一定以上所得者の利用者負担の見直し 平成 27 年 8 月施行 < 制度改正の趣旨 内容 > 高齢化の進展 介護費用の増加 制度の持続可能性を高める必要保険料の上昇を可能な限り抑える現役世代の過度な負担を避ける高齢者世代内で負担の公平化を図る 一定以上の所得がある第 1 号被保険者の利用者負担を2 割とする 第 2 号被保険者は対象としていない 第 2 号被保険者が第 1 号被保険者となった場合 65 歳となった翌月 (65 歳となった日が月の初日である場合はその月 ) 以降に対象となる 対象者 : 基準以上の所得を有する本人のみ ( 同一世帯に他の介護サービスの利用者がいても その利用者自身の所得が 基準以上でなければ その利用者は 2 割負担とはならない ) 具体的な判定基準 : ( 1) ( 2) ( 3) 1 合計所得金額 : 収入から公的年金等控除や給与所得控除 必要経費を控除した後で 基礎控除や人的控除等の控除をする前の所得金額 2 160 万円以上 : 被保険者の上位 20% に該当 3 346 万円 :280 万円 +5.5 万円 ( 国民年金の平均額 ) 12 346 万円 1 / 10
負担割合証の発行 : 認定者全員 (1 割負担の者も含む ) に交付 システムによる自動判定を行うため 本人の申請は不要 有効期間 8 月 1 日 ~ 翌年度の7 月 31 日 ( 毎年度発行 ) 様式 ( 予定 ) 審査支払での確認 : 国民健康保険団体連合会の審査支払においては保険者からの受給者情報と請求情報を突合し 利用者負担割合が一致しているか確認している 今回の利用者負担の変更も同様の仕組みにより突合する 給付額減額に係る負担割合は変更なし (3 割負担 ) 負担割合証は所得に基づく本来の負担割合 (1 割または 2 割 ) を記載 < 松山市での対応 今後の予定 > 認定者全員の住所地 ( 送付先を設定している場合は送付先 ) に負担割合証を送付します 平成 27 年 7 月中旬または下旬の発送を予定しています 2 / 10
特定入所者介護サービス費の見直し 平成 27 年 8 月 平成 28 年 8 月施行 < 制度改正の趣旨 内容 > 特別養護老人ホーム等の費用のうち 食費 居住費は本人の自己負担が原則 ( 平成 17 年 ~) 住民税非課税世帯の利用者については 申請に基づき 食費 居住費を補助する特定入所者介護サービス費を支給 特定入所者介護サービス費 本来の給付と異なった福祉的な性格 経過的な性格を持つ 1 食費 居住費を負担して在宅で生活する方との公平性を図る必要がある 2 預貯金等を保有し負担能力が高いにもかかわらず 保険料を財源とした補足給付が行われる不公平を是正する必要がある 下記の1~3の見直しを実施する ( 第 2 号被保険者も対象 ) 1 配偶者の所得の勘案 平成 27 年 8 月施行 ( 現行 ) 利用者本人及び世帯員が全て住民税非課税 特定入所者介護サービス費の対象 ( 見直し後 ) 同一世帯でない配偶者についてもその所得を勘案 配偶者が住民税課税者である場合 特定入所者介護サービス費の支給対象外 子どもなど その他の親族は勘案しない ( 配偶者は民法上他の親族の扶養義務より強い生活保持義務があると解されているため ) 配偶者の確認方法 : 申請書に配偶者 ( 氏名 生年月日 住所等 ) の欄を設け 申請に当たり記入 配偶者の有無を確認する必要がある場合 必要に応じて戸籍の照会を実施 事実婚の場合も 配偶者 に含める 例外事項 ( 勘案の対象外とする場合 ) 1DV 防止法に定める暴力があった場合 2 行方不明の場合 3その他これに準ずる場合 ( たとえば申請者自身がDV 加害者である場合など ) 幅広く解することは適当でない 3 / 10
課税層に対する特例減額措置 : 住民税課税世帯であっても 一定の要件に該当する場合には特例的に第 3 段階として補足給付を支給する制度要件 以下の1~6を全て満たしていること 1その属する世帯の構成員の数が2 以上 2 介護保険施設 ( 及び地域密着型介護老人福祉施設 ) に入所 入院し 利用者負担第 4 段階の食費 居住費を負担 3 世帯の年間収入から施設の利用者負担 (1 割負担 食費 居住費 ) の見込額を除いた額が80 万円以下 4 世帯の現金 預貯金等の額が450 万円以下 5 世帯がその居住用の用に供する家屋その他日常生活のために必要な資産以外に利用しうる資産を有していない 6 介護保険料を滞納していない 2 預貯金等の勘案 平成 27 年 8 月施行 勘案要素として 資産 を追加し 預貯金等を勘案する 基準額 : 単身の場合は 1,000 万円以下 夫婦の場合は 2,000 万円以下 ( 夫婦のとらえ方は 1 配偶者の所得の勘案の場合と同じ取扱い ) 施設に入所した時点で預貯金等が基準額を超えていても その後預貯金等が基準を下回った 場合は その時点で申請を行って給付を受けることが可能 4 / 10
