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1 資源エネルギー庁御中 平成 27 年度石油産業体制等調査研究 ( バイオ燃料を中心とした我が国の温室効果ガス削 減に向けた燃料政策に関する調査 ) 報告書 2016 年 3 月 31 日 環境 エネルギー研究本部

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3 目次 1. 調査の概要 目的 調査項目 現地調査 委員会の設置 運営 自動車用バイオ燃料 バイオジェット 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向 米国 バイオ燃料政策 自動車用バイオ燃料の導入状況 次世代バイオ燃料の動向 持続可能性 EU バイオ燃料政策 自動車用バイオ燃料の導入状況等 次世代バイオ燃料の動向 持続可能性 ドイツ 英国 ノルウェー ブラジル バイオ燃料政策 自動車用バイオ燃料の導入状況等 次世代バイオ燃料の動向 持続可能性 韓国 各車種の CO 2 排出量及び費用対効果の比較 対象とする車種 使用燃料 車種別 CO 2 排出量および削減費用 前提条件 評価結果 感度分析 年の車種別 CO 2 削減可能量 まとめ 各国の石油精製事業者に対する CO 2 削減義務付制度に関する調査 iii

4 4.1 米国カリフォルニア州 LCFS 制度 概要 制度の運用 制度の実績と評価 米国オレゴン州 CFP 制度 概要 制度の運用 カナダブリティッシュ コロンビア州 RLCF 制度 概要 制度の運用 制度の実績と評価 年度以降のバイオ燃料の導入体制に関する検討 エネルギー供給構造高度化法成立の背景と概要 今後の見直しに向けた論点 バイオ燃料に対するスタンス 目標の設定方法 安定供給の確保 持続可能性基準 (GHG 評価 ) 持続可能性基準 ( 生物多様性 食料競合 ) 次世代バイオ燃料の導入 総括 バイオジェット燃料利用の取組について 我が国におけるバイオジェット燃料の導入体制について バイオジェット燃料導入に当たって必要なサプライチェーンと品質管理 海外におけるバイオジェット燃料の運用事例 我が国におけるサプライチェーン構築の可能性 我が国におけるバイオジェット燃料の生産体制について 我が国におけるバイオジェット燃料生産技術の現状 今後の生産体制の見通し iv

5 図目次 図 2-1 ガソリン消費量とエタノール消費量の推移... 9 図 2-2 欧州における法律制定の流れ 図 /2015 年度に導入されたバイオ燃料の原料内訳 ( 左 ) および供給国 ( 右 ) 図 2-4 エタノール生産量の推移 図 2-5 ブラジルと米国の輸出入関係 図 2-6 ブラジルのエタノール貿易状況 図 2-7 バイオエタノール生産量 消費量 輸出量の推移 図 2-8 バイオエタノールの供給将来見通し 図 2-9 バイオエタノールの需要将来見通し ( 輸出等も含む ) 図 2-10 ブラジルからのバイオエタノール輸出の将来見通し 図 2-11 直近のブラジルにおけるバイオエタノール工場の新設 廃止状況 図 2-12 サトウキビ農地面積の将来見通し 図 2-13 アグロ = エコロジー ゾーニングの区分 図 2-14 ブラジルのサトウキビ面積および収穫量の推移 図 2-15 サンパウロ州における焼畑収穫率の推移 図 3-1 車種別 燃料別の CO 2 排出量 図 3-2 バイオエタノール原料種別の CO 2 排出量 図 3-3 バイオディーゼル原料種別の CO 2 排出量 図 3-4 車種別 燃料別の消費者費用 図 3-5 CO 2 1 トンを削減するために必要な削減費用 図 3-6 CO 2 1 トンを削減するために必要な削減費用 ( 車体の寄与分と燃料等の寄与分 の内訳 ) 図 3-7 EV の削減費用変化の内訳 (2013 年電源構成 ) 図 3-8 FCV の削減費用改善の内訳 ( 都市ガス改質による水素製造 ) 図 3-9 各車種の削減費用と CO 2 削減可能量, 図 4-1 温室効果ガス排出原単位の基準 図 4-2 LCFS 制度の炭素排出削減の寄与内訳 図 4-3 RLCF 制度における 2012 年のバイオ燃料の炭素排出原単位 図 4-4 RLCF 制度の 2012 年の炭素排出削減の寄与内訳 図 5-1 各種バイオエタノールの LCA での GHG 排出量 図 5-2 諸外国のバイオエタノールの自給率比較 図 5-3 エタノール貿易量の将来予測 図 6-1 バイオジェット燃料の主たるサプライチェーン 図 6-2 オスロ ガーデモエン空港のバイオ燃料混合 JET-A1 タンク屋舎 図 6-3 バイオ燃料混合 JET-A1 タンクへの給油口 図 6-4 オスロ ガーデモエン空港のリフューラー 図 6-5 オスロ ガーデモエン空港のサービサー 図 6-6 BTL によるバイオ液体燃料製造工程 ( 例 ) 図 6-7 微細藻由来バイオ液体燃料製造工程 ( 例 ) v

6 図 6-8 ユーグレナ社等による実証プラント構想完成イメージ図 図 6-9 バイオマス由来 FT 油からのバイオジェット燃料製造プロジェクトスケジュール 図 6-10 微細藻類由来油脂からのバイオジェット燃料製造プロジェクトスケジュール 図 6-11 ユーグレナ社等による実証プラント構想プロジェクトスケジュール vi

7 表目次 表 2-1 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要... 7 表 2-2 RFS2 におけるバイオ燃料の導入目標 ( 単位 : 億ガロン )... 8 表 2-3 EPA が 2013 年 11 月に提案した 2014 年の RFS2 導入目標 表 2-4 EPA が 2015 年 5 月に提案した 2014~2017 年の RFS2 導入目標 表 2-5 EPA の 2015 年 5 月提案に対するコメント EPA の回答 表 2-6 EPA が 2015 年 12 月に最終決定した 2014~2017 年の RFS2 導入目標 表 2-7 RFS2 におけるセルロース系バイオ燃料の RIN 発行量 表 2-8 EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 及び燃料品質指令 (FQD) の改正 表 2-9 欧州各国のバイオ燃料消費量 ( 単位 : 石油換算トン ) 表 2-10 EU における次世代バイオ燃料製造プラント 表 2-11 欧州で認定されている自主的な持続可能性基準 表 2-12 ドイツにおけるバイオ燃料供給義務率 表 2-13 RTFO の概要 表 2-14 RTFO におけるバイオ燃料導入実績 表 2-15 バイオ燃料導入量 (2014 年 ) 表 2-16 バイオ燃料原料割合 (2014 年 ) 表 2-17 バイオ燃料調達国割合 (2014 年 ) 表 2-18 各種車両に対する税率 ( 単位 :%) 表 2-19 従来型バイオエタノールの生産 供給 需要 ( 燃料利用とその他 )( 百万 L) 表 2-20 ブラジルのエタノール輸出入 表 2-21 ブラジルにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 ( 百万 L) 表 2-22 ブラジルのバイオディーゼル輸出実績 表 2-23 セルロース系エタノール生産の現状と今後の計画 表 2-24 韓国 RFS の概要 表 3-1 対象とする車種 使用燃料 表 3-2 車体価格および燃料費の前提条件 表 3-3 CO 2 排出量の前提条件 (1/2) 表 3-4 CO 2 排出量の前提条件 (2/2) 表 3-5 各自動車燃料の CO 2 排出量 消費者費用 削減費用 (1/2) 表 3-6 各自動車燃料の CO 2 排出量 消費者費用 削減費用 (2/2) 表 3-7 EV の感度分析に関する想定 表 3-8 FCV の感度分析に関する想定 表 年の普及台数計算の前提条件 表 4-1 温室効果ガス排出原単位の基準 表 4-2 LCFS の対象燃料 表 4-3 LCFS の対象者 表 4-4 LCFS におけるクレジット発生 表 4-5 LCFS のクレジット取引実績 表 4-6 LCFS における報告内容 vii

8 表 4-7 RLCF 制度における炭素排出原単位上限 表 4-8 RLCF 制度における対象燃料とデフォルト値 表 4-9 RLCF 制度におけるクレジット発生 表 5-1 石油精製業者によるバイオエタノールの利用の目標量の総計 ( 単位 : 原油換算 kl) 表 5-2 判断基準策定に向けた平成 21 年度の検討と現在の課題 表 5-3 各国のバイオ燃料導入のスタンスに関する法 支援制度 表 5-4 自動車用バイオ燃料以外を含めた導入義務制度の例 表 5-5 輸出上位国のバイオエタノールの GHG 排出量評価 表 5-6 再生可能エネルギー指令改正における間接土地利用変化の取り扱い 表 5-7 各制度のデフォルト値の考え方と事業者自らの算定方法 表 6-1 ノルウェー現地調査の日程 viii

9 単位 略称の一覧 本報告書では 以下のとおり単位 及び略称の統一を図る 単位本報告書での表記 意味 備考 toe 石油換算トン バイオエタノールは 0.64toe/t 0.51toe/m 3 バイオディーゼルは 0.86toe/t 0.78toe/m 3 原油換算 kl 発熱量で原油換算した容積 1GJ= 原油換算 kl バイオエタノールでは 1.655kl/ 原油換算 kl ガロン (gallon) 米国で用いられる容積 1 ガロン=3.785l 略称 本報告書での表記 CARB CEV EPA ETBE EV FCV FQD GHG HEV HVO IATA ICAO ILUC LCA LCFS RLCF NGV PHEV PV RED RFS2 RFTO 正式名称 意味などカリフォルニア大気資源局 (California Air Resources Board) クリーンエネルギー自動車 (Clean Energy Vehicle) 米国の環境保護庁 (Environmental Protection Agency) エチル ターシャリー ブチル エーテル 我が国ではバイオエタノールと石油系ガスの合成により製造されバイオ燃料としてガソリンに混合し販売されている 電気自動車 (Electric Vehicle) 燃料電池自動車 (Fuel Cell Vehicle) EU の燃料品質指令 (Fuel Quality Directive, FQD) 温室効果ガス (greenhouse gas) ハイブリッド自動車 (Hybrid Electric Vehicle) 水素化バイオディーゼル燃料 (Hydorotreated Vegetable Oil) 国際航空運送協会 (International Air Transport Association) 国際民間航空機関 (International Civil Aviation Organization) 間接土地利用変化 (Indirect Land Use Change) ライフサイクル評価 (Life Cycle Assessment) カリフォルニア州の低炭素燃料基準 (Low Carbon Fuel Standard) カナダ ブリティッシュコロンビア州の再生可能 低炭素燃料要件 (Renewable & Low Carbon Fuel Requirements) 天然ガス車 (Natural Gas Vehicle) プラグインハイブリッド自動車 (Plug-in Hybrid Electric Vehicle) 太陽光発電 (Photovoltaics) EU の再生可能エネルギー指令 (Renewable Energy Directive) 米国の 2010 年改正後の再生可能エネルギー燃料基準 (Renewable Fuel Standard) 英国の再生可能燃料導入義務 (The Renewable Transport Fuel Obligation) ix

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11 1. 調査の概要 1.1 目的バイオ燃料の導入については 京都議定書においてカーボンニュートラルと位置付けられたこと等を背景に進められてきており 我が国においても 地球温暖化対策 エネルギー源の多様化等の観点から取り組んできた 現行のエネルギー基本計画 ( 平成 26 年 4 月閣議決定 ) においても バイオ燃料は温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの中に位置付けられ 国際的な動向や次世代バイオ燃料の技術開発の動向を踏まえつつ 導入を継続する こととされている これまで 我が国では 平成 15 年に揮発油等の品質の確保等に関する法律を改正し ガソリンにバイオエタノールを混合する際の制度を整備することを始めとして 揮発油税の免税制度の措置やエネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律 ( 以下 エネルギー供給構造高度化法 という ) に基づく非化石エネルギー源の利用に関する石油精製業者の判断の基準 ( 平成 22 年経済産業省告示第 242 号 以下 判断基準 という ) における石油精製業者に対するバイオ燃料の導入の義務付けを措置してきた この義務付けに際しては 真に意味のあるバイオ燃料の導入を図るために 温室効果ガス削減効果等の持続可能性基準を設け 基準に適合したものを導入することとしている 一方 世界に目を転じると 欧米でも日本同様にバイオ燃料の導入を義務付けしているものの 食料競合を招く可能性がある第一世代バイオ燃料の導入を制限し セルロースや藻類等を原料とする次世代バイオ燃料の導入や開発を促進する傾向が見られる 日本では 現在導入しているバイオ燃料のほとんどを ブラジル産のサトウキビを原料とした第一世代バイオ燃料の輸入に頼っているが 次世代バイオ燃料の研究も進めており 国内においても 今後ますます 次世代バイオ燃料の重要性が高まっていくものと思われる 他にも バイオジェット燃料の導入に関連して ICAO( 国際民間航空機関 ) や IATA( 国際航空運送協会 ) は CO 2 削減目標やバイオジェット燃料等の導入見通しを示しており 各国の航空会社はバイオジェット燃料を混合してテストフライトや商用フライトを実施している また 米国では 短中期的な軍用のバイオジェット燃料導入の目標を掲げ 調達を進めているところである このような状況を踏まえ 本事業では各国における温室効果ガス削減に関するバイオ燃料を中心とした燃料政策の最新動向を把握 分析し 関係事業者や有識者と共有 議論することで我が国の温室効果ガス排出削減のための燃料政策立案に活用することを目的とする 1

12 1.2 調査項目 (1) 自動車用燃料の CO 2 削減について 1) 自動車用バイオ燃料を巡る諸外国の最新動向及び日本における現状比較公表資料等から各国のバイオ燃料政策 導入動向について情報を収集した 特にバイオ燃料生産の先進国や我が国と同じような立場の国 ( ブラジル 米国 欧州 ( 特に英国 ノルウェー ) 韓国等 ) を中心に調査を行い整理した 調査結果は日本の現状と対応した形で整理した 2) 各車種の CO 2 排出量及び費用対効果の比較バイオ燃料の運輸部門における CO 2 削減効果及び費用対効果の評価のため電気自動車 燃料電池自動車 天然ガス自動車 ディーゼル自動車 ガソリン自動車の Well to wheel( 一次エネルギーの採掘から車両走行まで ) における単位走行当たりの CO 2 排出量と これに対応する車体価格 燃料価格を合計した額を整理し 費用対効果を比較した なお 比較に当たってバイオ燃料 水素 電気については複数の原料由来の CO 2 排出を比較した 3) 各国の石油精製事業者に対する CO 2 削減義務付制度に関する調査各国における石油精製業者に対する CO 2 削減義務付け制度について調査を行った 特に 代表的な制度としてカリフォルニア州の制度についてより深掘りし 整理した 4)2018 年度以降のバイオ燃料の導入体制に関する検討上記の検討に加え 持続可能性基準に関する状況も踏まえ 現行のエネルギー供給構造高度化法の告示で定めている期間終了後のバイオ燃料の導入のあり方について整理した (2) バイオジェット燃料の導入のあり方について 1) 我が国におけるバイオジェット燃料の導入体制について ICAO 及び IATA にて国際航空輸送からの CO 2 排出量を 2020 年以降増加させない目標が立てられていることから バイオジェット燃料の導入が国際的にも注目を浴びている このため 2020 年にバイオジェット燃料でのフライトを実現するに当たってどのようなサプライチェーンを構築できるか 関係事業者の意見も聴きながら整理した また 海外におけるバイオジェット燃料の運用事例を調査し 特に世界で初めて空港のハイドラントシステムを用いてバイオ燃料の供給を開始したノルウェー ( オスロ空港 ) について運用状況や課題を整理するとともに我が国のサプライチェーンへの適用可能性について整理した 2) 我が国におけるバイオジェット燃料の生産体制について 2020 年に向けた我が国のバイオジェット燃料の生産体制のあり方について国内事業者や研究機関の動向を調査し 今後の生産体制の見通しを整理した 2

13 1.3 現地調査ノルウェーにおけるバイオ燃料導入政策の動向及びオスロ空港でのバイオジェット燃料の導入状況等についてヒアリング及び現地確認することを目的に 現地調査を実施した 現地調査の我が国からの参加者 ( 合計 10 名 ) は以下の通り 燃料供給者 : 石油連盟 空港運営会社 : 成田国際空港株式会社 (NAA) 航空会社 : 全日本空輸株式会社 (ANA) 日本航空株式会社(JAL) 行政 : 経済産業省資源エネルギー庁燃料政策企画室 国土交通省航空局航空戦略課 研究開発機関 : 国立研究開発法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 (NEDO) 事務局 : 弊社 1.4 委員会の設置 運営 自動車用バイオ燃料エネルギー供給構造高度化法における 2018 年度以降のバイオ燃料の導入のあり方を検討するため バイオ燃料の今後の導入のあり方検討委員会 を設置し 開催した 主に自動車用燃料を対象としているが 制度検討にあたってはバイオジェットの導入等も含めて検討した < 開催日時 > 平成 28 年 3 月 8 日 ( 火 ) 10:00~12:00 < 議事 > (1) 委員会の趣旨について (2) 諸外国及び国内における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向について (3) 各車種の CO 2 排出量及び費用対効果の比較について (4) バイオ燃料の今後の導入のあり方について < 委員構成 > 座長 横山伸也 鳥取環境大学環境学部環境学科教授 有識者メンバー (50 音順 ) 玄地裕独立行政法人産業技術総合研究所総務本部人事部兼安全科学研究部門坂本浩一 JX エネルギー株式会社総合企画部企画 渉外室企画 渉外グループマネージャー泊みゆき特定非営利活動法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長濱田剛三菱商事株式会社汎用化学品第二本部 3

14 本城薫本藤祐樹松本真太郎宮久秀一 糖蜜 エタノールチームリーダー日伯エタノール株式会社研究担当部長横浜国立大学大学院環境情報研究院教授国立研究開発法人新エネルギー 産業技術総合開発機構新エネルギー部長バイオマス燃料供給有限責任事業組合事務局長 バイオジェット 2020 年をターゲットイヤーとしてバイオジェット燃料の導入に向けて関係者で検討を進めるため 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道筋検討委員会 が設立され 全体会合及びWG( サプライチェーンWG 及び燃料製造 WG) が開催された 本調査では全体会合の開催を支援した 以下に全体会合の概要を示す (1) 第 1 回全体会合 < 開催日時 > 平成 27 年 7 月 7 日 ( 火 )10:00~12:00 < 議事 > (1) 検討委員会の設置趣旨について (2) エアライン及び技術開発のこれまでの取り組みと課題について (3) 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けた検討事項について < 参加者 > 政府国土交通省 経済産業省 環境省 ( オブザーバー ) 利用者代表定期航空協会 国内航空会社 航空機会社 サプライチェーン代表石油連盟 石油元売会社 空港運営会社等 バイオジェット燃料開発代表 NEDO バイオ燃料研究開発会社 (2) 第 2 回全体会合 < 開催日時 > 平成 28 年 3 月 31 日 ( 木 )15:00~16:30 < 議事 > (1) ノルウェー現地調査報告 (2) サプライチェーンWG 報告 (3) 燃料製造 WG 報告 (4) 意見交換 4

15 (5) 今後の進め方について < 参加者 > 政府国土交通省 経済産業省 環境省 ( オブザーバー ) 利用者代表定期航空協会 国内航空会社 航空機会社 サプライチェーン代表石油連盟 石油元売会社 空港運営会社等 バイオジェット燃料開発代表 NEDO バイオ燃料研究開発会社 5

16 2. 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向及び国際機関におけるバイオ燃料の評価について調査を行った 最初に諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要を一覧に示す 6

17 表 2-1 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要 国 地域 バイオ燃料のスタンス 導入量の義務 目標 導入形式 導入実績 今後の見通し 持続可能性基準 我が国への供 給可能性 次世代バイオ燃料の位置づけ 備考 EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 目標 :2020 年に輸送燃料の 10% 対象 : 加盟国政府を通じて目標を達成 E5/E85/ETBE など国により異なる バイオエタノール :267 万 toe 524 万 kl バイオディーゼル :1,116 万 toe 1,431 万 kl(2014) 輸送用燃料の 10%( バイオ燃料以外の再生可能燃料含む ) バイオエタノール :370 万 toe 725 万 kl バイオディーゼル :1,746 万 toe 2,238 万 kl (JEC Biofuels Programme, EU renewable energy targets in 2020, 2014 によるシナリオ分析結果 ) 19 の自主的持続可能性基準を適用 輸出余力なし 導入目標達成に際し セルロース系は 2 倍カウント (RED 改正後はさらに次世代を優遇 ) 各国にて税制優遇措置等あり 英国 再生可能燃料導入義務 (RTFO) 目標 :2013/14 年以降は輸送燃料の 5% 対象 : 年間 450kl 以上の輸送用燃料供給事業者 E5/B7 バイオエタノール :41 万 toe 81 万 kl バイオディーゼル :66 万 toe 84 万 kl(2013/14) バイオエタノール :174 万 toe 341 万 kl バイオディーゼル :246 万 toe 315 万 kl (2020) (National Renewable Energy Action Plan) RED で認められた自主的持続可能性基準を適用 輸出余力なし 導入目標達成に際し セルロース系は 2 倍カウント RTFO 開始に伴い 減税措置は廃止 ノルウェー バイオ燃料混合義務化目標 :2020 年に輸送燃料の 10% B5.5 等バイオエタノール :1.9 万 kl(2014) バイオディーゼル :15.5 万 kl(2014) 輸送用バイオ燃料の 10%( 2020) EU に準じる 廃棄物 残渣 リグノセルロース系等については 2 倍カウント 将来的にはバイオジェット燃料を用いたフライトの着陸料の免除やバイオジェット燃料の導入義務化を検討 ノルウェー 米国 再生可能燃料使用基準 (RFS2) 目標 :2020 年に輸送燃料の 20% 対象 : 燃料供給事業者 E10 一部 E15 バイオエタノール :134 億ガロン 0.51 億 kl バイオディーゼル :14 億ガロン 0.05 億 kl (2014) バイオ燃料 :360 億ガロン 1.36 億 kl(2022) ( 全量バイオエタノールとみなした際の換算値 ) ただし近年は下方修正のされており将来不明 EPA が認めるパスウェイを指定 輸出余力なし 輸出はされているが持続可能性基準の達成が困難 導入義務としてセルロース系枠あり 先進型バイオ燃料や航空用バイオ燃料に対する助成あり ブラジル ガソリン混合率の指定バイオディーゼルに対する混合率 E100 E27 時期により変動 B7 バイオエタノール :2,409 万 kl (2014) バイオディーゼル :341 万 kl (2014) 国内エタノール需要 :4,400 万 kl 輸出量 :350 万 kl (2024) アグロエコロジカルゾーニングを施行 現在唯一の調達先国 (2013 年に約 30 万 kl) バガス利用等のセルロース系開発を推進 導入促進策として燃料 車両への減税等あり 韓国 第 4 次新 再生エネルギー基本計画 (2014) B2 バイオディーゼル燃料 :43 万 kl(2014) バイオディーゼル :B3(~2018) 予定 ( 特段の動きはみられない ) 輸出余力なし 次世代バイオ燃料の開発を推進 日本 エネルギー供給構造高度化法目標 :2017 年度に 50 万 kl ETBE バイオエタノール :51 万 kl (2014) バイオエタノール :50 万原油換算 k l 83 万 kl(2017 年度 ) LCA 評価結果がガソリン比 50% 以上減 - 導入目標達成に際し セルロース系は 2 倍カウント 揮発油税の減税措置あり 今後の需給見通しを踏まえた中期的に見た我が国への安定供給可能性 出所 : 各種資料より MRI 作成 7

