<4D F736F F D C C8E9197BF825382CC A89FC92F9322E5F F8ED497BC88C CE8DF48C9F93A289EF5F92B48FAC8C5E8ED488C091538AEE8F805F91AC95F12E646F63>

Similar documents
Microsoft Word - 05技適項目( 最終版)

<4D F736F F D C C8E9197BF825382CC A88C091538AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB85F8E9197BF2E646F63>

<4D F736F F D E9197BF342D32817A B7982D BF CC8EA993AE8ED482C98AD682B782E990A28A458B5A8F708B4B91A582CC93B193FC8B7982D18D B4B91A D A89BB82C982C282A282C42E646F6378>

車両の規制値 ) に示す協定規則第 51 号と同様の規制値とします なお 規制値は フェーズ 1 フェーズ 2 と 2 段階で強化されます ロ. 追加騒音規定 (ASEP) 要件 新たな加速走行騒音試験法の試験条件から外れたエンジン回転数で走行する場合に不適当な騒音の上昇を抑えることを目的として 乗

国土交通省自動車交通局プレスリリース

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

事例2_自動車用材料

【資料8】車両安全対策の事後効果評価rev4

新車販売台数のシェア 分析の前提条件 燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは 自動車産業戦略 の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し 技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ 平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の

速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

資料2  SJAC提出資料

<4D F736F F D20819B B C83588E9197BF A B89B9817A8DC58F492E646F63>

第9章 タイの二輪車産業-好調な国内市場と中国の影響-

DOCSIS 3.0( 単独 ) LTE WiMAX 衛星ブロードバンド 各技術を統合した算出基準 : ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星ブロードバンドを除いた上記の接続技術を対象 固定ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星 HSPA LTE を除いた上記の接続技術を対象 NGA カバレッジ -

(2) 自動車騒音及び道路交通振動対策に係る法体系自動車騒音及び道路交通振動対策に係る法律としては 昭和 42 年に制定された公害対策基本法 ( 平成 5 年より環境基本法 ) に基づく施策を実施するため 昭和 4 3 年に騒音規制法 昭和 51 年に振動規制法が制定された 自動車騒音に係る環境基準

J I S J A S O 廃止提案書 1. 対象規格 JASO M 304:02 ( 自動車用発泡体 ) 2. 廃止の背景と理由この規格は自動車用の断熱 防音 防振及びクッション用材料の性能 試験方法を標準化する趣旨で 1969 年に制定され 以後 4 回の改正が行われた なお 本年度の定期見直し


資料 四輪車の加速走行騒音規制について ( 乗用車 小型車 ) 現行加速走行騒音試験法の課題 新加速走行騒音試験法の概要 国内走行実態との比較による新加速走行騒音試験法の検証 1

別紙 1. 背景 道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について ( 概要 ) 自動車の安全基準等について 国際的な整合性を図り自動車の安全性等を確保するた め 我が国は国際連合の 車両等の型式認定相互承認協定 ( 以下 相互承認協定 とい う ) に平成 10 年に加入し 現在 相互承認協

Microsoft Word - 02_プレス資料(別紙).doc

自動運転への対応状況 自動運転の分類 運転支援型自動運転 : 緊急時は運転者が操作 ( 運転者がいることを前提とした自動運転 ) 完全自動運転 : 緊急時もシステムが操作 ( 運転者が不要な自動運転 ) 自動車メーカーの開発状況 運転支援の高度化を目指す 当面目標とはしておらず 試験走行の予定もない

平成 31 年度の軽自動車税の税率について 平成 31 年度の軽自動車税は下記のとおりとなりますのでご確認ください 原動機付自転車 小型特殊自動車 二輪の小型自動車 軽二輪 区分 税率 原動機付自転車 小型特殊自動車 50cc 以下 90cc 以下 125cc 以下三輪以上のもの ( ミニカー )

