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第 9 回日本 TRIZ シンポジウム 2013 今 改めて 使えない TRIZ はない ~ ソリューションの中核手法として ~ 株式会社アイデア笠井肇

CONTENTS はじめに 02 使えないTRIZはない とは? 04 ソリューション の考え方 10 TRIZ 適用テーマ ( 課題 ) の分析 12 問題解決 への適用 13 性能向上 への適用 15 新方式の発掘 への適用 17 コストダウン への適用 19 小型 軽量 への適用 21 商品企画 への適用 23 まとめ 27 01

はじめに TRIZは思考プロセス 仕事のやり方を ~ 短時間に徹底的に合理的に解決 ~ 株式会社アイデアは日本の製造業が良い品質の製品を早く安く開発し世界一の製品作りができるよう TRIZを軸とした開発手法により皆様を援護します ( 会社案内より ) 02

背景 近年の TRIZ シンポジウムにおいて TRIZ の導入で先行する企業や研究会から効果的な あるいは簡便な TRIZ の適用方法が提言されている 株式会社アイデアは会社設立以来 多くの企業のプロジェクトコンサルティングの場で 使える TRIZ を提供してきた 今回 著者が直接支援させていただいた企業での適用実績に基づいて概観した分析を行い その結果をもって会社設立から 10 年経った節目として改めて 使えない TRIZ はない を提案させていただく 各企業での具体的製品やテーマ 検討内容については抽象化 一般化させて記述する 03

使えない TRIZ はない とは? 日本 TRIZ 協会が設立される前の 2003 年に IMC 社のユーザカンファレンスにおいて発表した題目 世界で一番の製品を創るために TRIZ を使って 偶然ではなく必然的にアイデアを創出 1 アイデアに量と質を生む アイデアに抜けがなく 的を射ている 多くのアイデアを容易に出せる 多くのアイデアを最良のコンセプトにまとめられる 2 モチベーションを Up させる 自社技術の強みを認識できる 創造的な洞察力が身につく 不可能という言葉を簡単に使わなくなる 04

2003 年 9 月発表スライドより抜粋 05

2003 年 9 月発表スライドより抜粋 06

抽出した根本原因から工学的矛盾 2003 年 9 月 -1/-2 を定式化して各種問題解決ツールにより豊富なアイデア出しを行う発表スライドより抜粋 (Principles Prediction ARIZ ) 困っている問題を矛盾の切り口で整理し TRIZ を適用 07

参考 基本的なプロジェクトコンサルのフロー テーマ決定 問題の本質化 ( 根本原因の抽出 ) 機能属性分析 根本原因抽出 原因 - 結果分析 工学的矛盾定義進化のレベル分析物理的矛盾定義 TRIZ によるアイデア出し 40 の発明原理によるアイデア出し 進化の法則 76 の標準解によるアイデア出し 分離の原則によるアイデア出し アイデアの連想と成長 /BS アイデアの整理 / 分類 アイデアの有効化 ( 選択と連結 ) コンセプトの絶対評価 サブシステムごとのアイデア結合 主システムのコンセプト生成 最終システムコンセプトの絶対評価 本フローは基本的な流れを示したものであり 個別テーマにおいては 目標達成志向として適宜修正や変更を行う 商品コンセプトの選定 08

矛盾マトリクスと発明原理の課題 工学的矛盾解決マトリクスの成立 アルトシューラーが 1960 年 ~1970 年にかけて世界中の特許データ約 40 万件を調査し その中から革新性の高い特許を約 4 万件に絞って詳細に調査する過程で開発 幾度かの改訂の末に 1971 年に現在のマトリクスが完成 工学的矛盾解決マトリクスの課題 現実の問題を矛盾マトリクスで対比できる 39 のパラメータに抽象化する作業がかなり難しく ある程度の慣れが必要 また慣れたとしても すべての問題にこのツールだけで対処するには無理があるので他の TRIZ のツールとの連携も必要 したがって これを有効活用するには 前段階で問題を単純化 ( 矛盾を明確に定義するなど ) しておくことが望まれる * 参考文献 : 理論編 クラシカル TRIZ の技法 日経 BP 社 09

ソリューション の考え方 初めに課題ありき 品質問題をはじめ 技術者の取り組む課題はさまざま そのさまざまな種類の課題に対して TRIZ が解決のためのヒントを提供してくれるか? YES! それは TRIZ だけの適用で可能か? YES & NO! 課題に応じた最適な解法を適用すべき TRIZ が保有する各種ツールを選択 目的に応じて関連手法を組合せて効率よく最適解に到達 QFD( 品質表 )-TRIZ VE-TRIZ KT 法 -TRIZ QFD( 品質表 )-TRIZ-TM TRIZ-TM コンセプト マイニング -TRIZ 10

