(案)

Similar documents
Taro-試験法新旧

本品約2g を精密に量り、試験液に水900mLを用い、溶出試験法第2法により、毎分50回転で試験を行う

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

薬工業株式会社製, 各 20 µg/ml アセトニトリル溶液 ) を使用した. 農薬混合標準溶液に含まれない は, 農薬標準品 ( 和光純薬工業株式会社製 ) をアセトニトリルで溶解して 500 µg/ml の標準原液を調製し, さらにアセトニトリルで希釈して 20 µg/ml 標準溶液とした. 混

2,3-ジメチルピラジンの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)

厚生省行政情報-通知-食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について

日本食品成分表分析マニュアル第4章

LC/MS/MS によるフェノール類分析 日本ウォーターズ株式会社 2015 Waters Corporation 1 対象化合物 Cl HO HO HO フェノール 2- クロロフェノール (2-CPh) Cl 4-クロロフェノール (4-CPh) HO Cl HO Cl HO Cl Cl 2,4

( 別添 ) 食品に残留する農薬 飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質 の試験法に係る分析上の留意事項について (1) 有機溶媒は市販の残留農薬試験用試薬を使用することができる HPLC の移動 相としては 高速液体クロマトグラフィー用溶媒を使用することが望ましい (2) ミニカラムの一般名と

土壌溶出量試験(簡易分析)

Microsoft Word  小林千種.docx

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版有効成分ベンフォチアミン B6 B12 配合剤 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 1) 溶解度 1 ダイメジンスリービー配合カプセル

食安監発第 号 食安基発第 号 平成 19 年 11 月 13 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部監視安全課長基準審査課長 ( 公印省略 ) 割りばしに係る監視指導について 割りばしに残留する防かび剤等の監視指導については 平成 19 年 3 月 23 日付け食安

表 1. HPLC/MS/MS MRM パラメータ 表 2. GC/MS/MS MRM パラメータ 表 1 に HPLC/MS/MS 法による MRM パラメータを示します 1 化合物に対し 定量用のトランジション 確認用のトランジションとコーン電圧を設定しています 表 2 には GC/MS/MS

2-3 分析方法と測定条件ソルビン酸 デヒドロ酢酸の分析は 衛生試験法注解 1) 食品中の食品添加物分析法 2) を参考にして行った 分析方法を図 1 測定条件を表 3に示す 混合群試料 表示群試料について 3 併行で分析し その平均値を結果とした 試料 20g 塩化ナトリウム 60g 水 150m

本報告書は 試験法開発における検討結果をまとめたものであり 試験法の実施に際して参考 として下さい なお 報告書の内容と通知または告示試験法との間に齪酷がある場合には 通知 または告示試験法が優先することをご留意ください 食品に残留する農薬等の成分である物質の試験 法開発業務報告書 フルトラニル試験

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

平成24年度 化学物質分析法開発報告書

- 2 - 二前号に掲げるもの以外のポリ塩化ビフェニル廃棄物及びポリ塩化ビフェニル使用製品別表第二の第一に定める方法

を加え,0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液で滴定 2.50 する.0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液の消費量は 0.2 ml 以下である ( 過酸化水素として 170 ppm 以下 ). (4) アルデヒド (ⅰ) ホルムアルデヒド標準液ホルムアルデヒド メタノール液のホルムアルデヒ

しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

ソバスプラウトのフラボノイド・アントシアニン分析法

Microsoft Word - 箸通知案 doc

本報告書は 試験法開発における検討結果をまとめたものであり 試験法の実施に 際して参考として下さい なお 報告書の内容と通知または告示試験法との間に齪酷 がある場合には 通知または告示試験法が優先することをご留意ください 残留農薬等に関するポジティブリスト 制度導入に係る分析法開発 エンロフロキサシ

Microsoft PowerPoint ダイオフロック営業資料.ppt [互換モード]


研究報告58巻通し.indd

よくある指摘事項(2)

IC-PC法による大気粉じん中の六価クロム化合物の測定

3. 答申案 別紙のとおり ( 参考 ) これまでの経緯平成 17 年 11 月 29 日残留基準告示平成 27 年 3 月 ~ 平成 27 年 12 月残留農薬等公示分析法検討会で随時検討平成 28 年 5 月 17 日薬事 食品衛生審議会へ諮問平成 28 年 5 月 18 日厚生労働大臣から食品

102 乙字湯エキス. 医薬品各条の部乙字湯エキスの条基原の項, の項 (4) の目及びの項 (3) の目を次のように改める. 乙字湯エキス 本品は定量するとき, 製法の項に規定した分量で製したエキス当たり, サイコサポニンb2 1.2 ~ 4.8 mg, バイカリン (C21H18O11:446.

