総 論 1

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平成 25 年 5 月 9 日海洋技術フォーラム 我が国の海洋をめぐる状況 国土面積約 38 万 km2 ( 世界第 61 位 ) 領海 排他的経済水域の面積約 447 万 km2国土面積の約 12 倍 離島の数 6,847 島 ( 北海道 本州 四国 九州 沖縄本島の主要 5 島以外の島によって広

海洋エネルギー 鉱物資源の開発 基本認識 調査 研究を継続しつつ 事業化のための開発 研究を強化する段階へ移行 我が国周辺海域の資源ポテンシャルを把握するための技術開発と広域科学調査 資源探査を継続的に実施 揚鉱 採鉱等生産に向けた技術開発を集中的に実施 石油 天然ガス 日本周辺海域において 基礎物

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資料2-3-1 「海洋資源開発における競争力のある産業創出に向けて」(国土交通省海事局作成資料)

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一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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小笠原・伊豆諸島周辺海域における外国漁船への対応について

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

大陸棚すべての国の権利及び沿岸国の権利 ( 国連海洋法条約 ) すべての国の権利 で 航行 飛行等の自由 関連するその他の国際的に適法な海洋海洋の利用のの利用の自由自由を享受 (58 条 1) ( 安全保障のための活動を含む ) ただし 沿岸国の の権利に妥当な考慮を払い また 沿岸国が の権利確保

行政改革推進会議による 秋のレビュー 平成 26 年 11 月 14 日実施 評価者 上村敏之関西学院大学経済学部教授 上山直樹弁護士 ( ポールヘイスティングス法律事務所 外国法共同事業 ) 太田康広慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授 水上貴央弁護士 ( 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 ) 吉

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

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条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

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新旧対照表

2016年度第1回日本海学講座

資料①海洋基本計画ポンチ絵

道州制基本法案(骨子)

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

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平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

目次 1. 事業の概要 1 2. 事業の進捗状況 5 3. 事業の評価 7 4. 事業の見込み等 今後の対応方針 ( 原案 ) 10

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資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項


宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

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海洋開発市場動向等 現在 日本再生戦略グリーン成長戦略の中核プロジェクト 世界の海洋開発 ( 石油 天然ガス ) 市場が急成長 2020 年 1 バレル = 約 156 リットル 現在 世界の全生産量の 3 割程度が海洋から生産 データ出典 : 三井海洋開発株式会社 一方 我が国の EEZ 開発は

1. 海 上 保 安 庁 の 概 要 ( 我 が 国 の 領 海 等 の 面 積 / 海 上 保 安 庁 の 勢 力 ) 我 が 国 の 領 海 等 の 面 積 領 海 ( 含 内 水 ) 及 び 排 他 的 経 済 水 域 約 447 万 km2 領 海 ( 含 内 水 ) 約 43 万 km2

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

第 6 回最終処分関係閣僚会議資料 科学的特性マップの提示と今後の取組について 平成 29 年 7 月 28 日経済産業省

I. 2 II III IV

第2章

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2. 資源量調査 1 沖縄海域伊是名海穴及び伊豆 小笠原海域ベヨネース海丘の鉱床周辺や深部に対する掘削を行い 鉱床の全体像を捉え 平成 27 年度までに当該鉱床の詳細資源量 ( 有害元素の含有量を含む ) を把握する 2 日本周辺海域の資源ポテンシャル把握のため 上記以外の有望海域で広域調査を実施し

沖縄の振興 2017年版(内閣府沖縄担当部局パンフレット)

1. 近年における東アジア諸国との交流状況 (1 人の動き 25 千人 世界全体 千人 45 アセアン地域 訪日外国人旅行者 日

サイバーセキュリティ基本法の一部を改正する法律案参照条文(参照法令一覧) サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)1 情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)(抄)10 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(平成十二年法律第百四十四号)(抄)10

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別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

海事局関連 省エネ補助金制度について

未来投資戦略2018(PFI関連部分抜粋)


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主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

H28秋_24地方税財源

資料 3 時代の要請を受けた 消費者保護の課題について 平成 31 年 4 月 経済産業省商務 サービスグループ 商取引監督課

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中国の対東南アジア戦略

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一国土強靱化基本法案目次第一章総則 ( 第一条 第六条 ) 第二章国土強靱化基本計画等 ( 第七条 第十条 ) 第三章基本的施策 ( 第十一条 第二十三条 ) 第四章国土強靱化戦略本部 ( 第二十四条 第三十三条 ) 第五章国土強靱化国民運動本部等 ( 第三十四条 第三十九条 ) 第六章雑則 ( 第

