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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

UIプロジェクトX

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RIETI Highlight Vol.66


平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

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お知らせ

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資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

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Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) < 下記要件のいずれかを満たすもの > 年間稼働率 80% 以上と見込まれるもの kw あたりの資本費一定以下 2,000kW 未満 62 万円 /kw 以下 2,000kW 以上 2

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エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

地球温暖化対策計画について 地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため 政府が地球温暖化対策推進法に基づいて策定する 我が国唯一の地球温暖化に関する総合計画 温室効果ガスの排出抑制及び吸収の目標 事業者 国民等が講ずべき措置に関する基本的事項 目標達成のために国 地方公共団体が講ずべき施策等に

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

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1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

参考資料3(第1回検討会資料3)

200kW 未満 272 万円 /kw 以下 200kW 以上 1,000kW 未満 109 万円 /kw 以下 1,000kW 以上 3 万 kw 未満 39 万円 /kw 以下 4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) <

Microsoft Word - 報告書.doc

23 年のエネルギーミックス 一次エネルギー供給構成 発電構成 6 原油換算百万 kl 億 kwh % 24% 再生可能 ( 含水力 ) 原子力 % 1% ,666 9,88 1,65 17% 程度の省エネ 再生可能 22~24

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新旧対照表

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200kW 未満 272 万円 /kw 以下 200kW 以上 1,000kW 未満 109 万円 /kw 以下 1,000kW 以上 3 万 kw 未満 39 万円 /kw 以下 4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) <

地球温暖化対策のための税の効果について 1. 平成 20 年 11 月中央環境審議会グリーン税制専門委員会 環境税等のグリーン税制に係るこれまでの議論の整理 より 税収を温暖化対策の費用に充てる 又は温暖化対策に係る減税に活用する場合 CO 2 削減に関し大きな効果が見込める ( 前略 ) 環境利用

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法改正に関する意見書

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

宮下第三章

公開用_ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の定義と評価方法(150629)

はじめに Ⅰ 豊かで活力ある経済社会を支えるエネルギー政策のあり方 はじめに Ⅰ 1 エネルギー政策に関する基本的考え方と現在のエネルギー情勢 (1) エネルギー問題は 国民生活と事業活動の基盤となる極めて重要な政策課題 (2) 安全性の確保を大前提に 安定供給 経済合理性 環境適合性のバランス S

Microsoft Word 後藤佑介.doc

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とを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても 原子力施設の廃止措置やこれまで原子力発電の利用に伴い発生した放射性廃棄物の処分の取組に関するこれらの領域における政策課題に取組まなければならない (1) 福島第

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

) まとめ シート 複数の電源に共通する条件等を設定します 設定する条件は 以下の 6 つです. 割引率 - 0% % % 5% から選択. 為替レート - 任意の円 / ドルの為替レートを入力. 燃料価格上昇率 ( シナリオ ) - 現行政策シナリオ 新政策シナリオを選択 4. CO 価格見通し

Q1 1

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年度 3 月 31 日まで ) 平成 26 年度縮減産業競争力強化法に基づく生産性向上設備投資促進税制の創設に伴い 一部の対象設備を見直した 平成 27 年度延長風力発電設備の即時償却の適用期限を1 年間延長した ( 平成 28 年 3 月 31 日まで

資料1 美しい星へのいざない「Invitation to 『Cool Earth 50』」~3つの提案、3つの原則~」

調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

目次はじめに 3 第 1 章我が国のエネルギー需給構造が抱える課題第 1 節我が国が抱える構造的課題 6 1. 海外の資源に大きく依存することによるエネルギー供給体制の根本的な脆弱性 2. 人口減少 技術革新等による中長期的なエネルギー需要構造の変化 3. 新興国のエネルギー需要拡大等による資源価格

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

目次 はじめに 2 第 1 章構造的課題と情勢変化 政策の時間軸第 1 節我が国が抱える構造的課題 4 1. 資源の海外依存による脆弱性 2. 中長期的な需要構造の変化 ( 人口減少等 ) 3. 資源価格の不安定化 ( 新興国の需要拡大等 ) 4. 世界の温室効果ガス排出量の増大第 2 節エネルギー

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

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Microsoft Word - みやぎ水素エネルギー利活用推進ビジョン

