新年を迎えて 副支部長大塚真裕新年明けましておめでとうございます また 昨年の熊本地震で被災された方々におかれましては改めてお見舞い申し上げます さて 建設業を取り巻く環境は 2020 年の東京オリンピックを控えて好景気を持続していますが 昨年を振り返ってみますと やはり我々にとっては一番記憶に残る

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Transcription:

発行 日本建築構造技術者協会九州支部粕屋郡志免町別府北 4 丁目 -2-1 TEL 092-62 627-1388 / FAX 092-62 627-1389 Web Site:http://jscakyushu.jp/ E-mail mail:info@jscakyushu info@jscakyushu-.jp 2017 年巻頭言 2017 年新年のご挨拶 2017 年 1 月 JSCA 九州支部長宮田俊英新年あけましておめでとうございます 本年 3 月を以て支部長の交代となりますが 4 年間に渡り色々ご協力 ご鞭撻を承り有難うございました 心よりお礼申し上げます 昨年も 5 月 20 日の九州支部総会に合わせて 九州構造デザイン発表会 が開催されました 前年度と同様に盛り上がりを見せ 定例化が定着してきた様に思います 色々な組織から発表者が参加され活気にあふれた発表会に成って来ていると感じています 今年も企画されていますので 皆様の参加をお願いしたいと思っております 昨年は 熊本で 4 月 14 日に前震 16 日に本震の大地震が 2 度も発生し 当九州支部からも応急危険度判定に参加し 日本建築学会九州支部の悉皆調査に協力しました これを受けて国交省より 第 28 回住生活月間住宅局長表彰 ( 熊本地震 応急危険度判定等 ) を頂きました 参加頂いた会員の皆様には 大変感謝しております 本当に有難うございました 熊本地震による木造住宅の被害は甚大で 2000 年基準 の住宅にも被害が生じ倒壊したものもあるようです 壁位置の上下不揃いが弱点になったり 2 階建ての 1 階に大きなスペース ( リビング等 ) を設けた為に柱の直下率が小さい建物等 その他の要因も種々有ると思われますが 少なからず被害を受けています また 所謂 新耐震基準 (1981 年 ~2000 年 ) の住宅でも接合部に問題が有るもの 壁の位置の偏りが有るもの等が被害を大きくしているとの指摘もあります 今後はこうした点に留意した設計が望まれると感じています 昨年の第 1 回目の持ち回り役員会は 熊本地区会の予定でしたが 地震の影響を受けて急遽 佐賀地区会に変更し 7 月 29 日 ( 金 ) に行いました 佐賀地区会の方々には短い期間の中での準備でご苦労頂きました 紙面を借りてお礼申し上げます 平成 25 年の 11 月 25 日に改正 耐震改修促進法 が施行されましたが 避難道路沿線建築物の耐震化については 福岡県では福岡県耐震改修促進計画改定検討委員会が開催され 福岡県のホームページに公表されています 福岡市では 現在 福岡市建築物耐震対策検討委員会が設置され検討が進められています まとまり次第 公表されるものと思います 参加型の実験については 鉄骨梁の横座屈 横補剛について と言うテーマで 引き続き予定をしておりますが 今年度中の追加実験を検討中です 詳細が決まりましたらご報告したいと思っております 鉄骨系部会 ( 尾宮部会長 ) による 鉄骨梁端ハンチ形状の違いによる破壊性状の違い実験 2016 見学会 が 8 月に行われて こちらも多くの方々に見学して頂きました 支部としてはこれからも皆様のご意見を頂き 皆で盛り上がる九州支部で有りたいと思っています 最後に今年も皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします 1

