原 著 真性赤血球増加症および本態性血小板血症における スクリーニング検査と JAK2-V617F 変異予測 についての検討 河野 浩善 1) 沖川 佳子 2) 三好 夏季 1) 野田 昌昭 2) 竹野由美子 1) 兼丸 恵子 1) 山本 真代 1) 飯伏 義弘 1) 1) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院臨床検査部 73-8518 2) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院血液内科 要 広島県広島市中区基町 7-33 旨 近年 真性赤血球増加症 の約 98%で JAK2-V617F または JAK2 exon 12 変異を認め 本態性血小板血症 ET の 約 8%で JAK2-V617F MPL CALR 変異のいずれかを認めることが報告されている 今や骨髄増殖性腫瘍において遺伝 子変異の解析は診断上必須であるにもかかわらず 限られた施設でしか検査できないのが現状である 我々は ET および各反応性血球増加症における末梢血液検査データについて後方視的解析を行い スクリーニングへの応用や JAK2V617F 変異の予測について検討した その結果 IPF count は および ET 症例群で有意に高値を示し は および ET の中でも JAK2 陽性症例群において有意に高値を示すことが分かった さらに JAK2-V617F 変異予測における ROC 解析の結果 IPF count および は AUC が.9 以上と予測能が高かった 我々は IPF count のカットオフ値を 1,/μL 真陽性率 1% 偽陽性率 16.7% を 25 真陽性率 85.7% 偽陽性率 25.% に設定し 症例を IPF count 1,/μL 未満 25 未満の A 群 IPF count 1,/μL 未満 25 以上の B 群 IPF count 1,/μL 以上 25 未満の C 群 IPF count 1,/μL 以上 25 以上の D 群に分類した A B 群に は各反応性血球増加症が 91.7%と高率に含まれ D 群は JAK2 変異陽性率が 94.7%と高かった このように ET にお いて IPF count および は 反応性血球増加症例との鑑別に有用であり 迅速かつ簡便に JAK2-V617F 変異を予測 できる可能性が示唆された キーワード 真性赤血球増加症 本態性血小板血症 JAK2-V617F 変異 好中球アルカリホスファターゼスコア 幼若血小板比率 きた I はじめに 現在 の約 95% ET の約 6%で JAK2-V617F 変異が認められることから WHO 分類第 4 版 9 ) で 真性赤血球増加症 polycythemia vera; および は JAK2-V617F 変異あるいはクローン性を示す他 本態性血小板血症 essential thrombocythemia; ET に のマーカーの証明が および ET の診断根拠として おいて 25 年の Janus kinase 2 (JAK2)-V617F 変 採用されている また ET 症例においては JAK2- 異 V617F 変異群と CALR 変異群で その臨床像が大き 1 ), 2 ) の発見以降 Myeloproliferative leukemia virus そ く異なることも報告されており 7), 1), 11) 診断だけで して 213 年の calreticulin CALR 変異 7), 8)と JAK- なく治療方針の決定においても遺伝子検査の重要性 STAT シグナル伝達系を直接または間接的に活性化 が増している oncogene MPL 変異 3 ), 4 ) JAK2 exon 12 変異 5 ), 6 ) するドライバー変異の存在が次々と明らかになって 一方 遺伝子検査を自施設で行える医療機関は限 平成 28 年 5 月 3 日受付 平成 28 年 8 月 29 日受理 612 河野 他 真性赤血球増加症および本態性血小板血症におけるスクリーニング検査と JAK2-V617F 変異予測についての検討
られており 外部委託検査による結果報告までに 4 遺伝子変異解析 1 ヶ月近くを要することも珍しくない さらに 216 外注検査 株式会社 SRL にて JAK2-V617F 変異 年 3 月現在 JAK2-V617F 変異検査は保険収載され 解析を行い ET が否定できない陰性例に関し ておらず MPL 変異 JAK2 exon 12 変異 CALR 変 て さらに川崎医科大学検査診断学 病態解析 研 異においては外注検査でも検査対応していないのが 究室にて JAK2 遺伝子 exon 12/14 領域と CALR 遺伝 現状である 子 exon 9 領域を解析した そこで 我々は ET および各反応性血球増 5 統計解析 加症における末梢血液検査データについて後方視的 各群間比較については Mann-Whitney U 検定を用 解析を行い スクリーニングへの応用や JAK2-V617F いて 危険率 p <.5 を統計学的有意差ありと判断 変異の予測について検討したので報告する した さらに 有意差を認めた共通項目に対し ROC 解析を用いてカットオフ値を設定することで