資料 3 第 2 回医療用ソフトウェアに関する研究会 2013 年 10 月 16 日 他産業における自主基準等の取組調査 株式会社ドゥリサーチ研究所
適合性評価 適合性評価 (Conformity Assessment) とは 製品 プロセス システム 要員又は機関に関する規定要求事項が満たされていることの実証 (ISO/IEC 17000:2004 [JIS Q 17000:2005 ]) で適合性評価や認証等についての定義がされている ) 適合性評価の種類 第一者適合性評価 : 対象を提供する人又は組織によって実施される適合性評価 ( 組織が自主的に評価 ) 第二者適合性評価 : 対象について使用者側の利害をもつ人又は組織によって実施される適合性評価 第三者適合性評価 : 第一者及び第二者の双方から独立した 人又は機関によって実施される適合性評価 出所 : 日本工業標準調査会 HP 適合性評価の分野と使用される規格及びガイド 認定機関適合性評価機関 評価対象機関 校正 試験 ISO/IEC 17025 各種校正 試験方法規格 検査 ISO/IEC 17020 各種検査方法規格 認証製品 QMS EMS 要員 ISO/IEC 17011 ISO/IEC Guide 6 ISO/IEC17021 17024 各種製品規格 ISO9001 ISO14001 要員技量試験規格 自己適合宣言 ISO/IEC 17050 各種製品 試験方法規格 出所 : 経済産業省 平成 19 年度基準認証研究開発事業 ( 標準化に関する研修 教育プログラムの開発 ) 成果を一部改編 1
認証と自己適合宣言 認証 (Certification) 企業等の製品 プロセス システム又は要員に関して 特定の要求事項 ( 基準 標準 規定 ) を満たしていることを 第三者 ( 認証機関等 ) が文書で保証 ( 証明 ) する手続 認証型の ISO の例 ISO9001( 品質管理 ) ISO14001( 環境 ) ISO15001( 個人情報保護管理 ) ISO27001( 情報セキュリティ ) 規格上の表現 shall shall be の表現 ( ~ でなければならない ~ しなければならない ) 記載されていることが出来ていなければ 認証されない 自己適合宣言型 ( ガイドライン ) ISO JIS 業界基準などの認証取得 維持活動を認証機関等に頼らないで 自社自ら規格に適合 ( 準拠 ) しているこ とを宣言する方式 自己適合型の例 ISO10002( 品質マネジメント - 顧客満足 - 組織における苦情対応のための指針 ) 業界基準 ( 指針 ) 規格上の表現 should should be の表現 ( ~ であることが望ましい ~ することが望ましい ) 会社の姿勢等を表す 2
自己適合宣言 自己適合宣言 メリット : 認証機関による認証 維持より費用が安価にすむ 内部監査や第三者による適合証明書の導入など 取り組みレベルを組織側で選択可能デメリット : 顧客などの利害関係者の取引条件などを満たさないおそれ : 自らの宣言の客観性の確保のための裏付けが必要 ( 適正なシステム運用 情報公開など ) JIS Q 17050 適合性評価 - 供給者適合宣言 JIS Q 17050(ISO/IEC 17050-1, 2 (JIS Q 17050-1,2)) 供給者が 規格 若しくは 要求事項 に適合していることを 自己宣言 する場合の要求事項を規定 適用範囲 分野を問わず ある対象の規定要求事項への適合を証明するための一般要求事項を規定 宣言の対象 : 製品 プロセス マネジメントシステム 人 機関 JIS Q 1000:2005 適合性評価 - 製品規格への自己適合宣言指針 JIS Q 1000:2005 供給者が自社で製品のJIS 規格への適合性を証明し 自己適合宣言 を行う場合の要求事項を規定 JIS Q 17050を基礎におき JISの製品規格に関する自己適合宣言に限定し制定 一般要求事項 第一者 第二者又は第三者の一つ以上が実施した適切な種類の 適合性評価活動 ( 試験 測定 監査 検査 調査など ) の結果に基づくこと 同類の製品群に対するものである場合 その製品群の個々の製品に適用すること 3
