大規模災害時における被災自治体の支援

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地震発生後の九州地方整備局の活動 4 月 16 日の夜明け 本震の後に再度調査を実施しておりま す その際は 道路崩壊の調査 土砂崩壊の箇所の調査 被 災地に入るための安全ルートの確認等を実施しております 次に九州地方整備局の活動について紹介させていただき ます まず最初に地震発生後の初動体制につい

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

熊本地震の緊急調査報告


 

過去に官邸対策室を設置した事例 2 平成 18 年 7 月 5 日 北朝鮮による飛翔体発射事案に関する官邸対策室設置北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に関する官邸対策室に名称変更 10 月 9 日 北朝鮮による核実験実施情報に関する官邸対策室設置 平成 19 年 3 月 25 日 石川県能登を中心とす

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TEC-FORCE 制度の概要 TEC-FORCE( 緊急災害対策派遣隊 ) とは大規模自然災害が発生し 又は発生するおそれがある場合において被災地方公共団体等が行う 被災状況の迅速な把握 被害の発生及び拡大防止 被災地の早期復旧その他災害応急対策に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施することを目

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熊本地震に対する四国地方整備局の対応状況 ( 平成 28 年 5 月 9 日現在 ) 被災地への支援 1) 四国地方整備局支援対策本部の設置四国地方整備局では 4 月 14 日 ( 木 ) に支援対策本部 ( 本部長 : 四国地方整備局長石橋良啓 ) を設置し 被災地域への支援を行っています 2)

東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

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平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

国土技術政策総合研究所 研究資料

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22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

南海トラフ巨大地震における TEC-FORCE 活動計画 ( 受援計画 ) の概要 別紙 P1 国土交通省では 南海トラフ巨大地震による広範囲の被害に備え 発災後速やかに全国の TEC-FORCE を被災地に派遣 支援することを規定 中部地方整備局では 迅速かつ的確な派遣と応急対策活動を実現するため

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平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

第 1 章熊本地震の概要 執筆 : 阿部直樹 ( 国立研究開発法人防災科学技術研究所 ) 1-1 熊本地震動の概要 2016 年 4 月 14 日 21 時 26 分頃 熊本県熊本地方の深さ約 11km を震源とする M6.5 の地震が発生し 熊本県上益城郡益城町において震度 7を観測した また約

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

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特集大規模自然災害からの復旧 復興 参考 警察が検視により確認している死者数 50 名 災害による負傷の悪化または避難生活等における身体的負担による死者数 106 名 6 月 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震と関連が認められた死者数 5 名建物被害全壊 8,360 棟, 半壊 3

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

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平成17年7月11日(月)

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アンケート調査結果

平成16年新潟県中越地震 JR西日本福知山線列車事故 16年10月23日に発生した新潟県中越地震は 死者68人 災害関連死を含む という被害を もたらしました この地震を契機に 警察では 極めて高度な 救出救助能力を必要とする災害現場において 迅速かつ的確に被災者の救出救助を行う専門部 隊として 1

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< ( 平成 29 年 9 月分 )> 2010 年平均 =100 ブロック別 北海道地方 東北地方

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

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日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第十報

【H30】水難年報(H29)本文

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(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

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(別紙1)

関東 優良産廃処理業者認定制度で優良認定を受けている許可証 組合員都道府県 許可地域組合員名所在地 茨城県 黒沢産業 ( 株 ) 茨城県 関 茨城県 茨城県 ( 株 ) マツミ ジャパン 茨城県 茨城県 ( 株 ) 国分商会 埼玉県

これだけは知っておきたい地震保険

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れました また, 当フォーラムに将来の建設技術者を目指す若い学生が多数参加することを紹介し, 今後想定される大規模災害への備えとして, 災害に強い国作り, インフラの老朽化対策などの国土強靱化を促進する上でも, これらの方々の活躍なくしては成立しない これら若い技術者の方を含めて産学官の連携を深め,

