目 次 1. はじめに 2. 特定対象事業特性の把握 2.1 設置の場所 原動力の種類 出力等の設置の計画に関する事項 2.2 特定対象事業の内容に関する事項であって その設置により環境影響が変化することとなるもの 3. 特定対象地域特性の把握 3.1 自然的状況 大気環境の状況 3.1

Similar documents
(仮称)姫路天然ガス発電所新設計画 環境影響評価方法書のあらまし

別表第 1 大気の汚染に係る環境上の基準 物質基準値対象地域 二酸化硫黄 1 時間値の1 日平均値が0.04pp m 以下であり かつ 1 時間値が0.1ppm 以下であること 一酸化炭素浮遊粒子状物質二酸化窒素光化学オキシダント 1 時間値の1 日平均値が10ppm 以下であり かつ 1 時間値の

NO2/NOx(%)


第 4 章環境影響評価の項目の選定 対象事業に係る環境影響評価の項目は 三重県環境影響評価技術指針 ( 平成 11 年 5 月 25 日 三重県告示第 274 号 )( 以下 技術指針という ) の 第 5 環境影響評価の項目の選定 に基づき 対象事業に係る工事の実施 土地又は工作物の存在及び供用に

第 4 章環境要因及び環境要素の抽出

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

1 吾妻町 平成18年3月27日に東村と合併し東吾妻町になりました 2 六合村 平成22年3月28日に中之条町に編入しました 5.2-2

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

環境影響評価の項目の選定 対象事業に係る環境影響評価の項目は 三重県環境影響評価技術指針 ( 平成 11 年 5 月 25 日三重県告示第 274 号 平成 28 年 4 月 1 日改正 )( 以下 技術指針 という ) の 第 5 環境影響評価の項目の選定 に基づき 対象事業に係る工事の実施 土地

山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

別紙 福島復興風力株式会社 ( 仮称 ) 阿武隈風力発電事業環境影響評価 準備書 に対する勧告について 1. 総論事業実施に当たっては 以下の取組を行うこと (1) 関係機関等との連携及び住民への説明対象事業実施区域の周辺には 東京電力福島第一原子力発電所の事故により避難していた住民の帰還が進むなど

土地利用計画 土地利用計画面積表 土地利用の区分区分面積 ( m2 ) 比率 (%) 備考 発電施設用地パネル 19, パワーコンディショナー 緑地 5, 計画地面積 24, 太陽光パネル配置図 発電施設計画 発電施設の概要 発電設備規格

練馬清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

関西電力株式会社 ( 仮称 ) 大分 臼杵ウィンドファーム事業環境影響評価方法書に係る審査書 平成 29 年 7 月 経済産業省 1

品川清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

豊かで極めて閑静であることを踏まえ 事業者として 当該住民等の一番の不安がどこにあるのか その感得に誠実に努めること なお 環境影響評価の実施に当たっては 対象事業実施区域及びその周辺の現状の的確な把握が不可欠なため 準備書の作成に当たっては 当該区域及びその周辺の要所の現場写真を使用する等して 閲

北清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7 4

〔表紙〕

8.特集「大気汚染の現状と課題」

資料 2 3 平成 29 年 1 月 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 月 四国電力株式会社 - 1 -

添付資料 〇添付 -1: 大気質に係る追加調査候補地点 〇添付 -2: 大気質に係る予測手法の変更 〇添付 -3: 騒音 振動 低周波音に係る追加調査候補地点 〇添付 -4: 水質に係る追加調査候補地点 〇添付 -5: 植物 動物に係る環境影響評価項目の変更植物 動物に係る環境影響評価項目選定理由の


調査時点工事の終了後とする 調査期間調査地点調査手法5.2 生物の生育 生息基盤 5.2 生物の生育 生息基盤 (1) 東京 2020 大会の大会開催前 1) は 表 に示すとおりである 区分 予測条件の状況 表 ( 東京 2020 大会の開催前 ) 生物 生態系の賦存地の改

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

(6) 本事業計画の実施に伴い使用する建設機械 車両 資材の搬出入及びその経路等については 生活環境への影響が大きく懸念される事項であることから 道路拡幅等を含め予め綿密に検討すること なお 上記輸送経路については 住宅等の分布に加えて 砂防指定地や日光国立公園等の重要な景観資源等の所在にも留意し

釧路火力発電所 環境影響評価準備書

環境保全に関する協定書 ( 基準協定 ) 旭川市 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) は, 乙が旭川市内で施工する事業 ( 以下 事業 という ) について, 次のとおり協定を締結する ( 法令等の厳守 ) 第 1 条 乙は, 事業実施に当り, 森林法, 北海道自然環境等保全条例

足立清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

(Microsoft Word - \216w\223\261\227v\215j19.7.1\211\374\220\263\224\305.doc)

有明清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

平成 29 年度 一般廃棄物最終処分場の維持管理記録 施設の名称 : 弘前市埋立処分場第 2 次 ( 第 1 区画 第 2 区画 ) 施設の位置 : 弘前市大字十腰内字猿沢 埋立廃棄物の種類及び数量 ( 単位 :kg) 区分 種類 平成 29 年平成 30 年 4 月 5 月 6 月

渋谷清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰 ( 含有試験 ) 6 4 周辺大気環境調査結果 7 5 試料採取日一覧 8 (

施設名施設住所項目一般埋め立てた廃棄物廃棄物 (ton) 擁壁の点検 遮水効果低下するおそれが認められた場合の措置 遮水工の点検 遮水効果低下するおそれが認められた場合の措置 周縁地下水の水質検査結果 斜里町清掃センター最終処分場斜里町以久科北 破砕ごみ 内容 生ごみ残差 合計 点検を行った年月日

4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域

平成 24 年度維持管理記録 ( 更新日平成 25 年 4 月 26 日 ) 1. ごみ焼却処理施設 (1) 可燃ごみ焼却量項目単位年度合計 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 A B 炉合計焼却量 t 33, ,972

<4D F736F F F696E74202D C815B F B94C B996B382B5816A205B8CDD8AB B83685D>

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という


<4D F736F F D A838E738CF68BA48D488E968AC28BAB947A97B68E77906A E646F63>


1

別紙 第 1 対象事業 1 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事務所の所在地名称 :JFE スチール株式会社代表者 : 代表取締役社長柿木厚司所在地 : 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 2 対象事業の名称 JFE 扇島火力発電所更新計画 3 対象事業実施区域神奈川県川崎市川崎区扇島 1

Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

Microsoft Word - HP掲載資料 docx

ⅱ 調査地点調査地点は 事業実施区域の敷地境界 2 地点とし 調査時において 風上 風下となる地点とした 調査地点を図 7.4-1に示す ⅲ 調査方法調査方法を表 7.4-3に示す 表 悪臭の調査方法 調査項目 悪臭の状況 気象の状況 調査方法 臭気指数 : 三点比較式臭袋法試料採取時の

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

世田谷清掃工場 平成 27 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) スラグ ( ガス化溶融 )( 含

法 34 条 7 号 既存工場と密接な関連を有する事業の建築物等の用に供する建築行為 提案基準 13 既存工場の事業の質的改善 提案基準 25 工業系ゾーンに位置づけられた区域内の工場 及び提案基準 32 研究施設 における工場又は研究施設の規模及び敷地計画 法 34 条 7 号 立地基準編第 2

中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書【神奈川県】

練馬清掃工場 平成 29 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

別 紙 2

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

(仮称)蘇我火力 環境影響評価方法書(あらまし)

中央清掃工場 平成 29 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

IGCC実証試験発電所環境影響評価方法書

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

2 自然条件 (2) 歴史的条件

Microsoft Word - 24_11景観.doc

東北ゴム株式会社本社工場の公害防止に関する協定書

再販入札⇒先着順物件調書

神奈川県環境影響評価技術指針 神奈川県環境影響評価技術指針 改正 平成 10 年 2 月 6 日環審第 73 号平成 11 年 5 月 28 日環審第 15 号平成 12 年 5 月 1 日環計第 9 号平成 12 年 12 月 26 日環計第 82 号平成 20 年 3 月 27 日環計第 125

1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

< F2D B4C8ED294AD955C8E9197BF C>

参考資料

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

資料 1 整備用地の候補地絞り込み条件について ( 案 ) 1. 基本的な考え方 整備用地の候補地選定にあたっては 環境面や経済面など様々な観点から 客観性 合理性 妥当性がある選定条件を採用する必要があります 基本計画検討委員会では 整備用地の選定基準などの候補地を絞り込むための選定条件について検

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

<4D F736F F D20905F8CCB8E738FF289BB91858E7793B197768D6A D6A82CC82DD816A2E646F6378>

2 本日の内容 1 神奈川県内に適用される土壌汚染関係法令 2 土壌汚染対策法による取組み 3 神奈川県生活環境の保全等に関する条例による取組み 4 神奈川県の土壌汚染対策相談窓口

別紙 2 平成 28 年度水環境の状況について 県は 水質汚濁防止法に基づいて 国土交通省 同法の政令市である横浜市 川崎市 相模原市 横須賀市 平塚市 藤沢市 小田原市 茅ヶ崎市 厚木市及び大和市と共同して 公共用水域及び地下水の水質の測定を行いました 1 測定結果の概要 (1) 公共用水域測定結

第 1 章環境監視調査の項目及び調査の手法 1.1 調査項目及び調査時期 平成 28 年度に実施した事後調査の調査項目及び調査時期を表 に 調査 工程を表 に示します だみ 大気質 表 平成 28 年度に実施した環境監視調査の調査項目

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

[ 廃棄物の最終処分場 ( 管理型 )] 平成 29(2017) 年度 1 施設名称 1 号管理型処分場 (1) 埋立てた廃棄物の各月ごとの種類及び数量 規則第 12 条の 7 の 2 第 8 項イ 種類汚泥燃え殻紙くずばいじん 合計 単位 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月

藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建

<4D F736F F F696E74202D E9197BF817C A816989AA936390E690B6816A90858EBF8AC28BAB8AEE8F8082C982C282A282C4>

site_18(日本語版).xls

地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について 工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化 地下水位流動方向に対する影響 並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施した また

<4D F736F F D208F8094F58F918BE692B788D38CA981698B9E89A490FC816A2E646F63>

Microsoft PowerPoint - 佐賀県審査会資料_180131_15120_sanitized.pptx

( 仮称 ) 海南 紀美野風力発電事業 環境影響評価方法書について 平成 30 年 2 月 合同会社 NWE-03 インベストメント 1

<4D F736F F D F5F8F4390B3816A95788E6D8CDC8CCE82CC90858EBF8AC28BAB82CC95CF89BB8F4390B B7924A90EC816A2E646F63>

Microsoft Word - 03第3章(p37-45)

<4D F736F F D F348FCD5F919B89B AE5F8AAE90AC94C52E646F63>

Microsoft Word 悪臭_通し頁_ doc

地熱部会補足説明資料目次 1. 硫化水素の予測評価について 3 2. 地盤変動について 4 3. 事前調査結果を踏まえた現存植生図について 6 4. 生態系の注目種の選定について 生態系の評価について

28 環総政第 492 号 平成 28 年 8 月 10 日 意見書 JFE 扇島火力発電所更新計画 に係る環境影響評価準備書に関する環境影響評価法 ( 平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 ) 第 20 条第 1 項及び東京都環境影響評価条例 ( 昭和 55 年東京都条例第 96 号 )

: 調査地域 予測地域 図 現地調査による重要な動植物種と環境類型区分図との重ね合わせ結果 重要な種の保護の観点から 確認地点は表示しない 5-45

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

はじめに

環境影響評価書 本編 第6章 環境影響評価の結果 6-1-7 電波障害

site_17(日本語版).xls

<4D F736F F D E838A A658D8096DA82CC89F090E C9A927A816A E646F63>

神奈川県環境影響評価技術指針 第 2 章各論第 1 大気汚染 1 調査の手法 (1) 調査すべき情報ア大気汚染の発生源の状況 ( ア ) 固定発生源の状況工場 事業場 廃棄物処理施設等の主要な大気汚染の発生源の分布状況 ( イ ) 移動発生源の状況道路等の位置 規模 構造及び供用の方法並びに自動車等

平成 2 9 年度 大気汚染物質の常時監視測定結果について 平成 3 0 年 8 月 3 日埼玉県環境部大気環境課 (1) 測定結果の概要ア大気汚染常時監視体制県 大気汚染防止法の定める政令市 ( さいたま市 川越市 川口市 所沢市 越谷市 ) 及びその他の2 市 ( 草加市 戸田市 ) では 大気

Transcription:

