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現在と次世代の鉄道車体の材料構成 車体 現状 :( 新幹線 )Al 合金 (A6N01) ( 在来線 ) ステンレス鋼 屋根 側構体 : ( 新幹線 )Mg 合金 CFRP 系複合材料 ( 在来線 )Al/Fe( ステンレス ) クラッド材 抵抗接合アーク接合 固相接合レーザー接合 内装品 ( 新幹線 ) 椅子 :Mg 合金荷棚等のサービス品 : Mg 合金 現状 :Fe Al 合金樹脂材料 一部難燃性 Mg 合金 ( 荷棚 ) 現状 : ( 新幹線 )Al 合金 (A6N01) ( 在来線 ) ステンレス鋼 樹脂系材料 床材 : ( 新幹線 ) ハニカムパネル (Mg 合金 /Al 合金コア CFRP/Al 合金コア Ti 合金 /Mg コア ) ( 在来線 )Al 合金 /Fe クラッド材 図 3 次世代鉄道車体の材料構成と異種材料接合技術 3 素形材の形態として 板材 ( 展伸材 ) 鋳造材 鍛造材等出口の形態によって 適用できる限界があるために 現時点で形態ごとの市場規模と その代替可能性規模を粗く仮説設定する必要がある 資料 5の23ページに示された素材別の目標設定は あくまで技術論であり その先の出口としての想定を示していただきたい 具体的には 3-1 本事業の成果が対象とする用途の革新にどのように寄与するかを示していただきたい 3-2 一例でもいいので素材そのものの開発とそれらを複合する技術開発の関係がイメージできる図を示していただきたい 3-3 例えば 次世代自動車の4.5km/Lの燃費向上 という目標達成するために費用対効果を含め如何なる 新規構造材料を開発 しなければならないかといった説明をお願いしたい 3-1 例えば 自動車への適用において 革新鋼板 (1800MPa( 現状 980 MPa 等 )) の開発により 構造部等の大幅な軽量化を実現する ( 表 1) 5

また 革新鋼板 新アルミ合金 CFRPなどを 新開発の高強度接合技術を介してマルチマテリアル化することで 世界に類を見ない自動車ボディの革新 ( 軽量化 安全性 高剛性 空間特性の向上 ) を実現する 今後 ユーザー企業と共に適用部素材のベストミックス 仕様スペックを仕上げていく なお 自動車用途高張力鋼板 ( ハイテン ) の日本シェアは 現在 世界市場約 4.5 兆円の約 80%( 約 3.4 兆円 ) 2030 年時点において 少なくとも日本シェア分約 50% が革新鋼板 ( 複層鋼板 複合鋼板 中高炭素鋼 ) に置き換わると想定 3-2 例えば 高速鉄道車体において ( 図 3) 今後車体材料がアルミニウム合金からマグネシウム合金 ( 難燃性 ) へと置き換えが進むためには マグネシウム合金の大型化 ( 広面積化 ) が必要である 目標に示した幅 1.2mのマグネシウム合金 ( 難燃性 ) 板材 ( 価格 1/2) の実現によって鉄道車体へ適用 ( 屋根 側構体など ) が加速化するもの考えられる ( 表 2) また 難燃性マグネシウム合金単体での使用では 車体全体の剛性が低下する この剛性確保を検討するに当たり 異種材料との組み合わせの検討も必要になる それには 難燃性マグネシウム合金とアルミニウム合金やCFRPとの異種材料の接合技術開発が必要になる しかし 現時点での異種材料の接合では 継手強度が低下することや 接合部の信頼性について評価されていないなど 様々な課題がある 今後 特に必要な課題として異種材料の高強度接合を可能とする低コスト接合技術の開発が挙げられる 表 1 本事業成果の自動車部品への適用例 部品例 要求性能 ( 軽量化 は共通要求性能 ) 新 Al 合金 新 Mg 合金 新炭素繊維複合材料 革新鋼板 ( 複層鋼板 複合鋼板 ) 革新的新構造材料の課題 目標 