Microsoft Word - program.doc

Similar documents
平成18年度九州歯科大学附属病院 歯科医師臨床研修プログラム

臨床研修の目標の概要 歯科医師として好ましい態度 習慣を身に付け 頻度の高い歯科治療処置を確実に実施できるようになり 生涯にわたりより広範囲の歯科医療について知識 技能を習得する態度を養い 生涯研修の第一歩とすることである 社会に貢献し 国民の健康増進に寄与する歯科医となるよう以下を目標とする 1

<4D F736F F D2095BD90AC E937897D58FB08CA48F D834F BA697CD8C5E8E7B90DD88EA97978F9C82AD816A2E646F63>

補綴歯科専門医研修プログラム作成指針 公益社団法人日本補綴歯科学会 1

Microsoft Word - 平成31年優心会大塚歯科医院歯科医師臨床研修プログラム.doc

<4D F736F F D BF905E89EF8FBC91BA8E9589C C C38F8A97D58FB08CA48F D834F E646F63>

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

<4D F736F F D208AC7979D8C5E81698BCE88E38BA68E E9589C8816A8CA48F D834F F E937894C5816A2E646F63>

Microsoft Word 年度シニア 呼吸器内科 2014.docx


「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

墨東病院初期臨床研修カリキュラム

総合診療

柄 歯科医院

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

000-はじめに.indd

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

Microsoft PowerPoint - 電子ポートフォリオのフィードバック(配付).pptx

歯科中間報告(案)概要


<30358CC48B7A8AED C838B834D815B8145E4508CB E089C88A772E786477>

歯科診療報酬点数表関係 別添 2 初診料の注 1 問 1 初診料の注 1に規定する施設基準において 1 年以内に保険医療機関の新規指定を受けた保険医療機関が届出を行う場合については 届出を行った日の属する月の翌月から起算して6 月以上経過した後 1 年を経過するまでに様式 2の6による再度の届出を行

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

料金表_

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に

1. 研修プログラムの特色 大阪歯科大学附属病院 ( 管理型施設 ) の協力型研修施設において 高頻度疾患を経験すると共に医療管理 地域医療の研修を行い 更に管理型研修施設では専門診療分野での基本的先進医療習得と得意分野構築の基礎を育成し 生涯研修の第一歩となる研修を行う 本プログラムは大阪歯科大学

賀茂精神医療センターにおける精神科臨床研修プログラム 1. 研修の理念当院の理念である 共に生きる 社会の実現を目指す に則り 本来あるべき精神医療とは何かを 共に考えて実践していくことを最大の目標とする 将来いずれの診療科に進むことになっても リエゾン精神医学が普及した今日においては 精神疾患 症

歯 科 放 射 線 学

平成26年患者調査 新旧対照表(案)

目次 1. 日歯生涯研修事業の概要 目的 実施主体 実施対象 Eシステム の利用方法について 研修項目と研修コード 研修方式と研修単位 修了の条件 / 日本歯科医師会生涯研修総合認定医の認定条件 修

平成18年度 高知大学医学部附属病院 歯科医師臨床研修プログラム

< F2D817994AD8F6F94C5817A8E9696B D BB>

目 次 認定総合歯科医が修得すべきコンピテンスおよびコンピテンシー Ⅰ. 安心安全な全人的歯科医療の提供 患者中心の歯科医療の修得 1.2 コミュニケーション技法の修得 1.3 歯科診療の現場での医療安全 感染管理の実践 Ⅱ. 地域志向アプローチの実践 保健 医療 介護 福祉

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

2609_架橋義歯補綴学実習.docx

沖縄県歯科医師会

2636_医療面接.docx

一般内科

一太郎 11/10/9/8 文書

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 教育の基本方針小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ね備えた小

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

外科学

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

認知症医療従事者等向け研修事業要領

1. 研修プログラムの特色 大阪歯科大学附属病院 ( 管理型施設 ) の協力型研修施設において 高頻度疾患を経験すると共に医療管理 地域医療の研修を行い 更に管理型研修施設では専門診療分野での基本的先進医療習得と得意分野構築の基礎を育成し 生涯研修の第一歩となる研修を行う 本プログラムは大阪歯科大学

