本プログラムでは, 植物プランクトンの増殖を COD で表 すこととし, 以下の式 6) により計算した A-COD: 植物プランクトン態 COD( mg /L),A-CODIn: 流入水の植物プランクトン態 COD( mg /L),μ: 比増殖速 度 (1/day),kd: 死滅速度 (1/day

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Transcription:

岡山県環境保健センター年報 36, 25-34, 2012 調査研究 児島湖流域の水質シミュレーション計算 Simulation Calculation of Water Quality of Lake Kojima Catchment 藤田和男, 難波勉, 難波あゆみ, 鷹野洋, 板谷勉 ( 水質科 ) Kazuo Fujita,Tsutomu Nanba,Ayumi Nanba,Hiroshi Takano, Tsutomu Itadani (Department of Water) 要旨児島湖流域を8ブロックに分け,CODと窒素 リンについて, 最近の5 年間 (2007~2011 年度 ) の測定結果から, シミュレーション計算を行った 笹ヶ瀬川及び倉敷川流域の水質はいずれも正弦曲線で近似された 湖心のシミュレーション計算結果の平均値は7.5 mg /Lで報告値( 公共用水域 ) の平均値 7.3mg /Lと近い値であった [ キーワード :COD, 窒素, リン, 児島湖, シミュレーション計算 ] [Key words:cod,nitrogen,phosphorus,lake Kojima,Simulation Calculation] 1 はじめに児島湖の水質保全や水質改善効果の検証のため, これまで児島湖の計算モデルを作成し, 現況再現のためのシミュ 1)~5) レーション計算及び結果の検討等を行なってきたが, こうした数値シミュレーションを用いることにより, 例えば流入水の水質を構成している各因子の寄与率が算定できれば, ある因子に対する浄化施策と水質改善効果について推算でき, 現状の評価及び将来の予測が可能となる 今回は, 児島湖流域を8ブロックに分け各ブロックから汚濁負荷が流入するモデルを作り計算した その結果, 児島湖の水質や季節変化をシミュレーション計算に組み込むことができたので報告する 2 材料および方法 2.1 調査地点および測定方法児島湖の水質保全計画である第 6 期湖沼水質保全計画 ( 平成 23~27 年度 ) と同じブロック分けにより, 流域を8 ブロック 6) に区分した ( 図 1) 各地点のデータは 当センターが直接採水及び分析した結果を使用したほか 県がとりまとめた公共用水域調査結 6 ) 1 1 果等 ) を用いて計算した また, 児島湖の平均滞留時 5),12) 間, 日射量 ( 日本気象協会 ) は過去の既報告値を用いた COD, 全窒素 (T-N), 全リン (T-P),NO3-N, NO2-N,NH 4-N 及びPO4-Pは工場排水試験法 K0102 13) に準じて測定した なお, サンプルをろ紙 (Whatman, GF/C) によりろ過し, ろ液のCODを溶存態 COD( 以下 D-COD という ) とし,CODからD-CODを差し引い た値を懸濁態 COD( 以下 P-COD という ) とした 懸濁態窒素 ( 以下 P-N という ) 及び懸濁態リン ( 以下 P-P という ) についても P-CODと同様にろ液との差から懸濁態の値を求めた 2.2 水質モデル水域の生態系のモデルを図 2に示す 計算式に用いる定 6),14) 数値は報告値を使用し, これらを図中に併せて示す モデル式中の各項目 (P-N,P-P,Chl.aおよび P-COD) 間の関係式について, 実測値 (1997~2009 年度 ) から得られ 4) た関係式を用いた ( 図 3) このモデルに基づくシミュレーション計算は数値計算ソフトウェアScilabを用いて行った 計算プログラムを図 4に示す 図 1 児島湖流域 岡山県環境保健センター年報 25