組織の微細化 微量元素制御及びリサイクル技術により材料コストを削減 組成制御による高強度合金の開発 加工技術開発等により 従来のマグネシウム合金比 2 倍の強度 大型化 ( 幅 1.2m) し 板材価格を 1/2 以下 量産車に適用可能な熱可塑性材料の性能評価 設計 加工に必要な材料制御 解析理論を確立 低コスト化 耐衝撃性を既存鋼製部品比 2 倍 革新鋼板とその製造プロセス技術開発により従来の 2 倍強度と 3 倍延性 ( 複層鋼板 ) 2 倍強度以上と高剛性特性 ( 複合鋼板 ) を実現 革新的新構造材料開発の定量的目標値 板材価格 360 円 /kg 強度 360MPa 板材価格 1500 円 /kg 強度 560MPa 部品価格 1000 円 /kg 耐衝撃性 2 倍 板材価格 90 円 /kg 強度 1800MPa [() 内は現状値 ] (380 円 /kg,300mpa) (3000 円 /kg,280mpa) (6000 円 /kg) (90 円 /kg,980mpa) エンジンブロック 鋳造加工できること 耐熱性が高いこと シャシー フレーム 靭性 耐衝撃性 耐食性が高いこと 修復コストが安いこと 成形性が高いこと ( 一部 ) フード / ルーフパネル サスペンション ドアフレーム インパクトビーム 特に軽量であり 靭性が高いこと 耐食性が高いこと 耐衝撃性が高いこと 靭性 耐衝撃性が高いこと 成形性が高いこと ( 一部 ) インパクトビーム ドア等パネル 靭性が高いこと 修復コストが安いこと 成形性が高いこと フロアパネル成形性 耐食性が高いこと ホイール 熱交換器 耐衝撃性 耐食性が高いこと 耐熱性が高く 放熱性に優れること 耐食性が高いこと 6

表 2 鉄道車体用部素材の現状と課題 屋根 側構体部素材 高速鉄道 在来線 現在次世代課題 : 部素材課題 : 接合技術 Al 合金 (A6N01) ステンレス鋼 Mg 合金 CFRP 系複合材料 Al/Fe( ステンレス ) クラッド材 Mg 板材の大型化 ( 幅 1.2m) Al/Fe 複合化技術 Mg,Al,CFRP 間の高信頼性異種材料接合技術 Al/Fe 複合材間の異種材料接合技術 3-3 自動車では 前述 3-1の表 1に示した革新的新構造材料と新接合技術を開発し 当該材料を適所に利用することで 普通乗用車 (1.3t) の車体重量は21.5% (280kg) 程度軽量化され その結果 4.5km/Lの燃費向上が見込まれる より詳細な試算については 今後ユーザー企業と調整して進めていく プロジェクト途中に出てきた成果は 順次 市場へ導入していく 高強度高延性鋼板 ( 中高炭素鋼 )( 1.5 倍強度と1 倍延性 ) の市場導入 (2017 年ごろ ) 高強度高延性鋼板 ( 中高炭素鋼 )( 1.5 倍強度と1.5 倍延性 ) の市場導入 (2019 年ごろ ) アルミ新合金 マグネ新合金 チタン新合金の市場導入 (2020 年ごろ ) 炭素繊維複合材料の市場導入 (2020 年ごろ ) 複層鋼板 (2 倍強度 3 倍延性 ) の市場導入 (2026 年ごろ ) 複合鋼板 (2 倍強度以上 高剛性特性 ) の市場導入 (2026 年ごろ ) 4 鉄鋼材料 非鉄材料 CFRPの材料別の開発目標に対して これらを組合せた場合 とりわけ このプロジェクトの背景 趣旨として自動車の軽量化を目指しているので 軽量化に対して明確に効果を発揮すると想定される自動車部材及び各材料の組合せ評価項目として たとえば 重量低減率 コスト 必要な技術開発項目 ( 組合せるための接合技術など ) 問題点をリストアップし 資料 5の17~20ページ (7-2の開発の方向性や7-3のプロジェクトのスケジュール ) に示していただきたい 開発部素材は 各々の組合せにおける新開発の高強度接合技術により一体化されることで 輸送機ボディーの革新 ( 軽量化 安全性 高剛性 空間特性の向上 ) が実現される 出口 ( 自動車などの輸送機ボディーの革新 ) に向けては 構造設計シミュレーションを異種部素材横断的に実施し 経済性 リサイクル性 LCAも踏まえた統合的な検討を行う また 新部素材開発と異種材料接合技術開発の連携 7