4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

<4D F736F F F696E74202D2088A295948D DC58F4994C E956C8FBC814091E F193FB82AA82F18E7396AF8CF68A4A8D758DC0>

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

医療連携ガイドライン改

しぶや高齢者のしおり

<様式2> 個人情報ファイル簿(単票)

事例で学ぶ歯科レセプト作成と点検

382 緒言 材料および方法 1. 調査方法

Taro-07_学校体育・健康教育(学

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

リコール業務 平成 26 年 7 月 15 日 Ver129 五版 目次 リコール業務... 1 リコール リコールをする リコールの条件を設定します 印刷する 印刷... 6 日本臨床歯周病学会アンケート入力に際して 1 2

(目的)

pdf_data.indd

研修プログラム モデル例

中小医療機関における輸血 療法委員会の設置に向けて 長崎県合同輸血療法委員会平成 31 年 1 月 16 日

<4D F736F F F696E74202D202888F38DFC AB38ED28FEE95F182CC8BA4974C82C98AD682B782E B D B2E >

救総臨床実習の手引きv2.1

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

北海道医療大学歯学部シラバス

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D2090C58E518D6C8E9197BF D CB3944E39944E82CC89FC92E88D8096DA2E >

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

3)CAD/CAM 冠用材料の定義保険診療においては CAD/CAM 冠に使用できる材料は規定されており 次の定義を満たすものに限定されている CAD/CAM 冠用材料の定義 次のいずれにも該当すること (1) 薬事法承認又は認証上 類別が 歯科材料 (2) 歯冠材料 であって 一般的名称が 歯科切

PowerPoint プレゼンテーション

< F2D8BC68A4582A082C42E6A7464>

<4D F736F F D2088E397C3835C815B B838F815B834A815B8BC696B18E77906A>

頭頚部がん1部[ ].indd

研修プログラム モデル例

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

日歯生涯研修事業実施要領-暫定版

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

子どもの保健 Ⅰ・Ⅱ .indd

Slide 1

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

訪問審査当日の進行表 審査体制区分 1: 主機能のみ < 訪問 2 日目 > 時間 内容 8:50~9:00 10 分程度休憩を入れる可能性があります 9:00~10:30 薬剤部門 臨床検査部門 画像診断部門 地域医療連携室 相談室 リハビリテーション部門 医療機器管理部門 中央滅菌材料部門 =

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

富山西総合病院 医療安全管理指針

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

<様式2> 個人情報ファイル簿(単票)

Transcription:

1. 研修プログラムの特色 北海道医療大学歯科医師臨床研修プログラム 患者および家族とのより良い人間関係を築き 全人的な視点から得られた医療情報を理解し それに基づいた総合治療計画を立案する 歯科疾患予防および治療における基本的技能を身につけるとともに 自ら行なった処置の経過を観察 評価し 診断と治療に常にフィードバックする態度 習慣を身につける 2. 臨床研修の目標 ( 到達目標 ) 臨床研修の目標の概要歯科医師臨床研修の目標は 患者中心の全人的医療を理解し すべての歯科医師に求められる基本的な診療能力 ( 態度 技能および知識 ) を身に付け 生涯研修の第一歩とすることである なお この目標については 施行後にその施行状況等を踏まえ再検討し 見直しを図る (1) 歯科医師として好ましい態度 習慣を身に付け 患者及び家族とのよりよい人間関係を確立する (2) 全人的な視点から得られた医療情報を理解し それに基づいた総合治療計画を立案する (3) 歯科疾患と障害の予防および治療における基本的技能を身に付ける (4) 一般的によく遭遇する応急処置と 頻度の高い歯科治療処置を確実に実施する (5) 歯科診療時の全身的偶発事故に適切に対応する能力を身につける (6) 自ら行った処置の経過を観察, 評価し 診断と治療に常にフィードバックする態度 習慣を身に付ける (7) 専門的技能や高度先進的歯科医療に接し 生涯研修の意欲への動機付けを図る (8) 歯科医師の社会的役割を認識し 実践する 3. 臨床研修を行なう分野 [ 基本習熟コース ] 分野 1. 医療面接の実践 2. 総合診療計画 3. 予防 治療基本技術 4. 応急処置 5. 歯周基本治療の実践 6. MI に基づいたウ蝕治療の実践 7. 歯内療法の実践 8. 有床義歯補綴治療の実践 9. 歯冠補綴治療の実践 10. 外来小手術における基本手技 ( 消毒 麻酔 切開 縫合 抜糸 ) 11. 小児患者における歯科治療の実践 12. 救急処置 13 医療安全管理 地域医療 14. 保険診療のしくみ 15. 診療録の記載 [ 基本習得コース ] 分野 1. 医療安全 感染予防 2. 経過評価管理 3. 予防 治療技術 4. 医療管理 1

