(3) 内容ア授業改善 E 学級の実態として 好奇心旺盛で元気いっぱいの子どもたちであるが 基礎学力の定着と子どもたちの特性に合った授業展開に課題がみられた また 授業に集中できにくく勝手な言動が多い A 児や手遊びが多く授業のスタートがそろいにくい B 児 学習内容の理解に苦戦している C 児に重

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3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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PowerPoint プレゼンテーション

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

解答類型

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

第4学年算数科学習指導案

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

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2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

< F31322D C8E825693FA8A778F4B8E7793B188C42E6A7464>

自己紹介をしよう

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

国語科学習指導案様式(案)

第5学年  算数科学習指導案

5. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 小数 整数の意味を考えよう 小数 整数の計算の仕方を見つけ 計算できるようになろう 子どもに事前に知らせる どうまとめるのか 何を ( どこを ) どうするのか ( 作業 教える 考えさせる ) 何についてまとめるのか 1. 小数 整数の

○数学科 2年 連立方程式

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

生徒指導の役割連携_四.indd

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

指導方法等の改善計画について

Taro-研究集録H25.jtd

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

H30全国HP

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児童の実態に応じた取り組みであり, 学ぶ意欲や思考力を高める上からも意義深い (4) これまでの研究の経過から本校は平成 23 年度から, 算数科を研究領域とした研究に取り組み, 子どもの主体的な学びと算数的活動を重視した学び合いを通して, わかる できる 喜びを味わう子どもの育成に取り組んできた

(3) 本題材の系統と他教科等との関連は 次のとおりである 学級活動 5 月シンボルマークを決めよう 6 月みんなで雨の日を楽しく過ごそう 6 月本題材 9 月 2 学期がんばろう会をしよう 他教科等との関連 道徳 わけっこしよう ( 友情 ) 道徳 どうしたらいいのかな ( 親切 ) (4) 指導

いろいろな衣装を知ろう

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

Microsoft Word - 研究の概要他(西小) 最終

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

実践 報告書テンプレート

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

2 単元の構想 本単元の目標 関心 意欲 態度 平均を用いることのよさに気付き, 進んで身近な事柄の考察や表現に用いようとする 見方や考え方 平均の考えを用いて, 身近な事柄について考えたり, 表現の仕方を考えたりすることができる 技能 平均を求めたり, 平均から全体を求めたりできる また, それを

中学校 (3 年 ) 国語では A( 知識問題 ) は ほぼ全国平均なみです B( 活用問題 ) は 課題が見られます 数学では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともに 課題が見られます 国語 A( 知識に関する問題 ) 国語 B( 知識を活用する問題 ) 言語事項は ほぼ全国平均なみです

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

国語 B 柏原 埼玉県 全国 話すこと 聞くこと 書くこと 読むこと 算数 A 柏原 埼玉県 全国 数と計算 量と測定 図形 数量関係 算数 B 柏原 埼玉県 全国

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

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平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

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案3                            ⑤なかまの誘い方(小学校低学年)

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (


3/3 研究推進委員会

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

研究紀要第241号

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

活動の流れ 1 4 人のグループに分かれ テーマを決める 校内の施設紹介 学校行事 クラブ活動 時間割など 2 各グループで実施計画を立てる 3 動画を撮影する 4 写真を使って動画を作成する 動画の長さは 1 人 2~3 分とし 全員が発表できるように 分担 を決める 5 必要な語いや表現を調べる

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

西ブロック学校関係者評価委員会 Ⅰ 活動の記録 1 6 月 17 日 ( 火 ) 第 1 回学校関係者評価委員会 15:30~ 栗沢中学校 2 7 月 16 日 ( 水 ) 学校視察 上幌向中学校 授業参観日 非行防止教室 3 9 月 5 日 ( 金 ) 学校視察 豊中学校 学校祭 1 日目 4 9

算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

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平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

今年度の校内研究について.HP

Transcription:

小学校におけるユニバーサル授業実践に基づいた 特別支援教育の確立に関する研究 高知大学大学院総合人間自然科学研究科教育学専攻特別支援教育コース是永研究室是永かな子 四万十市立具同小学校教諭宮上美智子 1 はじめに平成 24 年 12 月に文部科学省が公表した 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果 によると 学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は 全体の 6.5% という数値が報告され約 66 万人に何らかの支援が必要だと捉えられている 今日の教育現場が抱える喫緊の課題として 小学校においては 通常の学級担任が発達障害等のある子どもへの特性に応じた指導 支援に悩んでいる現状がある 1 授業中の私語 立ち歩き等がみられ 教員の経験年数に関係なく授業が成立しない または 学級が崩壊していく事例が多くなっている 今まで培われてきた指導力のみでは太刀打ちができず 困ったり疲れ果てていたりする教員も少なくない これは 子どもの努力不足や保護者のしつけが原因ではなく 障害の特性に起因するものだと捉え 子どもの実態に即した指導や支援を行うことが大切になる しかし 担任一人の力で 全体指導の中で個別に支援することには限界もある 2 だからこそ 子どもたちが一日の大半を過ごしている日々の授業において 子ども一人ひとりの特性をふまえ ユニバーサルデザインの視点に立った誰にとっても分かりやすい授業づくりが求められている 2 研究の目的本研究では 小学校の通常の学級におけるユニバーサルデザインに基づいた授業づくりによる特別支援教育の確立について 1 小学校に注目し考察する 具体的には 授業観察や学習指導案を作成しながら授業改善を行い どのような支援が必要かを検討する また ユニバーサルデザインに基づいた授業づくりチェックリスト や SDQ アンケート を行い 教員や子どもの変容について考察する 3 研究内容 (1) 対象特別支援教育に取り組んでいる D 小学校の教職員と子どもを対象に研究する 特に 一つの学級に介入し 学習面 行動面につまずきのある A B C 児を中心に集団と個別の支援を検討する (2) 方法平成 26 年 4 月 ~ 平成 26 年 12 月まで 毎週 1 回学校を訪問しながら以下に取り組んだ まず ユニバーサル授業実践の前に児童観察 実態把握を行った 次に 授業改善を視点に置き日々の授業を観察後 子どもたちの良いところ や担任の良かった支援や考えられる支援について検討し 授業記録として残した 研究授業の教材研究や学習指導案作成にもかかわり 授業評価表の分析を行った また 子どもたちの特性に合った教材 教具についても検討した アセスメントとして ユニバーサルデザインに基づいた授業づくりチェックリスト を全教員対象に 4 月と 11 月に行い その変容をみた また SDQ アンケート を全教員 5 6 年児童 保護者を対象に 5 月に実施し 子どもたちの支援ニーズを把握したうえで それぞれに合わせた支援を続けた 11 月に 2 回目の SDQ アンケート を行い 支援ニーズの変容をみた 個別の指導計画については 全学年で作成に着手した 1

