温水性のカワアナゴ テンジクカワアナゴ ボウズハゼ ナンヨウボウズハゼ ウロハゼの 5 種をとり上げ 確認状況を整理しました これら 5 種はいずれも現状で分布の北限が日本列島上にあると考えられます また両側回遊性のため海を通じて分布域の変化が可能なため 純淡水魚と比較すると 温度変化による分布域変

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参考資料 4(1) (BOD 調査地点 ) (2/8) 北上川 江合川 大深沢 AA 雄物川 玉川 玉川橋 A 0.5 < 北上川 江合川 短台 B 雄物川 玉川 長野 A 0.5 < 北上川 砂鉄川 門崎橋 A

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

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4. 水田の評価法|鳥類に優しい水田がわかる生物多様性の調査・評価マニュアル

140 天塩川 留萌川久慈川信濃川 狩野川 120 常呂川 阿賀野川 庄川 豊川 雲出川 由良川 九頭竜川 高梁川 小瀬川 嘉瀬川 小丸川 ダム湖流入河川セグメントM セグメント1 セグメント2-1 セグメント2-2

目次 1 河川技術者資格について 資格取得 資格登録までの流れ 資格試験について 受験資格 試験における考査方法 出題の科目及び出題数 試験基準 合格基準 試験日時 試験地 試験会場

電気使用量集計 年 月 kw 平均気温冷暖平均 基準比 基準比半期集計年間集計 , , ,

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5 留意事項 携帯電話事業者毎の基地局や通信システムの関係により 配信対象となる市町村よりも広範囲のエリアに緊急速報メールが送信されることがあります 携帯電話等の電源が入っていない場合や 圏外 電波状況の悪い場所 機内モード時 通話中 パケット通信中の場合は受信することができません ご利用の機種によ

(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1

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2.2 河川管理との関わり ( 河川の自然度 健全度 ) ここでは 底生動物を用いた生物学的水質総合評価や水生昆虫類の多様性等を整理し 現在の河川の自然環境について検討しました 水質環境の良好さ(EPT 種類数 ) ( 底生動物調査 ) EPT 種類数の高い河川は東北地方の北上川底生動物を用いた水質

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2. エルニーニョ / ラニーニャ現象の日本への影響前記 1. で触れたように エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海洋 大気場と密接な関わりを持つ大規模な現象です そのため エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海流や大気の流れを通じたテレコネクション ( キーワード ) を経て日本へも影響

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( 第 1 章 はじめに ) などの総称 ) の信頼性自体は現在気候の再現性を評価することで確認できるが 将来気候における 数年から数十年周期の自然変動の影響に伴う不確実性は定量的に評価することができなかった こ の不確実性は 降水量の将来変化において特に顕著である ( 詳細は 1.4 節を参照 )

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正誤表 ( 抜粋版 ) 気象庁訳 (2015 年 7 月 1 日版 ) 注意 この資料は IPCC 第 5 次評価報告書第 1 作業部会報告書の正誤表を 日本語訳版に関連する部分について抜粋して翻訳 作成したものである この翻訳は IPCC ホームページに掲載された正誤表 (2015 年 4 月 1

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注 3) 化学物質環境実態調査 ( 黒本調査 ) は 非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査 ( 平成 5 ~13 年度 ) モニタリング調査 ( 平成 14 年度 ~) のデータをまとめた 注 4) 化学物質環境実態調査 ( 黒本調査 ) 内分泌攪乱化学物質における環境実態調査 については 環境中の

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表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

