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Transcription:

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アジュバントの種類と開発状況 分類アジュバント特徴 鉱酸塩 毒素 O/W エマルジョン W/O エマルジョン Bio polymer 植物成分 ( サポニン ) 海綿 水酸化アルミニウム リン酸アルミニウムなど CTB 大腸菌易熱性毒素 MF59 AS03 Provax Montanide ISA 51/ ミネラルオイルと植物由来界面活性剤 Advax/biopolymer QS2 ISCOM/ 脂質 + サポニンのミセル α- ガラクトシルセラミド (α- GalCer) IgE 産生誘導が強い タンパク抗原と沈降物を形成し 徐放性に抗原を放出する 1920 年代に見いだされた ワクチンと経鼻投与することにより IgA 産生を誘導 臨床試験で顔面神経麻痺が起き 臨床応用はされていない 粒子が小さく細胞に取り込まれやすく 体液性免疫を誘導 インフルエンザワクチンのアジュバントとして使用されている 2008 年に欧州で認可された H5N1 ウイルスワクチンのアジュバント CTL 誘導活性が強い 現在開発中 阪大 久留米大などが開発中の癌ペプチドワクチンのアジュバント 樹状細胞を活性化 HBV ワクチン インフルエンザワクチンのアジュバントとして開発中 成分は QuiA 由来サポニン CTL を誘導することができる 現在開発中 直径 40nm ほどの粒子 CTL を誘導することができる 現在開発中 CD1d 分子上に提示される α-galcer が 不変 T 細胞受容体 (TCR)α 鎖を持つナチュラル キラー T(NKT) 細胞を活性化

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ワクチンアジュバント開発研究の可能性と危険性 Vaccine adjuvant Gene therapy with viral vector 引用文献も同様の傾向

世界 ( 日欧米 ) のアジュバント審査行政 EMEA(EU) は ワクチン開発を推進するためにアジュバントに関する自然免疫学研究の成果を踏まえたガイドラインを 2005 年に公表した 一方 日本 米国ではアジュバントに関するガイドラインは 2010 年 9 月現在存在しない しかしながら 最近のアジュバントの開発研究の動向を鑑み 米国 日本においてもガイドライン作成に向けた具体的な対応策が講じられてきている

日米のアジュバント審査ガイドライン作成における論点 平成 21 年 3 月 5 日に医薬基盤研において米国 FDA の感染症 およびガンワクチンの審査官を迎え アジュバントの審査の方針や FDA 版アジュバントガイドラインの作成状況などを議論する機会を得た その際の議論の要点は アジュバントの審査はアジュバントのみでは行われず 必ずワクチン製剤との最終製剤が審査対象となる アジュバントの安全性の審査はその局所 全身における生体反応の作用機序の科学的根拠に基づくべきである アジュバントを含むワクチン審査の国際協調の参考資料として EMEA に加え WHO のガイドラインも 認識 されている 子供に投与する感染症ワクチンとガンワクチンではその基準 ( 値 ) はまったく異なるものの ベネフィット / リスク比 を最大限引き上げる努力を惜しまないという基本方針は変わらない

新規ワクチン開発研究のイメージ ワクチン開発研究センター ( コンソーシアム ) ヒト免疫システム研究 フィールド + 分子疫学 HTP スクリーニング ワクチンターゲット研究 ( 病原体 ガン アレルゲンなど ) 防御抗原 粘膜免疫 DDS 技術 生体内デリバリー 開発 アジュバント トキシコゲノミクス 自然免疫 生体イメージング 有機化学合成 免疫 ターゲット相互作用研究 バイオインフォーマテイックス

次世代アジュバント研究会 ( 仮称 ) の設置について 1 研究会の趣旨 位置づけ アジュバント開発研究促進のための産学官共同研究プラットフォーム組織形成を目指す アジュバント関連分野の研究に取り組む 産学官の研究者で構成する 高い安全性と有効性の両方を兼ね備える次世代のアジュバント開発研究を推進し 感染症予防ワクチン 治療用ワクチン等幅広い応用分野につなげる

