明順応と暗順応 桿体細胞網膜には錐体細胞と桿体細胞の 2 種類の視細胞があるが, 暗闇で活躍するのが桿体細胞である 桿体細胞は明るい所ではおとなしくしているが, 暗いところではわずかな光をかき集めてくれるため, 我々は暗黒の中でもおぼろげながら物を見ることができる ただし色はあまり分からない 色は錐

Similar documents
細胞の構造

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生物 第39講~第47講 テキスト

漢方薬

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

スライド 1

高位平準動物看護概論動物機能形態学対面学習確認テスト 問題 1: 脳幹の役割として正しいのはどれか 1 学習 知覚 認知 運動 感覚などの高次機能に関わる 2 呼吸 心臓 嚥下の働きなど 生命にかかわる基本的な機能を維持する 3 からだの働き バランス 姿勢の制御を行う 4 末梢の各器官で得た情報を

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

M波H波解説

FdText理科1年

科目名授業方法単位 / 時間数必修 選択担当教員 人体の構造と機能 Ⅱ 演習 2 単位 /60 時間必修 江連和久 北村邦男 村田栄子 科目の目標 人体の構造と機能 はヒトの体が正常ではどうできていてどう働くのかを理解することを目的とする この学問は将来 看護師として 病む ということに向き合う際の

スライド 1

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

メディカルスタッフのための腎臓病学2版

2005年勉強会供覧用

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

1 アドレナリンってなんだ アドレナリンって何だろう 普段は温厚な人たちでも 草野球の試合になると いつになく興奮し 闘争意識をむきだしにして激しいファイトを展開することがある そんな時 人の体内では 副腎という臓器の髄質部分からアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌されているのだ アド

Microsoft PowerPoint - lecture11.ppt

PowerPoint プレゼンテーション

Xamテスト作成用テンプレート

スライド 1

免疫リンパ球療法とは はじめに あなたは免疫細胞 ( 以下免疫と言います ) の役割を知っていますか 免疫という言葉はよく耳にしますね では 身体で免疫は何をしているのでしょう? 免疫の大きな役割は 外から身体に侵入してくる病原菌や異物からあなたの身体を守る ことです あなたの身体には自分を守る 病

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

スライド 1

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc

基礎化学 Ⅰ 第 5 講原子量とモル数 第 5 講原子量とモル数 1 原子量 (1) 相対質量 まず, 大きさの復習から 原子 ピンポン玉 原子の直径は, 約 1 億分の 1cm ( 第 1 講 ) 原子とピンポン玉の関係は, ピンポン玉と地球の関係と同じくらいの大きさです 地球 では, 原子 1

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

第6章 循環器系

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

細胞の構造

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

ケッショウ 液体成分は血液成分の55% を占め 血漿と呼ばれる血漿は肝臓で作られる 有形成分は赤血球 白血球 血小板からなる 3 種類とも骨髄で作られる (2) 赤血球 : 両面の中央がへこんだ円板状の細胞で 核はない 赤血球中のヘモグロビンは酸素を運び 各組織に供給する ( 内呼吸 ) 血液 1m

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお


報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

解法 1 原子の性質を周期表で理解する 原子の結合について理解するには まずは原子の種類 (= 元素 ) による性質の違いを知る必要がある 原子の性質は 次の 3 つによって理解することができる イオン化エネルギー = 原子から電子 1 個を取り除くのに必要なエネルギー ( イメージ ) 電子 原子

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

<4D F736F F F696E74202D A E90B6979D89C8816B91E63195AA96EC816C82DC82C682DF8D758DC03189BB8A7795CF89BB82C68CB48E AA8E E9197BF2E >

今日勉強すること 1. 反射弓と伸張反射 2. 屈曲反射 3. 膝蓋腱反射の調節機構 4. 大脳皮質運動野の機能

第5章 体液

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り

FdText理科1年

CERT化学2013前期_問題

目次 1. 抗体治療とは? 2. 免疫とは? 3. 免疫の働きとは? 4. 抗体が主役の免疫とは? 5. 抗体とは? 6. 抗体の構造とは? 7. 抗体の種類とは? 8. 抗体の働きとは? 9. 抗体医薬品とは? 10. 抗体医薬品の特徴とは? 10. モノクローナル抗体とは? 11. モノクローナ

※ 教科 理科テキスト 小6 1学期 5月 体のつくりとはたらき

SpO2と血液ガス

Microsoft PowerPoint - 市民講座 小内 ホームページ用.pptx

シトリン欠損症説明簡単患者用

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

今日勉強すること 1. 脊髄と脳幹の構造 2. 自律神経一般的の性質 3. 臓器別にみた自律神経の作用 4. 自律神経反射の例

核内受容体遺伝子の分子生物学

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

生物有機化学

<4D F736F F D208DC58F498F4390B D4C95F189DB8A6D A A838A815B C8EAE814095CA8E86325F616B5F54492E646F63>

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

輸液製剤

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

兵庫大学短期大学部研究集録№49

FdData理科3年


60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

解剖学 1

ILSl_part2_0302.indd

スライド 1

第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな

Microsoft Word - 01.doc

COヘモグロビン濃度と一酸化炭素中毒 より

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

脱ステをする前に絶対知っておくべき3つのポイント

1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている )


Microsoft PowerPoint プレゼン資料(基礎)Rev.1.ppt [互換モード]

Transcription:

視 覚 錐体細胞は強い光の下で色を感じる桿体細胞は弱い光の下で光を感じる角膜 瞳孔 水晶体 網膜 視細胞 視神経 大脳毛様体が縮むと水晶体が膨らむ 視細胞と視神経まず光は目を保護する角膜を通り続いて瞳孔を通る その光はレンズの役割を果たす水晶体で屈折し, 目の奥の網膜に届く 網膜には 2 種類の視細胞があり, それぞれ役割分担がある 錐体細胞明るいところで色を見分ける 赤錐体細胞, 青錐体細胞, 緑錐体細胞の 3 種類があり, それぞれ受ける光の波長が異なる 青い光は青錐体細胞が, 黄色い光は赤錐体細胞と緑錐体細胞が, 桃色なら赤錐体細胞と青錐体細胞と一部の緑錐体細胞というように色によって興奮する錐体細胞が見事に違い, 絶妙なバランスであらゆる色が見えるのである 桿体細胞暗所で活躍する視細胞 ロドプシンを使い, 暗所で光をかき集める 視細胞は網膜に分布する 眼球において網膜の外側には脈絡膜があり, 血管が多く網膜に栄養を供給している さらにその外側には結合組織性の強膜になっており, いわゆる 白目 を構成し, 眼球を保護している 錐体細胞は角膜の正反対側である黄斑に多く分布している 桿体細胞は黄斑にはあまり分布せず, その周りに多い その証拠として, 星空の肉眼でやっと見える程度の明るさの星を見たとき, 視野の中央よりも中央からやや外れた場所の星の方がよく見える 今夜あたり試してみてはいかがだろうか? また, 目の内側で受けた光の刺激は視神経を通じて大脳へと伝えられる このとき上の図のように視神経の束を眼球の外に出さなければならない そのため脈絡膜や強膜を横切る道が必要になるので, この部分には細胞が分布できない よって視細胞が一切分布しない盲斑が存在する 盲斑は頭上方向から見て右目のものはやや左に, 左目のものはやや右に, つまり中央寄りにある 遠近調節水晶体には筋繊維であるチン小帯がつながっている チン小帯の先には毛様体がある 近くを見るとき, 毛様体の毛様筋が縮む 毛様体は水晶体側に縮むので, チン小帯は緩み, 張力が弱くなって水晶体が膨らむ すると焦点距離が短くなるので近くをはっきり見ることができる 遠くを見るときは毛様体が緩んでチン小帯を引き伸ばし, 水晶体が薄くなるため焦点距離が長くなる b1026-2 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