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1.4 地球温暖化地球温暖化は 人間活動で排出される温室効果ガス等が地表面から放射される熱を温室効果ガスが吸収 再放射して大気が温まり 地球全体の気温が上昇する現象です 地球温暖化と河川水温との関係は明らかになっておりませんが ここでは 水温の変化により魚類の生息分布域が変化する可能性があるか 以下の条件に合う指標種 5 種を設定して分布の変化について調べました 1 温水性で分布が温度制限を受ける種 2 分布の端が日本列島上にあり 分布域の変化が判断できる 3 地理的隔離の影響が少なく 温度変化による分布域変化の応答がよい ( 通し回遊魚など ) 分布域の変化の把握 ( 魚類調査 ) 指標種 5 種の分布の変化について整理指標種 5 種 ( カワアナゴ テンジクカワアナゴ ボウズハゼ ナンヨウボウズハゼ ウロハゼ ) を設定して 調査巡目別に指標種の分布域の変化の状況を調べました 指標種のうちカワアナゴ テンジクカワアナゴは4 巡目と5 巡目を比較すると日本海側河川への出現状況に変動が伺え テンジクカワアナゴは静岡県以南に散発的に出現する傾向が伺えました ウロハゼは 確認河川の割合は増加しましたが 明確な分布限界の更新はみられませんでした 他の指標種 2 種は 分布の変化の傾向はつかめませんでした ( 資料掲載 : 1-37~1-51ページ 1-75~1-78ページ ) 1~5 巡目調査の確認河川数の比較 1 巡目調査 2 巡目調査 3 巡目調査 4 巡目調査 5 巡目調査種類 (76 河川 ) (119 河川 ) (122 河川 ) (123 河川 ) (53 河川 ) 15 河川 27 河川 35 河川 38 河川 18 河川カワアナゴ 19.7 22.7 28.7 30.9 34.0 0 河川 2 河川 1 河川 1 河川 2 河川テンジクカワアナゴ 0.0 1.7 0.8 0.8 3.8 9 河川 21 河川 21 河川 24 河川 9 河川ボウズハゼ 11.8 17.6 17.2 19.5 17.0 0 河川 1 河川 0 河川 1 河川 0 河川ナンヨウボウズハゼ 0.0 0.8 0.0 0.8 0.0 22 河川 43 河川 50 河川 61 河川 30 河川ウロハゼ 28.9 36.1 41.0 49.6 56.6 確認河川数の比較は 調査実施全河川のうち 直轄管理区間のデータを対象とした 1~4 巡目調査のデータは 調査実施全河川のうち 種名等について真正化され 河川環境データベースに格納されている調査データを対象にした () 内は調査実施河川数を示す 内は確認河川数の調査実施河川数に対する割合(%) を示す 5 巡目調査のデータは H23 H24 調査の合計 1-35

温水性のカワアナゴ テンジクカワアナゴ ボウズハゼ ナンヨウボウズハゼ ウロハゼの 5 種をとり上げ 確認状況を整理しました これら 5 種はいずれも現状で分布の北限が日本列島上にあると考えられます また両側回遊性のため海を通じて分布域の変化が可能なため 純淡水魚と比較すると 温度変化による分布域変化の応答がよいと考えられます カワアナゴは 種子島から栃木県までが分布範囲とされています注 1) 本種は 5 巡目調査 (H23) では 22 河川中 11 河川で確認されました 太平洋側での確認地点は 1 巡目調査が関東地方の利根川 2 巡目調査が関東地方の鶴見川 3 巡目調査が関東地方の那珂川 4 巡目調査 ( 平成 18 年度 ~22 年度 ) が那珂川まででした 5 巡目調査 (H23 H24) 結果では 分布の北端 東端が多摩川でした また 3 巡目以降日本海側の高津川 北川 由良川でも確認されるようになりましたが 5 巡目では日本海側の一級河川では確認されていません これらのことから カワアナゴの分布は太平洋側ではほぼ北限の関東地方までの確認がされている状態でありますが 日本海側における分布域は不明瞭な状況です テンジクカワアナゴは 西表島から静岡県までが分布範囲とされています注 1) 本種は 5 巡目調査 (H23 H24) 結果では 53 河川中 2 河川で確認されました 本種の確認地点は 1 巡目調査では確認されず 2 巡目調査関東地方の富士川 3 巡目調査が四国地方の渡川 4 巡目調査が中部地方の菊川 5 巡目調査 (H23) が四国の渡川まででした 確認河川数は少ないですが 今回は これまでより南側の河川での確認であったことから温暖化による本種の分布拡大は認められませんでした ボウズハゼは 西表島から栃木県箒川までが分布範囲とされています注 1) 本種は 5 巡目調査 (H23 H24) では 53 河川中 9 河川で確認されました 本種の確認地点は 1 巡目調査が関東地方の富士川 2 巡目調査が関東地方の久慈川 3 巡目調査が関東地方の那珂川 4 巡目調査が那珂川 5 巡目調査 (H23 H24) が関東地方の相模川まででした 分布域の変化について明確な傾向はつかめませんでした ナンヨウボウズハゼは 5 巡目調査 (H23 H24) では確認されませんでした 太平洋側の分布の北端 東端については 1 巡目調査 3 巡目調査では確認されず 2 巡目調査が中部地方の菊川 4 巡目調査が九州地方の肝属川でした 確認河川数が少なく 分布域の変化を評価するのには情報不足でした ウロハゼは 太平洋側の分布域は茨城県以南となっています注 1) 分布北端 東端となる関東地方の確認河川数は 1 巡目調査 0 河川 2 巡目調査 1 河川 3 巡目調査 3 河川 4 巡目調査 4 河川と増加傾向にあり 個体数 生息河川数の増大がうかがえましたが 明確な分布限界の更新はみられませんでした 5 巡目調査 (H23 H24) でも関東地方では 1 河川で確認され温暖化による本種の分布域の変化は認められませんでした 水温変化を受けやすい魚類の生息やその分布域については 今後も引き続きモニタリングを続けていくことが必要と考えられます 注 1) 出典 : 日本魚類検索 ( 第 2 版,2000 年 ) 1-36

