PCadCam2000 ソフトウェアを 新たな MC に対応させる準備の手順 はじめに PCadCam2000 ソフトウェアを新たなマシニングセンタに対応させるには大きく分けて二つの準備作業を行います (1) CAM データベース内のデータ準備 (1-1) 機械形式名データベース (1-2) 機械データベース (1-3) ツールポッドデータベース (1-4) コントローラデータベース (1-5) インデックステーブルデータベース ( 横形 MC 立形 MC に工作物割出し台をつけた場合および5 軸加工の場合 ) (2) 機械常駐サブプログラムの準備 (2-1) 工具交換サブプログラム (2-2) 加工完了サブプログラム (2-3) FXO サブプログラム (2-4) テーブルインデックスサブプログラム ( 横形 MC 立形 MC に工作物割出し台をつけた場合および5 軸加工の場合 ) (3) 保持具原点座標の設定 ( 完全外段取りを行う場合のみ ) 機械の種類と使い方 および FUNUC, YASNUC, MELDAS, OSP などのコントローラの種類によっても異なります 以下できるだけ具体例をあげて説明します 作業前にユーザは 新しいマシニングセンターについて 次の事を予め決めておいて下さい 1. 機械名とコントローラ名をデータとして扱う記号を決めておく 2. 主軸に工具を着けない状態にするために ツールポッドにダミーの工具を設定しますが ダミー工具のT 番号を決めておく 3. 機械がヘリカル円弧補間が出来るかどうか調べておく 4. コントローラはコモン変数を使ったサブプログラムが処理できるかどうか調べておく 出来る場合 コモン変数の番号は何番から使えるか調べておく 5. P-CAD/CAM 取り扱い説明書の [CAM データベース取り扱い説明書 ] の 2.4 コントローラデータベースの節だけお読み頂き 機械のコントローラが使用するコードを書き込む準備をしておいて下さい PCadCam International (PCI) 1
6. 通常加工される材料の種類について データとして扱うための記号を決めておいて下さい 以上の6 項目です 工具のデータと 現場に特有な加工手順については とりあえず豊橋技術科学大学で使用中のものが標準データベースとしてインストールされています 標準データベースは C:\ Program Files\PCadCam\Sft.mdb ファイルです これをまず別なフォルダーにコピーしてユーザ独自のデータベースの元本とします この元本のデータベースを PCadCam の使用するデータベースとして設定して 使いながら当該工場に特有のデータに 少しずつ直すことにして下さい (1) CAM データベース内のデータ準備 (1-1) 機械形式名データベースの準備 機械形式名 ID が1のデータは機械形式名 機械タイプともに共通と記入されています この共通が入ったデータを消去したり編集したりしないで下さい データ管理の自動操作に必要とされるデータです ユーザ別のデータは 機械形式名 ID の欄が次の2 以上のデータとして登録して下さい PCadCam International (PCI) 2
エンシュー立形 MC の例です NC 制御装置 ( コントローラ ) は Yasnuc がついています T コード管理は三つの方式のいずれかを選びますが この例の機械では工具補正長データを入力する H コードのアドレスが4 桁まで使えて 職場にある全ての工具の種類一つずつに固定した T 番号を与える (H コードの番号を T 番号に一致させるため ) ことができるので 固定 T 番号 (Fixed T Code) としています 上はオークマ横形 MC の例です PCadCam International (PCI) 3
上は OKK 立形 MC の例です この機械の場合 工具長補正データを入力する H コードのアドレスが十分に多くついていないので T コード管理はツールポッド番号を T 番号 (ToolPodID = TCode) とする方式を指定しています もう一つの方式 (Sequenced T-code) にしますと 使用する工具に T 番号が 1,2,3 と順番につけられます 上は FANUC コントローラのついた立形 MC に A 軸回転インデクスをつけた場合の例です PCadCam International (PCI) 4
例です 上は FANUC コントローラのついた横形 MC に A 軸回転インデクスをつけた 5 軸加工機の (1-2) 機械データベース PCadCam International (PCI) 5
