ジャワ島西部国立公園 住民参加型環境保全推進事業 (JICA草の根技術協力 2009~2012)

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1 自然に対する関心 (1) 自然に対する関心 平成 24 年 6 月 平成 26 年 7 月 関心がある( 小計 ) 90.4% 89.1% 非常に関心がある 29.5% 21.9%( 減 ) ある程度関心がある 60.9% 67.2%( 増 ) 関心がない( 小計 ) 8.8% 10.5% あま

日本企業による国外での環境への取り組みに係る

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室



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アマミノクロウサギ保護増殖事業計画 平成 27 年 4 月 21 日 文部科学省 農林水産省 環境省

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

発行 第 4 号まで各 2,000 部発行 NPO 団体 コミュニティとの交流 連携 スタッフ研修 中間支援団体の設立支援などを実施している 25 年度からは とめ市民活動プラザ を市に移管し とめ市民活動フォーラム を NPO 法人化した上で 市が NPO 法人とめ市民活動フォーラム に運営管理を

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1 国際協力機構 (JICA) の概要 (1) 事業政府ベースの技術協力等を実施する機関として 開発途上地域が社会 経済面で自立的 持続的に発展できるよう 制度構築 組織強化 人材育成のための協力活動を実施 HIV/ エイズやSARSなど感染症対策支援 市場経済化や法整備に対する支援 平和構築 復興

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別添 研修委託契約業務概要 1. 研修コース概要 (1) 研修コース名 1 課題別研修 保護地域協働管理を通じた脆弱な沿岸 海洋生物系保全 (2) 研修期間 ( 予定 ) 1 全体受入期間 :2019 年 11 月 6 日 ( 水 )~2019 年 12 月 7 日 ( 土 ) 技術研修期間 :20

資料 1 五智公園自然環境保全地域 の概要 ( 案 ) 1 自然環境保全地域の名称 五智公園自然環境保全地域 2 自然環境保全地域に含まれる土地の区域 五智公園一帯約 22 ヘクタール 3 自然環境保全地域の指定の理由 五智公園は 上越市街地の北西部に位置する日本海に近い里山を利用した公園である 公

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目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

目次 1 背景 目的 方針の位置づけ 現状の問題と課題 今後の方針

はじめに

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募集要項の構成としては、表紙、本文、裏表紙になると思うのですが、この認識でよいでしょうか?

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

2 森林局 (Forest Department:FD) 環境保全林業省の中に設置されている 森林政策 計画実施の機関です 生物多様性の保全 劣化した森林の回復 流域保全 森林資源の持続可能な管理を管轄しています 3 乾燥地緑化局 (Dry Zone Greening Department:DZGD

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資料 8 4. 普及啓発 < 検討課題 > 利用者への情報提供 普及 啓発について ( 対象となる団地 : 全て ) < 主な意見 > 地域住民は地域に住みながら地域のことを知らないのが問題 学校でも教えているが不十分な状況 普及啓発は 説明会の開催やチラシの配布のみでは市民の意識は変わらない 住民

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スライド 1

平成 26 年度 決算説明書 / 事務事業評価シート 課名 農業委員会事務局 予算 款項目決算書目名事業名称 頁農業委員会費 農業委員会事業 1. 概要 目的 担い手の確保 育成と優良農地の確保 有効利用に向けた取り組み 対象 市民 事業概要 農業委員会事業 農地法第 3 条許可

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国土技術政策総合研究所 研究資料

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地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

< 委託業務説明書 > 1 平成 20 年度事業実施において明らかとなった課題当初企画 予定していたとおり市民に使用しやすく 親しみが持て かつ利用価値が高い食育推進に資するポータルサイトの構築に努めてきた 食育情報の発信については 簡単に行うことができるようブログを活用した情報発信の仕組みの構築を

更に 県内各地に誕生した傾聴ボランティア団体の活動がより活発になるようネットワーク形成 に向けて 当団体が中心となってとりまとめを行っている 3 活動の特徴 (1) 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント 電話相談 傾聴茶話会 傾聴サロンまで 被災者のニーズに応じた対応が可能な仕組みの構