5. 在宅訪問歯科診療 6. 歯科保健活動 7. 口腔インプラントによる咬合再建 8. レーザーを用いた歯科治療の実際 9. 歯列矯正治療における診察 検査 診断 10. 変色歯の漂白 11. 顎関節症患者への対応 12. 歯周外科の基本手技 (2) 分野にともなう一般目標 行動目標 基本習熟コース については 研修歯科医師自らが確実に実践できることを基本であり 臨床研修修修了後に習熟すべき 基本習得コース については 頻度高く臨床において経験することが望ましいものである 基本習熟コース 一般目標 個々の歯科医師が患者の立場に立って歯科医療を実践できるようになるために 基本的な歯科診療に必要な臨床能力を身に付ける 1. 医療面接の実践 GIO 患者中心の歯科診療を実施するために 医療面接についての態度 技能および知識を身に付ける SBOs (1) 適切で十分な医療情報を収集する (2) コミュニケーション技能を習得する (3) 病歴 ( 主訴 現病歴 既往歴および家族歴 ) の聴取を的確に行う (4) 病歴を正確に記録する (5) 患者の心理 社会的背景に配慮する (6) 患者 家族に必要な情報を十分に提供する (7) 患者の自己決定を尊重する ( インフォームドコンセントの構築 ) (8) 患者のプライバシーを守る (9) 患者の QOL(Quality of Life) に配慮する (10) 患者教育と治療への動機付けを行う 2. 総合診療計画 GIO 効果的で効率の良い歯科診療を行うために 総合治療計画の立案に必要な能力を身に付ける SBOs (1) 適切で十分な医療情報を収集する (2) 基本的な診察 検査を実践する (3) 基本的な診察 検査の所見を判断する (4) 得られた情報から診断する (5) 適切と思われる治療法および別の選択肢を提示する (6) 十分な説明による患者の自己決定を確認する (7) 一口腔単位の治療計画を作成する 2

3. 予防 治療基本技術 GIO 歯科疾患と機能障害を予防 治療 管理するために 必要な基本的技術を身に付ける SBOs (1) 基本的な予防法の手技を実施する (2) 基本的な治療法の手技を実施する (3) 医療記録を適切に作成する (4) 医療記録を適切に管理する 4. 応急処置 GIO 一般的な歯科疾患に対処するために 応急処置を要する症例に対して 必要な臨床能力を身に付ける SBOs (1) 疼痛に対する基本的な治療を実践する (2) 歯 口腔および顎顔面の外傷に対する基本的な治療を実践する (3) 修復物 補綴装置等の脱離と破損および不適合に対する適切な処置を実践する 5. 歯周基本治療の実践 GIO 的確な歯周基本治療を行うために 必要な臨床能力を身に付ける SBOs (1) 歯周基本治療の意義を説明する (2) 歯周治療の治療方針を立案し 患者に説明する (3) 歯周治療における動機づけを行う (4) 口腔清掃状態を評価し 患者に説明する (5) 適切な口腔清掃方法を選択し 患者に説明する (6) 超音波スケーラーを適切に使用する (7) 手用スケーラーを適切に使用する (8) 手用スケーラーの研磨を行う (9) 歯周組織の改善を評価し 患者に説明する (10) 歯科衛生士と共同で診療する 6.MI に基づいたウ蝕治療 GIO MI に基づいたウ蝕治療を行うために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) MI に基づいたウ蝕治療の意義を説明する (2) ウ蝕の原因や歯の保存意義を説明する (3) ウ蝕診査法を実践する (4) 診査結果をもとに診断を行う (5) 治療計画の策定を行う (6) 治療計画に基づいた診療を行う (7)MI に基づいたウ蝕治療法を患者に説明する (8) 適切な器材を選択し 使用する (9)MI に基づいたウ蝕治療を実践する (10)MI に基づいたウ蝕治療後のメインテナンスを実践する 3