明順応と暗順応 桿体細胞網膜には錐体細胞と桿体細胞の 2 種類の視細胞があるが, 暗闇で活躍するのが桿体細胞である 桿体細胞は明るい所ではおとなしくしているが, 暗いところではわずかな光をかき集めてくれるため, 我々は暗黒の中でもおぼろげながら物を見ることができる ただし色はあまり分からない 色は錐体 細胞の担当であるが, 暗所ではあまり錐体細胞が働かないからである また, 桿体細胞が働くにはロドプシンという物質が必要である ロドプシンがあればわずかな光の中でもよく見える 明順応と暗順応暗所から急に明所に出たり, 真っ暗な部屋で突然照明をつけたりすると, その時はまぶしくて目を開けられない しか 暗闇ではロドプシンが合成されるビタミン A とオプシンからロドプシンが作られる明所ではロドプシン不要暗所ではロドプシン必要 グラフは明所に長時間いた人が突然暗所に入ったときの感じ取れる光の強さの最小値と時間の関係である 1 ではまだ錐体細胞がメインであり, 暗順応していない 2 ではロドプシンが合成され, 桿体細胞が働き出したため弱い光も感じ取れるようになった ししばらく経つと目が開けられるようになる これを明順応という それまでいた暗所ではロドプシンを使い, 桿体細胞が頑張ってわずかな光を集めていた それが突然明るくなったので, 無駄に光を集めてしまい, まぶしいのである ロドプシンは光を受けると, ビタミン A 系統であるレチナールとオプシンというタンパク質に分解される また明所では副交感神経が瞳孔括約筋にはたらきかけ, 瞳孔を狭くする 明所から急に暗所へ入ったり, 夜に突然照明を消したりするとしばらくは何も見えないが次第に慣れ,10 分もすれば物体の形などが分かるようになる これを暗順応という 明順応の逆であり, ロドプシンが合成される また暗所では交感神経が瞳孔散大筋にはたらきかけ, 瞳孔を広くする 夜盲症ビタミン A が不足するとロドプシンが合成できなくなるので, 暗闇で何も見えなくなる これを夜盲症 ( とり目 ) という ビタミン A は緑黄色野菜に多く入っているので不足しないようにしたい b1007-2 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

聴 覚 音は, 耳殻で集められ, 外耳道 鼓膜 耳小骨 卵円窓 前庭階 鼓室階 基底膜 コルチ器 聴神経 大脳半規管で回転 前庭で平衡 聴覚音というのは気体分子の振動による波動ということは皆さんもご存知のことと思う この音は非常に複雑なメカニズムで大脳が感知している 耳殻, いわゆる耳で集められた音は外耳道を通り, 鼓膜を振動させ, それが耳小骨という 3 本の小さな骨に伝えられる その振動はうずまき管の入口の卵円窓に伝えられ, うずまき管に入る 中ではリンパ液が振動する うずまき管は 2 つのフロアに分かれており, 卵円窓から入ったのは 2 層のうち上のフロアで前庭階という うずまき管の終点で折り返し, 下のフロアの鼓室階へと振動が伝わる このフロアの天井に相当する部分を基底膜といい, この中にはうずまき細管というパイプが通っており, その中には内リンパが入っている このパイプの中におおい膜と聴細胞がある この 2 つをまとめてコルチ器というが, 基底膜の振動によりおおい膜が聴細胞の感覚毛に当たって聴細胞が興奮する このようなメカニズムにより聴神経に興奮が伝導されて大脳へと伝えられる また, 鼓膜を正常に振動させるには耳の内外で空気の圧力が等しくなければならない それを調節するのがエウスタキオ管 ( ユースターキー管, 耳管ともいう ) であり, 鼻孔とつながっている 聴細胞の種類目が物体の形を見分けるのは, 光の周波数によって 3 種類の錐体細胞のうち興奮する細胞が決まっているからである 音でも同じようなことが起こっている 聴細胞には色々な長さのものがあり, 柔らかく長い聴細胞は長い波長でゆっくり振動し, 硬く短い聴細胞は短い波長で速く振動する 右のグラフは多少意味が分かりにくいが, 破線が聴細胞の長さと鼓室からの距離の関係を表す 曲線はその場所に分布する聴細胞の担当する音の周波数である うずまき管の奥の聴細胞ほど低い音で興奮する細胞が分布する これにより高い音と低い音を聞き分けることができる マリンバや鉄琴で長いものほど低い音が, 短いものほど高い音が出るが, 音を受けるほうも同じである 基底膜はうずまき管内の鼓室階にあるが, 鼓室に近いほうに短い聴細胞が多く奥のほうに長い細胞が多い ヒトの場合, 個人差もあるが大まかに 20Hz~20kHz(20,000Hz) までの音を聞き取れるが, その範囲外の周波数の音に関しては興奮する聴細胞がないため聞くことができない イヌは 100kHz(100,000Hz) くらいまで聞くことができる b1050-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

単収縮と強収縮 測定方法円柱形のドラムにすすで真っ黒にした紙を巻きつけ, ドラムを回転させながら紙を棒でこすって白い線を描く装置がキモグラフやミオグラフという ミオグラフはごく短時間でドラムを 1 運動神経を刺激すると筋肉が縮む潜伏期 収縮期 弛緩期の順 1 秒間に 30 回以上刺激で完全強縮を起こすそれ未満なら不完全恐縮 回転させるもので, キモグラフはゆっくり回転させて長時間の記録をする 1 筋肉の挙動の記録 2 時間の記録原始的な方法だが, おんさの規則正しい振動を利用したもの 3 刺激した時刻の記録これら 3 つのラインで調べる おんさが時間の目盛りの役割を果たす 単収縮と強収縮 単収縮ミオグラフを使う 単収縮は筋肉に 1 回きりの電気刺激で観測する 筋肉に刺激を与えると反応するまで少し時間がかかる この期間を潜伏期という 次に筋肉は縮み始める この期間は収縮期とよばれる そしてその筋肉に断続的に刺激を与えなければだらーんと伸びて元に戻る この時期を弛緩期という 弛緩は普段は書かない字だが, 漢字で書けるようにしたい 潜伏期 収縮期 弛緩期は, この間 0.1 秒である この数字も必ず覚えるように 不完全強縮 強縮キモグラフを使う ドラムをゆっくり回転させ, 長時間 ( といっても数秒 ) 記録する 筋肉に刺激を加えると前述の単収縮の通り,0.1 秒で元に戻ってしまう だから 1 秒間に 10~20 回程度 (0.1 秒で 1~2 回 ) の刺激を与えても間隔が広すぎるため, 弛緩してから刺激するのを繰り返すことになるのでキモグラフでの収縮度グラフはノコギリ状になる これを不完全強縮という ここで, もう少し刺激頻度を上げ,1 秒間 30 回以上とする 今回は収縮期にもう次の刺激を与えるため, グラフはノコギリ状にならず, 滑らかに上がっていくグラフとなる これは強縮または完全強縮とよばれる 強縮を起こす 1 秒あたりの刺激回数は覚えてもらいたい また, 筋肉を収縮させるための電圧はある一定値以上が必要である この限界値のことを閾値という b3103-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