(3) 内容ア授業改善 E 学級の実態として 好奇心旺盛で元気いっぱいの子どもたちであるが 基礎学力の定着と子どもたちの特性に合った授業展開に課題がみられた また 授業に集中できにくく勝手な言動が多い A 児や手遊びが多く授業のスタートがそろいにくい B 児 学習内容の理解に苦戦している C 児に重点的な支援が必要であることが確認された そこで 一人ひとりに活躍の場面があり 分かる できる という達成感のもてる授業づくりをめざして授業改善に取り組んだ さらに 放課後 担任と 1 日の授業のふり返りを行い よりよい支援について検討した 子どもたちの良いところ を集団と A B C 児について確認し 担任の良かった支援と考えられる支援について話し合いながら授業記録に残し 次の日の授業に活かしていく方法をとった 表 1 授業記録の一部クラス 子どもの良いところ ペア対話のときの表情がよく ノートを見せたり 指さししたりしながら説明できる B は うれしそうに指さししながら話す C は 話型にそって話す 頑張ってほしいところ 行った支援〇 (TT) 聞いた後は 反応する 〇 わかりました 私と同じです 私と似ています なぜ~ですか を返すと分かりやすいことを伝える A は ペア対話にとりかかりにくい 〇順番を決めて取りかからせる ( 廊下側から 校庭側から ) 支援方法 ( 良かった支援 考えられる支援 ) ペア対話 上手になってきたね や 指さししながら ノートを見せながら 等 具体的に話したので 子どもたちが行動に移せた 評価の工夫 活動内容の工夫 人とのかかわり場面をつくる 活動内容の工夫 (SDQ で 向社会性 High Need 多動 不注意 High Need) 聞き終わったら 必ず反応する約束をつくる このように 話し合ったことをすぐに実践する担任の授業は 日々変化していった 最初は 黒板からあまり離れることなく授業が展開され 子どもたちに注意する言葉が多かったが 子どもたちのそばに行き できているかどうかを確認したり子どもとやりとりしたりしながら机間指導することが増えた また 子どもたちの良いところを見つけ褒めることが多くなっていった さらに 学習活動の提示で見通しを持たせたり名前を呼んで説明したりするなど 子どもたちの特性に合わせた授業展開が工夫されていった ( ァ ) 研究授業学習指導案の中に 予想される児童のつまずき と ユニバーサルデザインを取り入れた支援 として高知県教育委員会が作成している すべての子どもが 分かる できる 授業づくりガイドブック 3 の中の 5 つのユニバーサルポイント 環境の工夫 情報伝達の工夫 活動内容の工夫 教材 教具の工夫 評価の工夫 等について明記し ニーズの高い子どもを想定した重点的支援を行った 表 2 の形式で学習指導案を作成し 7 月に研究授業を行った 授業後の研究協議は 小グループに分かれ 5 つのユニバーサルポイントにそって話し合ったあと全体で共有した 良かった支援として 黒板前面がすっきりしていることや学習活動の提示により見通しが持てたこと 環境の工夫 板書の文字の大きさやノート指導 情報伝達の工夫 具体物( 飴 ) の利用 2

教材 教具の工夫 ペア学習や発表の型の提示 活動内容の工夫 肯定的な評価やつぶやきへの評価 評価の工夫 が出された 課題としては 学習規律の徹底や思考できていない子どもへの手立ての工夫等が確認された 表 2 算数科学習指導案本時の展開の様式 学習活動 予想される児童の 指導上の留意事項 評価基準 つまずき ユニバーサルデザインを 評価方法 取り入れた支援 つかむ 1 めあて 写真 1 学習活動の提示 写真 2 ペア学習の話型 また 研究授業終了後 参観者に授業評価アンケートを実施した この授業評価アンケートの項目は ユニバーサルデザインに基づいた授業づくりチェックリスト の 20 項目のうち 5 つのユニバーサルポイントから 2 項目ずつ選んだ合計 10 項目について 5 件法で記入するものである 参観者からは肯定的な回答が多かったが 次の課題を事前に準備するなど 理解が早い子どもへの対応や見通しを持たせる工夫をする 活動内容の工夫 身近なものから教材を見つけるなど 子どもがイメージしやすい工夫をする 教材 教具の工夫 行動の直後の評価や机間指導などで個別に賞賛や注意を行う 評価の工夫 については 否定的な回答がみられたので 今後の課題とした 子どもたちの授業評価アンケートでは 肯定的な回答が多い反面 否定的な回答がどの項目にもみられた とくに 早く勉強が終わったときには 次にすることを見せてくれる 活動内容の工夫 パソコンや電子黒板などを使って分かりやすくしてくれる 教材 教具の工夫 授業中に わたし( ぼく ) に声をかけたりしてくれる 評価の工夫 については 否定的な回答が多かったので肯定的な回答へ移行する手立てが必要である ( ィ ) 観察授業これまでのユニバーサル授業実践の年度途中の現状をみるため 管理職 高知県教育委員会特別支援教育課指導主事らの参観のもと算数科の観察授業を 11 月に実施した とくに 予想される児童のつまずきに対して 5 つのユニバーサルポイントを活用しながら支援策を考えた 実際の授業も ICT を活用して意欲づける 教材 教具の工夫 授業のスタート時に活躍場面を作って参加させる 活動内容の工夫 既習内容を想起させる 情報伝達の工夫 等 集団と A B C 児を想定した個への支援を行いながら展開された 課題となっていた ICT 活用については 3

