 実践的な研修を検討する 保育士 教師等を対象とした発達障害の理解を深める研修 保育士 教師等を対象とした子どものほめ方教室 ( ペアレントトレーニング手法の普及 ) を実施する ペアレントトレーニング指導者養成 ペアレントメンター養成等を実施する (5) 発達障害への理解促進 小 中学校の児童生徒の 6.3% が発達障害の可能性があるなど 多くの発達障害者が社会で生活しているが 外見からは分かりにくく 行政 企業 府民の発達障害の理解は不十分 発達障害は虐待 いじめ 不登校等の二次障害につながるケースがあり また 本人 保護者の障害受容を進めるためにも 発達障害の正しい理解が重要 発達障害の啓発 発達障害者を社会全体で見守ることができるよう 発達障害への理解促進を図るための研修会や講演会等を実施するとともに 発達障害を雇用する企業の事例について普及啓発を行う 学校教育において 発達障害を含む 障害の理解等に関する教育を推進する 発達障害者の家族支援 発達障害者 家族が地域で孤立せず 発達障害者 家族同士のピアサポートを受けられるよう ペアレントメンターの育成など 発達障害者 家族会の活動支援を推進する ひきこもり当事者の自立と社会参加を促進するとともに ひきこもりを支える家族の負担を軽減するため ひきこもり相談窓口による来所 電話相談や家族教室を実施する また ひきこもり経験者が体験や助言を伝える 絆パートナー 派遣や 臨床心理士や民間団体等の チーム絆 による訪問支援を行う 7