目次 はじめに 2 第 1 章構造的課題と情勢変化 政策の時間軸第 1 節我が国が抱える構造的課題 4 1. 資源の海外依存による脆弱性 2. 中長期的な需要構造の変化 ( 人口減少等 ) 3. 資源価格の不安定化 ( 新興国の需要拡大等 ) 4. 世界の温室効果ガス排出量の増大等第 2 節エネルギ

バイオ燃料

扉〜目次

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総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第 18 回会合資料 2-5 火力発電の高効率化 資源エネルギー庁 平成 27 年 11 月

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5


鹿児島県海洋再生可能エネルギー開発可能性調査仕様書

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

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( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

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3 地球温暖化対策の推進に関する方針及び推進体制 (1) 地球温暖化対策の推進に関する方針 [ 基本理念 ] 人類が自然と調和し 未来にわたり持続可能な発展を実現するため NTT グループ地球環境憲章に則り NTT 西日本はグループ会社と一体になって 全ての企業活動において地球環境の保全に向けて最大

LED 照明の種類 LED 照明は主に器具と光源が一体化したシーリングライトなどの LED 照明器具 と白熱電球や蛍光灯の光源部分を LED に置き替えた LED ランプ に分類されます ( 図 2-1) 省エネ性と環境性が重視され 公共建築物で使用された LED 照明器具の採用機種数は 2010

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H28秋_24地方税財源

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

表紙

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マートシティ 省エネルギー対策の推進 <ビル 工場等における省エネルギー対策の推進 > 大規模事業所が対象のキャップ & トレード制度 * ( 以下 C&T 制度 という ) について 2020 年度からの第 3 計画期間に向け 専門家による検討会の設置に係る準備等を実施 新規 東京 2020 大会

下水道は私たちの安全で快適なくらしを支えています

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Transcription:

長期エネルギー需給見通し 平成 27 年 7 月 経済産業省

( はじめに ) 昨年 4 月に閣議決定されたエネルギー基本計画を受け 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会を設置し そこでの検討を経て 今般 取りまとめを行うものである エネルギー政策の推進に際し まず 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け 行政や事業者は 国民からの信頼を著しく低下させることになったことを深く反省しなければならない 現在も約 11 万人の人々が困難な避難生活を強いられている 福島の再生 復興に向けた取組は エネルギー政策の再構築の出発点である 政府の最優先課題として 廃炉 汚染水対策 原子力賠償 除染 中間貯蔵施設事業 風評被害対策など 福島の再生 復興に全力で取り組み 合わせて信頼回復に全力を挙げなければならない また エネルギー基本計画においては 東京電力福島第一原子力発電所事故前に比べ 我が国におけるエネルギー問題への関心は極めて高くなっており 原子力の利用は即刻やめるべき できればいつかは原子力発電を全廃したい 我が国に原子力等の大規模集中発電は不要である 原子力発電を続ける場合にも規模は最小限にすべき 原子力発電は引き続き必要であるなど 様々な立場からあらゆる意見が表明され 議論が行われてきているが 政府は こうした様々な議論を正面から真摯に受け止めなければならない としている このため 小委員会を公開としたほか エネルギーミックスに関する意見箱を設け 頂いた御意見を小委員会に随時報告するなど様々な意見も参考としつつ検討を行い パブリックコメントも行った上で 以下のとおり 取りまとめたものである 1. 長期エネルギー需給見通しの位置づけ エネルギー政策の要諦は 安全性 (Safety) を前提とした上で エネルギーの安定供給 (Energy Security) を第一とし 経済効率性の向上 (Economic Efficiency) による低コストでのエネルギー供給を実現し 同時に 環境への適合 (Environment) を図ることにある この点は エネルギー基本計画においてエネルギー政策の基本的視点として明ら 1