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

PowerPoint プレゼンテーション

配慮事項 1 鉛の使用量 ( バッテリーに使用されているものを除く ) が可能な限り削減されていること 2 資源有効利用促進法の判断の基準を踏まえ 製品の長寿命化及び省資源化又は部品の再使用若しくは材料の再生利用のための設計上の工夫がなされていること 特に 希少金属類の減量化や再生利用のための設計上

canter_carrier_car_2016_H1_H4(初)

JNTO

国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

Microsoft PowerPoint - 05【資料54-2】二輪車の排出ガス規制に関する国際基準調和の動向等についてver6(140904)

平成 28 年度第 2 回車両安全対策検討会平成 28 年 12 月 9 日 安全 - 資料 9 自動運転に係る国際基準の検討状況

Microsoft PowerPoint - 05【資料53-2】WLTCの国内導入について(最終版)

JAふじかわNo43_ indd

<4D F736F F D E817A899E977095D22D979A97F082C882B >

エコカー減税グリーン化特例(自動車税 軽自動車税)(自動車税 軽自動車税)環境性能割車体課税の見直し ( 自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税 ) トラック バス タクシーについては 営自格差 を堅持するとともに 一部見直しを行った上で エコカー減税 グリーン化特例を 2 年間延長 また

第13章 インドネシアの自動車産業と二輪車産業-中国の影響と分業再編の展望-

表 1 乗用自動車のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製 造事業者等の判断の基準等 ( 平成 25 年経済産業省 国土交通省告示第 2 号 ) に定められた燃費基準における各車種の燃費試験法一覧 乗用自動車小型バス 路線バス 一般バス 2015 年度基準 JC08 JC08 JE0

<4D F736F F D AC89CA817A E63189F18E7396AF B836795F18D908F912E646F6378>

untitled

PDF変換用(報告書)帯広市新エネルギービジョ

国土交通省自動車交通局プレスリリース

33pdf.indd

) km 200 m ) ) ) ) ) ) ) kg kg ) 017 x y x 2 y 5x 5 y )

第 7 章新規検査及び予備検査 (2)( 1)1 の表中 車両の後部に原動機を有するもの とあるのは 原動機本体の前端を通り 車両中心線に垂直な平面と車両中心線との交点が 最も前方の車軸中心又は最も後方の車軸中心を含み 車両中心線に垂直な二つの平面と車両中心線とのそれぞれの交点の中心より後方にある自

H26 年度 JCM 方法論和文要約 A. 方法論タイトル 電気自動車による地球温室効果ガス排出量削減 B. 用語の定義 用語定義電気自動車 ( 以下 EV) 車載電池からの電力のみで走行する自動車をいう 送電線経由で車載 2 次電池に蓄電し 走行時に電動機に電力を供給する 2 次電池車が一般的であ

軽自動車税 軽自動車税は 毎年 4 月 1 日 ( 賦課期日 ) 現在 市内に主たる定置場のある軽自動車等を所有している人に課税されます 平成 28 年度から地方税法などの一部改正により 軽自動車税が変更になっています 三輪及び四輪車以上の軽自動車については 平成 27 年 4 月 1 日以降に新車

米国における道路財源の負担のあり方について 米国では道路整備費用は 利用者である自動車ユーザーが公平に負担すべきとされている ( 利用者負担の原則 ) n オレゴン州は 2001~2007 年 (1 回目の検討 ) 2010~2013 年 (2 回目の検討 ) に 実証試験を実施 l 1 回目の検討

国土技術政策総合研究所 研究資料

…_…C…L…fi…J…o†[fiü“ePDF/−mflF™ƒ

WINS クラブ ニュース

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1

術基準 に規定する市街地加速走行騒音有効防止後付消音器の基準に適合する消音器に交換した自動車のうち 二輪自動車及び使用の過程にある二輪自動車を改造した側車付二輪自動車にあってはイに定める基準 二輪自動車以外のものにあってはウに定める基準を適用するものとする 騒音の自動車の種別大きさ 乗車定員 11