ID=1 は共通と記入したデータです このデータを消去したり編集したりしないで下さい 機械形式名で Enshu と登録した機械が この職場には2 台あり その一番目を Enshu1として登録するデータです この例では T145 の T 番号の工具 ( ダミー工具 ) に ATC を行うと 主軸に工具なしの状態になるよう設定しています サブプログラム番号 6000 を工具交換の手順を書いた常駐サブプログラムとしています 同様にサブプログラム番号 6001 を加工完了時の手順を書いた常駐サブプログラムとしています プログラム番号 52 を FXO( 保持具原点 ) から NCPR(NC プログラム参照点 ) へ座標シフトする NCPR サブプログラムに当てています 記入する数字の前にマイナス符号がついて-52 となっています このマイナスがついていると 例えば立形 MC に X 軸回りの工作物インデクス装置を用いる場合 あるいは横形 MC の場合に他の設計面へ切り換えたときに対応するサブプログラムの番号が 52 から減算されて 51 50 49 と順につけられるようになります もしマイナス符号がないと 53 54 55 と加算して順につけられるようになります サブプログラム番号 6003 を保持具原点上に主軸を移動させる機械に常駐の FXO サブプログラムにしています この機械はヘリカル円弧補間 (G41,G42 で XY 面内の円弧補間を行うとき Z 方向にも進行する ) が可能なのでヘリカル加工使用を YES としています これができない機械の場合は NO にして下さい 最大ストローク X+ X- Y+ Y-は現在の処 CAM システムが参照しないので仮に0と値を入れています 最大ストローク Z+は FXO( 保持具原点 ) の Z を0とした時の Z 方向最大可能高さを入れます PCadCam International (PCI) 6
最大ストローク Z-は Z+から Z 方向ストロークだけ差し引いた値 Z 軸逃げ 250 としているのは ある作業をある XY 位置で行って次の位置へ移動する時は FXO( 保持具原点 ) を Z =0として Z=250 まで上げてから移動するよう指示していす この機械の例ではマクロ指令を使うときに 100 以上がコモン変数番号として許されていますのでコモン変数番号を 100 としています また工作物基準点 (NCPR) の座標位置を自動計算する機能を使用 (Yes) としています T コード ( 工具番号 ) の先読み機能は使用せず (No) としています また リジッドタップ機能を使用せず (No) としています 上は Enshu の 2 台目を Enshu2 として登録するデータです PCadCam International (PCI) 7
上はオークマ横形 MC の例です 上は OKK 立形 MC の例です PCadCam International (PCI) 8
上は Pindad 社の立形 MC の例です この機械は ATC を使わず手動工具交換で使っているた め工具番号 (T コード ) はコメント文として NC プログラムの中に書いています そのためダ ミー工具の番号も ( ) 内に書かれるように指定しています 上はマキノの立形 NC フライス盤の例です 手動工具交換を行いますが この機械の NC コントローラは工具番号 (T コード ) が NC プログラムの中に書かれていても無視するようになっているためダミー工具番号はコメント文にする必要がありません そのため ( ) 内に入れず T999 と書かれるように指定しています PCadCam International (PCI) 9
上は立形 MC に A 軸回転インデクスをつけた機械の例です PCadCam International (PCI) 10
上は横形 MC に A 軸インデクスをつけた 5 軸加工機の例です PCadCam International (PCI) 11
(1-3) ツールポッドデータベース (Tool Pod Database) ツールポッドデータベースは機械 1 台ごとに ( 機械形式ではなく ) その機械のツールポッドに入っている筈の工具のデータが記入されています 右端の欄に記入されている工具使用数は自動的に CAM システムがその機械についてその工具を選ぶごとに一つずつカウントアップされます CAM システムは複数の候補工具がある場合 この欄の工具使用数が最も多い工具を優先して選択します このことを利用して共通的によく使用する工具を標準搭載工具として管理することができます PCadCam International (PCI) 12
