Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムによる食品と動物飼料中のダイオキシン様および非ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル同族体の測定 アプリケーションノート 食品安全性 著者 Prof. Dr. Peter Fürst Dr. Thorsten Bernsmann Dominik Baumeister Chemical and Veterinary Analytical Institute Münsterland-Emscher-Lippe (Chemisches und Veterinäruntersuchungsamt, CVUA-MEL) Joseph-König-Str. 40 4847 Münster Germany 概要 Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムを用いて 食品および動物飼料に含まれるポリ塩化ビフェニル (PCB) 同族体分析に対応する つのメソッドを開発しました このメソッドでは 分析が求められる濃度範囲において良い直線性が得られることが示されました また 低 pg TEQ/g レベルまでのダイオキシン様 PCB (dl-pcb) 同族体と サンプル g あたり ng 以下の非ダイオキシン様 PCB (ndl-pcb) 同族体について GC- 高分解能質量分析計で得られた値と良好に一致する定量結果が得られました このアプリケーションノートでは 8 種類のモノオルト PCB 同族体 (# 05 4 8 56 57 67 89) および 4 種類のノンオルト PCB 同族体 (# 77 8 6 69) からなる 種類の dl-pcb と 指標 PCB とも呼ばれる 6 種類の ndl-pcb 同族体 (# 8 5 0 8 5 80) の分析結果を紹介します Chris Sandy Agilent Technologies UK Ltd 60 Wharfedale Road Winnersh Triangle Wokingham Berkshire RG4 5TP UK
はじめに ポリ塩化ビフェニル (PCB) は 毒性の高い残留性有機汚染物質 (POP) で 人体に悪影響を及ぼします 癌や内分泌障害 生殖障害にも関連しています 0 世紀後半に禁止されるまで PCB は広く製造され 電気製品や油圧機器のほか 塗料やプラスチックおよびゴム製品中の可塑剤など 多数の産業および商用アプリケーションで使用されていました 環境に放出された PCB 同族体は 動物組織中で生物濃縮され 人間を含む食物連鎖に侵入することがあります 米国 [] および欧州連合 (EU) [] [5] の現行法では 同位体希釈キャピラリ ガスクロマトグラフィ- 高分解能質量分析計 (GC- HRMS) により 食品および動物飼料に含まれるポリ塩化ジベンゾパラダイオキシン (PCDD) ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル同族体 (dl-pcb) の確認および定量をおこなうことが義務づけられています ガスクロマトグラフィ-トリプル四重極質量分析計を用いた食品や動物飼料中ダイオキシンおよびフランの分析については すでに公開されているアジレントのアプリケーションノートで紹介されています [] 食品および動物飼料に含まれる PCDD PCDF dl-pcb の最大許容値は 別の EU 規則で定められています [4] [6] dl-pcb 同族体には それぞれ毒性等価係数 (TEF) が割り当てられています,,7,8 テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン (,,7,8-TCDD) の TEF を としたうえで 各 dl-pcb 同族体の毒性が,,7,8-TCDD と関連付けて示されます 食品および動物飼料サンプルから検出された各 dl-pcb の濃度に それぞれの TEF を乗じて合計し 総濃度が毒性等量 (TEQ) として表されます 単位は pg TEQ/g fat pg TEQ/g fresh weight ( 魚 ) ng TEQ/kg (88 % 乾燥飼料 ) が用いられます 世界保健機関 (WHO) は国際化学物質安全性計画 (IPCS) を通じて PCDD PCDF dl-pcb の TEF を設定しましたが 後に当初の値が見直されました 当初の TEF 値は 997 年に WHO/IPCS の専門家会議により設定され 005 年に見直しが実施されました その結果 一部の TEF 値が変更されたため TEF の値については 最初に示された年 (TEF WHO98 または TEF WHO05 ) を明示することが重要です TEF から得られる TEQ 値 (TEQ WHO98 および TEQ WHO05 ) についても同様です PCDD