サポートされている国番号

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主

資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

GR-1000N-1_簡易版スペックシート改訂


着脱式EV報告書


2t3 転ダンプ 2t3 転ダンプサイドテール 輌ダンプカートラック規制車 その他22tダンプ ダFンゲプー ト2t3転ダンプサイドテールRENTAL t 3 転12 車 2t3 転ダンプ 排土性の高い リヤサイド 50 度のダンプ角度 ( 最大積載量 2t 積車 ) 操作力を軽減した吊り下げ式方向

draft Japan PV comments final v2_Japanese_Reviewed_For Client ICCT comments 1020_Clean Version +dr

平成 26 年度海外市場探求奨学金報告書 機械創造工学課程 4 年高桑勇太 探求テーマ スペインにおける自動車市場の探求 実務訓練期間 2014 年 9 月 1 日 2015 年 2 月 7 日 実務訓練先 スペイン ( バルセロナ ): カタルーニャ工科大学 概要近年, 日本の自動車企業の海外進出

自動車環境基準の審査

<4D F736F F F696E74202D E9E91E382D682CC88B38F6B8BF38B438EA993AE8ED C28E528A E58A D190E690B6816A2E7

 

別添42前部霧灯の技術基準

( おさらい ) 自動運転とは レベルレベル1 レベル2 レベル3 レベル4 定義 加速 操舵 制動のいずれかの操作をシステムが行う 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度にシステムが行う ( 自動運転中であっても 運転責任はドライバーにある ) 加速 操舵 制動をすべてシステムが行い システムが要

Contents

<4D F736F F F696E74202D20816D8EFC926D8E9197BF816E C90BF8ED28CFC82AF816A368C8E8E7B8D FC8F438A F8D5

自動車税 平成 31 年 10 月の消費税率 10% への引上げ時に 自動車取得税が廃止となり 自動車取得時に新たに自動車税環境性能割が課税されます また 現行の自動車税は 自動車税種別割に名称変更されます 1 自動車税 ( 平成 31 年 10 月 1 日以降は 自動車税種別割 ) この税金は 自

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

平成 30 年 1 月現在禁無断転載 複製 7 平成 29 年度の税制改正の概要について エコカー減税 ( 自動車重量税 自動車取得税 ) の概要 適用期間 自動車取得税( 取得税 ): 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 平成 31 年 3 月 31 日 自動車重量税( 重量税 ): 平成 29

Microsoft PowerPoint - 00 鑑.pptx

< F2D93B E91978ED497BC82CC95DB88C08AEE8F8091E693F1>

1

第 2 号様式 ( 試験自動車の諸元表 別紙 研究所使用欄受付番号 : 車台番号 ( シリアル番号,VIN の打刻様式の説明記入シート 1.VIN 打刻様式の説明記入欄 VIN POs. (1 (2 (3 (4 (5 (6 (7 (8 (9 (10 (11 (12 (13 (14 (15 (16 (

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

Microsoft PowerPoint - TMSパネル原稿(ファイナル) pptx

ITI-stat91

Microsoft PowerPoint EU経済格差

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

学習の手順

額をいう 以下この項において同じ )が 当該徴収期間の満了の日までに必要となる当該公社管理道路に係る第四項各号に掲げる費用の額の合計額から当該徴収期間の満了の日までに得ることとなる当該公社管理道路に係る第三項に規定する収入の額の合計額に相当する額を控除した額を超えない額とすること 二公社管理道路のう

40号表1

確定版 平成 31 年度 エコカー減税等概要 平成 31 年 3 月 28 日

Microsoft Word - a_和文表紙~本文_Snapshot_2018_( )_和訳とりまとめ.docx

P01

18 市税の税率等の推移 区分 年度 昭和 25 年度 昭和 26 年度 均等割 750 円 600 円 個 市 民 人 所得割 18.0% 税 法人 均等割 1,800 円 法人税割 15%( 標準税率 12.5%) 固定資産税 軽自動車税 昭和 25 年 ~ 昭和 28 年自転車税荷車税昭和 2