パナテスト ラットβ2マイクログロブリン

酢酸エチルの合成

原子吸光分光光度計 : 島津製作所 AA-6400F ホットプレート : ヤマト科学 HK-41 3 方法 1) 銅葉緑素製剤の銅含有量の測定公定法の検討において, 抽出試験での回収率を算出するため, 各製剤の銅含有量を衛生試験法 3) に示された方法に従い, 測定した. 2) 公定法の検討 CuC

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

資料 イミダゾリジンチオン 測定 分析手法に関する検討結果報告書

5989_5672.qxd

排水基準を定める省令の規定に基づく環境大臣が定める排水基準に係る検定方法

pdf エンドトキシン試験法

新潟県保健環境科学研究所年報第 24 巻 加工食品中の残留農薬分析法の検討 小林ゆかり, 土田由里子, 岩崎奈津美, 丹治敏英 Determination of Residual Pesticides in Processed Foods Yukari Kobayashi, Yuri

土壌含有量試験(簡易分析)

(Microsoft Word \203r\203^\203~\203\223\230_\225\266)

石綿含有建材分析マニュアル第4章

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版 有効成分 ニカルジピン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 1 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg 日医工 日医工 後発医薬品 2 ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg 日医工 日医工 品目名 ( 製造販売業者 )

環境調査(水系)対象物質の分析法

Microsoft Word - manual40108 ã‡¤ã‡½ã…Łã…©ã…œã…³å‹ƒæž’æ³Ł

有害大気汚染物質測定方法マニュアル(平成23年3月改訂)

目次 1 事業で用いた分析法 実験方法 試料 試薬 ) ソルビン酸標準品 ) その他の試薬 装置及び器具 定量方法 ) 抽出 ) HPLC による測定 )

資料 o- トルイジンの分析測定法に関する検討結果報告書 中央労働災害防止協会 中国四国安全衛生サービスセンター

Microsoft Word - TR-APA

資料 2-3 ジエタノールアミンの測定 分析手法に関する検討結果報告書 - 1 -


2009年度業績発表会(南陽)

4,4’‐ジアミノジフェニルメタン

DualPore OPEN使い方のコツ

感度に関するトラブル 2013 Nihon Waters K.K. 3 感度低下の原因分類と確認方法 標準品 保存中の分解 再調製 試料注入 注入正確性の低下 注入量を変えて測定 ( レスポンスの直線性を確認 ) 試料残量の低下 試料量を増やす LC/MS システムにおける分解 UV で分解 熱分解

スライド 1

食品に残留する農薬等の成分である物質の

キレート滴定

新潟県保健環境科学研究所年報第 23 巻 8 71 ( 以下,HSA) は同社製イオンペアクロマトグラフ用, ヘプタフルオロ酪酸 ( 以下,HFBA) は同社製アミノ酸配列分析用, 2NA(EDTA 2Na)( 以下,EDTA) は同社製試験研究用を用いた. ミニカラム : ジーエルサイエンス (

ISOSPIN Plasmid

1. 測定原理 弱酸性溶液中で 遊離塩素はジエチル p フェニレンジアミンと反応して赤紫色の色素を形成し これを光学的に測定します 本法は EPA330.5 および US Standard Methods 4500-Cl₂ G EN ISO7393 に準拠しています 2. アプリケーション サンプル

イノベ共同体公募要領

DNA/RNA調製法 実験ガイド

研究22/p eca

A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt

概要 クロマトグラフィとは LCの分離モード 分離のパラメータ 分離の調整 高速 高分離技術 ppendix 逆相系分離でのイオン性物質の分離 シラノール 逆相カラムの使用方法 2011 Nihon Waters K.K. 3 クロマトグラフィとは 分離手法のひとつである 分離後検出器で検出し定性

( 別添 ) ヒラメからの Kudoa septempunctata 検査法 ( 暫定 ) 1. 検体採取方法食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を呈し, 軽症で終わる有症事例で, 既知の病因物質が不検出, あるいは検出した病因物質と症状が合致せず, 原因不明として処理された事例のヒラメを対象とする

ISOSPIN Blood & Plasma DNA


HPLC UPLC JP UPLC システムによる 注入回数 3000 回以上 のルーチン製剤分析の実現 分析スループットの向上と使用溶媒量の削減 分析効率の向上 日本薬局方 (JP) は 薬事法第 41 条第一項の規定に基づき医薬品の品質を適性に担保するための公的な規範書であり 多くの医薬品の分析

溶かし 加水分解に供する試料溶液とする 加水分解試料溶液の入った 200 ml のなす形フラスコに水酸化ナトリウム溶液 (1.5 mol/l)1 ml を加え 冷却管を付けて 80 C の水浴で 30 分間加温した後放冷する ph を塩酸 (1.5 mol/l) で 7.5~8.0 に調整注 2 し

目次 1. はじめに 目的 捕集および分析方法 (OSHA Method no. 34 改良 ) ブランク 破過 脱着率 誘導体化条件の検討 検量線... -

Taro-SV02500b.jtd

0-0表紙から1章表紙

JAJP

Taro-p1_沿革・.施設.jtd

pdf ナルトグラスチム ( 遺伝子組換え ) Nartograstim(Genetical Recombination) MAPTYRASSL PQSFLLKSLE QVRKIQGDGA ALQEKLCATY KLCHPEELVL LGHSLGIPWA PLSSC