TRIZ のツールと関連手法 ( 例 ) KT 法 (IS/IS NOT) TOC ( 制約理論 ) QFD( 品質表 ) VE ( 機能 - 系統図 ) 工学的矛盾矛盾マトリクス発明原理 物理的矛盾分離の原則 TRIZ 科学的 / 工学的効果 ARIZ 最小問題の定義究極の理想解 SLP 76 の発明標準解物質 - 場分析技術システム進化の法則 各種検索エンジン 意味検索 Google Yahoo 他 タグチメソッド ( パラメータ設計 ) 11

TRIZ 適用テーマ ( 課題 ) の分析 小型 軽量 (8 件 ) (7%) 商品企画 (4 件 ) (3%) コストダウン (8 件 ) (7%) 新方式の発掘 (26 件 ) 問題解決 (46 件 ) (39%) (22%) * テーマは著者が関わったプロジェクトコンサルのみ 2003 年 ~2013 年テーマ数 : 合計 119 件 性能向上 (27 件 ) (23%) 12

問題解決 への適用 問題解決 とは 製品システムにおいて 発熱 騒音 振動 不要輻射などの有害作用や 製品品質の不足 損傷などの問題 及び改善に対して悪化する特性が明確な場合 対策に急を要する場合が多く TRIZ の適用テーマとしても最も多い 適用テーマ ( 例 ) 製品駆動時の振動抑制 放射音の低減 発熱の防止 電子回路の不要輻射の低減 製造工程におけるトラブル対策 歩留まり改善 画面の輝度むらの改善 画像の揺れの改善 装置 部品などの不具合対策 13

問題解決 への適用フロー 問題の本質 ( 根本原因の抽出 ) TRIZ によるアイデア出し * 発明原理 アイデアの有効化 ( コンセプト生成 ) コンセプトの評価 1. テーマの確認 2. 原因 - 結果モデルの作成 3. 根本原因での工学的矛盾を定義 4. 発明原理を選定 5. アイデア出し 6. 創出アイデアの整理 分類 評価 7. アイデアの結合 8. 解決コンセプトの生成 9. コンセプトの評価 14

性能向上 への適用 性能向上 とは 製品システムが備えるべき基本機能の能力 (Performance) パソコンにおける処理速度やメモリ容量 ディスプレイにおける解像度などのように 市場において競合他社製品との競争関係にあるものが多い 適用テーマ ( 例 ) 診断装置の画質向上 撮影画像のクリア性の向上 製造工程での前処理の高速化 化学反応の高速化 ラジエータの冷却能力の向上 作動機構の長寿命化 シート状製品のしなやかさの向上 液体製品における不純物除去性能の向上 15

性能向上 への適用フロー 問題の本質 ( 目標性能の特定 ) TRIZ によるアイデア出し * 進化パターン アイデアの有効化 ( コンセプト生成 ) コンセプトの評価 1. テーマの確認 2. 向上させたい性能の明確化 3. 活用する進化パターンを選定 4. 現在の進化レベルを確認 5. アイデア出し 6. 創出アイデアの整理 分類 評価 7. アイデアの結合 8. 解決コンセプトの生成 9. コンセプトの評価 16

新方式の発掘 への適用 新方式の発掘 とは 従来の手段では限界に達していると想定される場合 あるいは別の機能を付加させたい場合の方式や構造の検討 携帯電話やカーナビゲーションの進化の過程で顕著に見られるように 新機能を取り込む場合に多い 技術システム進化の法則 6 上位システム移行 の概念 適用テーマ ( 例 ) 精度向上のための新方式の検討 新集光方式の検討 多層ディスクの新製法 手動機構の操作性の改善 内部応力を生じさせないグリップ方式の開発 リードタイム短縮のための新構造発掘 システムの寿命検出方法の検討 17

新方式の発掘 への適用フロー 問題の本質 ( 基本機能の確認 ) TRIZ によるアイデア出し * 科学的効果 アイデアの有効化 ( コンセプト生成 ) コンセプトの評価 1. テーマの確認 2. 機能モデルの作成 3. 実現させる機能の明確化 4. ツール ( 科学的効果集 ) を利用し機能項目で調査 5. アイデア出し 6. 創出アイデアの整理 分類 評価 7. アイデアの結合 8. 解決コンセプトの生成 9. コンセプトの評価 18

コストダウン への適用 コストダウン とは 市場価格の低下に直面しても収益を確保するためには コストダウンが喫緊の課題 多くの企業で VE によるコストダウンが進められており TRIZ の適用に際しては 通常のアプローチでは困難な高い目標が設定されることが多い 適用テーマ ( 例 ) コストダウンのための方式検討 コストダウンのための生産性の改善 コストダウンのためのリードタイム短縮 部品の内製化の検討 製造装置のコストダウン 製品のコストダウン 特殊部品のコストダウン 19