政策評価書3-3(4)

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2 CSR -

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滋賀CSR経営モデル

はじめに

7/ /4 7/30 18:00 19:00 7/31 10:00 15:00 7/31 10:00 15:00 8/20 12:30 15:00 8/21 13:00 15:00 ( 49ha) JA () TEL

大阪狭山市市街化調整区域における地区計画のガイドライン(案)

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唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

4. 地区計画の基本的な考え方 1. 市街化を抑制すべき区域 という市街化調整区域の基本理念は 地区計画の策定によってその性格が変わるものではないこと 2. 開発行為を伴う地区計画については いたずらに市街地を拡大しないよう その必要性 周辺の公共施設の整備状況 自然環境 景観や農林業との調和等の観


社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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抜本的な鳥獣捕獲強化対策 平成 25 年 12 月 26 日環境省農林水産省

いないか B レ 野生生物や生物多様性への悪影響を及ぼ C レ 先住民族 居住者の生活や土地 文化を 侵害 D レ 児童労働や 劣悪な環境での労働を行っ ていないか E レ 武装勢力の資金源となる等 紛争に関連 F その他 ( 特定せず特定せず特定せず 金(Au タンタル (Ta タングステン (W

(2)里山の整備

参加者メリット

里山学研究センター 2017年度年次報告書 マラウイ湖国立公園での森林資源の利用と 保全に関する調査 龍谷大学理工学部 実験助手 林 里山学研究センター 研究員 珠乃 龍谷大学里山学研究センター 博士研究員 太田 龍谷大学理工学部 教授 遊磨 龍谷大学理工学部 准教授 丸山 真人 里山学研究センター

スライド 1

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平成 30 年度事業報告について ( 平成 30 年 4 月 1 日 ~ 平成 31 年 3 月 31 日 ) ( 特定非営利活動に係る事業 ) 1. 特定非営利活動に係る事業 (1) 事業の成果 地球温暖化対策の推進に関する法律 第 24 条の規定に基づき 川崎市において設置された 川崎市地球温暖


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資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

応 募 要 項

金沢都市計画地区計画の変更

2014 年度事業計画書 2014 年 3 月 25 日 一般社団法人日本テレワーク協会 1

平成 21 年度から あいち森と緑づくり税 を活用し 森林 里山林 都市の緑の整備 保全等に取り組んできた結果 第 4 章に示したとおり 一定の成果を上げることができました しかしながら 本県の森と緑を健全な状態で将来に引き継ぐためには 依然としてさまざまな課題があります 次ページ以降に 森と緑づく

1 2


ブラジルにおけるアグロフォレストリー普及のための技術交流事業 サンパウロ州セッテバーラス市リオプレット村は 近年減少著しい大西洋岸林 ( マッタアトランチカ ) に所在する貧困なコミュニティーの一つである コミュニティー住民は 森林に自生し換金性の高いジュサラ椰子のパルミット違法伐採で生計を立ててお

第3節 重点的な取り組み

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1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

Transcription:

公益社団法人日本環境教育フォーラム インドネシア事業のご紹介 2016 年 12 月 6 日 JEEF インドネシア事務所長矢田誠

ジャワ島西部国立公園住民参加型環境保全推進事業 (JICA 草の根技術協力 2009~2012) 事業の背景 首都ジャカルタから最も近い国立公園であるグヌン ハリムン サラック国立公園では 自然保護区域内に 10 万人の住民が居住し 保護政策と住民の生活との間で大きな軋轢が発生 行政と地域住民との対立を解消し 住民参加による国立公園管理が必要とされていた 活動内容 JEEF は公園管理事務所と地域住民との間の橋渡し役となり 重要保全地域と住民の里山利用の境界線を策定 居住地や耕作地の無秩序な拡大を防止すると共に 既存の里山では伝統的知識を活用した資源利用のルールを策定した 国立公園レンジャーと地域住民の協働による地図作成 国立公園内の目的別ゾーンの明確化 ( 原生自然保全ゾーン 緑化ゾーン 活用ゾーンなど ) 里山 ( 活用ゾーン ) における林産物の持続的利用促進 国立公園利用のルールの明確化と 政府 - 住民による MoU の策定