2 研究会の事業内容 アジュバント開発研究 審査行政の最新動向の情報交換 アジュバントを活用した感染症予防ワクチンの研究開発 アジュバントを活用した治療用ワクチンの研究開発 ( ガン アレルギーも視野に入れる ) アジュバントの安全性評価研究 ( 作用機序解明のための基礎免疫学 ワクチノミクス ワクチノームといったデータベースつくりも含む ) その他 アジュバントを活用した研究プロジェクトの企画調整 共同研究の形態は原則として以下のとおり アジュバント活用したワクチン開発研究は個別の共同研究 アジュバントの安全性評価研究はコンソーシアム方式

3 研究会発起人メンバー 山西弘一 ( 医薬基盤研究所理事長 ) 審良静男 ( 大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長 ) 中西憲司 ( 兵庫医科大学学長 ) 瀬谷司 ( 北海道大学大学院医学研究科教授 ) 清野宏 ( 東京大学医科学研究所教授 ) 石井健 ( 医薬基盤研究所アジュバント開発プロジェクトリーダー ) ( 発起人代表 ) 内外のワクチン関連企業が約十数社参画予定 事務局 :( 独 ) 医薬基盤研究所 協力 :PMDA 製薬協 細協 ワクチン協議会 スーパー特区 大薬協 大阪府厚労科研費 (GL 山西班 石井班 ) 他

4 当面 ( 平成 22 年度 ) の取組み 8 月 : アジュバント研究会設置に向けて産学官関係者に発起人 6 人による呼び掛け 9 月 14 日 : ワクチンフォーラム 2010 で アジュバント研究会 設置を公表 アジュバントの基礎研究における一線の研究者に講演を依頼 11 月下旪 : 第 1 回研究会開催 ( 予定 ) 12 月 : 第 2 回研究会でクローズドセミナー ( 参加企業の研究者を対象 ) を開催 安全性評価研究は当面参画企業との共同研究として行い 早期に公的資金導入をめざす ( 平成 24 年度 ~ 未定 )

ワクチンフォーラム 2010 アジュバントワークショップ 講演 1 石井健医薬基盤研 アジュバント開発研究とその審査行政の現状と未来 講演 2 山崎晶氏九州大学 C タイプレクチンを介する結核菌アジュバント作用機序 講演 3 黒田悦史氏産業医大 アラムアジュバントをふくむ粒子状物質の新規免疫学的メカニズム 講演 4 石井保之氏理研 α-galcer アジュバントの免疫制御メカニズムと臨床応用 講演 5 清野宏氏東京大学 粘膜ワクチンデリバリーとアジュバント 最近の展開 講演 6 改正恒康氏理研 核酸アジュバントによる樹状細胞活性化の分子メカニズム

アジュバント開発研究と その審査行政の現状 未来 石井 健 ( 独 ) 医薬基盤研究所アジュバント開発プロジェクト 大阪大学免疫学フロンテイア研究センターワクチン学

( 独 ) 医薬基盤研究所 アジュバント開発プロジェクト プロジェクトリーダー主任研究員プロジェクト研究員プロジェクト研究員技術補佐員事務補佐員協力研究員その他研修生など 石井健青枝大貴小檜山康司鉄谷耕平村瀬耕作 岡部章子 長谷田泰成鎌田真由中村真理子 板山貴美子外国人研修生 3 名

アジュバント開発プロジェクトの背景 研究目的 これまで一貫して 感染症やその他免疫関連疾患における核酸 (DNA, RNA) の免疫制御機構とその生理学的意義の解明 及び核酸を利用したワクチン アジュバント 代替免疫療法開発を行っています これらの研究成果をもとに 自身の臨床経験や治験審査の経験など最大限生かし "Bench to Clinic" の具現化を目標にしています 本プロジェクトではワクチンのアジュバント開発研究に焦点を当て 既存 若しくは現在開発中のアジュバントの作用機序解明やその科学的エビデンスに基づいた有効性 安全性の向上技術の確立を目指します