かにされている 長期エネルギー需給見通しは エネルギー基本計画 1 を踏まえ こうしたエネルギー政策の基本的視点である 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合について達成すべき政策目標を想定した上で 政策の基本的な方向性に基づいて施策を講じたときに実現されるであろう将来のエネルギー需給構造の見通しであり あるべき姿を示すものである したがって マクロの経済指標や産業動向等を踏まえた需要想定を前提にした見通しであるとともに 対策や技術等裏付けとなる施策の積み上げに基づいた実行可能なものであることが求められる なお 今般の長期エネルギー需給見通しは エネルギー基本計画を踏まえ 中長期的な視点から 2030 年度のエネルギー需給構造の見通しを策定する 2. 長期エネルギー需給見通し策定の基本方針 今般 長期エネルギー需給見通しの策定に際して このエネルギー基本計画に示された基本的視点である 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合について達成すべき政策目標を具体化すると以下のとおりである (1) 安全性 (Safety) 福島第一原子力発電所事故により 原子力への信頼が低下している また 石油 ガス等の他の燃料の供給設備や風力発電設備等についても自然災害等への耐性の意識が高まっている 以上を踏まえ 原子力については 世界最高水準の規制基準に加え 自主的安全性の向上 安全性確保に必要な技術 人材の維持 発展を図る また 石油 ガス等の設備についても安全性の向上に向けて取り組んでいく 1 エネルギー基本計画は エネルギー政策基本法 (2002 年 ( 平成 14 年 ) 公布 施行 ) に基づき エネルギー需給に関して総合的に講ずべき施策等について 関係行政機関の長や総合資源エネルギー調査会の意見を聴いて 経済産業大臣が案を策定し 閣議決定するもの 2

(2) 安定供給 (Energy Security) 平時のみならず 危機時にあっても安定供給が確保される多層化 多様化した需給構造を実現することは重要な課題である その中で エネルギー自給率の改善は長年に渡る我が国のエネルギー政策の大目標である 他方で 東日本大震災以降 我が国のエネルギー自給率は 原子力発電所の停止に伴い 僅か 6% 程度まで落ち込み OECD34 カ国中 2 番目に低く 非資源産出国のスペイン (26.7%) イタリア (20.1%) 韓国 (17.5%) と比較しても極端に低い水準となっている 2 以上を踏まえ エネルギー調達先国の多角化や国産資源の開発を進め 調達リスクを低減しつつ 自給率については 東日本大震災以前を更に上回る水準 ( おおむね 25% 程度 ) まで改善することを目指す (3) 経済効率性 (Economic Efficiency) 東日本大震災以降 電気料金は 家庭用 産業用共に大きく上昇しており 各地の中小企業 小規模事業者を始めとした産業界から悲鳴が上がっている状況において 雇用や国民生活を守るためにも 電気料金の抑制は喫緊の課題であると同時に中長期的にも安定的に抑制していく必要がある また 経済の好循環が確実に動き始めている状況下において 産業競争力を確保し 日本経済を本格的な成長軌道に乗せていくことが重要であり 経済成長を支えるエネルギー需給構造を構築する必要がある 政府としてもエネルギー調達価格を可能な限り低減する取組やエネルギーシステム改革を進めているが 一方で 東日本大震災前に比べて原発依存度を低減し 再生可能エネルギーの導入を促進することとなっており このことが電力コストの大きな上昇圧力となる 以上を踏まえ 電力コストを現状よりも引き下げることを目指す 2 エネルギー自給率の実績値は IEA Energy Balance 2014 による 2012 年の確報値 3

(4) 環境適合 (Environment) 東日本大震災以降 原子力発電所の停止による火力発電の焚き増し等により 温室効果ガス排出量の増加が継続しており 地球温暖化対策に積極的に取り組む必要が一層高まっている そのような中 本年 12 月に COP21 を控え 我が国も先進国の一員として 野心的な目標を示し 国際的な地球温暖化対策をリードしていくことが求められている 以上を踏まえ 欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標を掲げ世界をリードすることに資する長期エネルギー需給見通しを示すことを目指す エネルギー基本計画においては 徹底した省エネルギー 再生可能エネルギーの導入や火力発電の効率化などを進めつつ 原発依存度を可能な限り低減させる等の政策の基本的な方向性を定めているが これらを以上のとおり想定した安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で進めていった場合の将来のエネルギー需給構造の見通しを策定することを基本方針とする 3.2030 年度のエネルギー需給構造の見通し 上記の基本方針を踏まえた 2030 年度のエネルギーの需給構造の見通しは以下のとおりである (1) エネルギー需要及び一次エネルギー供給構造 経済成長等によるエネルギー需要の増加を見込む中 徹底した省エネルギーの推進により 石油危機後並みの大幅なエネルギー効率の改善を見込む 具体的には 内閣府 中長期の経済財政に関する試算 ( 平成 27 年 2 月 ) における経済再生ケース 3 を参考に推計した経済成長率 国立社会保障 人口問題研究所による最新の人口推計 ( 中位推計 ) 鉄鋼業等の活動量等を踏まえ 追加 3 経済再生ケースで想定している 2013~22 年度の実質経済成長率の平均値は年率 1.7% この 1.7% を 2024 年度以降にも適用 4