PCDF dl-pcb の TEF 値を表 に示します EU 規則の定める特定食品中の PCDD PCDF dl-pcb の最大許容値 (TEF WHO98 値にもとづく ) を表 に示します 表. 998 年および 005 年の評価により設定された PCDD PCDF dl-pcb 同族体の WHO 毒性等価係数 (TEF WHO98 および TEF WHO05 ) ( 変更された値をイタリックで表示 ) 化合物名 TEF WHO 98 TEF WHO 05 化合物名 TEF WHO 98 TEF WHO 05 塩化ジベンゾ-p-ダイオキシン ノンオルト置換 PCB 78-TCDD PCB-77 0.000 0.000 78-PeCDD PCB-8 0.000 0.000 478-HxCDD 0. 0. PCB-6 0. 0. 678-HxCDD 0. 0. PCB-69 0.0 0.0 789-HxCDD 0. 0. 4678-HpCDD 0.0 0.0 OCDD 0.000 0.000 塩化ジベンゾフラン モノオルト置換 PCB 78-TCDF 0. 0. PCB-05 0.000 0.0000 78-PeCDF 0.05 0.0 PCB-4 0.0005 0.0000 478-PeCDF 0.5 0. PCB-8 0.000 0.0000 478-HxCDF 0. 0. PCB- 0.000 0.0000 678-HxCDF 0. 0. PCB-56 0.0005 0.0000 4678-HxCDF 0. 0. PCB-57 0.0005 0.0000 789-HxCDF 0. 0. PCB-67 0.0000 0.0000 4678-HpCDF 0.0 0.0 PCB-89 0.000 0.0000 4789-HpCDF 0.0 0.0 OCDF 0.000 0.000
表. EU 規則 (EC) No 88/006 で定められた特定食品中の PCDD PCDF dl-pcb 同族体の最大許容値 ( 上限濃度 ) ダイオキシンの最大許容値総和 ダイオキシンおよび dl-pcb の最大許容値総和 食品 (WHO-PCDD/F-TEQ) (WHO-PCDD/F-PCB-TEQ) 以下の動物の食肉および肉製品 ( 食用内蔵肉を除く ) : - 牛および羊.0 pg/g fat 4.5 pg/g fat - 家禽.0 pg/g fat 4.0 pg/g fat - 豚.0 pg/g fat.5 pg/g fat - 生乳および乳製品 バター脂肪を含む.0 pg/g fat 6.0 pg/g fat - 鶏卵および卵製品.0 pg/g fat 6.0 pg/g fat 特定食品および特定飼料に含まれる 種類の dl-pcb 同族体の限界値を 表 と表 4 に示します 6 種類の ndl-pcb 同族体については TEF 値が割り当てられていません これらの分析結果は単純に 6 種類の同族体の総和で表されます 種類の dl-pcb 同族体と 6 種類の ndl-pcb 同族体の化学構造を図 および に示しています このアプリケーションノートでは Agilent7000 トリプル四重極 GC/MS システムを用いて 食品および動物飼料に含まれる dl-pcb および ndl-pcb 同族体をスクリーニングする 高感度で再現性の高いメソッドを紹介します このメソッドは スクリーニングに関する EU 規則の要件を満たしています 表. 欧州委員会推奨事項 006/88 の定める特定食品中 dl-pcb 同族体総和の限界値 ( 上限濃度 ) 食品ダイオキシン様 PCB の限界値 (TEQ WHO98 ) 反芻動物 ( 牛および羊 ) の食肉および肉製品鶏および家禽豚 陸生動物の肝臓および派生製品 魚の身および水産品と関連製品 ウナギを除く ウナギ ( ヨーロッパウナギ ) の身および関連製品 牛乳とバター脂肪を含む乳製品 鶏卵および卵製品.0 pg/g fat.5 pg/g fat 0.5 pg/g fat 4.0 pg/g fat.0 pg/g fresh weight 6.0 pg/g fresh weight.0 pg/g fat.0 pg/g fat 表 4. EU 規則 00//EC の定める特定食品中 dl-pcb 同族体総和の限界値 ( 上限濃度 ) 動物飼料用製品植物由来の飼料原料 植物油およびその副製品を除く植物油およびその副製品鉱物由来の飼料原料動物脂肪 乳脂肪および卵脂肪を含むその他の陸生動物製品 牛乳 乳製品 卵 卵製品を含む魚油 含水率 % の飼料に対する限界値 0.5 ng TEQ/kg 0.5 ng TEQ/kg 0.5 ng TEQ/kg 0.75 ng TEQ/kg 0.5 ng TEQ/kg 4.0 ng TEQ/kg
4 図. ndl-pcb 同族体の化学構造 #8 #5 #0 #80 #5 #8 #77 #8 #6 #69 #05 #4 #8 # #56 #57 #67 #89 図. dl-pcb 同族体の化学構造