II 対象および方法 1 対象 JAK2-V617F 変異の予測が可能か検討した III 結 果 28 年 11 月から 216 年 3 月の間に 当院で骨髄 増殖性腫瘍 myeloproliferative neoplasms; MPN を 疑われ JAK2-V617F 変異解析の依頼があった 53 例 1 症例群と反応性赤血球増加症例群の比較 Table 1 を対象とした 対象症例の内訳は 8 例 平均年 症例群と反応性赤血球増加症例群の各検査項 齢 7.4 歳 男性 2 例 女性 6 例 JAK2-V617F 変異 目の中央値比較では 2 項目中 12 項目 WBC, 全例陽性 ET 19 例は JAK2-V617F 変異の有無で群 NEUT, RBC, MCV, MCH, MCHC, RDW-SD, RET 別し ET-JAK2 (+) 15 例 平均年齢 64.8 歳 男性 8 count, PLT, IPF count,, NAP rate で有意差 例 女性 7 例 ET-JAK2 ( ) 4 例 平均年齢 64.5 歳 を認めた 反応性赤血球増加症例群が赤血球系のみ 男性 3 例 女性 1 例 反応性赤血球増加症 17 例 平 の増加だったのに対し 症例群は 3 血球系統共 均年齢 58.6 歳 男性 14 例 女性 3 例 反応性血小 に増加していた 板増加症 9 例 平均年齢 57.6 歳 男性 5 例 女性 4 2 ET 症例群と反応性血小板増加症例群の比較 例 だった 尚 本研究は広島市民病院倫理審査委 員会の承認を得て行った Table 2 ET-JAK2 (+)群 ET-JAK2 ( )群および反応性血小板 2 方法 増加症例群で各検査項目の中央値を比較した ET- 1 末梢血液検査 CBC JAK2 (+)群と反応性血小板増加症例群では 19 項目 EDTA-2K 加 末 梢 血 を 用 い 幼 若 血 小 板 比 率 中 9 項目 RBC, Hb, Ht, P-LCR, M, PDW, IPF%, IPF immature platelet fraction; IPF が測定可能な XE IPF count, ET-JAK2 ( )群と反応性血小板増 master 搭 載 の 多 項 目 自 動 血 球 分 析 装 置 XE-21 加症例群では 19 項目中 6 項目 RBC, Hb, Ht, P-LCR, Sysmex 株式会社 にて測定した 2 好中球アルカリホスファターゼ NAP 染色 採血直後の末梢血を用いて塗抹標本を作製後 好 M, IPF count ET-JAK2 (+)群と ET-JAK2 ( )群で は 19 項目中 4 項目 WBC, NEUT, P-LCR, NAP score で有意差を認めた ET-JAK2 (+)群は PLT の 中球アルカリホスファターゼ染色試薬 ALP 染色キッ 著増と大小不同を示唆する検査所見 P-LCR M ト 武藤化学株式会社 にて染色し 好中球 1 個 PDW の上昇 および WBC の増加が特徴的だった の陽性指数 と陽性率 NAP rate を朝 ET-JAK2 ( )群も ほぼ同様の傾向であったが WBC 長法にて算定した の増加は認められなかった 一方 反応性血小板増 3 血清エリスロポエチン erythropoietin EPO 加症例群は PLT の増加に加えて基礎疾患による貧 外注検査 株式会社 SRL CLEIA 法 にて測定し た 医学検査 Vol.65 No.6 216 血を伴い P-LCR M PDW の上昇は認められな かった 613
Table 1 症例群と反応性赤血球増加症例群の検査値比較 ① 8例 ②反応性赤血球増加症 17 例 p値 ① vs ② WBC /μl NEUT /μl RBC 14/μL Hb g/dl Ht % MCV fl MCH pg MCHC g/dl RDW-SD fl RET % RET count 14/μL PLT 14/μL 11,625 8,949 63 17.7 54.2 87.3 28.6 32.7 5.6 1.6 9.4 47.2 6,453 4,481 589 19. 55.6 94.3 32.2 34.1 46.9 1.2 7. 18.4.23.17.93.23.6.3.29.152.41.3 P-LCR % M fl PDW fl IPF % IPF count /μl NAP rate % EPO miu/ml 29.8 1.5 13.2 5.1 18,962 373 92.4 6.5 26.9 1.2 12.3 3.4 5,485 196 77.5 9.7.28.324.253.91.3.426 Table 2 ET 症例群と反応性血小板増加症例群の検査値比較 WBC /μl NEUT /μl RBC 14/μL Hb g/dl Ht % MCV fl MCH pg MCHC g/dl RDW-SD fl RET % RET count 14/μL PLT 14/μL P-LCR % M fl PDW fl IPF % IPF count /μl NAP rate % ③ET-JAK2 (+) 15 例 ④ET-JAK2 ( ) 4例 ⑤反応性血小板増加症 9例 1,647 7,582 498 14. 43. 