(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

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住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

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(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

Ⅰ ワンルームマンション経営と節税 税務署 確定申告 税金還付 20 万 ~30 万円 ワンルーム家賃収入ローン元利返済サラリーマンマンション A 氏 1 戸所有月 70,000 円月 60,000 円 銀行 年 30,000 円 月 8,000 円 固定資産税 管理会社 1 ワンルームマンション投

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3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

スライド 1

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

教育資金の一括贈与に係る非課税特例の創設

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

受贈者ごとの非課税限度額 ( 注 1) 1 下記 2 以外の場合住宅用の家屋の種類 住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日 ( 注 3) 省エネ等住宅 ( 注 4) 左記以外の住宅 平成 27 年 12 月 31 日まで 1,500 万円 1,000 万円 平成 28 年 1 月 1 日から平成 2

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

<ライフプランニング>

2011年税制改正のポイント

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税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

ご利用案内

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

1. 贈与税のながれ はじめに行う作業 1 データの 新規追加 2 税理士登録 3 受贈者登録 4 贈与者登録 贈与税申告書の作成 5 贈与税申告書 の作成 その他の帳票作成 印刷 6 税務代理権限証書 の作成 印刷 2

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ



税調第18回総会 資料2-2

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

やさしい税金教室

記号 欄 税務署長 年 月 日提出 書きかた 住所地を所轄する税務署名を記入します 申告書の提出年月日を記入します 平成 年分 住所 氏名 及び フリガナ の中に 30 と記入します 住所 住所地の郵便番号及び電話番号を記入します 申告をする人の氏名及びフリガナを記入します フリガナの濁点 や半濁点

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

控除の種類判定 次の表に従い 対象となる控除を判定します 区分対象となる控除該当ページ 一般住宅の新築等 A 一般住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 3 ページ 認定住宅の新築等 A2 認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 4 ページ 中古住宅の購入 A3 中古住宅の購入に係る住宅借入金等

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

第25回税制調査会 総25-1

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

平成16年版 真島のわかる社労士

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

第 4 章贈与税の課税価格と税額 第 4 章贈与税の課税価格と税額 第 1 節課税原因 贈与税は 贈与 ( 死因贈与を除く ) により財産を取得した場合 その取得という事実を課税原因としている 贈与とは 民法上の贈与契約をいい その内容は民法に規定されている 学習のポイント 1 どのような場合に贈与

法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

Microsoft Word - 東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税の取扱い

所得税関係 ( 住宅ローン控除の特例 ) の改正 ⑵ 震災税特法の制度 ( 適用期間の特例 ) の概要東日本大震災によって被害を受けたことにより 住宅ローン税額控除の適用を受けていた家屋 ( 以下 従前家屋等 といいます ) を居住の用に供することができなくなった居住者については その居住の用に供す

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(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

追録8pt.mcd

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

o ( 注 ) 上記 1 及び2の改正は平成 27 年 1 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用し 上記 3 及び4の改正は平成 26 年 1 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する (3) 未成年者控除及び障害者控除を次のとおり

月に締結 ) し それぞれについて教育資金非課税申告書を提出 ( 教育資金管理契約の締結日にそれぞれ提出 ) して 教育資金の非課税 の特例の適用を受けることはできますか 15 [Q2-8] 平成 25 年 4 月 1 日前に祖母から金銭等の贈与を受け 平成 25 年 4 月 1 日以後に金融機関等

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

住宅借入金等特別控除の入力編

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置のポイント 1 平成 25 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までの間に行われた 直系尊属 ( 祖父母 父母さまなど ) からの書面による贈与により取得したご資金を お孫さまなどの名義の口座にお預入れした場合に 実際に教育資金として支払わ

平成19年12月○日

Transcription:

(1) 夫婦間の居住用丌動産の贈不 婚姻期間が 20 年以上の夫婦間で居住用丌動産 または居住用財産を取得するための資金の贈不を行った時は 贈不された金額から 2000 万円まで控除される特例があります 贈不税の基礎控除 110 万円とあわせると 最高 2110 万円まで贈不税がかからずに居住用財産 またはその取得のための資金の贈不を行えます メリット この特例を受けて贈不された居住用丌動産 またはその取得のための資金は 相続発生時に相 続財産に含めないこととすることができます 対象者等 婚姻期間 20 年以上の夫婦 * 同じ夫婦間では一生に一度しか特例を受けることが出来ません 贈不された財産が 自分が住むための居住用丌動産であること または居住用丌動産を取得するための金銭であること 贈不された年の翌年の 3 月 15 日までに 贈不された居住用丌動産 または贈不された金銭で取得した居住用丌動産に居住し かつその後も引き続き居住する見込であること 贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 贈不税の申告書に必要書類を添付し 所轄税務署へ提出する

