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2. スランプフロー試験 3. 振動台式コンシステンシー試験 試験方法 対象 振動数 (rpm) 振動台式コンシステンシー試験 (JSCE-F501) VC 試験 ( 国土開発技術研究センター 道路協会 ) 供試体成形機による超硬練りコンクリートのコンシステンシー試験 ( 全国土木コンクリートブロッ

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目次 1. はじめに 実施工程

コンクリート工学年次論文集 Vol.32

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コンクリート工学年次論文集 Vol.28

S28-1C1000Technical Information

3. 第 1 回コンクリート実験 3.1 概要下記の示方配合から設計した現場配合でコンクリートを練り混ぜ, スランプ試験と空気量試験を行う. その後, 圧縮強度試験用としてφ10 20 cm の円柱供試体を 4 本 ( うち 1 本は予備 ), 割裂引張強度試験用としてφ15 15 cm の円柱供試

論文 重回帰分析等を用いた再生コンクリートの強度特性に関する評価 高橋智彦 *1 大久保嘉雄 *2 長瀧重義 *3 要旨 : 本研究は, 再生コンクリートの強度およびヤング係数を把握することを目的に実施したものである 再生コンクリートの強度およびヤング係数については既往文献結果を重回帰分析し評価した

16 コンクリートの配合設計と品質管理コンクリートの順に小さくなっていく よって, 強度が大きいからといってセメントペーストやモルタルで大きい構造物を作ろうとしても, 収縮クラックが発生するために健全な構造物を作ることはできない 骨材は, コンクリートの収縮を低減させ, クラックの少ない構造物を造る

を変化させて加速度を調節するための制御盤の 3 点から構成されている 測定の手順としては初めに, 直径が 24cm の試験容器の中でスランプ試験を行い, 振動台にセットして振動をかける その際に試料の上面の沈下量と振動台の加速度, 振動数を記録する コンクリートの締固め性は, コンクリートのコンシス

コンクリート工学年次論文集Vol.35

生コンクリートに関する基本情報 ここでは 生コンクリートの製造 供給態勢 生コンを注文する際に必要となる基礎的知識 コンクリート施工の要点について概説します 白鳥生コン株式会社 記事の無断転載を禁じます Copyright SHIRATORI NAMAKON CORPORATION.

コンクリート工学年次論文集 Vol.27

W/B (%) 単位粗骨材絶対容積 s/a (%) 表 -1 ベースコンクリートの配合 空気量 (%) 単位量 (kg/m 3 ) VG W (m 3 /m 3 ) 計 C SF S G

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

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強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

検証されている 4) しかし, この規定では, 凝結を遅延させたスラリー状モルタルの保存を 24 時間以内とし, 翌日の使用を想定しており, 日内の業務に適用することは適切でない 2. 付着モルタル量 2.1 実験の目的運搬車の洗浄モルタルを使用するためには, ドラム内等に付着しているフレッシュモル

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(4) 単位水量 W および細骨材率 s/a の選定 細骨材率 s/a は, 所要のワーカビリティーが得られる範囲内で単位水 量 W が最小となるように, 試験によって定める. 粗大寸法(mm) 骨材の最空気量 AE コンクリート AE 剤を用いる場合 細骨材率 s/a 単位水量 W (kg) AE

流動性を高めたコンクリートの活用に関するガイドライン案

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積雪寒冷地におけるポーラスコンクリートの排水性舗装への適用性について 寒地土木研究所耐寒材料チーム 草間祥吾吉田行田口史雄 道路交通騒音の軽減策としてアスファルトを用いた排水性舗装が広く普及しているが 積雪寒冷地のような過酷環境下では摩耗や骨材飛散等の早期機能低下が問題となっている このため より高

骨材体積比 水セメント比 空気量 表 -2 調合絶対容積単位 (l/m 3 ) 水量 (kg/m 3 セメ ) 骨材ント 増粘剤 消泡剤.3.5 セメント : 普通ポルトランドセメント ( 密度 3.16g/cm 3 ) 骨材 : 硬質砂岩砕砂

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の基準規制値などを参考に コンクリート構造物の長期的な耐久性を確保するために必要なフレッシュコンクリート中の塩化物量の規制値を主要な場合に対して示したものである 従って ここに示していない構造部材や製品に対する塩化物量規制値についてもここで示した値を参考に別途定めることが望ましい 第 3 測定 1.