88.7 28.7 32.4 53.3 1.5 7.1 8.6 24.9 9.9 11.8 3.2 25,962 29 N = 13 88.1 N = 13 6,3 4,392 448 13.9 41.3 92.3 31.1 33.6 47.3 1.3 5.5 78.4 18.6 9.2 1.3 2.2 18,489 169 67. 9,89 6,648 368 1.4 32.3 87.5 28.2 32.3 48.6 1.6 5.8 67.3 12.9 8.4 8.9 1.1 6,954 216 N = 7 8.1 N = 7 3 共通項目の比較 Figure 1 3 p値 ③ vs ⑤ ④ vs ⑤ ③ vs ④.17.144.6.9.8.34.655.189.438 1..11.79.19.74.216.643.31.31.25.643.164.12.799.698.877.217.17.29.74.88.45.345.296.36.28.162.548.317.23.177.133.424.363.99.764.45.71.64.192.368.24.7 における各群間比較を行った 症例群と反応性赤血球増加症例群 ET-JAK2 RBC では 症例群が最も高値 続いて反応性 (+)群と反応性血小板増加症例群の比較より 共通し 赤血球増加症例群が他の 3 群より有意に高値とな て有意差が認められた項目は RBC IPF count NAP り 反応性血小板増加症例群が最も低値だった ま score の 3 項目であった そこで新たに この 3 項目 た ET-JAK2 (+)群と ET-JAK2 ( )群は基準範囲内で 614 河野 他 真性赤血球増加症および本態性血小板血症におけるスクリーニング検査と JAK2-V617F 変異予測についての検討
vs ET-JAK2 p =.9 vs p =.42 vs 反応性赤血球増加症 p =.23 vs 反応性血小板増加症 p =.3 ET-JAK2 vs 反応性赤血球増加症 p =.6 vs 反応性血小板増加症 p =.6 vs 反応性赤血球増加症 p =.2 vs 反応性血小板増加症 p =.31 反応性赤血球増加症 vs 反応性血小板増加症 p <.1 8 7 RBC 14/μL 6 5 4 3 2 1 ET-JAK2 反応性赤血球増加症 反応性血小板増加症 Figure 1 RBC における各症例群での比較 vs 反応性赤血球増加症 vs 反応性血小板増加症 ET-JAK2 vs 反応性赤血球増加症 vs 反応性血小板増加症 vs 反応性赤血球増加症 vs 反応性血小板増加症 8, 7, IPF count /μl 6, 5, p <.1 p =.2 p <.1 p <.1 p =.9 p =.45 4, 3, 2, 1, ET-JAK2 反応性赤血球増加症 反応性血小板増加症 Figure 2 IPF count における各症例群での比較 両群に有意差は認められなかった IPF count では 症例群 ET-JAK2 (+)群および ET-JAK2 ( )群の間には有意差は認められなかった が 上記 3 群は反応性赤血球増加症例群および反応 性血小板増加症例群よりも有意に高値だった び反応性血小板増加症例群の間には有意差は認めら れなかった 4 JAK2-V617F 変 異 予 測 に お け る ROC 解 析 Figure 4 RBC IPF count を用いて JAK2-V617F では 症例群が最も高値で 続いて 変異 陽性 23 例 陰性 3 例 の予測における ROC ET-JAK2 (+)群が他の 3 群より有意に高値であった 解析を行ったところ ROC 曲線下面積 area under また ET-JAK2 ( )群 反応性赤血球増加症例群およ the curve; AUC は RBC が.61 IPF count が 医学検査 Vol.65 No.6 216 615
vs ET-JAK2 p =.8 vs p =.7 vs 反応性赤血球増加症 p <.1 vs 反応性血小板増加症 p =.3 ET-JAK2 vs p =.24 vs 反応性赤血球増加症 p <.1 vs 反応性血小板増加症 p =.19 5 45 4 35 3 25 2 15 1 5 Figure 3 ET-JAK2 反応性赤血球増加症 反応性血小板増加症 における各症例群での比較 て IPF count 1,/μL 未満 25 未満を ROC曲線 A 群 IPF count 1,/μL 未満 25 以上 1 を B 群 IPF count 1,/μL 以上 25 未 満を C 群 IPF count 1,/μL 以上 25.8 以上を D 群とした A 群には 反応性赤血球増加症 が 13 例と最も多く その他に反応性血小板増加症 4.6 TPF 例と ET-JAK2 ( ) 2 例が分布していた B 群には 5 例 しか分布せず 全て反応性症例だった C 群は ET-.4.2 IPF count AUC.936.912 RBC.61 JAK2 (+) 3 例 ET-JAK2 ( ) 2 例および反応性血小板 増加症 1 例が含まれていた D 群には の全例 ET-JAK2 (+) 1 例および反応性血小板増加症 1 例が.2.4.6.8 1 FPF 