実験手法較正用標準品 ネイティブの PCB 同族体と C 同位体で標識した内部標準の較正用混合物を Cambridge Isotope Laboratories および Wellington Laboratories Inc. から入手しました サンプル前処理と分析食品および動物飼料中の PCDD PCDF dl-pcb 同族体および ndl- PCB 同族体の測定において もっとも広く用いられているメソッドは 脂肪抽出 ( ソックスレー抽出または有機溶媒による抽出など ) と 硫酸コーティングシリカゲル フロリジル アルミナ 活性炭などの各種のカラムクロマトグラフィによる精製手順を組み合わせた手法です 最終的な抽出物は 各種の溶媒を用いた溶出により モノオルト PCB 同族体と指標 PCB 同族体 (a 図 ) ノンオルト PCB 同族体 (b 図 ) PCDD/F ( 図 ) を含む つのフラクションとして採取されます C で標識した内部標準をシリンジにより添加したのち 抽出物を窒素ガス流により蒸発させ その後 トルエンで再溶解して GC/MS/MS で分析しました PCDD/F フラクションはトルエン 0 µl ノンオルト PCB フラクションはトルエン 40 µl モノオルト/ 指標 PCB フラクションはトルエン 50 µl で溶解しました サンプル前処理手順をまとめたフローチャートを図 に示します 分析には Agilent 7890 GC と Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムを使用しました 7890 シリーズ GC は 二酸化炭素冷却マルチモード注入口 (MMI) と HT-8 50 m 0. mm 0.5 µm キャピラリカラムを用いた構成としました モノオルト PCB 同族体の GC 条件を表 5 に ノンオルト PCB 同族体の GC 条件を表 6 に示します 両 PCB 同族体で共通する MS パラメータを表 7 に示します 7000 トリプル四重極 GC/MS の MS/MS-EI ( 電子イオン化 ) マルチプルリアクションモニタリング (MRM) モードで測定しました 種類のトランジション ( プリカーサイオンとプロダクトイオンの組み合わせ ) を用い 各分析対象物と相応する C 内部標準 (ISTD) も測定しました 表 5. モノオルトおよび dl-pcb 同族体の GC 条件 カラム HT-8 50 m 0. mm id 0.5 µm 注入 CO 冷却マルチモード注入口 (MMI) を用いた µl コールドスプリットレス注入口ライナ 4 mm id アンパック注入温度プログラム 00 C (0.0 min) 500 C/min で 00 C~00 C スプリットベントへの 50 ml/min で.0 min パージフローキャリアガスヘリウム コンスタントフロー. ml/min オーブンプログラム 80 C (.0 min) 0 C/min で 80 C~60 C (0 min) 4 C/min で 60 C~00 C (8 min) (Total run time = 50.0 min) MS トランスファーライン温度 80 C 表 6. ノンオルト PCB 同族体の GC 条件 / (7/) ASE C PCDD/F/PCB カラム HT-8 50 m 0. mm id 0.5 µm 注入 CO 冷却マルチモード注入口 (MMI) を用いた µl コールドスプリットレス 注入口ライナ 4 mm id ガラスウール入り 注入温度プログラム 00 C (0.0 min) 500 C/min で 00 C~00 C スプリットベントへの 50 ml/min で.0 min パージフロー キャリアガス ヘリウム コンスタントフロー. ml/min オーブンプログラム 0 C (.0 min hold) 40 C/min で 0 C~ 60 C (0 min) 7 C/min で 60 C~00 C (0 min) (Total run time =.0 min) MS トランスファーライン温度 80 C 表 7. すべての PCB 同族体の MS 設定 PCDD/F PCB PCB () PCDD/F (). PCB a. / (/) PCB/ndl-PCB b. PCB. PCDD/F 電子エネルギー 78 EV チューニング EI オートチューン EM ゲイン 00 MS 分解能 ユニット MS 分解能 ワイド 定量 / 定性トランジション 表 8/ 表 9 ドゥエルタイム 表 8/ 表 9 コリジョンエネルギー 表 8/ 表 9 コリジョンセルガス流量 窒素.5 ml/min ヘリウム.5 ml/min MS 温度 イオン源 80 C MS 50 C MS 50 C 図. サンプル抽出および精製手順のフローチャート 5