7. 歯内療法の実践 GIO 歯髄疾患および根尖性歯周組織疾患の診察 検査 診断 治療法を身に付ける SBOs (1) 適正な診察 検査 診断法について理解し 実践する (2) 基本的な手技 手法について理解し 実践する (3) 特殊な手技 手法の理論と方法を説明する (4) 治療後の経過と治癒過程について説明する 8. 有床義歯補綴治療の実践 GIO 有床義歯による機能の回復を行うために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 初診患者のプロブレムリストを作成する (2) 治療計画を立案する (3) 治療計画を患者に説明する (4) 前処置から経過観察までの一連の処置を説明する (5) 前処置から経過観察までの基本的な治療過程を実践する (6) 予後管理の重要性を説明する 9. 歯冠補綴治療の実践 GIO 歯冠補綴および数歯欠損を有する患者の機能と審美性を回復するために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 適切な検査と診断をする (2) 症例に適した治療方針を立てる (3) 治療方針を患者に説明する (4) 各種支台築造法の特徴を説明する (5) 基本的な支台歯形成を実践する (6) 症例に応じた印象法の種類と術式を説明する (7) 症例に応じた咬合採得法の種類と術式を説明する (8) 歯科技工士に適切な指示を行う (9) 装着と術後管理を実践する 10. 外来小手術における基本手技 ( 消毒 麻酔 切開 縫合 抜糸 ) GIO 一般的な口腔外科的処置が必要な患者に対する必要な臨床能力を身に付ける SBOs (1) 膿瘍に対する基本的な処置を実践する (2) 縫合の基本手技を実践する (3) 抜歯の基本的な処置を実践する 4

11. 小児患者における歯科治療の実践 GIO 小児患者の歯科治療を行うために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 保護者にウ蝕の成因ならびに予防の重要性を説明する (2) 保護者に口腔の発育およびそれに伴う変化について説明する (3) 保護者に定期検診の重要性を説明する (4) 小児患者に基本的な歯科治療を行う (5) 適切なウ蝕予防処置を行う (6) 簡単な保隙処置を行う (7) 患児の年齢に応じた対応を実践する (8) 歯科衛生士と共同で作業を行う (9) 安全に配慮した器材操作を行う 12. 救急処置 GIO 歯科診療の安全に行うために 救急処置に必要な基本的知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) バイタルサインを観察し 異常を評価する (2) 服用薬剤の歯科診療に関連する副作用を説明する (3) 全身疾患の歯科診療上のリスクを説明する 13. 医療管理 地域医療 GIO 歯科医師の社会的役割を果たすため 必要となる医療管理 地域医療に関する能力を身に付ける SBOs (1) 保険診療を実践する (2) チーム医療を実践する (3) 地域医療に参画する 14. 保険診療のしくみ GIO わが国おける保険医療制度を理解し 保険診療を行うための基本的知識と態度を身に付ける SBOs (1) 保険医療制度について説明する (2) 保険診療と自費診療の違いについて説明する (3) 保険医について説明する (4) 保険医療養担当規則を説明する (5) 保険診療を実践する 15. 診療録の記載 GIO 日常診療における診療録記載ができるようになるために 必要な基本的知識 技能および態度を身に付ける SBOs (1) 診療録に関する法律を説明する (2) 記載すべき事項について説明する (3) 診療録の法的意義について説明する (4) 診療録への正しい記載を行う (5) 個人情報の保護について遵守する 5

[ 基本習得コース ] 一般目標 生涯にわたる研修を行うために より広範囲な歯科医療についての知識 態度および技能を習得する態度を養う 1. 医療安全 感染予防 GIO 円滑な歯科診療を実施するために, 必要な医療安全 感染予防に関する知識, 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 医療安全対策を説明する (2) アクシデントおよびインシデントを説明する (3) 医療過誤について説明する (4) 院内感染対策 (Standard Precautions を含む ) を説明する (5) 院内感染対策を実践する 2. 経過評価管理 GIO 自ら行った治療の経過を観察評価するために 診断および治療に対するフィードバックに必要な能力を習得する SBOs (1) リコールシステムの重要性を説明する (2) 治療の結果を評価する (3) 予後を推測する 3. 予防 治療技術 GIO 生涯研修のために必要な専門的知識や高度先進的技術を習得する能力を身に付ける SBOs (1) 専門的な分野の情報を収集する (2) 専門的な分野を体験する (3)POS(Problem Oriented System) を説明する (4)EBM(Evidence Based Medicine) を説明する 4. 医療管理 GIO 適切な歯科診療を行うために 必要となるより広範囲な歯科医師の社会的役割を理解する SBOs (1) 歯科医療機関の経営管理を説明する (2) 常に 必要に応じた医療情報の収集を行う (3) 適切な放射線管理を実践する (4) 廃棄物を適切に処理する 6