官民協働による国立公園の地図作成とルールの明確化 対立関係にあった国立公園レンジャーと地域住民の協働の実現 ハンディGPSを用いた公園内の現状確認と地図作成 保全するゾーン 緑化が必要なゾーン 里山利用が可能なゾーンなど 生態系にあわせたゾーンを策定 公園管理が明確化される 政府 地域住民双方の役割が定められ 住民参加による環境保全が実現

アグロフォレストリーによる持続可能な林産物利用 里山住民が利用可能なゾーン テナガザルやヒョウが生息する奥山は原生自然として保全を義務化 奥山原生自然を保全するゾーン 地すべりなどで荒廃した林地では住民による植林を実施 里山では地産の林産物生産を推奨し 住民の収入向上に貢献 ヤシ砂糖カルダモンコーヒー

事業の成果 公園レンジャーと住民による国立公園管理が実現 ( 対立から共生へ ) 里山の林産物を利用した収入の向上 ( 耕作地の拡大に代わる収入源の確保 ) 寄付金や現地スタディツアーなど 日本の一般市民も巻き込んだ支援活動として現在も活動継続中

フェリス女学院大学による社会企業プログラムと連携 日本国内の洋菓子店やパン屋さんでの ジャワのヤシ砂糖を用いた商品開発 販売

天然ハチミツ生産支援プロジェクト ( 経団連自然保護基金助成事業 2010~2018) ( 三井住友銀行ボランティア基金助成事業 2015) 事業の背景 ジャワ島の西端に位置するウジュン クーロン国立公園は絶滅危惧種のジャワサイの生息地であり UNESCO により世界自然遺産認定される貴重な生態系を有している 地域住民の一部は 違法な森林伐採や野鳥など希少な野生生物の捕獲と販売などに従事しており 持続可能な森林利用の体勢確立が急務となっていた 活動内容 国立公園内に自生する野生ミツバチから 天然ハチミツの収穫と販売を推進 持続可能なハチミツ収穫方法を指導すると共に 加工技術トレーニングを実施し商品価値の向上を支援

天然ハチミツの採集

プロジェクト開始以前は... 違法伐採の副収入としてのハチミツ採集 ハチの巣を採り尽くしてしまう非持続的方法 不衛生な環境下での作業と低品質の商品 場当たり的な訪問販売 低価格

プロジェクトの実施を通じて... 衛生面に配慮し高品質な製品生産 首都圏ショッピングモールでの高額販売 商品価格は従来の5 倍に向上 違法伐採に頼らずとも収入の確保が実現

事業の成果 以前の収奪的なハチミツ採集から 持続可能な商品生産への転換が実現 地域住民に環境保全の重要性が認識され 自主的な植林活動などに発展 かつての違法伐採従事者が 森林パトロールを実施するなど国立公園保全に参加 本プロジェクトがモデルとなり全国ハチミツ生産者ネットワークが形成され 国内 8 箇所で同様の活動が進行中

トヨタ車体グループの森マングローブ再生プロジェクト トヨタ車体グループ CSR 事業 (2011~2015) 事業の背景 トヨタ車体株式会社 および 現地法人 3 社からの寄付金による植林事業 エビ養殖ブームによって荒廃したジャカルタ湾岸のマングローブ林の再生 トヨタ車体は社員参加の植林を含む インドネシア国内拠点近隣での緑化活動を希望 JEEF からは緑化だけでなく 植林地の維持管理を託す為の人づくりとして地域住民への環境教育や収入向上支援も併せて実施することを提案 活動内容 放棄されたエビ養殖池を活用し 5 年間で 100Ha 100 万本の植林 マングローブ再生 漁業資源の回復 をテーマとした環境教育の実施 地域住民による森林管理グループが結成され 植林作業や植林地の管理に従事 政府要人や社員の参加による年 1 回開催の記念植樹式の開催