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9.2 施工条件に配慮を要するコンクリート PP 寒中コンクリート P 寒中コンクリート 暑中コンクリート マスコンクリート 凍結融解による被害例 定義日平均温度が4 以下になることが予想されるような気象条件のもとで施工されるコンク

改定対照表(標準単価)

国技建管第 13 号 平成 29 年 4 月 21 日 各地方整備局技術調整管理官殿 北海道開発局技術管理課長殿 沖縄総合事務局技術管理官殿 大臣官房技術調査課 建設システム管理企画室長 現場打ちの鉄筋コンクリート構造物におけるスランプ値の設定等について 国土交通省では 昨年を 生産性革命元年 と位

4. 再生資源の利用の促進について 建近技第 385 号 平成 3 年 10 月 25 日 4-1

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CSG工法における材料の締固め特性

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1. 標準価格 (1) 普通コンクリート ( スランプ 5~21cmAE 減水剤 ) 普通セメント 高炉セメントB 種早強セメント材齢 28 日粗骨材 (mm) 材齢 7 日粗骨材 (mm) スランプ 5 ~ 21 cm スランプ 5 ~ 21 cm 18 14,50

京都大学博士 ( 工学 ) 氏名宮口克一 論文題目 塩素固定化材を用いた断面修復材と犠牲陽極材を併用した断面修復工法の鉄筋防食性能に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 本論文は, 塩害を受けたコンクリート構造物の対策として一般的な対策のひとつである, 断面修復工法を検討の対象とし, その耐久性をより

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81_16【論文】細骨材表面が拘束する水量の算定方法に関する基礎的研究

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し, 骨材の再配列が行われる際の負荷の増加と更なる液状化の進行による内部振動機とコンクリートの密着度が減少することによる負荷の低減と説明されている これらの理論的な説明や試験時の目視観察から, 締固めは油圧がピークを超え, 低減が収束する過程で完了すると考えられる ダム建設現場で, 油圧の経時変化を

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GBRC Vol.39 No 図 -1.1 圧縮強度試験対象の内訳 図 週圧縮強度の平均値の推移 ( 試験月で分類 図 週圧縮強度と 4 週圧縮強度との関係 36

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ト (SDS) に示される GHS(Globally Harmonized System) に 1,2) 示される分類に基づき評価した これらのうち, 比較的, 健康面や環境に与える影響が少ないと思われるものは, ポリタングステン酸ナトリウム () と LST 重液である 両者の特徴と相違点は表 -

土量変化率の一般的性質 ❶ 地山を切土してほぐした土量は 必ず地山の土量 1.0 よりも多くなる ( 例 ) 砂質土 :L=1.1~2.0 粘性土 :L=1.2~1.45 中硬岩 :L=1.50~1.70 ❷ 地山を切土してほぐして ( 運搬して ) 盛土をした場合 一般に盛土量は地山土量 1.0

コンクリート工学年次論文集 Vol.34

ホームページへの掲載にあたって 我が国では高度経済成長期に多くの土木構造物が集中して建設されており 今後一斉に更新時期を迎え 財政に大きな負担をかけることが懸念されている 特に積雪寒冷地である北海道では 凍結融解の繰り返しや冬期の凍結防止剤散布等の厳しい気象 使用環境により土木構造物の老朽化が著しく

LED 道路 トンネル照明の設置に関する補完資料 Ⅰ LED 道路照明 ( 連続照明 ) の設置について 道路照明のうち連続照明の設計については 道路照明施設設置基準 同解説に基づき 性能指標 ( 規定値 ) 及び推奨値 ( 以下 性能指標等 という ) から所定の計算方法により設置間隔等を算出し

別紙  共同研究報告内容


2. フラッシング剤噴霧による付着モルタル洗浄方法 2.1 提案手法の概要と課題ドラム内に付着したモルタルを水で洗浄する場合は, 積載量 10 t の大型車で 50 L, 積載量 4 t または 5 t の小型車で 30 L の水量を要するといわれている 5) 本研究では, 従来のように多量の水を使

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第 2 章コンクリートの品質 3- コ 2-1

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コンクリートの性質第 13 回 各種コンクリート 暑中 寒中コンクリート 高強度コンクリート 高流動コンクリート 水中コンクリート ポーラスコンクリート 繊維補強コンクリート 耐久性 中性化 塩害 凍害 暑中コンクリート 日平均気温が 25 以上では 暑中コンクリートとして施工しなければならない 注

