Microsoft Word - 資料5 腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準の変更について

Similar documents
Microsoft Word - 資料2 腎移植のレシピ選択基準等に関する検討事項 -.docx

Microsoft Word - 参考資料1-1 肝臓作業班資料

腎臓移植作業班 資料

00【議連提出資料】B型肝炎ワクチンの定期接種化について

<4D F736F F D2093FA967B88DA90418A7789EF97CF979D8E77906A89FC92E894C E398C8E313093FA8ED088F5918D89EF8FB E646F63>

Taro-【新旧】医療観察診療報酬告

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

移植治療による効果と危険性について説明し 書面にて移植の同意を得なければならない 意識のない患者においては代諾者の同意を得るものとする 6 レシピエントが未成年者の場合には 親権者からインフォームド コンセントを得る ただし 可能なかぎり未成年者のレシピエント本人にも分かりやすい説明を行い 可能であ

【1

スライド タイトルなし

Taro-議案第13号 行政手続条例の

中医協総 医薬品及び医療機器の費用対効果評価に関する取扱いについて 1 既収載品に係る費用対効果評価の手続き (1) 対象品目の指定中央社会保険医療協議会の定める以下の選定基準に基づき 費用対効果評価専門部会において指定 公表されたものとする 次の全ての要件を満たす品

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果


PDF

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

事務連絡平成 28 年 2 月 5 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省健康局健康課 厚生科学審議会予防接種 ワクチン分科会基本方針部会の審議について 本日開催された厚生科学審議会予防接種 ワクチン分科会基本方針部会における審議の結果 B 型肝炎ワクチンの定期接種化について 以下の

【資料1】結核対策について

Microsoft PowerPoint - 【参考資料4】安全性に関する論文Ver.6

æŒ°è–”ç§»æ¤“ã…‚ã…³ã…Ł2015.xlsx

< F2D8BCE96B18E9E8AD481438B7889C993998B4B92F F3132>

社団法人日本臓器移植ネットワーク

社団法人日本臓器移植ネットワーク

研究成果報告書

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

現在の移植医療と今後の移植医療について


untitled

untitled

untitled

Microsoft PowerPoint - press_11_3_18.pptx

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

Microsoft PowerPoint - 020_改正高齢法リーフレット<240914_雇用指導・

中央教育審議会(第119回)配付資料

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

議案第72号 向日市職員の給与に関する条例及び向日市長及び副市長の給与に関する条例の一部改正について_議案・改正文

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1


2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の


<4D F736F F D208CFA90B6984A93AD8FC A CF8D5882C98C5782E BD90AC E82528C8E825593FA817A2E646F63>

体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

<4D F736F F D208A438A4F B8C9F8DF582A982E788DA904182DC82C >

1 経 緯

5 なか 氏 名 中 にし西 けん健 じ二 博士の専攻分野の名称博士 ( 人間科学 ) 学位記番号第 号 学位授与年月日 学位授与の要件 平成 19 年 3 月 23 日 学位規則第 4 条第 1 項該当 人間科学研究科人間科学専攻 学 位 論 文 名 腎臓移植におけるレシピエントとドナ

「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

<4A C8E8D868DC590562E696E6464>

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 中谷夏織 論文審査担当者 主査神奈木真理副査鍔田武志 東田修二 論文題目 Cord blood transplantation is associated with rapid B-cell neogenesis compared with BM transpl

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

労災年金のスライド

議案第70号 向日市職員の給与に関する条例及び向日市長及び副市長の給与に関する条例の一部改正について


一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

(3) 倫理学 法律学の専門家等 本法人に所属しない人文 社会科学の有識者若干名 (4) 一般の立場から意見を述べることができる者若干名 (5) 分子生物学 細胞生物学 遺伝学 臨床薬理学 病理学等の専門家若しくは遺伝子治療等臨床研究の対象となる疾患に係る臨床医として 日本医科大学長が推薦した者若干

肝 移 植 の 概 要

延長保育実施要綱

< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

文書管理番号

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

< F2D926D8DE08EA98CC8935F8C9F955C >

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464>

対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

議案第49号-医療福祉費支給に関する条例の一部改正【確定】

医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書 第4-1

2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

PMK520合併・分社等に伴うプライバシーマーク付与の地位の継続に関する手順

目次 I. 調査概要 II. 調査票 調査目的調査期間調査対象調査方法サンプル数 III. 属性調査結果 性別年齢入院病棟入院日数当院を選んだ理由 IV. 満足度調査結果 1. 満足度ポイント一覧 2. 満足度構成比率総合満足度医療サービス施設 設備 情報提供師の接遇の接遇の接遇 V. ポートフォリ

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

( 委員以外の者の出席 ) 第 5 条委員長は 必要に応じ当該研究に必要な知見及び専門知識を持つ教員 産業医または看護師等を委員会の同意を得て出席させ 意見を聴くことができる ただし 上記の者の出席が困難な場合は 委員長又は委員長が指名した者が口頭等で意見を聴取し 委員会で報告することができる (

