提出日 :2014/12/22( 月 ) 科目名 : 韓日比較社会文化論担当教授 : 박용구교수님発表者 : 박혜주 (201348056) 女子力 という流行語からみたメディアとジェンダー 1. 問題意識 最近の日本では 女子会 女子力 オトナ女子 働き女子など 女子 という言葉があふれている その中 女子力 という言葉は 2009 年の新語 流行語大賞にも選ばれた 女子力 ( じょしりょく英語 : women's power 1 ) とは 輝いた生き方をしている女子が持つ力であり 自らの生き方や自らの綺麗さやセンスの良さを目立たせて自身の存在を示す力 2 男性からチヤホヤされる力 3 である この言葉は近年になってから活発となっている就職活動や結婚活動などといった場面で女子力を向上させるということが有利になるという情報が出回っており そのための書籍や女子力アップ講座などが数多く存在する 2000 年代以降の日本で 女子力 という言葉はなぜこれほどまで人々に広まったのか 女性の社会進出が進んだ今の時 人々が掲げる女性像というものは 実に多様化してきいる 女性は家庭を守るという役割だけではなく社会的にも重要な役割を担い 仕事の面においてもキャリアを積むようになってきた 従って 女性に関する表現において 可愛い キレイ のような従来の表現だけでなく 新しい表現がたくさん生まれるようになった 2001 年に安野モヨコ氏著の 美人画法ハイパー 内で生み出された 女子力 もその一つである 安野氏は男性から見て可愛いと思われる女性のことや美容に対するモチベーションが高い女性のことを 女子力が高い と表現している AneCan という雑誌において 女子力って何だ? という特集が組まれ それ以来女性向けファ 1 women's power の意味 解説 - 英和辞典 和英辞典 Weblio 辞書. 2014 年 9 月 24 日閲覧 2 じょしりょく 女子力 の意味 - 国語辞書 - goo 辞書. 2014 年 9 月 24 日閲覧 3 女子力 の卑俗な捉え方が浮き彫りになった小保方問題. 2014 年 9 月 24 日閲覧
ッション誌において頻繁に 女子力 という言葉が登場するようになった 現在も 数多くの雑誌で 女子力 という言葉を目にすることができるが 美人画法において使用されていた時のように 男性から見て可愛いと思われる女性のことや美容に対するモチベーションが高い女性のことだけでなく 様々な意味を持って使用されるようになっている また 女子力 に関する書籍も多数出版されたり 女子力 UP を謳った商品や広告が増えるなどさらに注目を集めている 最初に女子力という言葉が広まったきっかけは VoCE という化粧情報誌の 美人画報 (1998 年 ~ 安野モヨコ) という連載だと言われている 女子力はそこから生み出され 雑誌メディアの中で広がっていった言葉である こういうわけで 女子力という言葉が広く使われるようになったことにはメディアの役割が多かったといえるだろう そこでは 女子力とは美しいこと そのことで男性から相手にされることであり 女性は仕事ができず女の友人が少なくても 女子力を高めるべきだという主張がされている しかし 一般的に我々が最終的に見聞きするメディア情報は 何かしら編集されたりカットされたり演出されたりして構成されたものである 特に 女性雑誌というのは 女性のステレオタイプ的なイメージや性役割分業を雑誌のうえで表現しており ジェンダー規範を強化するものである 女子力 という言葉は 女性雑誌から生み出され 多くの人々に広がっていったのは事実であるため メディアによって作られた流行語である点を注意して考える必要があると思われる 2. 先行研究 馬場伸彦 池田太臣 (2012) によれば 女子力 女子会 大人女子 カメラ女子 山ガール 森ガール ウェブやマスコミをにぎわせて2000 年代に爆発的に広まって定着した 女子 は 少女や女の子 女性などの言葉とは違った意味合いで使われている 馬場 池田は 生物学的な性差やジェンダーなどの視点からだけでは捉えられないそのような 女子 の実態を ファッション誌の大人女子 女子写真 オタク女子 働く女性を描く女子マンガなどを具体例にして多角的に観察 紹介する そして 男性からの性的な視線や社会的な規範から軽やかに抜け出した女性たちが 女子 という言葉を積極的に引き受けて楽しみ 他者とのネットワークを作り上げている状況を かわいい や 萌え などの視点から分析して新たな女子文化論を提示する 彼らによれば女子力は 最初 男性に向けての 力 の意味で用いられていたが おしゃれや