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

の利用 自然環境の保全 など重要な国家的 国民的役割を引き続き明記するとともに 航路や航空路の高額な運賃の低廉化 無人島の増加や人口の大幅減少の防止 定住の促進 を新たに追加している また 各種 ソフト支援施策 の充実を図るため 離島活性化交付金等事業 の新設を明記している 離島振興法以外の関連法令

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

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数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法施行令

3 くろまぐろの知事管理量について 海洋生物資源の採捕の種類 別又は期間別の数量に関する事項 ( 1) 採捕の種類別の割当量について 2 に掲げる知事管理量の小型魚における採捕の種類別に定め る割当量は 次の表のとおりとし 大型魚は採捕の種類別に定 めないものとする 採捕の種類 小型魚 本県の漁船漁

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

第6回議論における補足資料

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

( 常任本部会議の設置等 ) 第 9 条本部に常任本部会議を設置する 2 常任本部会議は 委員長 副委員長及び委員で組織する 3 委員長は 第 11 条第 1 項に規定する最高情報統括責任者をもって充てる 4 委員長は 常任本部会議の事務を総理する 5 副委員長は ICTに関する事務を分掌するプロジ

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スライド 1

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我が国のサイバーセキュリティ推進体制の更なる機能強化に関する方針 平成 2 8 年 1 月 2 5 日サイバーセキュリティ戦略本部決定 1 更なる機能強化の必要性 我が国のサイバーセキュリティの確保に関しては 平成 27 年 1 月 サイバーセキュリティ基本法 ( 以下 基本法 という ) の全面施

海でつながるプロジェクト 2016年度の展開


田原市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 3 月 23 日 田原市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol


2012年4月25日海洋基本法戦略研究会 次期海洋基本計画へ向けた提言 〜海洋産業立国にかかわる提言〜

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2007年12月10日 初稿

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

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品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

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5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

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総 論 1

国土面積約 38 万 k m2 ( 世界第 61 位 ) 我が国の海洋をめぐる状況 領海 排他的経済水域の面積約 447 万 k m2 - 国土面積の約 12 倍 - 世界第 6 位 ( 海外領土を含む場合は世界第 8 位 ) 離島の数 6,847 島 ( 北海道 本州 四国 九州 沖縄本島の主要 5 島以外の島によって広大な面積を確保 ) メタンハイドレート石油 天然ガス海底熱水鉱床レアアース泥洋上風力発電 海岸線延長約 3.5 万 km( 世界第 6 位 ) 輸出入取扱貨物量の海上輸送依存度 ( 平成 23 年 ) 99% 以上 漁業 養殖業生産量 ( 平成 24 年 ) 約 486 万トン 海洋エネルギー 鉱物資源海底熱水鉱床等の鉱物資源 メタンハイドレート等のエネルギー資源が分布 2

海洋政策の推進体制 内閣 参与会議 ( 総理任命の有識者 ) 幹事会 ( 各省局長級 ) 総合海洋政策本部 平成 19 年に議員立法として成立した海洋基本法に基づき設置 構成員 ( 海洋基本法第 31 条から第 34 条まで ) 本部長内閣総理大臣 副本部長内閣官房長官海洋政策担当大臣 本部員本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣 所掌事務 ( 海洋基本法第 30 条 ) 海洋基本計画の案の作成及び実施の推進 関係行政機関が海洋基本計画に基づいて実施する施策の総合調整 ( 内閣の重要政策に限る ) その他海洋に関する重要施策の企画 立案 総合調整 内閣官房 内閣官房副長官補 総合海洋政策本部事務局 3