1 制度の概要安全運転管理者制度とは 安全運転管理者及び副安全運転管理者 ( 以下 安全運転管理者等 という ) を事業所における安全運転管理の中核として 安全運転の推進を図り 交通事故防止の体制を確立しようとするものです 事業主は 一定台数以上の自動車を使用する場合は その台数に応じ法令で定められ

マルチローター及び散布装置の性能一覧 (1) 型式 AC940/AC940-D AC1500 名称 ZionAC940 ZionAC1500 製造会社名 ( 株 ) エンルート 寸法 (W L H)( mm ) 機体 ローターの数 ( 個 ) 6

<4D F736F F F696E74202D20819A819A819A F835889CE8DD08E968CCC B835E8E968BC CC82DD2E707074>

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

<4D F736F F F696E74202D E815B839395F18D908F912082C882D782DC82AB205B8CDD8AB B83685D>

( 出所 ) 中国自動車工業協会公表資料等より作成現在 中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である 15 年に販売された電気自動車のうち 約 6 割が乗用車で 約 4 割弱がバスであった 乗用車の中で 整備重量が1,kg 以下の小型車が9 割近くを占めた 14 年 8

車両規則書 1-1 全クラス総合規則 1ゼッケンについて競技中の順位を自動計測機と目視の両方で確認するためゼッケンは車両の前面にはっきりと見える色で表示してください 数字の大きさは縦 9c m 以上でお願いします 目視が難しい場合は車検時に交換をお願いする場合があります 推奨は黒地に白の数字 もしく

( )

< 図表 1> 米国の仕出し国 地域別自動車部品輸入実績 ( 単位 :100 万ドル ) 輸出国 シェア 1 メキシコ 11,740 13,692 16,045 17,056 19, % 2 カナダ 7,638 8,253 8,932

車両規則書 1-1 全クラス総合規則 1ゼッケンについて競技中の順位を自動計測機と目視の両方で確認するためゼッケンは車両の前面にはっきりと見える色で表示してください 数字の大きさは縦 9c m 以上でお願いします 目視が難しい場合は車検時に交換をお願いする場合があります 推奨は黒地に白の数字 もしく

継続検査 OSS に関して 国土交通省自動車局 自動車情報課 平成 28 年 9 月 9 日 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

Transcription:

第 2 回車両安全対策検討会 2012 年 3 月 19 日 安全 - 資料 4 の 1 超小型自動車の安全性に係る調査 - 安全基準に関する調査速報 - 1. 目的超小型自動車に類する車両がすでに普及している海外の地域における安全基準 環境基準 点検 整備制度などの実態について調査を行い 我が国の超小型自動車に係る制度の策定に資する情報を整理することとした 2. 調査対象舗装路上を走行する車両の一つに 一般的な乗用車よりも小型の自動車が定義され その基準が現存 または 基準化されつつあり 行政府等がその情報を公開している機関 および 地域とし UN/ECE/WP29 欧州連合 米国 カナダを主たる調査対象とした 近年 自動車全体の普及が活発化しているアジア地域については 中国 インドの関連情報を収集した 2.1 調査結果 (1) UN/ECE/WP29 における関連規則 UN/ECE/WP29 では 車両構造に関する統合決議 において 二輪車 三輪車についての定義 Category L の中で L6 L7 という四輪車を定義し 車体質量 設計速度 動力源の排気量 出力等で区分しているが 車体の大きさは定義していない ( 表 1) 車両構造に関する統合決議 において 適用車両として L6 L7 車両を含む協定規則 25 項目 ( 予防安全関連 ;18 衝突安全関連;2 環境保護関連;1 一般安全関連;4) のうち 13 項目 ( 予防安全 ;8 衝突安全 ;2 一般安全 ;3) は 1958 年協定に基づいて国内に導入済みである ( 表 2) (2) 欧州連合における枠組み指令 欧州連合では Quadricycle と呼ばれる一般の乗用車より軽量の四輪車を含めた二輪車 三輪車の型式認可に関する枠組み指令 2002/24/EC を制定し Light Quadricycle L6e と Heavy Quadricycle L7e の二種類を UN/ECE/WP29 の 車両構造に関する統合決議 における L6 L7 とほぼ同様の内容で定義している ( 表 3 表 4) 車両の構成部品および特性の技術的要件として指定されている個別指令の幾つかは すでに廃止され 新たな指令が発行されているが 枠組み指令 2002/24/EC は 2006 年 11 月以降改訂されておらず 個別指令の改訂が反映されていない なお 幾つかの個別指令は UN/ECE/WP29 の協定規則との同等性が認められている ( 表 5) (3) 欧州委員会が提案している新たな規則案 欧州委員会 ( 欧州連合の政策執行機関 ) は Category L の認可に関する法的手続きの簡素化 新たな排気基準 安全対策導入を目的に 加盟国に直接的に効力を有する 規則 策定を 2010 年に提案し 現在 通常立法手続きによる審議が行われている 規則案では L6e L7e について 設計最高速度 動力源ごとの車両質量について共通基準を設定した上で コンパートメント無しの on-road quad コンパートメント有りの mini-car に区分し さらに mini-car を荷物搬送用 utility purposes と乗員輸送用 passenger transport に分類している ( 表 6 表 7) L6e L7e ともに 設計最高速度 車両質量は現行の枠組み指令の基準を踏襲しているが L6e の mini-car に 4.4 m2 かつ 全幅 1.5 m の寸法定義を設けており(L7e は寸法定義無し ) 乗員輸送用 passenger transport については 運転者を含む乗車定員を L6e;2 名 L7e;4 名に制限している ( 表 7 表 8) 1

欧州委員会は Category L についての環境性能要件 機能的安全性要件 構造要件 管理要件の四つの細則 (Delegated Regulation) について UN/ECE/WP29 の協定規則を引用する方向で検討しており MCWG にて継続的な審議が行われている ( 表 9) (4) 米国における関連基準 米国では 1998 年に通常の乗用車よりも速度の遅い (32km/h~40km/h) 低速車 LSV を定義し FMVSS No.500 に性能要件を定めている 速度と重量は定義されているが 車両寸法の定義は無く 原動機の制限も設けていない ( 表 10) 速度性能は試験による性能要件が設定されており ウィンドシールドは FMVSS205 シートベルトは FMVSS 209 への適合が要求されるが 各種灯火器類等の部品は 装備されていること が求められているのみである ( 表 11) 2008 年 ~2011 年にコンプライアンステストを受けた 10 車種のうち 4 車種は装備要件に対する不備により 不合格 (Fail) と判断されている ( 表 12) LSV の通行規制は州の権限に委ねられ 公道上で LSV 使用を認める法令が無い 4 つの州以外は 通行可能な道路と走行時の最高速度を指定しており 30 の州で 56km/h 以下の制限速度が表示された道路 最高速度 40km/h の通行規制を採用している ( 表 13) 2008 年に NHTSA はより高い速度レベル (56km/h) の新たなクラス MSV;Medium Speed Vehicle 策定を求めた嘆願を拒否した ( 表 14) (5) カナダにおける関連基準 カナダでは 2000 年に米国と同様の低速車 LSV を MVSR に定義し FMVSS 500 に準じた技術要件 TSD No.500 を発行しており その後 米国 FMVSS 500 の改訂を自国の TSD 500 に順次反映している ( 表 15) 2008 年の改訂の際には 政府関係機関ほかとの協議を行い意見収集 安全性能強化の訴えもあったが 米国基準と相違することを嫌い 却下された LSV の定義と要件は基本的に米国と同様であるが LSV の導入時から動力源を Electric Motor に限定し 低速車両を示す SMV emblem の装着を義務付けている 通行規制については米国同様に州の権限に委ねているが 2000 年の基準導入後 大部分の州は LSV の通行規制を策定していないのが現状で 近年になって オンタリオ州 ケベック州が 通行規制検討の一環として 州内管理地域での LSV 走行を許可するパイロット プロジェクトを推進している (6) アジアにおける関連基準の情報 自動車全体の普及が活発化している中国 インドの現状について情報収集を行ったが 中国 インドともに 本調査の対象となるような四輪車の基準 あるいは 基準化の情報を確認することはできなかった インド製小型四輪電気自動車として良く知られている Mahindra Reva 社の REVA が 小型四輪車カテゴリが存在しないインドにおいて どのような扱いとなっているかは確認できなかった ( 英国 Going Green 社販売の G-Wiz(=REVA) は L7e Category) 2.2 安全基準に関する調査のまとめ海外における超小型自動車に類する車両の安全基準について調査し 軽自動車より小さく ミニカーより大きい四輪自動車 に係る制度の策定に資するための情報を整理した (1) 定義車両の定義に関しては 欧州の L6e L7e は速度 重量 出力で定義され 米国 カナダの LSV は速度と重量で定義されるもので いずれも車両寸法に関しての定義は設定していないのが現状である (2) 大きさ欧州委員会が提案している規則案では L6e の mini-car に寸法定義が提案されているが その全幅は我が国の軽自動車よりも大きな値となっている 実際に欧州 米国 カナダなどで車両を販売している 2