18 2.1 米国 バイオ燃料政策 1 (1) RFS の概要 米国では 2005 年の包括エネルギー法 (Energy Policy Act of 2005) において 再生可能燃 料基準 (Renewable Fuel Standard, RFS) が策定され 燃料供給事業者 ( 石油精製事業者 石 油製品卸販売者等 ) に対して一定比率の再生可能燃料の販売を義務付けられている 2007 年には エネルギー自立 安全保障法 (EISA) において 2009~2022 年までの目標量 RFS2 が定められた これに従って環境保護庁 (EPA) が毎年の義務量 比率を定めるが それが 経済的 環境的に深刻な影響を与える場合には 義務を免除する権限も EPA に与えている 導入目標は表 2-2 のとおりであり 総量 先進型 セルロース系 バイオディーゼルの 4 区分により導入量が定められている 出所 :EPA 資料 表 2-2 RFS2 におけるバイオ燃料の導入目標 ( 単位 : 億ガロン 2 ) うち先進型バイオ燃料計うちセルロースうちバイオ先進型計系バイオ燃料ディーゼル (2.5) (5) (10) 12.8 (*2) 2014(*1) (181.5) 26.7(3.75) 0.33 (17.5) 16.3 (*2) (205) 28.8 (55) 1.23 (30) 17.3 (*2) (222.5) 36.1 (72.5) 2.30 (42.5) 19.0 (*2) 2017 (240) (90) (55) 20.0 (*2) 2018 (260) (110) (70) (*2) 2019 (280) (130) (85) (*2) 2020 (300) (150) (105) (*2) 2021 (330) (180) (135) (*2) 2022 (360) (210) (160) (*2) * 年 ( バイオディーゼルのみ 2017 年 ) までは 2015 年 12 月に EPA が決定した最新目標 括弧内は 2007 年の EISA における目標 *2 将来的に定められるが 10 億ガロン以上とすることは決定 1 資源エネルギー庁委託 平成 26 年度石油産業体制等調査研究 ( バイオ燃料に関する諸外国の動向と持 続可能性基準の制度運用等に関する調査 ) 報告書 2 1 ガロン=3.785L 360 億ガロンは約 1.36 億 kl に相当 8

19 ガソリン消費量 [ 十億ガロン ] エタノール消費量 [ 十億ガロン ] (2) 2014 年以降導入目標の議論 1) ブレンドウォール問題米国でのエタノール利用は ガソリンに 10% 混合する規格 (E10) での導入が中心であるが 国内のエタノール導入量は既にガソリン導入量の 10% 弱に達しているという問題 ( ブレンドウォール ) に直面している 米国のガソリン需要は約 1300 億ガロン程度 (4.9 億 kl) であり 図 2-1 のとおり 今後はやや減少傾向にある これ以上エタノールの導入量を増加させるためには E10 よりも高濃度の混合が必要となる 一方で 高いエタノール混合率は 自動車のエンジン系統に腐食作用をもたらす EPA は 米国エネルギー省 (DOE) による自動車試験結果等を受けて 2011 年には フレックス燃料車 (FFV: ガソリンと含水エタノールの両方が使える車両 ) と 2001 年以降の車種に対しては エタノール混合率 10.5~15% の燃料 E15 の使用を承認した しかし 米国自動車協会 (AAA) がエンジンへの影響の点から E15 の使用に強く反対しており 2014 年 12 月現在 E15 を供給している給油は 12 州の 78 スタンドに留まっているなど 3 給油インフラも未成熟な状況にある 150 ガソリン消費量 エタノール消費量 出所 : 米国エネルギー省エネルギー情報局 (DOE/EIA) 資料より作成図 2-1 ガソリン消費量とエタノール消費量の推移 2)2013 年の EPA 案と議論このような状況を踏まえて EPA は 2013 年 11 月 29 日に 2014 年の導入目標を下方修正する提案を出した ( 表 2-3) 本提案の 2014 年の導入目標は 2013 年の導入目標を下回っていた 3 E15 Stations by State 9

20 [ 億ガロン ] 表 2-3 EPA が 2013 年 11 月に提案した 2014 年の RFS2 導入目標 EPA 案 (2013 年 11 月時点 ) 2014 年 ( 参考 )2013 年 EISA(2007 年時点 ) EPA による決定 EISA(2007 年時点 ) セルロース系バイオ燃料 バイオディーゼル 12.8 設定なし 12.8 設定なし 先進型燃料 バイオ燃料計 出所 :Federal Register / Vol. 78, No. 230 / Friday, November 29, 2013 / Proposed Rules, 2014 Standards for the Renewable Fuel Standard Program この EPA の提案はさまざまな議論を巻き起こした 特に この目標案が バイオ燃料の 導入拡大を阻害するのではないかとの懸念が バイオ燃料製造事業者を中心に多数寄せら れた 2015 年 3 月には アメリカ燃料石油化学製造者協会 (AFPM) と米国石油協会 (API) が EPA を相手取り EPA の決定が遅れていることを非難する訴訟を起こした その後 EPA との 和解交渉により EPA が 2014 年 2015 年の目標を 2015 年 6 月 1 日までに提案し 2015 年 11 月 30 日までに決定することが同意された 3)2015 年の EPA 案 2015 年 5 月には EPA は 上述のスケジュールに合わせて 表 2-4 に示すような 2014 ~2016 年の目標案と 2017 年のバイオディーゼルの目標案を提示した 4 これは EPA によると 当初の 2014~2016 年目標が達成不可能な水準であることを認め た上での 野心的な目標として設定されたものである 表 2-4 EPA が 2015 年 5 月に提案した 2014~2017 年の RFS2 導入目標 [ 億ガロン ] セルロース系バイオ燃料 未設定 バイオディーゼル 先進型燃料 未設定 バイオ燃料計 未設定 アメリカ燃料石油化学製造者協会 (AFPM) と米国石油協会 (API) は ウェブサイト上で EPA が RFS 制度の下での達成不可能な目標設定を回避したことを評価する一方で 2016 年には ブレンドウォールを超過するような目標を示したことに反対を示している 5 EPA が 6 月 25 日にカンザスで行った公聴会では 250 団体が証言した また 67 万のコメ ントが石油業界 バイオ燃料業界 農業界 中小企業 州 地方政府 議員 NGO 大学 AFPM AND API FILE JOINT COMMENTS ON EPA PROPOSED RFS RULE 10

21 市民等から寄せられた 6 この数には 組織的に行われた 大量コメントキャンペーン によって寄せられた 同一内容のコメントも含まれる EPA はこれらコメントを 10 の大分類 ( その下に数十の中 小分類がある ) に区分けし それぞれに対して回答を作成している このうち主要なものについて 表 2-5 に示す 表 2-5 EPA の 2015 年 5 月提案に対するコメント EPA の回答大分類主要コメント EPA の回答 制度全般 先進的燃料の 目標 バイオディー ゼルの目標 セルロース系 バイオ燃料の 目標 バイオ燃料導入目標を当初制定ど おりに引き上げるべき E10 のブレンドウォール問題は E85 の導入等により解決できる 先進的燃料 ( 米国産コーンエタノー ルはこれに該当しない ) の目標設定 により 輸入バイオ燃料が増加して しまう 先進的燃料の目標の当初制定から の引き下げは 投資の不確実性を増 加させる EPA に当初制定の目標を引き下げる 権利があるのか 十分なコーンエタノールの生産能 力があるのに 引き下げの理由 供 給態勢が不十分 は成り立たない バイオディーゼルの目標拡大はよ いことだ 低い目標は セルロース系バイオ燃 料生産のインセンティブを阻害す る 出所 : 文献 6 より作成 RFS 制度は これまでは確かにバイオ燃 料導入拡大に寄与してきた 今回の新し い目標も バイオ燃料投資へのインセン ティブを削ぐものではない 2016 年目標は E10 をやや上回る量に設 定している しかし 現在のクレジット価格を鑑みる と E85 インフラ投資を促し当初制定レ ベルに導入量を引き上げることは難し い 輸入も燃料調達多様化の一手段であり 否定すべきものではない 国内への経済 効果は必ずしも GHG 削減効果に優先す べきものではない 導入量は毎年拡大させており 十分なイ ンセンティブになっている 法に定められた範囲で適切に行ってい る 供給態勢 とは バイオ燃料生産能力 のみでなく スタンドや自動車側の対応 を含めてのことである 先進型燃料のうちでのバイオディーゼ ルの貢献に期待している 現実的な供給量に基づいた数値である 以上の検討を踏まえて 2015 年 12 月には EPA は 2014~2017 年の RFS2 導入目標を最 終決定した これを表 2-6 に示す 5 月時点の案 ( 表 2-4) から微修正されているが 導入 実績を踏まえた変更であり 基本的な考え方は変わっていない 6 EPA, Renewable Fuel Standards for 2014, 2015 and 2016, and the Biomass-Based Volume for 2017: Response to Comments, EPA-450-R , November

22 表 2-6 EPA が 2015 年 12 月に最終決定した 2014~2017 年の RFS2 導入目標 [ 億ガロン ] セルロース系バイオ燃料 未設定 バイオディーゼル 先進型燃料 未設定 バイオ燃料計 未設定 自動車用バイオ燃料の導入状況米国 RFS2 におけるセルロース系バイオ燃料の導入状況を表 2-7 に示す バイオ燃料総量では概ね目標どおりの導入が進んでいるものの セルロース系に関しては当初の予想よりも 著しく遅れが生じており 毎年導入量の大幅な引き下げを行っている 最新の EPA が定めた 2016 年目標は 2.3 億ガロン (88 万 kl) とされ 2007 年当初の見込みから 5 年の後ろ倒しである ( 当初見込みは 2011 年目標が 2.1 億ガロン ) その内訳を見ると セルロース系エタノールの生産が増加し始めている 表 2-7 RFS2 におけるセルロース系バイオ燃料の RIN 発行量 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 RIN セルロース系 万 42 万 3,336 万 1.28 億 発 行 エタノール (76kl) (1,600kl) (69,000kl) (490 千 kl) 量 セルロース系 万 40 万 5.9 万 億 バイオディーゼル (7kl) (1,500kl) (200kl) (0.1 千 kl) 合計 万 (83kl) 82 万 (3,100kl) 3,342 万 (69,000kl) 1.28 億 (490 千 kl) セルロース系バイオ燃料 1 億 2.5 億 5 億 10 億 17.5 億 30.0 億 42.5 億 当初 *1 (2007 年時点 ) 目標 セルロース系バイオ燃料 *2 確定目標 1 億 (379 千 660 万 (25 千 kl) 865 万 (33 千 kl) 600 万 (23 千 kl) 3300 万 (125 千 kl) 1.23 億 (470 千 kl) 2.30 億 (880 千 kl) kl) waiver credit 価格 [$/ ガロン ] * (42 円 /L) *4 1RIN=エタノール換算 1 ガロン (3.785 リットル ) *1 EISA2007 における目標 *2 最新は 2015 年 12 月決定 *3 免除クレジット (waiver credit) セルロース系バイオ燃料の市場での供給量が十分でない場合に EPA により販売され これを購入することでも事業者は目標達成が可能 *4 $1= 120 換算の場合出所 :EPA, EMTS Informational Data 次世代バイオ燃料の動向次世代バイオ燃料の導入については上述したように バイオ燃料導入義務制度 RFS2 において 先進型燃料の内訳が示されており セルロース系エタノールやバイオディーゼルなどの導入が進みつつある 12

23 研究開発は 米国では エネルギー省 (DOE) の Bioenergy Technologies Office を始め 農務省 (USDA) 国防省(DOD) など各省庁が支援を行っている 特徴的な取り組みを以下に取り上げる (1) DOE Bioenergy Technologies Office における研究開発エネルギー省 (DOE) の Bioenergy Technologies Office では バイオエネルギー技術研究開発の長期計画 Multi-Year Program Plan (MYPP) 7 を策定し 計画的な研究開発を実施している かつて 本 Office による研究開発はリグノセルロース原料からのエタノール生産に着目していたが セルロース系エタノールがコスト目標を達成したことから 他の先進的なバイオ燃料として 再生可能ガソリン ディーゼル ジェット燃料等のバイオマス由来炭化水素燃料や 藻類からの炭化水素生産に着目しており 藻類を含む原料供給技術 転換技術 インフラ整備 持続可能性評価など 多様な研究開発が行われている 現在 技術開発の全体目標として 以下が掲げられている コストのみでなく 温室効果ガス削減率も技術開発目標に加えられていることが特徴的である この全体目標に沿って 各研究分野での目標へのブレークダウンも行われている 2017 年までに パイロットスケールで 炭化水素バイオ燃料生産パスウェイの少なくとも 1 つについて $3/gallon( ガソリン等価 ) かつ化石燃料比温室効果ガス削減率 50% 以上を達成できることを確認する 2022 年までに パイロットもしくは実証 ( 日産 1 トン以上 ) スケールで さらに 2 つのパスウェイの技術を確認する (2) 海軍等におけるバイオジェット燃料利用海軍 (US Navy) 農務省(USDA) エネルギー省(DOE) は 共同で ドロップイン型のバイオディーゼルやバイオジェット燃料の開発を進めており 予算規模は 510 百万ドルに上る 2014 年には Defense Production Act( 国防産業法 ) の下で 3 社のバイオ燃料プラント投資のために助成が行われ 海軍へのバイオ燃料供給量は年間 100 百万ガロンとなる見込みである (3) Farm to Fly イニシアティブ Farm to Fly イニシアティブは 航空業界や政府機関 ( 連邦航空局 (FAA) 農務省(USDA) エネルギー省 (DOE) 等 ) 航空機メーカーが参加する 民間航空業界におけるバイオジェット燃料活用のためのイニシアティブである 2018 年までに 10 億ガロンのバイオジェット燃料の生産 使用を行うことを目標として掲げている 持続可能性米国では 再生可能燃料基準 (RFS) において ライフサイクルでの GHG 削減量がガソリン比 20% 以上のもののみを再生可能燃料として認めている ここでのライフサイクル評 7 DOE Energy Efficiency & Renewable Energy, BIOENERGY TECHNOLOGIES OFFICE, Multi-Year Program Plan, March

24 価においては 直接土地利用変化を含まないが 国内外への間接影響 ( ただし 欧州における間接土地利用変化とは定義が異なる ) を含んでいる また GHG 削減量や原料によって 先進型バイオ燃料 セルロース系バイオ燃料などの区分もあり この分類別の導入目標を定めることで より持続可能性の高いバイオ燃料が導入されることを担保している 2015 年 10 月に EPA は RFS によるライフサイクルでの影響について予備調査を開始することを発表した 8 GHG を含めた各種影響についても再評価が行われる見込みである 2.2 EU バイオ燃料政策欧州では 2009 年 再生可能エネルギー指令 (Renewable Energy Directive, RED) を導入し 2020 年までにエネルギー消費量全体の 20% を再生可能燃料由来とすることを義務付けた 輸送用燃料については 2010 年までに輸送用燃料の 5.75% 2020 年までに同 10% を再生可能燃料由来とすることを義務付けた 再生可能燃料の主たるものが 持続可能なバイオ燃料であり 持続可能性については GHG 削減水準や生物多様性への影響等を含む 環境 社会的基準が定められており 燃料の品質規格を定める指令である燃料品質指令 (Fuel Quality Directive, FQD) の中にも RED と同じバイオ燃料の持続可能性に関する基準が設けられた 欧州委員会は 2012 年 10 月 17 日 RED 及び FQD の改正指令案を発表した 欧州における通常の立法手続きとは 欧州委員会が提出する法案に対して まず欧州議会が審議を行い 欧州議会が採択した ( 修正 ) 法案を 欧州閣僚理事会が採択する流れとなっている 欧州議会と欧州閣僚理事会は同一の法案に合意しなければならず 共同決定手続きと称されている 欧州議会は 欧州委員会の提案を審議した上で 修正を加えたものを 2013 年 9 月に採択した これに対して 欧州閣僚理事会では主に ILUC に関する検討を継続的に実施し 欧州議会が採択した案にさらに修正を加えた指令案に合意し 2014 年 12 月 9 日の第 3355 回欧州エネルギー閣僚理事会において正式に採択した 欧州議会と欧州閣僚理事会とが 同一の指令案への合意に至らなかったことから 欧州議会での検討 ( 第二読会 ) が開始されることとなった 2015 年 2 月 24 日 欧州議会の環境 公衆衛生 食品安全委員会における指令案の審議 採択を経て 同年 4 月 28 日に欧州議会は指令案を採択した 欧州閣僚理事会はこれに対し 7 月 13 日に同案を承認したため 指令が成立することとなった 各機関で合意された内容は 表 2-8 のとおりである

25 出所 : 駐日欧州連合代表部資料等を参考に MRI 作成 図 2-2 欧州における法律制定の流れ 15

26 年の導入目標と達成手段 2020 年のガソリンにおける再生可能エネルギーの導入目標 従来型食用原料由来バイオ燃料使用の制限 先進型バイオ燃料の導入目標 表 2-8 EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 及び燃料品質指令 (FQD) の改正欧州委員会提案欧州議会採択欧州エネルギー閣僚理事会採択 (2012/10/17) (2013/9/11) (2014/12/9) 目標 : 同左 目標 : 同左 手段 : バイオ燃料 ( バイオジェッ手段 : バイオ燃料 + 再生可能電力ト含む )+ 省エネ+ 再生可能電力の利用等の利用による ( エネルギー需要が再生可能電力については 電気自増加した場合 持続可能なバイオ動車 5 倍 鉄道 2.5 倍に導入量を燃料のみで目標達成することは困カウント 難なため ) 目標 : 輸送部門の最終エネルギー消費量の 10% を再生可能エネルギー由来とする 手段 : バイオ燃料の導入による ( 提案になし ) ガソリンの最終エネルギー消費量の 7.5% を再生可能エネルギー由来とする ( 提案になし ) ( 提案になし ) 第二読会における成立 (2015/7) 目標 : 同左 手段 : バイオ燃料 ( バイオジェット含む )+ 再生可能電力の利用再生可能電力については 電気自動車 5 倍 鉄道 2.5 倍に導入量をカウント 2020 年 10% 導入目標のうち 穀 2020 年 10% 導入目標のうち 土地 2020 年 10% 導入目標のうち 穀 2020 年 10% 導入目標のうち 穀物 でんぷんが豊富な作物 糖類 で栽培する食用 エネルギー用作物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物由来バイオ燃料の導入上物由来バイオ燃料の導入上限を油糧作物由来バイオ燃料の導入上限を 5% とする 6% とする 限を 7% とする ( 提案になし ) 2020 年 10% 導入目標のうち 先進型バイオ燃料を 2016 年までに 0.5% 2020 年までに 2.5% 導入する目標を設定 2020 年までに 0.5% を導入する目標を設定するように加盟国政府に奨励するにとどめる ただし 理由があれば これよりも低い導入目標を設定することも可能とする 物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物由来 および農業用地 ( ) で主にエネルギー用として栽培される作物由来のバイオ燃料の導入上限を 7% とする 荒廃地であった土地等の条件をみたす 用地は除外可能 以下の先進型バイオ燃料は除く 同左 加盟国政府は目標を設定する際に 先進型バイオ燃料の消費量を明らかにしなければならない

27 17 セルロース系バイオ燃料の優遇措置 欧州委員会提案 (2012/10/17) エネルギー含量を 2/4 倍としてカウントする優遇措置を導入 4 倍カウント 2 倍カウント (a) 藻類 (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (c) 産業廃棄物中のバイオマス成分 (d) わら (e) 動物堆肥 / 下水汚泥 (f) パームオイル廃液 / ヤシ空果房 (g) トールピッチ (h) 粗製グリセリン (i) バガス (j) ブドウ絞りかす / 酒かす (k) ナッツ殻 (l) 殻 (Husks) (m) 穂軸 (Cobs) (n) 樹皮 / 枝 / 葉 / おがくず (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 (c) 非食用セルロース系原料 (d) 丸太を除くリグノセルロース系原料 欧州議会採択 (2013/9/11) エネルギー含量を 2/4 倍としてカウントする優遇措置を導入 なお は 2.5% の導入目標が定められた 先進型バイオ燃料 に分類される 1 倍カウント 2 倍カウント 4 倍カウント (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付け / 分別回収されている廃棄物を除く ) (c) 産業 / 小売 / 卸売廃棄物中生分解性成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (d) わら (e) 動物堆肥 / 下水汚泥 (g) トールピッチ (h) 粗製グリセリン (i) バガス (j) ブドウ絞りかす / 酒かす (k) ナッツ殻 (l) 殻 (Husks) (m) 穂軸 (Cobs) (n) 樹皮 / 枝 / 葉 / おがくず (na) 丸太を除くリグノセルロース系原料 (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 (a) 藻類 (b) 非生物由来の再生可能液体 気体燃料 (c) 交通分野における炭素分離回収活用 (d) バクテリア 欧州エネルギー閣僚理事会採択 (2014/12/9) エネルギー含量を 2 倍としてカウントする優遇措置を導入 なお は 0.5% の導入目標が定められ なお は 0.5% の導入目標が定められ た 先進型バイオ燃料 に分類される た 先進型バイオ燃料 に分類される 2 倍 2 倍 (a)~(r) は同左 カウント カウント (s) 交通分野における炭素分離回収活用 (t) エネルギー源を再生可能 (a) 藻類 ( 池かバイオリアクターで培養されたもの ) (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (c) 家庭部門から分別収集されるバイオ廃棄物 (d) 小売 / 卸売 / 食糧生産 / 漁業 / 養殖業を含む産業廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物および食糧や飼料として使われうるものを除く ) (e) わら (f) 動物堆肥 / 下水汚泥 (g) パームオイル廃液 / ヤシ空果房 (h) トールピッチ (i) 粗製グリセリン (j) バガス (k) ブドウ絞りかす / 酒かす (l) ナッツ殻 (m) 殻 (Husks) (n) 穀粒を除いた穂軸 (Cobs) (o) 森林 森林関連産業からの廃棄物 残渣から得られるバイオマス すなわち樹皮 / 枝 / 商業的でない間伐 / 葉 / 針状葉 / 第二読会における成立 (2015/7) エネルギー含量を 2 倍としてカウントする優遇措置を導入 2 倍カウント なものとするバクテリア (a) 廃食油 (b) 動物性油脂

