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令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

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最新条例価格 2017 年 No.12 から 最新の買い取り価格は再可能エネルギーの種類ごとに以下の通りなる Regulation of the MEMR ( エネルギー鉱山資源省 /Minister of Energy and Mineral Resources) Kind of EBT Tari

No 操業開始地熱発電所名エリア 年 Kamojang Drajat Unit 5 カモジャン ラジャット第 5 基 2019 年までの地熱発電増量計画 発電量 西ジャワ州ガルット 35 操業会社 2015 年予定発電量小計 年 北スマトラ州

(3) インドネシアインドネシアの電力供給は 石炭が 5 割 コンバインドサイクル 2 割 ディーゼル 1 割 水力 1 割 その他 1 割となっている 2015 年の総発電設備容量は PLN 3 が約 8 割 IPP が 2 割弱を 残り数 % を自家発電事業者 (PPU) が占めている 同国で

表1-4

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バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案


平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

(1) プロジェクトの背景 必要性 インドネシア政府は 急増する電力需要に対応するために電力開発を急いでいるが 電源の多様化や再生可能エネルギーの開発にも重点を置いている 再生可能エネルギーの開発のために インドネシア政府は 10,000 MW 開発計画 Crash Program II を進めてい


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参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

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Paiton Energy によって所有され これは International Power 三井物産 東京電力 PT Batu Hitam Perkasa のコンソーシアムで構成されている 中央ジャワの Jepara にある PLTU Tangjung Jati B のユニット 3 とユニット 4

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欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

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参考 内部評価結果調書 ( 施策評価 4) 施策名 新しいしいエネルギーエネルギーの導入導入と活用 担当部局 農林水産環境部 担当部局長の氏名 緒方和之 PLAN 総合計画 ( 前期基本計画 ) 基本方針 ( 政策 ) 計画項目 ( 施策 ) Ⅱ 環境循環都市 2 新しいエネルギーの導入と活用 施策

対策名 1 温室効果ガスの排出の抑制等に資する設備の選択キ未利用エネルギーの活用のための設備導水 送水 配水等における管路の残存圧力等を利用した小水力発電設備の導入 概要 地形の高低差から生じる水の位置エネルギーがある場所や導水管路 送水管路 配水池入口等で余剰圧力が利用できる場所 あるいは弁の開度

区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみであり 十分な公共交通手段が確保されていないため 同エリアと周辺に住む住民はバスや自動車等により通勤しているが 道路の混雑により 通勤に大きな支障が出ている 加えて 南北鉄道事業南線 ( 通勤線 ) ( 以下 本事業 という ) の対象区間には

政府説明資料

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インドネシアにおける 電力分野の協力 2015 年 6 月独立行政法人国際協力機構 (JICA) 東南アジア 大洋州部東南アジア第 1 課

2 目次 1 インドネシアの電力事情 2 JICA の協力の方針 現状 3 電力分野における今後の支援の方向性 ( 参考 ) 地熱発電事業への協力

1. インドネシアの電力事情 総発電設備容量 :43,457MW( 内 IPP は 23%)( 注 :2014 年の数値 ) ( 参考 ) 関西電力 (36,912MW) と北海道電力 (7,548MW) を合わせた電力量と同程度 年間電気消費量 :219.1TWh( 注 :2014 年の数値 ) ( 家庭 41% 工業 34% 商業 19% 公共 6%) 電力需要伸び率 : 年平均 8.7%(2015-24 年 ) 電化率 :84.4% 但し 約 4,000 万人は電気がない生活 総発電設備容量 年間電気消費量 出典 :PLN( 国有電力会社 ) 資料 (RUPTL 2014-2023を抜粋 ) 3

1. インドネシアの電力事情 4 出典 :PLN( 国有電力会社 ) 公表資料 35GW 電力開発計画 2019 年までの 5 年間で 36,585MW の新規電源開発を行う IPP : 25,904MW, PLN : 13,833MW 計画促進に向けた推進策 用地取得加速化 : 用地取得法 (2012 年 2 号 ) 及び関連細則 許認可 : 投資調整庁 (BKPM) によるワンストップサービスの開始 事業権入札 : 拡張案件への直接指名 指名入札等の導入