筋収縮 ( 改訂 2.0) 筋繊維の中に筋原繊維その中にフィラメント動かないミオシンフィラメントがアクチンフィラメントを引いて動かす ATP のエネルギーによる 滑り説脊椎動物は横紋筋と平滑筋を持つ 骨格筋と心筋は収縮が素早い横紋筋である 骨格筋は疲労しやすい 内臓筋は比較的収縮の遅い平滑筋である 平滑筋は疲労しにくい 高校生物では骨格筋の収縮を考える 筋繊維は細胞としての最小単位だが, 実はこれはまだ筋原繊維とよばれるものの束でできており, 筋原繊維はさらにアクチンフィラメントとミオシンフィラメントとよばれるものの束でできている アクチンもミオシンもタンパク質の一種であり, ミオシンは色が濃く暗い ミオシンフィラメントの先端には ATP 分解酵素がある 運動神経の終末に興奮が伝わると, アセチルコリンが分泌されて筋繊維の細胞膜まで伝達され, 筋繊維の中の筋小胞体まで伝導されるとその中に入っているカルシウムイオンが放出される カルシウムイオンはアクチンを活性化させ, ミオシンと反応しやすくなる そして ATP 分解酵素を放出させる ATP の高エネルギーリン酸結合を切り, エネルギーを取り出す そのエネルギーにより, アクチンフィラメントが引き寄せられてミオシンフィラメントの間に滑り込んで筋肉が縮む これを滑り説といい, ハクスリーによって提唱され, 現在も支持されている どちらが動くのか忘れないようにしたい アクティブなアクチンと語呂で覚えておいてもいいかもしれない 筋原繊維の単位をサルコメア, サルコメアの仕切りを Z 膜という 筋肉のエネルギー筋肉内には ATP があるが,ATP のリン酸のもととなるクレアチンリン酸という高エネルギー物質が蓄えられている ATP が ADP になったらクレアチンリン酸から直ちにリン酸が供給されて ATP に戻る クレアチンリン酸はクレアチンになる ATP 用エネルギーの源は筋肉内のグリコーゲンである 筋肉では必要に応じてこれをグルコースに分解して適宜使っている 酸素が十分にあるときは好気的に分解されるが, 酸素が足りないときは嫌気的に分解され, 乳酸になる 乳酸はおよそ 20 % がクエン酸回路で水と二酸化炭素に分解され, およそ 80 % はグリコーゲンに戻り, 再利用される 長時間同じ姿勢でいると肩や腰がこる これは血管が圧迫されるなどで酸素供給が不足し, 嫌気的にグルコースの分解が行われ, 乳酸が蓄積されるためと考えられる b2228-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

脳と中枢神経 大脳 知能 学習 感覚小脳 運動 体の平衡中脳 眼球運動 瞳孔調節 姿勢保持間脳 自律神経の中枢延髄 呼吸 だ液などの中枢脊髄 排尿 排便 交感神経 脳の構造脊椎動物は脳とそこからつながる脊髄からなる中枢神経をもつ 脳の部位名は細かく決められているが, 覚えるべきものはそれほど多くはないので確実にしておきたいところである 名称とはたらき 大脳哺乳類の脳のうち, 大部分を占める ヒトは特に発達している このあたりからも大脳は知能や学習などに関係していることが分かる また感覚などもここである 学習も大脳であり, しわが多いほどその 容量 が多くなる パソコンでいうと CPU やハードディスクの両方を兼ねている 小脳大脳の後ろ側についている 名前の割には大きく, 目立つ 全身の運動を制御している その他平衡を保持している 鳥類 魚類 哺乳類で発展している 中脳中脳は場所や形が分かりにくい 基本的には延髄の上部から小脳の入口である 眼球運動の制御, また瞳孔散大筋や瞳孔括約筋も制御している その他姿勢の保持 ( 立ち直りなど ) がある 中脳は主として目に関わるが, 視覚は大脳なので注意してもらいたい 間脳大脳の下にあり, 体温, 血糖量などの中枢がある 間脳視床下部は自律神経の中枢であることを必ず覚えておくべきである また視床下部の下には脳下垂体 ( 下垂体ともいう ) がぶら下がっており, 各種ホルモンなどを分泌している 延髄脳からひょっこりと全身側へ突き出したもの 人間でいうとちょうど鼻の後ろ付近に当たる 呼吸, クシャミなどの中枢がある また延髄は迷走神経 ( 副交感神経の一種 ) が出ており, 各種臓器などに連絡している 脊髄脳の下から背骨までつながる 脊髄反射の中枢 熱い物を触ったときに思わず手を引っ込めることである また交感神経も脊髄から出ており, 各種臓器に連絡している 副交感神経とは拮抗的にはたらく 大脳の皮質は神経の細胞体が集中しているため色が少し濃く見えて灰白質とよばれている 内側は色の薄い軸索が集まって白質とよばれる また脊髄は構造上内側に細胞体が集まって, 外側に軸索が集まっているため髄質が灰白質, 皮質が白質とよばれる 必ず覚えてもらいたいことである b1070-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

脊椎動物の神経 神経系脊椎動物は管状神経系といい, 大きな脳と脊髄を合わせた中枢神経系をメインの軸とし, そこから枝のように末梢神経系が分岐している 末梢神経には体性神経系と自律神経系がある 体性神経には運動神経と感覚神経があり, 自律神経には交感神経と副交感神経がある 非常にややこしいので右図を見てスッキリしてほしい 中枢神経系 脳と脊髄末梢神経系 体性神経系 ( 運動 感覚神経 ) 自律神経系 ( 交感 副交感神経 ) 体性神経痛い, 熱い, 冷たいなどの感覚で, 視覚 嗅覚 聴覚 味覚など体の各所で受けた刺激を中枢の脳や脊髄に伝える神経が感覚神経である また中枢から出て筋肉に連絡している神経を運動神経という これらの神経が興奮し, 終末まで伝導されると骨格筋が動く つまり何らかの方法で運動神経に電流を流すと筋肉は意思とは関係なく動く 中枢神経で折り返すのはパソコンと似ている まずキーボードが感覚細胞であり, キーボードと本体をつなぐケーブルが感覚神経のようなものである PC 本体の CPU が脊髄, ハードディスクが大脳のようなもので, ディスプレイのケーブルが運動神経でディスプレイが効果器の筋肉のようなものである 自律神経また, 自身の意思ではなく, 生命を安定した状態に保つための抹消神経を自律神経という 自律神経には前述どおり交感神経と副交感神経があり, 心臓 消化器官 体温 血糖量 浸透圧などを制御している これら不随意的なものを制御する中枢は間脳視床下部である これは必ず覚えてほしい 自律神経は中枢から出ており, 分泌腺や器官に連絡する遠心性神経のみである この遠心性神経は中枢から出て, 体の各組織に終末を向けている神経のことである 自律神経や運動神経がある またこの対義語として求心性神経というものがある 体の各組織から中枢に伝える感覚神経のことである b1069-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

自律神経 交感神経戦い イライラ 必死副交感神経リラックス 休憩 嬉しい 2 つが拮抗的にはたらき合う 自律神経ヒトをはじめとして多くの動物は末梢神経系として体性神経系と自律神経系がある 意識とは関係のない分泌腺, 消化器系や血糖調整などにはたらきかけるのが自律神経である 自律神経は間脳視床下部を中枢とし, 中脳, 延髄, 脊髄の仙髄から副交感神経が, 脊髄 ( 頸髄 胸髄 腰髄 ) から交感神経が出ている なお, 脊髄の近くには交感神経が束になった交感神経節がある 自律神経はあらゆる臓器, 分泌腺, 内蔵の動きを制御している 自律神経はなくてはならないものである もしもなかったら心臓の動きや血管の太さを自分の意思で調節しなければいけない 交感神経と副交感神経基本的に動物が獲物を狙ったり, 敵から逃げたりするときには交感神経が上位になり, リラックスしたり嬉しいときには副交感神経が上位になる どっちがどっちか分からなくなったときは自分自身が脊椎動物哺乳綱のヒトという動物であるということを思い出して自分のことを考えればよい 交感神経と副交感神経は拮抗的 ( きっこうてき ) にはたらいているので片方を考えればもう 交感神経バトル中 副交感神経リラックス中 汗腺 促進 瞳孔 開 閉 消化系 抑制 促進 血圧 上昇 下降 心拍数 血糖量 上昇 下降 血管 収縮 排尿 ( 膀胱 ) 片方も分かるものが多い 動物は本来, 日々が生きるか死ぬかの命がけであった 交感神経は生き延びるために重要なはたらきをするものである 例えば敵を追ったり敵から追われたりしているとき, 汗をかくだろう どちらにしても相手をよく見なければならないので瞳孔が大きく開く また, 食事したりトイレに行ったりなどのん気なことはしていられないので消化器官や排尿などのはたらきは抑制される また, 心拍数が上がるのは言うまでもないだろう バトルには多くのエネルギーを消費するため,ATP を素早く作れるよう, グルコース濃度を上げるべく, グリコーゲンのグルコースへの分解も促進され, 血糖値が上がる また, ダメージを受けたときに出血量を減らすため血管は収縮する 以上の考えで交感神経のはたらきを考える 副交感神経は基本的にその逆であるが, 汗腺と血管にははたらかないので注意したい 減少 増加 b1006-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