スライド 1

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建設工事受注動態統計調査報告 ( 平成 26 年度計分 ) 公共機関からの受注工事 (1 件 500 万円以上の工事 ) 時系列表については,9,10 ページ参照 26 年度の公共機関からの受注工事額は 16 兆 2,806 億円で, 前年比 4.3% 増加した うち 国の機関 からは 5 兆 7,


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元請建設企業のみなさんへ 公共工事等の受注に伴い 保証人 不動産担保なく 融資を受けたいときは 地域建設業経営強化融資制度 公共工事等の請負代金債権を担保に 低利で融資を受けられます 未完成部分の施工に要する資金も融資を受けやすくなります! 制度の概要 受注した公共工事の出来高が5 割に達した場合

平成 22 年第 2 四半期エイズ発生動向 ( 平成 22(2010) 年 3 月 29 日 ~ 平成 22(2010) 年 6 月 27 日 ) 平成 22 年 8 月 13 日 厚生労働省エイズ動向委員会

4:10 防災科学技術研究所第 2 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 9:34 防災科学技術研究所第 3 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 11:50 防災科学技術研究所職員が熊本県庁 ( 熊本県災害対策本部 ) に到着 16:00


00 表紙・目次

表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

129

分野毎の検討における体制・検討フロー(案)

( 熊本県防災情報メールサービスに関すること ) 熊本県危機管理防災課電話

災害復旧制度の目的と沿革 目的 自然災害により被災した公共土木施設を迅速 確実に復旧する 対象施設 河川 海岸 砂防設備 林地荒廃防止施設 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路 港湾 漁港 下水道 公園 沿革 古くは明治 14 年より予算補助の形での国庫補助 明治 32 年 災害準備基金特別

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

Microsoft Word - 認知度調査HP原稿

30 第 1 部現地における災害応急活動 阿蘇大橋付近の被害状況 ( 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 ) 熊本城の被害状況 ( 熊本県熊本市 ) 2

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

溶結凝灰岩を含む火砕流堆積物からなっている 特にカルデラ内壁の西側では 地震による強い震動により 大規模な斜面崩壊 ( 阿蘇大橋地区 ) や中 ~ 小規模の斜面崩壊 ( 南阿蘇村立野地区 阿蘇市三久保地区など ) が多数発生している これらの崩壊土砂は崩壊地内および下部に堆積しており 一部は地震時に

統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

2 受入施設別献血量 ( 推計値 ) ブロ都ック道府県 合計 全国血液センター献血者数速報 (Ⅰ) 血液センター 平成 30 年 12 月分 L % L % 日 L L % 日 L L % 台 L L % 台 L 8, ,768

国土技術政策総合研究所 研究資料

ぐに花粉の飛散シーズンに入らなかったのは 暖冬の影響で休眠打破が遅れたことが影響していると考えられます ( スギの雄花は寒さを経験することにより 休眠を終えて花粉飛散の準備に入ると言われています ) その後 暖かい日や風が強い日を中心にスギ花粉が多く飛びましたが 3 月中旬には関東を中心に寒い日が続

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平成 26 年 3 月 28 日 消防庁 平成 25 年の救急出動件数等 ( 速報 ) の公表 平成 25 年における救急出動件数等の速報を取りまとめましたので公表します 救急出動件数 搬送人員とも過去最多を記録 平成 25 年中の救急自動車による救急出動件数は 591 万 5,956 件 ( 対前

住宅着工統計による再建築状況の概要 ( 平成 1 9 年度分 ) 国土交通省総合政策局情報安全 調査課建設統計室 平成 20 年 11 月 5 日公表 [ 問い合わせ先 ] 担当下岡 ( 課長補佐 ) 遠藤( 建築統計係長 ) 中村 TEL ( 代表 ) 内線

平成 26 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

平成28年熊本地震による土砂災害の発生状況 平成28年7月14日10:00現在 土砂災害発生件数 190件 土石流等57件 地すべり10件 がけ崩れ123件 土砂災害による死者数 9名 特に被害の著しい南阿蘇村周辺 阿蘇大橋地区全景 あそおおはし (1)阿蘇大橋地区(南阿蘇村) 直轄砂防事業により斜

学校安全に関する参考資料1-15

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公文書管理条例等の制定状況調査結果 平成 3 0 年 3 月総務省自治行政局行政経営支援室