コストダウン への適用フロー 方針決定 問題の本質 ( 現状分析 ) TRIZ による簡略化 TRIZ によるアイデア出し * 科学的効果 * 発明原理 アイデアの有効化 ( コンセプト生成 ) コンセプトの評価 1. テーマ目標の設定 (Ex:50% 低減 ) 2. 機能モデルの作成 3. 構成要素へのコスト情報の付与 4. 構成要素 作用の削除 代替による簡略化 5. アイデア出し 6. 創出アイデアの整理 分類 評価 7. アイデアの結合 8. 解決コンセプトの生成 9. コンセプトの評価 20

小型 軽量 への適用 小型 軽量 とは 一時期の 軽薄短小 の流れとは別に 環境問題への対応としても小型 軽量化が重視される また 技術システム進化の法則 7 マクロからミクロへの移行 の概念にも通じるところがあり 機能の向上につながる 解決に向けたアプローチはコストダウンに類似する 適用テーマ ( 例 ) 製品の小型 軽量化 部品の小型化 操作部の小型 軽量化 生産設備の小型 軽量化 製品接地床面積の減少 駆動補助部分の小型化 薄型化 21

小型 軽量 への適用フロー 方針決定 問題の本質 ( 現状分析 ) TRIZ による簡略化 TRIZ によるアイデア出し * 科学的効果 * 発明原理 アイデアの有効化 ( コンセプト生成 ) コンセプトの評価 1. テーマ目標の設定 (Ex: 容積 重量 50% 低減 ) 2. 機能モデルの作成 3. 構成要素 作用の削除 代替 併合による簡略化 4. アイデア出し 5. 創出アイデアの整理 分類 評価 6. アイデアの結合 7. 解決コンセプトの生成 8. コンセプトの評価 22

商品企画 への適用 商品企画 とは ユーザニーズを発掘し それにふさわしい製品コンセプトを考案決定し 製品化への橋渡しを行う 対象とするユーザの使用状況を具体的に思い描き 潜在ニーズを探り出して競合他社を凌駕するような特長づけを行うこと 狩野の品質の二元性モデルでいう 魅力的品質 の抽出が成功の鍵 適用テーマ ( 例 ) 将来 ( 年後 ) の製品像の探索 製品システムの新たな価値創造 要素技術の用途探索 23

商品企画 への適用フロー (1) 方針決定 商品企画の検討 * 品質表 商品コンセプトへの課題の特定と分析 TRIZ によるアイデア出し * 発明原理 * 進化パターン * 科学的効果 アイデアの有効化 1. テーマ設定 (Ex: 次世代型 機の商品企画 ) 2. 既存商品の顧客ニーズ ウォンツの分析 商品コンセプトの設定 3. 商品コンセプトの実現に向けた技術課題の特定 * QFD( 品質表 ) 顧客要求品質1 技術特性 3 2 ベンチマーク顧客重要度狙う品質設計品質 コンセプトの評価 主要特性目標重点項目 24

商品企画 への適用フロー (2) 方針決定 商品企画の検討 * 品質表 商品コンセプトへの課題の特定と分析 TRIZ によるアイデア出し * 発明原理 * 進化パターン * 科学的効果 アイデアの有効化 コンセプトの評価 1. テーマ設定 (Ex: 次世代型 機の商品企画 ) 2. 既存商品の顧客ニーズ ウォンツの分析 商品コンセプトの設定 3. 商品コンセプトの実現に向けた技術課題の特定 4. アイデア出し 5. 創出アイデアの整理 分類 評価 6. アイデアの結合 7. 解決コンセプトの生成 8. コンセプトの評価 25

適用フローのまとめ ( アイデア出しまで ) 5 小型 軽量 目標値を定めて機能モデルを作成 システム簡略化のアイデア出し 4 コストダウン 目標値を定めて機能モデルを作成 構成要素にコストを付与してシステムを簡略化 3 新方式の発掘 機能モデルで実現させたい機能を明確化し その機能項目で科学的効果から新方式のアイデアを検討 6 商品企画 2 性能向上 QFD( 品質表 ) による顧客要求の分析から商品コンセプトを設定 技術課題の解決へのアイデア出し 1 問題解決 望ましくない事象の根本原因を特定し 矛盾マトリクスから発明原理を選定してアイデア出し 向上させたい性能を明確化して活用する進化パターンを選定 現在の進化レベルをもとにアイデア出し 26

まとめ ソリューションの中核手法 としての TRIZ バラツキを抑えた最適設計で高品質確保 Taguchi Method 顧客ニーズ QFD ( 品質表 ) 顧客の声を製品機能に展開して開発目標設定 コストダウン 技術課題を解決するアイデア出し ~ コンセプト生成 TRIZ 問題解決 小型 軽量 性能向上 商品企画 新方式の発掘 27

まとめ ソリューションの中核手法 としての TRIZ バラツキを抑えた最適設計で高品質確保 Taguchi Method 技術課題を解決するアイデア出し ~コンセプト生成 顧客ニーズ TRIZ QFD ( 品質表 ) 顧客の声を製品機能に展開して開発目標設定 問題解決 性能向上 コストダウン 新方式の発掘 小型 軽量 商品企画 ご清聴ありがとうございました! 27