分布していた IV 考 察 Figure 4 JAK2-V617F 変異予測に対する ROC 曲線 TPF: true positive fraction 真陽性率 FPF: false positive fraction 偽陽性率 1 特異度 AUC: Area under the curve 曲線下面積 近年 日本人においても 患者の約 98%で JAK2-V617F または JAK2 exon 12 変異を認め ET 患 者の約 8%で JAK2-V617F MPL CALR 変異のいず.936 が.912 だった さらに AUC が れかを認めることが報告されている 12), 13) 今や MPN.9 以上と予測能が高かった IPF count および NAP において遺伝子変異の解析は診断上必須であるにも score に対して各々カットオフ値を 1,/μL 真陽 かかわらず 限られた施設でしか検査できないのが 性 率 1% 偽 陽 性 率 16.7% 25 真 陽 性 率 現状である しかし 今回の検討で IPF count と 85.7% 偽陽性率 25.% に設定した を検査することで ET および各反応 5 IPF count と に よ る 各 症 例 の 分 布 性血球増加症との鑑別や JAK2-V617F 変異の予測に Figure 5 応用可能であることが示唆された IPF count と を用いて 各症例の分布図 IPF は フローサイトメトリー法による網血小板 を作製し ROC 解析で求めたカットオフ値を用い と比較的良く相関し 特発性血小板減少性紫斑病 616 河野 他 真性赤血球増加症および本態性血小板血症におけるスクリーニング検査と JAK2-V617F 変異予測についての検討
ET-JAK2 反応性赤血球増加症 反応性血小板増加症 45, C D A B 4, IPF count /μl 35, 3, 25, 2, 15, 1, 5, 1 2 25 3 4 5 Figure 5 IPF count と による各症例の分布 A 群 IPF count 1,/μL 未満 25 未満 B 群 IPF count 1,/μL 未満 25 以上 C 群 IPF count 1,/μL 以上 25 未満 D 群 IPF count 1,/μL 以上 25 以上 idiopathic thrombocytopenic purpura; ITP や再生不良 法 2)に準拠し 末梢血標本による血小板形態の確認 性貧血 肝硬変などの血小板減少性疾患の鑑別 14), 15) を行った その結果 大型もしくは巨大血小板が 化学療法や造血幹細胞移植後の血小板数回復の予 症例群で 5 例 62.5% ET-JAK2 (+)群で 11 例 約 測 など 骨髄の血小板産生能を反映する検査と 73.3% ET-JAK2 ( )群で 2 例 5% と高頻度で認 して広く利用されている 一方 ET において められたのに対し 反応性赤血球増加症例群では 2 も JAK2-V617F 変異陽性例や血栓症合併例で IPF% 例 約 11.8% 反応性血小板増加症例群では 1 例 16 ), 17 ) が高いことが報告され 注目されている 18 ), 19 ) 約 11.1% のみだった IPF の解析は 核酸染色に 今回の検討でも IPF count は および ET 症例 よる蛍光強度が強く やや大型の血小板分画をゲー 群で有意に高値を示し 各反応性血球増加症例群と ティングしているため および ET では骨髄での の鑑別に有用と考えられた Figure 2 ただし そ 血小板産生能の亢進による網血小板の存在だけでな の要因は 症例群と ET 症例群でやや異なるもので く 成熟血小板の形態異常も数値に反映されている あった 症例群と反応性赤血球増加症例群では 可能性が高いと考えられる 21) IPF%に有意差は認められず PLT に依存して IPF また NAP は好中球の二次顆粒内に含有されるリ count に差が生じたと考えられる Table 1 それに ソソーム酵素の一種であり その NAP 遺伝子の発現 対して ET-JAK2 (+)群 ET-JAK2 ( )群および反応性 調節は G-CSF が JAK-STAT シグナル伝達系を介して 血小板増加症例群では PLT には有意差がなく 行っている そのため JAK2-V617F 変異による JAK- IPF%の差が IPF count に直接反映されていた Table STAT シグナル伝達系の恒常的活性化は 2 も上昇させると考えられている 22) 今回の検討でも さらに ET における IPF%の差の原因につい は JAK2-V617F 変異陽性である 症例 て解析するため 日本臨床衛生検査技師会血液形態 群および ET-JAK2 (+)群において有意に高値を示した ワーキンググループの血液形態検査に関する勧告 Figure 3 奥野ら 23)も ET 58 症例において JAK2- 医学検査 Vol.65 No.6 216 617