(1-4) コントローラデータベース コントローラ ID が 1 のデータはある Fanuc のコントローラの値を入れています これが共 通データの代わりに データ管理の自動操作に必要とされますので このデータを消去しな いで下さい 上は Yasnuc コントローラの例です 工具補正値は長さ 径とも NC プログラムに記入せず ユーザが NC コントローラの H コードと D コードに手動入力することとしているため G10 長さ G10 直径 G10 値の欄はいずれも \n( 邦文 PC の場合には 図中のように n という表記が現れます ) と記入して使用しないようにしています PCadCam International (PCI) 13
上は OSP コントローラの例です この機械は Metric / Inch の指定コマンドがないた め \n と記入しています 上は Meldas コントローラの例です PCadCam International (PCI) 14
上は立形 MC に A 軸回転インデクスをつけた機械の FANUC コントローラの例です 上は 5 軸加工機につけた FANUC コントローラの例です (1-5) インデックステーブルデータベース ( 横形 MC インデックス付き立形 MC 5 軸加工の場合のみ ) インデックステーブルデータベースは A B あるいは C 軸の角度を割り出すために 必要 なデータベースです 上から順番に角度 A 角度 B 及び角度 C について夫々次の三つを記入 しています 下のデータ例は横形 MC で B 軸のみですので B の項目のみ記入しています PCadCam International (PCI) 15
(1) インデクスアドレスは テーブル旋回の角度の数値を に置き換えて 例えばそれが 90 度であれば NCプログラム中に VC110=90 と記入されるようテキスト形式でこのように書いておきます これはオークマ OSP コントローラの場合です (2) インデクスサブプログラム番号は B 軸回転を行う機械常駐サブプログラム番号で この例では 6010 としています (3) 最小回転角度は (1) に記入する角度の数字 1に対応する回転角で 普通は1としておきます 上は立形 MC につけた A 軸回転インデクスの場合のデータです PCadCam International (PCI) 16
ータです 上は横形 MC の B 軸回転テーブルの上に A 軸回転インデックスをつけた 5 軸加工機のデ (2) 機械常駐サブプログラムの準備 (Resident Sub Progrm) (2-1) 工具交換サブプログラム Enshu 400 OKK Okuma O6000 L6000 O6000 G21 G91 G00 G28 G40 G80 G52 X0.Y0.Z0. M6 G54 G92 G53XYZ0. RTS G40 G80 M06 G91 G30 G23 Z0. G28 Y0. G28 X0. G28 Z0. M6 M99 コントローラ コントローラ コントローラ YASNUC MELDAS OSP PCadCam International (PCI) 17
Pindad( 手動工具交換 ) MAKINO(CNC 立フライス盤 ) O0004 O0004 G21 G54 G40 G49 G80 G40 G80 G49 G90 G17 G52 X0.Y0. Z0. G52 X0.Y0. Z0. G91 G30 Z0. M98 P55 G91 Z-5. M00 G90 G00 M99 G55 X0.Y0. M00 20.X300. G91 G30 Z0. M99 コントローラ コントローラ FANUC FANUC 機械データベースの中で 上の3 台の機械はいずれも工具交換サブプログラム番号を 6000 としていますので ここに書かれた先頭のサブプログラム番号はそれに合わせてO6000 となっています MELDAS コントローラの場合は L6000 下の2 台の機械はO0004 続いてキャンセルの G コードがいくつか書かれています またローカル座標シフトをキャンセルするコードが書かれています Enshu400 機では G52 OKK 機では G92G53XYZ0. Pindad 及び MAKINO 機では G52XO.YO.ZO. がこれに当ります その後主軸を工具交換に適した場所に移動した後 工具交換命令 M6 が書かれています Pindad と MAKINO 機は ATC を使わず手動で工具交換するため M06 の替りに M00 で一旦停止します (2-2) 加工完了サブプログラム Enshu 立形 MC O6001 M9 G91 G30 Z0. M5 M99 コントローラ YASNUC (2-3) 保持具原点 (FXO) サブプログラム ( 工作物基準点の機上測定 手動入力を行う場合は不要です ) Okuma 横形 MC N 社横形 MC Enshu 立形 MC O6003 O6003 O6003 VC111=VZOFX[55] G40 G80 G17 G40 G49 G80 G90 G17 G52 PCadCam International (PCI) 18