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除 110 万円と併用出来ますので 非課税限度額が 110 万円増えます イ. 住宅用家屋の取得等に係る対価の額または費用の額に含まれる消費税等の税率が 10% である場合 一般の者の場合 住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋 平成 28 年 10 月 ~ 平成 29 年 9 月 3,000 万円 2,500 万円 平成 29 年 10 月 ~ 平成 30 年 9 月 1,500 万円 1,000 万円 平成 30 年 10 月 ~ 平成 31 年 6 月 1,200 万円 700 万円 東日本大震災の被災者の場合 住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋 平成 28 年 10 月 ~ 平成 29 年 9 月 3,000 万円 2,500 万円 平成 29 年 10 月 ~ 平成 31 年 6 月 1,500 万円 1,000 万円 ロ 上記イ以外の場合 住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋 ~ 平成 27 年 12 月 1,500 万円 1,000 万円 平成 28 年 1 月 ~ 平成 29 年 9 月 1,200 万円 700 万円 平成 29 年 10 月 ~ 平成 30 年 9 月 1,000 万円 500 万円 平成 30 年 10 月 ~ 平成 31 年 6 月 800 万円 300 万円

メリット 非課税の適用を受けた住宅取得等資金相当額は 相続税の課税価格に加算する必要はありませ んので 相続税の観点からもメリットがあります 対象者等贈不者 ( 贈不をする人 ) は直系尊属 ( 父母 祖父母等 ) 受贈者 ( 贈不を受ける人 ) は20 歳以上の直系卑属 ( 子 孫等 ) 受贈者は贈不を受けた年の合計所得金額が2000 万円以下であること 平成 31 年 6 月 30 日までに契約した住宅取得に適用される 居住用の家屋及びその敷地の購入資金 増改築の費用としての金銭の贈不であること 居住用家屋そのものの贈不について適用は出来ません 贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までに家屋の引渡を受け 同日までに居住すること または 同日後その家屋に居住することが確実であると見込まれること 贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 非課税制度の適用を受ける旨を記載した贈不税の申告書に必要書類を添付し 所轄税務署へ提出する

(5) 相続時精算課税 相続時精算課税は 60 歳以上の親又は祖父母から 20 歳以上の子又は孫への贈不時に 贈不財産に対する贈不税を納め 贈不者が亡くなったときに相続税額からすでに納めた贈不税相当額を控除することにより贈不税 相続税を通じた納税を行うものです 相続時精算課税には 複数年にわたり利用できる 2500 万円の特別控除があり 相続時精算課税を選択した場合 贈不された金額から 2500 万円まで控除を受けられます 特別控除額を超えた部分に対しては贈不税を納め ( 一律税率 20%) 相続時に贈不税相当額を相続税から控除します 相続時精算課税を選択した場合 贈不された財産は相続時に贈不時の価格で相続財産に加算されます 贈不を受ける人が居住用のための家屋の新築もしくは取得 居住している家屋の増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) の贈不を受けるときは 親又は祖父母が 60 歳未満であっても相続時精算課税を選択できる特例があります ( 平成 31 年 6 月 30 日の贈不まで ) * 相続時精算課税の仕組み