<4D F736F F D2089BB8A7795A88EBF82C68AC28BAB2E646F63>

本報告書は 試験法開発における検討結果をまとめたものであり 試験法の実施に際して参考として下さい なお 報告書の内容と通知または告示試験法との間に齪酷がある場合には 通知または告示試験法が優先することをご留意ください 平成 27 年度 食品に残留する農薬等の成分である物質の試験法開発事業報告書 カル

untitled

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

94 石川保環研報 2 試験方法 2 1 分析法概要水質試料にサロゲート物質 ( アクリル酸 -d を添加した後, 塩酸で酸性とし, 固相カートリッジカラムで抽出する 溶出液を濃縮後, ペンタフルオロベンジルブロミド ( 以下,PFBBと表記する ) により誘導体化を行い, 内部標準物質 ( ナフタ

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

札幌市-衛生研究所報37(調査報告05)

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

Microsoft Word - 3_資機材試験新旧140328

(f) メスシリンダー :JIS R 3505 に規定する呼び容量 20 ml 100 ml 200 ml 250 ml 及び 1 L のもので 体積の許容誤差の区分がクラス A のもの又はこれと同等のもの (g) ねじ口瓶 : 容量 100 ml 500 ml 及び 1 L のもの または同等の保

ミリモル毎リットル mmol/l マイクロジーメンス毎センチメートル µs/cm 度 ( 角度 ) 5. 質量百分率を示すには % の記号を用いる 液体又は気体 100mL 中の物質量 (g) を示すには w/v% の記号を用いる 物質 100g 中の物質量 (ml) を示すには v/w% の記号を

9 果実酒 9-1 試料の採取 3-1 による ただし 発泡のおそれのあるものは綿栓をして 速やかに試験に供する 9-2 性状 3-2 による 別に試料及び貯蔵容器において 皮膜の状態についても観察する 9-3 ガス圧 8-3 に準じて測定する 9-4 検体の調製 ガスを含むときは 8-4 によって

A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 溶出 検査 1 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg CH 長生堂製薬 * 2 シュランダー錠 25mg 鶴原製薬 * 3 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg TYK 武田テバ薬品 * 4 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg タイヨー 武田テバファーマ

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

5989_5672.qxd

有害大気汚染物質測定方法マニュアル

第 10 章ビタミン 1 L- アスコルビン酸又は L- アスコルビン酸カルシウム ( 適用範囲 : プレミックス ) A 試薬の調製 1) 抽出溶媒 L- システイン塩酸塩一水和物 20 g をメタリン酸溶液 (5 w/v%) に溶 かして 1 L とする ( 使用時に調製する ) 2) L- ア

食品中のシュウ酸定量分析の検討

Microsoft Word - 酸塩基

LC/MS による農薬等の一斉試験法 Ⅲ( 畜水産物 ) の妥当性評価試験結果 ( 平成 24~25 年度 ) 平成 30 年 4 月 医薬 生活衛生局食品基準審査課 1. 妥当性評価試験の概要一斉試験法の妥当性評価試験にあたっては 試験法の汎用性を考慮し複数の機関で実施した結果から試験法の評価を行

Transcription:

食安基発第 431 号 平成 2 年 4 月 3 日 都道府県 各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿 特別区 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課長 食品中の食品添加物分析法 の改正について 標記分析法については 食品中の食品添加物分析法について ( 平成 12 年 3 月 3 日付け衛化第 15 号厚生省生活衛生局食品化学課長通知 ) の別添 第 2 版食品中の食品添加物分析法 により定めているところであるが 食品中の食品添加物分析法 を下記のとおり改正したので通知いたします なお 貴職におかれても 御活用の上 関係者に対する周知方よろしくお願いいたします 記 1. ポリソルベート2 同 6 同 65 及び同 8が 本日 添加物として指定されたことに伴い 別添 1のポリソルベート2 同 6 同 65 及び同 8の分析法を加えたこと 2. 安息香酸及び安息香酸ナトリウム等 11 品目について 別添 2のとおり試験法の一部を改正したこと

ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 及びポリソルベート 8 Polysorbate 2, Polysorbate 6, Polysorbate 65 and Polysorbate 8 1. 試験法の概要食品中のポリソルベート類 ( ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 及びポリソルベート 8) はアセトニトリル ヘキサン メタノール混液 (28:3:2) で抽出し, アルミナカラム及びシリカゲルミニカラムでクリーンアップした後, 薄層クロマトグラフィーにより定性する. ポリソルベート類が検出された場合には, 比色法により, ポリソルベート 8 として定量する. 2. 試験法 ( 薄層クロマトグラフィー及び比色法 ) (1) 検体の採取と試料の調製一般試料採取法を準用する. (2) 試料液の調製 1 抽出試料 1gを容量 1mlの遠心管 1) に正確に量り, 水 1ml 2) 及びヘキサン 5mlを加え, ホモジナイズ又はかくはんし, 全体を混和させる 3). これにアセトニトリル ヘキサン メタノール混液 (28:3:2)3mlを加え,1 分間ホモジナイズする. 遠心分離 (5 分間,1, 回転 / 分又は 1 分間,3, 回転 / 分 ) 4) 後, ヘキサン層と沈殿物の間の中間層を分液漏斗に移す 5), 6). 遠心管に水 5mlを加え, ホモジナイズ又はかくはんした後, アセトニトリル ヘキサン メタノール混液 (28:3:2)4mlを加え,1 分間ホモジナイズする. 遠心分離後, 中間層を分取し 6), 全中間層を分液漏斗に合わせ, ヘキサン 2mlを加え, 軽く振り 7), 静置する 8). 下層を別の分液漏斗に移し, 酢酸エチル 35mlを加えて軽く混ぜ合わせる. これに飽和食塩水約 1ml 及び塩化ナトリウム 2~5gを加え 9),5 分間振とうした後, 静置する 8). 下層の飽和食塩水層を除去し, 更に塩化ナトリウム少量を加えて 1) 軽く振とうし, 静置後 8), 下層の飽和食塩水層を除去する. 残った上層を脱水ろ過し 11), ろ液を減圧濃縮容器にとり, 減圧乾固する. 2 精製減圧濃縮容器に酢酸エチル約 3mlを加え, 残留物を溶解し 12), 次に無水硫酸ナトリウム 2~5g 13) を加えて振り混ぜ, 酢酸エチル溶液をアルミナカラムへ静かに注入し, 流出液は捨てる. 減圧濃縮容器を酢酸エチル 1mlを用いて洗浄し, 同様にアルミナカラムに注入し, 流出液は捨てる 14). 次にメタノール 1mlを減圧濃縮容器に加えて振り混ぜ, これに酢酸エチル 4mlを加え軽く混合する 15). この液をアルミナカラムへ注入し, 流出液を別の減圧濃縮容器にとる. さらに, 先の減圧濃縮容器を酢酸エチル メタノール混液 (4:1)1ml を用いて洗浄し, 洗液をアルミナカラムに注入し, 流出液を先の流出液と合わせて,4

以下で減圧乾固する. 残留物に酢酸エチル 1mlを加えて溶解し, シリカゲルミニカラム (69mg) 16) に注入し, 流出液は捨てる. 次いで酢酸エチル 2~3mlを注入し流出液は捨てる 17). シリカゲルミニカラムを逆さにし 18), ジクロロメタン メタノール混液 (2:1)1ml を注入し, 流出液を減圧濃縮容器にとり, 減圧乾固する. 得られた残留物をジクロロメタンに溶解し,1mlとして 19) 試料液とする. このうち.5mlを正確に量り, 薄層クロマトグラフィー用試料液とする. (3) 標準液の調製 1 定性 ( 薄層クロマトグラフィー ) 用ポリソルベート 8 及びポリソルベート 65 をそれぞれ.1gずつ正確に量り 2), ジクロロメタンを加え, 超音波で完全に溶解した後, ジクロロメタンでそれぞれ正確に 5mlとし, 定性用ポリソルベート 8 標準液及び定性用ポリソルベート 65 標準液とする ( これらの液 1mlは, ポリソルベート 8 あるいはポリソルベート 65 2mgを含む ). 2 比色法用ポリソルベート 8 標準品 21) 約.1gを精密に量り, 少量のジクロロメタンを加え, 超音波で完全に溶解した後, ジクロロメタンで正確に 5mlとし, 定量用標準原液とする ( この液 1mlは, ポリソルベート 8 2mgを含む ). 定量用標準原液 1,1ml 及び 2ml をそれぞれ正確に量り, ジクロロメタンでそれぞれ正確に 2,1ml 及び 1ml とし,1,2μg/ml 及び 4μg/ml の定量用標準液とする. 1 μg/ml の定量用標準液 2 ml 及び 5 ml をそれぞれ正確に量り, それぞれジクロロメタンで正確に 1 ml とし,2 μg/ml 及び 5 μg/ml の定量用標準液とする. (4) 測定法 1 薄層クロマトグラフィー ( 定性 ) シリカゲル薄層板 22) の一端から約 2mmの位置を原線とし, 両側から少なくとも 1mm 離し, 原線上に, 薄層クロマトグラフィー用試料液全量 23), 定性用ポリソルベート 8 標準液 5 及び 1 μl( それぞれポリソルベート 8 として 1 及び 2 μg 相当となる ) 及び定性用ポリソルベート 65 標準液 1 μl( ポリソルベート 65 として 2 μg 相当となる ) を 1mm 以上の間隔で, スポットの直径が 3 mm 以下になるように付けた後, 風乾する. 次に試料液をつけた端を下にして, この薄層板を展開用容器に入れ, 密閉して展開を行う. 展開用容器にはあらかじめ展開溶媒としてジクロロメタン メタノール アセトン 水混液 (1:2:15:3) を 1mmの深さに入れ, 展開溶媒の蒸気で飽和しておく. 展開溶媒の先端が原線より約 1cmの高さに上昇したときに薄層板を取り出し, 風乾する. この薄層板にドラーゲンドルフ試液を噴霧し, 標準液及び試料液の, スポットの位置及び色の濃さを自然光下で比較観察する 24).

