ISO 統合マネジメントシステムの動向と概念 2013.3.25 ススムパートナーズ 長澤進現在 ISO/TMB( 技術管理評議会 ) の TAG13-JTCG( 合同技術調整グループ ) で マネジメントシステムの統合化が進められている こらは 今迄に発行されている ISO9001 や ISO14001 などの各種マネジメントシステムの要求事項には共通した部分が明確になり これからも発行される規格要求にも同様の事象が見られ 新しい国際規格の発行の度に各 SC( 専門部会 ) で全ての要求事項 (Full-Spec) を一から検討することが その度に要求事項の整合評価することに併せて効率性の上でも規格発行の手続きでの妨非効率を改善することが目的で これから導入し構築をする組織にとっても ISO9001 を取得後にISO 14001や ISO27001 等を導入する場合を考えると 共通する要求事項についての構築に際しては それぞれの規格の特殊性に配慮するなど一部ついて追加の対応をすれば良いことになり 導入時間の負担は大幅に軽減される効果も期待されている 一方 既に導入構築済みの組織にとっては統合化したマネジメントシステムへの整合性と運用ができる様システムへの反映が必要となって来る 以下に 現在の進展の中の於ける 統合マネジメントシステム の方向とその概要をまとめた 統合化の動き この様に ISO/TMB の TAG13-JTCG では 今迄の ISO とこれからの ISO 規格の発生する複 数のマネジメントシステム統合を図り整合性にも検討しながら進められている HLS(High-Level-Structure) 規格の整合化 ISO/TMB/TAG13-JTCG ( 技術管理評議会 / 合同技術調整グループ ) 全てのマネシ メント システムが対象となる ISO9001 品質 MS ISO14001 環境 MS ISO22000 食品安全 MS ISO27001 情報セキュリティ ISO39001 道路交通安全 MS MS 本来 ISO 規格は5 年毎に見直しが行われることになっているが ISO14001 は既に 2004 年に改訂されてから9 年が経過している為 ISO27001 に引き続き間もなく ISO14001 が統合化として進められ ここ数年 (2 年後と言われている ) には統合化した ISO14001の発行を目指している それ以降は ISO9001 などへ次々と採用が決められている この流れは もともと ISO 導入組織が ISO9001 と ISO14001 や ISO27001 等のマネジメントシステムを統合し審査を受けることになる これらの導入組織では効率的で取組み易く導入し易い形として期待されているが 一方すでに導入している組織では統合マネジメントシステムの内容把握に併せて対応準備も必要であり これらの導入は 先行 することが出来るので早めに着手する企業の増加が考えられる
統合化の概要次回の改訂時迄には ISO D Guide83 に沿って整合性を図った 要求事項の定義 要求事項タイトル 要求事項の順番 そして定期的な適切性や妥当性有効性等の強化を含む見直しによって追加補充や変更点への対応を含めた対応が必要とされるが 統合化の構成の概要は 以下の通りススムパートナーズ コンサルチームが各要求事項の比較対応を表としてまとめた HLS( 現行案 ) をベースにして 各 ISO の要求条件を整理し統合を図っている 従って新しく誕生する 路交通安全マネジメントシステム は統合化で対応されている事が分かる < 統合比較対応表 : 要求事項と項番 > HLS( 現行案 ) ISO14001:2004 ISO9001:2008 ISO39001 序文 序文 序文 序文 0.1 一般 0.2 プロセスアプローチ 0.3ISO9004 との関係 0.4 他のマネジメントシステムと両立 1. 適用範囲 1. 適用範囲 1. 適用範囲 1.1 一般 1.2 適用 2. 引用規格 2. 引用規格 2. 引用規格 2. 引用規格 3. 用語及び定義 3 用語及び定義 3 用語及び定義 3 用語及び定義 4. 