モノオルトおよび ndl-pcb 同族体とノンオルト PCB 同族体のリテンションタイム MRM 設定 ドゥエルタイムを表 8 と 9 にまとめます サンプルトレイを 5 C に冷却した Agilent 769A オートサンプラを使用しました 0-µL シリンジを用いて µl コールドスプリットレス注入を行いました 表 8. ネイティブモノオルトおよび ndl-pcb 同族体 (ndl-pcb 同族体を太字イタリックで表示 ) と C 標識内部標準の MS/MS 設定 セグメント開始 RT 定量 ドゥエル 定性 ドゥエル TS 時間 (min) 化合物 (min) プリカーサ プロダクト (ms) CE (V) プリカーサ プロダクト (ms) CE (V).0 C-PCB 8 4.4 68.0 98. 5 6 70.0 98. 5 6 PCB 8 4.5 56.0 86.0 75 6 58.0 86.0 75 6 C-PCB 5 5.66 0.0.0 5 8 04.0 4.0 5 8 PCB 5 5.67 89.9 0.0 75 8 9.9.0 75 8 9.0 C-PCB 0 0.5 5.9 66.0 5 8 7.9 68.0 5 8 PCB 0 0.6.9 5.9 75 8 5.9 55.9 75 8 C-PCB.55 5.9 66.0 5 8 7.9 68.0 5 8 PCB.56.9 5.9 75 8 5.9 55.9 75 8 C-PCB 8.76 5.9 66.0 5 8 7.9 68.0 5 8 PCB 8.77.9 5.9 75 8 5.9 55.9 75 8 C-PCB 4 4.00 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 C-PCB 4 4.9 5.9 66.0 5 8 7.9 68.0 5 8 PCB 4 4.0.9 5.9 75 8 5.9 55.9 75 8 C-PCB 5 4.50 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 5 4.5 59.8 89.9 75 8 57.8 87.9 75 8 C-PCB 05 5.5 5.9 66.0 5 8 7.9 68.0 5 8 PCB 05 5.6.9 5.9 75 8 5.9 55.9 75 8 C-PCB 8 5.88 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 8 5.89 59.8 89.9 75 8 57.8 87.9 75 8 C-PCB 67 7.64 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 67 7.65 59.8 89.9 75 8 57.8 87.9 75 8 8.5 C-PCB 56 8.78 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 56 8.79 59.8 89.9 75 8 57.8 87.9 75 8 C-PCB 57 9.06 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 57 9.07 59.8 89.9 75 8 57.8 87.9 75 8 C-PCB 80 9.7 407.8 7.9 5 0 405.8 5.9 5 0 PCB 80 9.8 9.8.9 75 0 95.8 5.9 75 0 C-PCB 89 4.4 407.8 7.9 5 0 405.8 5.9 5 0 PCB 89 4.44 9.8.9 75 0 95.8 5.9 75 0 表 9. ネイティブノンオルト PCB 同族体および C 内部標準の MS/MS 設定 セグメント開始 RT 定量 ドゥエル 定性 ドゥエル TS 時間 (min) 化合物 (min) プリカーサ プロダクト (ms) CE (V) プリカーサ プロダクト (ms) CE (V) 9.0 C-PCB 8 0.74 0.9.0 5 8 0.9 4.0 5 8 PCB 8 0.75 89.9 0.0 5 8 9.9.0 5 8 C-PCB 77. 0.9.0 5 8 0.9 4.0 5 8 PCB 77. 89.9 0.0 5 8 9.9.0 5 8.0 C-PCB 6.55 5.9 65.9 5 8 7.9 67.9 5 8 PCB 6.56.9 5.9 5 8 5.9 55.9 5 8 5.0 C-PCB 69 6.6 7.9 0.9 5 8 69.9 99.9 5 8 PCB 69 6.7 59.9 89.9 5 8 57.8 87.9 5 8 6
結果と考察クロマトグラフィ 分析時間 50 分のネイティブモノオルトおよび ndl-pcb 同族体のマルチプルリアクションモニタリング (MRM) クロマトグラムを図 4 に示します 分析時間 分のネイティブノンオルト PCB 同族体のマルチプルリアクションモニタリング (MRM) クロマトグラムを図 5 に示します 0.4 8 0.6 0. 0 6 4 5 0 4 0 8 4 05 0 4 5 8 67 56 57 0 4 80 89 4 5 6 7 8 9 0 4 5 6 7 8 9 40 4 4 4 44 45 vs. ( ) 図 4. ネイティブモノオルトおよび ndl-pcb 同族体の MRM クロマトグラム (ndl-pcb 同族体を太字イタリックで表示 ) 7