1 巡目調査 ( 平成 2~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) カワアナゴの確認された地域 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 1-37

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 4 巡目調査 ( 平成 18~22 年度 ) カワアナゴの確認された地域 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 1-38

5 巡目調査 ( 平成 23~24 年度 ) 渚滑川湧別川 岩木川 野内川 高瀬川 最上川 鵡川 十勝川 信濃川 赤川 小瀬川 与保呂川 福田川 加古川揖保川 九頭竜川 鵜川 庄川黒部川 北上川名取川夏井川 鮫川 遠賀川 松浦川 山国川 肱川 高梁川 万之瀬川 筑後川 広渡川 五ヶ瀬川 淀川 ( 瀬田川 ) ( 猪名川 ) ( 木津川 ) ( 野洲川 ) ( 淀川 ) ( 寝屋川 ) ( 船橋川 ) ( 穂谷川 ) ( 天野川 ) 大和川富田川 天竜川豊川高浜川 庄内川志登茂川 相模川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) カワアナゴの確認された地域 (5 巡目調査 ) 注 1) は 調査未実施の河川を示す 注 2) 5 巡目調査には 一級水系指定区間および二級水系での調査を含む 注 3) は 二級水系 ( 河川 ) を示す 1-39

1 巡目調査 ( 平成 2~7 年度 ) 出現なし 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) テンジクカワアナゴの確認された地域 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 1-40

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 4 巡目調査 ( 平成 18~22 年度 ) テンジクカワアナゴの確認された地域 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 1-41

5 巡目調査 ( 平成 23~24 年度 ) 渚滑川湧別川 岩木川 野内川 高瀬川 最上川 鵡川 十勝川 信濃川 赤川 小瀬川 与保呂川 福田川 加古川揖保川 九頭竜川 鵜川 庄川黒部川 北上川名取川夏井川 鮫川 遠賀川 松浦川 山国川 肱川 高梁川 万之瀬川 筑後川 広渡川 五ヶ瀬川 淀川 ( 瀬田川 ) ( 猪名川 ) ( 木津川 ) ( 野洲川 ) ( 淀川 ) ( 寝屋川 ) ( 船橋川 ) ( 穂谷川 ) ( 天野川 ) 大和川富田川 天竜川豊川高浜川 庄内川志登茂川 相模川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) テンジクカワアナゴの確認された地域 (5 巡目調査 ) 注 1) は 調査未実施の河川を示す 注 2) 5 巡目調査には 一級水系指定区間および二級水系での調査を含む 注 3) は 二級水系 ( 河川 ) を示す 1-42

