溶液溶媒 + 溶質 均一な相 溶質を溶かしている物質 溶けている物質 固体 + 液体液体 + 固体 溶質 (solute) イオンの形に解離して溶けているもの ( 電解質 ) 酸と塩基 Copyrigt: A.Asno 1 水素イオン濃度 (ydrogenion concentrtion) 水素イオン指数 (ydrogenion exponent; p) 水の電離 O + O O + + O O + + O Oはほとんど電離せず は一定とみなしてよい 1 1.0 (5 の値 ) 10 水のイオン積 (ionic product) [mol dm ] 純水の伝導率や電池の起電力などから求められる Copyrigt: A.Asno 1 [ ][O ] 1.010 7 [ ] 1.010 mol dm 水素イオン濃度を表すのに log 10 をとって指数で表示するのが便利 7 p log([ ]) log(1.0 10 ) 7 log( [O ]) 同様に水酸イオン (O) 濃度も定義される 7 po log([o ]) log(1.0 10 ) 7 すぐにわかるように p po log([ ]) log([o ]) 1 log([ ]) log( /[ ]) ちなみに log e ln log([ ]) log( ) log([ ]) log([ ][O ]) Copyrigt: A.Asno 酸 (cid, ラテン語の cetum から ) と塩基 (se, [likli, アラビア語 lklj ( 植物の灰 )]) J.R. Gluer (1018) アルカリは酸と相反するもので 塩はこれら つから構成される R. Boyle (17191) 青色リトマスが酸により赤変することを発見 J.L. GyLussc (17781850) 酸には酸素酸と水素酸の 種類があると考える J. Lieig (180187)188 年 : 酸の酸性は水素にあると考え 酸とは金属で置換できる水素を含む物質である 塩基とは酸を中和して塩と水を生じる物質 酸と塩基の定義 1887 年 ;S.A. Arreniusの電離説 ( 水溶液 ) 19 年 ;J.. BronstedとT.M. Lory 説 ( 非水溶液 プロトン性溶媒 ) 19 年 ;G.. Leis 説 ( 非プロトン性溶媒 ) Copyrigt: A.Asno Arrenius の電離説 ( 水溶液のみ摘要可 ) 酸とは水に溶けて水素イオン + を生じる物質であり 塩基とは水にとけて水酸化物イオン O を生じる物質である Cl(gs) + O(liq) O + + Cl (q) 塩化水素 塩酸 p log([ この場合 p < 7 + イオンが増加したのに p の数字が減る? もう一度 定義を考えてみましょう ]) 7 p log(10 ) 7 p log(10 ) + イオンの濃度は 10のべき乗 (10 x ) として表される したがって 10 7 より + イオンが例えば 10 に増えると 値は 10 > 10 7 ですが pとしては < 7 なのでp の値は減少します Copyrigt: A.Asno 5 Bronsted Lory の酸塩基説 ( 非水溶液 プロトン性溶媒にも摘要可 ) 酸とは水素の原子核 ( プロトン, + ) を 物質であり 塩基とはプロトンを ことのできる物質である 酸は塩基とプロトンとの結合によって生成したものである 共役酸 塩基対 Cl(gs) + O(liq) O + + Cl (q) 酸 1 塩基 酸 塩基 1 酸 (Cl) + + 塩基 (Cl ) Bronsted Lory の定義によれば プロトンをもつ化合物は酸にも塩基にもなり得る 同じ 共役であるという (conjugte) 共役塩基 Copyrigt: A.Asno 1
SO の場合 Leis の酸塩基説 ( 非プロトン性溶媒までも摘要可 一般化 ) B + B の化学反応の酸と塩基 SO + + SO SO + + SO 酸 塩基 酸 塩基 SO は酸にも塩基にもなっている 酸の強さ 酸が強い = 塩基へプロトンを供与する能力が大きい 強酸 ( 優れたプロトン供与体 )= + 弱塩基 ( 貧弱なプロトン受容体 ) 例 :Cl; Cl は弱塩基 弱酸 ( 貧弱なプロトン供与体 )= + 強塩基 ( 優れたプロトン受容体 ) 例 :C; C は強塩基 Copyrigt: A.Asno 7 酸とは電子対を受け取る物質 ( 電子対受容体 :electron cceptor) 塩基とは電子対を供与する物質 ( 電子対供与体 :electron donor) 非プロトン性溶媒 (protic solvent) にも拡張された定義 [CCl, C C などの有機溶媒系に特に有効 ] 例酸 : + とB を考えてみます 酸はこれまで基本的に + を供与する物質と定義されている + + は電子を欠いている 正確には電子対を欠いている O などの電子対を持っているものを受容できるのである ルイス酸 + + O ルイス塩基 O Copyrigt: A.Asno 8 B : B は 1s s p 1 で (sp 混成軌道 ) は 1s s p 5 だから B 酸 B 同様に は が 1s s p より ルイス酸 : +, B, O +, SO B + ルイス塩基 :O, O,,, O 塩基 B などなど Copyrigt: A.Asno 9 Bronsted Lory の酸塩基説 ( 非水溶液 プロトン性溶媒にも摘要可 ) 水溶液では この理論 定義を利用します 酸とは水素の原子核 ( プロトン, + ) を放出できる物質であり 塩基とはプロトンを受容することのできる物質である 弱酸弱塩基の解離定数 (dissocition