組織の状況 4.1 組織及びその状況の理解 4.2 利害関係者のニース 及び期待の理解 4.3 マネシ メントシステムの範囲の決定 4.1 一般要求事項 4.1 一般要求事項 4. 組織の状況 4.1 組織及びその状況の理解 4.2 利害関係者のニース 及び期待の理解 4.3 マネシ メントシステムの適用範囲の決定 4.4*** マネジメントシステム 4. 環境マネジメントシステム要求事項 4. 品質マネジメントシステム 4.4 道路交通安全マネジメントシステム 5. リーダーシップ 4.2 環境方針 5.1 経営者のコミットメント 5. リーダーシップ 5.1 一般 4.3.1 環境側面 5.2 顧客重視 5.1 一般 5.2 経営者のコミットメント 4.3.2 法的及びその他の要求事項 4.6 マネシ メントレヒ ュー 5.3 方針 4.2 環境方針 5.3 品質方針 5.3 方針 5.4 組織の役割 責任及び権 4.4.4 資源 役割 責任及び 5.5 役割 権限及びコミュニケ 5.4 組織の役割 責任及び権 限 権限 ーション 限 5.5.1 責任及び権限 5.5.2 管理責任者
HLS( 現行案 ) ISO14001:2004 ISO9001:2008 ISO39001 6. 計画 4.3 計画 5.4 計画 6. 計画 6.1 一般 4.3.1 環境側面 7 製品実現 6.1 一般 6.1リスク及び機会への行動 4.3.2 法的及びその他の要求事項 4.4.6 運用管理 4.4.7 緊急事態への準備及び対応 5.4.2 品質マネジメントシステムの計画 6.2 リスクと機会に対処するための処置 6.3RTS ハ フォーマンスファクター 6.2*** 目的及び目標を達成 4.4.3 目的 目標及び実施計 5.4.1 品質目標 6.4RTS 目的及びそれらを達 するための計画 画 5.4.2 品質マネジメントシステ 成するための計画 ムの計画 7. 支援 4.4 実施及び運用 6. 資源の運用管理 7. 支援 7.1 資源 7.2 力量 7.3 認識 4.4.1 資源 役割 責任及び権限 4.4.2 力量 教育訓練及び自覚 6. 資源の運用管理 6.1 資源の提供 6.2 人的資源 6.2.1 一般 6.2.2 力量 教育訓練及び認識 6.3 インフラストラクチャー 6.4 作業環境 7.4 コミュニケーション 4.4.1 コミュニケーション 5.5.3 内部コミュニケーション 7.2.3 顧客とのコミュニケーショ ン 7.5 文書化した情報 4.4.4 文書類 4.2 文書化に関する要求事項 4.4.5 文書管理 4.2.2 品質マニュアル 4.5.4 記録の管理 4.2.3 文書管理 4.2.4 記録の管理 8. 運用 4.4 実施及び運用 7 製品実現 8.1 運用計画及び管理 4.4.6 運用管理 7.1 製品実現の計画 4.3.1 環境側面 7.2 顧客関連のプロセス 4.3.2 法的及びその他の要求 (7.2.1~7.22) 事項 7.3 設計開発 (7.3.1~7.3.3) 4.5.1 監視及び測定 7.4 購買 7.5 製造及びサービス提供 7.6 監視機器及び測定機器の 管理 8.2 緊急事態への準備及び対 4.4.7 緊急事態への準備及び 応 対応 7.1 調整 7.2 資源 7.3 力量 7.4 自覚 7.4 コミュニケーション 8. 運用 8.1 運用計画及び運用管理
HLS( 現行案 ) ISO14001:2004 ISO9001:2008 ISO39001 9. ハ フォーマンス評価 4.5 点検 8. 測定 分析及び改善 9. ハ フォーマンス評価 9.1 監視 測定 分析及び評価 4.5.1 監視及び測定 8.1 一般 8.2 監視及び測定 8.2.3 プロセスの監視及び測定 8.2.4 製品の監視及び測定 8.4 データーの分析 9.1 監視 測定 分析及び評価 9.2 道路交通衝突事故及び他のインシテ ント調査 9.2 内部監査 4.5.5 内部監査 8.2.2 内部監査 9.3 内部監査 9.3 マネジメントレビュー 4.6 マネジメントレビュー 5.1 経営者のコミットメント 5.6 マネジメントレビュー (5.6.1~5.6.3) 10. 