資料 2-6 平成 28 年 8 月 12 日地熱部会資料 安比地熱株式会社 安比地熱発電所 ( 仮称 ) 設置計画 環境影響評価方法書に係る 審 査 書 ( 案 ) 平成 28 年 8 月 経済産業省 1

目 次 1. はじめに 2. 特定対象事業特性の把握 2.1 設置の場所 原動力の種類 出力等の設置の計画に関する事項 2.2 特定対象事業の内容に関する事項であって その設置により環境影響が変化することとなるもの 3. 特定対象地域特性の把握 3.1 自然的状況 3.1.1 大気環境の状況 3.1.2 水環境の状況 3.1.3 土壌及び地盤の状況 3.1.4 地形及び地質の状況 3.1.5 動植物の生息又は生育 植生及び生態系の状況 3.1.6 景観及び人と自然との触れ合いの活動の場の状況 3.1.7 一般環境中の放射性物質の状況 3.2 社会的状況 3.2.1 人口及び産業の状況 3.2.2 土地利用の状況 3.2.3 河川 湖沼の利用並びに地下水の利用の状況 3.2.4 交通の状況 3.2.5 学校 病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況及び住宅の配置の概況 3.2.6 下水道の整備状況 3.2.7 廃棄物の状況 4. 環境影響評価項目 5. 事業者が選定した環境影響評価項目の妥当性について 6. 事業者が選定した調査 予測及び評価手法の妥当性について 2

1. はじめに 我が国では 平成 26 年 4 月に閣議決定したエネルギー基本計画において 再生可能エネルギーを 有望かつ多様で 重要な低炭素の国産エネルギー源 として位置付けた 特に地熱発電は 世界第 3 位の地熱資源量を誇る我が国では 発電コストも低く 安定的に発電を行うことが可能なベースロード電源を担うエネルギー源 とされ 導入加速に向けた取り組みが推進される状況にある このような背景のもと 今後の事業体制を整備するために 平成 27 年 10 月 三菱マテリアル株式会社と平成 16 年度より継続調査に協力してきた三菱ガス化学株式会社により 合弁会社である安比地熱株式会社 ( 以下 事業者 という ) が設立され 有望な地熱資源が確認された岩手県八幡平市にある対象事業地域において 地熱発電所 ( 出力 15MW 級 ) の建設を計画している 本審査書は 事業者から 環境影響評価法及び電気事業法に基づき 平成 28 年 3 月 30 日付けで届出のあった 安比地熱発電所 ( 仮称 ) 設置計画環境影響評価方法書 で述べられている 事業者が選定した環境影響評価項目並びに調査 予測及び評価手法の妥当性についての審査結果を取りまとめたものである 審査に当たっては 発電所の環境影響評価に係る環境審査要領 ( 平成 26 年 1 月 24 日付け 20140117 商局第 1 号 ) 及び 環境影響評価方法書 環境影響評価準備書及び環境影響評価書の審査指針 ( 平成 27 年 6 月 1 日付け 20150528 商局第 3 号 ) に照らして行い 審査の過程では 経済産業省商務流通保安審議官が委嘱した環境審査顧問の意見を聴くとともに 事業者から提出のあった補足説明資料の内容を踏まえて行った また 電気事業法第 46 条の7 第 1 項の規定に基づき提出された環境影響評価法第 10 条第 1 項に基づく岩手県知事の意見を勘案し 電気事業法第 46 条の6 第 2 項の規定により届出のあった環境影響評価法第 8 条第 1 項に基づく意見の概要及び当該意見についての事業者の見解に配意して審査を行った 3

項目種類主要機器等の種類及び容元設備内径約 20cm 発電設備2. 特定対象事業特性の把握 2.1 設置の場所 原動力の種類 出力等の設置の計画に関する事項 2.1.1 特定対象事業実施区域及び名称所在地 : 岩手県八幡平市八幡平山国有林内名称 : 安比地熱発電所 ( 仮称 ) 設置計画 2.1.2 原動力の種類汽力 ( 地熱 ) 2.1.3 特定対象事業により設置される発電設備の出力 15,000kW 級 2.2 特定対象事業の内容に関する事項であって その設置により環境影響が変化することとなるもの (1) 主要機器等に関する事項 量生産 還生産井還元井蒸気タービン発電機主変圧器冷却塔 方式 坑口集合方式 坑数 4 坑程度 掘削長 約 2,500m 内径 約 20cm 方式 坑口集合方式 坑数 3 坑程度 掘削長 約 1,500m 約 200m 種類 復水型 出力 約 14,900kW 種類 三相交流同期発電機 容量 約 16,700kVA 種類 三相変圧器 容量 約 18,000kVA 種類 湿式強制通風式 高さ 約 20m (2) 排ガスに関する事項 項目 単位 冷却塔出口 排出湿空気量 10 3 m 3 N /h 検討中 排出湿空気温度 検討中 硫化水素排出量 m 3 N /h 約 191 注 : 硫化水素排出量は最大定格運転時を想定した 4

(3) 熱水に関する事項 1 熱水量及び熱水の主な水質 項目 単位 熱水 ( フラッシュタンク出口 ) 冷却水 ( 冷却排水 ) 熱水量 t/h 約 0~42 約 35~93 温度 約 96 約 26~48 水素イオン濃度 (ph) - 約 5~7 約 5~7 水質 塩化物イオン (C1 - ) mg/l 約 0~7 - シリカ (SiO 2 ) mg/l 約 3~270 - ひそ砒素 (As) mg/l 約 0~1.5 - 薬注前の値 2 熱水の処理方法生産井から取り出した熱水は 気水分離器で蒸気と分離後 熱水配管を経由してフラッシュタンク ( 熱水の熱を開放するために一部を蒸気化する装置 ) へ流入し 大気圧下まで減圧後 還元井にて地下還元する計画である 熱水に含まれる砒素は 蒸気に含まれることなく 熱水とともに地下深部に還元される また 熱水の性状によってはシリカスケールの抑制を目的に 薬注 ( 硫酸添加 ) によるpH 調整を行うことを計画している (4) 冷却排水に関する事項蒸気は タービンを通過し仕事を終えた後 蒸気復水となる この蒸気復水は 復水器で蒸気を冷却するための冷却水として再利用されるが 余剰となる冷却水は 冷却排水として還元井 ( 熱水用還元井とは別の還元井 ) にて地下還元する計画である なお 将来的に余剰となる冷却水が継続的に利用可能な水質として維持できることを確認できた場合 作業用水及び生活用水としての再利用について検討する (5) 用水に関する事項発電所における用水は 一定の流量がある小智恵ノ沢から取水するとともに 発電所の敷地内から汲み上げた地下水を用いる計画である 小智恵ノ沢から取水した用水は 取水槽に一時貯水し 管理用道路沿いに配管を埋設して発電所に揚水する計画である 5