神経細胞の構造 刺激を伝える細胞細胞体と軸索からなる細胞内はカリウムイオンが多く細胞外はナトリウムイオンが多い活動電位と静止電位の意味を覚える 神経細胞感覚細胞で受け取った刺激を中枢神経系 ( 脳と脊髄 ) に伝えるのが感覚神経, 中枢神経から筋肉などに指令を出すのが運動神経というように, 動物の体中に神経がある 神経は神経細胞 ( ニューロン ) が束になっている 神経細胞は星のような形をしている細胞体とよばれる本体からとても長い軸索とよばれる突起が出ている 神経終末とよばれる軸索の末端はシナプスとよばれる構造がある 脊椎動物の場合, この軸索に髄鞘という絶縁体がバームクーヘン状に巻きついている この髄鞘は神経鞘細胞 ( シュワン細胞 ) の一部を構成している 脊椎動物は髄鞘をもつ有髄神経であるが, 無脊椎動物は髄鞘のない無髄神経である しかし脊椎動物でも, 例外的に交感神経は無髄神経である 伝導神経細胞を電気などで刺激するとニューロンに電流が流れる これを興奮の伝導とよぶ 神経終末まで達すると隣の細胞へは電流ではなく化学物質で伝達される ここでは神経細胞に流れる電流とその仕組みを紹介する 通常, 神経細胞にはナトリウムポンプがついており, 外部へナトリウムイオン (Na + ) を追い出している そのため細胞内部は外部に比べ, 相対的に負に帯電している このとき細胞の外から細胞の中を測った電圧を静止電位とよぶ 単位は mv である 図の例なら静止電位は 30mV である ナトリウムチャネルという Na + 専用の通り道も閉じているが, 神経細胞が興奮するとナトリウムチャネルが開き, 細胞内に Na + が入ってくる 勢いが強いため,1 すぐに細胞内が正に帯電する このときの細胞外から細胞内を測った電圧と静止電位の差を活動電位という 図の例なら 80mV である 要するに始めの状態からグラフの山頂までの高さを測ればよい そして細胞は陽イオンを出そうとし,2 代わりに K + を出す そして最初の状態の電位に戻そうとして3カリウムイオン (K + ) を出しすぎてしまうが, すぐに元に戻る b1008-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

興奮の伝導と伝達 神経細胞内は電流 伝導シナプスから次の神経細胞 伝達伝導の速度は速い伝達でやや遅く, ロスが出る神経細胞内, 興奮中はプラス 伝導と伝達神経細胞 ( ニューロン ) の外から中の電位を測ると, すでに学習したとおり, 負に帯電し, 興奮すると陽イオンが流れ込み, 正に帯電する すると細胞内に電流が発生し, 電荷 ( イオン ) の移動, つまり電流が流れる 電流が流れるのは神経細胞の軸索内である 軸索の末端は神経終末やシナプスとよばれる 次に神経細胞があるときはシナプス, ないときは神経終末である シナプスから次の神経細胞や, 筋肉までには微妙な隙間がある この隙間をシナプス間隙という 次の神経細胞へ興奮を伝えるのは伝達とよばれ, 電流ではなく, 化学物質が放出される この物質を神経伝達物質いう 交感神経終末からはノルアドレナリン, 副交感神経と運動神経の終末からはアセチルコリンが放出される この時, 伝導よりは遅いのでタイムロスが生じる 例題カエルの筋肉と運動神経が結合した標本で, 筋肉から 15mm 離れた点を A,35mm 離れた点を B とする A を刺激し, 筋肉が収縮し始めるまでに 0.50m 秒 (m 秒は 1000 分の 1 秒 ),B を刺激し, 筋肉が収縮し始めるまでに 0.90m 秒かかった 伝導の速さ [m/ 秒 ] と, 伝達にかかる時間 [m 秒 ] を求めてみよう まず, 速さであるが, はじき公式 を使うが,A から筋肉収縮までの時間をそのまま使うと, 伝達でのタイムロスも含んでしまう 自転車で学校へ行くときの速さを測るなら, 当然走行時間のみの速さを測るのが妥当であり, 駐輪場に片付けている時間などは引かなければいけない それと同じである だから,AB 間の 20mm で計算すれば正確な値になる この間,0.40m 秒と容易に分かるので, 20mm = 50m/ 秒 0.40m 秒 また,A 終末 + 伝達で,0.50m 秒かかっている A 終末の時間は 15mm 50m/ 秒 (15 ミリメートル 50 メートル / 秒 )=0.30m 秒伝達時間を t とすると,0.30 + t =0.50 t =0.20 なので,0.20m 秒ということが分かる このタイプの問題のときは単位に注意してほしい mm や m 秒など,m が多いときは上のようにカタカナで書けば間違うことはないだろう b1015-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

活動電位 電圧計というシロモノの扱い方電圧計には 2 つの電極があり, 基準電位から測定電位を測る静止状態なら中マイナス外プラス 伝導受けた刺激の情報をニューロン内で伝えることを伝導という 伝導中は電流が流れている しかし工学の世界のように自由電子が動いているのではなく, カリウムイオン K + やナトリウムイオン Na + の濃淡分布が伝わっている 静止状態はすでに学んだように外へ Na + を出しているため結果的には軸索内がマイナス, 外がプラスに帯電している しかし興奮中には Na + が多量に入ってくるので軸索内がプラスになる 中がプラス, 外がマイナスの状態が伝わるのが伝導である 電圧計の仕組み電圧計は 2 点間の電位差を測るもので, 基準電極と測定電極の 2 つの端子がある プラスに帯電している所 ( 高電位 ) に基準電極を置き, 帯電していない所に測定電極を置くと電圧計の目盛はマイナスになる (1) また, マイナスに帯電している所 ( 低電位 ) に基準電極を置き, プラスに帯電している所を測るとプラスになる (2) これを受け入れてほしい では例題 ある動物の神経細胞を使う 図の軸索の A に測定電極,B に基準電極を設置する なおどちらも軸索の外に取り付ける そして P を刺激したとき, オシロスコープ ( 電圧計の値を時間変化で追ってグラフ化するマシン ) が示す波形どうなるだろうか 図の I,II,III の順に考える まず興奮が A に届いていない (I) とき,2 つの両電極は条件が同じなので電位差は認められなく, 電圧計は 0 となる 興奮が A に達する (II) と測定電極の付近はマイナスとなるので電圧計は負の値を示す そして興奮が B まで伝わる (III) と, 基準電極付近がマイナス, 測定電極付近がプラスとなるため, 電圧計はプラスを示す このタイプの問題は結構ひねることができるので, あらゆるタイプの問題が想定される いずれも電圧計というマシンの使い方を把握しておいてもらいたい b2089-2 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