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充塡に要する振動エネルギー 大 小 論文加振併用型の高流動コンクリートの材料分離抵抗性の評価に関する一考察 桜井邦昭 *1 *2 近松竜一 要旨 : 自己充塡性は有しないが, 軽微な振動締固めにより密実に充塡できる高流動コンクリートを対象として, 材料分離抵抗性に及ぼす配合条件の影響を実験的に検討した その結果, コンクリートのブリーディングを左右するモルタルの品質の評価にモルタル漏斗流下時間が適用できること, 振動作用下で間隙を通過させた高流動コンクリートの均質性を確保するには, 構造条件に応じて単位粗骨材絶対容積を設定する必要があるとともに, 適切な振動時間の範囲で充塡させる必要があること, などを明らかにした キーワード : 中流動コンクリート, 単位ペースト容積, 単位粗骨材絶対容積, 材料分離抵抗性, 均質性 1. はじめに土木学会コンクリート標準示方書 [ 施工編 ] では, 施工性能を確保する観点から, 部材種類ごとに, 構造および施工条件に応じて打込み時の最小スランプを設定している また, スランプで流動性を評価するコンクリート ( 以下, 通常のコンクリートと称する ) で施工性能を確保できない場合には, 高流動コンクリートの適用を検討すること と記述されている 流動性と締固めに要する振動エネルギーから分類した場合の各種コンクリートの位置づけの概念を図 -1 に示す 図中に示す高流動コンクリートとは, 土木学会コンクリートライブラリー 126 高流動コンクリートの配合設計 施工指針 で対象とするような締固めが不要で自己充塡性を有するコンクリート ( 以下, 自己充塡コンクリートと称する ) である 一方, 近年では, より合理的に施工を行う観点から, 自己充塡性は有しないが, 軽微な振動締固めにより密実に充塡できる加振併用型の高流動コンクリート ( 以下, 中流動コンクリートと称する ) が実用化されている 1)~3) 中流動コンクリートは, 高い流動性に見合った材料分離抵抗性を確保する手法の違いにより, 単位粉体量を増加させる粉体系中流動コンクリートと, 増粘剤を用いる中流動コンクリートに大別できる ( 図 -2) 自己充塡コンクリートの配合設計手法は既に多くの研究がなされ, 先述の指針に取りまとめられている 一方で, 中流動コンクリートの配合設計手法は十分な検討がなされていない 近年では高性能 AE 減水剤が汎用化し, 流動性は容易に高められるが, それに見合った材料分離抵抗性の確保に必要な配合条件を明らかにすることが課題である 特に, 中流動コンクリートは, 軽微な振動締固めにより充塡することが前提のため, 配合選定に際しては, 振動作用下における充塡性や間隙通過後の 粉体系中流動コン 中流動コン 通常のコンクリート コンクリートの均質性についても配慮する必要がある 本研究は, 水セメント比が約 ~6%, スランプフロ ー 4cm 程度の中流動コンクリートを対象に, 単位ペース ト容積 (Vp) や単位粗骨材絶対容積 (Vg) などの配合条 件が材料分離抵抗性や振動作用下で充塡したコンクリ ートの均質性に及ぼす影響について実験的に検討した 2. 実験概要 締固めしないことを前提 締固めをすることを前提 棒状バイブレータで締め固める通常のコンクリート スランプによる管理 自己充塡性を有する高流動コンクリート ( 自己充塡コンクリート ) トンネル覆工用 一般構造物用 小 流動性 大 沈埋函用 ランク 3 加振併用型の高流動コンクリート ( 中流動コンクリート ) 軽微な締固めを前提 流動性 充塡性を改善 スランプフローによる管理 図 -1 各種コンクリートの位置づけ 空気 水 セメント ( 粉体 ) 細骨材 粗骨材 2 4 6 8 コンクリート中の各材料の容積割合 高性能 AE 減水剤 増粘剤 + 高性能 AE 減水剤 AE 減水剤 図 -2 各種コンクリートの材料構成の概要 実験に用いた材料の概要を表 -1 に示す なお, 混和 剤は, 粉体系中流動コンクリートでは高性能 AE 減水剤 を, 中流動コンクリートでは増粘剤と高性能 AE 減水剤を一液型とした増粘型高性能 AE 減水剤を用いた *1 ( 株 ) 大林組技術本部技術研究所生産技術研究部副主任研究員修士 ( 工学 ) ( 正会員 ) *2 ( 株 ) 大林組技術本部技術研究所生産技術研究部主任研究員博士 ( 工学 ) ( 正会員 )