新年を迎えて 副支部長大塚真裕新年明けましておめでとうございます また 昨年の熊本地震で被災された方々におかれましては改めてお見舞い申し上げます さて 建設業を取り巻く環境は 2020 年の東京オリンピックを控えて好景気を持続していますが 昨年を振り返ってみますと やはり我々にとっては一番記憶に残る出来事は熊本地震ではなかったかと思います 4/14 16 と震度 7 の地震が 2 回も襲うというこれまでに経験したことのなかった? 出来事でした でも 本当に経験したことがなかったのか 単に記録が伝承され残っていなかっただけで地球の長い歴史においてはもっと激しい地震も発生していたのではないかと思います 想定外の事象が発生した際に 少なくとも人命の被害は起こさないようにする 計算では基準におさまっていても やはり自然は弱点を突いてきます 基本に立ち返ったバランスの良い構造計画が重要だと改めて思います また 記憶に新しい博多駅前の道路陥没事故では 幸いにも人的被害はありませんでした これは若い現場員の咄嗟の判断により人災を免れたものと聞いています 危険を察知する能力 我々構造設計者にとっては構造 耐震安全性を予見する 感性 を身に着けることが大切であると思います そのためには 現地 に赴き 現物 を観る また 実験等によりどのように壊れるかを良く観察し 感性 を身に着けましょう JSCA 九州支部においてもこのような機会を多く設けたいと思いますので 是非 ご参加ください 今年も会員各位のご支援を宜しくお願い致します 副支部長原英基謹んで新年のご挨拶を申し上げます 昨年の熊本地震に際して被災された九州支部会員の皆さまには改めてお見舞いを申し上げます 震災後の対応に追われて慌ただしい年越しとなったのではないかと想像いたします これからの熊本の復旧 復興に向けて 我々構造技術者のかかわり方は様々だと思います 木造住宅は圧倒的なダメージを受けました 旧耐震建物は過去の地震と同様な被害を繰り返しました 免震建物はその性能を発揮する中で被害を受けた施設もありました 震度 7 を続けざまに2 回も経験しました どの施設とあるいはどのテーマと向かい合うかはわかりませんが それぞれの立場で持てる技術力を存分に発揮していくことが我々にできることではないかと考えています JSCA 九州支部としては 行政 関連団体と積極的に協力して行動していくとともに 個々の会員の皆さんの活動をサポートしていくことも大切な仕事だと考えています 私は 2005 年に福岡西方沖地震を経験しました 地震の規模は熊本地震に比べれば小さかったですが 直後からの行政の動き JSCAを含めた関連団体 専門家の動きの記録が今回の地震対応にはかなり生かされた部分があると感じています 記憶と記録は大事に残しておきたいものです 今年も皆さんの協力を得ながら頑張っていきたいと思います よろしくお願いいたします 2

技術委員会 技術委員長 JE 構造設計 上瀧邦宏 新年明けましておめでとうございます 昨年は 国内では総選挙 オリンピック 地震などが記憶に残っていますが 日本を取り巻く国際情勢を感がえると やはり一番に テロ事件 が浮かびます イスラム国 (IS) もかなり衰退し イラクでは殆ど拠点を失いシリア内に追い込まれているようですが 各国内の信奉者が自国内で テロ を起こす形態となっています その他にも ロシアのクリミア併合 中国の南シナ海での行動 イギリスの EU 離脱 UE の難民問題 フィリピンの新大統領の言動 そして極め付けはアメリカのトランプ大統領の誕生と 暇もない程に 民族主義 が台頭して来ている様に思います 私は 自由主義経済の宿命である永遠の発展が限界に達し 世の中が新しい秩序を求めてあがいている と感じていますが 皆様は如何お考えでしょうか 閑話休題 我々を取り巻く建築業界は 各地の災害復興 2020 年の東京オリンピック 等かなりな賑わいを見せていますが 東京一極集中が目立ち 足元の九州では 職人不足 が深刻化して久しい状況です 幸いなことにもう暫く景況が続くと思われますので 私はこの機会に構造界の 若返り を図るべく 頑張ろうと考えております 今年の干支に因んで 若者よ 飛翔せよ! 