1 巡目調査 ( 平成 2~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ボウズハゼの確認された地域 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 1-43

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 4 巡目調査 ( 平成 18~22 年度 ) ボウズハゼの確認された地域 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 1-44

5 巡目調査 ( 平成 23~24 年度 ) 渚滑川湧別川 岩木川 野内川 高瀬川 最上川 鵡川 十勝川 信濃川 赤川 小瀬川 与保呂川 福田川 加古川揖保川 九頭竜川 鵜川 庄川黒部川 北上川名取川夏井川 鮫川 遠賀川 松浦川 山国川 肱川 高梁川 万之瀬川 筑後川 広渡川 五ヶ瀬川 淀川 ( 瀬田川 ) ( 猪名川 ) ( 木津川 ) ( 野洲川 ) ( 淀川 ) ( 寝屋川 ) ( 船橋川 ) ( 穂谷川 ) ( 天野川 ) 大和川富田川 天竜川豊川高浜川 庄内川志登茂川 相模川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) ボウズハゼの確認された地域 (5 巡目調査 ) 注 1) は 調査未実施の河川を示す 注 2) 5 巡目調査には 一級水系指定区間および二級水系での調査を含む 注 3) は 二級水系 ( 河川 ) を示す 1-45

1 巡目調査 ( 平成 2~7 年度 ) 出現なし 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ナンヨウボウズハゼの確認された地域 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 1-46

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 出現なし 4 巡目調査 ( 平成 18~22 年度 ) ナンヨウボウズハゼの確認された地域 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 1-47

5 巡目調査 ( 平成 23~24 年度 ) 渚滑川湧別川 出現なし 岩木川 野内川 高瀬川 最上川 鵡川 十勝川 信濃川 赤川 小瀬川 与保呂川 福田川 加古川揖保川 九頭竜川 鵜川 庄川黒部川 北上川名取川夏井川 鮫川 遠賀川 松浦川 山国川肱川 高梁川 万之瀬川 筑後川 広渡川 五ヶ瀬川 淀川 ( 瀬田川 ) ( 猪名川 ) ( 木津川 ) ( 野洲川 ) ( 淀川 ) ( 寝屋川 ) ( 船橋川 ) ( 穂谷川 ) ( 天野川 ) 大和川富田川 天竜川豊川高浜川 庄内川志登茂川 相模川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) ナンヨウボウズハゼの確認された地域 (5 巡目調査 ) 注 1) は 調査未実施の河川を示す 注 2) 5 巡目調査には 一級水系指定区間および二級水系での調査を含む 注 3) は 二級水系 ( 河川 ) を示す 1-48

1 巡目調査 ( 平成 2~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ウロハゼの確認された地域 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 1-49

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 4 巡目調査 ( 平成 18~22 年度 ) ウロハゼの確認された地域 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 1-50

5 巡目調査 ( 平成 23~24 年度 ) 渚滑川湧別川 岩木川 野内川 高瀬川 最上川 鵡川 十勝川 信濃川 赤川 小瀬川 与保呂川 福田川 加古川揖保川 九頭竜川 鵜川 庄川黒部川 北上川名取川夏井川 鮫川 遠賀川 松浦川 山国川 肱川 高梁川 万之瀬川 筑後川 広渡川 五ヶ瀬川 淀川 ( 瀬田川 ) ( 猪名川 ) ( 木津川 ) ( 野洲川 ) ( 淀川 ) ( 寝屋川 ) ( 船橋川 ) ( 穂谷川 ) ( 天野川 ) 大和川富田川 天竜川豊川高浜川 庄内川志登茂川 相模川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) ウロハゼの確認された地域 (5 巡目調査 ) 注 1) は 調査未実施の河川を示す 注 2) 5 巡目調査には 一級水系指定区間および二級水系での調査を含む 注 3) は 二級水系 ( 河川 ) を示す 1-51