本プログラムでは, 植物プランクトンの増殖を COD で表 すこととし, 以下の式 6) により計算した A-COD: 植物プランクトン態 COD( mg /L),A-CODIn: 流入水の植物プランクトン態 COD( mg /L),μ: 比増殖速 度 (1/day),kd: 死滅速度 (1/day),KT: 水温に関す る影響因子 (-),θ: 水温に係る定数 1.04(-),T: 水温 図 2 計算モデル ( 概念図 ) 図 3 P-COD,T-N,T-P および Chl.a の関係 26 岡山県環境保健センター年報

数値計算ソフト Scilabのブロック線図図中の記号に生態系を構成する各要素 ( 栄養塩, 藻類, 懸濁有機物, 底泥, D-COD) の値 (COD, 窒素およびリン成分 ), に各要素の変化率 ( 光合成, 沈降, 死滅, 分解, 溶出, 脱窒および希釈 ) を設定 図 4 計算プログラム ( ),kspl: 植物プランクトン沈降速度 (m/day),h: 水深 (m),τ: 平均滞留時間 (day) である また植物プランクトンの死滅により生ずる有機物の沈降速度は,kS: 有機物沈降速度 (m/day) で表した 6) 式中のμ( 比増殖速度 ) は以下の式で定義した μmax: 最大比増殖速度 (1/day),Nd: 無機態窒素 ( mg /L),Pd: 無機態リン (mg/l),kn: 窒素半飽和定数 ( mg /L),KP: リン半飽和定数 ( mg /L),E: 日射量 (cal/ cm 2 /day),ke: 日射量半飽和定数 (cal/cm 2 /day),ts: 増殖に最適な水温 ( ) である 6) 窒素については, 以下の式で定義した 岡山県環境保健センター年報 27

Cin: 流入水の水質 ( mg /L),LS1~LT: 各ブロック (S1, S2,S3,S4,K1,K2,Ka 及び直接流入ブロック ) からの負荷量 ( kg /day),q in: 湖への流入水量 (m 3 /day) である 流入水の植物プランクトン種 ( 綱 ) として珪藻綱を設定し, 最適水温を珪藻綱 12 6) とした 現況再現計算の入力値となる各ブロックの流入水の水質 (COD,T-N,T-P), 水温, 平均滞留時間および湖心の水質 (COD) は年度毎に似た増減を繰り返す傾向が見られることから, 周期的なパターンの解析に用いられる正弦曲 15) 線により近似し, この近似値を用いて流域の汚濁負荷流入の計算を行った T-N: 全窒素 ( mg /L),D-N: 溶存態窒素 ( mg /L), A-N: 植物プランクトン態窒素 ( mg /L),O-N: 有機態窒素 ( 植物プランクトンの死滅によって生ずる )( mg /L), I-N: 無機態窒素 (NO3-N+NO2-N+NH4-N)( mg /L), I-NIn: 流入水の無機態窒素 ( mg /L),ξN: 植物プランクトンと窒素の換算係数 (-),ksn: 有機態窒素沈降速度 (m/ day),fn: 有機態窒素分解速度 (1/day),DN: 底泥からのI-N 溶出速度 (g/ m2 /day) である なお,P-N( 懸濁態窒素 ) は,A-NとO-Nの合計値である また, リンについては窒素と同様に, T-P: 全リン ( mg /L),P-P: 懸濁態リン ( mg /L), D-P: 溶存態リン ( mg /L),A-P: 植物プランクトン態リン ( mg /L),O-P: 有機態リン ( 植物プランクトンの死滅によって生ずる )( mg /L),I-P: 無機態リン (PO4-P)( mg / L),I-PIn: 流入水の無機態リン ( mg /L),ξP: 植物プランクトンとリンの換算係数 (-),ksp: 有機態リン沈降速度 (m/day),fp: 有機態リン分解速度 (1/day),DP: 湖底からのI-P 溶出速度 (g/ m2 /day) であり,P-P( 懸濁態リン ) は,A-P とO-Pの合計値とした 8ブロックに分けた児島湖流域の負荷量から, 以下の式で計算された値を流入水の水質として計算した y: 水温 ( ), 平均滞留時間 (day) またはP-COD( mg /L),t: 時間 (day),a 0: 平均値 ( 振幅の中心となる値,,dayまたはmg/L),a i: 振幅 (,dayまたはmg/ L),T: 周期 (day),bi: 位相 (day),i: 近似式の次数 (-) である 3 結果及び考察 3.1 流入水の水質基礎となるデータについて当センターの測定結果及び公 7)~11) 共用水域調査結果等を用い, 正弦曲線により近似させた 図 5~7にCOD,T-N 及びT-Pを示す 笹ヶ瀬川の 4 地点及び倉敷川の2 地点のCOD,T-P はいずれも夏期に高く冬期に低い値であり,T-Nは逆に夏期に低く冬期に高い値であった 次に水質, 流量及び汚濁負荷量の関係から各ブロックの流量及び汚濁負荷量を計算し設定した 各地点での流量の設定値を図 8に示す また各ブロックからの汚濁負荷 (COD,T-P 及びT-N) 流入量を水質 ( 図 5~7) と流量 6),12) ( 図 8) を掛けて計算し, 既報に従い6つの発生源 ( 生活系, 産業系, 畜産 農地系, 都市系及び自然系 ) に分けて示した ( 図 9~11) 負荷量の年間の変動パターンを設定するにあたって農地系及び自然系からの負荷量が総負荷量 ( 図 9~11の推算値 ) の季節変化の増減に比例すると仮定して設定した 負荷量はCOD,T-P 及びT-Nのいずれも春期から夏期に高く秋期から冬期に低い値であり要因として灌漑等の影響が考えられたことから, ここでは農地系からの負荷量の時間的な増減パターンが総負荷量の増減パターンと単純に比例すると仮定したが, 実際の季節的な変動パターンや単位面積あたりの流出量については現場での調査を含めた今後の検討が必要である 28 岡山県環境保健センター年報