排水量合計日平均 m 3 / 日約 10 プラント排水ノルマルヘキサン抽出物質含有量 mg/l 最大 5 以下生活排水(6) 一般排水に関する事項一般排水は プラント排水と生活排水があり それぞれ油水分離槽 合併処理浄化槽で処理し 還元井により地下還元する計画である 項目単位計画 排水の方法 排水量日平均 m 3 / 日約 9 水質 水素イオン濃度 (ph) - 5.8~8.6 - 油水分離槽で処理後 還元井により地下還元 化学的酸素要求量 (COD) mg/l 最大 120 以下 浮遊物質量 (SS) mg/l 最大 200 以下 排水の方法 排水量日平均 m 3 / 日約 1 - 合併処理浄化槽で処理後 還元井により地下還元 水質生物化学的酸素要求量 (BOD) mg/l 日間平均 90 以下 (7) 道路に関する事項発電所から市道までの距離が離れていることから 進入用道路を設置する計画である 進入用道路は既存の作業道の改良を基本とし 一部を橋梁とするとともに 一部区間では道路沿いに防雪柵を設置する計画である 一方 発電設備 生産基地 還元基地及び取水設備等を管理するための管理用道路は 既存の作業道の転用を基本とし 一部を改良する計画である なお 進入用道路及び管理用道路は 一般車両の通行は禁止となるが 生産基地の南端には既存の登山道があるため 登山者が利用できるよう配慮する計画である ( 徒歩での通行のみ ) 進入用道路に関する事項の概要 項目 規模 延長 約 3.4km 幅員 約 5m( 待避区間約 6m) 橋長 約 19m 桁幅 約 6m 管理用道路に関する事項の概要 項目 規模 延長 約 2.3km 幅員約 3.5~5m( 待避区間約 6m) 6

(8) 工事に関する事項 1 工事の概要主要な工事は 以下のとおりである 土地造成: 樹木の伐採 敷地造成工事及び資材置場造成工事 道路工事: 既存作業道の拡幅 舗装工事及び一部新設工事 生産 還元設備: 坑井掘削工事 蒸気 熱水配管据付工事及び付帯機器据付工事 発電設備: 基礎工事 建物建築工事 発電機器据付工事及び取水設備工事 2 工事期間及び工事計画工事開始時期 : 平成 30 年 ( 予定 ) 運転開始時期 : 平成 34 年 ( 予定 ) 3 工事工程対象事業実施区域は 冬季は多雪であることから 基本的に積雪期には工事は実施しない 着工後の年数 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目月数 0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 土地造成 (8) (7) 道路工事 (7) (7) (5) (3) 生産 還元設備 (4) (9) (9) (5) 発電設備 (7) (7) (7) 運転開始 (6) 試運転 注 :( ) 内は月数を示す 4 土地の造成の方法及び規模土地の造成は 樹木伐採の後 残存する根 表層土を除去し 切土及び盛土等を行う 土地造成にあたっては 発電設備 生産基地 還元基地及び資材置場は現在の高低差のある地形に沿って複数の標高の平面に整地し 地形改変面積を最小限に留める計画である 5 工事中の排水等工事排水は 濁水処理設備等に集水した後 近隣の沢である袰部沢へ排出する計画である また 打ち込んだ木杭にネットや粗朶 竹等を編んだ編柵工等で遮蔽柵を敷設して土砂流出を防止する計画である 7

坑井の掘削工事に際して 掘削水は循環使用する計画である また 掘削工事に伴い熱水が一時的に出てきた場合には 掘削している坑井に戻す計画である (9) 交通に関する事項一般国道 282 号から 市道下兄川線 市道兄川線 市道兄川支線を経由するルートと 一般国道 282 号から 市道安比線 市道兄川支線を経由するルートを計画している また 市道から先のルートは 新設の進入用道路が通行可能となるまでは 林道 作業道を使用する計画である (10) その他 1 土壌汚染対象事業実施区域は国有林野となっており 土壌汚染の原因となる施設は存在しない また 工事中及び運転開始後において 土壌汚染の原因となる物質は使用しない計画である 2 景観対象事業実施区域は 景観法 ( 平成 16 年法律第 110 号 ) に基づく 岩手県景観計画 ( 岩手県 平成 22 年 ) による景観計画区域となっており 景観形成基準に基づき建屋の色彩等については周辺景観との調和に配慮する計画である 3 廃棄物等工事中及び運転開始後において発生する廃棄物 ( 坑井掘削工事で発生する汚泥を含む ) は 可能な限り発生量の低減及び有効利用に努めるとともに 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ( 昭和 45 年法律第 137 号 ) 及び 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 ( 平成 12 年法律第 104 号 ) に基づき その種類ごとに専門の産業廃棄物処理業者に委託して適正に処理する計画である 4 残土工事に伴う発生土は埋め戻し及び構内盛土に利用するが それでも利用できない残土が発生した場合は 対象事業実施区域外に搬出し適正に処理する 5 緑化計画土地造成及び道路工事により造成される土地のうち 緑化可能な箇所には 在来種を主とした緑化を行う計画である 8