自己充塡高さ 充塡高さ 3cm 6cm 24cm 名称記号物理的性質など セメント C 普通ポルトランドセメント, 密度 3.16g/cm 3 細骨材 粗骨材 混和剤 S G 木更津産陸砂, 表乾密度 2.63g/cm 3 吸水率 1.18%, 粗粒率 2.49 青梅産砕石 2, 表乾密度 2.6g/cm 3 吸水率 1.%, 実積率 9.% SP 高性能 AE 減水剤 ( ポリカルボン酸系 ) VA 表 -1 使用材料 増粘型高性能 AE 減水剤 ( 増粘剤 : グリコール系, 減水剤 : ポリカルボン酸系 ) 障害条件 ( 本 ) (3 本 ) ランク 3( 障害なし ) 棒状バイブレータ (φ28mm) 試験項目 表 -2 試験項目および準拠規準 準拠規準 スランプフロー JIS A 1 空気量 JIS A 1128 ブリーディング率 JIS A 1123 コンクリートの漏斗流下時間 JSCE-F12 (O 漏斗流下試験装置 ) 振動充塡性試験 図 -3に記載 (JSCE-F11に一部準拠) モルタルフロー JIS R 21 ( 落下運動を加えない ) モルタルの漏斗流下時間 4) 右図の装置を使用 粗骨材量変化率 ( G) の測定手順 27cm 1 試料を mm ふるいでふるう 2 残留試料を洗い粗骨材を取り出す 3 試料中の粗骨材量を測定し単位量に換算 A 室 B 室 障害仕切り板 1 試料投入 仕切り板引上げ 2 自己充塡高さ測定 3 バイブレータ挿入 振動作用 振動作用 B 室上部 4 充塡後,B 室上部試料採取 (L) 図 -3 振動充塡性試験の概要 粗骨材量 変化率 G = Gs - Gm Gm ここに, Gm: 示方配合の粗骨材量 (kg/m 3 ) Gs: 試料中の粗骨材の単位換算量 (kg/m 3 ) 4 評価方法 G > : 間隙通過に伴い, 粗骨材量が増加 G < : 間隙通過に伴い, 粗骨材量が減少 試験項目を表 -2に示す 中流動コンクリートの材料分離抵抗性の良否は, コンクリート中のモルタルの品質に大きく影響されると想定されるため, モルタルの品質についても試験を行った 具体的には, コンクリート試料を mm ふるい上でスクリーニングしてモルタルを採取し, モルタルフローおよび漏斗流下時間を測定した なお, モルタルフローは, 落下運動を与えない広がり ( 打フロー ) とした 本研究では, 中流動コンクリートの材料分離抵抗性を評価する指標としてブリーディング率ならびに漏斗流下時間を用いた コンクリートおよびモルタルの漏斗流下時間は, それぞれの粘性だけでなく, コンクリートレベルにおけるモルタルと粗骨材, モルタルレベルにおけるペーストと細骨材の材料分離を検討する観点から実施した 一方, 先述のように, 中流動コンクリートは, 軽微な振動締固めにより鉄筋間隙を通過させて型枠の隅々まで充塡することが前提のため, 振動作用下において均質な状態で充塡できる性能が要求される そこで, 図 -3 に示す振動充塡性試験を実施した 試験は,1JSCE- F11 に準じた試験を行いコンクリート自体の充塡性 ( 自己充塡高さ ) を測定する,2その後,A 室内に棒状バイブレータ (φ28mm, 振動数 2~234Hz) を挿入し,B 室でのコンクリートの充塡高さが 3cm に達するまで振動を作用させる,3B 室内上部において試料を L 採取 し,mm ふるい上で試料を洗い粗骨材を採取して間隙通過に伴う粗骨材量の変化率を測定する, 手順で行った 練混ぜには強制二軸練りミキサ ( 公称容量 6L) を用い,1 バッチの練混ぜ量は Lとした 練混ぜ方法は骨材およびセメントを投入して 秒間練り混ぜた後, 予め混和剤を溶解させた練混ぜ水を投入して 9 秒間練り混ぜた ミキサ内で 分間静置後, 試料を排出して充分に練り返した後, 各種品質試験を行った 実験は 2±1 に管理された室内で実施した なお, 本研究では中流動コンクリートの配合条件が, 材料分離抵抗性や振動作用下における充塡性に及ぼす影響を明らかにする観点から, スランプフローが 4± 2cm の範囲となるように各種減水剤の添加量を調整した 3. 単位粗骨材絶対容積の影響水セメント比を 8.3% で一定として, 単位粗骨材絶対容積を 3~38L/m 3 の範囲で変化させた中流動コンクリートを製造し, 各種試験を行った コンクリート配合をスランプフローおよび空気量測定結果と合わせて表 -3に示す 3.1 ブリーディング率およびモルタルの品質単位粗骨材絶対容積とブリーディング率, コンクリートの漏斗流下時間の関係を図 -4に, スクリーニングしたモルタルのフロー, 漏斗流下時間を図 -に示す