0 8 77 0 6 0.5 0 7 69 5 8 9 0 4 5 6 7 8 9 vs. ( ) 図 5. ネイティブノンオルト PCB 同族体の MRM クロマトグラム レスポンスの直線性 すべての PCB 同族体を C 標識内部標準 (ISTD) 較正により定量しました 表 0 および に示す濃度の較正用標準溶液を用いて 7 ポイントの ISTD 検量線を作成しました 表 0. ネイティブモノオルトおよび ndl-pcb 同族体と C-ISTD 較正用標準溶液の 濃度 モノオルト ネイティブ C C(PCB 80 5 8 PCB pg/µl pg/µl 4 = 回収 ) pg/µl M 0.05 5.00 50.0 M 0.5 5.00 50.0 M 0.50 5.00 50.0 M4.50 5.00 50.0 M5 5.00 5.00 50.0 M6 5.00 5.00 50.0 M7 50.00 5.00 50.0 表. ネイティブノンオルト PCB 同族体と C-ISTD 較正用標準溶液の濃度 ノンオルト PCB ネイティブ pg/µl C pg/µl C 0.0.50 C 0.5.50 C 0.50.50 C4.00.50 C5.50.50 C6 5.00.50 C7 0.00.50 すべての PCB 同族体について 濃度範囲全体にわたって良好な直線性が得られました PCB 6 および PCB 69 の検量線を図 6 および 7 に示します 8
BAL-6-7 7 7 7 0 QC y = 0.98785 * x - 0.055 R^ = 0.9990979 4 表. 濃度範囲 0.05 pg/µl~50 pg/µl におけるモノオルトおよび ndl-pcb 同族体と 濃度範囲 0. pg/µl~0 pg/µl におけるノンオルト PCB 同族体の 7 ポイント ISTD 検量線の直線相関係数 注入量 µl 0 0 4 図 6. 良好な直線性を示す PCB 6 の 7 ポイント ISTD 検量線 モノオルト PCB R ノンオルト PCB R PCB 8 0.9999 PCB 8 0.999 PCB 5 0.999 PCB 77 0.999 PCB 0 0.999 PCB 6 0.999 PCB 0.9997 PCB 69 0.9999 PCB 8 0.9994 PCB 4 0.9998 PCB 5 0.9997 PCB 05 0.9999 PCB 8 0.999 PCB 67 0.9988 PCB 56 0.9985 PCB 57 0.9987 PCB 80 0.9995 PCB 89 0.9990 BAL-69-7 7 7 7 0 QC 4 y = 0.9485 * x - 0.00670 R^ = 0.999955 サンプル分析 0 0 4 図 7. 良好な直線性を示す PCB 69 の 7 ポイント ISTD 検量線すべての PCB 同族体の検量線の直線相関係数を表 に示します すべての化合物で 0.998 を超える直線相関係数が得られました 4 種類の食品および動物飼料サンプル 80 点 ( 動物飼料 (n = 45) 牛乳 (n = ) 食肉 (n = 9) 肝臓 (n = 5) ) を抽出し GC- 高分解能質量分析計 (GC-HRMS) で分析しました 分解能は R = 0,000 です その後 同じサンプルバイアルを Agilent 7000 トリプル四重極 GC /MS で再分析しました 図 8 では GC-HRMS と GC/MS/MS の結果の差 (%) をもとに つの測定手法の分析結果 ( 総 TEQ-dl-PCB 上限値) を比較しています 食品および動物飼料サンプルに pg TEQ/g 以上のレベルで含まれる 種類の dl-pcb 同族体の総和については GC-HRMS および GC/MS/MS で得られた結果の差は ± 0 % の範囲内でした 総 dl-pcb 量が. TEQ pg/g 未満となった 68 種類の食品および動物飼料に関する比較結果を 図 9 に示します 食品および動物飼料サンプルに 0.~ pg TEQ/g のレベルで含まれる 種類の dl-pcb 同族体の総和については GC-HRMS および GC/MS/MS で得られた結果の差は ± 5 % の範囲内でした 総 dl-pcb 濃度が 0. TEQ pg/g を下回る動物飼料サンプルのみ 分析結果の差が 5 % を超えました 9
図 8. 80 種類の食品および動物飼料サンプルに含まれる 種類の dl-pcb 同族体 (TEQ WHO98 上限値 ) の総量について GC-HRMS および GC/MS/MS により得られた分析結果の比較 図 9. GC-HRMS および GC/MS/MS により分析された 68 種類の食品および動物飼料サンプルのうち. pg TEQ/g 未満の結果が得られたものにおける 種類の dl-pcb 同族体 (TEQ WHO98 上限値 ) の総量の比較 0