的な省エネ対策を実施する前の需要を推計した上で 産業部門 業務部門 家庭部門 運輸部門において 技術的にも可能で現実的な省エネルギー対策として考えられ得る限りのものをそれぞれ積み上げ 最終エネルギー消費で 5, 030 万 kl 程度の省エネルギーを実施することによって 2030 年度のエネルギー需要を 326 百万 kl 程度と見込む 4 この結果 2030 年度の一次エネルギー供給構造は以下のとおりとなる これによって 東日本大震災後大きく低下した我が国のエネルギー自給率は24.3% 程度に改善する 5 また エネルギー起源 CO2 排出量は 2013 年度総排出量比 21. 9% 減 6 となる 7 8 8 4 2030 年度にかけて 35% の大幅なエネルギー効率の改善が実現される水準 5 再生可能エネルギー及び原子力を それぞれ国産エネルギー及び準国産エネルギーとして エネルギー自給率に含めている 6 我が国の温室効果ガス排出削減量は 上記のエネルギー起源 CO2 排出削減量に加え そのほか温室効果ガス排出削減量や吸収源対策等を合計したものとなる 具体的には 2013 年度比で 26.0% 減となる 7 米国は 2025 年までに 2005 年比 26-28% EU は 2030 年までに 1990 年比 40% の削減目標を提示しているが 2013 年比では米国が 18-21% EU が 24% となる 8 合計値が 100 となるよう内訳を調整している 5

(2) 電源構成 電力の需給構造については 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で 徹底した省エネルギー ( 節電 ) の推進 再生可能エネルギーの最大限の導入 火力発電の効率化等を進めつつ 原発依存度を可能な限り低減することが基本方針となっている 例えば 自給率向上 CO2 排出抑制のためには 再生可能エネルギーを拡大し 石炭火力を抑制することが必要であり 電力コスト低下のためには 例えば 再生可能エネルギーを抑制し 石炭火力を拡大する必要があることから 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合を同時達成するためには バランスの取れた電源構成とする必要がある 具体的には まず 経済成長や電化率の向上等による電力需要の増加を見込む中 徹底した省エネルギー ( 節電 ) の推進を行い 2030 年度時点の電力需要を 2013 年度とほぼ同レベルまで抑えることを見込む 次に 重要な低炭素の国産エネルギー源である再生可能エネルギーについては 2013 年から 3 年程度 導入を最大限加速していき その後も積極的に推進していくこととしており 我が国の自然条件等を踏まえつつ 各電源の個性に応じた再生可能エネルギーの最大限の導入を行う観点から 自然条件によらず安定的な運用が可能な地熱 水力 バイオマスにより原子力を置き換えることを見込む これら電源について 環境面や立地面等の制約を踏まえつつ実現可能な最大限まで導入することを見込むが こうした制約の克服が難航した場合には導入量の伸びが抑えられる 自然条件によって出力が大きく変動し 調整電源としての火力を伴う太陽光 風力は 国民負担抑制とのバランスを踏まえつつ 電力コストを現状よりも引き下げる範囲で最大限導入することを見込む 9 さらに 火力発電については 石炭火力 LNG 火力の 9 太陽光発電の発電コストについては 発電コスト検証ワーキンググループで示された IEA World Energy Outlook 2014 新政策シナリオ ( 国際価格非収斂ケース ) にしたがって低減することを見込み 導入量を試算 6

高効率化を進めつつ環境負荷の低減と両立しながら活用する 10 とともに 石油火力については緊急時のバックアップ利用も踏まえ ディマンドリスポンス 11 を通じたピークシフト等を図ることなどにより 必要最小限を見込む 原子力発電については 上記のとおり 安全性の確保を大前提としつつ エネルギー自給率の改善 電力コストの低減及び欧米に遜色ない温室効果ガス削減の設定といった政策目標を同時に達成する中で 徹底した省エネ 再生可能エネルギーの最大限の拡大 火力の高効率化等により可能な限り依存度を低減することを見込む この結果 2030 年度の電力の需給構造は以下のとおりとなる これによって 東日本大震災前に約 3 割を占めていた原発依存度は 20%~22% 程度へと大きく低減する また 水力 石炭火力 原子力等によるベースロード電源比率は 56% 程度となる 10 今回の試算では 発電量当たりの CO2 排出量については小さいものから順に LNG 火力 < 石油火力 < 石炭火力 発電コストについては低コストなものから順に石炭火力 <LNG 火力 < 石油火力を前提に検討を行った 11 エネルギーの供給状況に応じてスマートに消費パターンを変化させる取組 需要制御の方法によって 1 電気料金設定によって需要を制御しようとする電気料金型と 2 電力会社と需要家の契約に基づき 電力会社からの要請に応じて需要家が需要を制御するネガワット取引の大きく 2 つに区分される 7