: 実測値 ( 当センター ) : 実測値 ( 公共用水域 ) ー :2007~2010 年度の値からの計算値 図 5 児島湖流域の COD : 実測値 ( 当センター ) : 実測値 ( 公共用水域 ) ー :2007~2010 年度の値からの計算値 図 6 児島湖流域の T-N 岡山県環境保健センター年報 29

: 実測値 ( 当センター ) : 実測値 ( 公共用水域 ) ー :2007~2010 年度の値からの計算値 図 7 児島湖流域の T-P 図 8 児島湖流域の河川流量 ( 設定値 ) 30 岡山県環境保健センター年報

図 9 児島湖流域の COD 負荷量 ( 設定値 ) 図 10 児島湖流域の T-N 負荷量 ( 設定値 ) 岡山県環境保健センター年報 31

図 11 児島湖流域の T-P 負荷量 ( 設定値 ) 3.2 湖心のシミュレーション計算図 12に最近 4 年間 (2007 年 ~2010 年度 ) の流入水の水質に基づく湖心での水質 (COD,P-COD,D-COD,T-N 及び T-P) のシミュレーション計算 ( 図中の実線 ) 及び実測値を示す 児島湖湖心のCOD 及びP-CODの実測値は春期に高く秋期から冬期にかけて低い傾向がみられ, シミュレーション計算で再現することができた シミュレーション計算の結果について,CODの平均値は7.5mg/Lであり公共用水域及び地下水の水質測定結果 (2007~2010 年度 ) 7)~10) におけるCODの平均値 7.3mg /Lに近い値であった P-COD の平均値 ( 当センターでの実測値 ) は2.0mg /Lであったが, シミュレーション計算の平均値は2.4mg /Lであった T-N はシミュレーション計算の平均値が1.1mg /Lで公表されている公共用水域のT-N 平均値 (2007~2009 年度の3 年間 ) 1.2mg /Lと近い値であった T-Pはシミュレーション計算の平均値が0.18mg /Lで公表されている公共用水域 T-P 平均値 (2007~2009 年度の3 年間 )0.19 mg /Lと近い値であった 6) 第 6 期湖沼水質保全計画では各種の汚濁負荷対策を行った場合, 汚濁負荷量が平成 22 年度と比較して平成 27 年度にCODで1,100kg /day,t-nで362kg/day,t-pで41kg /day 削減すると見込まれている 6) これを仮定しシミュレーション計算すると ( 図 12 中の点線で示す ),CODは年平均 7.0mg /L(6.4% 減少 ),T-N は年平均 1.0mg /L(9.8% 減少 ),T-P は年平均 0.17mg /L(8.1% 減少 ) と推算された 計算結果は負荷量が単純に減少すると仮定したものであるが詳細な条件や結果の妥当性については今後さらに検討する必要がある 4 まとめ児島湖流域を8ブロックに分け, 水質測定結果をモデル式に当てはめ, 最近 5 年間 (2007~2011 年度 ) のシミュレーション計算を行った結果, 以下の知見が得られた 1) 汚濁負荷流入量はいずれも夏期に高く冬期に低い値で灌漑の影響が大きいと考えられた 2) 湖心の実測値及び計算結果は夏期に高く冬期に低い値で,COD( 平均値 ) が7.5mg /Lで実測値の7.3mg/Lと近い値であった 3)T-Nは計算結果の平均値が1.1mg /Lで実測値の1.2mg/L と同等の値であり,T-Pは計算結果の平均値が0.18mg/ Lで実測値の0.19mg /Lと同等の値であった 32 岡山県環境保健センター年報