VC112=VZOFY[55] #111= #5241 G91 G30 Z0. VC113=VZOFZ[55] #112= #5242 #113= #5243 G55 #111= #5241 #112= #5242 #113= #5243 RTS M99 Y0. M99 コントローラ コントローラ コントローラ OSP FANUC YASNUC さきに機械データベースに FXO サブプログラムの番号を 6003 と記していますので ここに 書かれた先頭のサブプログラム番号はそれに合わせて O6003 となっています キャンセルの コードと ローカル座標シフトキャンセルのコードがその後に入っています これ等の例は コントローラデータベースのローカル座標フォーマットが G56 と記入されている場合です 以下の例は ローカル座標フォーマットに G52 と記入されている場合です PINDAD( 立形 MC) MAKINO(CNC 立フライス盤 ) O0055 O0055 G40 G49 G80 G90 G17 G40 G49 G80 G90 G17 G52 X0.Y0. Z0. G52 X0.Y0. Z0. G91 G30 Z0. G91 G28 Z0. G90 G55 G00 X0. G90 G55 G00 X0. Y0. Y0. M99 M99 コントローラ コントローラ FANUC FANUC (2-4) テーブルインデックスサブプログラム ( 横形 MC あるいは立形 MC に工作物割出し台をつけた場合のみ ) Okuma 横形 MC O6010 G00 M15 B=VC110 RTS コントローラ OSP N 社横形 MC O6010 G00 B#110 M99 コントローラ FANUC これ等の例では さきのインデックステーブルデータベースの中に B 軸回転のテーブルイ ンデックスサブプログラムの番号を 6010 としていますので ここに書かれた先頭のサブプロ グラム番号はそれに合わせて O6010 となっています 次は 5 軸加工機 ( 横形 MC に A 軸回転トラニオン その上に B 軸回転インデクスを付けた場 合 ) の例です コントローラ FANUC PCadCam International (PCI) 19
[A 軸回転サブプログラム ] O6011 IF[#511LE180]GOTO 100 #511=#511-360 N100 G00 A#511 M99 [B 軸回転サブプログラム ] O6012 G00 B#512 M99 左側の A 軸回転については共通変数 #511 に代入されている回転角度 A が 180 度以上の場合 は 360 度を差引いて負の確度に計算し直してから回転させています (3) 保持具原点座標の設定 この設定は完全外段取りを行うことがある場合にのみ必要です 機械の NC コントローラ上のワーク座標系 (G55) に保持具原点のXYZ 座標値を設定しておきます 常時 工作物基準点の機上測定 手動入力を行う場合には不要です (3-1) 立形 MC の場合 [Enshu 立形 MC の例 ] 保持具原点 (FXO) サブプログラム中で G55 を使用しています これに合わせて機械の NC コントローラ内のワーク座標系 G55 に次のように設定します G55 X= Y= Z= XYZ は 保持具原点の機械座標値を入れます (3-2) 横形 MC の場合必ずテーブルの旋回中心上の点に X 及び Z 座標を設定します [Okuma 横形 MC の例 ] 保持具原点 (FXO) サブプログラム中で VZOFX[55] を使っています これに合わせて機械の NC コントローラ内のワーク座標系 G55 に次のように設定します G55 X=0 Y= Z=-200 Y は 保持具原点の高さの機械座標値を入れます (3-3) 5 軸加工 MC の場合 5 軸加工機の保持具原点 (FXO) は 二つの回転運動の中心線の交点 つまり A- と B- 軸 A- と C- 軸 あるいは B- と C- 軸が空間上で交差する点に設定します PCadCam International (PCI) 20
G55 X= Y= Z= XYZ の値は 上記のように定めた保持具原点 (FXO) の機械座標値です PCadCam International (PCI) 21