28 18 欧州委員会提案 (2012/10/17) GHG 削減水準 (2014 年 7 月 1 日までに操業開始する設備について 従来の指令では 2016 年まで 35% 2017 年以降 50% の削減水準を課していたのを )2017 年まで 35% 2018 年以降 50% と 削減水準引き上げのタイミングを 1 年間後ろ倒しとする 2014 年 7 月 2 日以降に操業開始する設備について 従来の指令では 2016 年までは 35% 2017 年以降は 50%( 2017 年 1 月 1 日以降に操業開始する設備に限っては 2018 年以降 60%) であったのを 2014 年 7 月 2 日以降削減水準を 60% と 削減水準を引き上げる 欧州議会採択 (2013/9/11) 欧州エネルギー閣僚理事会採択 (2014/12/9) 梢 / おがくず / 黒液 / 繊維くず / リグニン / トールオイル (p) その他の非食物由来セルロース系原料 (q) その他のリグノセルロース系原料 ( 丸太を除く ) (r) 非生物由来の再生可能液体 気体燃料 2 倍 (a) 廃食油カウ (b) 動物性油脂ント本指令の施行日以降に操業開始する設備について 削減水準を 60% とする 本施行の施行日より前に操業開始した設備について 2017 年までの削減水準を 35% 2018 年以降の削減水準を 50% とする 同左 第二読会における成立 (2015/7)

29 19 欧州委員会提案 (2012/10/17) 欧州議会採択 (2013/9/11) 欧州エネルギー閣僚理事会採択 (2014/12/9) 第二読会における成立 (2015/7) ILUC による推定 RED では加盟国政府に FQD では事業者に対して ILUC 排出量の報告を求めている 排出量の報告 RED の改正 加盟国政府による ILUC 報告 加盟国政府は 2011 年 12 月 31 日まで またその後 2 年ごとに欧州委員会に対して 再生可能エネルギー利用の進捗報告書を提出するよ 同左 欧州委員会が左記の加盟国政府同左 による報告をとりまとめる中で 平均値による ILUC 排出量を算定すると共に 下表に示す感度分析による値を使用し 評価しなけれ う義務付けている 同報告書では ばならない 再生可能エネルギーの使用によ gco 2 /MJ る GHG ネット削減推定量 を報告平均感度分析原料グループするように義務付けられており 値による幅 ここに ILUC 由来の排出量も含め穀物 でんぷんなければならない が豊富な作物 欧州委員会による ILUC モデル見直し -( 言及なし ) ILUC リスクの低いバイオ燃料認定 -( 言及なし ) 糖類 油糧作物 ILUC デフォルト値算定に用 ( モデル見直し規定は削除 ) 同左 いた経済モデルについて 欧 州委員会は 2016 年 6 月末ま でに見直さなければならな い -( 言及なし ) 欧州委員会は指令施行後 1 年間 -( 規定削除 ) 以内に ILUC リスクの低いバイ オ燃料を特定し 認定するための 基準策定について検討する

30 20 欧州委員会提案 (2012/10/17) FQD の改正 事業者による ILUC 報告 毎年 3 月 31 日までに加盟国政府が任命する省庁に対して 燃料供給事業者がバイオ燃料製造方法 製造量 ILUC デフォルト値を含むエネルギー単位あたりのライフサイクル GHG 排出量を報告する義務を導入する 穀物 でんぷんが豊富な作物 砂糖 油糧作物について ILUC デフォルト値を提示 また これ以外の燃料は ILUC 排出量をゼロとみなす 原料グループ gco 2 / MJ 穀物 でんぷんが豊 12 富な作物 糖類 13 油糧作物 55 直接的土地利用変化を引き起こした原料については ILUC をゼロとみなし 直接的土地利用変化に伴う GHG 排出量を算定する LCA 評価への ILUC 組み入れ ( 義務化 ) ILU 排出量を 2021 年以降に持続可能性基準の中に入れるかどうかについて 欧州委員会が検討を行う 欧州議会採択 (2013/9/11) 欧州エネルギー閣僚理事会採択 (2014/12/9) 第二読会における成立 (2015/7) 同左 同左 同左 ( 事業者は ILUC デフォルト値の平均値を用いて算定 ) 2020 年以降はバイオ燃料のライフサイクル GHG の算定に ILUC を含めなければならない (ILUC 排出量も GHG 削減義務対象にカウント ) (2020 年以降 LCA 算定に ILUC を含む規定は削除 ) 同左

31 2.2.2 自動車用バイオ燃料の導入状況等 2014 年の欧州全体のバイオ燃料導入量は 1,400 万石油換算トンであり 前年比 6.1% 増となった 輸送燃料に占める割合は 4.9%(2013 年は 4.6%) であった 増加に貢献したのは前年比 7.8% 増となった バイオディーゼルである 熱量換算ベースでは 2014 年に導入されたバイオ燃料の 79.7% がバイオディーゼル 19.1% がバイオエタノール 1% がバイオガスであった 導入されたバイオ燃料のうち再生可能エネルギー指令で定める持続可能性の認定を受けたバイオ燃料は導入量の 89.4% に相当し過去最大である 1,250 万石油換算トンであった 表 2-9 欧州各国のバイオ燃料消費量 ( 単位 : 石油換算トン ) 2013 年 2014 年 国 バイオエタノール バイオディーゼル バイオ燃料合計 バイオエタノール バイオディーゼル バイオ燃料合計 フランス 394,000 2,294,000 2,688, ,000 2,541,000 2,955,000 ドイツ 777,730 1,823,135 2,643,548* 792,563 1,907,974 2,748,831* 英国 410, ,755 1,014, , ,723 1,160,003 イタリア 56,220 1,177,790 1,234,009 7,739 1,055,174 1,062,912 スペイン 170, , , , , ,380 スウェーデン 179, , ,237* 165, , ,403* ポーランド 145, , , , , ,538 オーストリア 57, , ,882 60, , ,293 ベルギー 48, , ,849 36, , ,599 オランダ 125, , , , , ,265 チェコ共和国 51, , ,772 78, , ,101 ポルトガル 4, , ,307 5, , ,880 デンマーク 0 223, , , ,468 ルーマニア 36, , ,356* 36, , ,356* フィンランド 69, , ,323* 69, , ,318* ハンガリー 32,474 87, ,233* 38,943 95, ,577* スロバキア 55,872 79, ,442 55,872 79, ,442 ギリシャ 0 122, , , ,443 アイルランド 29,095 73, ,265* 27,121 88, ,050 ルクセンブルグ ,721 53,504* 3,115 65,451 68,632* リトアニア 6,769 51,907 58,675 6,751 57,556 64,308 ブルガリア 8,380 95, , ,429 53,429 クロアチア 0 29,804 29, ,804 29,804 スロベニア 5,290 46,337 51,627 6,016 23,095 29,111 ラトビア 6,449 12,372 18,821 6,449 12,372 18,821 キプロス 0 14,772 14, ,277 13,277 マルタ 0 2,909 2, ,975 3,975 エストニア 3, ,201 3, ,201 合計 2,676,400 10,346,947 13,197,737 2,673,781 11,158,044 13,997,417 * バイオ燃料合計に バイオエタノール及びバイオディーゼルの他に植物油やバイオガスを含む 出所 :EurObserver(2015) Biofuels Barometer 次世代バイオ燃料の動向 欧州では次世代バイオ燃料を製造する 9 つの商業プラントが稼動している 21

32 表 2-10 EU における次世代バイオ燃料製造プラント製造容量国 / 企業プロセス燃料原料 ( 百万 l/ 年 ) 熱化学プロセス フィンランド / Neste Oil スペイン / CEPSA,REPSOL 操業 開始 水素化 HVO 油脂 水素化 HVO 油脂 375 (3 フ ラント ) 2011 オランダ / Neste Oil 水素化 HVO 油脂 イタリア / Eni SpA 水素化 HVO パーム油 フィンランド / UPM 水素化 HVO トールオイル オランダ / BioMCN 生化学プロセス イタリア / Beta Renewables 出所 :GAIN Report (2015) EU-28 熱分解 FT 合成 加水分 解 発酵 メタノールグリセリン エタノール小麦 (1) 熱化学プロセスフィンランドで Neste Oil 社は NExBTL という商品名で HVO を製造しており 車両用ドロップイン燃料およびバイオジェット燃料として販売している 同社はまた 再生可能ナフタ プロパン アルカンも製造している フィンランドでは 年間製造容量 1 ラインあたり 2.15 億リットルを 2 ライン ( 合計 4.3 億リットル ) 有する工場を稼動させている オランダでも HVO の工場を 2011 年に稼動開始させ 2013 年にはフル稼働に達した また 上表にはないが シンガポールにも年間製造容量 9.1 億リットルのバイオディーゼル製造工場を有しており 同社は世界で 2014 年に廃棄物由来 ( 主にパーム油脂肪酸留出物 獣脂 廃食油 ) の燃料を 160 万トン パーム油由来の燃料を 97 万トン精製した 同社は原料をパーム油由来から廃棄物系油脂にシフトさせており 2017 年には全ての原料を廃棄物系油脂とする予定である スペインでは CEPSA 社および REPSOL 社が HVO を製造している イタリアでは Eni SpA がパーム油を原料とし HVO を製造しており 今後は原料を獣脂や藻類等に変える予定である フィンランドでは UPM 社がパルプ残渣であるタールオイルを原料として HVO を製造している オランダでは BioMCN 社がバイオディーゼルの副産物であるグリセリンを活用し バイオメタノールを製造 bio-mtbe bio-dme 合成バイオ燃料として販売している 同社はまた 2012 年より 4 年計画で 木材残渣を原料としバイオメタノールを製造する商業プラントを建設中である 上表にはないがドイツでも Choren Industries 社による BtL プラントが稼動していたが 2011 年に破産し 工場は清算の対象となった 現在では カールスルー工科大学が穀物 木材の残渣を使ったバイオ燃料の製造に取り組んでおり 2014 年よりパイロット工場が稼 22

33 動している また フランスではまだ商業プラントの稼動には至っていないものの いくつか事業化の動きがある Total 社は 2017 年に年間製造容量 5.7 億リットルの工場を稼動させ HVO およびバイオジェット燃料を製造予定である 同社はまた Avril 社 Axens 社等と提携して 2020 年までに 2.3 億リットル規模のバイオディーゼル バイオジェット燃料の製造工場を稼動させる予定である (2) 生化学プロセスイタリアで 2013 年から商業稼動しているプラントでは 小麦 稲わら 籾殻等を原料としエタノールを製造している プラントで使う電力は 木材残渣およびエタノール工場からのリグニンで賄われている イタリアではこの他に 1 億リットル規模の 3 つの先進的バイオ燃料の製造プラント建設が計画されている また上表にはないがスペインでは 2008 年より Abengoa Bioenergy 社による実証プラントが稼動している 同プラントは年間製造容量 500 万リットルを有し 小麦と大麦を原料としていた これらの技術は米国で商業化され カンザス州で小麦を原料とする商業プラントが稼動している 2013 年からは都市固形廃棄物を原料とし 年間 2.5 万トンの廃棄物から 150 万リットルのバイオ燃料を製造している 持続可能性欧州では 再生可能エネルギー指令に定められた持続可能性基準への遵守を立証する方法として 欧州委員会が認可した自主的な持続可能性基準への適合をもって指令の持続可能性基準に遵守していることとみなすメタスタンダード アプローチが採用されており 19 の基準が認定されている 表 2-11 に 基準名称および設立 運用主体等の概要を示す 表 2-11 欧州で認定されている自主的な持続可能性基準 1 Roundtable on Sustainable 2004 年に WWF が設立 7 つのセクター ( パーム油生産 Palm Oil (RSPO) 業 搾油 貿易業 製品製造業 小売業 銀行 投資会社 NGO 等 ) 協力のもと運営 2 Round Table on Responsible Soy Association (RTRS) 2006 年に NGO(WWF, Conservation International, TNC) や企業が設立 ブラジル アルゼンチン産大豆由来 BDF を主に認証 3 Roundtable on Sustainable 2012 年にスイス連邦工科大学主導で設立 2013 年より非 Biomaterials (RSB) 営利団体として事務局をスイスに開設 4 Bonsucro 2005 年にブラジル産サトウキビ由来バイオエタノールを主眼に NGO(WWF 等 ) や企業等により設立 5 International Sustainability & Carbon Certification (ISCC) 2008 年にドイツ政府支援で 研究機関 NGO(WWF 等 ) 各国産業団体が設立 原料や地域を問わず認証 EU で最 もよく使用される 23

34 6 NTA 年に作成された基準 ( クレーマー基準 ) をベースに 複数の利害関係者により設立 7 Greenergy Brazilian Bioethanol verification programme 8 Red Tractor Farm Assurance Combinable Crops & Sugar Beet System 2007 年に Greenergy 社 ( 英国 ) により設定 開発された指標であり 同社のサプライチェーンのうち ブラジル産サトウキビ由来エタノールに限定して認証 基準の開発には ProForest( 森林保全団体 ) やコンサルティング会社も関与 英国の食料業界団体が設立した Red Tractor Assurance が 運用する基準 英国でのみ認定を行う 9 Scottish Quality Farm Assured Combinable Crops Limited 10 Biomass Biofuel, Sustainability Voluntary Scheme (2BSvs) 2007 年にスコットランドの農業産業関係者が理事を務める有限責任会社 (SQC) が設立 英国北部のみで認定を行う フランスのバイオ燃料サプライチェーン企業からなるコンソーシアムにより設定 Bureau Veritas が事務局を務める 世界中で認定 11 REDcert ドイツの農業 バイオ燃料分野の関係機関により 2010 年 に設定 欧州域内 ウクライナ ベラルーシで認定を行 う 12 Abengoa RED Bioenergy Sustainability Assurance 13 Ensus Voluntary Scheme under RED for Ensus Bioethanol Production アベンゴア社の基準として開発され 同社のサプライチェーンの認定のみに用いられている エンサス社の基準として開発され 同社のサプライチェーンの認定のみに用いられている 14 Biograce GHG calculation tool 15 HVO Renewable Diesel Scheme for Verification of Compliance with the RED sustainability criteria for biofuels 16 Gafta Trade Assurance Scheme 規制対応のため EU 助成により開発された温室効果ガス 排出量算定ツール Neste Oil 社により設立 水素化バイオディーゼル燃料に限定し 世界中で認定 業界団体 the Grain and Feed Trade Association により設立 主に英国内で認証 17 KZR INIG System The Oil and Gas Institute of Poland によりポーランド国内 の事業者向けに設立 EU 域内のみで認証を行う 18 Trade Assurance Scheme for Combinable Crops 19 Universal Feed Assurance Scheme 業界団体 Agricultural Industries Confederation により設立 英国内の穀物 油糧作物 甜菜に限り認証を行う 業界団体 Agricultural Industries Confederation により設立 英国に限り認証を行う 24

35 欧州委員会の改正に伴い 今後は自主的持続可能性基準への監視をより強めることとなった 具体的には各自主可能性基準の事務局に対し 最低年 1 回 監査の実施状況 非遵守者に対する対応状況 情報の透明性 ( 翻訳状況 各種文書へのアクセス可否 ) 基準の策定 見直し 監査の実施におけるステークホルダーの関与状況 認証状況 ( 認証した原料 燃料の量 国 事業者数等 ) 各基準において第三者検証を行っている検証機関に対する認証 監査方法等に関する情報をとりまとめた報告書を欧州委員会に提出することとなった 欧州委員会はこれらの報告書を公表したうえで 基準の運用状況を評価し またベストプラクティスを推奨する報告書を欧州議会および閣僚理事会に提出する予定である また 欧州委員会は検証機関の監査方法についての統一的な基準を今後策定する可能性がある 2.3 ドイツドイツは 2007 年よりバイオ燃料割当法 (Biofuel Quota Ordinance) のもと石油供給事業者に対して一定量のバイオ燃料の導入を義務付けており EU 最大のバイオ燃料消費国となった バイオ燃料割当法は 2015 年より気候保護法 (Climate Protection Act) へと改正され 石油供給業者は供給するバイオ燃料の量 ( 熱量ベース ) ではなく 自社が供給する商品の GHG 排出量を削減するよう義務付けられることとなった 削減は 2015~16 年に 3.5% 2017~19 年に 4% 2020 年に 6% となる 削減対策として現在では代替燃料による削減しか認められていないが 2017 年以降は石油製油所における効率改善も認められるようになる また GHG 削減率で評価されるようになることにより 従来は一定の基準をクリアする GHG 削減率をもつバイオ燃料は削減率の大小によらず等しく導入量がカウントされたが 今後はより GHG 削減率の高いバイオ燃料の導入が目標達成により大きく貢献することとなり導入が進むものと期待される この政策の変更により これまで主要な原料であった国産の菜種油起源のバイオディーゼルから他のより GHG 削減効果の高い原料へと転換がはかられており GHG 削減水準によりバイオ燃料の価格差がつくようになり EU のバイオ燃料市場に影響を与えると予測する専門家もいる

36 表 2-12 ドイツにおけるバイオ燃料供給義務率 年 GHG 熱量比削減率 バイオバイオエタノールディーゼル 全体 全体 % 4.40% % 4.40% % 4.40% 5.25% % 4.40% 6.25% % % % 出所 : 各種資料より MRI 作成 注 ) エタノールの比率はガソリン + エタノールの供給量に対する比率 バイオディーゼルの比率は軽油 + バイオディーゼルの供給量に対する比率 2.4 英国 英国では 2008 年より RTFO(The Renewable Transport Fuel Obligation) を導入し バイオ燃料 導入に取り組んでいる 制度の概要は次表のとおりである 26

37 制度名称 制度運用者 制度対象者 供給義務 持続可能性基準 義務遵守方法 RTFC 表 2-13 RTFO の概要 再生可能燃料導入義務 (The Renewable Transport Fuel Obligation, RTFO) 英国交通省 英国内で年間 450 kl 以上の輸送用燃料 ( 石油 ディーゼル 再生可能燃料 ) を供給している事業者 30 社 (2014/2015 年度実績 ) 裾きり値を下回る規模の事業者も 持続可能な再生可能燃料を供給した際に発行されるクレジット (Renewable Transport Fuel Certificate, RTFC) の取得は可能 全陸上輸送用燃料に占める持続可能なバイオ燃料比率を以下の割合としなければならない 2008/09 年度 20009/10 年度 2010/11 年度 2.5% 3.25% 3.5% 2011/12 年度 2012/13 年度 2013/14 年度以降 4.0% 4.5% 4.75% 2013 年度より一般車道を走らない車両 ( トラクター 内陸水路用車両等 ) で使用される燃料にも対象が拡大された これに伴い 導入目標が従来の 5% から 4.75% へと修正された 年度は 4 月 15 日 ~ 翌年 4 月 14 日 なお 年間供給量が 450~1,000kl の供給事業者は 450kl までは義務率の対象外となる 例 ) 年間供給量が 500 kl の場合 ( )kl 義務率 欧州の再生可能エネルギー指令の持続可能性基準に準拠 方法 1 RTFC の償却 (redeem) 持続可能な再生可能燃料を供給した際に発行されるクレジット (RTFC) を償却 RTFC は 他社から買うことも可能 方法 2 権利買い取り価格による支払 (Buy Out) 30 ペンス /l もしくは kg の支払い RTFC は 検証済みのバイオ燃料に対して 事業者の申請に応じて随時発行される インセンティブ付のための特例として 廃棄物 残渣 リグノセルロース系 非食用セルロース系原料からの輸送用燃料については 2 単位の RTFC が発行される 遵守に使う RTFC の 25% を上限として 前の年度に発行された RTFC を持越し (carry over) して使うことができる 罰則規定 義務を遵守しなかった場合に 5 万 もしくは会社の RTFO 対象となるバイオ燃料の年間売上高の 10% のうち より少額な方の罰金 (civil penalty) が課せられる また RTFC を不正取得した者は 60 ペンス /RTFC の支払いをしなければならない 出所 :RTFO ウェブサイト ( 27

38 2014/15 年度には 億リットルの再生可能燃料が供給され 道路用輸送用等燃料の 3.29% を占めた このうち 99.8% にあたる 億リットルが持続可能性基準を満たすものであった 持続可能性基準のうち 最も多く使われていたのが ISCC(83%) ついで Abengoa (8%) であった 億リットルの燃料種別はバイオディーゼル (FAME) が 49% バイオエタノールが 48% バイオメタノールが 1% であった バイオディーゼルとしては 英国産の廃食油 (1.59 億リットル ) バイオエタノールとしては 英国産の小麦(1.66 億リットル ) 由来の燃料が最も多く導入された 2014/15 年度に発行された RTFC は 億リットルであり このうち 億リットルはダブルカウントの結果として発行された またこのうちの 91% が 50% 以上の GHG 削減率 (ILUC による影響は除く ) を達成していた 表 2-14 RTFO におけるバイオ燃料導入実績 単位 : 百万 l 燃料 2011/12 年度 2012/13 年度 2013/14 年度 2014/15 年度 化石燃料 合計 44,043 43,366 48,673 49,199 バイオディーゼル (FAME) 837 バイオエタノール バイオガス 再生可能バイオメタノール 燃料再生可能な HVO 一般道路用途以外の N.A. 0 1 バイオディーゼル 2 合計 1,635 1,340 1,744 1,671 化石燃料に占める割合 4% 3% 3% 3% 出所 :Renewable Transport Fuel Obligation statistics 出所 :Renewable Transport Fuel Obligation statistics 図 /2015 年度に導入されたバイオ燃料の原料内訳 ( 左 ) および供給国 ( 右 ) 28