ホルモン ホルモンは内分泌腺で作られ血管を通り標的器官に運ばれる微量でも即効性がある自律神経に支配されるタンパク質系とステロイド系がある 内分泌腺とホルモンの結びつけ高校生物で必要なホルモンは数が限られているのですべて覚えておくべきである 分泌腺の場所は 5 つ 脳下垂体, 甲状腺, 副甲状腺, 副腎, すい臓である ホルモン分泌は自律神経に支配されている 皆さんもホルモンを考えて放出しているわけではないと思う 自律神経なのでやはり間脳視床下部がその親玉ということはすぐに分かると思う 間脳のすぐ下にある脳下垂体からは色々なホルモンが分泌される 脳下垂体前葉成長を促す成長ホルモン, 甲状腺にホルモンを分泌させる甲状腺刺激ホルモン, 副腎皮質にホルモンを分泌させる副腎皮質刺激ホルモンを分泌する 成長期に成長ホルモンが過剰量に放出されると巨人症, また少なすぎると小人症になる 脳下垂体中葉メラニン色素合成を促進するインテルメジンを分泌する 脳下垂体後葉腎細管での水分の再吸収を促進するバソプレシンが分泌される 過剰で高血圧, 過少で尿崩症になる 甲状腺刺激されることで代謝を活発にするチロキシンを分泌する ヨウ素が含まれているホルモンであり, 過剰に分泌されると眼球が突出するなどのバセドー病にかかる 副甲状腺骨からのカルシウムイオンの溶解を促進するパラトルモンを分泌する 副腎髄質 皮質副腎の髄質からは血糖量を上げる神経伝達物質のノルアドレナリンと構造が似たホルモンのアドレナリンが分泌される 副腎の皮質からはタンパク質を糖に変える糖質コルチコイドと腎細管での K + や Na + の再吸収を促す鉱質コルチコイドを分泌する なお 2 種類の コルチコイド はどちらもステロイド系ホルモンである すい臓ランゲルハンス島すい臓を拡大して見るとポツポツと大海原に浮かぶ島のようなものが見える ランゲルハンス島といい,α(A) 細胞と β(b) 細胞がある α 細胞からは肝臓のグリコーゲンを分解してグルコースにして血糖量を上げるグルカゴンが,β 細胞からはグルコースをグリコーゲンに合成して血糖量を下げるインスリンが分泌される タンパク質系とステロイド系の違いタンパク質系ホルモンはその名の通りタンパク質やアミノ酸が結合したものでできている 標的器官の細胞に近づくと酵素を活性化させて化学反応を促進させる しかしステロイド系ホルモンは炭化水素でできており, 細胞の中に入って細胞内の受容体と結合した後, 核の中まで入る そして RNA を刺激し, 酵素を合成させるという違いがある b1030-2 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

血糖量 血糖量を上げるホルモン グルカゴン ( すい臓 ) アドレナリン ( 副腎髄質 ) 成長ホルモン ( 脳下垂体前葉 ) チロキシン ( 甲状腺 ) 糖質コルチコイド ( 副腎皮質 ) 血糖量を下げるのはインスリンのみ 血糖量血糖量は正常値は血液 100m` に 100mg である 血液の密度は 1.0g/m` 強だから 100m` はおよそ 100g 血液 100g 中にグルコース 100mg, つまり 0.1g なのでおよそ 0.1 % である 0.1 % で覚えるときは注意したい 血糖量は自律神経によって支配されている そりゃそうである 血糖量を自分の意思で調節しろといわれても無理な注文である 以下に血糖量が少ないときの体内におけるチームワークを描いた 低血糖のとき上の図の通りである 間脳視床下部に流れる血液中の糖の量が低下すると交感神経が興奮し, すい臓ランゲルハンス島 A(α) 細胞からグルカゴンを, 副腎髄質からはアドレナリンを分泌させる また, 脳下垂体前葉からは血糖量を上昇させる成長ホルモンと甲状腺を刺激する甲状腺刺激ホルモンを分泌し, 甲状腺からはチロキシンが分泌される グルカゴン, アドレナリン, 成長ホルモン, チロキシンの 4 つはグリコーゲンを分解してグルコースに変えて血液中に流し, 血糖量を上げる またグリコーゲンが少ないときは脳下垂体前葉からさらに副腎皮質刺激ホルモンも分泌され, 副腎皮質からは糖質コルチコイドが分泌される これは飽食気味の現代人にはあまり必要性がない タンパク質を糖に変えるのである 血糖量がある程度上がり, 間脳視床下部にその血液が流れると血糖量を上げる作業をやめる この見事なチームワークをフィードバック調節という 高血糖のとき食事後など血糖が上がると副交感神経が興奮し, すい臓ランゲルハンス島 B(β) 細胞からインスリンを分泌させてグルコースからグリコーゲンを合成し, 肝臓に戻す 血糖量を上げるホルモンは 5 種類もあるのに対し, 下げるホルモンはインスリンただ一つである 野生動物はつねに糖を分解して生成する ATP( エネルギー ) が必要なので, 血糖量をいつでも上げられるように万全な体制を整えているのであるが, これが裏目に出る病気がかの有名な糖尿病である b1021-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

体温調節 暑くても寒くても交感神経がはたらく寒ければ筋肉で発熱し, 血管からその熱を逃がさない暑ければ汗腺から発汗自律神経が自動的に行う 自律神経暑い, 寒いは人により好みはあるが, 基本的に生命の存続に有利なものではない だから暑いときも寒いときも交感神経が興奮し, 体温を正常に戻そうとする ATP を使うため, 血糖量を上げるように自律神経がはたらく 体温調整では寒いときと暑いとき, 自律神経がどうはたらくのかを考えたい 寒いとき脳を通る血管に冷えた血液が流れる ( 寒冷刺激 ) と, 間脳視床下部がそれを感知する このとき交感神経が興奮し, 脳下垂体は各種ホルモンを分泌して, とりあえず血糖量を上げ, 体内での ATP の産生に励む 寒いときに血糖量を上げるホルモンとしては, 代謝を活発にするチロキシンが甲状腺から, グリコーゲンをグルコースに分解するアドレナリンが副腎髄質から, タンパク質を糖化する糖質コルチコイドが副腎皮質から, それぞれ分泌される その結果心拍数を上げ, 血圧を上げる また骨格筋を震えさせることにより発熱させて, 血管や立毛筋を収縮させることにより熱が体外へ逃げるのを防ぐのである 寒いときいわゆる 鳥肌 が立つのはこの仕組みである 暑いとき同じく脳血管に温かい血液が流れても, 同じく間脳視床下部はヤバいと感じる 交感神経を興奮させ, 汗腺にはたらきかけ, 汗の分泌を促進させる 汗が出てそれらが蒸発するときに気化熱によって温度が少し下がる また熱い刺激 ( 温熱刺激 ) を受けたときは同時に副交感神経も興奮し, 心臓に働きかけて心拍数や血圧を下げて熱を逃げやすくする 暑いとき, ダルくなる原因の一つである また動脈にもはたらきかけて血管を拡張させて熱を逃がす その他の血管には副交感神経が分布しないので弾性力によって拡張させている 寒いときは交感神経のみで, 暑いときは交感神経と副交感神経両方がはたらいてうまく熱を調節している 立毛筋や汗腺には副交感神経が分布していない 暑くて汗を出すときは交感神経が汗腺にはたらきかけ, 寒いときはただ汗が出ないのである 寒いときは立毛筋が震えるが, 暑いときは震えない b1076-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

肝 臓 沈黙の臓器とよばれる大きな臓器解毒 発熱 貯蔵などのはたらきまた胆汁を合成し, 十二指腸へ送る血液を貯蔵し, 古い赤血球を破壊する再生力が強い オルニチン回路肝臓は大きく, 重い (1kg) はたらきも多い 肝臓は肝小葉とよばれる単位でできている まさに 肝心 という言葉が存在するように, 肝臓は心臓と並んで 肝心 なものである 肝臓のはたらきの 1 つとして尿素合成がある 尿素はいわゆるアミノ酸から出る廃棄物といえる アミノ酸はカルボキシル基 ( COOH) と, アミノ基 ( NH 2 ) の両方を持つ化合物であり, 分解されるとカルボキシル基を持つ有機酸と, アミノ基がそのままちぎれたアンモニアになる このアンモニアは基本的に毒なので無害なものに変える必要がある その無害なものが尿素であり, それは肝臓内の細胞で合成される このときの化学反応であるが, 同じ物質を何回も繰り返すため, 回路に見立ててオルニチン回路とよばれる 物質がオルニチン シトルリン アルギニンと変化する過程で, アルギニンから尿素が合成される 右図のようなものはたまに出題される どのタイミングで尿素が合成されるかだけは覚えてもらいたい 肝臓の役割 貯蔵ビタミンや血液やグリコーゲン ( ブドウ糖を結合させたもの ) を蓄えておく そして必要なときに使う 栄養分の倉庫のような役割である 小腸の毛細血管から吸収される栄養分はアミノ酸とグルコースが主である これが肝門脈 ( または門脈 ) とよばれる静脈を通って肝臓に入る 代謝数々の代謝を行う 発熱体温は肝臓内の代謝で発生する 解毒菌や毒などは肝臓の硫酸などで分解される 胆汁生成胆汁を生成して肝臓近くの胆のうに蓄える 胆汁はそこから胆管とよばれる細い管を通って十二指腸に送られる 十二指腸は胃から腸への連絡通路ともいえる部分で, 指 12 本を並べたくらいの長さなのでこの名がついている 十二指腸に分泌された胆汁は脂肪の乳化と, 胃酸の中和を行う ( 胆汁はややアルカリ性 ) 乳化された脂肪はこの後リパーゼにより完全に分解される b1079-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