大手数社の車両諸元を確認したところ 欧州の L6e で軽自動車より全幅の小さい車両はわずかであり 米国 カナダの LSV では 全長 あるいは 全幅 ( またはその両方 ) が軽自動車よりも大きい車両がほとんどであった また 重量に関しても 米国 カナダの LSV に許容される車両総重量 1,361kg は軽自動車に比べてかなり重いと言える (3) 性能車両の性能要件に関しては 欧州 米国 カナダとも 衝突安全に関する基準は設定していないのが現状であるが 車両の構成部品の基準には 装備されていること のみが求められている米国 カナダに対して 欧州は各部品の性能要件を設定している (4) 通行規制車両の通行規制に関しては 欧州全体 および 欧州各国とも L6e L7e を対象とした一般道路の通行規制を設けていないのに対して ほとんどの州で LSV の通行規制を設けている米国とで大きく異なっているが 国土 道路事情などが大きく異なることは考慮する必要がある 3. 欧州 北米 アジアの超小型自動車の例 (1) 欧州の超小型自動車の例 表 3.1-1 欧州の超小型自動車 : 内燃機関エンジン メーカ LIGIER LIGIER LIGIER microcar microcar 車種 IXO META TREET IXO 4 PLACES OPTIMAX RESTIGE MC1 M.GO 乗車定員 2 人 4 人 2 人 4 人 4 人 3,148 1,524 1,497mm 3,148 1,524 1,497mm 3,075 1,475 1,600mm 3,063 1,663 1,420mm 3,026 1,673 1,553mm 最高速度 45km/h 70km/h 45km/h 72mph ( 約 116km/h) - 最高出力 4kW 15kW 4kW 21bhp 21bhp ( 約 15kW) ( 約 15kW) エンジン排気量 440cc 505cc 440cc 505cc 505cc メーカ chatenet chatenet AIXAM MEGA AIXAM MEGA AIXAM MEGA 車種 CH30 CH26 Crossover GTO CITY 乗車定員 2 人 2 人 2 人 2 人 2 人 全長 全 3,065 1,567 3,065 1,567 3,095 1,500 2,827 1,500 2,720 1,500 幅 1,453mm 1,453mm - mm - mm - mm 最高速度 100km/h 45km/h 45km/h 45km/h 45km/h 最高出力 15kW 4kW 4kW 4kW 4kW エンジン排気量 505cc 523cc 400cc 400cc 400cc 3