1. インドネシアの電力事情 5 発電用一次エネルギー 太陽光 0% 水力 6% 天然ガス 25% バイオマス 0% 石油 11% 2015 地熱その他 4% 0% 石炭 54% 水力 5% 天然ガス 20% 石油 2% 太陽光 0% バイオマス 0% 2019 石炭 70% 地熱 3% その他 0% 出典 :RUPTL 2015-2024 (PLN: 国有電力会社 )

2.JICA の協力の方針 現状 6 電力分野への支援の柱 ( 協力プログラム ) 1. 首都圏への電力安定供給プログラム ( 更なる経済成長への支援 ) - 発電所整備 - 送電線整備 35GW 計画への貢献 2. 地方電力 資源開発 ( 不均衡の是正と安全な社会造りへの支援 ) - 発電所整備 ( 含 地熱 ) - 送電線整備 3. 温室効果ガス排出抑制 ( 緩和策 ) ( アジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上のための支援 ) - 再生可能エネルギー開発 - 省エネ 国別援助方針 (2012 年 4 月 ) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/hoshin/pdfs/indonesia.pdf

2.JICA の協力の方針 現状 電力分野に対する主な JICA の支援実績 ( インフラ整備 ) プサンガン水力発電所 南スマトラ - 西ジャワガスパイプライン ラヘンドン地熱発電所 アサハン水力発電所 ジャワ - スマトラ連係送電線 バンジャルマシン石炭火力発電所 北西スマトラ連系送電線 フルライス地熱発電所 クラマサン火力発電所 ムアラカラン火力発電所タンジュンプリオク火力発電所ムアラタワル火力発電所 トンセアラマ水力発電所 バカル水力発電所 ルムットバライ地熱発電所 インドラマユ石炭発電所 スマラン火力発電所 ウルブル地熱発電所 グレシック火力発電所 タラハン石炭火力発電所 ジャワ バリ基幹送電線 中西部ジャワ送電線 サグリン水力発電所 ブランタス水力発電所 完成済実施中準備中 7

2.JICA の協力の方針 現状 政策 省エネ 地熱 石炭 事業名概要実施期間 電力 エネルギー政策アドバイザー 省エネルギー普及促進調査 デマンドサイドマネジメント実施促進調査 グリーン経済政策能力強化プロジェクト 省エネ施策評価の新手法開発 ( マージナル アベイトメント コスト カーブ ) 地熱開発マスタープラン調査 電力分野に対する主な JICA の主な支援実績 ( 技術協力 ) エネルギー鉱物資源省に対し 電力 エネルギー政策の助言に係る専門家を派遣 省エネルギー普及に係るロードマップ アクションプランの策定 省エネラベル インセンティブ策等を通じたデマンドサイドマネジメント計画の策定 財務省内の政策研究機関である財務省財政政策庁 (FPA) のグリーン経済促進ための能力の強化 省エネ施策の定量的効果を MACC により可視化し 省エネ政策 評価の提言を行う 全国の地熱ポテンシャル開発に係るマスタープラン作成 2011-2014 2014-2016 2007-2009 2010-2011 2014-2015 2014-2015 2006-2007 地熱開発技術力向上支援プロジェクト地質庁に対する地熱探査能力向上に係る技術支援 2010-2013 地熱開発における中長期的な促進制度設計支援プロジェクト 地熱発電の大幅促進を目指した蒸気スポット検出と持続的源利用の技術開発プロジェクト クリーンコールテクノロジー導入促進プロジェクト 地熱開発促進のため 関連政策 試掘ファンドの運営 資源探査能力の向上を支援 地熱試掘費用の削減を目的とした 蒸気スポットの検出技術の開発のための科学技術協力 (SATREPS) 2014-2018 2015-2020 高効率の石炭活用に係るロードマップ等の策定支援 2011-2012 8

3. 電力分野における今後の支援の方向性 9 既存の大型インフラ案件の着実な実施 日本企業の関心等も踏まえた新規案件の形成 新政権 新開発政策を見据えた新規の協力の検討 IPP 事業への投資促進のための支援 ( 地熱分野等 ) 省エネルギー 再生可能エネルギー開発 地方電化率向上等における協力の推進