業界ガイドラインや自主基準の例 本資料で紹介する基準や取組 認証 認定 P5 技術基準 P5: コンティニュア設計ガイドライン技術基準 P6:Wi-Fi ロゴマーク 製品基準 組織の取組 その他 P8: 優良住宅部品認定制度 (P10: エコラベルタイプ Ⅰ) P11: エコマーク認定制度 P12: グリーン経営認証 P15: かわさき基準 自己適合 ( 第三者確認あり ) P7:VCCI ラベル / マーク (P13 14: 苦情対応マネジメント ) 自己適合 ( 第三者確認なし ) P9:PC グリーンラベル制度 (P9:PC グリーンラベル制度 ) (P10: エコラベルタイプ Ⅱ) P13 14: 苦情対応マネジメント 4
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 技術基準 / 認証 認定 ) コンティニュア設計ガイドライン 自主基準 ( 実施者 : コンティニュア ヘルス アライアンス ) 厳密な相互接続性や運用性を可能にするために策定 規定事項 適切な業界標準規格を選定 標準規格の実装方法を規定 コンティニュア設計ガイドラインでは IEEE11073をベースに採用規格を明示 コンティニュア認証製品 コンティニュア ヘルス アライアンスの認定を受けた試験所で接続性の試験を受け ガイドラインに対する適合性が認められた製品をコンティニュア ヘルス アライアンスが認証 コンティニュア認証を実施する試験機関として2012 年 6 月にULが認定を受ける 5
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 技術基準 / 認証 認定 ) Wi-Fi ロゴマーク Wi-Fi 認証 ( Wi-Fi CERTIFIED ) ( 主体 :Wi-Fi Alliance) Wi-Fi 認証はWi-Fi Alliance によるIEEE802.11 製品 サービスの相互接続を保証する制度 製品 サービスの検査はWi-Fi Alliance から認定された検査機関が行う ( 現在 世界で17の検査機関が認定 ) 認証製品は Wi-Fi CERTIFIED のロゴを使用することが可能 2000 年以降 15,000 以上の製品が認定されている Wi-Fi 認証を受けるためには 企業は事前にWi-Fi Alliance に加盟していなければならない 認証の流れ 1 製品 サービスの認証申請 2 認証識別番号 ( CID ) が発行 3 企業は製品とCID をWi-Fi Alliance が認定した検査機関に送付 4 検査機関は製品を検査し結果をWi-Fi Alliance に通知 5 Wi-Fi Alliance は製品を認証し 企業にロゴの使用を許可 出所 : テュフラインランドジャパン HP 6
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 技術基準 / 自己適合 ( 第三者確認あり )) VCCI ラベル / マーク 情報技術装置から発生する妨害波を阻止するための自主規制 ( 主体 : 一般財団法人 VCCI 協会 ) 一般財団法人 VCCI 協会会員が自社の情報技術装置に対して 日本国内への出荷に先立ち妨害波の規制を実施 使用される環境によって2つの情報技術装置のクラスがある 会員自らが 技術基準への適合確認を行い届け出る 適合確認届出を行った情報技術装置は クラスに応じて ラベルまたはマークを表示 2 つの情報技術装置クラス クラスB 情報技術装置 : クラスB 情報技術装置の妨害許容値を満たす装置 主に家庭環境で使用されることを意図 クラスA 情報技術装置 : クラスA 情報技術装置の妨害許容値を満たすが クラスB 情報技術装置の妨害許容値を満たさないすべての情報技術装置 適合確認 1 技術基準への適合確認会員は情報技術装置の適合確認試験を行い 協会の定める技術基準に適合していることを確認 適合確認試験はVCCIにて登録された測定設備を使用して行わなければならない 2 適合確認の届出適合確認試験後 適合確認届出 を製品出荷までに協会へ提出し 受理証明を受ける 適合確認届出電子申請の受理証明発行 : 約 1 週間 出所 : 一般財団法人 VCCI 協会 HP 7