海洋基本計画 ( 平成 25 年 4 月 26 日閣議決定 ) について 総論海洋立国日本の目指すべき姿 1 国際協調と国際社会への貢献 2 海洋の開発 利用による富と繁栄 3 海に守られた国 から 海を守る国 へ 4 未踏のフロンティアへの挑戦 第 1 部 第 2 部海洋に関する施策についての基本的方針及び具体施策 1. 海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和 海洋資源の開発及び利用と海洋環境の保全との調和 海洋エネルギー 鉱物資源開発計画 改定 メタンハイドレート 海底熱水鉱床について 平成 30 年代後半に民間の主導する商業化プロジェクト開始に向け 技術開発を実施 レアアースを平成 25 年度以降 3 年間で概略資源量 賦存状況調査を実施 風力発電等の海洋再生可能エネルギーの普及のため実証フィールドの整備など政策支援 福島や長崎での実証研究 海域利用ルール明確化や漁業協調型利用メニューの作成等 水産資源の開発及び利用 資源管理指針 資源管理計画等に基づく水産資源の適切な管理等を全国的に推進 海洋環境の保全等 生態学的 生物的に重要な海域の平成 25 年度までの抽出 海洋保護区設定の推進 2. 海洋の安全の確保 周辺海域における広域的な常時監視体制 遠方 重大事案への対応体制の強化 日本船籍への民間武装警備員乗船に向けた取組 3. 科学的知見の充実 海洋科学技術に関する研究開発の推進等 自然災害対応等の重要課題の研究開発 海洋調査の推進 衛星情報の一層の活用等宇宙の活用 4. 海洋産業の健全な発展 海洋産業の振興及び国際競争力の強化 新たな海洋産業の創出 浮体式 LNG 生産貯蔵積出施設等 国際競争力ある資源開発関連産業の戦略的育成 水産基本計画に基づく水産施策の着実な実施 海運 造船業 水産業の経営基盤の強化 安定的な海上輸送の確保 5. 海洋の総合的管理 EEZ 等の開発の推進 遠隔離島( 南鳥島 沖ノ鳥島 ) 活動拠点の整備 EEZ 等の管理のための方針の策定 包括的な法体系の整備 沿岸域の総合的管理 沿岸域の総合的管理の推進や海面利用調整ルールづくり 離島の保全等 離島の保全及び振興 国境離島の管理と特別の措置について検討 6. 海洋に関する国際的協調 IMO 等での国際基準等の策定に主体的に参画等 海洋の秩序形成 発展への貢献 海賊対策等における海洋に関する国際的連携 海洋に関する国際協力 7. 海洋教育の充実及び海洋に関する理解の増進 地域の産官学のネットワーク等による地域の特性を活かした人材育成 第 3 部海洋に関する施策を推進するために必要な事項 1. 施策を効果的に推進するための総合海洋政策本部の見直し 1 各施策の工程表の作成と計画的な実施 2 総合的な戦略の策定と実施 3 必要となる法制度の整備 4 実施状況等の評価に基づく効果的な施策推進 参与会議における検討体制の充実 施策のフォローアップ及び評価 情勢変化等も踏まえ 重要施策を重点検討 参与以外の幅広い関係者の参画を得て テーマごとに集中的に評価 検討 事務局機能の充実 民間や関係機関から出向等した職員が中心となって特定の重要課題を総合調整 2. 関係者の責務及び相互の連携 3. 施策に関する情報の積極的な公表 4

海洋産業の振興及び国際競争力の強化 5

海洋産業の戦略的育成のための総合対策 目的 2010 2012 2014 2016 2018 一般商船 8.1 兆円 海洋資源開発船舶 3.8 兆円 洋上風車 0.2 兆円 増大する海洋の需要を取り込み 我が国海洋産業の成長による富の創出! ~ 我が国の強みを活かし チャンスをものに!~ 2020 油タンカー 日本のシェアは約 20% コンテナ船 掘削船 海洋構造物手持ち工事量のシェア ( 金額ベース, 2011.9, Clarkson) 日本 1% U.A.E 3% ブラジル 9% 中国 14% 韓国 39% シンガポール 14% 総計 : 13.8 兆円 浮体式生産施設 洋上風力発電施設 10.8 兆円 9 兆円 5.7 兆円 市場規模の出典 :WindPower Report に基づいた試算 ( 洋上風車 ) Clarkson( それ以外 ) 現在のままでは 本は世界の海洋開発の成 から取り残され また将来の EEZ 開発を我が国の技術で うことが困難に! 海洋産業の戦略的育成 ロジスティックハブ FLNG 海洋産業の戦略的育成により 2020 年に2 割のシェアを獲得 FLNG: 浮体式 LNG 生産貯蔵積出設備 世界最先端の海洋環境技術開発 次世代の省エネ船等の開発により 2020 年に 2 割のシェアを維持 洋上風力発電の普及拡大 浮体式風車の国際標準化や大型洋上風車作業船の開発等を推進 6

成長する海外の海洋開発市場 北西ヨーロッパ 3.7 3.0 19 15 地中海 北米 石油天然ガス 1.9 2.9 8.7 15 4.1 3.3 8.6 7.2 石油天然ガス アジア 太平洋 石油天然ガス 南米 中東 インド半島 53 6.8 2.9 3.2 24 35 4.0 2.7 6.4 10 西アフリカ 5.2 4.4 5.4 27 石油天然ガス 石油天然ガス 2.5 4.1 石油天然ガス 石油天然ガス < 海底油田 ガス田からの生産の伸び > (2010 年実績 ( 青 ) と 2020 年予測 ( 赤 ) の比較 ) 単位 :( 石油 ) 百万バレル / 日 ( 天然ガス ) 十億立法フィート / 日 今後 世界の海底油田 ガス田からの生産が増加これに伴い 海洋開発用の船舶 海洋構造物等の市場拡大 2020 年 33 兆円 2030 年 50 兆円このうち これら構造物等に占める我が国の世界シェアは現在わずか 1% 出典 :Clarkson Research 資料 7