預貯金等の範囲 : 資産性があるもの 換金性が高いもの かつ価格評価が容易なものを対象とする 価格評価を確認できる書類の入手が容易なものについては添付を求める 対象か否か 確認方法 預貯金 ( 普通 定期 ) 通帳の写し ( インターネットバンクであれば口座残高ページの写し ) 有価証券 ( 株式 国債 地方債 社債など ) 証券会社や銀行の口座残高の写し ( ウェブサイトの写しも可 ) 金 銀 ( 積立購入を含む ) など 購入先の購入先の銀行等の口座残高の写し ( ウェブ口座残高によって時価評価額が容易に把 サイトの写しも可 ) 握できる貴金属 投資信託 銀行 信託銀行 証券会社等の口座残高の写し ( ウェブサイトの写しも可 ) タンス預金 ( 現金 ) 自己申告 負債 ( 借入金 住宅ローンなど ) 借用証書など 生命保険 - 自動車 - 貴金属 ( 腕時計 宝石など 時価評価額の把握が困難であるもの ) - その他高価な価値のあるもの ( 絵画 骨董品 家財など ) - 適正な申告の確保方策 : 以下のような措置により適正な申告を担保する 預金通帳等の写し 預貯金通帳等の写しの添付を求める (1 銀行名 支店 口座番号 名義の分かる部分 2 最終の残高がわかる部分の写し ) 申請日の直近から 原則として2か月前までの期間とする 不正行為への加算金 給付した額の返還に加えて最大給付額の2 倍の加算金を課すことができる 申請書にも明記し周知を図る 金融機関への照会 銀行等への預貯金の照会を行うことが可能 申請書に 本人及び配偶者の同意記入欄を設ける ( 申請書の裏面を想定 ) 5 / 10
3 非課税年金の勘案 平成 28 年 8 月施行 ( 現行 ) 第 2 段階と第 3 段階は 課税年金収入及び合計所得金額の合計額で判定 ( 見直し後 ) 遺族年金及び障害年金といった非課税年金の額もこの額に含めて判定する 対象となる年金遺族基礎年金 障害基礎年金 ( 国民年金法 ) 遺族厚生年金 障害厚生年金 ( 厚生年金保険法 ) 遺族共済年金 障害共済年金 ( 共済各法 ) 非課税の恩給 勘案対象外 ( 国家補償の性格を有する年金制度であるため ) 判定方法 : 年金保険者から各市町村に 特別徴収対象者と同様に 国民健康保険中央会及び 国民健康保険団体連合会を経由して情報提供が行われ 判定する仕組みとする予定 非課税年金に関する情報提供の仕組みを構築する必要があるため システム改修等の関係から平成 28 年 8 月に施行する予定 見直し後の補足給付の判定フロー 対象外 補足給付の申請 所得要件 市町村民税非課税世帯であること 世帯分離していても配偶者が非課税であること 配偶者が住民税課税の場合は対象外 必要に応じ 戸籍等の照会を行う 住民税課税住民税非課税 資産要件預貯金等が一定額以下 ( ) であること 単身で 1000 万円 夫婦で 2000 万円以下を想定 預貯金 有価証券等の額を 通帳等の写しと共に申告 必要に応じ市町村は金融機関へ照会 不正受給に対するペナルティを設けることにより適切な申請を促す 一定額超の預貯金等あり預貯金等が一定額以下 対象外 補足給付 給付の段階設定の見直し 非課税年金の収入も第 2 段階の収入要件で考慮 平成 27 年 8 月施行平成 28 年 8 月施行 6 / 10
< 松山市での対応 今後の予定 > 負担限度額認定の更新申請のスケジュール ( 現段階の予定であり 今後変更がありうるものです ) 6 月 1 日 ( 月 ) 松山市 HPへの掲載 ( 更新申請の案内 申請書等の様式 ) 更新手続きについての通知文の発送対象 : 介護保険施設 ( 特養 老健 療養病床 ) 地域密着型特養居宅介護支援事業所地域包括支援センター 6 月 15 日 ( 月 ) ~ 平成 27 年度更新申請の受付期間 7 月 31 日 ( 金 ) 旧措置 社会福祉法人軽減についても 同様のスケジュールで対応する予定です 申請にあたっての留意点 申請書等の様式が変更になります 26 年度分 (~ 平成 27 年 7 月分 ) 旧様式を使用 ( 押印 添付書類は不要 ) 27 年度分 ( 平成 27 年 8 月分 ~) 新様式を使用 ( 押印 添付書類が必要 ) 同意書への押印と添付書類が必要になります 生活保護 境界層の場合は添付書類は不要です ( それぞれ独自の要件により資産も含めて補足給付の判定が行われているため ) 特例減額の申請にあたって収入申告書や収入等を確認できる書類の添付が必要です 詳しくは 松山市ホームページ ( 特例減額措置用収入申告書 ) をご覧ください 松山市ホームページ > くらしの情報 > 申請書ダウンロード > 福祉 > 介護保険 > 給付関係申請書 > 特例減額措置用収入申告書 7 / 10