2 比色法 ( 定量 ) a 測定条件 分光光度計を用い, 波長 62nm における吸光度を液層 1cm で測定する. b 測定液の調製 試料液 25)5ml を正確に量り, チオシアン酸コバルト試液 5ml を加え,5 分間振とう 26) し, 遠心分離 (5 分間,3, 回転 / 分 ) する 27). 上層のチオシアン酸コバルト溶液を捨て, 下 層のジクロロメタン層を採取し 28), 測定液とする. c 検量線 ジクロロメタン 29) 及び定量用標準液 5ml をそれぞれ正確に量り, それぞれにチオシアン酸 コバルト試液 5 ml を加え,b 測定液の調製における試料液と同様に操作し, 吸光度を測定し, 検量線を作成する 3). d 定量 測定液の波長 62nm における吸光度を測定し, 検量線より, 試料液中のポリソルベート 濃度 ( ポリソルベート 8 として,μg/ml) を求め, 次式によって検体中のポリソルベート 含量 ( ポリソルベート 8 として,g/kg) を計算する 31). C 1 試料液の希釈倍率 1 ポリソルベート含量 (g/kg)= W 1 C: 試料溶液中のポリソルベートの濃度 (μg/ml) W: 試料の採取量 (g) 試薬 試液 1. アセトニトリル :[ 特級 ] 2. アルミナ : 酸化アルミニウム ( 塩基性 ) 32) 3. アルミナカラム : 活栓付クロマトグラフ管 ( 内径 1.5cm, 長さ 3cm) に酢酸エチル約 2mlを入れ, 脱脂綿を緩く詰め, アルミナ 1gを少しずつ入れて 33) 充填し, 無水硫酸ナトリウム 5gを積層し 34), 酢酸エチル 3~5mlを流して, コンディショニングしておく. クロマト管の上部に, 脱脂綿を詰めた漏斗を置き, 漏斗を通して沈殿物を含む液を流し込むと, カラムが詰まるのを防ぐことができる. 4. 塩化ナトリウム :[ 特級 ] 5. 塩基性硝酸ビスマス :[ 特級 ] 6. 酢酸 :[ 特級 ] 7. ジクロロメタン :[ 特級 ] 8. 硝酸コバルト 6 水和物 :[ 特級 ] 9. シリカゲル薄層板 : 市販品を用いる. 1. シリカゲルミニカラム (69mg): 内径 8~ 9mm のポリエチレン製のカラム管に, カラムクロマトグラフィー用に製造したシリカゲル 69mg を充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる.

11. チオシアン酸アンモニウム :[ 特級 ] 12. チオシアン酸コバルト試液 : チオシアン酸アンモニウム 5g, 硝酸コバルト 6 水和物 15g 及び塩化ナトリウム 25g を水に溶かして 25ml とする. 13. ドラーゲンドルフ試液 : 塩基性硝酸ビスマス 1.7g を 2vol 酢酸 1ml に溶かし, その 1ml と 4w/v ヨウ化カリウム溶液 1ml 及び酢酸 4ml を混合し, 水で 25ml とする. 14. ヘキサン :[ 特級 ] 15. 飽和食塩水 : 塩化ナトリウム 4g に水 1L を加え, 加温しながらよく攪拌し, 冷後上澄液を用いる 16. ポリソルベート 8: ポリオキシエチレン (2) ソルビタンモノオレエート,Tween 8 17. ポリソルベート 65: ポリオキシエチレン (2) ソルビタントリステアレート,Tween 65 18. ポリソルベート 8 標準品 : オレイン酸純度 99 以上. 19. 無水硫酸ナトリウム :[ 特級 ] 2. メタノール :[ 特級 ] 21. ヨウ化カリウム :[ 特級 ] [ 注 ] 1) 容量 1ml 以上の遠心管を用いても良い. 2) フリーズドライ製品等の場合は, 先に水 1ml を加え試料を膨潤させる. 試料の膨潤が足りない場合には, 水の量を増やしても良いが, その場合は, 加えた水と次に加えるヘキサンとアセトニトリル ヘキサン メタノール混液の割合が,2:1:6 となるようにし, それ以降の抽出に用いる水, ヘキサン, アセトニトリル ヘキサン メタノール混液及び酢酸エチルの量も, 増やした水の量に応じて同じ割合で増やす. たとえば, はじめに加える水を 1ml 追加して,2ml とした場合には, ヘキサンは 1ml, アセトニトリル ヘキサン メタノール混液は 6ml とし, 次に加える水は 1ml, アセトニトリル ヘキサン メタノール混液は 8ml, ヘキサンは 4ml, 酢酸エチルは 7ml とする. 3) 試料がチョコレート等の場合はあらかじめ加温して融解させる. わかめには,TLC ではポリソルベート 8 と異なる Rf 値を示し, 定性には影響を与えないが, 比色定量には影響を与える物質が含まれており, 比色の際のブランク値が大きくなることがあるため, 必要に応じてホモジナイズの前に除いておく. 他の海藻類の場合にも注意が必要. 4) 遠心分離の回転数は用いる遠心管に応じて選択する. 5) ヘキサン層は捨てず, 直接, 中間層を採取する. 次の操作でヘキサンによる洗浄を行うので, ヘキサンが少量混ざってしまってもよい. 6) 遠心分離で試料が沈まず, 中間層の浮遊物が多い場合には, 固形物を除くために, 綿栓でろ過をして, 分液漏斗へ移す. ろ過後の残留物は, 遠心分離した沈殿物と合わせ, 再度抽出に用いる. 7) 食品の種類によっては, エマルジョンを生じて溶媒が充分に分離しない場合があり,