海洋開発用の船舶 海洋構造物 掘削用構造物 デッキの大きさ : 約 8,000~10,000 m2 常時 50~60 人の作業員が乗船 < メキシコ湾 > 油田 ガス田の掘削を行う海洋構造物 洋上で石油の生産 貯蔵を行う船舶 物資補給等を行う船舶 石油基地までの輸送を行う船舶 ( 現在世界に約 800 基 ) ( 現在世界に約 250 基 ) 8

総理のブラジル訪問に係る日伯戦略的グローバルパートナーシップ構築に関する共同声明 ( 平成 26 年 8 月 1 日於 : ブラジリア ) ( 抜粋 ) 両首脳は ( 中略 ) 海洋資源開発のための関連産業に関する協力を推し進めることで一致した 参考 : 我が国が参入を目指すブラジルの洋上ロジスティックハブシステム石油生産等に関する洋上の構造物 ( 沖合約 200~300km) と対岸の施設を結ぶ 人員 物資等輸送の洋上の中継基地 < 対岸 > < ロジスティックハブ > ヘリコプター < 洋上の構造物 > 安倍総理大臣とルセフ大統領 高速船 9

大陸棚の延長について 10

大陸棚の延長について ( 国連海洋法条約の関連規定の概要 ) 沿岸国が海底資源の開発等のための主権的権利を行使できる区域として 領海基線から200 海里までの区域 ( 領海を除く ) の海底及びその下を 大陸棚 と規定 ただし 大陸棚の範囲は 地形 地質的条件によっては 200 海里以遠に延長可能 大陸棚を延長するためには 沿岸国は 大陸棚限界委員会に対し 科学的 技術的な情報に基づき申請することが必要 大陸棚限界委員会は 申請を検討し 当該沿岸国に勧告を行う 勧告に基づき沿岸国が設定した大陸棚の限界は 最終的で拘束力を有する これらの規定は 大陸棚の境界画定の問題に影響を及ぼすものではない 大陸棚の概念図 領海 12 海里 大陸棚排他的経済水域 200 海里 棚 大陸棚 外側の限界は 1 と 2 の両方を越えてはならない 60 海里 1 領海基線から 350 海里 22500m 等深線から 100 海里 1 海里は 1,852m 領海基線 ( 低潮線 直線基線等 ) 堆積岩厚 (b)/ 脚部からの距離 (a) =1% 大陸斜面の脚部 ( 勾配が最も変化する点 ) 大陸棚 a b 200 海里を超えた大陸棚 11

我が国の大陸棚延長に向けたこれまでの流れ 平成 20 年 11 月大陸棚限界委員会へ申請 平成 24 年 4 月大陸棚限界委員会から勧告 平成 25 年 7 月勧告内容に関する質問を提出 平成 26 年 3 月質問に対する回答を受領 平成 26 年 7 月 4 日 大陸棚の延長に向けた今後の取組方針 決定 平成 26 年 9 月 9 日閣議決定 10 月 1 日施行 2 海域 (SKB ODR) における大陸棚の範囲を定める政令の制定 政令を制定した海域 関係国との調整を行っている海域 勧告が先送りされた海域 ( 約 25 万km 2 ) 大陸棚延長が認められた海域 ( 約 31 万km 2 ) 12

基本的な考え方 海洋基本計画 ( 平成 25 年 4 月 26 日閣議決定 ) においては 排他的経済水域等の確保 保全等の一環として 大陸棚の限界の設定に向けた対応を適切に推進することとされている これを踏まえ 大陸棚限界委員会から大陸棚延長を認める勧告を受けた海域について 条件が整ったものについては 速やかに国内法により担保する 他方 関係国との調整が必要な海域については これに着手するとともに 勧告が先送りされた海域については 早期に勧告が行われるよう努力を継続する 平成 26 年 5 月 19 日大陸棚審査助言会議 から 四国海盆海域及び沖大東海嶺南方海域について 大陸棚限界委員会の勧告に基づく大陸棚の範囲についての助言を受領 平成 26 年 7 月 2 日平成 26 年 7 月 4 日 大陸棚の延長に向けた今後の取組方針 政府内における検討の経過 総合海洋政策本部幹事会 ( 局長級 ) において次の政府方針案を確認総合海洋政策本部会合 ( 閣僚級 ) において次の政府方針を決定 ( ) 大陸棚限界委員会の審査への対応方針等について 専門的見地からの助言を行う有識者会議 取組方針 1 四国海盆海域及び沖大東海嶺南方海域については 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 2 条第 2 号に基づく政令の制定に速やかに着手する 2 小笠原海台海域及び南硫黄島海域については 関係国との間における必要な調整に着手し 当該調整を終了後 法第 2 条第 2 号に基づく政令の制定に速やかに着手する 3 九州 パラオ海嶺南部海域については 大陸棚の限界に関する委員会 により早期に勧告が行われるよう努力を継続する 13