改善 8.5. 改善 10. 改善 10.1 不適合及び是正処置 4.5.1 監視及び測定 8.3 不適合製品の管理 10.1 不適合 是正処置 4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置 8.4 データーの分析 8.5.2 是正処置 8.5.3 予防処置 10.2 継続的改善 4.2 環境方針 4.4.3 目的 目標及び実施計画 4.6 マネシ メントレヒ ュー 4.4.4 文書類 8.5.1 継続的改善 10.2 継続的改善 ISO 統合化スケジュールこれらのISO 規格統合化は 新たに発行される ISO については統合化に適合させながら制定され既に 発行済みの ISO については 以下のスケジュールで IS(JIS 規格 ) 化が進められている 各マネシ メントシステム 2102 年 2103 年 2014 年 2015 年 ISO27001:2005 FDIS IS ISO14001:2004 FDIS IS ISO9001:2008 FDIS IS ISO22000:2005 ( 対応 ) ISO5001:2012 ( 規格改正済み ) ISO39001:2012 ( 新規格対応済み ) OHSAS18001:2007 ( 改訂予定 時期未定 ) ISO27001は 2013 年 ISO14001は2014 年を目途に進められているが 既に導入した組織においては 混乱なくマネジメントシステムの再構築の準備が必要 例えば 統合化されたISO14001の翻訳版が正式発行前に準備して置きたい事がある その一つとしにシステム文書をシンプルにして整合性作業と文書訂正箇所の煩雑さを解消して置きたい 例えば マニュアル の他に 規定 標準 実務手順 と多文書型で運用している組織では統合化に対応する
際に各文書間の照合整合作業で負担が発生する 併せて チェック忘れや見逃し等で記述ミスによる文書間の不整合が審査時に見つかり文書間の不整合指摘が発生する 図表 -Ⅲ 多文書型の統合化作業イメージ を参照 従って 最近は大きな組織であってもよりシンプルで運用し易い マニュアル だけの運用を採用し 省エネや産業廃棄物管理などは実務手順書などで要求事項への適合性を図っている この際 シンプルに運用ができる前準備も大切だ 図表 -Ⅳ 1 文書型の統合化作業イメージ 図表 -Ⅲ 多文書型の統合化作業イメージ 多文書型 の環境マネジメントシステム文書の 統合化 による文書改訂のイメージ 環境マニュアル 方針策定規定 現行のISO14001の 4.3.1 環境側面についての 統合化 では以下の要求事項への整合化が求められ 現有するそれぞれのシステム文書への反映と整合が複雑になり多岐にわたる 環境影響評価規定 順法規定 側面調査標準 影響評価登録標準 直接影響評価手順 間接影響評価手順 HLS( 現行案 ) で関連する規格 5.2 経営者のコミットメント面 6. 計画 8.1 運用計画及び管理 目的目標規定 図表 -Ⅳ 1 文書マニュアル型の統合化作業イメージ ススムパートナーズ が提案する 1 文書型 の環境マネジメントシステム文書による 統合化 改訂のイメージ 旧 ISO14001 統合化 ISO14001 一文書型 システム文書 1. 適用範囲 2. 引用規格 3. 用語の定義 4.2 環境方針 4.3 計画 4.3.1~4.4.3 4.4 実施及び運 4.4.1~4.4.7. 4.5 点検 4.5.1.~4.5.5 4.6 マネシ メントレビュ- 9. ハ フォーマンス評価 9.1~9.4 1. 適用範囲 1.1 2. 引用規格 3. 用語の定義 4. 組織の状況 4.1~4.4 5. リーダーシップ 5.1~5.4 6. 計画 6.1~6.4 7. 支援 7.1~7.6 8. 運用 8.1~8.2 9. ハ フォーマンス評価 9.1~9.4 10. 改善 10.1~10.2 環境マニュアル 統合化で分解された要求事項の整合と項番の文書改訂極めてが容易! 規定 / 標準の訂正が不要!