: 実測値 ( 当センター ) : 実測値 ( 公共用水域 ) : 実測値 ( 公共用水域からの計算値 ) : シミュレーション計算値 (2007~2010 年度の値から計算 ) : シミュレーション計算値 (2015 年度負荷対策あり 6) として計算 ) 図 12 児島湖流域の COD,T-N 及び T-P の実測値及び計算値 岡山県環境保健センター年報 33

文献 1) 藤田和男, 山本淳, 小野質, 北村雅美, 斎藤直己 : 児島湖下流域の内部生産 (4) 植物プランクトンのP-CODおよび窒素 リン, 岡山県環境保健センター年報,28,13-16,2004 2) 藤田和男, 北村雅美, 斎藤直己 : 児島湖下流域の内部生産 (5) 植物プランクトンのP-COD, クロロフィルaおよび窒素 リン, 岡山県環境保健センター年報,29,27-31,2005 3) 藤田和男, 鷹野洋, 坂本祐基, 板谷勉, 宮﨑清 : 児島湖におけるクロロフィル aおよびcodと栄養塩 ( 窒素 リン ) の関係, 岡山県環境保健センター年報,33,13-18,2009 4) 藤田和男, 鷹野洋, 坂本祐基, 板谷勉, 劔持堅志 : 児島湖におけるクロロフィル aおよびcodと栄養塩 ( 窒素 リン ) の関係 (2), 岡山県環境保健センター年報,34,17-24,2010 5) 藤田和男, 難波勉, 坂本祐基, 鷹野洋, 板谷勉 : 児島湖の水質シミュレーション計算, 岡山県環境保健センター年報,35,27-34,2011 6) 岡山県 : 平成 23 年度指定湖沼汚濁負荷量削減状況調査報告書,148-226,2012 7) 岡山県 : 平成 19 年度公共用水域及び地下水の水質測定結果,2007 8) 岡山県 : 平成 20 年度公共用水域及び地下水の水質測定結果,2008 9) 岡山県 : 平成 21 年度公共用水域及び地下水の水質測定結果,2009 10) 岡山県 : 平成 22 年度公共用水域及び地下水の水質測定結果,2010 11) 岡山県, ウェスコ : 平成 3 年度児島湖水質保全計画基礎調査業務報告書,61,1992 12) 岡山県 : 児島湖ハンドブック,50,2011 13) 平河喜美男編 : 工場排水試験法 JIS-K0102,42-44, 日本規格協会, 東京,1998 14) 藤田和男, 鷹野洋, 坂本祐基, 宮崎清 : 児島湖底泥からの窒素 リンの溶出, 岡山県環境保健センター年報,33,25-28,2009 15) 大石進一 : フーリエ解析,7, 岩波書店, 東京,1989 34 岡山県環境保健センター年報