0 表紙

サマリー記載について

平成 29 年中の救急出動件数等 ( 速報値 ) の公表 平成 30 年 3 月 14 日 消防庁 平成 29 年中の救急出動件数等の速報値を取りまとめましたので公表します U 救急出動件数 搬送人員とも過去最多 平成 29 年中の救急自動車による救急出動件数は 634 万 2,096 件 ( 対前

資料3

C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日

虎ノ門医学セミナー

( 図 1 アンケート用紙を送付しなかった理由 (n=248)) その他 4 % 住所又は両親の名前不明 1 7 % 他科にてフォロー中 3 % 音信あり 1 6% 他院にてフォロー中 28 % 3. 方法まず患者の保護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとることについての可

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

Microsoft PowerPoint - 資料4 臓器移植後に伴うHTLV-1関連疾患発症の実態について

目 次 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例 A 維 持 透 析 症 例

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

<91E F C8B9E918D8D878C9295DB837E836A837D C839391E589EF2E786C7378>

Microsoft Word - Q&A(訪問リハ).doc

針刺し切創発生時の対応


2014年4月改定対応-画像診断

泌尿紀要 56 : ,2010 年 469 腎移植におけるマージナルドナーおよびハイリスクレシピエント 白川浩希, 田邉一成東京女子医科大学泌尿器科 MARGINAL DONOR AND HIGH RISK RECIPIENT IN KIDNEY TRANSPLANTATION Hir

第 4 章中第 34 条の次に次の 1 条を加える ( 行政指導の中止等の求め ) 第 34 条の 2 法令又は条例等に違反する行為の是正を求める行政指導 ( その根拠 となる規定が法律又は条例 ( 地方自治法第 252 条の17の2 第 1 項又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 55 条

Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

Microsoft Word - 調査結果

Transcription:

肝臓 膵臓 腎臓作業班 資料 5 腎臓移植希望者 ( レシピエント ) 選択基準の変更について 1. 腎臓移植のレシピエント選択基準等に関する検討事項の経緯 平成 28 年 3 月 9 日に開催された第 8 回腎臓移植の作業班等に関する作業班において 腎臓移植希望者 ( レシピエント ) 選択基準に関し 以下の検討事項について議論を行い 検討結果をまとめた 1. 待機日数とHLAの適合度の点数の取り扱いについて 2.Age-match 制度の導入の是非について 3.2 腎同時移植の是非について 4.C 型肝炎抗体陽性ドナーの取り扱いについて 5. 移植腎機能無発現であったレシピエントへの対応 待機日数と HLA の適合度の点数の取り扱いについては 腎臓レシピエント選択基準の変更 を行う必要を認めるほどの明確な医学的根拠が示されていないため 引き続き腎臓作業班 で医学的根拠を収集することとなった 平成 28 年 6 月 29 日に開催された第 44 回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において 各項目に関する腎臓作業班の検討結果について審議を行った結果 Age-match 制度導入の是非については了承されたが 小児の年齢区分については新たに作業班で検討することが必要となった 平成 28 年 9 月 2 日に開催された腎臓移植の基準等に関する作業班において 小児の年齢区分が議論された結果 現行の腎臓レシピエント選択基準での区分である20 歳未満を基準とすることが適当と判断され 第 45 回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において 了承された 2 腎同時移植については ドナーが6 歳未満の場合 2 腎同時移植を可能とし ドナーが6 歳以上 ( 成人を含む ) の場合は ( 公社 ) 日本臓器移植ネットワークが 腎臓レシピエント選択基準に基づき選択したレシピエントの担当医 ( 移植医 ) 及びメディカルコンサルタントと相談し ドナーの腎機能に医学的問題があり1 腎ではその機能が不十分と判断されるときは 2 腎同時移植を行うことが可能と判断された C 型肝炎抗体陽性ドナーの取り扱いについては 血中に HCVが存在しない場合であっても腎臓にHCVがある可能性があることから 現在のレシピエント選択基準を改正する必要はなく HCV genotypeによりhcv 抗体陽性ドナー及び HCV 抗体陽性レシピエントの取り扱いを変更するためには 臓器ごとの学会で定める レシピエント適応基準 の改正が必要と判断された

2. 現在の取扱いについて 現行の 腎臓移植希望者 ( レシピエント ) 選択基準 ( 以下 腎臓レシピエント選択基準 という ) では 以下のとおり具体的選択法を定めている ( 参考資料 5-1) 親族優先 ABO 式血液型 ( 一致が適合より優先 ) 年齢優先 (20 歳未満ドナーの場合 ) 1 搬送時間 (12 点又は6 点 )* 2HLA 適合度 (14 点 ~0 点 ) 3 待機日数ポイント 4 未成年者 (14 点又は12 点 ) *1~4 の合計点数が高い順に選択 ただし これらの条件が同一の移植希望者 ( レシ ピエント ) が複数存在した場合 臓器搬送に要する時間 医学的条件に配慮している 2. これまでの経緯 レシピエント選択基準について 平成 26 年 12 月より 腎臓移植の基準等に関する作業班 ( 以下 腎作業班 という ) において検討された項目のうち 次の2 項目については 平成 28 年 9 月 2 日に開催された腎作業班での検討を踏まえ 平成 28 年 10 月 31 日に開催された第 45 回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会における審議の結果 以下のとおり決定した (1)Age-match 制度の導入について ( 小児ドナーから小児レシピエントへ ) 現行の腎臓レシピエント選択基準の区分である20 歳未満を基準とし 20 歳未満のドナーから提供された腎臓は 20 歳未満のレシピエントから選択する 20 歳未満のレシピエントがいない場合 20 歳以上のレシピエントから選択する (2) 移植後腎機能無発現であったレシピエントへの対応について移植腎機能無発現がドナー側の原因であることの医学的根拠をレシピエントの担当医 ( 移植医 ) が示した場合は 移植前の待機期間をそのまま維持する 移植腎機能無発現の原因がドナー レシピエントどちら側にあるのか判断するための診断基準は関係学会で定める