V617F 変異陽性群の方が陰性群よりも が 有意に高値だったことを報告している そのうえ 今回 JAK2-V617F 変異陽性例の中でも ET-JAK2 (+) 群より 症例群の方が が有意に高値を 示したが これは JAK2 変異アリル比率の差が原因 と推察される なぜなら の方が ET より JAK2 変異アリル比率が高値であることが知られている が 12) その JAK2 変異アリル比率は と強い 正の相関関係が認められているからである 23) 今回 我々が設定した JAK2-V617F 変異の予測の ためのカットオフ値 IPF count 1,/μL, 25 を用いて 症例を 4 群に分類することで ET および各反応性血球増加症のスクリーニングが可 能であった Figure 4, 5 A B 群には各反応性血 球増加症が 91.7%と高率に含まれ JAK2 変異陽性の および ET 症例は 1 例も分布していなかった 逆 に D 群の症例は JAK2 変異陽性率が 94.7%と高く の全症例と ET-JAK2 (+)群の 1/13 例 76.9% が 分布していた また ET-JAK2 ( )群は A 群と C 群 に分布しており CALR 変異陽性 1 例は A 群に JAK2 exon 12/14 変異および CALR 変異が否定さ れ MPL 変異もしくは triple negative と考えられる症 例が C 群に 2 例 A 群と C 群の境界に 1 例分布して い た 今 後 CALR 変 異 MPL 変 異 お よ び triple negative の症例数も増やし検討を行う必要があるが 遺伝子変異の違いによって分布する群が異なる可能 性が示唆された V まとめ ET における IPF count および は 反応性血球増加症例との鑑別に有用であり 迅速か つ簡便に JAK2-V617F 変異を予測できるマーカーと なる可能性がある 謝辞 遺伝子変異解析にご協力頂きました川崎医科大学血液内科 近 藤敏範先生ならびに検査診断学 病態解析 研究室のスタッフの 皆様に深謝致します 文献 1) Kralovics R et al.: A gain-of-function mutation of JAK2 in myeloproliferative disorders, N Engl J Med, 25; 352: 1779 179. 618 2) Levine RL et al.: Activating mutation in the tyrosine kinase JAK2 in polycythemia vera, essential thrombocythemia, and myeloid metaplasia with myelofibrosis, Cancer Cell, 25; 7: 387 397. 3) Pikman Y et al.: MPLW515L is a novel somatic activating mutation in myelofibrosis with myeloid metaplasia, PLoS Med, 26; 3: e27. 4) Pardanani AD et al.: MPL515 mutations in myeloproliferative and other myeloid disorders: A study of 1182 patients, Blood, 26; 18: 3472 3476. 5) Scott LM et al.: JAK2 exon 12 mutations in polycythemia vera and idiopathic erythrocytosis, N Engl J Med, 27; 356: 459 468. 6) Pietra D et al.: Somatic mutations of JAK2 exon 12 in patients with JAK2 (V617F)-negative myeloproliferative disorders, Blood, 28; 111: 1686 1689. 7) Klampfl T et al.: Somatic mutaions of calreticulin in myeloproliferative neoplasms, N Engl J Med, 213; 369: 2379 239. 8) Nangalia J et al.: Somatic CALR mutaions in myeloproliferative neoplasms with nonmutated JAK2, N Engl J Med, 213; 369: 2391 245. 9) Swerdlow SH et al.: WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, Fourth Edition, IARC Press, Lyon, 28. 1) Rumi E et al.: JAK2 or CALR mutation status defines subtypes of essential thrombocythemia with substantially different clinical course and outcomes, Blood, 214; 123: 1544 1551. 