自己充填高さ (cm) 充填高さ 3cm までの振動時間 ( 秒 ) 間隙通過に伴う粗骨材量変化率 コンクリートのブリーディング率 コンクリートの漏斗流下時間 ( 秒 ) モルタルフロー (mm) モルタルの漏斗流下時間 ( 秒 ) 8 No. 表 -3 コンクリートの配合および試験結果 ( 単位粗骨材絶対容積の影響 ) s/a Vp Vg 単位量 (kg/m 3 ) 混和剤 (C %) W C S G SP VA スランプフロー (cm) 1 6.2 3 13 79-1.7 4. 4.6 2 3.3 32 96 848-1.4 46. 4. 3 8.3.4 3 34 17 3 98 91-1.2 43..6 4 47. 36 8 94-1. 43.8.1 44. 38 82 7 -.9 4..3 =8.3%,W=17kg/m 3 Vp=3L/m 3 スランプフロー 4±2cm 空気量 4.~.6% 2 =8.3%,W=17kg/m 3 Vp=3L/m 3 スランプフロー 4±2cm 空気量 4.~.6% 3 2 空気量 =8.3%,W=17kg/m 3,Vp=3L/m 3 スランプフロー 4±2cm 空気量 4.~.6% 2 6 4 2 モルタルフロー ( 左軸 ) 2 漏斗流下時間 ( 右軸 ) 3 32 34 36 38 4 単位粗骨材絶対容積 3 3 2 2 ランク 3 3 32 34 36 38 4 単位粗骨材絶対容積 図 -4 単位粗骨材絶対容積とブリーディング率, 漏斗流下時間 4 3 2 =8.3%,W=17kg/m 3 Vp=3L/m 3 スランプフロー 4±2cm 空気量 4.~.6% 28 3 32 34 36 38 4 単位粗骨材絶対容積 図 - 単位粗骨材絶対容積とモルタルの品質 - -2 間隙通過後, 粗骨材量増加 減少 28 3 32 34 36 38 4 28 3 32 34 36 38 4-3 28 3 32 34 36 38 4 単位粗骨材絶対容積 単位粗骨材絶対容積 単位粗骨材絶対容積 図 -6 振動充塡性試験結果 ( 単位粗骨材絶対容積の影響 ) 単位粗骨材絶対容積が大きくなるに従い, 所定の流動性確保に必要な混和剤添加量は減少できる ( 表 -3) が, ブリーディング率は増加した 本実験の条件では, 単位粗骨材絶対容積の増加に伴いモルタル中の細骨材容積が減少するため細骨材に拘束される水量が少なくなること, および少ない混和剤添加量で流動性を確保できていることから, 相対的に水量が余剰となったモルタルとなっていることなどが原因と考えられる 一方, 漏斗流下時間は, 単位粗骨材絶対容積の増加に伴い, コンクリートでは遅くなり, モルタルでは速くなった 単位粗骨材絶対容積の増加に伴いモルタル中の細骨材容積が減少するため, 細骨材の噛み合いによる影響が生じ難くなり, モルタルレベルでは流下時間が速くな った考えられる 一方, コンクリートレベルでは粗骨材絶対容積の増加に伴い, 漏斗通過時に粗骨材の噛み合いが生じやすくなり, 流下時間が遅延したと考えられる これらの結果から, 中流動コンクリートの材料分離抵性を確保するには, モルタルを構成するペーストおよび細骨材の容積比率ならびに混和剤添加量を適切に設定する必要があると言える 3.2 振動作用下で充塡したコンクリートの均質性振動充塡性試験結果を図 -6に示す 障害無し( ランク 3) の場合は, 単位粗骨材絶対容積によらず自己充塡高さ 3cm 以上を確保できた 一方, 障害鉄筋を有する場合は, いずれも 3cm を確保できず, 単位粗骨材絶対容積の増加に伴い自己充塡高さは小さくなった 充塡高