39 2.5 ノルウェーノルウェーは EU に加盟していないものの EU 再生可能エネルギー指令に準拠しており 2020 年に最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を 67.5% 輸送用バイオ燃料の割合を 10% とする目標を掲げる 輸送用燃料については 2009 年より持続可能性基準を満たすバイオ燃料の導入を義務化しており 国内の混合義務率は 2009~2014 年の 3.5% から 2015 年 5.5% へと高まっている 2017 年には 7% にまで高める検討もなされている また バイオジェット燃料の導入も行われており 将来的にはバイオジェット燃料を用いたフライトの着陸料の免除やバイオジェット燃料の導入義務化も検討されている 2014 年のバイオ燃料の導入状況を下記に示す 道路交通用輸送燃料の 4.2% に相当するバイオ燃料が導入されており 導入目標である 3.5% を達成している 表 2-15 バイオ燃料導入量 (2014 年 ) 単位 : 百万リットル バイオエタノール バイオディーゼル 全体 ガソリン 1,222 軽油 2,716 バイオエタノール 19 バイオディーゼル 155 割合 1.6% 割合 5.4% 4.2% 出所 :Norwegian Ministry of Climate and Environment(2016 年 3 月 ) プレゼン資料 "Biofuels policy in Norway" 原料別に見ると 8 割以上を菜種油でまかなっている また 国産の割合が 1.2% と非常 に低い特徴がある 表 2-16 バイオ燃料原料割合 (2014 年 ) 原料 割合 菜種 86 % 小麦 10 % 大豆 2 % テンサイ 1 % 出所 :Norwegian Ministry of Climate and Environment(2016 年 3 月 ) プレゼン資料 "Biofuels policy in Norway" 表 2-17 バイオ燃料調達国割合 (2014 年 ) 原産国 割合 ドイツ 48 % ウクライナ 13 % リトアニア 10 % 米国 5 % フランス 5 % ノルウェー 1.2% 出所 :Norwegian Ministry of Climate and Environment(2016 年 3 月 ) プレゼン資料 "Biofuels policy in Norway" バイオジェット燃料に関しては 2016 年 1 月にオスロ空港で 125 万 l のバイオジェット 燃料を供給している 29

40 2.6 ブラジル バイオ燃料政策ブラジルでは アルコール委員会 (CIMA) がバイオエタノールの混合率を決定しており 法律上混合率は 18~25% の間で設定可能と定められていたが 2014 年 7 月 1 日から 最大義務混合率が 25% から 27.5% に引き上げられた これに伴い 2015 年 3 月には CIMA により エタノールの義務混合率が 25% から 27% に引き上げられている 2014 年 7 月には 自動車生産者協会 (Anfavea) の実験により混合率 27.5% であっても車両への影響がないことが確認されたため 今後は混合率の 27.5% への引き上げの可能性が高まっている 一方 バイオディーゼルについては 2010 年から義務混合率は 5% に設定されていたが 2014 年 7 月から 6% に その後 2014 年 11 月に 7% まで引き上げられた こちらについても 今後 3 年間で 10% まで引き上げる旨の法案が 2016 年 3 月に採決されている また 安定的なバイオ燃料の供給のために 国立石油天然ガスバイオ燃料庁 (National Agency of Petroleum, natural Gas and Biofuels(ANP)) は燃料流通業者に対してエタノール供給契約を課している 具体的には 燃料流通業者は購入目標に合う年供給契約を採用するよう要求される この購入目標とは 前年からのガソリン C( エタノール混合ガソリン ) の販売総量の 9 割に相当する量である 一方 流通業者が年供給契約を採用せずに 月単位で燃料を購入 ( 直接購入 ) する場合には 月末に 前年の翌月に販売されるガソリン C の量に相当する在庫をもつことが要求される 10 バイオエタノールに対する政府の支援策を以下に示す 燃料への減税措置バイオ燃料は 減税措置が講じられている 州税である ICMS( 商品流通サービス税 ) の税率は州により異なるものの ガソリンが平均 25~31% であるのに対し エタノールへの税率は 12~27% に抑えられている 2015 年 2 月 1 日から PIS/COFINS( 社会統合基金 / 社会保障融資負担金 ) が引き上げられ ガソリンは 0.12 レアル /L バイオディーゼルについては 0.10 レアル /L になった さらに 2012 年に 0 に減税された CIDE 税 ( 特定財源負担金 ) も同時に再導入され ガソリンには 0.10 レアル /L バイオディーゼルには 0.05 レアル /L が課された クレジットライン ( 与信限度額 ) ブラジルの国立社会経済開発銀行 (BNDES) による Prorenova プログラム 11 は サトウキビ畑のリニューアルあるいは拡張に対して使用できるクレジットラインである 2015 年には 15 億レアルのクレジットラインを継続すると発表した 利率は 長期利率 +2.7% が適用される またBNDES は エタノールの在庫のための資金調達向けのクレジットラインである PASS 10 ANP( 11 BNDES ( ova/index.html) 30

41 プログラム 12 も設けている 2015 年には 20 億レアルの予算が設けられ 利率は 長期利率 +2.7% が適用される エタノールの参照価格は 無水エタノールの場合 1.50 レアル /L で 含水エタノールについては 1.35 レアル /L である エタノール / フレックス車両への減税措置 車両販売にかかる税率については バイオ燃料により走るエタノール車両やフレックス 車両 ( ガソリンと含水エタノールの両方が使える車両 ) に対する減税がなされている 減 税措置によりガソリンに対するバイオエタノールの価格優位性が高まった結果 保有車両 全体の 55% 以上がエタノール車両 / フレックス車両となっており 2020 年には同割合は 80% に達する見通しである 表 2-18 は 産業製品にかかる税 (IPI) PIS/COFINS 商品流 通サービス税 (ICMS) の値を示す 2004 ~ 2007 年 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 2008 年 PI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 2009 年 IPI 2010 年 1~3 月 2010 年 4 月 ~2011 年 2012 年 5~12 月 ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 2013 年 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 表 2-18 各種車両に対する税率 ( 単位 :%) 1,000cc 1,001~2,000cc 2000cc より大型 カ ソリン車 / エタノール車 / フレックス車 カ ソリン車 エタノール車 / フレックス車 カ ソリン車 エタノール車 / フレックス車 ( フレックス車 ) 5( それ以外 ) ( フレックス車 ) 25.7 ( それ以外 ) 3( フレックス車 ) 7( それ以外 ) ( フレックス車 ) 27.1 ( それ以外 ) BNDES( Apoio_Financeiro/Programas_e_Fundos/pass.html) 31

42 2014 年 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 1,000cc 1,001~2,000cc 2000cc より大型 カ ソリン車 / エタノール車 / フレックス車 カ ソリン車 エタノール車 / フレックス車 カ ソリン車 エタノール車 / フレックス車 出所 :USDA(2015) GAIN Report 15006, Brazil Biofuels Annual IPI(Tax on Industrialized Products): 工業製品税 ICMS(State tax for circulation of goods and services): 商品流通サービス税 PIS(Contribution to the Social Integration Program): 社会統合基金 COFINS(Contribution for the Financing of Social Security): 社会保障融資負担金 自動車用バイオ燃料の導入状況等 (1) バイオエタノール バイオエタノールの導入状況 ブラジルのバイオエタノール生産の伸びは 国内のフレックス車両の増加と 米国の先 進的バイオ燃料導入義務による輸入需要増に支えられている ブラジルには エタノール 精製工場が 2015 年時点で 360 存在し 同年度のブラジル国内のエタノール生産能力は 380 億 L であった 実際の生産量は 各工場が砂糖を製造するのか あるいはエタノールを製 造するのかによって決定される 精製工場は 各収穫年度の粉砕開始前にエタノール / 砂 糖用の設備を整備するため 一度砂糖 / エタノールの製造割合を決めると 同年度中には 割合は変化することは少ない 表 2-19 は バイオエタノールの生産 供給 需要に関し 燃料とその他の利用に分類し て示している

43 表 2-19 従来型バイオエタノールの生産 供給 需要 ( 燃料利用とその他 )( 百万 L) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 * 2016 年 * 初期在庫 5,916 6,891 7,094 8,195 9,367 8,322 生産量 22,893 23,509 27,642 28,553 29,350 30,680 燃料 20,212 20,739 24,377 25,585 26,850 28,150 その他の利用 2,681 2,770 3,265 2,968 2,500 2,530 輸入量 1, 燃料 1, その他の利用 供給量合計 29,945 30,954 34,868 37,200 39,222 39,502 輸出量 1,964 3,055 2,917 1,398 1,300 1,350 燃料 1,083 2,500 1, その他の利用 消費量 21,090 20,805 23,756 26,435 29,600 30,000 燃料 19,290 18,590 21,456 24,085 27,600 28,000 その他の利用 1,800 2,215 2,300 2,350 2,000 2,000 期末在庫 6,891 7,094 8,195 9,367 8,322 8,152 需要量合計 29,945 30,954 34,868 37,200 39,222 39,502 *2015 年および 2016 年の値については予測値である 出所 :USDA(2015) Gain Report BR15006 Brazil Biofuels Annual さらに ガソリンに混合して利用される無水エタノールと E100 として利用される含水 エタノールの生産量の推移を以下に示す 年によって変動するものの 近年はやや含水エ タノールの生産量が多くなっている 出所 : ブラジルさとうきび産業協会 (UNICA) 図 2-4 エタノール生産量の推移 33

44 バイオエタノールの貿易ブラジルの 2016 年のエタノール輸出量は 13.5 億 L と予測され 2015 年の予測量の 13 億 L と同水準である このうち 燃料用エタノールについては 8.2 億 L の輸出が計画されている 一方 輸入については 2015 年は 5 億 L の輸入が計画されている ブラジル国際貿易事務局 (SECEX) が報告した 2014 年および 2015 年 (1~6 月 ) のエタノールの輸出入量を以下の表に示す 表 2-20 ブラジルのエタノール輸出入 輸出量 2014 年 2015 年 (1 月 ~6 月 ) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 米国 728, , , ,835 韓国 417, , ,207 78,905 日本 91,160 60,384 31,956 18,324 ナイジェリア 45,894 27,129 9,570 4,631 台湾 29,965 18, アンゴラ 15,427 9,992 3,861 2,769 ガーナ 15,005 9,787 3,910 2,201 シンガポール 16,079 8, メキシコ 9,004 6, スイス 8,097 5, 他 22,171 14,975 29,600 16,122 輸出量合計 1,397, , , ,818 輸入量 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 米国 402, , , ,231 ペルー 17,002 10, 英国 12,998 7, パラグアイ 5,159 2,690 4,070 1,917 ジャマイカ 318 1, ドイツ メキシコ ポーランド ギアナ 他 13,677 8,291 13,185 6,998 輸入量合計 452, , , ,847 出所 :USDA(2015) GAIN Report 15006, Brazil Biofuels Annual なお ブラジルにとって最大の輸出先である米国は 同時にブラジルにとって最大の輸 入元でもある 二国間でのバイオエタノールの輸出入に関しては アメリカの法規制やブ ラジルのサトウキビの栽培時期などが深く関わっている この関係を次の図に示す 34

45 82.9 万 kl 2015 年輸入実績 年始の供給減の補填 価格の安定 49.5 万 kl 米国 ブラジル 燃料需要への対応 先進型燃料要件を満たすサトウキビ由来エタノールの輸入が必須 義務混合率の引き上げによる国内需要増加 端境期 ( 年始 ) の在庫枯渇による価格変動の回避 出所 :F.O.Licht 等をもとに MRI で作成図 2-5 ブラジルと米国の輸出入関係まず 米国においては RFS 制度やカリフォルニア州の LCFS 制度によるバイオ燃料需要の高まりに対応すべく 近年バイオ燃料の輸入が増加している 特に 米国環境保護局 (EPA) にて先進型バイオ燃料として認められているサトウキビ由来エタノールの需要は大きく 最大生産国であるブラジルからの輸入は必須となっている これは 米国で主に生産されるトウモロコシ由来バイオエタノールが先進型バイオ燃料ではないこと 及び 自国での先進型バイオ燃料生産が十分でないことに起因する 2015 年度は ブラジルの景気悪化により急激なレアル安が起きたことから 市場でのブラジル産バイオ燃料の優位性が高まり 米国も輸入量を増やしている なお 2015 年 11 月に RFS が改訂されて使用義務量が拡大されたことに伴い 米国における今後のバイオ燃料需要の増加が見込まれている 一方 ブラジルでは バイオエタノールの義務混合率の引き上げによる国内需要の増加 および サトウキビ栽培の端境期のエタノール在庫の枯渇に伴う価格変動の回避のため 近年は米国からの輸入が不可避となっている これに加え 2015 年度中旬以降は大幅なレアル安の進行によりブラジル産エタノールの海外需要が高まったことを受けて 収穫最盛中の輸出が好調であった これに伴い在庫の枯渇が例年より速く 2016 年 1 月のアメリカからの輸入量の拡大に結び付いている どちらの国においても 一時的な要因による需要の増加ではないために この相互の輸出入は今後も大規模に行われると考えられる 35

46 出所 :MAPA のデータ ( をもとに MRI で作成図 2-6 ブラジルのエタノール貿易状況なお 2012 年と 2013 年には 米国での大干ばつが原因でトウモロコシ価格が大幅に上昇し 米国内でのエタノールの生産量が激減した そのため ブラジルから米国への輸出が急増し 年間を通して輸出が行われていた 逆に ブラジルの米国からの輸入は 主にブラジルでのサトウキビ栽培の端境期にあたる 1 月から 4 月にかけて行われる しかし ブラジルでも 2011 年の干ばつの際にはサトウキビの収穫量が激減し 米国からの輸入を大規模に行った 36

47 バイオエタノールの生産量 消費量 輸出量の推移 ブラジルにおけるバイオエタノールの生産量 消費量 輸出量の経年変化を図 2-7 に示し た 2009 年以降は 生産量と消費量は同じ傾向で推移している 出所 :USDA GAIN Report, Biofuels Annual Brazil 2015 をもとに MRI 作成 注釈 :2014 年度および 2015 年度は予測値である 図 2-7 バイオエタノール生産量 消費量 輸出量の推移 バイオエタノールの将来供給見通し将来のバイオエタノールの供給見通しについては 鉱山エネルギー省による エネルギー拡張 10 年計画 2024(PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2024) の中で公表されている ブラジル国内エタノール供給量は 2023 年には 4,300 万 kl 2024 年には 4,400 万 kl と見込まれている 1 年前に公表された計画では 2023 年の供給量は 4,800 万 kl と見込まれていたが 当期の計画では 10% ほど引き下げられている また 無水エタノール ( ガソリン混合としての利用 ) の供給量が微増であるのに対し 含水エタノール (E100 としての利用 ) の供給量は大きく伸びると見込まれている 37

48 出所 :PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2024 図 2-8 バイオエタノールの供給将来見通し また 輸出等も含めると エネルギー拡張 10 年計画 2024 の予測では 燃料用エタノー ル需要は 2024 年までに 4,400 万 kl と 2015 年の需要の 3,090 万 kl から 1.4 倍に増加する とされている 出所 :PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2024 図 2-9 バイオエタノールの需要将来見通し ( 輸出等も含む ) 38

49 ブラジルからのバイオエタノールの輸出将来見通しについては エネルギー拡張 10 年計画 2024 では 2024 年までにエタノール輸出量は 350 万 kl まで増加する予定であると見込まれている しかし 国際的な経済危機によるエタノール需要の減少並びにブラジル国内での供給制約等を背景に 2008 年の輸出実績である 510 万 kl までの回復は見込めない なお 2015 年の USDA GAIN Report では 輸出先の内訳として日本が示されている 出所 :PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2024 図 2-10 ブラジルからのバイオエタノール輸出の将来見通し 将来的な需要増を満たすためにはサトウキビを原料としたバイオエタノール工場の新増 設が必要となるが ここ数年経済状況の悪化等により 工場の新設件数は激減 廃止件数 は増加している ( ただし 優良企業に買収されているケースも含んでいる ) 出所 :USDA GAIN Report BR 15006, Brazil Biofuels Annual, 2015 図 2-11 直近のブラジルにおけるバイオエタノール工場の新設 廃止状況 エネルギー拡張 10 年計画においては 先述の需給の見通しとともに サトウキビ生産に 39

50 ついても以下のとおり見通しを示している ブラジルのサトウキビ農地は現状 910 万 ha であるが 2024 年に 990 万 ha まで拡大することが予想されている このうち エタノール用のサトウキビ農地の面積は 520 万 ha から 580 万 ha まで拡大するとされている これらも 1 年前に公表された計画から引き下げられている また サトウキビの生産性は 2014 年の 70.5t/ha から 2024 年には 85.3t/ha にまで向上することが見込まれている 出所 :PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2024 図 2-12 サトウキビ農地面積の将来見通し (2) バイオディーゼル バイオディーゼルの導入政策ブラジルでは 2010 年に 5% であったバイオディーゼルの義務混合率を 7~10% に引き上げるための検討がなされてきた そして 2014 年 9 月に制定された法令 号により 2014 年 7 月 1 日には 6.0% に 2014 年 11 月 1 日には 7.0% まで引き上げられている また 国家エネルギー政策審議会 (CNPE) により 高混合率のバイオディーゼルの販売および任意の使用が承認された これに伴い 船舶および道路交通は 20% 鉄道交通は 30% 農業および工業使用は 30% を上限とする高混合率が可能となった バイオディーゼルの生産状況ブラジルのバイオディーゼルの主原料は 大豆 ( 原料の 76%) 動物性油脂(21%) 綿実 (1%) である 2016 年の総生産量は 4,107 百万 L と予測されており 2015 年と比較して大きな増加は見込まれていない これは 現状のブラジル経済の低迷と それに伴うディーゼル消費量の減少を考慮したためである なお 2013 年から 2015 年にかけての生産量の増加は 2014 年に義務混合率の引き上げが行われたことに起因する 2015 年 5 月の ANP(The National Agency of Petroleum, Natural Gas and Biofuels) レポート 40

51 によると ブラジルで認可されたバイオディーゼル生産拠点は 56 で これらのプラントの生産能力は 2,072 万 L/ 日 年間では 360 日操業の場合で約 74 億 6 千万 L である この生産量は 2014 年のバイオディーゼル義務生産量の 2.19 倍に相当し 余剰能力が十分にあるといえる なお 2014 年の生産能力量 (2,180 万 L/ 日 ) と比較すると 5% の減少である 表 2-21 ブラジルにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 ( 百万 L) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 初期在庫 生産量 2,673 2,717 2,960 3,460 4,100 4,107 輸入量 輸出量 消費量 2,613 2,795 2,928 3,410 4,097 4,097 期末在庫 出所 :USDA GAIN Report BR15006, Brazil Biofuels Annual, 2015 バイオディーゼルの貿易ブラジルは バイオディーゼルの輸出のみを行っており 輸入は行っていない バイオディーゼルの輸出実績は表 2-22 の通りである 2014 年はスペインへの輸出量が最も多く ついでオランダ ジブラルタルが続いた なお 2015 年は 7 月に初めて輸出が行われたため 上半期は輸出量が 0 であった 輸出量 表 2-22 ブラジルのバイオディーゼル輸出実績 2013 年 2014 年 2015 年 (1 月 ~6 月 ) 量 (kg) 金額 ( 米 量 (kg) 金額 ( 米 量 (kg) 金額 ( 米 $ FOB) $ FOB) $ FOB) スペイン 23,330,227 22,570,900 13,164,940 12,506, オランダ 7,018,564 6,435,103 12,068,340 11,428, ジブラルタル ,024,518 9,974, 米国 0 0 9,179 66, 日本 , ベルギー 3,990,755 3,769, 合計 34,339,546 32,775,174 35,267,048 33,983, 出所 :USDA(2015) GAIN Report BR15006, Brazil Biofuels Annual 次世代バイオ燃料の動向 ブラジルでは バイオマスやそれを使用して発電した電気を安く供給することができる ため セルロース系エタノール生産の開発が 2014 年に開始され 導入が進みつつある し かし 技術や原料に使用される酵素の高価さから 大規模生産に結び付けるまでには数年 かかる見込みである 今後建設予定の工場の生産規模も含めると 2024 年までには生産能 力が 429 百万 L に達し 2024 年のバイオ燃料総生産量の約 1% を占める見込みである 41

52 なお 国立社会経済開発銀行 (BNDES) は Paiss Agricola というプログラムを通じて 次 世代バイオ燃料の研究開発の支援を行っており 2014 年には Abengoa の第二世代エタノー ル製造工場の建設プロジェクトに 5.9 億レアルの資金提供を行っている 表 2-23 は ブラジル企業のセルロース系エタノール生産の現状と今後の計画を示してい る 表 2-23 セルロース系エタノール生産の現状と今後の計画 企業 市 ( 州 ) 生産投資操業開始 (1000kl) (100 万レアル ) Granbio/Carlos São Miguel / Lyra dos Campos (AL) Raízen Piracicaba (SP) /16 710* Odebrecht 未定 /17 未定 Agroindustrial Petrobras/São Quirinópolis (GO) 40 未定 240* Martinho CTC São Manoel (SP) /15 71 Abengoa Pirassununga (SP) 64 未定 310 合計 429 1,680 * 総投資額から推定した値 出所 : PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 持続可能性 サトウキビ生産の土地については ブラジル政府が 2009 年 9 月 17 日付行政指令 6921 号 により サトウキビに関する国家アグロ = エコロジー ゾーニング (the Agro-ecological Zoning of Sugarcane 以下 ZAE) 制度を開始し 世界自然遺産地区の生態系保護や ブラ ジル産エタノール製造が自然環境破壊に繋がっているという負のイメージの一掃を目的と して 新規のサトウキビ植え付け禁止地域を明確にしている ZAE は アマゾン森林地帯 パンタナール湿地 およびパラグアイ川上流域でサトウキビ栽培をすること 及び自生植 物地区でのサトウキビ栽培の拡張を禁止している さらに サトウキビ拡大のために認可 された地域として ブラジルの領土の 7.5% に相当する 6,470 万ヘクタールを規定している なお 現状のサトウキビ栽培面積が約 900 万ヘクタール 13 であることを考慮すれば 今後の 栽培予定地は十分にあると言える 図 2-13 は ZAE の区分を示す ブラジルのサトウキビ栽培地域は中南部と北部に区分さ れるが サトウキビ栽培許可エリアのほとんどは中南部に位置していることがわかる 13 MAPA の 2014/2015 年度の統計による 42