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 製品基準 / 認証 認定 ) 優良住宅部品認定制度 優良住宅部品 (BL 部品 )( 主体 : 一般財団法人ベターリビング ) 品質 性能 アフターサービス等に優れた住宅部品を優良住宅部品 (BL 部品 ) として認定 認定を受けた住宅部品には BLマーク証紙 の貼付等により優良住宅部品 (BL 部品 ) である旨を表示 BLマーク証紙が表示された部品は 瑕疵保証と損害賠償の両面からのBL 保険がつく 2 種類のBL 部品一般型優良住宅部品 : あらかじめ定められた品目別の認定基準に適合するものとして認定されたBL 部品 自由提案型優良住宅部品 : 品目別の認定基準が定められていない住宅部品で 認定を受けようとする企業からの提案に対応して 1 件ごとに評価 認定基準を定め 適合するものを認定 認定申請 認定対象住宅部品 : 躯体 内外装又は建築設備のユニット ( 工場生産によるもの ) 認定の流れ :2つの方法( フロー図参照 ) 1 財団への直接認定申請 2 指定評価機関 ( 一般財団法人日本ガス機器検査協会認証技術部 ) での評価後に財団へ認定申請 認定の有効期間 : 認定日から起算して5 年を経過した日の属する年度末 (3 月 31 日 ) まで 出所 : 一般財団法人ベターリビング HP 8
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 製品基準 / 自己宣言 ( 第三者確認なし )) PC グリーンラベル 制度 PC グリーンラベル 制度 (2001 年 9 月制定 ) パソコンの環境ラベル制度 ( 一般社団法人パソコン3R 推進協会 (PC3R) が管理 運営 ) エコマークは取得に時間を要することから 学識経験者による 環境ラベル基準策定委員会 を設置し 2001 年 10 月から運用を開始 コンセプト環境に配慮した設計 製造がされている使用済後も リユース リサイクル処理が適正になされている環境に対する適切な情報開示がされている ライフサイクルが極めて短いという商品特性を踏まえ 自己宣言型 PC グリーンラベル の位置付け 業界共通の自主的指針 ( 目標 ) を満たしたタイプ Ⅱ 環境ラベル 製品審査基準との適合性については メーカーの責任とし 協会は一切の責任を負わない 運営体制 PC3Rの正会員企業が参加する PCグリーンラベル委員会 が運営の中心 審査基準は 委員会により策定 企業審査基準 製品審査基準及び実施要領は1 回 /2 年をめどに 委員会により見直しが行われる PCグリーンラベル 制度を利用する場合は PC3Rへの入会が必要 企業はチェックリストで合否を判断 ( 企業審査 製品審査 ) 企業審査基準に適合したメーカーは協会のWEBサイトに掲載 適合製品については 各メーカーのリンク先 (PC グリーンラベル適合製品 ) のWebサイトに掲載 9
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 組織の取組 ) エコラベリング ( 環境ラベル制度 ) エコラベリング ( 環境ラベル制度 ) 環境保全や環境負荷の低減に役立つ商品や取組みに 環境ラベル を付与し 消費者に推奨する制度 ISOでは環境ラベルを3つのタイプに分けて規格を制定 第三者認証 自己宣言 環境情報表示 出所 : 環境省 環境ラベル等データベース エコラベリングでの取組み ( タイプ Ⅰ:ISO14024 環境ラベル及び宣言 - タイプ Ⅰ 環境ラベル表示 - 原則及び手続き ) エコラベル運営団体が第 3 者認証 ( 次頁参照 ) 取組み例 : 省エネラベリング 森林認証制度 漁業認証と水産物エコラベル制度 (MSC) など ( タイプ Ⅱ:ISO14021 環境ラベル及び宣言 - 自己宣言による環境主張 -) リサイクルマークなど ( タイプ Ⅲ:ISO14025 環境ラベル及び宣言 - タイプ Ⅲ 環境宣言 - 原則及び手順 ) 取組み例 : 製品やサービスの環境影響をライフサイクルアセスメント (LCA) に基づいて定量的に表示など ( カーボンフットプリント フードマイレージなど ) 10
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 組織の取組 / 認証 認定 ) エコラベリング ( 環境ラベル制度 ) エコ認証での取組み例 ( その1) エコマーク認定制度 :( 財 ) 日本環境協会 ISO14020( 環境ラベルおよび宣言 一般原則 ) 及びISO14024( 環境ラベルおよび宣言 タイプⅠ 環境ラベル表示 原則および手続き ) に則って運営 第三者機関による認定制度 エコマーク商品の認定手続き認定の流れ : 右図フロー認定審査料 :21,000 円 /1 申込 エコマーク商品認定の有効期間認定基準書記載の 有効期限 日まで 小改定が行われた場合も 審査時の認定要件を満たしている限りその認定は有効 エコマーク手続きの流れ 出所 : 公益財団法人日本環境協会 エコマークのてびき 11