プロジェクト開始以前エビ養殖の為に切り開かれるマングローブ林

プロジェクト開始以前放棄されたエビ養殖池が広がる

プロジェクト開始直後 2011 年 7 月

2 年後の様子 2013 年 8 月

4 年後の様子 2015 年 6 月

記念植樹式典 年 1 回開催の植樹式には 地元政府要人やグループ各社の社員が参加

事業の成果 マングローブの再生に伴い エビ カニ 魚などの漁業資源の回復が見込まれることから 地域住民はプロジェクトに積極的に参加 住民の提案により植林と並行した海草の養殖に発展 水質浄化と収入向上の両立が実現 本事業をモデルに 県内各地で植林 CSR 活動が開始されるようになっている

植林によって回復する漁業資源 2014 年 8 月

植林によって回復する漁業資源 2015 年 12 月

大塚環境保全モデル村 Amerta Indah Otsuka 社 CSR 事業 (2011~2015) 事業の背景 大塚製薬現地法人 Amerta Indah Otsuka 社による住民参加型環境保全活動 ポカリスエット生産工場のあるスカブミ県にて 水源の確保を目的とした植林を実施 JEEF は事業の企画 運営と 地域住民に対する環境教育の実施を担当 活動内容 自社製品の生産に必要な水資源の保全を目的とした 40Ha の植林実施 地域住民グループを組織し 植林地の維持管理は住民グループに委託 AIO 社は 育林にかかる賃金支払いを行わない代わりに グループが実施する有機農業などへの資金を提供

事業の成果 5 年間の事業終了後には住民が自立できることを目指した活動の実施 有機農業による野菜生産や家畜飼育による循環型農業の実施体勢が確立 県知事より青年環境リーダー育成についての表彰を受けるなど 企業ー住民連携の環境保全活動優良モデルとして当初の計画どおり 5 年間の活動を終了 CSR 事業終了後は住民グループ独自の活動として周辺村落を巻き込みながら現在も発展中

国立公園エコツーリズム推進プロジェクト (JICA 草の根技術協力 2014~2017) 事業の背景 首都圏近郊に位置するグヌン ハリムン サラック国立公園におけるエコツーリズム推進事業 ジャワ島に残された貴重な生態系の保全と地域住民の暮らしの両立を目的に 観光事業の実施を通じて持続可能な開発を目指すモデル事業 JEEF 介入以前は 住民 国立公園管理事務所 県政府 地元企業などのステークホルダー間の調整がなされないまま事業計画が進行 無秩序な観光開発が行われてしまう前に 各関係者間の意見調整を行い 持続可能な事業実施体制の構築が望まれている 活動内容 ステークホルダー間の役割分担の取り決め ツアーガイドやホームステイなど 住民が担当する役割に対してのトレーニングの実施 魅力的なアクティビティの開発など 地元の観光資源の価値の向上 都市部の一般市民や学校が環境保全について学ぶための自然学校などのプログラム開発

ジャワ島に残された貴重な生態系の保全首都ジャカルタから 100Km 県内にある豊かな自然環境

事業の成果 ( 実施 3 年目 ) 各ステークホルダーが 各々の専門性を生かした役割を担うエコツーリズム協議会の設立 伝統文化に根ざしたアクティビティの開発 地元の自然環境を熟知した地域住民によるツアーガイドの養成 将来的には地域の自然 文化を提示するエコミュージアムの設立を模索

エコツーリズム事業を活用した企業との連携 NEC 世界子ども自然クラブ事業とのコラボレーション

NEC インドネシア社による 都会の子どもたちへの自然体験学習機会の提供

アジア 6 カ国の子どもたちによるインターネットを通じた体験報告会