制度改正により第 4 段階となる既入所者への配慮について ( お願い ) ( 介護保険最新情報 Vol.459 参照 ) 補足給付を受けながら介護保険施設に入所している既入所者について 今回の支給要件の見直しに伴い利用者負担第 4 段階と判定され 平成 27 年 8 月以降 食費 居住費の自己負担が増額となる方が生じることが想定されます こうした方について 負担増の激変緩和を図る観点から 各施設の判断により配慮措置 ( 食費 居住費の額を基準費用額を上限として設定する等 ) を講じていただくよう ご検討をお願いいたします ( 参考 ) 非承認になった場合の理由 ( 平成 27 年度 ~) (1) 平成 年度分市民税世帯非課税者に該当しないため ( 課税世帯のため ) (2) 同一世帯でない配偶者が市民税課税であるため 追加予定 ( 案 ) (3) 厚生労働省令で定める額以上の資産があるため 追加予定 ( 案 ) 申請手続きへの協力について ( お願い ) ( 介護保険最新情報 Vol.459 参照 ) 新たな記入欄を設けた申請書への記入 同意書への記入 押印 預貯金等の通帳の写しの添付 などの手続きが必要になりますが 各施設 事業者におかれましても 申請書 添付書類の提出の代行などの対応を講じていただくよう ご協力をお願いいたします 8 / 10
高額介護サービス費の見直し 平成 27 年 8 月施行 < 制度改正の趣旨 内容 > ( 現行 ) 介護保険の高額介護サービス費の限度額 ( 一般 世帯月額 37,200 円 )~ 制度創設時の医療保険の 医療保険の一般世帯の限度額は 高額療養費に合わせて設定 既に44,400 円に引き上げられている ( 見直し後 ) 一般世帯は引き続き37,200 円に据え置く一方 医療保険の現役並み所得に相当する人がいる世帯に限定し44,400 円に引き上げる 対象範囲 : 同一世帯内の第 1 号被保険者に現役並み所得者がいる場合 具体的な基準 : 所得基準 課税所得 145 万円を基準とする ( 高齢者医療と同様 ) ただし 同一世帯内の被保険者の収入が単身の場合 383 万円 2 人以上の場合 520 万円に満たない場合には 申請により 一般に戻す ( 現行 ) ( 見直し後 ) 自己負担限度額 現役並み所得 44,400 円 一般 37,200 円 ( 世帯 ) 一般 37,200 円 市町村民税世帯非課税等 24,600 円 ( 世帯 ) 年金収入 80 万円以下等生活保護被保護者等 15,000 円 ( 個人 ) 15,000 円 ( 個人 ) 等 < 松山市での対応 今後の予定 > 7 月上旬を目途に 一般 現役並み所得の判定を実施した上で 現役並み所得だが一般に戻る 可能性がある世帯に対し 基準収入額適用申請書 の申請を勧奨します 申請期限 : 平成 27 年 7 月 31 日 ( 金 ) 申請が遅れた場合は 申請があった月の翌月から一般に戻すことになります 9 / 10
その他 特別養護老人ホームの重点化について ( 介護保険最新情報 Vol.467 参照 ) 厚生労働省作成のリーフレットも参考に 特別養護老人ホームの重点化や特例入所についての周知 啓発にご協力ください 特別養護老人ホーム等の多床室における居住費負担の見直し 平成 27 年 8 月施行 多床室の室料相当分として 470 円 / 日が自己負担となります ただし 負担限度額 ( 第 1~ 第 3 段階 ) の認定を受けている入所者は 補足給付が支給されるため 居住費負担は増加しません < 特別養護老人ホーム 短期入所生活介護 ( 多床室 )> 基本報酬 47 単位 / 日減 居住費の基準費用額 470 円 / 日増 (370 円 +470 円 =840 円 ) 負担限度額 変更なし (370 円または0 円のまま ) 改正介護保険制度広報ポスター ( 厚生労働省作成 ) の配布について < 掲載内容 ( 予定 )> いずれも平成 27 年 8 月 1 日施行分の利用者負担に影響する内容です 1 利用者負担割合の引き上げ 2 高額介護 ( 予防 ) サービス費の負担限度額の引き上げ 3 補足給付の資産等勘案 4 特別養護老人ホーム等の多床室における居住費負担の見直し <その他 > B3サイズ( 予定 ) 市役所 地域包括支援センター 介護サービス事業所 施設等での掲示を想定 10 / 10