さ 3cm に達するまでの振動作用時間は, の場 合は単位粗骨材絶対容積に関わらずほぼ一定であるが, の場合は単位粗骨材絶対容積の増加に伴い増大 した また, 間隙を通過し充塡したコンクリート中に含 まれる粗骨材量は, の場合では単位粗骨材絶対 容積が 34L/m 3 以上, では 32L/m 3 以上となる と低下が顕著となり, 均質性が損なわれる結果となった 適用する構造条件 ( ランク ) に応じて単位粗骨材絶対容 積を設定する必要があることを示す結果と考えられる 高流動コンクリート施工指針に示されるランクごと の単位粗骨材絶対容積の標準値を表 -4 に示す 本実験 結果から判断すれば, 中流動コンクリートを用いて補助 的な振動締固めを行うことを前提とした場合には, 同一 ランクに使用する高流動コンクリートに比べて粗骨材 絶対容積を ~2L/m 3 程度多くできるものと考えられ る 高流動コンクリートが重力の作用のみで充塡するの に対し, 中流動コンクリートは振動作用を与えることで 鉄筋間隙を通過し充塡しているためと考えられる しか しながら, 使用する粗骨材の実積率により適正な単位粗 骨材絶対容積は変化すると想定されるため, 実用的には 指針に示される高流動コンクリートの単位粗骨材絶対 容積を目安とすることが望ましいと考えられる 表 -4 高流動コンクリート施工指針での各ランク 高流動コンクリートの種類 の単位粗骨材絶対容積の標準値 (3~6mm) 自己充塡性のランク * (6~2mm) ランク 3 (2mm 以上 ) 粉体系 28~3 3~33 32~3 28~3 3~33 3~36 併用系 28~3 3~33 3~3 * 自己充塡性のレベル ( ) 内の数値は最小鋼材あきを示す 4. 単位ペースト容積の影響単位骨材容積を 32L/m 3, 水セメント比を および 8.3% で一定として, 単位ペースト容積 ( 空気 4L/m 3 + 水 +セメント容積 ) を変化させたおよび粉体系中流動コンクリート ( 水セメント比 % のみ ) を製造して各試験を行った コンクリート配合をスランプフローおよび空気量測定結果と合わせて表 -に示す 4.1 ブリーディング率およびモルタルの品質 (1) 単位ペースト容積とブリーディング率水セメント比の水準や中流動コンクリートの種類によらず, 単位ペースト容積が小さくなるに従い, 所定の流動性確保に必要な混和剤添加量は増大した ( 表 -) 単位ペースト容積とブリーディング率およびコンクリートの漏斗流下時間の関係を図 -7に示す ブリーディング率は, 中流動コンクリートの場合, 水セメント比によらず, 単位ペースト容積が約 3L/m 3, 粉体系中流動コンクリートは約 32L/m 3 を下回ると増大する結果が得られた 中流動コンクリートは, 増粘剤の混和によりペーストの粘性が高められるため, より少ない単位ペースト量でも材料分離抵抗性を確保できたと考えられる 漏斗流下時間は, 単位ペースト容積が少なくなるに従い遅くなった 単位ペースト容積の減少に伴い, モルタル中の細骨材容積が増加し粗骨材との摩擦が生じ易くなることや, 混和剤添加量の増大に伴いペースト分の粘性が低下したことが原因と推測される (2) 単位ペースト容積とモルタルの品質スクリーニングしたモルタルのフローおよび漏斗流下時間との関係を図 -8に示す 本実験は, 単位粗骨材容積を一定 ( 単位モルタル容積を一定 ) としたスランプフローの等しいコンクリートであり, モルタルの流動性 コンクリート種類 中流動 粉体系中流動 表 - コンクリートの配合および試験結果 ( 単位ペースト容積の影響 ) 8.3 W C S G SP VA 2.7 323 18 39 939-1.1 43. 4.9 3.3 3 17 3 99-1.4 46. 4. 32 849 3.7 37 17 292 979-1.6 4. 4.2 4.2 3 16 283 999-1.8 43.. 2.2 331 17 3 919-1. 46. 4.9 2.8 323 17 34 94-1.2 47..2. 3.3 314 32 16 33 962 849-1. 46..3. s/a Vp Vg 単位量 (kg/m 3 ) 混和剤 (C %) スランプフロー (cm) 空気量 3.9 36 16 32 983-1.9 4..8 4.4 298 3 4-2.4 43. 6. 1.6 339 18 36 897.9-4. 4. 2.2 331 17 3 919 1.1-44. 4.1 2.8 323 17 34 94 1. - 46. 4. 32 849 3.3 314 16 33 962 1.6-47.. 3.9 36 16 32 983 1.8-44..6 4.4 298 3 4 2. - 43..9