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

( 図表 1) 特別養護老人ホームの平米単価の推移 ( 平均 ) n=1,836 全国東北 3 県 注 1) 平米単価は建築工事請負金額および設計監

3. 下水道の整備状況平成 30 年 3 月 31 日現在 県内では 20 市町のうち 11 市 6 町で公共下水道事業が実施されており 17 の市町で供用されています しかしながら 愛媛県の下水道普及率は 53.7% と全国第 38 位となっており まだまだ遅れています 瀬戸内海や宇和海などの豊か

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佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

目次 平成 30 年 6 月環境経済観測調査地域別統計表 ページ 表 A 地域別対象企業数及び回答率 1 表 1-1 我が国の環境ビジネス全体の業況 主業別 2 表 1-2 発展していると考える環境ビジネス 4 表 2-1(1) 現在行っている環境ビジネス数 主業別 6 表 2-1(2) 現在行って

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大規模災害時における被災自治体の支援 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

目次 1 緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) 2 国土交通省による直轄事業の実施 災害復旧事業の代行 1

1 緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) 2

緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の概要 TEC-FORCE とは TEC-FORCE(Technical Emergency Control FORCE): 緊急災害対策派遣隊 大規模自然災害への備えとして 迅速に地方公共団体等への支援が行えるよう 平成 20 年 4 月に TEC-FORCE を創設 TEC-FORCE は 大規模な自然災害等に際して 被災自治体が行う被災状況の迅速な把握 被害の拡大の防止 被 災地の早期復旧等に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施 本省災害対策本部長の指揮命令のもと 全国の各地方整備局等の職員が活動 国土交通省各組織の職員合計 7,939 名 ( 平成 28 年 4 月現在 ) を予め任命 活動内容 災害対策用ヘリコプターによる被災状況調査市町村へのリエゾン派遣被災状況の把握 災害対策用ヘリコプター あおぞら号 H27.9 関東 東北豪雨 ( 茨城県常総市 ) H27.5 口永良部島の火山活動 ( 鹿児島県屋久島町 ) H26.8 広島土砂災害 ( 広島県広島市 ) Ku-SAT による監視体制確保自治体への技術的助言排水ポンプ車による緊急排水捜索活動への技術的助言 Ku-SAT: 小型衛星画像伝送装置 H26.9 御嶽山の噴火 ( 長野県王滝村 ) H28.4 熊本地震 ( 熊本県庁 ) H27.9 関東 東北豪雨 ( 宮城県栗原市 ) H28.4 熊本地震 ( 熊本県南阿蘇村 ) 3

緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の隊員数 TEC-FORCE 隊員は全国の地方整備局を主体に任命されており災害の規模によっては全国から集結 ほか 国土交通省本省 地方運輸局等 国土技術政策総合研究所 気象庁 国土地理院から構成されており 専門性を活かした調査 技術指導等による自治体支援を実施 本省 (93 名 ) 地方運輸 航空局 (272 名 ) 国土技術政策総合研究所 (130 名 ) 北海道開発局 579 名 地方整備局等 (7,444 名 ) 沖縄総合事務局 40 名 TEC-FORCE 登録隊員構成 平成 28 年 4 月現在計 7,939 名 ( 国土地理院 気象庁は事前任命がないため グラフに含まれない ) 中国地方整備局 811 名 近畿地方整備局 844 名 北陸地方整備局 600 名 東北地方整備局 643 名 関東地方整備局 1,418 名 九州地方整備局 712 名 四国地方整備局 432 名 中部地方整備局 1,365 名 4

緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の派遣の仕組み 大規模な災害時 要請 被災地方整備局だけで対応出来ない場合 国土交通本省 ( 災害対策本部 ) 中小規模の災害時 指示 被災地方整備局等 ( 災害対策本部 ) 応援地方整備局等 ( 応援対策本部 ) 要請 派遣 被災自治体等の要請を受け 被災地整災害対策本部の指示により TEC-FORCE を派遣し 被災自治体等を支援 災害状況によっては 被災自治体等からの要請を待たずに派遣 被災した地方自治体等 広域派遣 本省災害対策本部の指示により TEC-FORCE を広域派遣し 被災地整災害対策本部の指揮の下 被災した地方自治体等を支援 5

緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の派遣実績 ( 平成 28 年 4 月熊本地震 ) 地震発生後の 15 日には九州地整のほか 近畿 中国 四国地整の TEC-FORCE が九州へ入り活動を開始 全国の地方整備局等から日最大 440 人の隊員を派遣 リエゾンが収集した被災状況 支援ニーズに関する情報をもとに TEC-FORCE が自治体所管施設の被害状況調査を迅速に実施 航空写真による被害判読等とあわせ 激甚災害指定に係る所要期間 の短縮に貢献 4 月 25 日閣議決定 新潟県中越地震 34 日間 今回 9 日間 余震や降雨に伴う二次災害の発生を防ぐため 緊急度の高い 1,155 箇所の土砂災害危険箇所を 9 日間で点検し 4 月 28 日に県知事 13 市町村長等へ報告 道路陥没や土砂崩落等によって通行不能となった県道 市町村道の応急復旧を行い 熊本市内から南阿蘇方面への道路啓開など 緊急車両の通行を迅速に確保 二次災害が懸念される箇所については 地方整備局が保有するドローンによる調査や無人バックホウによる土砂撤去を実施するなど 先端的な災害対策用機器を駆使した活動を展開 自治体所管施設の被害状況調査土砂災害危険箇所の点検道路啓開による緊急車両の通行確保 道路啓開状況 道路施設の被害状況調査 ドローン調査 土石流危険渓流の点検 南阿蘇方面への通行を確保 ( グリーンロード南阿蘇 ) 先端的な災害対策機械を駆使した活動 無人バックホウで土砂撤去を実施 ( 南阿蘇村 ) 救助部隊への技術的助言 首長に調査結果を報告 熊本県知事に報告 6

緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の派遣実績 ( 平成 28 年 4 月熊本地震 ) 本震 (4/16) 当日 TEC-FORCE 計 223 名を派遣 市町村等にリエゾン 49 名を派遣 ヘリ 3 機が現地調査 派遣人数 ( 人 / 日 ) 500 450 本震翌日 TEC-FORCE 計 279 名を派遣 市町村等にリエゾン 40 名派遣 夜間照明確保のため照明車 22 台派遣 通信確保のため衛星通信車 4 台派遣等 TEC-FORCE 派遣者数 (~5/25) 日最大 440 名 本震後 1 ヶ月間 被災状況調査を迅速に終え 地方整備局による TEC 活動が終了 本格的な復旧 復興に移行 TEC-FORCE ののべ派遣人数は 8,183 人 日 リエゾンと合わせると約 10,000 人 日を派遣 のべ派遣人数 ( 人 日 ) 10,000 9,000 400 8,000 350 300 250 200 150 100 50 専門家国土地理院沖縄総合事務局九州地方整備局四国地方整備局中国地方整備局近畿地方整備局中部地方整備局北陸地方整備局関東地方整備局東北地方整備局北海道開発局国土交通本省のべ派遣人数 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 0 7