3. 作業班での検討事項 (1)Age-match 制度は 平成 30 年 3 月 20 日より運用を開始している しかし現状の選択基準では ABO 式血液型の一致が適合や年齢要件より優先されているため 血液型一致の小児レシピエントがいない場合 血液型一致の成人レシピエントに移植されることについて どのように考えるべきか ( 参考資料 5-1) 案 血液型一致の小児レシピエントがいない場合 血液型適合の小児レシピエントを血液型一 致の成人レシピエントより優先すこととしてはどうか ドナーが20 歳未満の場合改正前改正後親族優先親族優先 *1 搬送時間 2HLA 適合度 3 待機日数 4 未成年者

(2) 移植後腎機能無発現であったレシピエントへの対応について平成 29 年 12 月 25 日 日本移植学会 献腎が無機能であった場合の待機期間の検討委員会 より 献腎が無機能であった場合の待機期間についての提言書が提出された ( 参考資料 5-2) 日本移植学会からの提言書まとめ 1 無機能腎の定義 ; 移植後 3 ヶ月の時点で機能しない腎臓 移植後 3 ヶ月の時点で週 1~2 回透析が必要な事例も含む 2 待機期間 再登録判定のフローチャート ドナー側要因 レシピエント側要因 移植腎動静脈血栓症 絶対的因子 相対的因子 評価委員会 評価委員会 登録日継続 評価委員会 0 日 or 否 ドナー側 レシピ側 継続 or0 日 継続 0 日 or 否 ドナー側絶対的因子 ; 温阻血時間 (WIT)>30 分 総阻血時間 (TIT)>24 時間ドナー年齢 70 歳以上 3 評価委員会の委員は 献腎が無機能であった場合の待機期間の検討 委員が継続する 評価委員会は申請後 1 週間以内に持ち回り審議を行い 再登録の可否 待機期間について検討する 移植施設は評価委員会の回答を得た後に 再登録する 案 無機能腎評価委員会で登録日の継続が妥当と評価された事例については 移植前の登録期間を継続したままで再登録することを可能とすることとしてはどうか また新規登録が妥当と評価された事例については 新規事例として登録することを可能とすることとしてはどうか 腎臓移植希望者 ( レシピエント ) 選択基準 ( 新旧対照表 ) 改正案 2. 優先順位 (1) (2) ( 略 ) (3) 待機日数待機日数 (N) 4014 日 : 待機日数ポイント =N/365 点 現行 2. 優先順位 (1) (2) ( 略 ) (3) 待機日数待機日数 (N) 4014 日 : 待機日数ポイント =N/365 点待機日数 (N)>4014 日 : 待機日

待機日数 (N)>4014 日 : 待機日数ポイント数ポイント=10+log 1.74 (N/365-9) 点 N) =10+log 1.74 (N/365-9) 点 4014 日 : 待機日数ポイント=N/365 点移植後 3ヶ月の時点で機能しない腎臓 あるいは移植後 3ヶ月の時点で週に1~2 回透析が必要な事例 ( いわゆる無機能腎 ) について ドナー側の絶対的因子 ( 温阻血時間 WIT>30 分 または総阻血時間 TTT>24 時間 またはドナー年齢 70 歳以上 ) による無機能腎では 待機期間をそのまま継続する ドナー側の相対的因子 またはレシピエント側因子 または移植腎動静脈血栓症による無機能腎では 評価委員会が申請後 1 週間以内に持ち回り審議を行い 再登録の可否や待機期間について検討する 移植施設は 評価委員会からの回答をもって再登録する 3. 具体的選択方法適合条件に合致する移植希望者 ( レシピエン 3. 具体的選択方法ト ) が複数存在する場合には 優先順位は 適合条件に合致する移植希望者 ( レシピエン以下の順に勘案して決定する ト ) が複数存在する場合には 優先順位は (1) ( 略 ) 以下の順に勘案して決定する (3) ABO 式血液型が一致 (identical) する (1) ( 略 ) 者を適合 (compatible) する者より優先する (2)ABO 式血液型が一致 (identical) する者を適合 (compatible) する者より優先する (3) 臓器提供者 ( ドナー ) が20 歳未満の場合は 選択時 20 歳未満である移植希望者 ( レシピエント ) を優先する