5. 在宅訪問歯科診療 GIO 在宅の要介護高齢者や障害者に歯科診療を提供するために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 在宅訪問歯科診療の重要性について説明する (2) 在宅訪問歯科診療受診者の口腔内の特徴を説明する (3) 地域の医療機関や施設と連携する (4) 在宅訪問歯科診療に使用する器材操作する (5) 在宅で行う基本的な歯科診療を実践する (6) 歯科衛生士と共同で診療を行う (7) 安全に配慮した診療を行う (8) 他医療職との連携を図る 6. 歯科保健活動 GIO 地域歯科保健活動についての理解を深めるために 必要な知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 地域歯科保健活動を説明する (2) 歯科健診の必要性について説明する (3) 歯科健診活動を実践する 7. 口腔インプラントによる咬合再建 GIO 口腔インプラントを用い顎口腔系機能および形態の回復を行うために 外科的対応と補綴的対応を理解し 専門医との対診および紹介ができる知識 態度を身に付ける SBOs (1) 口腔インプラント治療の目的を説明する (2) 口腔インプラント治療の適応症と禁忌症について説明する (3) 口腔インプラント治療におけるリスクファクターを説明する (4) 上部構造の固定方式について説明する (5) 外科および補綴処置について説明する (6) メインテナンスにおける確認項目を列挙する 8. レーザーを用いた歯科治療の実際 GIO 歯科用レーザーを用いた治療法についての基礎的知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 歯科用レーザーの種類について説明する (2) 歯科用レーザーの原理について説明する (3) 治療法の基礎を実践する (4) レーザーの安全性について説明する 7

9. 歯列矯正治療における診察 検査 診断 GIO 不正咬合を有する患者に対する矯正治療の必要性の有無および治療開始時期を判断する能力を身に付ける SBOs (1) 口腔顎顔面の正常な成長発育について説明する (2) 不正咬合の分類および原因を説明する (3) 長期咬合管理について説明する (4) 患者の不正咬合の状態を説明する (5) 矯正治療の必要性 治療開始時期および装置について説明する (6) 矯正装置の撤去法およびトラブル対処法を説明する (7) 矯正装置に生じているトラブルの原因を判断し説明する 10. 変色歯の漂白 GIO 変色歯に漂白処置を行うために 必要な基本的知識 態度および技能を身に付ける SBOs (1) 歯の変色の原因を説明する (2) 漂白のメカニズムを説明する (3) 漂白方法を列挙する (4) 漂白処置の適応症 禁忌症を説明する (5) 適切な術前診査法を実施する (6) 診査結果をもとに診断する (7) 治療計画を立案する (8) 患者との良好なインフォームドコンセントを構築する (9) 安全性に配慮して漂白処置を行う 11. 顎関節症患者への対応 GIO 顎関節症患者における診察 検査 診断 治療方針立案 自宅療法指導に必要な臨床能力を身に付ける SBOs (1) 顎関節症患者の診察を実践する (2) 顎関節症患者の検査を実践する (3) 顎関節症患者に対する鑑別診断を実践する (4) 顎関節症患者の治療方針を立案する (5) 顎関節症患者に対する保存的治療を実践する (6) 顎関節症患者に対する自宅療法を指導する (7) 顎関節症患者に対する治療効果を判定する 12. 歯周外科の基本手技 GIO 歯周外科処置を実施するために必要な技術を身につける SBOs (1) 歯周外科処置の術式を理解する (2) 歯周外科処置の縫合法を習得する (3)Modified Widman Flap の術式を習得する (4) 歯肉弁根尖側移動術の術式を習得する (5) 遊離歯肉移植術の術式を習得する 8