浸透圧調整 硬骨魚は水や塩類を出し入れして体内の浸透圧を正常値になるよう調節する軟骨魚 ( サメ エイ ) は尿素を血液中に溶かすことで外液と浸透圧と等張にしている 硬骨魚類海水はおよそ 3.5 % の食塩水でかなり濃い 海に住む魚, それも硬骨魚類 ( サメ エイを除く魚類 ) たちの体液はもう少し薄いはず ( 生理食塩水はおよそ 1.5 %) なので, 浸透圧により体内の水を吸い取られる傾向にある そのため ふざけんな! と叫び, 海水をガブ飲みするのである そして海水を塩分と水とに分け, 能動輸送により塩分をえらにある塩類細胞から排出し, 水分を腸から体内に吸収する また, 少量の等張尿を出している これらより, 海水の強力な浸透圧に対抗しているのである また, フナやコイなど, 淡水に住む魚たちは体内の方が濃いので水が浸透してくる これを放っておくと水がどんどん入ってきて体が破裂してしまう そのため水を出さなければいけない 淡水中では勝手に水が体内に入ってくるので, 魚はあえて水を飲む必要はない また, えらにある塩類細胞から能動輸送により塩分を吸収している さらに塩分の少ない多量の低張尿を水中に出すことで入ってきた水を追い出し, 出ていく塩分を吸収している 淡水魚は淡水生活に, 海水魚は海水生活における浸透圧調整を得意とし, 海水魚を淡水に投入, または淡水魚を海水に投入すると生存できずに死んでしまうものもある しかし, サケやウナギのように淡水 海水どちらでも調整できる魚もいる サケはご存知のように川と海を行き来するためである 軟骨魚類軟骨魚類にはサメ, エイがある 原始的な魚類であり, 硬骨魚類のような器用なことはできない 海水中に住んでいるわけなので, 体内の水が抜けていく そのため自らを外液と等張にすべく, 産生するのが比較的簡単で無害なものである尿素を体内に溶かすことで体液浸透圧を上げて海水と等張にしている こうすれば水は奪われないしまた染み込むこともない ここでは魚類のみ扱ったが, エビ カニや軟体動物などの無脊椎動物にはこのような調整能力がなく, 常に外液浸透圧と体内の浸透圧が等しくなるものが多い b1077-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

腎 臓 血しょう 原尿 尿不要なものが尿まで残るタンパク質は原尿に入らないグルコースは腎細管ですべて吸収 腎臓のしくみ血管には必要なもの, 不要なもの, あらゆる物質が血液と一緒に流れている 不要なものを混ぜて排出するのがご存知の尿である 尿を作るのが腎臓である 腎臓にはたくさんの腎単位 ( ネフロン ) でできており, 各腎単位ごとに尿を作り, 集合管に合流させる まず, 腎動脈から分岐した毛細血管が丸く集まったものが糸球体, 腎臓への入口がボーマンのう, この 2 つをまとめて腎小体という 腎単位とは違うので混同しないように 糸球体からボーマンのうへろ過される このとき大きな分子であるタンパク質はボーマンのうの微妙な網目を通過できないため, 血しょう中に残る その他, ブドウ糖や無機塩類や尿素はろ過され腎細管に入る 腎細管には毛細血管が巻きついており, 腎細管を流れる原尿から必要なものを再吸収する 溶質だけではなく, もちろん水も吸収される そして腎細管で毛細血管に見捨てられた物質がそのまま尿として排出される 尿計算入試ではよく出るのがこの尿計算である たいていの場合, イヌリンのデータと 1 日の原尿量もしくは尿量の値が与えられている イヌリンは体内で合成されず, 無害だが不要なものなので再吸収されずにすべて捨てられる 健康なヒトにイヌリンを注入して血しょう中, 原尿中, 尿中の各物質の濃度 [g/`] を測定し, 右上の表にまとめた 1 日の尿量を 1.5` として次のものを求めよ という例題を考える 1 日の原尿量イヌリンの尿中濃度は原尿中 各体液 1` 中に含まれる質量 [g] 血しょう中 原尿中 尿中 タンパク質 73 0 0 グルコース 1.0 1.0 0 尿素 3.5 3.5 20 Na + 3.3 3.3 3.3 Cl 3.6 3.6 6.0 K + 0.21 0.21 1.5 イヌリン 0.1 0.1 12 イヌリン [g] の 120 倍 水は再吸収されるがイヌリンは再吸収されないので, の値が大きく ` なったということである ということは原尿の体積 ` にして 1/120 が尿になっているので, 1 日の原尿量は尿量の 120 倍 1.5 120 = 180 180` Na + の再吸収率尿 1` あたりを考えるとラク 尿中の Na + は 3.3g, 原尿はこのとき 180` なので原尿中の Na + は 180 3.3g このうち 3.3g が排出されたので, 再吸収された量は引 けばよい よって 180 3.3 3.3 180 3.3 100 = 179 100 ; 99% 180 b1009-2 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

血液循環 開放血管系 節足動物 軟体動物動脈と静脈がつながっていない閉鎖血管系 脊椎動物 環形動物動脈と静脈がつながっている哺乳類は 2 心房 2 寝室 血液血液は, 結合組織で血管を流れる 人の体重のおよそ 7.7 % を占めている 有形成分と液体成分に分かれている 有形成分には赤血球, 白血球, 血小板がある 赤血球呼吸色素のヘモグロビンを持ち, 酸素運搬の役割をもつ 有形成分の中では最多数派である 白血球アメーバ型をし, 色素を持たない細胞 白血球の仲間にはリンパ球やマクロファージがあり, 免疫システムを担当する 数は少ないが, 大きさはトップである 血小板有形成分の中では大きさが最小のもの 出血したとき, 血管の外へ出ると壊れる 血液凝固のきっかけとなる 血管系動脈から血液が組織に染み出し, 細胞に酸素を供給しながら静脈に入るシステムを持つ血管系を開放血管系という これに対し, 動脈と静脈が毛細血管を通じてつながっている血管系を閉鎖血管系という 脊椎動物 ( 哺乳類 鳥類 爬虫類 両生類 魚類 ) と環形動物 ( ミミズ ヒル ゴカイ ユムシなど ) が閉鎖血管系である また, ほとんどの無脊椎動物は開放血管系である ここからは脊椎動物の閉鎖血管について紹介する 魚類 1 心房 1 心室心臓には静脈血のみが流れる 心臓からえらに血液が送られ, そこで二酸化炭素を酸素に交換して全身へ送る 両生類 爬虫類 2 心房 1 心室全身を回ってきた静脈血は右心室へ入り, 肺から肺静脈を通ってやってきた動脈血は左心室に入る ところがその先は 1 つの心室なので動脈血と静脈血が混合してしまい, 全身に効率よく酸素を運べない 鳥類 哺乳類 2 心房 2 心室動きが活発で多くの酸素を必要とするため, 爬虫類や両生類のように不完全な動脈血を全身に送ると不利である そのため完璧な隔壁が心室を左心室と右心室に区切っている b1074-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