11) Rotunno G et al.: Impact of calreticulin mutations on clinical and hematological phenotype and outcome in essential thrombocythemia, Blood, 214; 123: 1552 1555. 12) Edahiro Y et al.: JAK2V617F mutation status and allele burden in classical Ph-negative myeloproliferative neoplasms in Japan, Int J Hematol, 214; 99: 625 634. 13) Shirane S et al.: JAK2, CALR and MPL mutation spectrum in Japanese patients with myeloproriferative neoplasms, Haematologica, 215; 1: 46 48. 14) Briggs C et al.: Assessment of an immature platelet fraction (IPF) in peripheral thrombocytopenia, Br J Haematol, 24; 126: 93 99. 15) Koike Y et al.: Clinical significance of detection of immature platelets: Comparison brtween percentage of reticulated platelets as detected by flow cytometry and immature platelet fraction as detected by automated measurement, Eur J Haematol, 21; 84: 183 184. 16) Zucker ML et al.: Immature platelet fraction as a predictor of platelet recovery following hematopoietic progenitor cell transplantation, Lab Hematol, 26; 12: 125 13. 17) Briggs C et al.: Immature platelet fraction measurement: A future guide to platelet transfution requirement after haematopoietic stem cell transplantation, Transfus Med, 26; 16: 11 19. 18) Panova-Noeva M et al.: JAK2V617F mutation and hydroxyurea treatment as determinants of immature platelet parameters in essential thrombocythemia and polycythemia vera patients, Blood, 211; 118: 2599 261. 19) Kissova J et al.: Increased mean platelet volume and immature platelet fraction as potential predictors of thrombotic complications in BCR/ABL-negative myeloproliferative neoplasms, Int J Hematol, 214; 1: 429 436. 2) 日本臨床衛生検査技師会血液形態検査標準化ワーキンググ ループ 血液形態に関する勧告法 医学検査 1996; 45: 河野 他 真性赤血球増加症および本態性血小板血症におけるスクリーニング検査と JAK2-V617F 変異予測についての検討
1659 1671. 21) 河野 浩善 他 骨髄異形成症候群における幼若血小板比率 の臨床的意義と血小板数および幼若血小板比率を利用した予 後の層別化についての検討 日本検査血液学会雑誌 212; 13: 289 297. 22) Oku S et al.: JAK2V617F uses distinct signaling pathways to induce cell proliferation and neutrophil activation, Brit J Haematol, 21; 15: 334 344. 23) 奥野 奈々子 他 骨髄増殖性腫瘍における JAK2-V617F 変異遺伝子比率と好中球アルカリホスファターゼスコアとの 関連 日本検査血液学会雑誌 211; 12: 17 175. 