53 サトウキビ栽培許可エリア アマゾン森林地帯 パンタナ ール湿地保護エリア 図 2-13 アグロ = エコロジー ゾーニングの区分出所 :Andre Nassar(ICONE), Roadshow on Biofuels Sustainability: Biofuels and Land Use Change, 2010 図 2-14 のとおり ブラジル全土でのサトウキビ栽培面積は拡大傾向にあり ZAE が制定された 2009 年の 7.0 百万 Ha から 2015 年には 9.0 百万 Ha まで拡大している この拡大のほぼ全てが 中南部に位置するサンパウロ州 ゴイアス州 ミナス ジェライス州 マトグロッソ ド スール州の 4 州で行われている なお アマゾン森林地帯のサトウキビ栽培面積は図 2-14 のうち北部に含まれており 2014/2015 年度では 2 万 Ha ほどである アマゾン森林地帯での栽培面積は小規模にとどまっており ZAE 制度が順守されていることが窺える 43

54 出所 :MAPA Evolução da Produtividade e da Produção de Cana-de-Açúcar no Brasil por Ano-Safra 図 2-14 ブラジルのサトウキビ面積および収穫量の推移 また ZAE 制度では収穫前の焼畑を 2017 年までに全廃することも政策として掲げている 焼畑とは 収穫前に畑全体を焼き 茎以外の余分な梢頭部や葉を取り除いて収穫するという伝統的な農業技法である この技法は サトウキビの梢頭部や葉を切り落とす労力等を削減して収穫を容易にする利点がある一方で GHG 排出量を増加させるという問題点を抱えている そのため GHG 排出量抑制の観点から サトウキビ栽培地域での焼畑は段階的に禁止となり 代わりに機械化による収穫が推奨されている なお ZAE により認可されたサトウキビ栽培可能地域は 勾配が 12% 未満で機械の導入が可能な地域であり 収穫面積の拡大を行っても焼畑による GHG 排出量の増加には結び付かないように配慮されている 以下の図 2-15 ではサンパウロ州における収穫方法の推移を示している 以前は収穫前の焼畑が多く行われていたのに対し 近年ではほとんどの地域で焼畑を行わずに収穫していることがわかる サンパウロ州は州条例で 2014 年以降は焼畑を全面禁止とする政策を打ち出していたため移行が急速に進められたが ZAE 制度においても 2017 年以降の焼畑収穫の禁止が定められたため 他州でも同様の動きがみられると考えられる なお 焼畑収穫の全面禁止は環境保護につながる一方で 中小のサトウキビ農家にとっては収穫用機械の購入などの設備投資に係る負担が大きく 機械化へ移行できないという問題点も挙げられている その結果 他の作物の栽培へ移行したり 農地を大手企業にリースしたりする動きもみられている 44

55 出所 : サンパウロ州環境局のデータをもとに MRI 作成 図 2-15 サンパウロ州における焼畑収穫率の推移 2.7 韓国韓国では 温室効果ガス削減目標の達成 再生可能エネルギーの普及目標およびバイオ燃料関連産業の雇用創出を目的として 新エネルギーおよび再生可能エネルギーの開発 利用 普及促進法 を 2015 年 7 月に施行し 自動車用軽油に対するバイオディーゼルの導入義務付け制度 ( 通称 RFS) を開始した なお 温室効果ガス削減目標として国は 2015 年 6 月に 2030 年までに BAU 比 37% 削減を掲げている 一方 新 再生可能エネルギーの普及目標としては 輸送部門において 2035 年までに新 再生可能燃料を 140 万石油換算トン導入することを目的として掲げている バイオディーゼルの導入を義務付けた RFS 制度の詳細は下表のとおりである 表 2-24 韓国 RFS の概要法律 新エネルギーおよび再生可能エネルギーの開発 利用 普及促進法 (2013 年改正 2015 年施行 ) 同施行令 施行規則 (2015 年改正 施行 ) 義務対象 石油精製業者または石油輸出入業者 ( 以下 混合義務者 ) 義務内容 混合義務者は 年度ごとに算定される量以上の新 再生可能エネルギー燃 料 ( バイオディーゼル ) を輸送用燃料 ( 自動車用軽油 ) に混合しなければ ならない 当面は導入量の多いバイオディーゼルから開始し 今後はバイオエタノ 45

56 ール (2020 年頃を予定 ) バイオガスへと制度対象を拡大する予定 算定式 : 年度ごとの義務混合量 =( 年度ごとの混合義務比率 ) [ 輸送用燃料 ( 混合された新 再生可能エネルギー燃料を含む ) の内需販売量 ] 当該年度 混合義務比率 2015 年 年 年 年 年 年以降 0.03 年度ごとの混合義務比率は 新 再生可能エネルギー技術の開発水準や燃 料の需給状況などを考慮し 2015 年 7 月 31 日を基準として 3 年ごとに (3 年 目の年の 7 月 31 日以前をいう ) 再検討する ただし 新 再生可能エネル ギー燃料混合義務の履行実績や国内外の市場環境の変化などを考慮し再検 討期間を短縮することができる 施行体制 新 再生可能エネルギーセンターが 以下の制度運用を行う 1. 混合義務履行実績の検証 2. 混合義務履行関連情報の収集および管理 3. 混合義務履行の検証のための現場調査 4. 混合義務管理基準の運営 5. 義務混合量および課徴金の算定 6. 運営委員会の構成および運営 7. RFS 統合管理システムの運営 8. その他 産業通商資源部長官が必要と認める業務 韓国石油管理院が 以下の制度運用を行う 1. 混合義務履行状況の確認および点検 2. 混合義務履行状況の確認のための現場調査 3. 新 再生可能エネルギー燃料の品質管理および品質基準の整備 4. 新 再生可能エネルギー燃料の生産 混合施設の現場点検 5. 偽の新 再生可能エネルギー燃料の摘発および取り締まり 6. 新 再生可能エネルギー燃料の技術基準および安全性の検討 7. 運営委員会の構成および運営 8. その他 産業通商資源部長官が必要と認める業務 罰則 混合義務者が混合義務比率を満たすことができなかった場合 不足分に当 該年度の新 再生可能エネルギー燃料の平均取引価格の 100 分の 150 を乗 じた金額の範囲で課徴金を賦課される 出所 : 新エネルギーおよび再生可能エネルギーの開発 利用 普及促進法 韓国エネルギー公団 (2015 年 ) 週刊エネルギーイシュー ブリーフィング第 93 号 46

57 3. 各車種の CO 2 排出量及び費用対効果の比較バイオ燃料導入は運輸部門の CO 2 削減対策として有望であるが 運輸部門の対策としては電気自動車 燃料電池自動車などの次世代自動車にも期待が集まっている ここでは 各車種について ガソリン自動車に対する 1 CO 2 削減効果及び削減費用 年の CO 2 削減可能量 の評価を行うことで 運輸部門の CO 2 削減対策における バイオ燃料導入の位置づけを明らかにする 3.1 対象とする車種 使用燃料本分析で対象とする車種や使用燃料の一覧を 表 3-1 に示す ガソリンにはエタノールを体積比で 3%, 5%, 10%( 熱量比では 2.1%, 3.5%, 7.0%) 軽油には体積比で 5%( 熱量比では 3.0%) の混合を想定した 14 内燃機関自動車 EV FCV HEV PHEV 表 3-1 対象とする車種 使用燃料 ガソリン ディーゼル 天然ガス 電気水素 ピュアガソリン 車種 燃料 ピュアガソリン エタノール 3% 相当混合エタノール 5% 相当混合 エタノール 10% 相当混合 ピュアディーゼル バイオディーゼル 5% 相当混合 CNG エタノール 3% 相当混合 ガソリン 電気 3.2 車種別 CO 2 排出量および削減費用 前提条件 (1) 費用の前提条件本分析では 各車種の購入時から 10 年間に消費者が支払うべき費用 ( 消費者費用 と定義する ) を評価対象とした 消費者費用には 車体価格 10 年間の燃料費 ( 消費税含む ) 10 年間の自動車関係の税金を含めた 特定車種の優遇策 ( エコカー減税 エタノールの揮発油税免税 クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金 (CEV 補助金 ) 等 ) は 恒久措置ではないことから考慮しないこととした 14 これ以降 エタノールの 3% 相当 の混合と記載した場合 体積比でのエタノール 3% 混合であり E3 と ETBE7% 混合の両方を念頭に置いた混合とする ただし 計算は直接混合を仮定して行っており ETBE 化に伴う費用や CO 2 排出量は考慮していない 47

58 表 3-2 に 費用に関する前提条件を示す 車体価格や燃費等は 想定車種に基づいて 主要メーカーの公開する情報を用いた 車体価格は 補助金等を含まない 各車種の希望小売価格である なお 想定車種は具体的なデータ設定のために参考としたもので 必ずしも当該車種に即した比較を行っているわけではない 燃料単価は 経済産業省が公開する直近の燃料価格や委員会で示された情報等をベースに決定した なお 消費者費用を評価対象としていることから ガソリン 軽油は揮発油税 軽油引取税等が含まれた価格 電気は電源開発促進税等が含まれた価格である 特定車種の優遇策を考慮しない前提であるため エタノールは免税措置を考慮しない価格である また バイオ燃料 電気 水素は原料や製法に依らず同じ価格と仮定している 走行距離 使用年数は車種に依らず一律に設定した その他税金等としては 自動車取得税 自動車重量税 自動車税を想定した 特定車種の優遇策を考慮しない前提であるため エコカー減税は考慮せず 車種に依らず一律に設定した (2) CO 2 排出量の前提条件本分析で対象とする燃料の CO 2 排出量の前提条件を表 3-3 表 3-4 に示す 各燃料の CO 2 排出量はライフサイクルで評価しており Well to Tank( 一次エネルギー採掘 ( バイオ燃料の場合は原料生産 ) から燃料タンク充填まで ) Tank to Wheel( 燃料タンクから車両走行まで ) Well to Wheel( 一次エネルギー採掘 ( バイオ燃料の場合は原料生産 ) から車両走行まで ) それぞれの排出量を示す なお CO 2 以外の温室効果ガス (CH4 N2O) も 影響が大きいものについては含まれている バイオエタノール バイオディーゼルでは複数の原料について CO 2 排出量を設定した 電気は電力中央研究所のライフサイクル CO 2 排出量評価結果を用いた 水素は都市ガス改質および PV アルカリ水電解で製造する 2 ケースについて評価を行った 48

59 49 内燃機関自動車 ガソリン ディーゼル天然ガス 表 3-2 車体価格および燃料費の前提条件本体 16 燃料費 + 価格参考税金車種 燃料 15 [ 万円 ] 17,18, 燃費 車種 [ 万円 10 燃料単価 19 ( 税電費年 ] ( 税込 ) 込 ) [km/l 等 ] ピュアガソリン 円 /L km/l エタノール 3% 相当混合 円 /L km/l デミオ エタノール 5% 相当混合 円 /L km/l エタノール 10% 相当混合 円 /L km/l ピュアディーゼル 円 /L km/l デミオ バイオディーゼル 5% 相当混合 円 /L km/l CNG シビック 円 /L 21.2 (21 km/l EV 電気 リーフ 円 /kwh 8.5 km/kwh FCV 水素 ミライ 円 /Nm km/nm 3 HEV ピュアガソリン 円 /L プリウス 248 エタノール 3% 相当混合 円 /L 37.2 km/l PHEV ガソリン 電気 プリウス 円 /km (22 走行距離 [km/ 年 ] 使用年数 [ 年 ] 20 税金等 [ 万円 10 年 ] 10, 各車種のモデルは以下のとおり デミオ ( ガソリン ):13S Black Leather Limited デミオ ( ディーゼル ):XD Black Leather Limited シビック :Civic Natural Gas リーフ :S グレード ( バッテリー 30kWh) プリウス (HEV): S グレード (2WD) プリウス (PHEV): S グレード 16 各社ホームページにおける希望小売価格 17 ガソリン ディーゼル : 経済産業省石油製品価格調査 ( 平成 28 年 1 月 ) 電気: 電力基本政策小委員会 ( 平成 27 年 ) エタノール: 貿易統計 ( 平成 28 年 1 月 ) と経済産業省石油 天然ガス小委員会 ( 第 5 回 ) 資料を用いた推計値 (203.8 円 / L ガソリン等価 )) バイオディーゼル: ガソリン エタノール間の熱量当たり価格差をディーゼル バイオディーゼル間にも適用 ( 一概に設定できないための暫定値 ) 水素: 海老名水素ステーション ( 平成 27 年 ) CNG: 東京ガスホームページ ( 平成 28 年 3 月 全区分の平均値 (90.9 円 /m3)) より 18 ガソリン ディーゼルは揮発油税等が含まれた価格 エタノールは免税措置を考慮しない価格 エタノール バイオディーゼル混合 天然ガス自動車の価格はガソリン等価リットル当たりの数値 19 エタノール バイオディーゼル混合車 天然ガス自動車の燃費はガソリン等価リットルの数値 20 自動車取得税 ( 地方税 ) 自動車重量税 ( 国税 ) 自動車税 ( 地方税 ) 21 シビック CNG の燃費は EPA 燃費 (31MPG) をホンダ FIT の EPA 燃費 (36MPG) と JC08 モード燃費 (24.6km/L) の比で補正し ガソリン等価リットル換算

60 50 24 化石燃料 バイオエタノール 25 バイオディーゼル (FAME) 25, 26 表 3-3 CO 2 排出量の前提条件 (1/2) CO 2 排出量 [g-co 2 /MJ] 燃料種類 23, 低位発熱量 Well to Tank Tank to Wheel Well to Wheel ( 原料 製法等 ) (WtT) (TtW) (WtW) ガソリン 31.3 MJ/L 軽油 35.8 MJ/L 天然ガス 49.7 MJ/kg サトウキビ ( ブラジル ) 多収量米 ( 日本 ) 小麦 ( 日本 ) てん菜 ( 日本 ) 建築廃材 ( 日本 ) MJ/L 林地残材 ( 日本 ) 早生広葉樹 ( 豪州 ) 稲わら 麦わら ( 日本 ) 多収量草本植物 ( インドネシア ) 藻類 ( 米国 ) パーム ( インドネシア マレーシア ) 大豆油 ( アルゼンチン ブラジル カナダ 米国 ) 菜種油 ( 豪州 カナダ ) MJ/L 廃食油 ( 日本 ) ココナッツ ( フィリピン ) ジャトロファ ( インドネシア ) 充電電力走行距離割合を 50% と想定 経済産業研究所 エネルギー源別標準発熱量 炭素排出係数の改訂案について 年度改訂標準発熱量 炭素排出係数表 - ( 2014) 24 WtT は日本自動車研究所 総合効率と GHG 排出の分析報告書 (2011) より TtW は各燃料の低位発熱量に基づく排出量 25 WtT は NEDO バイオエタノール燃料の持続可能性に関する検討 (2012 受託者: 三菱総合研究所過年度調査 ) 26 複数産地の記載がある場合は 平均の数値を採用 27 Fatty Acid Methyl Ester (FAME) の発熱量 NEDO セルロース系エタノール革新的生産システム開発事業/ バイオ燃料の持続可能性に関する研究 / 温室効果ガス (GHG) 削減効果等に関する定量的評価に関する研究 (2012 受託者: 産業技術総合研究所 三菱総合研究所 )

61 51 表 3-4 CO 2 排出量の前提条件 (2/2) 燃料種類 ( 原料 製法等 ) 28 低位発熱量 CO 2 排出量 [g-co 2 /MJ] 石炭 原油 重油 電気 LNG 原子力 水力 太陽光 風力 都市ガス改質 水素 MJ/Nm 3 0 PV アルカリ水電解 脚注 23 参照電力中央研究所 日本の発電技術のライフサイクル CO 2 排出量評価 年に得られたデータを用いた再推計 - ( 2010) 30 WtT は日本自動車研究所 総合効率と GHG 排出の分析報告書 (2011)

62 3.2.2 評価結果表 3-5 表 3-6 には 各車種 各燃料の 1km 走行当たり CO 2 排出量 消費者価格 CO 2 削減費用を示す ここで 消費者価格とは 前述のとおり 消費者が支払うべき費用と定義している 特定車種の優遇策 ( エコカー減税 エタノールの揮発油税免税 CEV 補助金等 ) は考慮していない また CO 2 削減費用とはピュアガソリン車を基準とした時の CO 2 削減量と消費者費用の差分を用いて 消費者費用の差分を CO 2 削減量の差分で除したものである ( 次式 ) 自動車 i の CO 2 削減費用 [ 円 /g-co 2 ] = ( 自動車 i の消費者価格 [ 円 /km] ピュアガソリン自動車の消費者価格 [ 円 /km]) ( ピュアガソリン自動車の排出量 [g-co 2 /km] 自動車 i の排出量 [g-co 2 /km]) 図 3-1 には 各車種について主要な原料の 1km 走行当たり CO 2 排出量を示す エタノール混合ガソリンに比べると EV や FCV の 1km 走行当たり CO 2 排出量は小さいが 電源構成や水素製法によって排出量の差が大きい 図 3-2 図 3-3 にはバイオエタノールおよびバイオディーゼルの原料種別の CO 2 排出量を示す 原料によって排出量はそれぞれ異なるが 電気や水素など 他の燃料と比べると原料の違いによる排出量の差は大きくない 図 3-4 には 車種別 燃料別の消費者費用を車体寄与と燃料 税金等寄与に分けて示す 従来車の車体価格が消費者価格全体に占める割合は 56% であるが EV や FCV 等の次世代自動車はそれぞれ 73%, 82% と車体価格が大きな比率を占める傾向にある 図 3-5 には ピュアガソリン車を基準とした時の 1 トンの CO 2 を削減するために追加的に必要な消費者費用 ( CO 2 削減費用 ) を示す サトウキビ由来のエタノール混合ガソリンを燃料としたガソリン車の CO 2 削減費用が最も低く 4.8 万円 /t-co 2 である EV HEV PHEV の削減費用は 10~20 万円 /t-co 2 程度で同水準である 一方 都市ガス改質による水素を利用した FCV が最も削減費用が高く 163 万円 /t-co 2 であり 従来車でのエタノール混合ガソリン利用と比較すると 1 トンの CO 2 を削減するために数十倍のオーダーの消費者費用が必要となる また 図 3-5 にはガソリン車以外の燃費がそれぞれ 10% 増減した際に削減費用に与える影響を誤差範囲で示している ガソリン車と同じ内燃機関車であるディーゼル車や天然ガス自動車 (NGV) は 燃費や CO 2 排出量がガソリン車と同程度であるため 設定する燃費水準によって削減費用が大きく変化することがわかる なお ディーゼル車 NGV では燃費を 10% 悪化させるとガソリン車よりも CO 2 排出量が大きくなる 図 3-6 には 削減費用の内訳を車体価格の寄与分と燃料等の寄与分で分けて示す 車体価格はいずれもガソリン車よりも高い価格が設定されているが 燃料等の寄与分は燃費や燃料単価等によって決まるため 車種によってはガソリン車と比べてマイナスになる 52

63 53 内燃機関自動車 ガソリン ディーゼル 表 3-5 各自動車燃料の CO 2 排出量 消費者費用 削減費用 (1/2) CO 2 排出量 (Well to Wheel) 31 消費者費用 [ 円 /km] 32 削減費用 [ 万円 /t-co 2 ] 車種 燃料種類 ( 原料 製法等 ) [g-co 2 /km] ピュアガソリン サトウキビ ( ブラジル ) 多収量米 ( 日本 ) 小麦 ( 日本 ) エタノール てん菜 ( 日本 ) % 建築廃材 ( 日本 ) 相当混合 林地残材 ( 日本 ) 早生広葉樹 ( 豪州 ) 稲わら 麦わら ( 日本 ) 多収量草本植物 ( インドネシア ) % 相当 サトウキビ ( ブラジル ) % 相当 サトウキビ ( ブラジル ) ピュアディーゼル 藻類 ( 米国 ) パーム ( インドネシア マレーシア ) バイオディ 大豆油 ( アルゼンチン ブラジル カナダ 米国 ) ーゼル 5% 菜種油 ( 豪州 カナダ ) 混合 廃食油 ( 日本 ) ココナッツ ( フィリピン ) ジャトロファ ( インドネシア ) 天然ガス CNG 注 ) ガソリン車 ディーゼル車の結果には揮発油税などの税金が含まれた数値 エタノール バイオディーゼルは原料によらず同一の価格を想定している 31 日本自動車研究所 総合効率と GHG 排出の分析報告書 (2011) NEDO バイオエタノール燃料の持続可能性に関する検討 (2012 受託者 : 三菱総合研究所過 年度調査 ) などから作成 詳細は表 3-2 表 3-3 参照 32 ガソリン車 ( ピュアガソリン利用 ) を基準とした時の 消費者費用の差分を CO 2 排出量の差分で除したもの

64 54 表 3-6 各自動車燃料の CO 2 排出量 消費者費用 削減費用 (2/2) 車種 燃料種類 ( 原料 製法等 ) CO 2 排出量 (Well to Wheel) 33 消費者費用 [ 円 /km] 34 削減費用 [ 万円 /t-co 2 ] 10 年電源構成 EV 電気 13 年電源構成 年電源構成 PV 由来 FCV 水素 都市ガス改質 PV アルカリ水電解 HEV ガソリン ピュアガソリン エタノール 3% 相当 ( サトウキビ ( ブラジル )) PHEV ガソリン 電気 ピュアガソリン 10 年電源構成 注 ) ガソリン車 ディーゼル車の結果には揮発油税などの税金が含まれた数値 エタノール バイオディーゼルは原料によらず同一の価格を想定している 脚注 31 参照 脚注 32 参照