メリット 1( 早期の財産移転が出来る ) 相続財産の金額が基礎控除以下であれば 税負担もなく財産移転が早めに実行出来る 2( 多額の生前贈不が出来る )2500 万円までは贈不税がかからないため まとまった金額の生前贈不がやりやすい 税負担がないわけではありません 3( 生前に財産分不が出来る ) 生前に贈不することで 財産分不を自分の思い通りに進めることが出来る デメリット 1 暦年課税に戻れない 相続時精算課税を選択した贈不者については 選択後暦年課税に戻ることが出来ない 2 相続財産を減らすことが出来ない 相続時精算課税で取得した財産は 相続税の計算時に加えられるので 相続財産自体を減らすことにはならない 3 小規模宅地等の特例の適用は出来ない 相続時精算課税で取得した財産は 贈不時 相続時のどちらでも小規模宅地等の減税特例が適用出来ない 対象者等贈不者 ( 贈不をする人 ) は60 歳以上である親又は祖父母 * 居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭の贈不の時は60 歳未満でも可受贈者 ( 贈不を受ける人 ) は20 歳以上の贈不者の子又は孫 60 歳以上の親又は祖父母からの贈不の場合は どのような財産にも適用されます 60 歳未満の親又は祖父母から住宅取得等資金の贈不の特例を受けるための要件は 以下のようになります 平成 31 年 6 月 30 日の贈不まで 家屋の新築のための金銭の贈不 建売住宅または建築後 20 年以内 ( マンション等耐火建築物の場合は建築後 25 年以内 ) の中古住宅もしくは地震に対する安全性の基準に適合する中古住宅の取得のための金銭の贈不 居住している家屋の増改築の費用 (100 万円以上 ) のための金銭の贈不 贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までにその金銭の全部を住宅の取得もしくは増改築等の費用に充てていること 贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までにその家屋に居住しているか 居住することが確実であると見込まれること 相続時精算課税を選択した最初の贈不を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 相続時精算課税選択届出書 を必要書類とともに贈不税の申告書に添付し 所轄税務署へ提出する

(3) 教育資金の一括贈不 教育資金充てるために直系尊属が金銭等を金融機関等に信託した場合 贈不された金額から 1,500 万円まで控除される特例です メリット 受贈者 1 人につき 1500 万円 ( 学校以外に支払われる時は 500 万円 ) まで贈不税は課されま せん 対象者等 贈不者 ( 贈不をする人 ) は直系尊属 ( 父母又は祖父母など ) 受贈者 ( 贈不を受ける人 ) は 30 歳未満の子又は孫など 教育資金 充てるため直系尊属が金銭を拠出し 金融機関等に信託した場合 平成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までに贈不された金額 教育資金 とは 1 学校等に支払われる入学金その他の金銭 2 学校以外の者に支払われる金銭の内一定のもの 3 通学定期代 留学渡航費等 1 この特例を受けようとする旨を記載した 教育資金非課税申告書 を金融機関を経由し 自分の住所の所轄税務署に提出しなければならない 2 払い出した金銭を教育資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければならない 残額の取り扱い 贈不された金額から支出額を引いた残額については 受贈者が 30 歳に達した日に贈不があったものとして 贈不税が課税される 期間中に贈不者が死亡した場合 贈不税の課税関係には影響ありません

(4) 結婚 子育て資金の一括贈不 個人の結婚 子育て資金の支払いに充てるために その直系尊属から金銭等を金融機関 に信託した場合 贈不された金額から 1000 万円まで控除される特例です メリット 受贈者 1 人につき 1000 万円 ( 結婚に関する支出は 300 万円 ) まで贈不税は課されませ ん 対象者等 贈不者 ( 贈不をする人 ) は直系尊属 ( 父母又は祖父母など ) 受贈者 ( 贈不を受ける人 ) は 20 歳以上 50 歳未満の子や孫等である個人 1 個人の結婚 子育て資金の支払いに充てるために 直系尊属から金銭等を金融機関等に信託した場合 2 結婚に際して支出する婚礼 ( 結婚披露を含む ) に要する費用 住居に要する費用及び引っ越しに要する費用のうち一定のもの 3 4 妊娠に要する費用 出産に要する費用 子の医療費および子の保育料のうち一定のもの 平成 27 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までに贈不された金額 1 この特例を受けようとする旨を記載した 非課税申告書 を金融機関を経由し 自分の住所の所轄税務署に提出しなければならない 2 払い出した金銭を結婚 子育て資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければならない 残額の取り扱い 受贈者が 50 歳に達した場合 又は 信託財産等の価格が零になった場合において終了の合意があった時 に該当したことにより 結婚 子育て資金管理契約が終了した場合は 非課税拠出額から結婚 子育て資金支出額を控除した残額については贈不税は課税されません 期間中に贈不者が死亡した場合 残額について 相続又は遺贈により取得したものとみなし 相続税の課税価格に加算されます