回収率が悪くなる原因となるので, 軽く振る. 8) 分液漏斗中の溶媒が分離するのに時間がかかる食品の場合は, 十分に分離してから次の操作を行う. 9) 食塩水を飽和に保つために薬さじ 1 杯程度を加える. 加えた塩化ナトリウムは完全には溶けない. 1) 1 回の除去では飽和食塩水層を除けない場合があるため, 酢酸エチルから水を分離させるため更に少量の塩化ナトリウムを加える. この時, 塩化ナトリウムの量が多いと酢酸エチル層と飽和食塩水層の境界線が見えにくくなるので注意する. 11) あらかじめ漏斗に脱脂綿を緩く詰め, 無水硫酸ナトリウムを積層し, 酢酸エチルで湿らせておく. 12) ポリソルベートは, 次の操作で加えるメタノールには溶解するので, 無理に残留物を酢酸エチルに溶解させない. 13) 薬さじ 1 杯程度でよい. 試料がガムの場合は無水硫酸ナトリウムを加えない. 14) 試料がガムの場合は,TLC の際に妨害がみられるため, アンモニア水を含む溶液で以下のように洗浄操作を行う. アルミナカラムには無水硫酸ナトリウムを積層せず, 減圧濃縮容器は, 酢酸エチル 1 ml で洗浄する代わりに, 酢酸エチル n-プロパノール アンモニア水混液 (1:1:1)5 ml で洗浄してアルミナカラムに注入し, 流出液を捨てる. 更に, アルミナカラム内のアンモニア水を取り除くために, 減圧濃縮容器を酢酸エチル 5 ml で洗浄し, 洗液をアルミナカラムに注入し, 流出液を捨てる. 15) 酢酸エチルを加えると白く濁る場合があるが, 濁った液をそのままアルミナカラムへ注入し, 流出液を別の減圧濃縮容器に回収する. 16) シリカゲルミニカラムとして,Sep-Pak Plus Silica(69mg) もしくはその同等品が使用できる.Sep-Pak Plus Silica は使用前に酢酸エチル 1ml を通過させてコンディショニングしておく. 17) 洗浄液が透明になるまで酢酸エチルを流す. 少量の色素は酢酸エチルでは洗浄されないので, 少量の色素が残っていてもよい. 18) 溶出液の容量を減らすためにバックフラッシュ法を用いるが, カートリッジに負荷する際, 沈殿物がある場合は, バックフラッシュ法で溶出すると沈殿物が落ちるため, 逆さにせず, ジクロロメタン メタノール混液 (2:1)3ml で溶出してもよい. 19) 濃度が高い場合には, 適宜希釈する. 2) 薄層クロマトグラフィーでは, ポリソルベート 8, ポリソルベート 6, ポリソルベート 2 は同様の Rf 値のスポットパターンを示すが, ポリソルベート 65 は異なるため, 定性用標準液は, ポリソルベート 8 及びポリソルベート 65 とする. 21) ポリソルベート 8 標準品として, 日油株式会社製ポリソルベート 8(HX)( オレイン酸純度 99) もしくはその同等品が使用できる. 22) シリカゲル薄層板として,Merck 社製 Silica gel F254, もしくはその同等品が使用できる. 薄層板は 12 で 3 分間加熱し活性化したものを使用する.

23) 試料液は, ジクロロメタン溶液であるため, スポット中に溶媒が揮発して濃度が変わる恐れがあるため,.5 ml を正確に採取して別の小さな容器に移し, 全量をスポットする. また, 別の容器に移した後, 濃縮してからスポットしてもよい. 24) ポリソルベート 2,6 及び 8 は同様の Rf 値のスポットパターンを示すが, ポリソルベート 65 は, 他のポリソルベートに比べ, 観察されるスポットの数は少なく, 色は薄い. 25) TLC による分析の結果, 試料液中のポリソルベート量が濃い場合は, ジクロロメタンで適宜希釈する. 26) 発色が不十分となる場合があるので, ジクロロメタン層とチオシアン酸コバルト試液層がよく混合するような振とう方法で行う. 27) 遠心分離の代わりに,1 分間以上静置してもよい. 28) 上層のチオシアン酸コバルト溶液はピペット等で下層ぎりぎりまで捨てる. 下層のジクロロメタン層をピペット等で採取する際は, チオシアン酸コバルト溶液がピペットにつかないように注意する. ジクロロメタン層は空気に触れると退色するため, 上層を捨てた後, すばやく測定する. 29) 試薬ブランクである. 比色定量の際の対照として用いる. 3) チオシアン酸コバルト試液による比色法で作成したポリソルベート 8 の検量線の一例を注図 1 に示す. Abs at 62 nm 1..8.6.4.2. y =.21x -.3 R 2 =.9999 1 2 3 4 注図 1 ポリソルベート 8 検量線 Conc (μg/ml) 31) 本試験法の定量限界は,.2g/kg とする. 種々の食品についてのポリソルベート 8 の添加回収率を注表 1 に示す. 添加回収試験を行う場合は, ポリソルベート 8 の添加量 を基準値の濃度又は.1g/kg とする.