図 0 では GC-HRMS と GC/MS/MS の結果の差 (%) をもとに つの測定手法のサンプル分析結果 ( 総 ndl-pcb 同族体 上限値 ) を比較しています 食品および動物飼料サンプルに 0.5~0 ng/g のレベルで含まれる 6 種類の ndl-pcb 同族体の総和については GC-HRMS および GC/MS/MS で得られた結果の差は ± 0 % の範囲内でした 総 ndl-pcb 濃度が 0.5 ng/g を下回る一部の動物飼料サンプルでは 分析結果の差が + 0 % を超えました 結論 GC-HRMS および GC/MS/MS による食品および動物飼料サンプルの分析結果の比較では Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムが 食品および動物飼料に含まれる dl-pcb 同族体のルーチンスクリーニングに適していることが示されました このメソッドは EU 規則の要件を満たしています また Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムでは 食品および動物飼料サンプルに ng/g レベル以下で含まれる総 ndl- PCB 濃度を測定できることも実証されました 分析結果は GC- HRMS 分析で得られた結果と良好に一致していました Agilent 7000 トリプル四重極 GC/MS システムは 食品および動物飼料サンプルに低 pg TEQ/g レベルで含まれる dl-pcb 同族体について 直線性と再現性 感度の優れた検出を可能にします 図 0. GC-HRMS および GC/MS/MS により分析した 67 種類の食品および動物飼料サンプルのうち 0 ng/g 未満の結果が得られたものにおける ndl-pcb 同族体 ( 上限値 ) の総量の比較
参考文献. EPA Method 668, Revision A: Chlorinated Biphenyl Congeners in Water, Soil, Sediment and Tissue by HRGC/HRMS.. Commission Regulation (EC) No 88/006 of December 9, 006, Laying down methods of sampling and analysis for the official control of levels of dioxins and dioxin-like PCBs in certain foodstuffs.. C Sandy, Determination of Polychlorinated Dibenzop-dioxins (PCDD) and Polychlorinated Dibenzofurans (PCDF) in Foodstuffs and Animal feed using the Agilent 7000 Triple Quadrupole GC/MS System, Agilent Technologies publication 5990-6594EN (00). 4. Commission Regulation (EC) No 88/006 of December 9, 006 Setting maximum levels for certain contaminants in foodstuffs. 5. Commission Regulation (EC) No 5/009 Annex V letter B of January 7, 009 Laying down the methods of sampling and analysis for the official control of feed. 6. Directive 00//EC of the European Parliament and of the Council of 7 May 00, on undesirable substances in animal feed. 詳細 アジレント製品とサービスの詳細については アジレントのウェブサイト www.agilent.com/chem/jp をご覧ください www.agilent.com/chem/jp アジレントは 本文書に誤りが発見された場合 また 本文書の使用により付随的または間接的に生じる損害について一切免責とさせていただきます 本文書に記載の情報 説明 製品仕様等は予告なしに変更されることがあります 著作権法で許されている場合を除き 書面による事前の許可なく 本文書を複製 翻案 翻訳することは禁じられています アジレント テクノロジー株式会社 Agilent Technologies, Inc., 0 Printed in Japan March 8, 0 5990-6950JAJP