メーカ Driveplanet JDM JDM CASALINI CASALINI 車種 Dué First Roxsy Abaca M10 Kerry 乗車定員 2 人 - - - - 2,834 1,500 1,465 mm 3,100 1,490 1,490 mm 2,840 1,490 1,450 mm 3,010 1,500 1,500 mm 3,038-3208 1,460 1,800mm 最高速度 45km/h - 45km/h 45km/h 45km/h 最高出力 4kW - 4kW 4kW 4kW エンジン排気量 - - - - - 表 3.1-2 欧州の超小型自動車 : 電気自動車 メーカ AIXAM MEGA LIGIER TAZZARI BELLIER 車種 Chassis Cab BE SUN PROLINE TAZZARI ZERO e-docker City 乗車定員 2 人 2 人 2 人 2 人 3,753 1,550 2,500mm 2,617 1,453 1,895mm 2,880 1,560 1,425mm 2,870 1,350 1,820mm 最高速度 45km/h 45km/h 100km/h 45km/h 走行距離 45km/65km 70km 140km 75km モータ 電池 充電方法 / 時間 8kW ( ピーク時 13kW) 鉛 AC200V/ 8-10 時間 4kW 15kW 4kW 鉛 8.5kWh 3.2kW/ 4 時間 リチウムイオン ( リン酸鉄 ) AC200V/ 9 時間 リチウムイオン ( ポリマー ) 230V16A/ 10 時間 4

(2) 北米の超小型自動車の例 表 3.2-3 北米の超小型自動車 : 電気自動車 -1 メーカ GEM GEM GEM Wheego Electric cars 車種 e2 e6 es Wheego Whip 乗車定員 2 人 6 人 2 人 2 人 99 55 70inch ( 約 2515 1397 1778mm) 162 55 71inch ( 約 4115 1397 1803mm) 108 55 70inch ( 約 2743 1397 1778mm) 最高速度 25mph(40km/h) 25mph(40km/h) 25mph(40km/h) 走行距離 35miles(56km) 30miles(48km) 35miles(56km) 118.5 63.2 63.0inch ( 約 3010 1605 1600mm) 25mph (40km/h) 40miles (64km) モータ - - - 約 13kW 電池 72V(12V6 個 ) 72V(12V6 個 ) 72V 16.32kWh 170Ah 充電方法 / 時間 - - - 8 時間 (SOC20 SOC80) 電気自動車 -2 メーカ Miles Electric Miles Electric Vehicle Vehicle Tomberlin Tomberlin 車種 ZX40S ZX40ST E-merge E2 Anvil 乗車定員 4 人 2 人 2 人 4 人 134 58 67inch ( 約 3404 1473 1702mm) 162 59 74inch ( 約 4115 1499 1880mm) 94.5 47.2 70.9inch ( 約 2400 1199 1801mm) 103 72 66inch ( 約 2616 1829 1676mm) 25mph 25mph 最高速度 25mph(40km/h) 25mph(40km/h) (40km/h) (40km/h) 40-45miles 30-40miles 30+miles 40+miles 走行距離 (64-72km) (48-64km) (48+km) (64+km) モータ 26kW 26kW 12.5kW 28.8kW 電池 150Ah 150Ah 8.16kWh 11.14kWh 充電方法 / 充電時間 4-6 時間 (SOC50 full) 4-6 時間 (SOC50 full) - - 5

電気自動車 -3 メーカ American Electric Vehicle Dynasty Dynasty 車種 Kurrent Sedan VAN 乗車定員 2 人 4 人 2 人 最高速度 走行距離 92 50 -inch ( 約 2337 1270 -mm) 35mph (56km/h) 35~40 miles (56~64km) 3560 1520 1600mm 40km/h 50km 140 60 63inch ( 約 3556 1524 1600mm) 24.5mph ( 約 40km/h) 30.4miles (49km) モータ 4.1kW - - 電池鉛 72V 72V 充電方法 / 時間 110V/8 時間 6-8 時間 (Max recharge time) 11.5 時間 (Max recharge time) 6