4. 各分野の主な取組 (1) 今回の長期エネルギー需給見通しにおける新たな視点 エネルギー基本計画において指摘されているとおり エネルギーをめぐる環境は 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故を始めとして 国内外で大きく変化している 2030 年度に向けて施策を講じていくにあたっては こうした変化に対応することが必要であるが 電力システム改革を始めとした国内の制度改革の進展 北米からの LNG 調達など国際的なエネルギー供給構造の変化等を踏まえると 特に以下のような環境変化を的確に捉える必要がある 1 電力 ガス分野等におけるエネルギーシステム改革の進展により 供給サイドの業種の垣根がなくなることや ネガワット取引を始めとするディマンドリスポンスが進展することなど新たなエネルギービジネスの展開が可能となるとともに 需要家の選択肢が拡大する 2 本年 4 月に設立された電力広域的運営推進機関が機能し 広域運用が強化されることで コストが低廉な電源から稼働させるなどの運用 ( メリットオーダー ) が全国大で可能となる 3 情報通信技術の進展により 家電 自動車 工場内設備等のエネルギー消費のリアルタイムな状況の把握や一括管理等が可能となる 4 北米大陸におけるシェール革命の進展 油価の乱高下 中東情勢の不安定化などによる長期的な不確実性の増大や国際エネルギー市場の重心のアジアシフトなど国際的なエネルギー需給構造の変化を踏まえ 石油 LNG 石炭等の低廉かつ安定的な供給確保を図る必要がある (2) 各分野の取組 以上のような環境変化を踏まえ エネルギー基本計画に示された基本的な方針に従い 今後 より具体的かつ詳細な検討を行った上で 各分野において以下のような取組を進めるとともに 国民各層の理解の増進を図る必要がある 8

1 省エネルギー産業 業務 家庭 運輸各部門における設備 機器の高効率化の更なる推進 エネルギーマネジメントを通じたエネルギーの最適利用 詳細なエネルギー消費実態の調査 分析等を通じたエネルギー消費の見える化を進め スマートできめ細かな省エネルギーに取り組む このため 産業部門においては 工場のエネルギーマネジメントや革新的技術 高効率設備の開発 導入 中小企業の省エネを促進するための支援等を進める また 業務 家庭部門においては BEMS 12 HEM S 13 を活用したエネルギーマネジメントの徹底を図るほか 新築建築物 住宅に対する省エネ基準の段階的な適合義務化 国民各層において省エネの取組が進むよう国民運動の推進等を図り 消費者の省エネ行動の一層の活性化を促す さらに 運輸部門においては 次世代自動車の普及 燃費改善 交通流対策に取り組む また 家庭用燃料電池 ( エネファーム ) や燃料電池自動車といった水素関連技術の活用も推進する 加えて ネガワット取引を始めとするディマンドリスポンスの取組を推進する 2 再生可能エネルギー各電源の個性に応じた最大限の導入拡大と国民負担の抑制を両立する このため 自然条件によらず安定的な運用が可能な地熱 水力 バイオマスを積極的に拡大し それにより ベースロード電源を確保しつつ 原発依存度の低減を図る 14 また 自然条件によって出力が大きく変動する太陽光や風力についてはコスト低減を図りつつ 国民負担の抑制の観点も踏まえた上で 大規模風力の活用等により最大限の導入拡大を図る 12 BEMS(Building Energy Management System): ビル等の建物内で使用する電力等のエネルギー使用量を計測し 導入拠点や遠隔での 見える化 を図り 空調 照明機器等の 制御 を効率よく行うエネルギー管理システム 13 HEMS(Home Energy Management System): 住宅のエアコンや照明等のエネルギー消費機器と 太陽光発電システムなどの創エネ機器と 蓄電池や電気自動車などの蓄エネ機器等をネットワーク化し 居住者の快適やエネルギー使用量の削減を目的にエネルギー管理を行うシステム 14 風力の平滑化効果による原発依存度の低減も見込んでいる 9