3. 特定対象地域特性の把握 3.1 自然的状況 3.1.1 大気環境の状況 (1) 気象の状況 1 気候特性対象事業実施区域が位置する八幡平市の気候は 南東部は太平洋側気候 北西部は日本海側気候の影響を受け 夏冬の寒暖の差が大きく 夏の降水量は比較的少ないものの 冬の降雪量は多い地域となっている 2 気象概要対象事業実施区域の最寄りの気象官署として 西約 7kmに八幡平地域気象観測所 南東約 35kmに盛岡地方気象台がある 八幡平地域気象観測所における至近 30 年間 (1981~2010 年 ) の統計によれば 年間最多風向は南南西 年間平均風速は1.6m/s 年間平均気温は7.0 年間降水量は1,970.4mmとなっている (2) 大気質の状況 1 硫化水素濃度の状況対象事業実施区域及びその周辺における硫化水素は 国立研究開発法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 ( 以下 NEDO という ) による平成 15 年度の噴出試験時に4 地点で測定が行われている N14-AP-4 坑噴出試験中 ( 平成 15 年 8 月 1~2 日 ) における硫化水素の最高値は0.011~0. 041ppm N14-AP-4 坑 N13-AP-2 坑同時噴出試験中 ( 平成 15 年 8 月 22~ 23 日 ) の最高値は0.012~1.039ppmであった なお N14-AP-4 坑 N13-AP -2 坑同時噴出試験中 ( 平成 15 年 8 月 22~23 日 ) の地点 1における最高値 (1.039ppm) は 西よりの風がやや強い (2.7m/s) 条件下で噴出蒸気が東側の樹林帯に遮られ 低地に位置する地点 1に直接流れ込み生じたものと考えられる 2 硫化水素に係る苦情の発生状況硫化水素に係る苦情の発生状況は 八幡平市では確認できなかった (3) その他の大気に係る環境の状況 1 大気質の状況最寄りの大気常時監視測定局としては 対象事業実施区域から南東約 30 kmに巣子一般環境大気測定局 ( 以下 一般局 という ) 南東約 35kmの位置に上田自動車排出ガス測定局 ( 以下 自排局 という ) があり 二酸化 9

硫黄 二酸化窒素 浮遊粒子状物質等の大気環境の常時測定が行われている イ. 二酸化硫黄二酸化硫黄の状況は 一般局で測定が行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 長期的評価 短期的評価ともに適合している また 一般局における5 年間 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) の年平均値の経年変化は 横ばい傾向である ロ. 二酸化窒素二酸化窒素の状況は 一般局及び自排局で測定が行われており 平成 2 5 年度における環境基準の適合状況は いずれの測定局とも適合している また 一般局及び自排局における5 年間 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) の年平均値の経年変化は ほぼ横ばい傾向である ハ. 浮遊粒子状物質浮遊粒子状物質の状況は 一般局及び自排局で測定が行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 長期的評価 短期的評価ともいずれの測定局でも適合している また 一般局及び自排局における5 年間 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) の年平均値の経年変化は ほぼ横ばい傾向である ニ. 微小粒子状物質 (PM2.5) 微小粒子状物質の状況は 一般局及び自排局で測定が行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 自排局では長期基準 短期基準ともに適合していないが 一般局では長期基準 短期基準ともに適合している また 一般局及び自排局における3 年間 ( 平成 23 年度 ~ 平成 2 5 年度 ) の年平均値の経年変化は ほぼ横ばい傾向である ホ. 一酸化炭素一酸化炭素の状況は 自排局で測定が行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 長期的評価 短期的評価ともに適合している また 自排局における5 年間 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) の年平均値の経年変化は ほぼ横ばい傾向である ヘ. 大気汚染に係る苦情の発生状況大気汚染に係る苦情の発生件数は 平成 25 年度において八幡平市で 2 件となっている 3 騒音 振動の状況イ. 道路交通騒音の状況対象事業実施区域及びその周辺における道路交通騒音の状況は 八幡平市における平成 25 年度の幹線交通を担う道路に近接する空間の自動車騒音常時監視結果が 評価対象住居の全てで昼夜ともに 環境基準を 10

達成している ロ. 騒音 振動に係る苦情の発生状況平成 25 年度において八幡平市では 騒音に係る苦情の発生件数は3 件 振動に係る苦情の発生件数はない 4 悪臭の状況イ. 悪臭に係る苦情の発生状況悪臭に係る苦情の発生件数は 平成 25 年度において八幡平市で1 件となっている 3.1.2 水環境の状況 (1) 水象の状況 1 河川の概況対象事業実施区域は 米代川水系の一級河川である兄川及び馬淵川水系の一級河川である安比川の上流部に位置している (2) 水質の状況 1 水質汚濁発生源の状況八幡平市においては 水質汚濁防止法 ( 昭和 45 年法律第 138 号 ) に基づく特定事業場が300 事業場となっており 県条例に基づく汚水等特定事業場はない 2 河川イ. 周辺河川の公共用水域の水質対象事業実施区域及びその周辺の公共用水域では 平成 25 年度において岩手県により米代川及び安比川の各 1 地点で水質測定が行われている ( イ ) 生活環境の保全に関する項目 ( 生活環境項目 ) 生活環境項目の測定は2 地点で行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 河川の水質汚濁の代表的な指標となる生物化学的酸素要求量 (BOD) が2 地点とも適合している また 2 地点における至近 5 年間 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) の生物化学的酸素要求量 (BOD) の経年変化は 定量下限値未満 ~ 0.6mg/Lで推移している ( ロ ) 人の健康の保護に関する項目 ( 健康項目 ) 健康項目に係る測定は米代川の1 地点で行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 測定されている項目で適合している ロ. ダイオキシン類対象事業実施区域が位置する八幡平市の河川においてダイオキシン類 11

は測定されていない 3 地下水イ. 人の健康の保護に関する項目 ( 健康項目 ) 対象事業実施区域が位置する八幡平市における地下水の水質測定 ( 健康項目 ) が8 地点で行われており 平成 25 年度における環境基準の適合状況は 砒素が7 地点中 5 地点で適合していないが その他の項目は測定されている地点で適合している ロ. ダイオキシン類対象事業実施区域が位置する八幡平市における地下水のダイオキシン類は 平成 24 年度に1 地点で測定されており 環境基準に適合している 4 水質汚濁に係る苦情の発生状況水質汚濁に係る苦情の発生件数は 平成 25 年度において八幡平市で2 件となっている (3) その他の水に係る環境の状況 1 温泉の分布草ノ湯 新草ノ湯及び安比温泉は 営業施設や建物はなく 野外に自然湧出又は自噴している 岩畑の湯は約 5.2kmの距離を送湯し 宿泊施設である 安代林業センター岩畑の湯 に給湯されている 3.1.3 土壌及び地盤の状況 (1) 土壌の状況 1 土壌汚染の状況対象事業実施区域が位置する八幡平市において平成 24 年度及び平成 2 5 年度に土壌のダイオキシン類の測定が3 地点で行われており 環境基準に適合している 2 休廃止鉱山の状況対象事業実施区域が位置する八幡平市における休廃止鉱山は 旧松尾鉱山がある 3 対象事業実施区域の土地利用履歴対象事業実施区域は大半が国有林野となっており その一部でNEDOにより平成 15 年度まで地熱調査井掘削工事 噴出試験 作業用道路の取り付け等が行われた また 対象事業実施区域には兄川牧場があり 以前は放牧地として利用されていたが 現在は放牧は行われておらず 一部が採草地として利用されている 12