65 55 CO2 排出量 [g-co2/km] エタノール 3% 相当 ディーゼル バイオディーゼル 5% 相当 CNG 10 年電源構成 13 年電源構成 30 年電源構成 PV 由来 水素 ( 都市ガス改質 ) 水素 (PV アルカリ水電解 ) ガソリン エタノール 3% 相当 10 年電源構成 ピュアガソリン CO2 排出量 [gco2/kmj] 120 CO2 排出量 [g-co2/km] ガソリンディーゼル NGV EV FCV HEV PHEV ベースライン 図 3-1 車種別 燃料別の CO 2 排出量注 ) 各燃料の CO 2 排出量はライフサイクルで評価 エタノールの CO 2 排出量はサトウキビ由来 バイオディーゼルの排出量は廃食油由来を想定 km 走行当たりの CO2 排出量エタノール原料比較 (3% 相当 ) 図 3-2 バイオエタノール原料種別の CO 2 排出量

66 56 エタノール 3% 相当 ディーゼル バイオディーゼル 5% 相当 CNG 10 年電源構成 13 年電源構成 30 年電源構成 PV 由来 水素 ( 都市ガス改質 ) 水素 (PV アルカリ水電解 ) ガソリン エタノール 3% 相当 10 年電源構成 ピュアガソリン 消費者費用 [ 円 /kmj] CO2 排出量 [g-co2/km] 1km 走行当たりの CO2 排出量バイオディーゼル種類比較 (5% 混合 ) ピュアディーゼル藻類混合パーム混合大豆油混合菜種油混合廃食油混合ココナッツ混合ジャトロファ混合 図 3-3 バイオディーゼル原料種別の CO 2 排出量 消費者費用 [ 円 /km] 燃料等 車体 車体 燃料等 ガソリンディーゼル NGV EV FCV HEV PHEV ベースライン 図 3-4 車種別 燃料別の消費者費用注 ) ガソリン 軽油は揮発油税等が含まれた価格であり エタノールの免税措置は考慮してない バイオ燃料 電気 水素は原料や製法によらず同じ価格を仮定した結果

67 57 エタノール 3% 相当 ディーゼル バイオディーゼル 5% 相当 CNG 10 年電源構成 13 年電源構成 30 年電源構成 PV 由来 水素 ( 都市ガス改質 ) 水素 (PV アルカリ水電解 ) ガソリン エタノール 3% 相当 10 年電源構成 削減費用 [ 万円 /t-co2] CO2 1 トンを削減するために必要な追加的費用 ( ガソリン車ベース ) 図中の誤差範囲は ガソリン車以外の各車種の燃費を 10% 増減 させた際の振れ幅を示す ガソリンディーゼル NGV EV FCV HEV PHEV ディーゼル車と NGV は燃費を 10% 減少すると CO2 排出量がガソリン車よりも多くなる ( 削減費用がマイナス ) のため 燃費 10% 減少ケースは図中には記載していない 図 3-5 CO 2 1 トンを削減するために必要な削減費用 注 ) 削減費用は ガソリン車 ( ピュアガソリン利用 ) を基準とした時の 消費者費用の差分を CO 2 排出量の差分で除したもの エタノールの CO 2 排出量はサトウキビ由来 バイオディーゼルの排出量は廃食油由来を想定した数値

68 58 エタノール 3% 相当 ディーゼル バイオディーゼル 5% 相当 CNG 10 年電源構成 13 年電源構成 30 年電源構成 PV 由来 水素 ( 都市ガス改質 ) 水素 (PV アルカリ水電解 ) ガソリン エタノール 3% 相当 10 年電源構成 削減費用 [ 万円 /t-co2] CO2 1 トンを削減するために必要な追加的費用 ( ガソリン車ベース ) 車体 車体燃料など燃料等 ガソリンディーゼル NGV EV FCV HEV PHEV 図 3-6 CO 2 1 トンを削減するために必要な削減費用 ( 車体の寄与分と燃料等の寄与分の内訳 ) 注 ) 削減費用は ガソリン車 ( ピュアガソリン利用 ) を基準とした時の 消費者費用の差分を CO 2 排出量の差分で除したもの エタノールの CO 2 排出量はサトウキビ由来 バイオディーゼルの排出量は廃食油由来を想定した数値

69 削減費用 [ 万円 /t-co2] 感度分析 (1) EV ここでは電源構成 電気価格および車体価格の変化が EV の削減費用に与える影響を評価する 電気価格および車体価格がそれぞれ現在比で 10% 減少すると仮定した際の削減費用を算出した ( 図 3-7) なお 電気の CO 2 排出量は 2013 年電源構成の場合の値を用いた 電気価格 車体価格の両方の変化を考慮すると 削減費用は 18.6 万円 /t-co 2 となった 削減費用低下の内訳としては 電気価格変化が 0.6 万円 /t-co 2 車体価格変化が 6.6 万円 /t-co 2 である 同じ価格低減率 (10%) でも 電気価格よりも車体価格変化の方が 削減費用に与える影響が大きい 表 3-7 EV の感度分析に関する想定電気価格車体価格 条件現在比 10% 減現在比 10% 減 電気価格 (10% 減 ) 現状電気価格低下分車体価格低下分全て考慮 図 3-7 EV の削減費用変化の内訳 (2013 年電源構成 ) (2) FCV FCV でも EV と同様に水素価格 車体価格についてそれぞれ 10% の減少を仮定して 都市ガス改質による水素製造ケースで感度分析を行った 図 3-8 に感度分析の結果を示す 水素価格 車体価格の変化を考慮すると 2030 年の FCV の削減費用は 万円 /t-co 2 となるが 依然として高い水準である 削減費用低下の内訳としては 水素価格変化が 1.9 万円 /t-co 2 車体価格変化が 20.9 万円 /t-co 2 と EV と同様に車体価格の低減の方が水素価格の低減よりも影響が大きい 表 3-8 FCV の感度分析に関する想定水素価格車体価格 条件現在比 10% 減現在比 10% 減 59

70 削減費用 [ 万円 /t-co2] 水素価格 (10% 減 ) 20.9 車体価格 (10% 減 ) 現状水素価格低下分車体価格低下分全て考慮 図 3-8 FCV の削減費用改善の内訳 ( 都市ガス改質による水素製造 ) 年の車種別 CO 2 削減可能量 2030 年の各自動車の新車台数に占める比率をもとに 同年の CO 2 削減可能量を推定した まず 2020 年 2030 年における新車販売台数および各車の新車販売台数に占める割合を表 3-9 に示す 車体耐用年数は全ての車種で 10 年を想定し 2021 年 ~2029 年の販売台数は線形補間を行うことで 2030 年の普及台数を計算した 図 3-9 には 表 3-9 に示す前提の上で 削減費用が安いオプション順に削減可能量を並べたものを示す 2030 年に全ての自動車が 10,000km 走行する 35 と仮定すれば 2030 年に全ての従来車がエタノール 3% 相当混合ガソリンを使用した場合 CO 2 削減可能量は 0.33 Mt-CO 2 である HEV は 5.03 Mt-CO 2 の削減可能量があり HEV にエタノール混合ガソリンを利用した場合にはさらに 0.13 Mt-CO 2 を追加的に削減する余地がある EV の削減可能量は 5.79 Mt-CO 2 と全車種の中で一番大きく CDV は 0.28 Mt-CO 2 FCV は 0.96 Mt-CO 2 である エタノール混合ガソリン利用は削減費用が最も低いオプションであるが 一台当たりの CO 2 削減可能量が EV や HEV に比べると小さいため 全体としての削減余地が小さい FCV, CDV は 2030 年でも新車販売に占める比率が 10% 未満と仮定しているが 販売比率が上がれば削減可能量の大きなオプションになると考えられる なお 現在 エタノールに対するガソリン税 ( 揮発油税 )53.8 円 /L の免税措置が行われている 仮に 2030 年に使用されるガソリン全量がエタノール 3% 相当混合であり 同様の免税が行われる場合の免税総額を試算した 2030 年に全ての自動車が 10,000km 走行するとし ピュアガソリン車と HEV の燃費として表 3-2 に示す数値を用いて試算すると 対象はピュアガソリン車 2189 万台と HEV1307 万台が消費するガソリンへの 3% 相当混合分の合計であり 同年の免税総額は約 202 億円 ( ピュアガソリン車 : 約 145 億円 HEV: 約 57 億円 ) となった このときのエタノール混合による CO 2 削減量は 0.46 Mt-CO 2 である 35 福井県における平成 25 年の年間平均走行距離が 9,857km であること ( 福井県の独自試算 ) 各車燃費は カタログ燃費を使用しているため燃料消費量が過小推計になる傾向を踏まえて 10,000km と設定した 60

71 削減費用 [ 万円 /t-co2] 車種 表 年の普及台数計算の前提条件 2020 年 2020 年 2030 年 2030 年 36 販売台数 37 販売比率 36 販売台数 販売比率 [ 万台 ] [%] [ 万台 ] [%] 年 38 普及台数 [ 万台 ] 総販売 従来車 HEV EV, 826 PHEV FCV CDV 削減費用と CO2 削減可能量 FCV (0.96 MtCO2) エタノール 3% 相当 (0.33 MtCO2) HEV( エタノール 3% 相当 ) (0.13 MtCO2) CDV (0.28 MtCO2) HEV( ガソリン ) (5.03 MtCO2) EV (5.79 MtCO2) CO2 削減可能量 [Mt-CO2] 40,41 図 3-9 各車種の削減費用と CO 2 削減可能量 全国石油商業組合連合会 次世代自動車対応 SS の将来像を考える研究会 次世代自動車戦略研究会 次世代自動車戦略 2010 車体耐用年数 10 年と仮定し 2020 年と 2030 年の販売台数を基に普及台数を計算 (2021 年 ~2029 年の販売台数は線形補間を行った ) 試算においては全て EV と仮定 40 HEV のエタノール 3% 相当混合の利用は HEV のピュアガソリン利用よりも削減費用が安いが HEV の追加的な削減効果を示すため 図中の順番を入れ替えている 41 EV の削減可能量は長期エネルギー需給見通しにおける 2030 年度電源構成 ( 石油 3% 石炭 26% LNG 27% 再エネ 22~24% 原子力 20~22%) が前提 61

72 3.4 まとめ本分析では 運輸部門の CO 2 削減対策におけるバイオ燃料導入の位置付けを 費用対効果および CO 2 削減可能量の観点から評価した バイオエタノール混合ガソリンの利用は 従来車の車体 構造を変える必要がないため 消費者にとって費用対効果の優れたオプションであることがわかった HEV にもエタノール混合ガソリンを利用することで 追加的に CO 2 を削減することも可能である 一方で エタノール混合ガソリン利用は一台あたりの CO 2 削減可能量が少ないため EV や HEV に比べると総削減可能量が小さい そのため削減費用の相当部分を占める車体価格を引き下げることによって 中長期的には EV や HEV といった次世代自動車の普及を進めていくことも必要であることが示された 62

73 4. 各国の石油精製事業者に対する CO 2 削減義務付制度に関する調査現在の我が国のエネルギー供給構造高度化法に基づく石油精製事業者の代替エネルギー導入に関する措置においては バイオエタノールの導入が義務化されている しかし 前述のように 運輸部門の CO 2 削減対策には 電気自動車 燃料電池自動車の導入等の手段もあり得る ここでは 石油精製事業者を中心に総合的な CO 2 削減を義務付けた 諸外国の制度について調査を行った 4.1 米国カリフォルニア州 LCFS 制度 概要 (1) 制度概要カリフォルニア州が 2011 年より施行している Low Carbon Fuel Standard Program(LCFS) は 自動車燃料のライフサイクル評価に基づく温室効果ガス排出規制である 本プログラムは輸送部門の気候変動対策を目的として導入され バイオ燃料の導入拡大を目的とした RFS とは異なり 圧縮天然ガス 電気 水素といった自動車用燃料全般が対象である 対象燃料を製造 輸入する事業者は その燃料の平均の温室効果ガス排出原単位 ( 熱量あたり二酸化炭素等価重量 ) を 定められた基準値以下にしなければならない 原単位基準は ガソリンとその代替燃料 ディーゼル燃料とその代替燃料 に対して定められている 基準達成の不足 過剰分は LCFS クレジットとして事業者間取引が可能である (2) 最近の動向 2014 年から制度の改正に向けた検討が進められ 2015 年秋に制度改正が行われている これには 2013 年のバイオ燃料製造企業である POET が起こした カリフォルニア大気資源局 (CARB) を相手取った訴訟 42 の結果への対応という目的もある この訴訟では CARB が バイオエタノールの間接土地利用変化の影響の根拠資料を公開しなかったこと バイオディーゼル燃焼による NOx 排出による環境汚染の影響の評価を怠ったこと等により Administrative Procedure Act や California Environmental Quality Act に手続き面で違反していると訴えられた 裁判所は LCFS の制度自体は有効であるものの これらの点を改善すべきであるとした これを受け CARB は 2013 年以降の排出原単位目標を当面は引き下げないとした上で 制度の改正の検討を行った 制度の改正の論点 43 は以下の点であった 製油所における効率改善からのクレジット発生 従来の制度では製油所における効率改善が 化石燃料由来輸送用燃料の排出原単位の改善に寄与することを評価していたが この分をクレジットとしての発生を認め 市場で売却することを許可する 排出原単位目標の修正 42 POET, LLC v. STATE AIR RESOURCES BD. NO. F Cal.App.4th 681 (2013) 43 March 7, 2014: LCFS Re-Adoption Concept Paper 63

74 2020 年までに 10% 改善という到達点は変更しないものの その過程としての 2016~2019 年の目標値を修正する また 2020 年以降の目標についても検討する 小規模製油所の対象からの除外 多様な輸送用燃料への対応 輸送用燃料が多様化してくると 従来の CARB が排出原単位のデフォルト値を定める ( もしくは指定するモデルで自ら計算する ) 方法では対応しにくくなる 革新的なプロセスで製造される燃料を対象に 自ら計算する方法を拡張する 2014 年 12 月に最初の規則改正案が出され 公聴会 パブリックコメントを経て数度の修 正が行われ 2015 年 11 月には新規則の決定が為された 新しく定められた温室効果ガス排出原単位の基準を表 4-1 図 4-1 に示す 44 表 4-1 温室効果ガス排出原単位の基準 ガソリンとその代替燃料 [gco 2 e/mj] ディーゼル燃料とその代替燃料 [gco 2 e/mj] 当初 2015 改正案 当初 2015 改正案 2010 報告義務のみ 報告義務のみ * * * * * * 以降 * 年 2012 年の基準値は 2006 年の石油精製事業者の排出を炭素排出量をベースに設定されていた が 2013 年以降は 2010 年の石油精製事業者の炭素排出量をベースとするよう変更された * 年秋に制度は改訂 (readopt) されたが 改訂の議論が開始された 2013 年に 年の目標値 は 2013 年と同じとするとされた *3 化石燃料由来ディーゼル燃料の 2010 年値が見直されたため ディーゼル燃料 代替燃料に対する目標 値は引き上げられることとなった 出所 :CARB 資料 (b), (c) 64

75 以降 排出原単位 [gco2eq/mj] ガソリンとその代替燃料 ( 改正後 ) ガソリンとその代替燃料 ( 当初 ) ディーゼル燃料とその代替燃料 ( 改正後 ) ディーゼル燃料とその代替燃料 ( 当初 ) 図 4-1 温室効果ガス排出原単位の基準 * 年 2012 年の基準値は 2006 年の石油精製事業者の排出を炭素排出量をベースに設定されていたが 2013 年以降は 2010 年の石油精製事業者の炭素排出量をベースとするよう変更された * 年秋に制度は改訂 (readopt) されたが 改訂の議論が開始された 2013 年に 年の目標値は 2013 年と同じとするとされた *3 化石燃料由来ディーゼル燃料の 2010 年値が見直されたため ディーゼル燃料 代替燃料に対する目標値は引き上げられることとなった 出所 :CARB 資料 制度の運用 以降は 2015 年 11 月に決定された規則について述べる 45 (1) 制度の対象 LCFS の対象となっている輸送用燃料を表 4-2 に示す 対象となっている燃料には 電気 水素といった 2020 年までは排出原単位目標を無条件で満たしていると見なされる燃料 (Opt-in 燃料 ) もある 具体的な制度の対象者は表 4-3 のように 詳細に定められている ガソリンやディーゼ ル燃料の生産者や輸入者は 自らの代替燃料生産 輸入や 他者からのクレジットの購入等 によって目標を達成しなければならない 液体燃料は生産者や輸入者が対象となっているが 天然ガス 電気といった従来は輸送用燃料に利用されない燃料は 自動車への供給設備の保 有者等が制度対象になる場合もある Opt-in 燃料に対する対象者は 明示的に制度への参加 (Opt-in) を届け出ることで クレジット発生源として制度に参加することができる また これらの制度対象者は 定められた手続きの上で 燃料の取引先等に 義務 権利 を移転させることができる Fuels Subject to Regulation, Regulated Parties 65

76 ガソリン (CaRFG) ディーゼル燃料 表 4-2 LCFS の対象燃料対象燃料 Opt-in 燃料 *1 化石燃料由来圧縮天然ガス (Fossil CNG) 液化天然ガス (fossil LNG) 液化 圧縮天然ガス (Fossil L-CNG)*2 バイオマス由来圧縮天然ガス (Bio-CNG) 液化天然ガス (bio-lng) 液化 圧縮天然ガス (Bio-LNG) 電気 水素 ( 圧縮または液化 ) 水素を含むブレンド燃料 エタノールを 10% 超含むブレンド燃料 *3 バイオマス由来ディーゼル燃料を含むブレンド燃料 変性エタノール (E100) 純バイオマス由来ディー燃料 (B100) その他の液体 非液体燃料 *4 北米由来の Fossil CNG のみ *1 Opt-in 燃料は 2020 年までは排出原単位義務を無条件で満たしていると見なされるが 制度に参 加してクレジットを発生させてもよい *2 燃料供給設備において気化され 圧縮されて自動車に供給される液化天然ガス *3 エタノール含有率が 10% 未満であれば ガソリン (CaRFG) に分類される *4 ただし 年間供給量が 420TJ( ガソリンでは約 14,000kL) 未満の供給者からの非バイオマス由来燃 料と LPG は対象外 また 軍用車 蒸気機関車 船舶 航空機用の燃料は対象外 出所 :CARB 資料 66

77 表 4-3 LCFS の対象者 燃料 条件 制度対象者 ガソリン ディーゼル燃 下記を除く場合 ガソリン ディーゼル燃料の生産者または輸入者 料 ガソリン基材への含酸素添添加 それぞれの原料の生産者または輸入者 材の添加 ディーゼル燃料へのバイオマス由来ディーゼル混合が州内で行われる場合 代替液体燃 ガソリン ディーゼル燃料と混合 代替液体燃料の生産者または輸入者 料 されないもの ガソリン ディーゼル燃料と混合されるもの 混合前のそれぞれの燃料の生産者または輸入者 CNG LNG バイオマス由来 CNG と化石燃料由来 CNG の混合燃料 バイオマス由来 CNG に混合されない化石燃料由来 CNG バイオマス由来 LNG と化石燃料由来 LNG の混合燃料 化石燃料由来 CNG 部分は 自動車向け CNG 供給設備の保有者バイオマス由来 CNG 部分は バイオマス由来天然ガスの生産者または輸入者自動車向け天然ガス供給設備の保有者 化石燃料由来 LNG 部分は LNG 供給設備への LNG 供給者バイオマス由来 LNG 部分は バイオマス由来天然ガスの生産者または輸入者 バイオマス由来 LNG に混合され LNG 供給設備への LNG 供給者 ない化石燃料由来 LNG L-CNG バイオマス由来 L-CNG と化石燃料由来 L-C NG の混合燃料 化石燃料由来 L-C NG 部分は L-CNG 供給設備への LNG 供給者バイオマス由来 L-CNG 部分は バイオマス由来天然ガスの生産者または輸入者 バイオマス由来 L-CNG に混合さ L-CNG 供給設備への LNG 供給者 れない化石燃料由来 L-CNG 電気 EV が家庭で充電される場合 配電事業者ただし クレジットを受け取るためには 次の条件を満たす必要がある 収益を EV 利用者のために用いること EV の利点についての広報を行うこと オフピーク充電を促進する料金体系を提示し 系統への影響を抑制すること等 EV が一般の充電ステーションで充電される場合 職場等の限られたアクセスでの充電設備で充電される場合 配電事業者 もしくは設備の設置者 ( 届出による ) また 家庭で充電される場合と似た条件を満たすことが必要 EV がバッテリー交換方式により充電される場合 配電事業者 もしくは設備の設置者 ( 届出による ) 水素 以下を除く 輸送に用いる最終製品が製造された時点での所有者 燃料電池フォークリフトで利用される場合 燃料電池フォークリフトの所有者 出所 :CARB 資料 67

78 (2) 遵守確認制度遵守状況はクレジットの量に換算されて口座管理される クレジットの計算式を表 4-4 に示す 義務対象者はクレジット口座から義務遵守に相当する量を引き落とすことで 制度遵守を行う クレジット管理は LRT-CBTS (LCFS Reporting Tool and Credit Bank & Transfer System) と呼ばれるシステムで行われる 制度対象者やブローカーがシステム上でクレジットの取引を行う 取引や価格実績を表 4-5 に示す 表 4-4 LCFS におけるクレジット発生クレジット ( またはデフィシット )= (CI standard CI reported ) E displaced C クレジット ( またはデフィシ ット ) CI standard CI reported E displaced 正であればクレジット 負であればデフィシット 単位はトン 該当年における平均のガソリンまたはディーゼルの炭素排出原 単位基準 事業者から報告された燃費調整後の炭素排出原単位 単位は gco 2 /MJ CI i EER で表され CI i は当該燃料の炭素排出原単位 EER は 燃費調整係数 代替された燃料総量 単位は MJ E i EER で表され E i は燃料の熱量 EER は燃費調整係数 C クレジットをトン単位に換算する係数 ( ) 出所 :CARB 資料 表 4-5 LCFS のクレジット取引実績 取引数 取引量 [ 百万 t-co 2 e] 平均価格 [$/t-co 2 ] , , ,667, Q , Q , 出所 :Monthly LCFS Credit Transfer Activity Report for July