本論文に関連し 開示すべき COI 状態にある企業等はありません Original Article Screening examination of polycythemia vera and essential thrombocythemia: Investigation of the prediction of JAK2-V617F mutation Hiroyoshi KOUNO 1) Natsuki MIYOSHI 1) Yumiko TAKENO 1) Masayo YAMAMOTO 1) Yoshiko OKIKAWA 2) Masaaki NODA 2) Keiko KANEMARU 1) Yoshihiro IBUSHI 1) 1) Department of Clinical Laboratory, Hiroshima City Hiroshima Citizens Hospital (7-33, Motomachi, Naka-ku, Hiroshima-shi, Hiroshima 73-8518, Japan) 2) Department of Hematology, Hiroshima City Hiroshima Citizens Hospital Summary In a recent report, approximately 98% of polycythemia vera patients have JAK2-V617F or JAK2 exon12 mutation. There is a genetic mutation (JAK2-V617F, MPL, or CALR mutation) in approximately 8% of essential thrombocythemia patients. Genetic mutation analysis is necessary for the diagnosis of myeloproliferative neoplasms, but, at present, such analysis can be carried out in only a few facilities. This study is a retrospective analysis of the results of peripheral blood examination of and ET patients and secondary polycythemia and reactive thrombocytosis. The purpose of this analysis is to predict the JAK2-V617F mutation by establishing a screening examination method. Results showed that the IPF count was significantly higher in and ET patients. In addition, the was significantly higher in JAK2-positive and ET patients. Furthermore, the results of ROC analysis, AUC of IPF count, and were more than.9, and these had a high capability to predict the JAK2-V617F variation. For the IPF count, the cut-off level is 1,/μL (1% true positive rate, 16.7% false positive rate), whereas for the, the cut-off level is 25 (85.7% true positive rate, 25.% false positive rate). We divided these patients into 4 groups, namely, A (IPF count <1,/μL & <25), B (IPF count <1,/μL & 25), C (IPF count 1,/μL & <25), and D (IPF count 1,/μL & 25). 91.7% of secondary polycythemia and reactive thrombocytosis patients were classified in group A or B; on the other hand, the true positive rate of JAK2 mutations in group D was 94.7%. These study results indicate that the IPF count and NAP score in and ET are useful for the differentiation of treatment-responsive patients, and there is a possibility that they can be used to quickly and easily predict the JAK2-V617F mutation. Key words: polycythemia vera, essential thrombocythemia, JAK2-V617F mutation,, immature platelet fraction (Received: May 3, 216; Accepted: August 29, 216) 医学検査 Vol.65 No.6 216 619