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A B V1 Ⅱ Ⅲ 45 V1 Ⅱ V3 Ⅲ V3 avr V4 avr avl avl V4 V5 V5 V6 V6 図 1 体表面12誘導心電図 A 発作時 心拍数220bpm 右軸偏位のregularなwide QRS頻拍を認めた B 非発作時 ベラパミル投与後 洞調律に服した 心拍数112

歴史

背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法

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ストラクチャークラブ ジャパン COI 開示 発表者名 : 高木祐介 演題発表に関連し, 開示すべき COI 関係にある 企業などはありません.

Transcription:

7. ファロー四徴症の心内修復術 松尾浩三 千葉県循環器病センター心臓血管外科 はじめにファロー四徴症は先天性心疾患の約 5-10% に見られ チアノーゼ心疾患では最も多い疾患である 漏斗部中隔 (infundibular septum: IS) が前方および右方偏位しているため流入部心室中隔と不整合 (malalign) となり その下方に心室中隔欠損 VSD を生じる IS の前方への偏位のため大動脈の一部が右室から起始し ( 大動脈騎乗 ) 対側の右室流出路は狭くなる 肺動脈弁は二尖弁や fish-mouth 様の狭窄を示すことが多い ( 肺動脈弁狭窄 ) この結果右室圧が上昇し二次的な右室肥大をおこしている しばしば肺動脈低形成を伴うため Blalock-Taussig 短絡などの姑息的手術を先行させることが必要なこともある 心内修復として右室切開法や主肺動脈 右室流出路切開法 (transannular patch 法 ) などの心内修復術が施行されてきたが最近では右室切開を回避し肺動脈弁輪を温存する経右房 経肺動脈修復法 (transatrial-transpulmonary repair: TA/TP repair) 1) も多く行われている また肺動脈と右室の連続性のない いわゆる極型 TOF では心外導管を用いた Rastelli 型手術が必要となることもある 本邦の手術成績は良好であり長期遠隔期続発症や不整脈発生率も諸外国のそれらに比して優れている 2) 右室内構造の名称は Anderson らの定義が多く用いられており 3) 本稿でもこれに従っている ( 図 1 2) 姑息的手術ファロー四徴症では右室流出路狭窄や肺動脈弁狭窄のため肺動脈血流が低下しており 肺動脈が低形成である場合が多い 肺血流を動脈管に依存している新生児例では PGE1 を投与し動脈管を開存させる また肺左心室も狭小であることもしばしば認められる このような一期的心内修復が困難な症例では肺血流を確保し肺動脈を発育させるために体 肺短絡手術を必要とする 歴史的には Waterstone 手術や Potts-Smith 手術があるが現在では人工血管を用いて鎖骨下動脈と肺動脈にバイパスを作成する Blalock-Taussig(BT) 手術変法が主流である 肺動脈が非常に低形成の場合に姑息的右室流出路形成を施行することもある ( 図 3) 3) 心内修復術主肺動脈 右室流出路切開法 (transannular patch 法 ) 主肺動脈から肺動脈弁輪を超えて右室流出路を切開する 流出路の切開長は右室機能を保つために右室長の 30% 以内に留める この右室切開線から右室流出路の肥厚筋束を十分に切除し その後心室中隔欠損をパッチ閉鎖する 最後に一弁付き / 弁なしパッチを用いて肺動脈弁輪 流出路全体を拡大する ( 図 4) 術後遠隔期に肺動脈弁閉鎖不全が進行し右室の拡大や収縮低下をきたす症例があり 心室性不整脈の合併や突然死との関連が深いとされている 4) このような症例では肺動脈弁置換術が施行されている 121