4 土壌汚染に係る苦情の発生状況土壌汚染に係る苦情の発生件数は 平成 25 年度において八幡平市ではない (2) 地盤の状況 1 地盤沈下の状況岩手県において年間 2cm 以上の沈下が認められた地域はない 2 地盤沈下に係る苦情の発生状況対象事業実施区域が位置する八幡平市においては 平成 25 年度に地盤沈下に係る苦情は発生していない 3 地すべりの状況対象事業実施区域及びその周辺には 地すべり等防止法 ( 昭和 33 年法律第 30 号 ) に基づく地すべり防止区域はない また 対象事業実施区域は地すべり危険箇所に指定されていない 3.1.4 地形及び地質の状況 (1) 地形の状況対象事業実施区域の南側には 西森山 安比岳 八幡平等の標高 1,300~ 1,600mの八幡平火山を構成する諸峰が連なり 西方には八幡平から北方へと岩手 秋田県境に稜線が続いている 対象事業実施区域は八幡平火山の北斜面を構成する比較的なだらかな溶岩台地にあり 主に小起伏火山地 ( 起伏量 200m 未満 ) となっている また 対象事業実施区域及びその周辺を南から北東へ流れる安比川沿いに河原が分布し 対象事業実施区域の西から南側にかけては湿地が点在している (2) 地質の状況 1 表層地質安比川沿いには砂礫及び流紋岩質岩石が分布し 袰部沢沿い 中ノ沢沿い及びその周囲には砂礫 砕犀物及び凝灰岩質岩石が分布している 対象事業実施区域は 主に安山岩質岩石及び火山砕屑物からなっている 2 表層土壌対象事業実施区域は 主に湿性ポドゾル化土壌の乳頭山 2 統及び褐色森林土壌の七時雨山 2 統からなっている 3 断層対象事業実施区域及びその周辺に断層はみられない 13

(3) 重要な地形 地質対象事業実施区域及びその周辺における重要な地形は 八幡平 ( 火山性高原 ) 及び八幡平 ( 高層湿原 池塘 ) がある 3.1.5 動植物の生息又は生育 植生及び生態系の状況 (1) 動物の生息の状況 1 動物相の概要対象事業実施区域及びその周辺における動物相の状況は 対象事業実施区域が位置する八幡平市を範囲とし 既存資料では 哺乳類はトガリネズミ アズマモグラ キクガシラコウモリ等 45 種 鳥類はヤマドリ オシドリ キジバト等 152 種 爬虫類はニホンイシガメ ヒガシニホントカゲ等 9 種 両生類はクロサンショウウオ トウホクサンショウウオ等 14 種 昆虫類はアオイトトンボ ルリボシヤンマ ウスイロササキリ等 1,491 種 魚類はアブラハヤ ウグイ シマドジョウ等 18 種 昆虫類以外の無脊椎動物はナミウズムシ チビギセル等 5 種 合計で1,734 種が確認されている 2 重要な種及び注目すべき生息地の概要対象事業実施区域及びその周辺における動物の重要な種は 哺乳類はカワネズミ クロホオヒゲコウモリ イイズナ ツキノワグマ ヤマネ等 19 種 鳥類はヤマドリ マガン ジュウイチ クマタカ アオバズク アカショウビン サンコウチョウ イワヒバリ イスカ等 60 種 爬虫類はニホンイシガメ ヒガシニホントカゲ ヒバカリの3 種 両生類はクロサンショウウオ トウホクサンショウウオ キタオウシュウサンショウウオ アカハライモリ モリアオガエル等の8 種 昆虫類はルリイトトンボ ハッチョウトンボ キイロマツモムシ ハヤシミドリシジミ ウラギンスジヒョウモン メススジゲンゴロウ トウホクトラカミキリ等 61 種 魚類はタナゴ ドジョウ ギバチ ニッコウイワナ サクラマス ( ヤマメ ) カジカ等の9 種 昆虫類以外の無脊椎動物はチビギセル コガタカワシンジュガイ ヌマガイの3 種が確認されている また 注目すべき生息地は 大揚沼モリアオガエル及びその繁殖地 が天然記念物 ( 国指定 ) に指定されているが 対象事業実施区域及びその周辺には存在しない (2) 植物の生育の状況 1 植物相の概要対象事業実施区域及びその周辺における植物相の状況は 対象事業実施区域が位置する八幡平市を範囲とする既存資料によれば シダ植物 ( スギカズラ エゾフユノハナワラビ等 )70 種 裸子植物 ( オオシラビソ アカ 14

マツ等 )14 種 被子植物の双子葉植物の離弁花類 441 種 合弁花類 256 種及び単子葉植物 302 種の計 1,083 種が確認されている 2 植生の概要対象事業実施区域及びその周辺における植生の概要は 既存資料によれば 安比岳や杣角山等の高標高域にオオシラビソ群集が広く分布し 高山ハイデ及び風衝草原 ツルコケモモ-ミズゴケクラス等が点在している 桂久保山等の低標高域にはチシマザサ-ブナ群団が広く分布するほか 代償植生であるクリ-ミズナラ群落等 スギ ヒノキ サワラ植林 カラマツ植林等の植林地が分布している 対象事業実施区域には オオシラビソ群集及びチシマザサ-ブナ群団が分布している 3 重要な種及び重要な群落の概要対象事業実施区域及びその周辺における重要な種は ヤチスギラン ヒメハナワラビ シラオイハコベ ミチノクサイシン ハクサンフウロ シャクジョウソウ ミヤマリンドウ タカサゴソウ ホソバノシバナ イトナルコスゲ クマガイソウ オオヤマサギソウ等 175 種である 重要な植物群落は 八幡平市で38 件が掲載されているが 詳細な位置は不明である また 第 5 回自然環境保全基礎調査特定植物群落調査報告書 ( 環境庁 平成 12 年 ) によれば 対象事業実施区域及びその周辺には 安代のブナ林 八幡平のアオモリトドマツ林等の6 件の特定植物群落が指定されている なお 第 4 回自然環境保全基礎調査日本の巨樹 巨木林 ( 北海道 東北版 ) ( 環境庁 平成 3 年 ) によれば 対象事業実施区域が位置する八幡平市には巨樹 巨木林は51 件存在しているが 対象事業実施区域及びその周辺には存在しない また 八幡平市指定の文化財として樹木に関する天然記念物は7 件あるが 対象事業実施区域及びその周辺には存在しない (3) 生態系の状況高標高域には自然植生が広く分布しており およそ1,100~1,200m 以上の標高帯にはオオシラビソ群落 およそ1,000~1,100mの標高帯にはササ-ダケカンバ群落が分布する その下の標高帯にはチシマザサ-ブナ群落やブナ二次林等が分布し およそ900m 以下の標高帯にはカラマツやスギ等の植林が多く分布するが ブナ二次林や植林のある標高帯には牧草地が斜面に沿って南北に広がっている また 斜面に沿って小さな渓流が流れ 標高の高い位置には 湿地や小さな池沼が点在している これらの植生が 動植物の生息 生育基盤となっている 15