コンクリートのブリーディング率 モルタルフロー (mm) モルタルの漏斗流下時間 ( 秒 ) コンクリートのブリーディング率 コンクリートの漏斗流下時間 ( 秒 ) はほぼ同じになると考えられる しかし, 単位ペースト 容積が, 中流動コンクリートの場合 3L/m 3 程 度, 粉体系の場合 32L/m 3 程度を下回るとモルタルフロ ーが急激に低下した また, 漏斗流下時間も同様の単位 ペースト容積を境に, 急激に遅くなる傾向が認められる 見掛け上, コンクリートの流動性が等しい場合でも, コ ンクリート中のペースト量の割合によりモルタルの性 質が大きく異なることを示す結果である (3) 材料分離抵抗性の確保に必要なモルタルの品質 水セメント比 8.3% の中流動コンクリートの ブリーディング率とスクリーニングしたモルタルの漏 斗流下時間の関係を, 前章の結果と共に図 -9 に示す 単位ペースト容積が一定の場合, 単位粗骨材絶対容積 の増加に伴いモルタルの漏斗流下時間は速くなり, ブリ ーディング率は大きくなった 本実験条件では, 単位粗 骨材絶対容積の増加に伴いモルタル中の細骨材容積が 減少し, 相対的にペースト分の多いモルタルとなる そ のため, モルタルレベルでは, 細骨材の噛み合いによる 影響が生じ難くなりモルタルの漏斗流下時間は速くな り, コンクリートレベルでは, モルタルの保水性が低下 するためブリーディング率が増大したと考えられる 一方, 単位粗骨材絶対容積が一定 ( 単位モルタル容積 が一定 ) の場合, 単位ペースト容積の減少に伴いモルタ ルの漏斗流下時間は遅くなり, ブリーディング率は増大 した 単位ペースト容積の減少に伴いモルタル中の細骨 材容積が増大するため, モルタルとして同じ流動性を確 保するにはペーストの流動性を大きくする必要があり, 混和剤添加量が増大することとなる そのため, モルタ ルレベルでは, 細骨材の噛み合いによる影響が生じ易く なりモルタルの漏斗流下時間が遅延するとともに, コン クリートレベルではペースト相の粘性が低下するため ブリーディング率が増加したと考えられる これらの結果は, ブリーディングの少ない材料分離抵 抗性に優れた中流動コンクリートを得るには, コンクリ ート中のモルタルを構成するペーストと細骨材の容積 割合ならびに混和剤添加量を適切に設定し, ある適正な 粘性を有するモルタルとする必要があると言える また, 単位粗骨材絶対容積も上記の適正なモルタルが得られ る範囲に設定する必要があると考えられる 本実験によ れば, モルタル漏斗流下時間が ~ 秒程度のモルタル とすることで, ブリーディングの少ない中流動コンクリ ートが得られると考えられる ただし, 使用材料の違い などにより, 適正な漏斗流下時間は相違すると考えられ るため, 今後さらなる検討が必要である 4.2 振動作用下で充塡したコンクリートの均質性 (1) 振動充塡性試験結果 単位ペースト容積を変化させた場合の振動充塡性試 8 6 4 2 24 22 2 18 16 14 12 Vg=32L/m 3 スランフ フロー 4±2cm 空気量 4.~6.% Vg=32L/m 3 スランフ フロー 4±2cm 空気量 4.~6.% 2 2 3 32 34 3 32 34 単位ペースト容積 図 -7 単位ペースト容積とコンクリートの品質 2 2 3 32 34 3 32 34 単位ペースト容積 験結果 ( 障害条件は) を図 - に示す 水セメント比や中流動コンクリートの種類によらず 単位ペースト容積が少なくなると自己充塡高さは低く なり, 充塡高さ 3cm に達するまでの振動作用時間は増 加した また, 間隙通過後のコンクリート試料に含まれ る粗骨材量も, 単位ペースト量の少ないコンクリートほ ど減少し, 均質性が損なわれる結果となった 凡例 種類 粉体系 図 -8 単位ペースト容積とモルタルの品質 8 6 4 2 凡例 スランプフロー 4±2cm,=8.3% 中流動コンクリート Vg 増加 Vp 一定 Vg: 単位粗骨材絶対容積 Vp: 単位ペースト容積 Vg 一定 Vp 減少 凡例 Vg Vp 32 3~323 3~38 3 種類 粉体系 2 モルタルの漏斗流下時間 ( 秒 ) 8.3.. 8.3.. 図 -9 ブリーディング率とモルタル漏斗流下時間