注表 1 ポリソルベート 8 の各種食品での添加回収率 試料添加量 (g/kg) 回収率 ()* ホットケーキミックストマトケチャップ粉末スープ ( 味噌 ) オリーブオイルピクルスクッキードレッシングコチュジャン *3 試行の平均値 ±S.D.1.1.1.1.1.1.1.1 53.6±2.6 68.7±1.7 52.8±1.6 65.2±4.1 6.7±1.4 61.1±7.2 68.± 2.1 76.2 ±2.6 32) Merck 社製 Aluminum oxide 9 standardized (Cat.No.1.197), もしくはその同等品が使用できる. 必要に応じて, 活性化 (135,12 時間等 ) して用いる. 33) 酢酸エチルに懸濁せず, アルミナを粉体のまま入れる. 34) 試料がガムの場合は無水硫酸ナトリウムを積層しない.

参考 ポリソルベート確認試験法 1. 試験法の概要食品中のポリソルベート類 ( ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 及びポリソルベート 8) はアセトニトリル ヘキサン メタノール混液 (28:3:2) で抽出し, アルミナカラム及びシリカゲルミニカラムでクリーンアップした後, 減圧濃縮し, メタノールに溶解し, メンブランフィルターでろ過後, 液体クロマトグラフィー質量分析法により確認を行う 1). 2. 試験法 ( 液体クロマトグラフ質量分析法 ) (1) 検体の採取と試料の調製 第 2 版食品中の食品添加物分析法 2 の一般試料採取法を準用する. (2) 試料液の調製 ポリソルベート類試験法を準用し, 数 ml(2~4 ml) を正確に量り, 減圧濃縮後, メタノールに溶解し, メンブランフィルターでろ過する. (3) 標準液の調製ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 及びポリソルベート 8.5g を量り, メタノールを加え, 超音波で完全に溶解した後, メタノールで正確に 5ml とし, 標準原液とする ( これらの液 1ml は, ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 又はポリソルベート 8 1mg を含む ). 標準原液 5ml をそれぞれ量り, それぞれメタノールで 1ml とし, 標準液とする ( これらの液 1ml は, ポリソルベート 2, ポリソルベート 6, ポリソルベート 65 又はポリソルベート 8 5μg を含む ). (4) 測定法 2) 1 測定条件カラム充てん剤 3): オクチルシリル化シリカゲル, 粒径 5μm カラム管 : 内径 2.mm, 長さ 15mm 移動相 :A.1vol ギ酸溶液,B.1vol ギ酸メタノール溶液濃度勾配 A:B(1:1) から (3:7) までの直線濃度勾配を 5 分間行い,A:B(3:7) から (1:99) までの直線濃度勾配を 25 分間行い,A:B (1:99) で 1 分間保持する. カラム温度 :4 流速 :.2ml/ 分

注入量 :5μl イオン化法 ESI 正イオンモード測定質量 (m/z) スキャン 3-2 SIMターゲットイオン 4) ポリソルベート 2:1249.74 [C58H114O26+Na] + ポリソルベート 6:1333.84 [C64H126O26+Na] + ポリソルベート 8:1331.82 [C64H124O26+Na] + ポリソルベート 65:1866.36 [C1H194O28+Na] + 2 定性確認試料液を液体クロマトグラフ質量分析装置 (LC-MS) に注入し, クロマトグラム上に検出されたピークの保持時間が標準液と一致することを確認する 5). 試薬 試液等 1. ギ酸 :[ 高速液体クロマトグラフ用 ] 2. ポリソルベート 2: ポリオキシエチレン (2) ソルビタンモノラウレート,Tween 2 3. ポリソルベート 6: ポリオキシエチレン (2) ソルビタンモノステアレート,Tween 6 4. メタノール :[ 高速液体クロマトグラフ用 ] 5. その他の試薬 6) はポリソルベート類試験法を準用する. [ 注 ] 1) 本法は, ポリソルベート類の確認試験法であり, 定量分析は目的としない. ポリソルベートの種類を特定する必要がある場合に用いる. 本法により, ポリソルベート 4 及びポリソルベート 85 も確認できる. ただし, ポリソルベート 6 には, ポリソルベート 4 の主成分であるポリオキシエチレン (2) ソルビタンモノパルミテートが含まれているため, 確認の際には注意を要する. H 2 C H C O(C 2 H 4 O) w H R 2 (C 2 H 4 O) x O HC CH O H C O(C 2 H 4 O) y R 3 w+x+y+z= 約 2 CH 2 O(C 2 H 4 O) z R 1 ポリソルベート 2 R1=CH3(CH2)1CO-,R2=R3=H ポリソルベート 6 R1=CH3(CH2)16CO- 又はCH3(CH2)14CO-,R2=R3=H ポリソルベート 65 R1=R2=R3=CH3(CH2)16CO- 又はCH3(CH2)14CO- ポリソルベート 8 R1=CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO-,R2=R3=H ただし, 他の脂肪酸を含む.