においては 開発部素材と新接合技術によるマルチマテリアルプロトタイプ試作を実施するとともに 金属素材特有の問題 ( 遅れ破壊 ) や異種接合特有の問題 ( 異種材間電気腐食 異膨張率剥離 劣化信頼性保証等 ) の解決を図り 異種部素材ベストミックスの統合的検討を実施していく 表 3 各種材料 異種材料間接合技術開発の目標等 Ti 合金 Mg 合金 Al 合金 2018 年までに高機能化技術を開発し 比強度 30% 増 耐食性 3 0% 増を実現 2023 年頃までに低消費電力製造プロセスを開発し 価格 1/2 以下を実現 2030 年までに 新規加工技術等を開発し 従来のマグネシウム合金比 2 倍の強度 大型化 ( 幅 1. 2m) 板材価格 1/2 以下を実現. 2018 年までに組織の微細化 微量元素制御技術 リサイクル技術を開発し 材料コストを 1 割削減. 2023 年までに組成制御による高強度合金を開発 革新鋼板 ( 複層鋼板 複合鋼板 ) 革新鋼板とその製造プロセス技術開発の鋭意実施 2023 年までに 従来比で 2 倍の強度 3 倍の延性 高剛性特性を実現 ( 破格は現在のハイテンと同レベル ) 炭素繊維複合材料 2023 年までに量産車に適用可能な熱可塑性材料の性能評価技術 設計 加工に必要な材料制御 解析理論を確立 熱可塑性 CFRP 製部品価格 1000 円 /kg の実現 ( 価格は 現在の鋼製部品と同等の 250 円 /kg) 既存の鋼製部品比で 2 倍の耐衝撃性の実現 異種材料接合技術開発 開発部素材と新接合技術によるマルチマテリアルプロトタイプ試作 ( 例 : 自動車のフロントサブフレーム =FSW による革新鋼板 + 新アルミ合金の接合 ( 図 1 に記載 )) 開発部素材の強度と同等の接合部強度の実現 2018 年までに固相接合における接合先端部材の高耐久性化 ( 常温 -1200 域 数千回の加熱冷却試験耐性 ) 2023 年までに異種材料による接合箇所評価手法の開発と国際的な普及を加速する標準化検討 炭素繊維複合材料と金属との接合技術の低コスト化 接合部における電食対策 接合部の強度特性評価技術の確立 5 世界の動向を考えた時 10 年計画で達成するとした目標が適切であるか またその時点で十分な国際競争力を有するとの見通しがあるかについて説明していただきたい 図 4に見られるように 世界の燃費規制において 日本は高い目標値を設定しており 本事業の目標においては車体重量の削減のみで目標燃費が達成できるところを設定した 規制動向は将来更に強化されることが予測されることから 今後もユーザー企業との協議をふまえて 他の対策手段 ( 動力伝達系 転がり抵抗の改善等 ) も勘案しつつ 目標設定の精度を上げていく 8

世界の燃費規制動向 欧州 17.8km/L 米国 カリフォルニア州 18.7km/L 中国 日本 16.8km/L 24.5km/L 図 4 世界の燃費規制動向 (2) マネジメントの妥当性 6ガバニングボード 戦略会議 PL 産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会の関係及びそれぞれの役割と権限についてより具体的に説明していただきたい それぞれの機関の具体的な役割をまとめる ガバニングボード 文科省 経産省間の研究内容調整 両省以外のPJや外国 PJとの連携模索 次年度概算要求の調整 経済産業省 全体戦略の策定 実施計画に対する評価の反映 PL(PJ の推進責任者 ) 9