森林環境や草地環境には 下位の消費者として 草本を餌とするウスイロササキリや樹木を餌とするオオミズアオ等の昆虫類 植物種子等を餌とするヤマドリやアオバト等の鳥類 植物の葉や種子等を餌とするニホンリスやノウサギ等の哺乳類が生息している 中位の消費者として 小型動物を餌とするホソアカガネオサムシやヤマジガバチ等の昆虫類 昆虫類等を餌とするニホンカナヘビ等の爬虫類 モリアオガエル等の両生類 昆虫類等を餌とする樹林性のヒガラ 草地性のヒバリやオオジシギ等の鳥類 昆虫類を餌とするキクガシラコウモリやコテングコウモリ 雑食性のアカネズミやヤマネ等の小型哺乳類等が生息している また 渓流や小さな池沼には 下位の消費者として デトリタスを餌とするフタスジモンカゲロウ等の水生昆虫類等が生息している 中位の消費者として 水生昆虫や落下昆虫類等を餌とするルリボシヤンマ キイロマツモムシ メススジゲンゴロウ等の昆虫類 主に水生昆虫を餌とするニッコウイワナやカジカ等の魚類 昆虫類等の小型動物を餌とするキタオウシュウサンショウオ等の両生類 水生昆虫や両生類等を餌とするカワガラスやアカショウビン等の鳥が生息する そして 水生昆虫や小型魚類を餌とするカワネズミ等の小 ~ 中型哺乳類が生息している 上位の消費者として 肉食傾向の強いキツネや雑食性であるが大型であるツキノワグマ等の哺乳類 クマタカ ノスリ等の猛禽類が生息している 3.1.6 景観及び人と自然との触れ合いの活動の場の状況 (1) 景観の状況対象事業実施区域及びその周辺には 火山景観として八幡平 ( 火山群 ) 河川景観として安比川 ( 断崖 岸壁 ) 湖沼景観として八幡沼( 湖沼 ) 等の自然景観資源がある また 岩手県が優れた景観を募集し登録している いわての残したい景観 には 視対象 ( 見る対象 ) として中のまきばの池塘及び八幡沼が登録されている さらに 八幡平市滞在型観光振興計画 ( 八幡平市 平成 25 年 ) には 地域資源 ( 自然 景観資源 ) として智恵ノ滝 ブナの二次林 安比高原 草ノ湯及び八幡平が挙げられている 対象事業実施区域及びその周辺における主要な眺望点は 源太森 源太森下登山道 市道兄川支線及び奥のまきば ( 岩畑山下 ) 等がある 16

(2) 人と自然との触れ合いの活動の場の状況対象事業実施区域及びその周辺における人と自然との触れ合いの活動の場としては 安比高原スキー場 安比高原牧場等のほか 登山道 智恵ノ滝 草ノ湯等の温泉及びぶなの駅等の遊歩道がある 3.1.7 一般環境中の放射性物質の状況 (1) 放射線の量一般環境中の放射性物質の状況は 対象事業実施区域が位置する八幡平市においては 11 地点で測定されており 平成 26 年度における空間線量率は いずれも 放射線量低減に向けた取組方針 ( 岩手県 平成 25 年 ) における低減措置 ( 除染等 ) を実施する目安である 1μSv/h を下回っている また 3 年間 ( 平成 24 年度 ~ 平成 26 年度 ) の空間線量率の経年変化は ほぼ横ばい傾向である 3.2 社会的状況 3.2.1 人口及び産業の状況 (1) 人口の状況対象事業実施区域が位置する八幡平市の人口は 平成 26 年 10 月 1 日現在 26,913 人で 岩手県の1,284,384 人に対し2.1% となっている 過去 5 年間の推移をみると 減少している また 平成 25 年 10 月 ~ 平成 26 年 9 月の人口動態は 自然増減 社会増減とも減少している (2) 産業の状況 1 産業構造及び産業配置の状況八幡平市の産業構造は 平成 22 年の産業別就業者数でみると総数 14,315 人のうち第一次産業が3,363 人 (23.5%) 第二次産業が3,631 人 (25.4%) 第三次産業が7,297 人 (51.0%) となっている また 八幡平市の産業配置を就業者数でみると 総就業者数は14,315 人で 岩手県合計の631,303 人に対し2.3% となっている 2 生産量及び生産額イ農業八幡平市の平成 25 年度の主要な農作物収穫量は 米が最も多くなっている ロ林業八幡平市の平成 24 年度の林野面積は68,758haで 岩手県合計の 1,175,599haに対し5.8% となっている また 保有形態別では民有林が 23,242ha(33.8%) 国有林が45,516ha(66.2%) となっている 17