心 臓 動脈血は酸素, 静脈血は二酸化炭素肺 心臓 全身 心臓 肺血液はこのような 環状運転 をする哺乳類 鳥類は 2 心房 2 心室それ以外は心臓に隔壁がない 体内にある小さな環状線我々ヒト ネコ 鳥 ヘビ カエルなど, 魚類以外の脊椎動物は肺をもつ 血液は心臓をターミナル駅とした鉄道をイメージするとよい まず心臓の左心房から 左心房 左心室と流れた血液は大動脈へと押し出される すべての動脈の起点である 途中, 多くの枝分かれがあり, 分岐して体のあらゆる組織へ血液を流して酸素を供給して二酸化炭素を回収する 分岐した血液は再び束ねられて大静脈となる 大静脈は各組織で血液は酸素を手放し, 二酸化炭素を多く持ってきた静脈血を心臓まで運ぶ血管である 大静脈を通り, 血液は心臓に戻って右心房, 右心室を通って肺動脈に入る このとき, 血液は二酸化炭素を多く含んだ静脈血だが, 通路は肺動脈であることに注意 血液は肺に達するとガス交換を行い, 外気から取り込んだ酸素を持ち, 肺静脈に入り, 心臓の左心房に戻る このときも肺静脈に動脈血が流れることに注意 自動性心臓はその動物が生きている限り, 生涯休むことなく動いている これを自動性という 中枢神経から心臓だけを切り離してもドックンドックンと鼓動を続ける 右心房の入口付近の大静脈にこの自動性の起点である洞房結節 ( とうぼうけっせつ ) がある これはペースメーカーとよばれ, 興奮すると心房の筋肉を収縮させる その後興奮は, 心房と心室の中間にある房室結節に伝えられ, 心室が収縮することで血液が心臓の外へ送り出される 心臓の自動性を保ち続けるこれらの筋繊維などの集まりのことを刺激伝導系という 伝達ではないので気をつけてもらいたい 心臓は心筋でできている 横紋筋の一種だが不随意筋である ということは自律神経の作用を受ける 交感神経運動などをして血液中の二酸化炭素濃度が高くなると交感神経が興奮し, 終末からノルアドレナリンが分泌され, 血圧や心拍数が上がる 副交感神経血液中の二酸化炭素濃度が下がると, 副交感神経終末からアセチルコリンが分泌されて血圧や心拍数が上がる b1075-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

酸素解離曲線 ( 改訂 1.0) ヘモグロビンは酸素が多く, 二酸化炭素が少ないほど酸素と結びつく酸素が少なく, 二酸化炭素が多いほど酸素を手放す ヘモグロビンと酸素解離曲線ヒトの血液中にある赤血球のヘモグロビン (Hb) は, ご周知の通り体に酸素を運搬する役割がある それを数値的に考えるものが酸素解離曲線である 上の図のように横軸に血液中の酸素分圧, 縦軸に酸素と結合したヘモグロビン ( 酸素ヘモグロビン HbO 2 ) の % 割合をとる そして二酸化炭素分圧により通常 2~3 本の曲線を描きこむ ヘモグロビンは二酸化炭素が少なく, 酸素が多い場所では酸素と結びつき, その逆の状態では酸素を手放す性質がある グラフを見ると, 確かに二酸化炭素が少なく, 酸素が多いほど HbO 2 の割合は多くなっている 使い方このタイプの問題はそれほど難しくない グラフを見てそのままである 二酸化炭素分圧 20mmHg, 酸素分圧 100mmHg の肺で, ときたら図の実線で横軸が 100 である点 A を見ればよい ここでおおよそ 98 % と読み取る ( 実際の試験では細かく目盛りがうってあるものが多い ) これは全ヘモグロビンのうちの 98 % が HbO 2 であるという意味である 次に組織に運ばれた場合を考える 二酸化炭素分圧 60mmHg, 酸素分圧 40mmHg の組織ならグラフの B を見る すると HbO 2 は 50 % と分かる 静脈ではヘモグロビンのうちの 50 % はまだ酸素を持っているということも分かる また, 二酸化炭素はヘモグロビンではなく, 血しょうに溶解させて運搬する 肺のヘモグロビンのうち何 % が組織で酸素を解離したか肺 ( 動脈内 )98 %, 静脈で 50 % のヘモグロビンが酸素を持っている ということはその差 98 50 = 48 % のヘモグロビンが組織に酸素を置いてきたといえる 酸素ヘモグロビンのうち何 % が組織で酸素を解離したか肺 ( 動脈内 ) では全ヘモグロビンのうち 98 % が HbO 2, この中で組織に酸素を置いてきたヘモグロビンの割合を求めるということであるから, 98 50 100 = 48.9 ; 49 % 98 のように, この 2 つは違うので問題をよく読んでどちらなのかを注意して答えてもらいたい しかし多くは後者のほうである b1205-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

血液凝固 後ろから覚える方がラクフィブリンと血球によって血餅ができるフィブリンを合成するのには様々な酵素などのはたらきが必要 フィブリンができるまで怪我などで出血してしまっても数分で血が固まり, カサブタができる このはたらきは非常に複雑だが, 血液が血管の外へ出るとこの反応が自動的に起こる 血液凝固の問題はそれなりに出るが, パターンは完全に決まっているので仕組みを覚えてしまえば問題はない 一見覚えるのは大変そうだが, フィブリンと血球で血餅ができる, と覚えればよい フィブリンはタンパク質の一種で繊維状であり, 血球を絡めることができる そのフィブリンは初めから血液中にあるわけではない もし常備されていたら, 何でもないときに血液が固まって危険である だから普段, フィブリンはフィブリノーゲンという物質の形で常駐する フィブリノーゲンがフィブリンに変化するには酵素のトロンビンが必要である しかしそのトロンビンも普段はプロトロンビンという姿をしている ここまでで混乱していないだろうか? もし混乱されたら一度フローチャートのようなものを書いてもらいたい プロトロンビンがトロンビンに変化するためには様々な作用が必要である まず, 傷ついた組織から出されるトロンボプラスチンである このほか, カルシウムイオンも必要となる そして, ここに血小板因子が加わるとプロトロンビンがトロンビンになる 血小板因子は普段は血液中にないが, 血液が血管の外に出ると血液中の血小板がその因子を放出する 血小板因子以外は常にスタンバイされている だから怪我をして血管が切れたときはドミノ倒しのように連鎖的に反応が進む 血液凝固については論述ができるように理解しておくことをお勧めする 血液凝固防止血液は血管から出ると固まる しかし献血の血液のように固めたくない場合は以上で述べた反応のどこかを阻害して停止すればよい クエン酸ナトリウム化学を選択している人ならご存知と思う カルボン酸はカルシウムイオンなどの 2 族の金属イオンと結合すると沈殿する 血しょう中にわずかにカルシウムイオンがあるため, クエン酸などを加えることによってカルシウムイオンが沈殿する これにより, プロトロンビンがトロンビンになる反応を阻害することができる 肝臓で作られるヘパリンも有効である トロンビンの作用を阻害するはたらきがある その他の方法血液凝固は酵素による反応を含む だから, 酵素活性を下げるために低温にしてもよい また, フィブリンが絡まらないようにするため, かき回す方法もある b2093-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

体液性免疫 マクロファージの食作用 抗原提示ヘルパー T 細胞がインターロイキンを出し B 細胞を活性化 B 細胞は抗体産生細胞に, 抗体産生細胞は抗体を作る 体液性免疫外界からの雑菌や異物のことを非自己といい, 本来体内にあるものを自己という 非自己から自己を守るシステムが免疫である 免疫においては雑菌や異物のことを抗原という 体内をパトロールするマクロファージが食作用により抗原を分解する 抗原の破片の情報はマクロファージに付着するヘルパー T 細胞に伝えられる これを抗原提示という 抗原提示を受けたヘルパー T 細胞はインターロイキンを放出し,B 細胞を刺激する すると抗原提示された抗原に合った抗体を造れる B 細胞が抗体産生細胞へと分化し, 抗原を不活性化, つまりおとなしくさせる マクロファージ白血球が分化した巨大細胞 リソソームを多く含み, あらゆる物を加水分解できる ヘルパー T 細胞リンパ球が胸腺 (thymus) で分化したもの マクロファージに結合しており, インターロイキンを放出し, 色々な細胞に 指示 をする B 細胞 抗体産生細胞リンパ球が骨髄 (bone marrow) で分化したものが B 細胞である 抗体を持っており, ヘルパー T 細胞に刺激されると急激に増殖, 分化をして抗体産生細胞になる 抗体産生細胞は体液中に抗体をバラまく 抗体抗体は免疫グロブリンというタンパク質でできおり,Y 字型をしたものである 定常部と可変部に分かれており, 定常部はどの抗体も同じである 可変部は抗原に応じて形を変えている そのため抗体と抗原は, 酵素と基質の関係と似ており, 特異的に結合することができる これを抗原抗体反応という 抗体は長い H 鎖と短い L 鎖でできている 右図のように合計 4 本の鎖があるが, これらを結びつけるのはタンパク質が持つ硫黄原子どうしの結合であるジスルフィド結合である 図の S がそうである ジは 2, スルファは硫黄でそれを過去分詞形にしたと覚えておけば忘れない b1032-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