( 参考 ) 緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE) の派遣実績 TEC-FORCE は平成 20 年度発足以来 東日本大震災や熊本地震をはじめ 64 の災害に対し のべ 5 万人 日を超える地方整備局などの職員により被災地支援を実施 20 16 12 派遣回数 ( 回 ) 8 4 派遣回数 派遣のべ人数 平成 28 年 10 月 24 日時点 4 回 23,648 人 日 派遣総数のべ 57,469 人 日 岩手宮城内陸地震 岩手沿岸北部地震 7/28の大雨 8 月末豪雨 7/6~7の大雨 9/2~3の大雨 中国 九州北部豪雨 駿河湾沖を震源とする地震 台風 9 号 5 回 7/16の大雨 台風 9 号 奄美地方の大雨 3 回 東日本大震災 新潟 福島豪雨 台風 12 号 上越市板倉地区地すべり 4 回 淡路島地震 三宅島近海地震 浜松市地すべり 福岡県岡垣町町道法面崩壊 静岡県西伊豆町豪雨 宮城県栗原市大雨 山口県 島根県大雨 岩手県 秋田県大雨 糸魚川市地すべり 三条市地すべり 5 月低気圧 台風第 4 号 6 月末梅雨前線 九州北部豪雨 8 月前線 7 回 島根県大雨 台風 18 号 台風 26 号 台風 27 号 秋田市突風 秋田県由利本荘市道路工事事故 北海道福島町土砂崩れ 北海道 東北 関東甲信越等雪害 16 回 6 月前線等 台風 8 号及び梅雨前線 台風 12 号及び 11 号の大雨等 8 月豪雨 ( 京都福知山等 ) 8 月豪雨 ( 広島土砂災害 ) 御嶽山の噴火 台風 18 号 台風 19 号 長野県北部を震源とする地震 徳島県豪雪 6,137 人 日 10 回 4,497 人 日 北海道羅臼町土砂崩落 口之永良部島の火山活動 6/24 から続く梅雨前線 大分県南部を震源とする地震 台風 11 号による大雨等 台風 15 号及び 16 号による大雨等 関東 東北豪雨 台風 21 号 台風 23 号 1/23 からの大雪等 京都府宮津市河道閉塞 11 回 派遣のべ人数派遣隊員数 ( 人 日 ) 15,061 人 日 4 回 25,000 20,000 15,000 10,000 熊本地震 北日本を中心とする 20 日からの降雨 台風 10 号 鳥取県中部を震源とする地震 5,000 0 1,894 人 日 1,248 人 日 3,228 人 日 449 人 日 1,307 人 日 0 平成 20 年度平成 21 年度平成 22 年度平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度 平成 28 年 10 月 24 日時点速報値 派遣年度 8

( 参考 ) 国土交通省が保有する災害対策用機材 大規模な災害には全国の機材が集結し支援を行います 平成 28 年 4 月 1 日現在 ( 単位 : 台 ) 地整等 災害対策用ヘリコプター 遠隔操作式バックホウ 遠隔操縦装置 ( ロボ Q) 衛星通信車 Ku-SAT 排水ポンプ車 照明車 対策本部車待機支援車 北海道 1 1 4 14 27 15 8 東北 1 2 4 19 45 29 10 関東 1 2 9 29 41 41 25 北陸 1 3 4 20 40 37 12 中部 1 2 6 17 37 34 15 近畿 1 1 7 21 35 28 17 中国 1 1 2 5 16 33 24 6 ヘリは四国 中国 四国 2 1 5 8 33 28 11 地整とで共同管理 九州 1 2 6 4 16 60 24 9 沖縄 0 0 1 6 1 3 1 計 8 16 9 49 166 352 263 114 備 考 災害対策用ヘリコプター 遠隔操作式バックホウ 衛星通信車 排水ポンプ車 照明車 H28.4 熊本地震 H28.4 熊本地震 ( 熊本県南阿蘇村 ) H28.4 熊本地震 ( 熊本県南阿蘇村 ) H27.9 関東 東北豪雨 ( 茨城県常総市 ) H28.4 熊本地震 ( 熊本県益城町 ) その他の機材 小型ドローン 土のう造成機 応急組立橋 散水車 橋梁点検車 側溝清掃車 路面清掃車など 9

2 国土交通省による直轄事業の実施 災害復旧事業の代行 10

国土交通省による直轄事業の実施 災害復旧事業の代行 熊本地震により被災した阿蘇大橋地区等において 無人機械を用いた施工など高度な技術が必要である箇所や甚大な被害が生じている箇所について 直轄事業 災害復旧の代行を実施 国が直轄砂防事業 ( 斜面対策 ) 直轄代行事業 ( 一般国道 325 号 ) として実施 阿蘇大橋地区被災状況 無人化施工による崩壊斜面における土留盛土工施工状況 大規模災害復興法に基づき 国が災害復旧を代行 ( 村道栃の木 ~ 立野線 県道熊本高森線 ) 阿蘇長陽大橋被災状況 俵山トンネル被災状況 11