ファロー四徴症修復では流入部心室中隔と漏斗部中隔は malalign しているので内側 ( 心室 漏斗部皺壁 VIF) で心室中隔パッチのリークがおきやすい また右室切開 筋束切除 VSD パッ チ閉鎖時の刺激伝導系の損傷などにより不完全 / 完全右脚ブロックを伴いやすい 右室切開法肺動脈弁輪径が正常値に近い症例では肺動脈切開から肺動脈弁形成 ( 交連切開術 ) を行い 右室流出路切開から transannular 法と同様に肥厚筋束切除と VSD パッチ閉鎖を行って肺動脈弁輪を温存する 右室切開部はパッチを用いて拡大する 経右房 経肺動脈修復法 (TA/TP repair 法 ) 最近では肺動脈弁輪を温存し さらに右室機能を温存する手術法として TA/TP 法を可能な限り施行する 主肺動脈の縦切開創からまず肺動脈弁を確認し交連切開を行い肺動脈弁直下の肥厚筋束を切除する ( 図 5) また右房 三尖弁経由で右室流出路の肥厚筋束を十分に切除する VSD も三尖弁経由でパッチ閉鎖する TA/TP 法では術後肺動脈狭窄を残しやすいため適応を検討する必要がある Yasui らは術前血管造影より肺動脈弁口面積 PVA を計算し弁輪の伸展が保たれている症例では PVA 1.4~1.8 cm2/m2 以上あれば温存可能であるとし 80% の症例で TA/TP repair が施行し得たと報告している 5) Boni らは Z-zcore が-4 以上を適応症例とし術中に-3 以上になることを指標にしている 6) 右室流出路の拡張が十分かどうかの判断を Karl TR ら 7) や Sfyridis PG ら 8) は Rowllat9) の平均正常値 Boni らは Z-score の-3 以上を指標としている これらの数値を下回れば肺動脈弁輪切開を追加し Transannular 法に変更する また Boni らは人工心肺離脱後 RVp/LVp 比が 0.75 未満であれば拡張は十分と判断し 0.75 以上であれば再度人工心肺使用下に右室流出路筋束の再切除を行っている 4) 肺動脈弁閉鎖不全に対する遠隔期再手術 Transannular 法では肺動脈弁閉鎖不全が遺残し経年的に進行する このため長期遠隔期に右室機能が低下し 肺動脈弁置換を必要とする症例が出現する 方法 TA/TP 法においても遺残狭窄による再手術率は 8-14 年の経過中 1.1% 4%5),6) と低いが 9.4% に肺動脈弁閉鎖不全が進行し肺動脈弁置換が必要であったと報告されている 8) 自験例でも心内修復後長期遠隔期に再手術が必要となった 27 症例中 14 例に PVR を施行したがそのうち 9 例 (64%) は交連切開のみで弁輪が温存されていた 肺動脈弁閉鎖不全 (PR) の原因は交連切開部と見られる部位に弁組織が欠損しており 成長に伴って交連部が開大したか 弁尖が萎縮したものと考えられた このように TA/TP 法においても遠隔期に一定の割合で PR が進行する症例も出現すると予測されるが可及的に右室切開を避けることは心機能の温存や心室起源の不整脈発生を防止するのに寄与すると考えられる 1),4) 122

参考文献 1) Hudspeth AS, Cordell AR, Johnston FR. Transatrial approach to total correction of tetralogy of Fallot. Circulation. 1963;27:796-800. 2) Nakazawa M, Shinohara T, Sasaki A, Echigo S, Kado H, Niwa K, et al. Arrhythmias late after repair of tetralogy of fallot: a Japanese Multicenter Study. Circ J.2004;68(2):126-30. 3) Anderson RH, Allwork SP, Ho SY, Lenox CC, Zuberbuhler JR. Surgical anatomy of tetralogy of Fallot. J Thorac Cardiovasc Surg. 1981;81(6):887-96. 4) Gatzoulis MA, Balaji S, Webber SA, Siu SC, Hokanson JS, Poile C, et al. Risk factors for arrhythmia and sudden cardiac death late after repair of tetralogy of Fallot: a multicentre study. Lancet. 2000;356(9234):975-81. 5) 麻生英俊. Fallot 四徴症. 安井久喬監修 先天性心疾患手術書第一版. 株式会社メジカルビュー社 2003. P150-157 6) Boni L, Garcia E, Galletti L, Perez A, Herrera D, Ramos V, et al. Current strategies in tetralogy of Fallot repair: pulmonary valve sparing and evolution of right ventricle/left ventricle pressures ratio. Eur J Cardiothorac Surg. 2009;35(5):885-9; discussion 9-90. 7) Karl TR, Sano S, Pornviliwan S, Mee RB. Tetralogy of Fallot: favorable outcome of nonneonatal transatrial, transpulmonary repair. The Annals of thoracic surgery. 1992;54(5):903-7. 8) Sfyridis PG,Kirvassilis GV, Papagiannis JK, Avramidis DP, Ieromonachos CG, Zavaropoulos PN,etal.Preservation of right ventricular structure and function following transatrial-transpulmonary repair of tetralogy of Fallot. Eur J Cardiothorac Surg. 2012. 9) Rowllatt JF, Rimoldi HJA, Lev M. The quantitative anatomy of the normal child's heart. Pediatr Clin North Am. 1963;10:499-588. 10) Gatzoulis MA, Balaji S, Webber SA, Siu SC, Hokanson JS, Poile C, et al. Risk factors for arrhythmia and sudden cardiac death late after repair of tetralogy of Fallot: a multicentre study. Lancet. 2000;356(9234):975-81. 123

図表 肺動脈弁 漏斗部中隔 (IS) 心室中隔欠損 中隔縁柱 (TSM) 図 1 TSM: trabecular septomarginalis IS: infundibular septum MPM: medial papillary muscle MF: membranous flap 漏斗部中隔 (IS) 中隔壁柱 中隔縁柱前脚 中隔縁柱 (TSM) 膜性翼片 (MF) 図 2 右室断面 ( 右室流出路展開 ) 内側乳頭筋 (MPM) 124

人工血管使う BT 短絡 ( 変法 ) 図 3 ファロー四徴症の姑息手術 鎖骨下動脈を折り曲 げる BT 短絡 ( 原法 ) 姑息的右室流出路形成 図 4 Transannular patch 法 1 才女児左 PS 合併例 肥厚した IS を一部切除 VSD 閉鎖後一弁付きパッチで 流出路再建 図 5 TA/TP 法の肺動脈弁 11 ヶ月男児 二尖肺動脈弁 交連部を弁輪に少し入るくらいまで切開する 本症例では 12mmHegar が挿入可能になった 125