細胞性免疫 マクロファージの食作用 抗原提示ヘルパー T 細胞がインターロイキンを出しこのあとは体液性免疫とは違うキラー T 細胞, マクロファージが異常細胞を直接破壊 細胞性免疫体液性免疫は免疫の主体であるが, 異常細胞などに対してはこちらの細胞性免疫がはたらく 抗原を食作用により分解したマクロファージは, 付着しているヘルパー T 細胞に抗原提示をする ここまでは体液性免疫と同じであるが, このあとヘルパー T 細胞が出すインターロイキンはキラー T 細胞とマクロファージを刺激し, 活性化させる キラー T 細胞はすぐに増殖し, 抗原を直接破壊し, マクロファージの食作用もさかんになる 抗原が菌などの細胞のときやがん細胞, ウイルス, 結核のときなどに有効な免疫である 二次応答体液性でも細胞性でもどちらの免疫も, 記憶細胞というものが血液中に造られる 体液性免疫なら B 細胞が, 細胞性免疫なら T 細胞が記憶細胞として一部が一定期間保持される 2 回目に同じ抗原が進入してきた場合, 抗体を素早く産生したり, キラー T 細胞が即座に抗原を攻撃できるように備えている このように短時間で多量に抗体やキラー T 細胞を産生することを二次応答という 一度病気になると同じ病気にはなりにくいのは二次応答のおかげである 右図の横軸は時間, 縦軸は免疫細胞の数である 1 回目は免疫細胞が増えるまでやや時間がかかるが,2 回目は抗原の侵入からすぐに 1 回目よりも多量に抗体, またはキラー T 細胞を産生できる このような免疫を獲得免疫または後天性免疫という これを用いた医療として予防接種などのワクチン療法がある インフルエンザやはしかなどであるが, あらかじめ弱体化させた抗原を注射し, 抗体やキラー T 細胞を産生させ, 流行時期に二次応答を期待するものである 花粉やホコリなど, 無害なものに対しても過剰に抗体を産生して苦しくなるのがアレルギーであり, これは二次応答が不利な形で出る代表例である その他, 免疫システムが自己と非自己の見分けがつかなくなり, 自己を攻撃してしまう病気が自己免疫疾患である 本来は自己は攻撃しないという免疫寛容になっているが, 何らかの要素により免疫系が自己であることを 忘れて しまうのである リウマチ, 甲状腺に炎症が起こる橋本病などがある b1033-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

ABO 式血液型 赤血球凝集原血清凝集素 A 型 B 型 AB 型 O 型 A B A と B ナシ β α ナシ α と β 赤血球の凝集原が抗原血清中の凝集素が抗体 A と α,b と β が出会うと凝集抗原抗体反応の一種 抗体抗原反応基本的に血液型の違う血液どうしを混合すると血液が固まる凝集反応が起こる これは抗原抗体反応のひとつであり, 赤血球の表面にある凝集原によって血液型が決まる 凝集原が抗原としてはたらき, 血清中の凝集素という物質が抗体としてはたらく A 型血液は赤血球に凝集原 A と血清中に凝集素 β を,B 型血液は B と α を持つ また AB 型血液は凝集素はなく凝集原は A と B の両方を,O 型血液は凝集原はなく, 凝集素は α と β の両方を持つ A と α,b と β が出会うと凝集するようになっている オーストリアの病理学者ラントシュタイナーによって発見された ちなみに血液型で性格が決まるという医学的根拠は証明されていなく, 思い込みによる影響が大きいと考えられる 血液型で人を判断するのは差別にもつながる, 危険な行為である 異なる型の血液を混ぜてはいけない理由例として A 型血液で考えてみよう A と β を持っている ここに B 型血液を混ぜた場合はどうなるか B 型血液には B と α が含まれるが, 混合すると A と α,b と β 両方が出会ってしまうため凝集する 次に AB 型血液はどうか A と B があるため A 型血液が持っている β と反応してしまう O 型血液の場合,O 型の持つ α と A 型の持つ A が出会ってしまう 他の型も考えてもらいたいが, 全部で 4 C 2 =6 通り, どんな組合せをしても凝集反応が起こる しかし, 血球や血清のみなら大丈夫な組合せもある 今度は B 型で考えてみよう B 型血液は B と α を持つ A を持たない O 型の血球なら B 型血液に混合しても凝集反応は起こらない また血清だけなら,β を持たない AB 型のものなら混合しても凝集しない 計算例題 500 人の集団から採血した血液で,A 型標準血清に反応したものが 200 人分,B 型標準血清に反応したものが 250 人分,O 型血清に反応しなかったものが 100 人分あった それぞれの血液型の人数を求めよ 解 A 型血清には β 凝集素が入っている 反応した 200 人は β と結びつく B を持つ血液型なので,B 型と AB 型である つまり,B + AB = 200 また B 型血清には α が入っているので,250 人は A を持つ A 型と AB 型の合計なので,A + AB = 250 そして O 型血清には α と β が入っており, 反応しないのは O 型血液のみ よって O = 100 また全部で 500 人なので,A + B + AB + O = 500 もお忘れなく この 4 元連立方程式を解くと, A 型 200 人 B 型 150 人 AB 型 50 人 O 型 100 人難しいことではないので間違えないように丁寧に計算してもらいたい b1024-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物

Rh 式血液型 アカゲザル (Rhesus Monkey) とヒトが持つ Rh 因子 ( 抗原 ) Rh + の人は Rh 因子を持つ Rh の人は Rh 因子を持たない Rh の人は Rh 抗体を作ることがある 抗体抗原反応普通, 血液型が A 型の人は赤血球に A 凝集原と血清中に β 凝集素がある B 型や O 型の人が血清中に持つ α 凝集素を A 型の人の血液と混合すると凝集が起こる このとき抗原として A 凝集原というものがあるが, 実はこのほかにも凝集原なるものがある それが Rh 因子である アカゲザルの英名の頭文字 2 文字をとって Rh 型の名がついた ABO 式でも登場したラントシュタイナーの他, ウイナーが発見した いずれにせよ, 血液型には 几帳面 や マイペース などの性格を左右するという根拠は見つかっていない Rh 式血液型多くの人は Rh + 型であり,Rh 因子を持つ Rh 型の人は持たない また, どちらも Rh 抗体は初めは産生されていない これは当たり前である Rh 因子を持つ人が Rh 抗体を作ると自己を攻撃することになるからである Rh 型の人に Rh + 型の人の血液, つまり血球を注射したり,Rh 型の女性が Rh + 型の子を産んだりすると,Rh + 型の血液が Rh の人の体内に入る すると Rh 型の人の免疫系は初めて見た Rh 因子を見て驚いて,Rh 抗体を作ってしまう 1 回目は抗体を作るだけであるが,2 回目は危険である 抗体と Rh 因子が凝集を起こしてしまうからである Rh 型の女性が, 何らかの形で Rh 抗体を産生した後に Rh + の子を産むと, 胎盤を通して Rh 抗体が子の血液内に入ってしまう すると子の体内では赤血球の破壊などが起こり, 大変なことになる この現象を血液型不適合とよぶ このようなことは通常の ABO 式の血液型でも起こりうるが,Rh 式のような影響はほとんどない 調べ方アカゲザルの血球をウサギやネズミなど,Rh 因子を持たない動物に注入する 体液性免疫がはたらき,Rh 抗体が血清中に産生される その血清で判断できる Rh + 型の人の血液は Rh 因子を持つため, この血清と混合すると凝集が起こる Rh の人は Rh 因子を持たないため, 血清と混合しても凝集が起こらない こうして判断することができる b1014-1 新快速のページ講義ノートシリーズ生物