パワーポイントを作成し導入部分で使用することや 実物投影機を使って子どもたちの考え方 を発表することを取り入れた 作成したパワーポイントの一部は次のとおりである 図 1 作成したパワーポイントの一部研究協議では 授業がパターン化されテンポがよい 環境の工夫 ICT の活用で意欲の向上がみられた 教材 教具の工夫 即時評価や机間指導が効果的である 評価の工夫 という成果が出された 1 時間の授業を通して 子どもとのやりとりや指示の出し方等 子どもの実態に即した指導 支援がなされていた 子どもを褒めながら学習意欲を高めることができており 担任の授業スタイルの変容がうかがえた 一方で 授業のねらいの明確化やワークシートの作成 子どもたちの話の聞き方に課題がみられた さらに 教材研究を深め 子どもの実態に応じためあての提示 子どもたちの理解につながるワークシートの作成 話を聞くための具体的な手立てについて検討する必要がある 参観者 4 名の授業評価は 肯定的な回答が増えた 否定的な回答は 理解が早い子どもへの手立てにおいてみられた これは 学習指導案では チャレンジ問題を提示する予定であったが 時間がなくなり提示できなかったためである 全員の学習空白をなくすためにも 授業の時間配分が大切であるということを再確認した 子どもの授業評価の そう思う について 介入前と比較し変容が大きかった項目は 質問や説明を分かりやすくしてくれる が 10 人から 14 人へ パソコンや電子黒板などを使って分かりやすくしてくれる が 6 人から 13 人へ増加している 短い文章で要点をしぼった話し方や ICT 活用で 授業が分かりやすくなっていることがうかがえた ( ゥ ) 教材 教具づくり 2 学期は 子どもたちのつまずきを想定し特性や長所に合わせた教材 教具づくりにも取り組んだ かけ算のひっ算 では 視覚教材 ( 目で見て分かる筆算の手順カード ) と聴覚教材 ( 筆算の手順を声に出して読んでから問題を解く ) を作成した また 子どもの得意な感覚を使うことの良さを 1 学期と 2 学期の単元テストの結果を比較して考察した 写真 3 かけ算のひっ算 での視覚教材 写真 4 かけ算のひっ算 での聴覚教材 1 学期 2 学期 表 3 単元テストの平均点の比較 単元名 1 かけ算 2 時刻と時間 3 わり算 4 円と球 5 たし算とひき算の筆算 6 あまりのあるわり算平均平均点 86 76 84 71 85 77 79 単元名 1 大きい数のしくみ 2 かけ算のひっ算 3 長いものの長さ 4 小数 5 三角形 6 分数平均平均点 89 85 92 86 77 81 85 4

2 学期の単元テストの平均点は 1 学期より 6 点高くなっていることがわかる 実際に 児童の実態に即した教材 教具を作った単元は 2 学期の1 大きい数のしくみ2かけ算のひっ算 4 小数であるが いずれも平均点が 85 点以上になっている 平均点が一番高かったのは 2 学期の 長さ の単元であるが この単元では 実際に巻尺などを使った測定やグループでの活動が展開され 友だちとかかわりあいながら いきいきと楽しそうに学習する子どもたちの姿が見られている このことからも 教材 教具の工夫 だけではなく 活動内容の工夫 による基礎学力の向上も期待されるものと考察する 一方 図形領域の平均点が低いことがわかり 視覚的な支援の必要性が確認された イ ユニバーサルデザインに基づいた授業づくりチェックリスト の結果と考察全教員を対象に 4 月と 11 月に ユニバーサルデザインに基づいた授業づくりチェックリスト を行い 意識の変容をみた 4 月と 11 月の回答の比較は 表 4 のとおりである 表 4 チェックリストにおける 4 月と 11 月の比較 (n=11) 上記のように 否定的な回答から肯定的な回答への移行や肯定的な回答の増加がみられ 教員の意識の向上がうかがえる この結果から 日々の授業の中にユニバーサルデザインの観点が取り入れられ 子どもたちへの的確な支援が行われていることにより 子どもたちの支援ニーズも低下しているものと考える ウ SDQ アンケートの結果と考察 SDQ アンケートとは 子どもの行動のポジティブな面とネガティブな面を評価するための信頼性の高いスクリーニング法である 78 言語に翻訳され 世界的にも根拠がある質問紙とされている 4 質問は 全 25 項目で1 行為面 2 多動性 3 情緒面 4 仲間関係 5 向社会性の 5 因子について あてはまる (2 点 ) まああてはまる (1 点 ) あてはまらない (0 点 ) の中から選んで印を付ける 5 因子における支援の必要性を Low Need: ほとんどない Some Need: ややある High Need: おおいにある の 3 つに分類する さらに 行為面 多動性 情緒面 仲間関係の 4 因子 5