地盤系部会 地盤系部会長 清水建設 佐守康司 JSCA 会員の皆様 明けましておめでとうございます 昨年は 4 月に 平成 28 年熊本地震 が発生し JSCA 九州支部の会員の中にも被災された方がいらっしゃると思います 心よりお見舞い申し上げます 熊本震災復興もまだ半ばではあると思いますが 平成 29 年が皆様にとって良い年でありますよう願っております 昨年は J SCA 九州支部地盤系部会として 1 回のワーキンググループ勉強会と ( 協賛も含め ) 講習会を 2 回開催しました 勉強会では熊本地震での杭 基礎の地震被害状況の写真を紹介し 意見交換や情報展開を行いました COPITA 殿主催の 2 回の講習会では多くの参加者を集め実習型の講習もできました 平成 29 年も地盤系部会として より実務に即した勉強会を 積極的に継続していきたいと考えております さらには各委員会や部会との交流を深めることによりメンバーの技術力アップを図る場として活用していきたいと思っております 最後に JSCA 会員の皆様のより一層のご活躍と健康をお祈りして 新年のご挨拶とさせていただきます 本年もよろしくお願い申し上げます 3

設計規準系部会 設計規準系部会長 吉原建築構造計画 吉原浩晃 皆様 新年明けましておめでとうございます 今年も宜しく御願い致します 昨年度は 福岡県建築住宅センター様のご協力の下 構造設計技術者のための現場監理勉強会を一昨年に引き続き開催することが出来ました これも 偏に会員皆様のご尽力 ご協力の賜と この場をお借りして 感謝申し上げます 今年度も 他の部会と共同し 支部会員皆様のスキルアップのため 色々な設計勉強会 講習会等を随時 開催したいと考えております 今年も御協力の程 よろしく御願い申し上げます コンクリート系部会 コンクリート系部会長 大林組 伊藤義弘 新年明けましておめでとうございます 昨年は 熊本や鳥取など各地で地震の頻発や 相次ぐ大型台風の上陸など自然災害が多く発生した年でした 昨年度は 会員皆様の技能研鑽 技術力向上のための講習会として 特殊 (PC) 部会との共催で 大スパン格子 PC 大梁の配線配筋 柱梁接合部 の現場見学会を 5 月に開催しました 本年度は 昨年に引き続きコンクリート系部会として他の部会と協力し 会員皆様の構造設計者としての技術力アップ 技術研鑽の場を提供していきたいと考えております今後の要望も含めて 会員皆様のご協力をお願い致します 4

鉄骨系部会 鉄骨系部会長 鹿島建設 尾宮洋一 今年は酉年です 酉 の字には 果実が熟してきた状態 という意味があるそうです そこから いままでの努力が報われる時期 ということにも繋がっているそうです 昨年は アメリカでトランプ次期大統領が当選し 今年 1 月から新政権が始動し始めます 世界および日本 更には私たち身の回りの経済がどのように変化するのか注目されます 鉄骨部会では昨年 8 月 宮崎県鉄構工業会青年部と JSCA 宮崎地区会の発起による第 2 回目の 梁端ハンチの実験 を 九産大の九谷教授のご支援を受け公開実験することができました 参加者からは 破壊現象を目の当りにし貴重な経験が得られたと 大変好評を得ました 新年度には 鉄骨構造の現場見学会および設計関連の講習会を複数回実施します 本年 3 月末には JSCA 九州支部に対し多くの支援を頂いた九州大学の河野教授 九州産業大学の九谷教授が 研究と教育の第一線から退かれます 大学との協力関係も新しい局面に向けて準備を始めなければならないと思います 鉄骨部会は 会員各自が抱える鉄骨関連の疑問や問題を解決する場として 活用して頂ければと考えます 要望や意見をお聞かせ下さい 本年も会員のみなさまも 健康には充分気をつけて 実りある 1 年を過ごして下さい 木質系部会 木質系部会長 ( 株 ) 川﨑構造設計川崎薫 あけましておめでとうございます 昨年は 4 月 14 日 ~16 日に熊本地震が発生し 震度 7,6 強,7,6 強と極めて稀な大地震が 4 回も発生し 余震も長く続いています 今まで九州では極まれの地震発生はほぼ無いであろうと言われていましたが 今回の熊本地震はその気の緩みに一石を投じました 木造住宅の地震被害がテレビ, 新聞などの媒体を通じて公表され 木造はいかにも弱い様な印象を与えている事が気になります 現地で被害建物を見てみますと 構造材の劣化や設計 施行者の知識不足が原因と思われるものも多く見受けられました 既存木造住宅の耐震補強, 新築建物の適切な設計と施工の必要性を痛切に感じます 国は一律に木造住宅は金物を用いた在来軸組工法,4 階建以上は CLT 工法とする方針で基準法を整備していますが 建物の工法はもっと多様性が有って良いのでは? と感じます 特定の工法で日本全国の木造住宅を建てる事に対しては その工法が絶対的に強いと確認されていない現在 行政の危うさを感じます 福岡では 木造建物についての勉強会を JSCA 木造部会の勉強会として広く一般の建築関係者にも門戸を広げて月 1 回のペースで行っています 是非この勉強会に参加していただき 大地震にも強い建物を建ててもらえたら幸いです 本年もよろしくお願い致します 5