( 参考 ) 地熱発電事業への協力 10

11 目次 I. インドネシア地熱の現状 II. インドネシア政府の地熱開発計画 III. JICA のインドネシア地熱開発協力 IV. 日本企業による受注事業 ( 国営企業 IPP) マップ V. IPP 促進に向けた JICA の取組み

I. インドネシア地熱の現状 インドネシアは豊富な地熱ポテンシャルを有する ( 図 1) 堅調な経済成長を踏まえ増大するエネルギー需要に対し 新規電源開発が急務 ( 図 2) ( 図 1) 地熱ポテンシャルインドネシアの地熱ポテンシャルは約 28,000MW と世界第 2 位 他方で既設容量は約 1,200MW( 資源量の 4.3%) 程度 世界の地熱資源量 既設容量 ( 図 2) エネルギー需要 2013 年から 2022 年までにピークロードは年平均 8.2% 増加 供給予備力も加え 国有電力会社は年間 6,000MW の増強を目指す ピークロード予測 国名 資源量 (MW) 既設容量 (MW) アメリカ 30,000 3,102 インドネシア 27,790 1,197 日本 23,470 538 フィリピン 6,000 1,904 メキシコ 6,000 958 アイスランド 5,800 575 ニュージーランド 3,650 792 イタリア 3,270 843 MW 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 63,930 47,979 31,908 2013 2018 2022 出典 : 産業技術総合研究所, 2010 International Energy Agency, 2010 12 出典 : 電力供給事業計画 (RUPTL) 2013-2022, 国有電力会社 (PLN)

II. インドネシア政府の地熱開発計画 2014 年までに 国営企業及びIPPにより約 4,757MWの新規地熱開発が目標 ( 下図 ) 第二次クラッシュプログラム (2010~2014) 2010~2014 年までの新規電源開発計画 合計約 9,846 MWのうち 地熱は約半分 (4,757MW) ( 出典 : エネ鉱省令 2012 年 1 号 ) 国営企業と独立発電事業体 (IPP) による推進を目指す 開発主体内訳電源種別 合計 :9,846MW 合計 :4,757MW ガス火力 280MW バイオガス 64MW 国営企業案件 石炭火力 3,025MW 地熱 4,757MW 水力 1,720MW 2025 年には地熱既設容量 9,500MW の達成が目標 ( 地熱開発ロードマップ 2005 年 ) PGE : 国有石油会社の地熱子会社 (Pertamina Geothermal Energy) 13

III. JICA のインドネシア地熱開発協力 14 インドネシア政府方針に沿って 国営企業 IPP 両輪での支援を継続し 地熱開発政府目標の達成 さらには民間のビジネス拡大にも寄与 政策達成目標 ( 地熱開発ロードマップなど ) 地熱開発促進プログラム ( ) 等 国営企業案件 JICA ファイナンサーとして計 1,085 億円 (6 カ所 計 480MW) の円借款を供与 2012 年までに完成済の支援案件は日系企業が受注 引き続き入札予定の案件が続く見込み インド ネシア Pertamina/PGE PLN ( ) 複数の地熱開発案件からなる包括的なセクターローン 政府 IPP 促進制度枠組み IPP 案件 イ国政府の協力パートナーとして IPP 促進に向けた政策提言 技術協力を実施 試掘ファンド 固定価格買取制度 入札プロセス改善