の合計を算出し 全体的な支援の必要度 TDS を把握するものである このアンケートを 5 月に教員 保護者 5.6 年児童を対象に実施し 支援ニーズに合わせた支援を検討 実践した 11 月に 2 回目のアンケートを実施し支援ニーズの変容をみた 1 回目と 2 回目の支援ニーズ別の人数比較は次のとおりである 表 5 SDQ アンケートの各因子の支援ニーズ別の人数比較 (n=102.n=42) 因子 行為多動 不注意情緒仲間 向社会性 ( 高いほどよい ) TDS( 総合困難得点 ) 記入者支援の必要性 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 T( 教 ) 102 名 P( 保 ) 102 名 S( 児 ) 42 名 H 4 2 35 27 12 6 5 7 53 30 15 5 S 3 0 9 5 5 9 7 2 18 29 8 12 L 95 100 58 70 85 87 90 93 31 43 79 85 H 6 10 19 16 13 10 6 7 18 18 13 15 S 6 6 10 14 0 9 2 6 15 23 14 12 L 90 86 73 72 89 83 94 89 69 61 75 75 H 0 0 4 3 11 7 0 2 7 8 1 2 S 1 1 3 5 0 6 0 12 10 11 5 4 L 41 41 35 34 31 29 42 28 25 23 36 36 多動 不注意 では High Need が 8 名減っている 授業の中では 座席の工夫 環境の工夫 や課題のスモールステップ化 教材 教具の工夫 を図って支援している また ペア学習を取り入れる 活動内容の工夫 等の活動に変化をもたせる支援で 集中を持続することができたのではないか その結果 TDS も 15 名から 5 名へと減少している また E 学級の SDQ アンケートの 1 回目と 2 回目の支援ニーズ別の人数比較と A B C 児の変容については次のとおりである 表 6 E 学級における SDQ アンケートの各因子の支援ニーズ別の人数比較 (n=23) 因子 行為 多動 不注意 情緒 仲間 向社会性 ( 高いほどよい ) TDS( 総合困難得点 ) 記入者支援の必要性 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 H 1 1 13 3 1 0 0 2 23 1 2 1 T( 教 ) S 0 0 3 2 0 1 2 0 0 14 2 1 L 22 22 7 18 22 22 21 21 0 8 19 21 H 2 3 5 2 2 1 2 1 4 7 4 2 P( 保 ) S 2 0 3 6 0 1 0 1 6 3 3 1 L 19 20 15 15 21 21 21 21 13 13 16 20 表 7 A B C 児 SDQ アンケートの各因子の得点と支援ニーズ (n=3) 因子 行為 多動 不注意 情緒仲間向社会性 ( 高いほどよい ) TDS( 総合困難得点 ) 児童記入者 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 1 回目 2 回目 A B C T( 教 ) 7 H 7 H 8 H 7 H 2 L 1 L 3 L 3 L 1 H 3 H 20 H 18 H P( 保 ) 5 H 6 H 7 H 8 H 1 L 2 L 2 L 2 L 7 L 3 H 15 S 18 H T( 教 ) 1 L 0 L 7 H 3 L 0 L 0 L 1 L 1 L 4 H 7 L 9 L 4 L P( 保 ) 2 L 1 L 3 L 4 L 0 L 0 L 4 S 4 S 8 L 8 L 9 L 9 L T( 教 ) 2 L 0 L 7 H 7 H 5 H 1 L 2 L 2 L 1 H 5 S 16 H 10 L P( 保 ) 3 L 2 L 7 H 7 H 4 S 1 L 1 L 1 L 5 S 7 L 15 S 11 L E 学級の教員評価において 多動 不注意 の High Need の人数が 13 人から 3 人へ TDS においても 1 名減少している また A 児は 支援レベルは同じだが得点が下がっている B 児は 多動 不注意 では High Need から Low Need に支援レベルが下がっている C 児は 情緒 と TDS において High Need から Low Need に支援レベルが下がっている これらの結果は 学習活動を示して見通しをもたせたり 短い時間で活動内容を変えたりなど 子どもの実態に合わせながら授業を展開していったことで安心して授業に臨めたものと考えられ ユニバーサル授業実践の効果であるといえるであろう 6