79 制度対象者がシステムを通じて報告すべき内容は 以下のとおりである 46 報告項目 ( が報告事項 ) 表 4-6 LCFS における報告内容 ガソリン / ディーゼル燃料 CNG/LNG 電気 水素 / 水素を含むブレンド燃料 純エタノール / バイオマス由来ディーゼル燃料 / その他代替可能燃料 企業もしくは組織名称 報告期間 燃料経路コード 取引種類 取引日 * ビジネスパートナー 製造企業 ID および製造所 ID ** ** 燃料輸送手段 集約された記載かどうか (True /False) 燃料を使用する自動車種類 燃費係数 (EER) 47 ガソリンおよびディーゼルの量 各ガソリン代替燃料の量 各ディーゼル代替燃料の量 四半期ごとのクレジットもしくはデフィシット (MT 48 )*** 製油所に供給された原油の名称 (MCON) 49 もしくは他の指定原油名 量 ( ガロン ) 原産国 州 年度報告 ( 上記項目に加えて以下も報告 ) 年間のクレジットもしくはデフィシット (MT)*** キャリーオーバーされたクレジットもしくはデフィシット (MT)*** 他者から購入したクレジット (MT)*** 他者へ売却されたクレジット (MT)*** 他のプログラムへ移管されたクレジット (MT)*** コンプライアンス義務を達成するために LCFS 内で使用されたクレジット (MT)*** 原注 )* 集約された記載の場合は最終日を記載 ** ガソリン ディーゼル 化石燃料由来天然ガスには不要 *** これらの値はシステム上で算出 記録 公開される 出所 :CARB 資料 Reporting and Recordkeeping. 47 EER:Energy Economy Ratio 燃費係数 48 MT:metric tons of carbon dioxide equivalent 二酸化炭素換算メトリックトン 49 MCON:marketable crude oil name 69

80 4.1.3 制度の実績と評価 LCFS 制度については 毎年 CARB に協力しているカリフォルニア大学 Davis 校が レビューを行っている 2014 年の実績では 制度開始の 2011 年の 86.4gCO 2 /MJ に比較して 炭素排出原単位は 15% 減少して 73.5gCO 2 /MJ となった 前述のとおり 制度改正の検討開始に伴って目標値を 2013 年から 2015 年まで引き下げないとされたため クレジットはデフィシットに比較して過剰発生の傾向にある クレジット発生の多くは液体バイオ燃料によるものであるが 天然ガスも約 8% 電力も 2~3% を占めている バイオ燃料の中でも エタノール以外の寄与が近年拡大している クレジットは平均 $20~25(1 クレジットは 1tCO 2 削減に相当 ) 程度で取引されている なお カリフォルニア州では別途排出権取引制度も導入されており 2014 年の排出権価格は $12.5 程度である LCFS のクレジットと排出権には互換性はない 図 4-2 LCFS 制度の炭素排出削減の寄与内訳注 ) 2014 年 Q3 以降の電力は 家庭における充電量が未計上 クレジット取引によらない達成 ( 義務対象者自らの効率向上等 ) 分については含まれない Biodiesel は FAME 等のモノアルキルエステルを指し Renewable Diesel はモノアルキルエステル以外のディーゼル用燃料 (BTL によるもの等 ) を指す 出所 :Sonia Yeh et al.( University of California, Davis), Status Review of California s Low Carbon Fuel Standard April 2015 Issue, 2015 また LCFS 制度の見直しにあたって 民間のコンサルティング会社 Promotum が 環境 NGO 等の要請を受けて 制度のレビューを行っている 年までに 10% の炭素排出原単位低減という LCFS の目標レベルは達成可能であると見込まれており 再生可能燃料や電気の利用のみでなく 製油所の効率向上やバイオメタン活用も 1.5% ほどの低減に寄与すると評価している 50 Promotum, California s Low Carbon Fuel Standard: Evaluation of the Potential to Meet and Exceed the Standards,

81 米国オレゴン州 CFP 制度 概要 カリフォルニア州の隣州 オレゴン州においても Oregon Clean Fuels Program(CFP) とし て 2015 年を基準として 2025 年までに輸送用燃料の炭素排出原単位を 10% 削減するとい う基準が定められている 燃料別の炭素排出原単位としては デフォルト値が定められているのに加え カリフォル ニア州 LCFS 制度下で承認されたパスウェイであればその値が流用できることとなってい る それ以外の燃料については オレゴン州が GREET モデルをベースとした算定ツール (OR-GREET) を提供している 制度の運用 (1) 制度の対象 制度の対象となる燃料供給者は 州への燃料移入者 ( 移入時点の所有者 ) 州内のバイオ エタノールやバイオディーゼル燃料の製造者である 航空機 建設機械 農業機械 林業機 械 軍事用等の燃料利用分は対象外である これらの事業者は 2016 年 2017 年の合計 (2018 年以降は各年 ) で 炭素排出単位の基 準値を達成しなくてはならない なお 小規模事業者は達成の義務を免除されている また 義務は負わないがクレジットの発生が可能な事業者の例として 電気自動車の充電 ステーション 圧縮天然ガスの供給者 LPG やバイオガスの供給者が挙げられている (2) 遵守確認 CFP オンラインシステムが整備されており 制度対象者やクレジット発生者は これを 用いて 四半期報告や年次報告の提出 クレジットの登録や取引などが行えることとなって いる なお オレゴン州では別途 排出権取引制度の導入が予定されているが CFP のク レジットとの互換性については検討されていない 4.3 カナダブリティッシュ コロンビア州 RLCF 制度 概要 カナダのブリティッシュ コロンビア州にも カリフォルニア州の LCFS 制度に似た規制 を含んだ Renewable & Low Carbon Fuel Requirements Regulation(RLCF) 制度がある 州の 非再生可能燃料への依存度を低下させ 輸送用燃料消費による環境負荷を低減し 低炭素社 会に寄与することを目的に導入された RLCF 制度は 燃料供給者に対する規制として 輸送用燃料に占める再生可能燃料の利用 率に加えて 輸送用燃料の炭素排出原単位上限の双方を定めている 前者は米国連邦の RFS 制度に類似しており 後者はカリフォルニア州の LCFS 制度に類似しているが 全体的にシ ンプルな制度となっている 炭素排出原単位の上限は 表 4-7 のとおりである 2013 年までは報告義務のみであった 2020 年までに 従来の化石燃料由来輸送燃料比 10% の原単位削減が求められている

82 表 4-7 RLCF 制度における炭素排出原単位上限 遵守期間 ガソリン系燃料における炭ディーゼル系燃料における素排出原単位 (g CO 2 e/mj) 炭素排出原単位 (g CO 2 e/mj) 2010 年 2011 年 報告義務のみ 報告義務のみ 2012 年 2013 年 6 月 ~2014 年 12 月 年 年 年 年 年 年それ以降 ( 化石燃料基準 ) 出所 :British Columbia, Canada, Greenhouse Gas Reduction (Renewable and Low Carbon Fuel Requirements) Act Renewable and Low Carbon Fuel Requirements Regulation (2015 年改訂 ) 制度の運用 (1) 制度の対象制度の対象となる燃料供給者は 州内の燃料製造者や 州への燃料移入者やその代行者である 再生可能燃料の利用率の規制としては ディーゼル系燃料に対しては体積比 4% ガソリン系燃料に対しては体積比 5% と定められている ここでの再生可能燃料とは バイオマス由来のガソリン代替燃料や バイオマス由来ディーゼル燃料または水素化精製再生ディーゼル燃料 ( 植物 動物由来物質を水素化処理したもの ) といった いわゆるバイオ燃料を指す 炭素排出原単位の規制においては ライフサイクルでの炭素排出量が考慮される 対象となっている燃料と その炭素排出原単位のデフォルト値 また燃費換算係数を表 4-8 に示す バイオ燃料や水素等 デフォルト値としては化石燃料由来のものと同程度の評価値が用意されており 各燃料供給者が自ら算定することが半ば前提となっている より正確な炭素排出原単位を自ら算定する場合は 制度運用者に手法やデータを申請する必要がある 算定においては GHGenius と呼ばれるライフサイクル評価ツールを利用するか もしくは代替手法を利用する 72

83 燃料 化石燃料由来ディーゼル 再生可能ディーゼル系燃料 化石燃料由来ガソリン 再生可能ガソリン系燃料 表 4-8 RLCF 制度における対象燃料とデフォルト値デフォルトガソリン系燃料としディーゼル系燃料と 値 (g CO 2 e/mj) ての燃費換算係数 しての燃費換算係数 天然ガスベースガソリン 水素 LNG CNG プロパン 電気 出所 :British Columbia, Canada, Greenhouse Gas Reduction (Renewable and Low Carbon Fuel Requirements) Act Renewable and Low Carbon Fuel Requirements Regulation (2015 年改訂 ) (2) 遵守確認制度遵守状況はクレジットの量に換算して表現され 燃料供給者は目標分のクレジットを生成するか入手する必要がある 燃料 1 単位の供給ごとに 表 4-9 に示すクレジットまたはデフィシットが発生する クレジットの検証 ( バリデーション ) については 年に 4 回の申請が必要である また 燃料供給者は 遵守期間ごとに 1 回 制度運用者に遵守報告書を提出しなければならない 特にシステムは用意されておらず 燃料供給者は与えられた様式に記載して提出する 表 4-9 RLCF 制度におけるクレジット発生クレジット ( またはデフィシット )= (CI class EER fuel CI fuel ) EC fuel / クレジット ( またはデフィ シット ) CI class EER fuel CI fuel EC fuel 正であればクレジット 負であればデフィシット 当該遵守期間における炭素排出原単位の上限 燃費換算係数 その燃料の炭素排出係数 発熱量 制度の実績と評価現在公開されている最新の実績は 2012 年のものまでである 2012 年は炭素排出原単位の規制は報告義務のみであったが 各燃料供給者は 積極的に自ら供給するバイオ燃料について炭素排出原単位を算定し 報告を行っている 図 4-3 に 73

84 は 2012 年に供給されたバイオ燃料の炭素排出原単位の分布を示す 化石燃料由来燃料の炭素排出原単位が 90 程度であるから バイオエタノールは 20~50% 再生可能ディーゼルは 80~50% の削減効果のある燃料が導入されている 図 4-4 には 2012 年の輸送用燃料における炭素排出削減の燃料種別の寄与を示す バイオ燃料以外にも 電気 プロパンなどが削減に寄与している 図 4-3 RLCF 制度における 2012 年のバイオ燃料の炭素排出原単位注 )CI: 炭素排出原単位出所 : カナダエネルギー 鉱山省, Renewable and Low Carbon Fuel Requirements Regulation Summary for 2012 図 4-4 RLCF 制度の 2012 年の炭素排出削減の寄与内訳注 )HDRD: 水素化精製再生ディーゼル燃料出所 : カナダエネルギー 鉱山省, Renewable and Low Carbon Fuel Requirements Regulation Summary for

85 年度以降のバイオ燃料の導入体制に関する検討 5.1 エネルギー供給構造高度化法成立の背景と概要電気やガス 石油事業者といったエネルギー供給事業者に対し 非化石エネルギー源の利用を拡大するとともに 化石エネルギー原料の有効利用を促進することを目的に 平成 21 年 7 月 エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律 ( エネルギー供給構造高度化法 ) が成立した 電気事業者 ガス事業者 石油精製事業者に対して 非化石エネルギー源の利用目標等が定められており 石油精製事業者については 非化石エネルギー源の利用に関する石油精製業者の判断の基準 ( 平成 22 年経済産業省告示第 242 号 ) において バイオエタノールの利用目標量等が定められている 具体的な内容を以下に示す 石油精製事業者に対する利用目標の概要 前事業年度において供給する揮発油 ( ガソリン ) の量が 60 万 kl 以上である石油精製事業者に対し 一定量のバイオ燃料利用目標を課す 2011 年度から 2017 年度までの 7 年間について石油精製業者によるバイオエタノールの利用目標量の総計は表 5-1 のとおり 各石油精製業者の目標は 前々年度の揮発油の国内供給量に応じて当年度の総目標を按分した量とする なお 草本 木本等のセルロースを原料として製造されたバイオエタノールについては バイオエタノールの利用の目標量の達成のための算定において その利用量を 2 倍にして計上することができる 表 5-1 石油精製業者によるバイオエタノールの利用の目標量の総計 ( 単位 : 原油換算 kl) 年度 目標量 210, , , , , , ,000 導入実績 214, , ,320* 314,429 ** *2013 年度の目標量を下回っているが 過年度からのバンキングがあるため 未達ではない ** バンキングを含めると 319,713kL で 概ね目標達成 出所 : 資源エネルギー庁資料 なお 石油精製事業者の目標達成に算入可能なバイオエタノールは 以下に示す持続可能 性基準を満たす必要がある GHG 削減目標 1 バイオエタノールの利用に当たっては LCA での GHG 排出量が揮発油の LCA での GHG 排出量 (81.7gCO 2 eq/mj) に比較して 50% 未満であるものとする 2 当面の間 年度内に利用したすべてのバイオエタノールの LCA での GHG 排出量を加重平均して得た値が 揮発油の LCA での GHG 排出量に比較して 50% 未満であることにより1の基準を満たしているとみなす 3 当面の間 別表 3に掲げる物を原料とするバイオエタノール ( 図 5-1 中の国産バイオ燃料 ) その他の実証段階にあるバイオエタノールとして公正に評価された 75

86 国産 ( 参考値 ) ブラジル産サトウキビ ものについては 1 の基準を満たしているとみなして利用することができる ガソリン 既存農地 40% 草地からの転換 108% 森林からの転換 336% 多収量米 1 112% 多収量米 2 70% MA 米規格外小麦てん菜建設廃材廃糖蜜 10% 73% 54% 48% 68% 土地利用変化原料栽培原料輸送燃料製造燃料輸送 ガソリン比 50% g-co2/mj 図 5-1 各種バイオエタノールの LCA での GHG 排出量 食料競合への配慮 調達するバイオ燃料の原料の需給が食料価格に与える影響を回避できるよう十分に配慮するとともに 災害や異常気象等によりバイオ燃料の原料の生産量の著しい減少が懸念される場合等は バイオ燃料の原料の生産量等 国が必要とする情報を国に提供する 生物多様性への配慮 調達するバイオ燃料の生産による原料生産国の生態系への影響を回避するため 原料生産国の国内法を遵守してバイオ燃料又はバイオ燃料の原料の生産を行っている事業者から調達を行うよう十分に配慮するとともに バイオ燃料の原料の生産地域における生物多様性が著しく損なわれることが懸念される場合等は 当該地域における生態系の状況等 国が必要とする情報を国に提供する その他石油精製業者が計画的に取り組むべき措置等 中長期的な視点で 草本 木本等のセルロース又は藻類等を原料として製造されるバイオ燃料の技術開発の推進及びその導入に努める バイオエタノールの利用を促進するため バイオエタノールを加工 混和するための設備の設置 既存設備の改修に努める 76

87 5.2 今後の見直しに向けた論点現行の判断基準の検討においては 平成 20 年度に経済産業省が公表した報告書 日本版バイオ燃料持続可能性基準の策定に向けて における検討内容を踏まえ 平成 21 年度に バイオ燃料導入に係る持続可能性基準等に関する検討会 が設置され 欧米の動向を踏まえた持続可能性や供給安定性についての検討が行われた 平成 21 年度の検討以後 バイオ燃料の技術開発や商業化の動向の変化 持続可能性に関する新たな知見の蓄積などから 欧米等諸外国でも バイオ燃料の位置づけやその持続可能性評価に関する見直しが行われている これらを踏まえ 我が国の判断基準においても これらを再検討する必要がある 表 5-2 には 判断基準策定に向けた平成 21 年度の検討結果と その後の状況変化を踏まえた現在の問題認識 課題を整理する 77

88 表 5-2 判断基準策定に向けた平成 21 年度の検討と現在の課題 論点 平成 21 年度の検討結果 現在の問題認識 課題 バイオ燃料に対するスタンス 目標の設定方法 ( 導入対象等 ) バイオ燃料の安定供給 持続可能性 GHG 評価 生物多様性等 食糧競合 次世代バイオ燃料の導入 化石燃料依存の低減 ( エネルギーセキュリティの強化 ) 環境負荷の低減を目的にバイオ燃料導入を義務付け バイオエタノール以外のバイオ燃料については 当時導入が想定されていなかったため 導入対象としてあまり検討されていなかった 調達国 原料の分散の必要性 ( 国産 + 準国産で 5 割程度が望ましい ) エタノール価格の経済性を考慮 国産 ( 当時の割合は 3%) 拡大を進めることにしているが 当面は輸入に頼らざるを得ない と判断 輸出余力がある国として ブラジルと一部アジア諸国を想定 一方 米国や欧州も導入量拡大に伴う輸入量増加を予測 算定方法については 当時の EU 指令 英国 RTFO に基本的に倣う 土地利用変化については 直接土地利用変化のみを考慮 削減水準については 発電等の他のバイオマスエネルギー利用形態との比較優位性 EU 指令等の海外の削減水準との整合性 安定供給可能性等を考慮 バイオ燃料の生産が環境 社会に与える影響について十分な配慮が不可欠とし 生物多様性については事業者が報告すべき項目を定める 社会影響については定めなし 食糧競合について十分な配慮が不可欠とし 国がモニタリングすべき項目 事業者が報告すべき項目を定める 食糧競合回避および安定供給の観点から 国産 準国産によるセルロース系を重要視 (2020 年に 50 万 kl 導入予測との試算あり ) し 中長期的な技術開発 導入を求める エネルギーを取り巻く状況の変化 我が国でのエネルギー基本計画の見直し 京都議定書の次期枠組みをめぐる議論 バイオジェット燃料等の自動車燃料用以外でのバイオ燃料の活用 水素等バイオ燃料以外の代替燃料の利用拡大 国産バイオ燃料は現時点では自立化 事業化が困難 我が国のバイオエタノールのブラジルへの輸入依存 欧米を中心とした次世代バイオ燃料の導入の推進 現行の持続可能性基準においてはブラジル以外にバイオ燃料を輸出する余力のある国がない EU では EU 指令改訂によって間接土地利用変化 (ILUC) も削減水準には考慮しないものの評価を義務化 当時から大きな状況の変化なし 世界的な食物由来バイオ燃料の導入見直し セルロース系バイオ燃料商用化の推進 欧米を中心とした次世代バイオ燃料の導入の推進 国際的なバイオジェット燃料の導入の動き 78

89 5.2.1 バイオ燃料に対するスタンス (1) 諸外国のスタンス一般的に バイオ燃料の導入意義として (1) 地球温暖化対策 ( 主に運輸部門 ) (2) エネルギーセキュリティの強化 (3) 農業振興 産業振興が挙げられる これらのバイオ燃料導入のスタンスに関係する 各国の法 支援制度を表 5-3 に記載する なお 導入義務の設定を通じた農業振興のように それぞれのスタンスに対して間接的に政策が行われている場合もある 米国では バイオ燃料政策は農業振興の観点が強くエタノールについては大気汚染対策のためでもあるが 徐々にエネルギーセキュリティの強化 ( 脱中東依存 ) の性格も強まってきた ただし シェール革命の進展により米国は近い将来石油の輸出国になることが予想されていることから 最近になりエネルギーセキュリティの観点は薄まる方向にある EU 諸国では 地球温暖化対策としてのバイオ燃料導入を推進するほか フランスなどの農業国では農業振興の観点を重視している ただし持続可能性の観点から 土地で栽培する食用 エネルギー用作物由来のバイオ燃料については EU 全体として導入上限を設定した また ブラジルでは元来はエネルギーセキュリティの強化が主目的であったが 最近原油の自給率が高まるにつれ農業振興 ( 産業振興 ) としての位置づけが強くなっている 韓国では 2015 年から当面倍ディーゼルを対象とする RFS 制度が導入されたが その政策目的は中長期的な温暖化目標 再生可能エネルギー導入目標の達成 および国内のバイオ燃料関連産業の成長とされている 日本 EU 米国 表 5-3 各国のバイオ燃料導入のスタンスに関する法 支援制度 地球温暖化対策 エネルギーセキュリティの強化 農業振興 産業振興 京都議定書目標達成計画での目標 (2008 年 ) 再生可能エネルギー指令で輸送用燃料での導入義務設定 (2009 年 ) 環境保護庁(EPA) による RFS 制度管轄 (2005 年 ~) ブラジル韓国 2030 年温暖化目標および 2035 年再生可能エネルギー導入目標の達成を目的として RFS を導入 ノルウェーは EU に準拠 エネルギー供給構造高度化法での目標 (2010 年 ) エネルギー独立 安全保障法での RFS 制度の改正 (2007 年 ) オバマ大統領の長期政策集 Blueprint for a Secure Energy Future ( 2011 年 ) で次世代バイオ燃料支援強化に言及 農林水産省によるバイオ燃料生産拠点確立事業 (2007~ 2014 年 ) 作物等由来のバイオ燃料導入上限を設ける (2015 年 ) RFS 制度におけるトウモロコシ由来バイオ燃料の位置づけ 農業法の一部として次世代バイオ燃料原料への補助制度 (2008 年 ) 農務省令でガソリンに対するバイオ燃料混合率を設定 RFS により国内のバイオ燃料関連産業の成長を期待 79

90 (2) 我が国の状況我が国では エネルギー供給構造高度化法は エネルギー供給事業者によって供給されるエネルギーの供給源の相当部分を化石燃料が占めており かつ エネルギー供給事業に係る環境への負荷を低減することが重要となっている状況 を鑑みて制定されたものであることから バイオ燃料導入は エネルギーセキュリティの強化や 地球温暖化対策に資するものである必要があるといえる しかし 国産バイオ燃料の開発遅れによるブラジルへの供給依存 間接土地利用変化に伴う温室効果ガス排出の可能性など バイオ燃料導入の課題も存在する (3) 我が国のスタンスに関する論点それでもなお 運輸部門の温室効果ガス排出の削減 エネルギーセキュリティの強化は 引き続き我が国にとって重要な課題であり バイオ燃料導入の主目的として 引き続きこれらを据えることは妥当であると考えられる また どのようなバイオ燃料でもこれらの目的を達成するわけではなく 持続可能性の観点からの検討も必要である 加えて 農業振興としての国内における食物由来 ( 第一世代 ) のバイオ燃料の生産は コスト等の課題から 自立化 事業化が困難な状態が続いており 産業振興の観点から異なる原料 ( 次世代 ) の導入推進も考えていくべきである 80