間隙通過に伴う粗骨材量変化率 自己充填高さ (cm) 充填高さ 3cm までの作用時間 ( 秒 ) 間隙通過に伴う粗骨材量変化率 3 3 2 2 本実験において, 自己充塡性や振動作用下における均 質性の低下が顕著となる単位ペースト容積は 3~ 32L/m 3 以下であり, 前節で検討したブリーディング率 の増加やモルタルの品質変化が顕著となる単位ペース ト容積と概ね一致している ブリーディングが少なく適 切な粘性を有するモルタルから構成される中流動コン クリートが, 自己充塡性に優れるとともに, 振動作用下 でも均質な状態で型枠の隅々まで充てんできることを 示す結果と考えられる (2) 振動作用時間が均質性に及ぼす影響 振動充塡性試験における充塡高さ 3cm に達するまで の振動作用時間と間隙通過後の粗骨材量変化率の関係 を, 前章の結果と合わせて図 -11 に示す 本研究で検討した単位ペースト容積および単位粗骨 材容積の範囲では, 中流動コンクリートの種類や水セメ ント比などの配合条件ならびに障害条件のランクによ らず, 充塡に要する振動作用時間が長くなるほど間隙通 過に伴い粗骨材量が減少し均質性が損なわれる傾向に ある 特に, 振動作用時間が 秒程度以上となると均 質性の低下が顕著である 中流動コンクリートの配合選 定に際しては, 振動作用下における充塡性の照査も重要 であることを示す結果と考えられる. まとめ 障害条件 Vg=32L/m 3 スランフ フロー 4±2cm 空気量 4.~6.% 凡例種類 8.3. 粉体系. -3 29 3 3 32 33 34 29 3 3 32 33 34 29 3 3 32 33 34 単位ペースト容積 単位ペースト容積 単位ペースト容積 図 - 振動充塡性試験結果 ( 単位ペースト容積の影響 ) 軽微な振動締固めにより充塡する高流動コンクリー ト ( 中流動コンクリート ) を対象に, ブリーディング特 性や振動作用下における均質性に及ぼす配合条件の影 響を実験的に検討した 水セメント比 ~6% 程度, ス ランプフロー 4cm 程度の中流動コンクリートに関して 得られた知見を以下に示す 4 3 2 障害条件 (1) ブリーディング率の小さい中流動コンクリートを 得るにはモルタルの流動性と粘性を制御する必要 がある 落下運動を与えないモルタルフローが 18 ~2mm 程度で, 漏斗流下時間が ~ 秒程度のモ Vg=32L/m 3 スランフ フロー 4±2cm 空気量 4.~6.% 凡例種類 8.3. 粉体系. ルタルから構成される中流動コンクリートは, ブリ ーディング率を約 3% 以下に低減できる (2) 振動作用下で間隙を通過させた中流動コンクリー トの均質性を確保するには, 構造条件に応じて単位 粗骨材絶対容積を設定することが肝要で, 標準的な 構造条件 ( 鋼材のあき 6~2mm 程度 ) の場合に は, 単位粗骨材絶対容積を 34L/m 3 以下にする必要 がある また, 過剰な振動作用は均質性の低下を招 くため, 振動時間 秒程度以下で充塡できる配合 とする必要がある 参考文献 - -2 - -2 1) 作井孝光他 ; 加振併用型充てんコンクリートを用い た合成構造沈埋函の施工, セメント コンクリート, No.714,pp.33-39,26.8 2) 中間祥二他 ; 中流動コンクリートを用いたトンネル 覆工の施工 北海道横断自動車道久留喜トンネル, コンクリート工学,Vol.48,No.6,pp.2-3,2.6 3) 例えば, 日刊工業新聞 ;211..7 記事 間隙通過後, 粗骨材量増加 減少 4) 岡村甫他 ; ハイパフォーマンスコンクリート,p.42, 技法堂出版,1993.9 間隙通過後, 粗骨材量増加 減少 スランプフロー 4±2cm 単位ペースト容積 292~339L/m 3 単位粗骨材絶対容積 3~38L/m 3 障害条件 凡例種類 8.3. 粉体系. 種類 障害条件ランク2 増粘 8.3 剤系ランク1. 粉体系 -3 2 3 4 充填高さ3cmまでの作用時間 ( 秒 ) 図 -11 振動作用時間と粗骨材量変化率