constnt) 強電解質の強酸 強塩基はほぼ 100% 解離して イオンとなっているので [+] や [O] イオンの濃度は それぞれの酸 塩基の濃度と等しいとおける 弱酸 弱塩基は水溶液中で電離平衡になる 弱電解質で講義した平衡定数という概念が摘要される 酸 塩基の場合 解離定数という Copyrigt: A.Asno 10 酢酸 (C COO) C COO + O O + + C COO 解離定数 (: cid) ( 酸解離定数 ) 1 mol dm 以下の希薄水溶液中では Oの濃度は酸 (A) に比べて非常に多く 一定であるとみなせる pと同様に p も定義される p log[ ] p が小さいほど強い酸である が大きい Copyrigt: A.Asno 11 同様に弱塩基も塩基解離定数 が定義される + O + + O p も同様に定義できて p が小さいほど強い塩基である 一般に酸は A で 塩基は B で表すと と は [ ][A ] [A] p [B ][O ] log[ ] が大きい Copyrigt: A.Asno 1
弱酸弱塩基の解離定数 と水のイオン積 [ ][A ] [A] / を考えてみましょう W [B ][O ] 1 [ ][O ] 1.010 W ここで と比べてみると A + O A + O 同じこと ( 共役 ) A = B B + O B + + O Copyrigt: A.Asno 1 C COO + O O + + C COO 酸 共役酸 塩基 塩基 C COO + + C COO C COO + O C COO + O [ ][C COO ] [C COO] 共役酸塩基では = [C COO][O ] [C COO ] すぐにわかるように p + p = p = 1 ote! p + po = p であることは すでに述べてあるが p = p, po = p ではないことに注意 Copyrigt: A.Asno 1 弱酸弱塩基の p C COO + O O + + C COO (A ) ( + ) (A ) A の濃度を C とおくと C = [A] + [A ] 解離していない [A] 解離した [A] また 水の電離による [ + ] は弱酸の電離による [ + ] の量に比べて無視できるので [ + ] [A ] [ ][A ] [A] Copyrigt: A.Asno 15 [ ][A ] [A] [ ] [ ] C 0 左式から [ + ] を求める [ ] C 通常の 10, C 0.1 mol dm 程度の希薄水溶液では << C が成り立ち したがって [ ] C C も成り立つ p log[ ] log( C ) 弱酸の p pc log( C) Copyrigt: A.Asno 1 弱塩基の p B の濃度を C とおくと C = + [B + ] 解離していない また 水の電離による [O ] は弱塩基の電離による [O ] の量に比べて無視できるので [O ] [B + ] [B ][O ] po + O + + O (B ) (B + ), p 1 [O ] 解離した Copyrigt: A.Asno 17 酸ー塩基反応 ( 中和反応 ) における p _ の電離 : 加水分解 (ydrosis) 酸 (cid) と塩基 (se) が反応すると _(slt) ができる _ と水とが反応 ( 加水分解 ) して + や O が生じる場合がある 強酸ー強塩基 => _: 加水分解しないので中和点は中性 強酸ー弱塩基 => _ : 加水分解して中和点が酸性 弱酸ー弱塩基 => _ : 加水分解して中和点が酸性 塩基性 中性 弱酸ー強塩基 => _ : 加水分解して中和点が塩基性 上記 つの _ について p と p p との関係を調べてみましょう Copyrigt: A.Asno 18
強酸ー弱塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が酸性 例 : Cl ; Cl + (BX) (X) (B) ( 塩濃度 C ) 加水分解定数 = [ O] Cl と とを混合して中和すると Cl という塩が生成し 水溶液中で電離しているるが この弱塩基から生じるイオン + は さらに加水分解を受ける BX B + + X B + + O O + + B [ ] [B ] [O ][ ] 弱塩基 B の解離定数は [B ][O ] Copyrigt: A.Asno 19 B + + O O + + B 加水分解を受けた塩の割合 [ ] [B ] [O ][ ] [ ] C C C 塩の濃度を C 加水分解度を として [ + ] = = C [B + ] = C(1) ( << 1) C [ ] C C p= + ( )/ Copyrigt: A.Asno 0 弱酸ー弱塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が酸性か塩基性か中性 例 :C COO ; C COO + 弱酸と弱塩基との中和反応により (BA) (A) (B) 生じた塩から電離したイオンは BA B + + A どちらも加水分解される ( 塩濃度 C ) C COO は + とC COO とに電離し共に加水分解される B + + O O + + B A + O A + O 弱酸 弱塩基の解離定数から [ ][A ] [A] [B ][O ] B + + A A + B [A] [B ][A ] Copyrigt: A.Asno 1 B + + A A + B 塩の濃度をC 加水分解度を として [A] = = C [B + ] = [A ] = C(1) [ ][A ] [A] [ ] [A] [A ] [A] [B ][A ] [ ] p = 7+(p p )/ Copyrigt: A.Asno 弱酸ー強塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が塩基性 例 :C COO ; C COO + O や (BA) (A) (BO) C; C + O 中和反応で生じた塩は電離するが 弱酸由来のイオンは さらに加水分解される C COO は + と C COO とに電離するが C COO のみ加水分解される BA B + + A A + O A + O ( 塩濃度 C ) 弱酸の解離定数から [ ][A ] [A] [A][O ] [A ] ][O ] [ Copyrigt: A.Asno A + O A + O [A] = [O ] = C [A ] = C(1) [ ] [O ] から [A][O ] [A ] 塩の濃度を C 加水分解度を として p= [O ] C ][O ] [ Copyrigt: A.Asno
強酸ー弱塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が酸性 緩衝液 (uffer solution) の p 弱酸 or 弱塩基 + 強電解質 弱酸 1+ ( 弱酸 1/ 強塩基 ) の塩 p = 弱酸ー弱塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が酸性か塩基性か中性 p = 弱酸ー強塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が塩基性 p = Copyrigt: A.Asno 5 弱酸 1+ ( 弱酸 1/ 強塩基 ) の塩または 弱塩基 + ( 弱塩基 / 強酸 ) の塩 例 :C COO + C COO 水溶液 C COO + + C COO 塩基あるいは酸を少量加えても p が影響を受けない C COO + + C COO 増加! C COO + + C COO [A] [CCOO] [ ] [A ] [C COO ] ほとんど酸の濃度 ほとんど塩の濃度 Copyrigt: A.Asno 弱酸 1 の濃度 C 塩の濃度 C s [A] C [ ] [A ] C 弱塩基 + ( 弱塩基 / 強酸 ) の塩弱塩基 の濃度 C 塩の濃度 C s C [O ] [B ] C Cs [ ] [O ] C s s C p p log Cs p 1 po C 1 p log Cs Copyrigt: A.Asno 7 中和滴定曲線 ( 酸ー塩基 ) 弱酸 + 強塩基の中和反応 ( 弱酸 + 弱酸 / 強塩基の塩の p) 例題 p =.7, 0.1 mol dm の C COO を 強塩基の O 0.1 mol dm で滴定した時の滴定曲線を求めなさい p pc.7 1.0 最初 : 弱酸の p の式より p. 87 C COO の容量 V 1 と同じ量の O を加えると中和する このとき中和率 100% である をx とおくと 酸の濃度と塩の濃度比は C x 100 と表すことができる Cs x Copyrigt: A.Asno 8 C 弱酸 + 弱酸 / 強塩基の塩のpの式 p p log から Cs 100 x p.7 log x 当量 ( 中和 ) 点前まで有効 厳密には x < 1 程度で誤差が大きい x を0 < x < 100 で変化させると 横軸が中和率 縦軸が pの中和曲線が描ける ( 横軸の中和率は 酸と塩基が等濃度の場合 加えた Oの容量 V へ V 1 x / 100で容易に変換できる ).87 p 8 0 0 5 50 75 100 p 1 0 1 0 0. 0. 0. 0.8 1 Copyrigt: A.Asno 9 当量点の p p=7+(p pc)/ 弱酸ー強塩基 => 塩 : 加水分解して中和点が塩基性 C COO + O C COO + Op = 7 + (.7 1 log ) / = 8.7 100 x p.7 log.7 log x 体積が 倍になるので C = C / となる ちなみに 当量点までの式を当量点に適用すると x = 99.9999 で計算すると 0 100 p 10.7 (C = 0.1 mol dm ) で 計算不能 この値は当量点近傍で誤差が大きくなることを示している Copyrigt: A.Asno 0 5
当量点以降の p 中和率 x を用いれば V = V 1 x/100 x V1 C V1 C ] 100 x V1 V1 100 xc 100C 100 x [ O C =C =0.1 なので 0.1x 10 [O ] 100 x [O ] の濃度が増加する 酢酸の容量を V 1 加えた O の容量を V とし それぞれの濃度を C, C とすれば [O ] の濃度は V 1 + V に反比例し V C V 1 C に比例する 0.1x 10 p 1 log 100 x ただし x > 100 Copyrigt: A.Asno 1 1) p V = 0 ; 1 1 10 8 p pc.7 1.0 p.87 ) 100 x 0 < V < V 1 ; p.7 log x ) ) V = V 1 ; p=7+(p pc)/ = 7 + (.7 1 log)/ = 8.7 V 1 < V ; 0.1x 10 p 1 log 100 x 0 50 100 150 00 p 8 ただし 0 < x < 1.1 は適応不可 緩衝作用 x = 1.1 で p=.87 また 99.99 < x は適応不可 ただし 100.010 < x で適応可能 p = p (x = 100) 0 5 50 75 100 Copyrigt: A.Asno