美容 健康から恋愛 結婚 家事 育児 キャリアに至るまで多義的な意味が付加され 女性のあらゆる消費文化 生活文化を網羅する言葉となったと分析した また 女性が職場で能力を発揮する場合にも用いられるようになり 女 や 女性 のイメージやフェミニズム的観点をするりとかわし 社会の閉塞感を打破する言葉であると指摘している 近藤優衣 (2014) によれば 女子力 は かわいさ や 家事スキル を意味し 旧来の女性性規範 すなわち 男性に都合の良い良妻賢母的女性像を意味する 女らしさ のような近代的ジェンダー規範を引き継ぐ一方で 仕事の能力 や 女性受け を意味することがあり 旧来的な女性像を打ち破る規範としても注目を浴びている 近藤は このような矛盾した意味内容を持つ新たな女性性規範である女子力をテーマとし 女子力 という概念を説明する そして この研究では女子力に関する記事を分析し 女子力 を1 男性指向の 女子力 2 自分指向の 女子力 3 女性指向の 女子力 4 仕事指向の 女子力 の4 類型に分類している 徳山眞実 (2012) は 女子力 を メディアでの扱われ方 意識調査 の2つの観点から分析した メディアでの扱われ方 では 広告や雑誌などでどのような意味で使われているのかということや 検索関連ワードの分析を行った また 意識調査 では 実際に人々が 女子力 が高い女性をどのような判断基準で判断しているのかを調査した まず メディアでの扱われ方を見てみると 前述した 女子力って何だ? という雑誌の特集の中で1000 人を越える読者に対して行われたアンケートの結果は 女性らしい見た目 気づかい の他に 仕事で使える女子力 と題して 存在感 影響力 心配り 意識の高さ 切り替え力 精神的な強さ などが女子力が高い女子に必要な要素としてあげられている 次に 意識調査からみた 女子力 は 幅広い年代の印象を一般化することは困難であり 女子力 という言葉が主に若い世代の間で使用されていることから 調査対象は主として20 代の男女に限定して行った 上野千鶴子 (2012) は ロンドンオリンピックでの女性の活躍が女子力と呼ばれたことを 女子力 とはもともと男受けのする女性性偏差値の高さをあらわすことばだったのだけれど ある女性アナウンサーが番組ではからずも使った 女子力 からは ことばどおり 女子 の 力 という意味が伝わってきた 女子力 もこのぶんでは 女子が発揮するパワー と意味を転じていくだろう それでいいのであると論じている 3. 研究目的及び研究方法
女子力 という言葉は2001 年に新しく作られた造語で女性ファッション誌や広告などで頻繁に使用されており その多くは 女子力 を上げるとより良い女性になれる これを使用すると 女子力 があがるというもので 女子力 は現代女性の女性らしさの尺度である 最近日本社会における 女子力 という言葉は 従来の女性とは違う意味で発生し 多くの人々に使われている しかし 女子力 という言葉自体が近年になって生み出された新語であるため 頻繁に使われてはいるものの それに関する研究は数少ない 本稿では 女子力 という流行語がメディアとりわけ女性雑誌の中で誕生した単語であるため 女性雑誌というのが女子力という言葉がもつイメージにどんな影響を与えるのか ひいては その中にあるジェンダー意識について考察することに目的をおく 井上輝子や女性雑誌研究会メンバーの諸橋奏樹は 男女のステレオタイプの描写や女らしさの強調などの 性役割イデオロギーの伝達内容を明らかにすることを女性雑誌研究の意義であるともいう 研究対象となる 女子力 という言葉は 2000 年以後に作られた新しい単語であり 時代の雰囲気を反映する流行語である 近藤の研究によれば 女子力 という言葉は化粧情報誌から生み出され 雑誌メディアの中で広がっていた言葉であるため 本稿でも2000 年代のメディアの中での記事及び女子力に関する書籍などを分析しようとする そして 関連論文や本 資料などを探し それを調べるなど文献研究を基本とする
< 参考資料 > 馬場伸彦 池田太臣 (2012) 女子 の時代! 青弓社 ジレンマ + 編集部 (2013) 女子会 2.0 NHK 出版 近藤優衣 (2014) 女子力 の社会学 : 雑誌の質的分析から 女子学研究 4, 24-34 柘植 結月 (2014) 大学生が考える 女子力 とは?: 男女間の認識の相違 名古屋大 学高等教育研究センター 諸橋泰樹 (2009) メディアリテラシーとジェンダー 構成された情報とつくられる性の イメージ 現代書館 諸橋泰樹 (2002) ジェンダーの語られ方 メディアのつくられ方 現代書館 坂本佳鶴恵 (2011) 女性 男性雑誌とジェンダー規範 ファッション意識 : 首都圏男女へ の質問紙調査の分析 お茶の水女子大学人文科学研究 松井剛 (2013) 女子 の誕生 雑誌記事タイトルのテキストマイニングによる流行語の 研究 日本マーケティング学会