ハ水産業岩手県における平成 24 年の内水面漁業漁獲量は998tであり さけますが975tと最も多く97.7% を占めている また 内水面養殖業収穫量は 386tであり その他のます類が195tと最も多く50.5% を占めている なお 八幡平市における内水面漁業 養殖業は 確認されていない ニ商業八幡平市の平成 26 年の年間商品販売額は約 260 億円であり 岩手県合計の約 2 兆 8,558 億円に対し 0.9% となっている ホ工業八幡平市の平成 25 年の製造品出荷額等は約 273 億円であり 岩手県合計の約 2 兆 2,672 億円に対し 1.2% となっている 3.2.2 土地利用の状況 (1) 土地利用の概況八幡平市の合計面積は862km 2 で 岩手県の総面積 15,200km 2 に対し5.7% となっている また 八幡平市における平成 25 年の地目別面積は 山林が639km 2 (74.1%) と最も多く 次いで田が51km 2 (5.9%) 畑が40km 2 (4.6%) 等となっている 対象事業実施区域及びその周辺の土地利用基本計画には 国有林 保安林 農用地区域等の指定がある また 対象事業実施区域は都市計画区域に指定されていない 3.2.3 河川 湖沼の利用並びに地下水の利用の状況 (1) 河川の利用状況対象事業実施区域及びその周辺の主な河川は兄川及び安比川があり 漁業法 ( 昭和 24 年法律第 267 号 ) に基づく内水面共同漁業権の設定状況は 安比川等 ( 南部馬淵川漁業協同組合 ) 及び兄川等 ( 岩手県米代川漁業協同組合 ) に漁業権が設定されている (2) 地下水の利用状況八幡平市には 水道事業に利用されている地下水が存在する (3) 湧水の利用状況八幡平市における代表的な湧水は 金沢清水 長者清水がある 18

3.2.4 交通の状況 (1) 道路対象事業実施区域及びその周辺における主要な道路としては 東北自動車道及び一般国道 282 号がある 主要な道路における平成 22 年度の道路交通量観測地点としては 対象事業実施区域に最も近い一般国道 282 号 ( 八幡平市赤坂田 ) における平日の12 時間交通量は3,656 台となっている 一般国道 282 号と対象事業実施区域は 市道安比線 市道兄川支線 市道兄川線及び市道下兄川線により接続されている (2) 鉄道対象事業実施区域及びその周辺における主要な鉄道としては JR 花輪線がある 最寄りの駅は 安比高原駅である 3.2.5 学校 病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況及び住宅の配置の概況 (1) 学校 病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況対象事業実施区域から最も近い施設等までの距離は 約 15kmである (2) 住宅の配置の概況対象事業実施区域から最も近い住宅等は豊畑地区 細野地区にあり 対象事業実施区域からの距離は5~6kmである また 対象事業実施区域から約 5kmの位置に 安代林業センター岩畑の湯等の宿泊施設がある 3.2.6 下水道の整備状況平成 26 年 3 月末現在の八幡平市の下水道等の整備状況は 78.8% となっている 3.2.7 廃棄物の状況 (1) 一般廃棄物八幡平市の平成 25 年度のごみ処理量は10,732tで このうち9,083tが直接焼却処理 1,146tが焼却以外の中間処理で処理されている また 八幡平市のし尿処理量は17,364kLとなっている 19

(2) 産業廃棄物岩手県における平成 25 年度の産業廃棄物の処理状況は 排出量が3,283 千 t 最終処分量が98 千 tとなっている 対象事業実施区域の50km 圏内における産業廃棄物処理施設は 中間処理施設は87 箇所 最終処分場は11 箇所である 4. 環境影響評価項目事業者が選定した環境影響評価項目は以下のとおり なお 放射性物質に係る環境影響評価項目については 特定対象事業特性及び特定対象地域特性に関する状況を踏まえ 当該特定対象事業の実施により放射性物質が相当程度拡散又は流出するおそれがないことから 事業者は選定していない 20

工事用資材等の搬出入地形改変及び施設の存在 環境影響評価の項目 工事の 土地又は工作物の存在 環境要素の区分 影響要因の区分 実施 造成等の施工による一時的な影響及び供用廃施設の稼働 棄物の発生排ガス排水地熱流体の採取及び熱水の還元硫化水素 大気質 窒素酸化物 環境の自然的構成要素の良好な状態の保持を旨として調査 予測及び評価されるべき環境要素 大気環境 水環境 粉じん等 騒音 騒音 振動 振動 水の汚れ 水質 水の濁り その他 温泉 生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全を旨として調査 予測及び評価されるべき環境要素 その他の 地形及び地質 重要な地形及び地質 環境 地盤 地盤変動 重要な種及び注目すべき 動物 生息地 植物 重要な種及び重要な群落 生態系 地域を特徴づける生態系 人と自然との豊かな触れ合いの確保を旨とし 景観 主要な眺望点及び景観資源並びに主要な眺望景観 て調査 予測及び評価されるべき環境要素 人と自然との触れ合いの活動の場 主要な人と自然との触れ合いの活動の場 環境への負荷の量の程度により予測及び評価されるべき環境要素 廃棄物等 産業廃棄物 残土 注 1: は 発電所アセス省令 に記載のある参考項目であることを示す 2: は 参考項目のうち 環境影響評価の項目として選定する項目であることを示す 3: は 参考項目以外に 環境影響評価の項目として選定する項目であることを示す : 冷却塔から排出される硫化水素による植生への影響及び冷却塔から排出される蒸気による樹木への着氷影響を含む 21

環境要素影響要因審査結果大気環境騒音振動5. 事業者が選定した環境影響評価項目の妥当性について 事業者が選定した環境影響評価項目の妥当性について審査した結果は 以下のとおりである 環境影響評価項目は 発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配慮事項に係る調査 予測及び評価の手法に関する指針 環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査 予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令 ( 平成 10 年通商産業省令第 54 号 ) ( 以下 発電所アセス省令 という ) 第 21 条第 1 項第 4 号に定める火力発電所 ( 地熱を利用するものに限る ) の環境影響評価の参考項目 ( 以下 参考項目 という ) 及び第 26 条の2 第 2 項に定める放射性物質に係る規定を勘案して選定されており 特定対象事業特性及び特定対象地域特性を踏まえると概ね妥当なものと考えられる 1 参考項目以外で選定している項目 騒音工事用資材等の搬出入 振動 工事用資材等の搬出入を計画している主要な交通ルート沿いに住宅等が存在することから 工事用資材等の搬出入に伴う騒音及び振動を環境評価項目に選定することは妥当であると考えられる 2 追加選定を検討する必要がある項目なし 6. 事業者が選定した調査 予測及び評価手法の妥当性について 事業者が選定した調査 予測及び評価手法の妥当性について特定対象事業特性及び特定対象地域特性を踏まえて審査を行った結果は 以下のとおりである 調査及び予測の手法は 発電所アセス省令第 23 条第 1 項第 4 号に定める参考項目に係る参考となる調査及び予測の手法並びに第 23 条第 2 項に定める手法の簡略化を基に選定されており 評価の手法は発電所アセス省令第 26 条に定める評価の手法の選定の留意事項を踏まえたものとなっていることから 概ね妥当なものと考えられる 22