ワクチン開発の道のりは長く 多くのヒトとカネが必要 ~? 年 ~? 円 + 1 年 + 3 年 + 5-? 年 ~1 億円 1-10 億円 10-100 億円 Animals 10-100 people 100-1000 people 1000-10000 people Pre-clinical Phase-I Phase-II Phase-III Immunogenicity Dose Immunogenicity (Potency) Efficacy Toxicity Safety Safety Safety

MHC-peptide < ワクチン免疫には自然免疫活性化が必須である > 自然免疫 獲得免疫 抗原特異的免疫反応 炎症反応 数分数時間数日数ヶ月 - 年 シグナル 2 = 病原体成分 ( 核酸など ) TLR ligands ワクチン 病原体 ( ダメージを受けた細胞 ) シグナル 1 = 抗原 自然免疫受容体 (TLR,NLR,RLR,CLR) 抗原提示細胞 ( 樹状細胞など ) Cytokines シグナル 3 Co-stimulation TCR T 細胞 B 細胞 免疫反応 免疫寛容

自然免疫受容体とは? TLR: Toll-like receptor TLR1-10 (human) NLR: NOD-like receptor NOD1,NOD2 NOD27 RLR: RIG-like receptor RIG-I, MDA5, LGP2 CLR: C-type lectin-like receptor..

自然免疫受容体とそのリガンド アジュバント 自然免疫受容体 (PRRs) リガンド (PAMPs) 主なリガンドの由来細胞内局在 TLRs TLR1/2 Triacyl lipopeptide グラム陽性菌 細胞膜 TLR2/6 Diacyl lipopeptide マイコプラズマ 細胞膜 TLR3 dsrna ウイルス エンドゾーム TLR4 LPS グラム陰性菌 細胞膜 TLR5 Flagellin 鞭毛をもつ細菌 細胞膜 TLR7 ssrna 多くのRNAウイルス エンドゾーム TLR9 非メチル化 CpG DNA Hemozoin 細菌, DNA ウイルス, Malaria エンドゾーム TLR11 Profilin-like molecule トキソプラズマ 細胞膜 RLRs NLRs CLRs RIG-I 5 -PPP ssrna or 短い (~1 kb) dsrna インフルエンザウイルスなど 細胞質 MDA5 長い (> 2 kb) dsrna 脳心筋炎ウイルスなど細胞質 LGP2 unknown RNA ウイルス細胞質 NOD1 Diaminopimelic acid(ie-dap) グラム陰性菌細胞質 NOD2 Muramyl dipeptides (MDP) グラム陽性菌 / グラム陰性菌細胞質 NLRP3 尿酸結晶 アスベスト, シリカなど細胞障害細胞質 NLRC4 Flagellin レジオネラ, サルモネラ, 緑膿 菌, 細胞質 NAIP5 Flagellin レジオネラ細胞質 Dectin-1 β-glucan 真菌細胞膜 Dectin-2 mannose 真菌細胞膜 Mincle トレハロースジミコール酸 (trehalose-6,6 -dimycolate; TDM) 結核菌 細胞膜

研究成果 ; 核酸アジュバントのメカニズム : 受容体 細胞内 細胞間シグナル ssrna dsrna ssdna dsdna Influenza RNA in vaccine component RIG-I poly IC MDA5 CpG ODN (Hemozoin) B-DNA within DNA vaccine NALP3 NALP3 AIM2 TLR7 TLR3 TLR9 endosome DAI? RNA-Pol-III cytosol MyD88 IPS-1 TRIF IPS-1 IKKabg TBK1 TBK1 TBK1 MAJOR MAJOR MyD88 IKKabg DC? TBK1 (STING,IPS-1) Stromal cell (e.g. muscle) Th1 B CTL? CTL Th1 B Th1 CTL B Th1 B Koyama S et al J. Immunol. 2007, Kumar H et al J. Immunol. 2007, Ishii KJ et al Nature 2008 Ishii KJ et al Curr Op. Immunol 2008 Coban et al Cell Host Microbe 2010 CTL