(3) アジアの超小型自動車の例アジアについては 中国 韓国 インドの主要メーカの車両を以下の通りまとめた 表 3.3-4 アジアの超小型自動車 メーカ 時風集団 中国 : 山東省韓国インド 淄 ( ズ ) 博集団 CT&T * AD Mortors Mahindra e-zone Change ( 日本販売モデル ) REVA i 乗車定員 重量 最高速度走行距離 人 2 人 2 人 2 人 4 人 - 2,680 - -mm 車両 320kg バッテリ 300kg - 2,655 1,440 1,565mm 車両 600kg バッテリ 110kg 3210 1575 1560mm 830kg 2638 1324 1510mm 700kg 50km/h - 60km/h 60km/h 80km/h 120~200km - 100-110km 100km - モータ - - 7.0kW 7kW 電池鉛リチウムイオンリチウムイオン 充電方法 / 時間 AC200V/ 8-10 時間 *:CT&T は 2011 年 12 月に経営破綻 リチウムイオン 76.8V 120Ah - AC100-240V 220V6A/7 時間 17.4bhp ( 約 13kW) リチウムイオン 48V 80% 充電 2.5 時間 100% 充電 8 時間 4. 超小型自動車の販売台数欧州 Quadricycle 協会 EQUAL では 2007 年度のメーカ 国別生産販売台数として図 4.1-1 の値を公開している EQUAL(European Quadricycle League) は 欧州の Quadricycle 主要メーカをメンバーとして 2007 年に設立された協会で 1996 年に設立された欧州 Quadricycle 製造者 輸入者協会 (AFQUAD:Association européenne des fabricants de quadricycles) が前身となっている フランススペインイタリアオランダ ポルトガル オーストリア ベルギー英国ドイツその他合計 AIXAM 5,711 3,579 2,334 710 723 505 384 464 100 720 15,230 LIGIER 3,445 1,733 1,857 388 94 0 212 0 140 0 7,869 MICROCAR 2,719 1,616 779 291 317 419 128 263 158 303 6,993 JDM 1,136 337 341 250 280 48 82 0 13 103 2,590 CHATENET 526 520 912 7 72 21 27 0 24 0 2,109 BELLIER 393 113 67 19 32 0 5 0 8 19 656 合計 13,930 7,898 6,290 1,665 1,518 993 838 727 443 1,145 35,447 7

6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 BELLIER CHATENET JDM MICROCAR LIGIER AIXAM 図 4.1-2 欧州の国別 メーカ別超小型自動車シェア (2007 年 ) 米国では カリフォルニア州政府のウェブサイトに LSV(Low Speed Vehicle) カテゴリの NEV (Neighborhood Electric Vehicle) が 28,800 台 (2010 年 ) というデータが掲載されている メディアの情報等で 米国の LSV は 45000 台 (2008 年 ) といったデータもあるが 公的データの確認はできていない 5. 免許制度欧州における軽量 Quadricycle(L6 相当 ) は 免許無しでの運転許可が各国認められている フランスの独立行政法人である CSC (La Commission de la Sécurité des Consommateurs) は AVIS RELATIF À LA SÉCURITÉ DES QUADRICYCLES LÉGERS À MOTEUR OU «VOITURETTES» 軽量クアドリシクル ヴォアチュレット (Voiturette) の安全性に関する意見書(2008 年 3 月 ) において 各国の免許制度を下記の通り記している フランス :16 歳以上であれば免許無しで運転可能 (1988 年以降生まれについては 所定の講習が必要 ) イタリア :14 歳以上であれば免許無しで運転可能 スペイン :14 歳以上であれば免許無しで運転可能 英国 :17 歳以上であれば免許無しで運転可能 デンマーク :18 歳以上であれば免許無しで運転可能 ノルウェー :18 歳以上であれば免許無しで運転可能 その他 :16 歳以上であれば免許無しで運転可能 8