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 組織の取組 / 認証 認定 ) ( その 2) グリーン経営認証 ( 組織認証 ): 交通エコロジー モビリティ財団 運輸業特化型の業界認証 ( トラック バス タクシー事業 倉庫業 港湾運送事業 旅客船 内航海運事業 ) グリーン経営推進マニュアルに基づき 一定のレベル以上の取組みを行っている事業者を認証登録する制度 ( 認証機関 : 交通エコロジー モビリティ財団 ) グリーン経営推進マニュアル ISO14000シリーズに基づいて作成された環境負荷の少ない事業運営 ( グリーン経営 ) を推進するためのマニュアル 事業内容別に作成 国土交通省では 平成 16 年 6 月に 国土交通省環境行動計画 を策定し 環境貢献型経営 ( グリーン経営 ) の促進を謳っている 24 年 3 月末現在 認証登録した事業者数は 3,600 社 保有する車両の総数は 20 万台超 ( 日本全国の事業者の保 有台数の 13% 以上 ) グリーン認証制度グリーン認証制度の流れ : 右図フロー参照登録証の有効期限 :2 年間審査料 登録証発行料 登録維持料等あり ( 自治体等による助成制度もあり ) 出所 : 交通エコロジー モビリティ財団 HP 12
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 組織の取組 / 自己適合 ) 品質マネジメント - 顧客満足 - 組織における苦情対応のための指針 ISO10002/JISQ10002( 品質マネジメント - 顧客満足 - 組織における苦情対応のための指針 ) 苦情対応のマネジメントシステムを構築するための指針 (2004 年 7 月 ISO 制定 2005 年 6 月 JIS 化 ) PDCAサイクルによる継続的改善の仕組みを設けたマネジメントシステム規格 認証型ではなく ガイドライン ( 指針 ) かつ自己適合宣言型 企業は 自社の内部監査などで評価を行い 自己適合宣言はJIS Q 17050にのっとり実施 自己適合宣言を支援する 第三者意見書 の発行 公益社団法人消費者関連専門家会議(ACAP) による 第三者意見書 の発行 自己適合宣言 をする企業より 客観性担保のため支援文書( 第三者意見書 ) の発行希望が増加 第三者意見書発行事業を開始 2013 年 3 月に第一例を実施 第三者意見書 発行に係る組織 運営体制 1 審査員 : 資格要件を定め 要件を満たした人材を審査員として委嘱 複数審査による意見書を作成 2 評価会議 : 評価結果の適正性を監視 確認 審査作業にかかわらなかった審査員などの評価委員で構成 3 審議委員会 : 評価結果 意見書の確認 承認 外部有識者 ( 大学教授等を委員長に委嘱 ) を含め 評価が適正 公正 中立に実行されているかを審議し 発行許可を与える 4その他監事会 : 活動状況 評価結果 経理内容を監査 5 紛争時対応委員会 : 紛争時の対応顧問弁護士等 発行料金等 : 基本料金体系を基準に 見積もりの上 理事会の承認を得て 業務委託契約書等を締結 事業対象 :ACAP 会員企業 ( 約 600 社 ) 及び社内構築実践講座受講企業 13
業界ガイドラインや自主基準の例 ( 組織の取組 / 自己適合 ) 第三者意見書 発行に係る組織 運営体制 出所 :ACAP ホームページ 14
業界ガイドラインや自主基準の例 ( その他 ) かわさき基準 福祉用具の開発 普及を目的とした基準 ( 主体 : 川崎市 かわさき基準推進協議会 ) 競争力の高い福祉製品の開発 川崎発福祉製品の創出促進を目的に創設 ( 平成 20 年度開始 ) かわさき基準 に基づく評価( モニタリング ) の実施や基準に基づく認証による 販売 流通面でのブランド力の付与 かわさき基準の対象範囲 : 福祉製品 ( 製品 設備 建物 サービス類 ) 狭義の 福祉用具 だけでなく 共用品 等も対象 かわさき基準の運営 評価 運営主体 : かわさき基準推進協議会 福祉当事者団体 福祉製品関連団体 福祉サービス団体 製造業団体 産業サポート団体 川崎市等 かわさき基準 : 独自の8つの理念の明示とガイドラインの策定 製品開発ガイドライン: より具体的に福祉製品 ( サービスやまちづくりなども包含 ) のあり方を示したもの 審査 認証手順 年に1 回の公募による製品認証を実施 協議会による審査の前に 使用者によるモニター評価を実施 有識者による審査 協議会による最終審査を得て認証 15