特殊 (PC) 系部会 特殊 (PC) 系部会長 オリエンタル白石 内山執樹 明けましておめでとうございます 昨年 4 月に熊本地震が起こりました 熊本県内にはプレストレスを利用した耐震補強工法で補強された建物が 県市町村の庁舎や学校建築を中心に多数ありました 幸いにもこれらのほとんどの建物は倒壊することなく 現在も地震前と同様に使用されています これらの状況から プレストレストコンクリート構造の設計や施工に携わる技術者として 一定の社会的貢献はできたのかなと考えています 当部会の活動目的は プレストレストコンクリ - ト (PC) 構造に関わる建築物やプレストレス力を利用した最新の工法などの情報をいち早く会員の皆様や行政に関わる方々 一般市民の方々に提供し より良い社会資本の形成に役立つことにあります そしてこの部会活動を通してプレストレストコンクリ - ト構造のより一層の普及をめざすものであります 昨年に引き続き新築の建築現場においては 鉄筋工や型枠大工など職人不足が予想されております 建物のプレキャスト化はこの問題の有効な解決手段となります また職人不足の解消とともに工期の大幅な短縮も可能で 廃材の少ない環境にやさしい構造 工法です 本年も特殊 (PC 系 ) 部会を宜しくお願い申し上げます 青年部会 青年部会長 構造 FACTORY 重松正幸 明けましておめでとうございます JSCA 九州で青年部会が活動を始め 10 年が経ち 全九州 沖縄の部会員がついに 100 名を超えました 日頃部会に参加するメンバーも常時 20 25 名程になり 賑やかな部会となっています 昨年の青年部会は これまでとは活動の趣向を変え 勉強会 講習会 見学会を積極的に行いました 参加するメンバーから自発的に勉強会が発案され実施されたことに意義があったと思っています 今年は 昨年勉強会のテーマであった 鋼とコンクリートの接合 免震 テンション構造 ケーブル構造 などに関連した見学会を実施したいと考えています 私自身は 構造デザイン発表会実行 WG の九州担当を前任の今林さんから引き継ぐことになりました 支部会員の皆様が 構造デザイン に接する機会を増やしたいと思っています 恒例となった 九州構造デザイン発表会 は 今年も 5 月の支部総会後に開催する予定です 老若男女問わず各地区のみなさんからの積極的な参加をお待ちしております 最後に JSCA 九州会員の皆様の健康とより一層のご活躍を そして熊本地震で被災された方々の 1 日も早い復興をお祈りして 新年のご挨拶とさせていただきます 6

なでしこ会 なでしこ部会長 清水建設 浅田正子 あけましておめでとうございます なでしこ会が 10 年目の活動を開始したばかりの昨年 4 月 九州でまた震災が起こりました メンバーの中には甚だしい影響を受けた方もおり 被災者の方には心よりお見舞い申し上げます まだ復興途上の段階で新しい年を迎え 少しでも早く 何とかして元の生活を取り戻し 元の経済活動を復活させることが待たれるところです 昨年の活動の中で 耐震改修の見学会を行いましたが 日頃現場を見ることの少ないメンバーにはインパクトのある見学となったようです 原寸でものを見ることによって そのサイズでものを作るためのイメージを描くことができたのではないかと思います 震災の被害の中から何かを学び取ること 改修実例を見ることで学び取ること 机上で PC とにらめっこで仕事をすることが多い中 外に出て自分の足で学ぶことの大切さを改めて感じています 昨年のこれらの思いを今年の活動につないでいきたいと思います 本年も皆様のご協力とご支援に感謝しながら活動を続けてまいります 宜しくお願い致します 耐震改修促進委員会 