IV. 日本企業による受注事業 ( 国営企業 IPP) マップ 近年中に完成予定を迎える大型案件が多く 国営企業案件 IPP 案件とも着実な進捗が期待される 国営企業 IPP ( は円借款供与案件 ) 2014 年 8 月末時点 案件名 (MW) 完成予定年 / 受注企業 ルムットバライ 1 2 号機 (110MW) 2017-2019 年 / コンサル :ELC( 伊 ) 本体 : 未定ルムットバライ 3 4 号機 (110MW) 2017-2019 年 / 未定 ウルブル 1 2 号機 (110MW) 2012 年 / コンサル : 西技 本体 : 住商 富士電機ウルブル 3 4 号機 (110MW) 2017 年 ( プレスリリース )/ 住商 富士電機 ラジャバサ (220MW) 2016 年 ( プレスリリース )/ 住商 スプリーム ( 尼 ) スエズ ( 仏 ) サルーラ (330MW) 2016 年 ( プレスリリース )/ 伊藤忠 九州電力 オーマット ( 米 ) メドコ ( 尼 ) ムアララボ (220MW) 2016 年 ( プレスリリース )/ 住商 スプリーム ( 尼 ) スエズ ( 仏 ) フルライス 1 2 号機 (110MW) 2018-2019 年 / 未定 ランタウ デダップ (220MW) 2016 年 ( プレスリリース )/ 丸紅 スプリーム ( 尼 ) スエズ ( 仏 ) ラヘンドン 2 号機 (20MW) 2007 年 / 住商 富士電機ラヘンドン 3 号機 (20MW) 2009 年 / コンサル : 西技 本体 : 住商 富士電機ラヘンドン 4 号機 (20MW) 2011 年 / 住商 富士電機 トゥレフ (20MW) 2018 年 / コンサル : 西技 サラク 4~6 号機 ( 詳細確認中 ) 1997 年 / 兼松 富士 パトゥーハ 1 号機 (55MW) 2014 年 / 丸紅 東芝 ダラジャ 1~3 号機 (246MW) 94 00 07/ 三菱重工 ( タービンのみ ) 出典 ( 地図 ): 地熱発電開発マスタープラン JICA, 2007 ワヤン ウィンドゥ 1 2 号機 (227MW) 00 08/ スターエナジー ( 尼 )(IPP 事業者 ) 住商 富士電機 カモジャン 1~3 号機 (140MW) 83 87, 87/ 三菱重工 ( タービンのみ ) カモジャン 4 号機 (63MW 1) 2006 年 / 住商 富士電機カモジャン 5 号機 (35MW 1) 2015 年 / 住商 富士電機 2012 年以降は特段記載がない場合は 電力供給事業計画 (RUPTL)2013-2022 に基づく 15

V. IPP 促進に向けた JICA の取組み IPP として事業を成立させるため 入札 試掘に係るリスク低減策を提案 IPP による開発を支援 これまでの課題 これまでの JICA の協力 利益 収入 支出 電力買取保証 平均販売価格 (kw h) 資 本 コ ス ト 現状 イ国政府の地熱開発に対する強い希望はあるも 開発事業の優先順位が明らかでなく 政府による保証も不明確 クラッシュプログラム案件については 財務省が保証 それ以外は PPP 案件となれば 政府保証機関 (IIGF) が保証 PLN に石炭より高い価格での電力買取インセンティブがなく 事業者にとっては 地熱鉱区入札時に提示した金額で PLN が電力を買い取るのか不明 PLN に落札者の価格が 9.7 セント /kwh 以下であった場合には 提示価格での買取を義務付け ただし クラッシュプログラム案件に限定 試掘前では事業リスクが大きくプロジェクトファイナンスの組成が困難 財務省は試掘ファンドを設立 しかし 運用細則は定まっておらず 入札者向けリスク低減策にも改善が必要 固定価格買取制度 (FIT) 調査 (2008-2009) 固定価格買取制度導入の有意性と目標価格 10.9cent/kwh を提言 固定価格買取制度の導入 今後必要な取組み 地熱マスタープラン調査 (2006-2007) 優先開発地域の設定と地熱開発のロードマップを策定 関連国内法令の調整 エネ鉱省は 2014 年 6 月 12 日付エネ鉱相令 2014 年第 17 号 において 固定価格買取制度の導入と固定買取価格の地域毎の引上げを決定 試掘ファンド設計調査 (2010-2011) 政府による試掘ファンド設立による試掘掘削リスク低減策を提言インドネシア地質庁能力向上支援 (2010-2013) インドネシア地質庁に対し 地熱資源データの収集 分析を支援 地熱開発における中長期的な促進制度設計支援 (2014-2018) 試掘ファンド運用細則の策定 実施体制構築の支援地熱発電の大幅促進を目指した蒸気スポット検出と持続的源利用の技術開発プロジェクト (2015 年開始 ) 地熱試掘費用の削減を目的とした 蒸気スポットの検出技術の開発のための科学技術協力 (SATREPS) 16