ワクチンのメカニズム ; 自然免疫活性化と抗原デリバリー 生ワクチン遺伝子 (DNA) ワクチン組み替えウイルスワクチン リコンビナントワクチン + アジュバント ( 蛋白 ペプチド ) 生体内抗原デリバリー 生体内抗原デリバリー 自然免疫活性化 CTL Killing IFNg Th0 Th1 IFNg 組織細胞 相互作用 樹状細胞 B B IgG2a,3 自然免疫 獲得免疫

Koyama et al Science TM 2010 インフルエンザウイルス 不活化全粒子ワクチン スプリットHAワクチン ( 現在日本で使用されているワクチン ) インフルエンザワクチンの種類 インフルエンザに罹ったことがない人 化学的な不活化 感染性をなくした ウイルス表面抗原 (HA 抗原 ) の精製 ウイルス RNA を除去した インフルエンザに暴露されたことがある人 自然免疫反応 mdcs RIG-I Uncertain NLR TLR7 上皮細胞 マクロファージ pdcs pdcs TLR7 自然免疫反応なし Innate immunity 自然免疫反応は必ずしも必要ではない I 型インターフェロン炎症性サイトカイン I 型インターフェロン 免疫が成立しない 適応免疫反応 CD8+Tcell 細胞障害活性 CD4+Tcell IFNγ の産生 Bcell Th1 タイプ抗体の産生 メモリー CD4+Tcell IFNγ の産生 Adaptive immunity

インフルエンザワクチンはいかにあるべきかの検討会熊谷卓司氏 ( くまがい小児科 ) 神谷齊氏 ( 三重病院 ) インフルエンザワクチンの有効性と安全性の向上のための理論基盤構築 厚生労働科学研究費補助金 (H22-24) 研究代表者 分担研究者 石井健 神谷齊 中山哲夫 清野宏 長谷川秀樹 迫田義博 多岐にわたるインフルエンザワクチンの免疫原性誘導のメカニズム 副反応と呼ばれる現象の作用機序をマウスモデルやヒトの血液を用いて免疫学的に解明することにより より安全で有効性の高いインフルエンザワクチン開発に必須な生物学的 医学的理論基盤を構築することを目的とする

Acknowledgement Lab. Adjuvant Innovation, National Institute of Biomedical Innovation (NIBIO) Lab. Vaccine Science, Immunology Frontier Research Center (ifrec), Osaka Univ. Shohei Koyama Taiki Aoshi Kouji Kobiyama スーパー特区 ( 先端医療開発特区 ) 次世代 感染症ワクチン イノベーションプロジェクト研究代表者 : 山西弘一 基盤研理事長兼研究所長 Toshihiro Horii s Lab Shizuo Akira s Lab Cevayir Coban s lab Atsushi Nakagawa s Lab @ifrec, Osaka U. Kazuo Sakurai Lab @Kitakyushu U. Fumihiko Takeshita s Lab (YCU) Dennis Klinman s Lab (FDA, USA) Ministry of Health

Acknowledgement Dep. Host Defense, Osaka U. Shizuo Akira Cevayir Coban Shohei Koyama Yukiko Fujita Mariko Nakamura Taro Kawai Osamu Takeuchi Satoshi Uematsu Protein Inst. Atsushi Nakagawa NIID, Japan Koichi Suzuki Yokohama City U. Fumihiko Takeshita Kitakyushu City U. Kazuo Sakurai Dep. Protozoology, Osaka U. Toshihiro Horii Taiki Aoshi Kouji Kobiyama Kousaku Murase Nobuko Arisue Takahiro Tougan Masahiro Yagi BIKEN Found. Takeshi Tanimoto