ポリソルベート 2:1227.72 ( ラウリン酸 ) ポリソルベート 6:1331.9 ( ステアリン酸 ) ポリソルベート 8:139.68 ( オレイン酸 ) ポリソルベート 65:1842 ( ステアリン酸 ) ただし, エチレンオキシドが 2 分子縮合し,( ) 内の脂肪酸のみで構成されるとした場合の分子量 2) その他の測定条件は各測定機器に従い, 標準液のピーク強度が最大となるようにあらか じめ最適化を行う. 参考としてフラグメント確認の測定条件の一例を示す. 装置により, 設定条件は異なる. 装置 :Waters AQUITY UPLC Quatro Premier MS 条件キャピラリー電圧 (Capillary): 1. kv コーン電圧 (Cone): 1V エクストラクター (Extractor): 4.V ソース温度 (Source Temp): 12 C 脱溶媒温度 (Desolvation Temp.): 4 C コーンガス流量 (Cone Gas Flow): 47L/hr 脱溶媒ガス流量 (Desolvation Gas Flow): 1L/hr 3) 市販のカラムとして YMC Pack C8 S-5(2. 15mm,5 μm) 等が使用できる. 4) SIM ターゲットイオンは, ポリソルベート類の定義に合わせ, ポリオキシエチレン基が 2 分子縮合したものに, ナトリウム 1 分子が付加した場合のもので, 感度の高いもので はない. スキャン測定によりそれぞれの測定対象質量を確認後, 実測値をターゲットイオンとして設定してもよい. ポリソルベート 4 及びポリソルベート 85 のm/zはそれぞれ 135.81[C62H122O26+Na] + 及び 186.31[C1H188O28+Na] + である. なお, ポリソルベート 4 の構成脂肪酸はパルミチン酸であるが, ポリソルベート 6 はステアリン酸の他にパルミチン酸を構成脂肪酸としているため, ポリソルベート 6 に由来する m/z1333.84[c64h126o26+na] + とポリソルベート 4 の 135.81[C62H122O26+Na] + が同程度観察される. 5) 各ポリソルベートの SIM クロマトグラムの一例を注図 1 に,SIM で確認されたピークのリテンションタイムでの TIC の MS スペクトルの一例を注図 2 に示す.

注図 1 各ポリソルベートの SIM クロマトグラム 各ポリソルベート濃度 :5 μg/ml PS8 5 ug/ml in MeOH, YMC Pack C8 2.*15 PO12832 7-Feb-28 16:44:44 2: SIR of 9 Channels ES+ PS 8 1332.65 4.88e6 2.22 27.79 31.41 32.15. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. PO12829 2: SIR of 9 Channels ES+ 9.91 125.51 1.24e7 23.26 12.23. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. PO1283 2: SIR of 9 Channels ES+ 14.73 136.62 25.76 1.64e7 29.9. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. PO12831 2: SIR of 9 Channels ES+ 17.33 1334.67 26.78 6.98e6 2.87 25.39 27.8. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. PO12833 2: SIR of 9 Channels ES+ 31.78 1866.37 4.46e6 27.5 33.91. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. PO12834 2: SIR of 9 Channels ES+ 3.57 34.1 186.31 5.48e6 2.87 15.47 26.3 PS 2 PS 4 PS 6 PS 65 PS 85 25.66. 5. 1. 15. 2. 25. 3. 35. 4. Time は, 各ポリソルベートのピークを示す.

注図 2 SIM で確認されたピークのリテンションタイムでの TIC の MS スペクトル PS8 5 ug/ml in MeOH, YMC Pack C8 2.*15 7-Feb-28 16:44:44 PO12832 168 (15.481) 1: Scan ES+ PS 8 1 39.6 898.192.2 2.1e7 875.9 942. 88. 13.2 311. 719.8 1464.7 158.6 1684.5 1728.8186.5 525.6 631.9 1112.4 1948.9 PO12829 18 (9.922) 1: Scan ES+ PS 2 73.9 1 2.81e7 791.6 659.7 835.7 1382.3 1338.6 836.6 126.8 147.8 1514.5 331.6419.9 615.6 91.3 164.6 1735.3 1823.7 PO1283 16 (14.74) 1 136.7 1262.3 1438.4 1482.7 819.841.3 796.9 1217.8 339.4 862.9 1614.3 775.4 1129.9 525.6 57.2 1659.9 1791.6 1879.5 1: Scan ES+ PS 4 1.86e7 PO12831 188 (17.334) 1: Scan ES+ PS 6 311.6 1 855.2 1.28e7 899.1 1422.8 832.9 151.7 312.6 965.3 1334.7 1555.2 789.4 1688. 987.2 121.7 1775.3 525.6 73.9 1952.1 34.9 PO12833 344 (31.787) 1: Scan ES+ PS 65 311.5 1 5.35e6 1823.2 1779.8 1487.3 153.7 1736.9 1867.3 91.2923.1 968.2 312.8 1443.4 518.8 597.4 9.4 99.3 1912.5 PO12834 331 (3.583) 1: Scan ES+ PS 85 39.6 1 3.47e6 942.2 1817.7 31.4 1773.9 1861.2 941.5 18.7 166.3 196.5 311.6 19. 454.4 552.7 885.2 1614.9 197.8 687.9 1319.5 m/z 4 6 8 1 12 14 16 18 6) ポリソルベート 4 は Tween 4, ポリソルベート 85 は Tween 85 が使用できる.