耐震改修促進委員長 広岡建築事務所 松下淳一 皆様 新年あけましておめでとうございます 耐震改修等が進められ耐震化率は向上し 平成 32 年度までに特定建築物等における 95% 以上という国の目標に近づいています 過去の地震で強震域において 耐震化されていない建物は被害が大きいことや 新耐震でも一部損傷を生じることも少なくないことが確認されてきました 今後も耐震化の努力に加え 設計においても最新の知見を活かすよう努めていきたいと考えています 平成 28 年熊本地震では 震度 7 を 2 回記録したことや建築被害の状況など 従前の想定を超えるものが多いと思います 現地で対応された皆様の御尽力には敬意を表しますと共に これらが今後に生かされることを期待いたします これまで地震が少ないと思っていた九州で 1997 年鹿児島県北西部地震 2005 年福岡県西方沖地震 昨年の熊本地震と 約 10 年間隔で被害を伴う地震が起きており 災害に対する準備の必要性を感じます 耐震改修促進委員会では こうした問題を念頭に置き 耐震化の問題に取り組む予定です 皆様のご協力を今年もどうぞお願い申し上げます 7

事業 会員委員会 事業 会員委員長 GEN 設計 石松國彦 皆様 新年明けましておめでとうございます 昨年の 4 月 14 日に発生しました熊本地震にて 熊本県 大分県を中心に被災されました方々へお見舞いを申し上げますと共に 一刻も早い復興 復旧を願うしだいです 今回の地震発生後の対応について JSCA 九州支部においても災害対策本部を立ち上げ 関係機関や地区会との連携を取りながら対応をしていきましたが 支部内のみではなく 各県の建築士事務所協会様をはじめとする関係団体様との連携や各県同士での連携について万全に進められたかと問われると 問題なく対応できたか? と考えさせられます 災害等に対する応急時の対応を含め 危機管理の体制についても改めて教訓になったしだいです 九州支部会員の皆様へは 早急な対応を求められる応急危険土判定士の派遣や 木造住宅建築の耐震診断のご協力には大変感謝をしております 木造住宅の耐震診断希望件数は相当数になっております 今後も引き続き年単位での対応が必要になりそうです 最近は 人材不足や 資材の高騰により新規建築物件への影響も顕著に現れているように感じます 建築構造技術者協会の九州支部として 会員の皆様 賛助会の皆様のご協力をお願いしつつ 情報を共有し今年も明るい年としていきたいものです 今後も会員の皆様への円滑な情報伝達を行うべく事務局員共々協力していきたいと思っています 会員外の皆様も活動をご覧になられた方々には新規会員として入会頂ければ幸いです 今後とも 会員の皆様 支部幹事 地区幹事の皆様 賛助会員の皆様よろしくお願いします 編集ホームページ委員会 編集 HP 委員長 日本設計 今林光秀 謹んで新年のご挨拶を申し上げます 我々 編集ホームページ委員会は私を含め 5 名のメンバーで活動しています 会員の皆様に最も身近な JSCA 九州ホームページは 沖縄より水野和男さんが日々更新 メンテナンスをしており 昨年はバージョンアップも行い さらに見やすいホームページとしてお役に立っていることと思います そして 機関紙 JSCA 九州メール版および会員誌 structure の支部便りさらに本部編集委員会との活動を 石井孝幸さん 福田顕議さん 中島健太郎さんと今林の 4 名で協力して編集にあたっています 編集ホームページ委員会は ある意味毎年同じことの繰り返しのようにも思えますが 実はその時々における新しいことの集積であり 編集活動を通じて JSCA 九州の各委員会 部会および地区会の皆様と身近に情報共有できる楽しさがあります 支部の様々な活動の模様をこれからも積極的に紹介して行きたいと思っておりますので そのネタの提供を 何卒 よろしくお願い申し上げます そして 編集ホームページ委員会はいつでもメンバー募集中ですので 仲間になってみたい方は遠慮なくお声掛けください 8