4 まとめ (1) 成果と課題ユニバーサルデザインに基づく授業づくりに取り組むことで 教員の意識や子どもを見る視点が変わり 授業改善につながっていった 個への支援により 重点的支援対象であった子どもも 授業参加の意欲や授業態度 友達とのかかわりが改善された A 児は 名前を呼んで指示を出したり授業の最初に活躍場面を作ったりすると集中の持続がみられた B 児は 座席を前にし やりとりをしながら進めることで授業に参加できた C 児は スモールステップで提示し褒めながら対応すると自信をつけることができた また 集団への支援により 学習活動の見通しをもち 担任とアイコンタクトをとりながら安心して授業に臨み となりの友だちにそっと指さしをしたり分からないことを聞いたりする関係が生まれてきた このように 子どもの特性に合った的確な支援によって 子どもたちはいきいきと活動し 自分でできた みんなとできた という達成感を持つことができた 単元テストの平均点の上昇もユニバーサル授業実践の一定の効果であると考える あわせて SDQ アンケートで支援ニーズを把握し それぞれの実態に応じた支援を行うことで支援ニーズが下がったことも成果であろう 校内支援体制についても 校内支援体制チェックリストを校長先生に依頼し 4 月と 11 月に実施した その結果は 次のとおりである 図 2 校内支援体制 (4 月 ) 図 3 校内支援体制 (11 月 ) 各項目において平均点の上昇がみられ ユニバーサル授業実践に取り組んだ成果であると考え る 今後の授業改善の課題は 子どもたちの考えをみんなで共有したり認め合ったりすること 活 動内容の工夫 に重点を置き 意図的な活動を取り入れることである さらに 教科のねらいの 達成とユニバーサル授業実践を融合させ 学力向上をめざすことが求められる (2) 考察 D 小学校では 校長先生のリーダーシップのもと特別支援教育を柱に据え みんなで取り組む という学校体制がみられた このような体制の中で行われるユニバーサルデザイン授業実践は 学校全体へ広がり すべての子どもたちに 分かる できる という達成感をもたらすことがで きると考える また 教員の意識や実践が変わってきたことで やる気の出てきた子どもの姿が 見られるようになり テストの平均点も向上した このように ユニバーサル授業実践において 5 つのユニバーサルポイントにそった支援により 子どもたちの学習空白をなくすことができ より確かに学び合うことで学力の向上が期待できるものと考察する < 参考文献 > 1 国立教育政策研究所生徒指導研究センター 学級運営等の在り方についての調査研究 ( 報告書 ) 2005 年. 2 本田ゆか 佐々木和義 担任教師から児童への個別的行動介入の効果 - 小学校 1 年生の授業場面における問題エピソードの分析 教育心理学研究 56,pp.1-6.2008 年. 3 高知県教育委員会 すべての子どもが 分かる できる 授業づくりガイドブック~ユニバーサルデザインに基づく 発達障害の子どもだけでなく すべての子どもにあると有効な支援 ~ 2013 年. 4 厚生労働省,Strengths and Difficulties Questionnaire http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04d.html 7