こうした観点から 各種規制 制約への対応 開発リスクの高い地熱発電への支援 系統整備や系統運用の広域化 15 高効率化 低コスト化や系統運用技術の高度化等に向けた技術開発等により 再生可能エネルギーが低コストで導入可能となるような環境整備を行う また 固定価格買取制度については 再生可能エネルギー導入推進の原動力となっている一方で 特に太陽光に偏った導入が進んだことや国民負担増大への懸念を招いたこと 電力システム改革が進展すること 電力の安定供給への影響等も勘案し 再生可能エネルギーの特性や実態を踏まえつつ 再生可能エネルギー間のバランスの取れた導入や 最大限の導入拡大と国民負担抑制の両立が可能となるよう制度の見直しを行う 3 化石エネルギー石炭火力発電及び LNG 火力発電の高効率化を図り 環境負荷の低減と両立しながら その有効活用を推進する 石油火力については緊急時のバックアップ利用も踏まえ 必要な最小限の量を確保する こうした観点から 石炭火力を始めとする火力発電について 非効率な設備の導入を抑制することが可能な仕組みを導入するとともに 電気事業者による自主的な枠組みの早期構築を促す等低炭素化に向けた取組等を推進する また 化石燃料の低廉かつ安定的な供給に向けた資源確保の取組を強化するため 中東依存度の低減等の調達多角化 自主開発の推進 国産資源の開発 国内エネルギー供給網の強靱化等の取組を進めるほか 運輸燃料の多様化等を図る 4 原子力原子力の利用においては 安全性の確保を全てに優先し 原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には その判断を尊重し原 15 北本連系設備を現在の 60 万 kw から 90 万 kw に 東西の周波数変換設備を現在の 120 万 kw から 210 万 kw さらに 300 万 kw に増強する動きが開始されている また 系統運用の広域化については 電力広域的運営推進機関において 地域間連系線の系統運用ルールの改善を行った 今後 地域間連系線の管理などを効率的かつ円滑に実施するためのシステムを開発 導入する予定 10

子力発電所の再稼働を進める その際 国も前面に立ち 立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう 取り組む また 規制基準を満たすことにとどまらない不断の自主的安全性の向上への取組 ステークホルダーとの適切なリスクコミュニケーション 科学的有望地の提示を始め 国が前面に立ち 高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を推進する さらに 原発依存度の低減や電力システム改革後などを見据え 円滑な廃炉や核燃料サイクル事業の安定的 効率的な実施等のための原子力発電の事業環境整備を図る ( 注 ) 原子力発電比率は 2030 年度時点における電源構成上の見通しを示したものであり 個別の原子力発電所の安全性に関する原子力規制委員会の審査に影響を与えるものではない 5 多様なエネルギー源の活用と供給体制の確保産業分野等における天然ガスシフト等各部門における燃料の多様化を図るとともに 住宅用太陽光発電の導入や廃熱回収 再生可能エネルギー熱を含む熱利用の面的な拡大など地産地消の取組を推進する また 分散型エネルギーシステムとして活用が期待されるエネファームを含むコージェネレーション (1,190 億 kwh 程度 ) の導入促進を図る あわせて これらを支える燃料等の供給体制の確保を図る (3)2030 年度以降を見据えて進める取組 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合に関する政策目標の確実な実現と多層 多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築に向け 革新的な蓄電池 水素社会の実現に向けた技術 次世代型再生可能エネルギー 二酸化炭素の回収貯留 (CCS) 及び利用に関する技術を始めとする新たな技術の開発 利用の推進 メタンハイドレートなど我が国の排他的経済水域内に眠る資源の活用に向けた取組も推進する 11

5. 長期エネルギー需給見通しの定期的な見直し この長期エネルギー需給見通しは 現時点で想定される発電コスト 技術 国際的な燃料価格等を前提に策定されたものである 安全性 安定供給 経済効率性及び環境適合をより改善していくための努力は 今後とも官民挙げて着実に行っていく必要がある また 今後 省エネルギーの進展 再生可能エネルギーの導入 各電源の発電コストの状況や原発をめぐる動向等長期エネルギー需給見通しを構成する様々な要素が変化することも想定される このため こうした状況変化も踏まえつつ 長期エネルギー需給見通しについては 少なくとも 3 年ごとに行われるエネルギー基本計画の検討に合わせて 必要に応じて見直すこととする 12