地区会報告 北九州地区会幹事 松尾設計 牛尾忠信 明けましておめでとうございます 北九州地区会の幹事を引き継ぎ 2 年目となります 北九州地区会として 昨年 11 月に 北九州市の産学官が連携した第 7 回建築構造系講演会 を主催しました 北九州市役所 北九州市の学校関係のご協力を頂き実施しています 北九州市の大学関係の先生及び学生 55 名 北九州市より 48 名 その他一般 32 名で総勢 135 名となりました 講演は 北九州市指導部より北九州の耐震対策について 次に北九州市立大の城戸准教授より繰返し水平力を受ける CFT 柱の耐力劣化性状について及び熊本地震の地震動と被害の状況について 最後に梓設計構造部長小林様及び奥村組工事所長栗山様他により北九州スタジアムの設計及び施工とその他のスタジアムや体育館等の大型スポーツ施設の設計事例とその概要について 非常に有意義な講演となりました 昨年は 熊本地震があり 応急危険度判定 悉皆調査 文化財調査などが行われましたが 私も応急危険度判定に参加しました 幹事として 3 年目の今年は 新たな気持ちで何か他団体との交流を含め計画したいと思っています また 今年の目標も昨年同様 JSCA 北九州地区会の会員数を増やしたい 産学官のほかにも何か と考えています 私事ですが 体力維持を目的にジョギングみたいなマラソンをしています 昨年の北九州マラソンでは 制限時間 6 時間を少しオーバーしてゴールしました 今年は 時間内にゴールしたいと思います 本年も宜しくお願いいたします 佐賀地区会幹事 マルトラ建築事務所 豆田和也 皆様 新年明けましておめでとうございます 昨年は 地震が非常に多い年で構造設計に携わる者としては 驚きがありました まず 熊本で大地震が起きた事です 私は熊本で多くの物件に関わらせて頂いておりますが 本当に大地震が起こると考え その物件に向き合っていただろうかと 自問自答し身が引き締まる思いでした また 今回の熊本地震では 前震 本震 という 従来の 本震 余震 とは異なる単語を初めて知りました 現在の科学技術をもってしても 判断が難しいというのを思い知らされました また佐賀地区会では 少ない回数ではありますが勉強会を開催いたしました 鹿島建設 ( 株 ) の尾宮氏に 鉄骨梁ハンチ補強 前 JSCA 会長の金箱氏に 佐賀県歯科医師会館現場見学会 について来ていただき 有意義な勉強会が開催でき 次のステップに進むキッカケとなる年ではなかったかと思います 熊本地震以前よりも 免震 制震の気運が高まり 私のような個人事務所でも知識の必要性を感じさせられました これまでコストの増加等の理由で あまり採用されなかった免 ( 次ページへ続く ) 9

( 前ページより続く ) 震構造では 特に熊本地震の際に被害が少なく お客さまから求められるほどに一般の方にも認識が広まっていることに驚きました 私も還暦を過ぎましたが この流れに乗り遅れないよう日々精進していきたいと思います 最後になりましたが JSCA 九州の皆様 健康には十分留意され 構造設計全体の一助になれるようお互い頑張りましょう 長崎地区会幹事 オカザキ設計室 岡﨑克喜 新年あけましておめでとうございます 昨年 4 月から長崎地区会幹事を担当させて頂く事となりました 4 月 14 日 16 日に発生しました 熊本地震 は熊本県 大分県に甚大な被害をおよぼしましたが 皮肉なことにその対応が幹事としての 初めての仕事となりました 6 月には 4 年に 1 度の 第 4 回建築構造展 の開催を予定しておりましたが 支援等に積極的に参加したいという会員の皆様の考えを考慮して 今年への延期を決定しました 準備して頂きました皆様には ご心配 ご迷惑をおかけしました事をお詫び申し上げます 活動内容につきましては熊本地震の応急危険度判定士の派遣 悉皆調査への参加 毎月の仕様書勉強会 2 か月に 1 度の地区会例会 さらに京都 大阪への研修旅行 他団体との交流勉強会等 活発な活動をすることができました 6 月には 第 4 回建築構造展 を開催します 年初めには準備委員会を再開し 地区会一丸となって取り組みたいと考えていますので JSCA 九州支部会員の皆様のご来場をお待ちしております 最後に皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします また熊本地震により被災された皆様の復興をお祈りいたします 熊本地区会幹事 ( 株 ) ジメント満石安雄 新年あけましておめでとうございます 昨年最大の出来事は やはり熊本地震に遭遇したことでしょう JSCA 会員の皆様には 沢山の義援金をいただき有難うございました 被災した熊本地区会員には 力強い励ましになったと思います 現状は 地震被害調査を概ね終え 復旧設計 工事が本格的にスタートしたところですが 現場技術員不足や職人不足などで入札の多くに不調が発生しています 今年もまた 地区会員をはじめ設計技術者は超多忙な日々を送ることになりそうです 昨年の 12 月 1 日 熊本地震関連のセミナーを実施したところ 会員外を含め多くの人に参加していただきました 本年も地震復旧関連などを中心に熊本地区ならではの活動が出来ればと考えています 本年もよろしくお願いいたします 10

大分地区会幹事 阿部設計構造事務所 阿部知光 昨年 4 月より大分地区会幹事を引き継ぎました 大分地区は 32 名の会員を有しており 私は幹事としては甚だ力不足ではありますが 務めを果たすよう頑張りますので皆様方方のご指導をお願いいたします 昨年は前地区幹事の高橋正夫氏が急逝され大分地区会にとりましても残念でなりませんが私たちは高橋前幹事の遺志を引き継いで構造設計者として頑張っていく所存です また 昨年は熊本地震をはじめ全国的に自然災害の多い年でもありました 熊本地震ではわが大分県も別府 湯布院でかなりの地震被害が発生しました 我々構造設計者はこれを教訓にして日々技術の研鑽に努めなければならないことは言うまでもありません その意味からも昨年は JSCA 大分地区会の中に青年部会を発足させ若手構造設計者の育成を図るべく勉強会等の活動を始めました 現在その活動が軌道に乗ったとはまだ言えませんが 今年はその活動を会の重要課題と位置づけ大分地区会全体で推進して行こうと考えています 地区会員皆様方のご協力をお願いする次第です 宮崎地区会幹事 ( 有 ) 森本設計森本啓喜 新年明けましておめでとうございます 昨年中は大変お世話になりありがとうございました 昨年 4 月の熊本地震においては建物 インフラを含む甚大な被害が発生しました 復旧が進む中 被災されました皆様方には心よりお見舞い申し上げます 昨年はオリンピック施設 豊洲市場など建築関連に関する話題が毎日のように報道されておりましたが 今年は建築資材の高騰 技能職の人材不足 東北 熊本の復興などと重なり 地方の建設事業に工期の遅れ 人 物 金の問題が起こりそうな感じがしています アメリカのトランプ次期大統領の政策 北朝鮮の核開発 ロシアとの北方領土など先行き不透明な一年が始まりますが 今年は皆様方にとってどのようなお正月でしたか 幸い 好天に恵まれ南国宮崎はとても暖かいお正月でした さて 昨年は熊本地震に始まり北海道の内浦湾 鳥取中部 茨城県北部地震と震度 6 弱以上を記録した大地震があり各地で多数の犠牲者 負傷者 家屋の倒壊 インフラの被害を目の当たりにしました 今では日本国内のどこで発生しても驚かなくなりいささか地震マヒになっていますが我が宮崎県においても南海トラフ巨大地震に備えて沿岸部の市町村では津波避難タワ - や津波避難高台が続々と建設されています 宮崎地区会は 建築構造設計に携わるものとして良質な建築物の提供と社会貢献を図ることを目的に年数回程度の研修会 各種建築関連団体と共催で行う講習会や勉強会の参加活動を積極的に実施しており若手構造設計人材の育成 技術力の向上に多くの会員が努めています 今年もよろしくお願い致します 11

鹿児島地区会幹事 ( 有 ) 絵夢建築設計工房上永瀬守 新年明けましておめでとうございます 昨年は 4 月の熊本 大分地震 10 月の鳥取県中部地震 11 月の福島県沖の地震 など災害を身近に感じる年でありました 隣県の熊本の皆様の心労にはかける言葉が見つかりません 海外の地震被害も多く発生しました 鹿児島では 9 月に台風 16 号が上陸し 県内のいたるところの山間部では倒木が多く 今でも処理 処分が追いついていません 自然災害の猛威に立ち竦んでいます 地区会活動を振り返ってみますと鉄構工業会青年部と ( 熊本地震とその被害 ) について 崇城大学の先生から講話をしていただき 鹿児島すまいと建築展では建築相談ブ - スを担当しました また 鹿児島大学の先生の ( 木造 CLT 工法の北欧の現状視察の体験談 ) 講話を聴きました 計 5 回の役員会を行っております 今年は建築と情報活用 (IOT) について勉強したいと考えております 会員の平均年令が上がってきておりますので 若年層の掘り起こしに取組みたいと思います 又 構造設計者同士の連携を深め 社会の変化に対応できるよう体制を築こうと思っています 今年の宮崎地区での支部役員会懇親会には多くの会員で参加したいと考えております 皆様 宜しくお願い致します 沖縄地区会幹事 ( 株 ) 国建花城和雄 新年 明けましておめでとうございます さて 昨年の出来事で真っ先に挙げられるのが熊本県を襲った大地震です 九州地方で発生したこと 1 日と数時間の内に震度 7 もの激しい揺れが 2 度発生したことに衝撃を受けました 応急危険度判定活動に参加し 被害家屋を眼前にしたときは原形を留めないその壊れ方に愕然となり現実感が喪失していくようでした 被災された方々にとっては紛れもない現実であり そこから始まる生活を思うとそのご苦労に掛ける言葉を失います 熊本地区会の会員の皆様や被災された方々に 1 日も早く平穏な生活の日々が戻ることを願うばかりです がんばれ熊本 です さて 当地区会に目を向けますと 昨年は予定した活動が延期や中止になり 活動実績に乏しい 1 年となってしまいました 今年は地区会役員の改選を進め若い世代にバトンを引き継ぎ 次のステップに羽ばたく年にしたいものです わが地区会員は安心 安全のその次を提案します をモットーに 建物の安全確保は当然の責務と認識して やはりその次を提案することが大切と考え地区会員一同 今年も頑張ってまいります 新年を迎え皆様方のご多幸 ご健勝をお祈り致します 12

2017 01 JSCA九州35号 ネパール留学生との交流 2017 年 1 月 13 日 ネパール国旗 副支部長 大塚真裕 副支部長 原 英基 編集 HP 委員長 今林光秀 年明け早々にネパールからの留学生の方々との交流がありましたので報告します 昨年末に福岡国土建設専門学校 福岡市博多区三筑 2-7-8 の日本語科の先生より 建物の耐震 について留学生の質問に答えて頂きたいとの依頼が JSCA 九州にあり 実現したものです 先ずは福岡市に相談をされて そこで JSCA 九州を紹介されたとのことです 日本でも報道された 2015 年 4 月 25 日のネパール地震では多くの建物が被害を受けました ネパールの建物は地震で壊れやすいが 日本ではどのように建物は建てられているのか を テーマにネパールからの留学生 6 名の方々が 1 月 13 日 AM に日本設計会議室に来られました JSCA 九州からは副支部長の大塚 原両氏と今林でお話を伺いました 留学生の方々は建築を専 門に勉強しているわけではありませんが問題意識を持ち勉強中の日本語で熱心に話されました ネパールの建築材料はレンガ セメントや石などが多く重量あり地震で壊れやすいのでは ネパールでは災害の勉強が不十分で経験だけから建設されており地震で壊れやすいのでは ネパールの建物の基礎が弱くて地震で壊れやすいのでは 日本での建物の造り方 設計 施工 について簡単に教えて欲しい 日本での建築材料はどのようなものがあるのか教えて欲しい 地震に丈夫な建物を作るために気をつけていることを教えて欲しい などの質問を話され さらにネパールでの建設中写真 レンガ造 も見せて頂きました 日本でも過去の地震被害を教訓にしながら耐震設計が発展し法制化されている 日本では建物規模に応じて RC SRC S 造などがあり 個人住宅は木造が多い 日本では地盤が弱い場合に対しては杭を設けて建物を支持している 見せてもらったレンガ造の建設中写真では 壁の量が少ないような気がする 耐震計画上 構造のバランス 剛性率 偏心率 に留意して設計することが大切です 設計も大切だが それと同様に施工の品質 例えば鉄骨の溶接など も大切です 日本では耐震性能が不足する古い建物などに対して耐震診断 改修を積極的にしている など JSCA 九州より回答し 用意しておいた耐震関係のパワーポイントを最後に紹介しました 建築が専門ではないが興味を持っている留学生の方々と交流できる貴重な機会となりました 13