91 5.2.2 目標の設定方法 (1) 諸外国の状況我が国のバイオ燃料の導入の主目的の一つである運輸部門の地球温暖化対策の手段は 必ずしもバイオエタノールのみではない 諸外国では バイオエタノール導入以外の取組で温室効果ガス排出を削減できた場合には その寄与を考慮するような制度も考えられている このような諸外国の例を表 5-4 に示す 詳細は 2 章で述べたとおりであるが 例えば EU で改正された再生可能エネルギー指令 燃料品質指令では バイオ燃料のみではなく 非生物由来の再生可能液体 気体燃料等の導入量も目標達成の対象に算入することとなった 米国の導入義務制度 RFS では 義務対象となるのは自動車用バイオ燃料のみであるが バイオジェット燃料も目標達成に利用できるよう 2013 年に改正されている カリフォルニア州の温室効果ガス排出原単位削減義務制度 LCFS では 運輸部門全体の温室効果ガス排出の削減のために バイオ燃料のみではなく 例えば石油精製設備の高効率化 水素などの代替燃料の導入も目標達成手段として使用可能である 表 5-4 自動車用バイオ燃料以外を含めた導入義務制度の例国 地域制度概要 EU 再生可能エネルギー指非生物由来の再生可能液体 気体燃料 バ令 燃料品質指令 ( 改正後 ) イオジェット燃料等の導入量も目標達成の対象に算入米国 RFS バイオジェット燃料も目標達成に利用可能カリフォルニア州 LCFS 石油精製設備の高効率化 水素などの代替燃料の導入も目標達成手段として使用可能 (2) 我が国の状況現行の判断基準における利用目標には バイオエタノールのみが算定対象とされ バイオジェット燃料等は 当時本格的な導入が想定されていなかったため 検討対象とされていなかった その後バイオジェット燃料は技術開発が進展し 海外ではハイドラントシステムによる空港での燃料供給が始まっており 国内でも実証フライトの計画が行われている状況である また 石油精製業者の中には 燃料電池自動車用の水素供給に参入しようとしている例もある (3) 目標の設定方法に関する論点運輸部門全体のエネルギーセキュリティの強化や 温室効果ガス排出の削減の点からは バイオエタノール導入のみではなく バイオジェット燃料等のその他のバイオ燃料の導入や 水素等の代替燃料の導入などについても検討する必要がある その場合 目標達成手段として認める燃料の水準を統一化する必要があるが 持続可能性の観点から 現行のバイオエタノールに対する基準と同様に 代替する化石エネルギーに比較したライフサイクルでの温室効果ガス削減率が一定水準以上であることとすることが適切ではないかと考えられる また 導入の目標値は 水準以上の温室効果ガス削減を前提とした上で エネルギーセキ 81

92 ( ュリティの観点から 引き続き原油換算量で設定することが良いと考えられる この際 原油換算量は単に熱量換算するのではなく 化石燃料由来のエネルギー分のみ原油換算して削減効果を測定する必要がある なお 他国の例では 石油精製施設での省エネ努力の評価の組み入れられている場合もあるため検討の余地もあろうが この場合には 既に別途行われている省エネ努力を一体的に評価することとなるため 目標水準の設定との関係を含めて議論していくべきではないかと考えられる 安定供給の確保 (1) 諸外国の状況 諸外国のバイオエタノール自給率を図 5-2 に示す 米国 100% EU92% など各国高い自給 率を確保している 他方 日本のバイオエタノール自給率はわずか 2% である エタノール消費に占めるシェア非燃料用を含む ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 0% 0% 0% 100% 100% 100% 豪州 (345 千 kl) ブラジル (29,527 千 kl) 米国 (54,706 千 kl) 8% 92% EU* (5,357 千 kl) 47% 53% ドイツ * ( 約 1,500 千 kl) 37% 63% 英国 * ( 約 920 千 kl) 98% 2% 日本 * (510 千 kl) 輸入 国産 図 5-2 諸外国のバイオエタノールの自給率比較注 :EU ドイツ 英国 日本は燃料用エタノールのみ EU ドイツと英国の消費量は TOE 単位で示されていたものを 1TOE=1/0.51kL で換算 出所 :EU ドイツ 英国は 2013 年のデータ (Eurostat) 日本は 2014 年度のデータ ( エネルギー供給構造高度化法導入量及び国内製造実績 ) 左記以外は 2015 年のデータ (OECD/FAO 統計 ) (2) 我が国の状況現行の判断基準の検討時点では 調達国 原料の分散の必要性やエタノール価格の経済性を考慮し 国産バイオ燃料の生産拡大は推進する一方で 当面はブラジルと一部アジア諸国から輸入することを想定していた 国産バイオ燃料については 第一世代バイオ燃料の研究 開発を続けていたが 自立化 事業化が困難な状態が続いており 導入は困難となっている 一方で輸入可能性については まず FAO が示した OECD-FAO Agricultural Outlook によると 図 5-3 に示されるように 2024 年での輸出余力はブラジルと米国でほぼ占められている ブラジルでは E27 が既に販売され E100 の販売量も多いが 今後も自動車燃料需要の 82

93 エタノール貿易量 ( 千 kl 輸出が正の値 ) 増加や レアル安による消費者の自主的なエタノール (E100) 選択などによる国内需要増加もあり 国内需要が伸びると予想されている このため 輸出余力は大幅には伸びない予想となっている また 米国については 大量に生産されている現行のトウモロコシ由来のエタノールの場合には 持続可能性基準 ( 熱量等量での GHG 排出量ガソリン比 50% 減 ) を満たすのが難しい ( 表 5-5 参照 ) ため 輸入の対象とはなりにくい 10,000 8,000 6,000 4,000 2, ,000-4,000-6,000 その他輸入国その他輸出国カナダブラジル日本 EU28 米国 -8, 図 5-3 エタノール貿易量の将来予測 主なその他輸出国 : パキスタン 中国 (2020 年頃まで ) 等 主なその他輸入国 : 韓国 フィリピン メキシコ等 出所 :OECD/FAO, FAO Agricultural Outlook , 2015 輸出量上位国 ブラジル 表 5-5 輸出上位国のバイオエタノールの GHG 排出量評価 主要原料 サトウキビ ( 既存農地 ) サトウキビ ( 草地から転換 ) サトウキビ ( 森林から転換 ) 正味輸出量 ( 万 kl) 220 2,656 生産量 ( 万 kl) 熱量当量での GHG 排出量 ( ガソリン比 %) 米国トウモロコシ 141 5, パキスタン サトウキビ 糖蜜 +4 出所 : 輸出入量 生産量 (2012~2014 年平均 ):OECD/FAO, FAO Agricultural Outlook , 2015 GHG 排出量 ( ブラジル ): エネルギー供給構造高度化法判断基準 ( 米国 ):RFS2 デフォルト値 ( パキスタン ): 英国 RTFO Carbon and Sustainability Guidance Part 1(2009~2010) 83

94 (3) 我が国の安定供給の確保に関する論点現時点ではバイオ燃料の安定供給の確保に課題があるため バイオ燃料導入目標を大きく引き上げることは困難であると考えられる 一方 食糧競合回避にもつながる第二世代 第三世代バイオ燃料は 安定供給の観点からも 技術開発を促進していくべきであり 必要に応じ導入の優遇措置を設けることを検討すべきである また 供給の多角化の観点からは 現在持続可能性基準を満たさないものが多いものの全体としては供給余力のある米国からの輸入可能性や 長期的にはアジア諸国等からの開発輸入を含めた調達方法についても 検討していくべきではないかと考えられる 持続可能性基準 (GHG 評価 ) (1) 諸外国の状況 1) 削減水準国毎にバイオ燃料に求める温室効果ガス削減の水準は異なる 米国ではバイオ燃料一般 ( 主に国内トウモロコシ由来エタノール ) は 20% 先進型バイオ燃料( ブラジル産サトウキビ由来エタノール等 ) は 50% を定めている EU では改訂された再生可能エネルギー指令において 新規施設での GHG 削減水準を 60% に引き上げた 2) 間接土地利用変化また 温室効果ガス削減の基準において 間接土地利用変化 (ILUC) を考慮するかどうかについても対応が分かれる 米国は制度開始当初から考慮し モデル評価による間接排出を含めた値での水準達成を求めている EU では 食料競合等の懸念を背景に検討が行われていたが 2015 年に改正が決定した再生可能エネルギー指令では 温室効果ガス削減水準の達成判断には考慮しないこととなった ただし加盟国政府は 隔年で欧州委員会に提出する再生可能エネルギー利用進捗報告書における 再生可能エネルギーの使用による温室効果ガスネット削減推定量 に 間接土地利用変化による排出量を含めなければならない また 欧州委員会は上記の報告をとりまとめ 表 5-6 に示す感度分析による幅を使用し 評価しなければならないとされている また 改正後の燃料品質指令改正においては 燃料供給事業者は 毎年加盟国政府に提出する報告書に 表 5-6 に示す平均値を含むライフサイクル温室効果ガス排出量を報告しなければならないとされている なお 同表にない燃料は間接土地利用変化による排出量をゼロとみなす また 直接的土地利用変化を引き起こした原料については 間接土地利用変化をゼロとみなし 直接的土地利用変化に伴う温室効果ガス排出量を算定する 表 5-6 再生可能エネルギー指令改正における間接土地利用変化の取り扱い 原料グループ 平均値 感度分析による幅 穀物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物

95 3) 温室効果ガス削減量の計算米国では環境保護庁 (EPA) が 代表的なパスウェイ ( 原料と製造方法の組み合わせ ) 毎についてライフサイクル評価を実施し その削減率に応じて バイオ燃料の分類 ( 先進型バイオ燃料 か通常の バイオ燃料 か等 ) を行っている まだ評価されていないパスウェイについては 事業者の請願 データ提出に基づいて 環境保護庁が評価することとなっている カリフォルニア州では 政府が主要な燃料について温室効果ガス排出量のデフォルト値を設定している それ以外の燃料については指定された計算ツールを用いて事業者が算出し 政府が認証する仕組みとなっている カリフォルニア州の制度では 評価された排出量の絶対値が利用される EU では EU が認める自主的持続可能性基準の認証取得をもって 基準を遵守しているとみなすメタスタンダード アプローチを採用している 具体的な算定方法は各自主的持続可能性基準による なお バイオエタノール以外のバイオ燃料を対象とする制度でも評価方法は基本的に同様である また カリフォルニア州では水素等も評価しているが 同じ研究機関が保有する評価モデルを利用している 制度における GHG 排出量の利用デフォルト値設定の考え方 評価されていない燃料が導入される場合 事業者の役割第三者機関の役割政府の役割 算定に用いるツール等 表 5-7 各制度のデフォルト値の考え方と事業者自らの算定方法 米国 RFS カリフォルニア州 LCFS EU 再生可能エネルギー指令 一定水準を超えているか 絶対値を直接利用 一定水準を超えているか どうかの判断 どうかの判断 制度に利用できるバイオ燃料かどうかは EPA が認証する なお デフォルト値という形ではなく 認証の有無で示される EPA が認証したパスウェイ以外の方法でバイオ燃料を製造する場合 事業者は事前に EPA に新たなパスウェイの認証を求める必要がある 事業者が個別に認証を受けることなく規制を迅速に施行するため GHG 排出量のデフォルト値を設定 次世代燃料 もしくは革新的な方法で製造される従来型燃料については デフォルト値や類似するパスウェイの値を修正する方法 算定ツールを用いて新しく評価する方法がある ライフサイクル評価の実施 政府へデータ提出 行政管理上の過大な負担を抑制するため よくあるバイオ燃料生産のパスウェイについて GHG 排出量のデフォルト値を設定 それぞれの認証制度の規定に基づき 認証機関が監査を行う 政府へデータ提出 ライフサイクル評価の実 施 第三者検証の依頼 自主的基準の運用ガイド ラインに基づく検証 ライフサイクル評価の実施 認証 結果公開 間接影響 :FASOM FAPRI その他 : 不明 出所 : 各種資料より MRI 作成 ツールの提供 事業者の評価結果確認 結果公開とパブリックコメントの募集 認証 CA-GREET 自主的基準の認定 自主的基準が用意しているツール等 85

96 (2) 我が国の状況 1) 削減水準我が国では削減水準を 50% と定めている 現行の既定値を用いた場合ではブラジルの既存農地のサトウキビ以外に削減率を満たすものがなく また 供給余力があると考えられている米国でのトウモロコシ由来エタノールは 平均的には 50% の削減水準を満たさない 2) 間接土地利用変化我が国では間接土地利用変化に由来する温室効果ガス排出を考慮していない 3) 温室効果ガス削減量の計算ブラジル産サトウキビ由来エタノールについては既定値が定められている また いくつかの国産バイオエタノールについては参考値が定められている 事業者が自ら温室効果ガス削減量を計算することを否定しるものではないが その具体的な手続き 確認手段等は定められておらず 実際にも適用されていない (3) 持続可能性基準 (GHG 評価 ) に関する論点 1) 削減水準温室効果ガス削減への要請がさらに高まっていることを踏まえれば 温室効果ガス削減水準は現状のまま 50% とするのが現実的であると考えられる 2) 間接土地利用変化間接土地利用変化 (ILUC) による影響は留意すべきであるものの 間接土地利用変化の評価結果についてはさまざまな研究結果があり定まっていない また 我が国のバイオ燃料導入規模はまだ小さいため 供給国の土地利用に対する影響は大きくないとも考えられる このため 間接土地利用変化の制度への反映は 我が国で透明性のある方法で評価できるかどうかを検討した後に判断すべきと考えられる なおその際 企業の事務負担に対する考慮も必要である また 土地競合のない次世代燃料導入の優遇措置を設定して普及を推進することも必要である 3) 温室効果ガス削減量の計算今後 ブラジル産サトウキビ由来以外のバイオエタノールが導入される可能性や バイオエタノール以外のバイオ燃料等も制度に組み入れられる可能性を考慮すると 精度の効率性と信頼性確保の観点から 主要な燃料については既定値を予め定めるとともに それ以外については事業者からの申請により認証する方向で検討をすることが考えられる 事業者からの申請を評価する仕組みとして 我が国では導入規模が限られるため EU のように第三者が運営する自主的基準への適合を求めるという運用は難しく 政府又は第三者機関がチェックする仕組みが考えられる 86

97 5.2.5 持続可能性基準 ( 生物多様性 食料競合 ) (1) 諸外国の状況 EU では GHG 排出削減水準以外に 生物多様性に関する基準を策定している 運用に際しては EU が認める自主的持続可能性基準の認証取得をもって 基準を遵守しているとみなすメタスタンダード アプローチを採用しており ここでは 19 の自主的持続可能性基準が認められている また 欧州委員会は食糧競合 社会的影響等について検討し報告するよう求められている (2) 我が国の状況我が国の判断基準では 事業者は食料競合へ配慮し 国が必要とする情報を国に提供することが定められている また 生物多様性への影響については 原料生産国の国内法を遵守してバイオ燃料やその原料の生産を行っている事業者から調達を行うよう配慮し 国が必要とする情報を国に提供することが定められている (3) 生物多様性 食料競合に関する論点我が国では バイオエタノールの調達に際し 著しい支障が生じる場合などに事業者に対して情報提供の義務を定めているものの これまで報告が行われた実績はない エネルギー供給構造高度化法の告示見直しの検討項目の一つにはなり得るが 今後も国が事業者からの報告に基づいて評価する枠組みを維持しつつ 必要に応じ追加的な措置を講じるという対応で十分ではないかとも考えられる 87

98 5.2.6 次世代バイオ燃料の導入 (1) 我が国と諸外国の状況現行の判断基準では 食糧競合回避および安定供給の観点から 国産によるセルロースまたは藻類等原料バイオ燃料の中長期的な技術開発 導入を求めている また セルロース系バイオエタノールについては 目標量の達成のための算定において 導入量を 2 倍カウントすることができる 第二世代バイオ燃料は 欧米で最近ようやく実用規模プラントが稼動し始めたところである 第三世代バイオ燃料の研究開発も進められており 主に航空燃料として実証段階に至っている EU では 導入目標の達成に際し セルロース系 藻類バイオ燃料等は 2 倍に導入量をカウントするとともに 先進型バイオ燃料に一定量の導入義務を課すこととなった 米国では 先進型バイオ燃料に一定量の導入義務を課しているが 当初想定より導入が遅れている (2) 次世代バイオ燃料の導入に関する論点第二世代 第三世代バイオ燃料については 引き続き研究開発を重視していくべきであると考えられる また 第三世代バイオ燃料導入に対してもエネルギー供給構造高度化法の告示に関して導入量に含められることとした上で 何らかのインセンティブ ( セルロース系と同様に2 倍カウントする等 ) を検討することも必要である さらに 一定の導入が見込める段階になった際には 先進型バイオ燃料に一定の導入義務を設けることも考えられる 88

99 5.3 総括以上を総括すると 判断基準の見直しにおいては 以下のような事項が重要な論点となる これらについて 欧米を始めとした国際的な政策動向や 国内のバイオ燃料技術開発動向 ブラジル アジア等におけるバイオ燃料生産動向等を踏まえ 検討を行う必要がある 政策目的と導入義務量 地球温暖化対策としての役割と安定供給等の観点から見た場合のバランス 次世代バイオ燃料の導入推進等 バイオエタノール以外の導入目標量へのカウント バイオジェット燃料等の他の輸送用燃料におけるバイオ燃料の導入 水素等の石油代替燃料の導入等 原料種別の持続可能性基準 持続可能性基準のあり方 既定値及び事業者自ら算定した値の評価のあり方 国産燃料 次世代バイオ燃料の持続可能性基準の扱い等 次世代バイオ燃料導入へのインセンティブ 導入推進のための制度設計等 89

100 6. バイオジェット燃料利用の取組について 6.1 我が国におけるバイオジェット燃料の導入体制について バイオジェット燃料導入に当たって必要なサプライチェーンと品質管理 (1) バイオジェット燃料の主たるサプライチェーン我が国においてバイオジェット燃料を導入するためには 生産拠点から航空機まで輸送するサプライチェーンが構築される必要がある バイオジェット燃料の導入に必要となる主たるサプライチェーンは図 6-1 に示す通りである 生産製油所認証輸送及び中間貯蔵施設 空港貯油施設および給油 航空機 純バイオ燃料 D7556 で該当する Annex に基づく RCQ 作成 混合 : D1655 の最大混合可能率に基づいて純バイオ燃料と D1655 燃料を混合 D7566 の table1 に対する試験を実施 混合燃料が D1655 燃料として認証される 化石燃料 D1655/DefStan に基づく RCQ 作成 D1655/DefStan に基づく CoA 作成 D1655/DefStan に基づく CoA 作成 JIG3 JIG1&2, EL1540, ATA- 103, IATA Quality Pool EL1530 EL1550 ICAO9977 出所 :IATA, IATA Sustainable Aviation Fuel Roadmap 2nd edition, 2015 図 6-1 バイオジェット燃料の主たるサプライチェーン バイオジェット燃料は現在のところ 純バイオ燃料について ASTM D の Annex に示された品質を確保するとともに 同規格に規定された混合比率を上限として化石燃料由来のジェット燃料と混合することが求められている また 混合済みのジェット燃料に対して ASTM D7655 の table1 53 に示された要求事項に照らした検査が改めて行われ これを満たせば JET-A1 54 として認められることとなる このため 図 6-1 に示す通り 純バイオ燃料を製造 認証するプロセスに加え 純バイ ASTM( 米国試験材料協会 ) が定めた合成燃料を含む航空用燃料に関する規格 table1 には純バイオ燃料を含む合成燃料混合済みのジェット燃料に対する要求事項事項が示されてい る なお別途 table2 が記されており これには添加剤に対する要求事項が示されている 54 ASTM が定める従来型ジェット燃料に関する規格 D1655 において定められた民生用ジェット燃料種類 90

101 オ燃料と化石燃料由来のジェット燃料を混合 認証するプロセスが必要となる 純バイオ燃料と化石燃料由来のジェット燃料の混合には 化石燃料由来のジェット燃料貯蔵 混合前純バイオ燃料貯蔵 混合用 混合後のバイオジェット燃料貯蔵用の4つのタンクが必要となる 化石燃料由来のジェット燃料を生産する製油所が 純バイオ燃料製造所の近くに位置している場合には 法規制の観点や既存設備を活用できることから 製油所において混合することが最善の方法とされている そうでない場合には 中間貯蔵施設などで混合する必要がある また 混合済みのバイオジェット燃料の取扱いについては 図 6-1 下部に示される JIG Standard 55 等の基準に従う必要がある なお JIG Standard ではバイオジェット燃料の取り扱いに関する特別な規定を設けていないが 後述するオスロ空港の事例では 純バイオ燃料の混合を終え JET-A1 として認められた燃料については 従来と変わらず JIG Standard に従って運用しているとのことであった (2) バイオジェット燃料の運用において必要となる品質管理ジェット燃料のサプライチェーンでは その過程でジェット燃料が適切な規格であることが確認されなければならない 確認の手段として ジェット燃料の最終製品の国際規格である AFQRJOS 56 に引用されている DEF STAN において 燃料の品質管理を行うための書類として RCQ( 製油所品質証明書 ) COA( 検査証明書 ) RTC( 再認定検査証明書 ) が規定されている これらの運用について FAA 米国連邦航空局が公表した報告書 58 では バイオジェット燃料の運用において推奨すべき点について述べており 以下にその代表的な内容を記す 1) 混合前の化石燃料由来のジェット燃料の品質の確認化石燃料由来のジェット燃料に関する規格では 密度や芳香族含有量など 純バイオ燃料の混合に際して重要となる性質に関して 一定の範囲によって設定している このため RCQ 等により化石燃料由来のジェット燃料の品質を混合前に確認し 混合後に ASTM D7655 の table1 および table 2 の要件を満たすことが可能であるかを確認する必要がある 2) バッチ ( 製造単位 ) の追跡を可能とすることジェット燃料がサプライチェーンにより輸送される際には バッチの原点まで追跡できるようにしておくことが強く推奨されている 製油所から輸送される前に各燃料バッチは固有の参照番号を付され RCQ にも記録されるが 燃料が中間貯蔵施設や空港内か空港近辺の合同貯蔵施設に輸送されると 新たに COA が作成され 基本的にそれ以前のバッチごとの参照番号は失われる 一方 El 1530 では 新たなバッチを構成するそれ以前のバッチ参照番号を新たに作成さ 55 ハイドラントシステム等の複数の燃料所有者が利用する共同貯油施設における燃料の取扱いを定めた基 準であり 石油元売りにより構成される国際的な団体である JIG(Joint Inspection Group) が策定している 56 JIG(Joint Inspection Group) が規定しているジェット燃料品質要求事項 我が国においても同規格を踏 襲した 共同利用貯油施設向け統一規格 を石油連盟が定めており 運用されている 57 AFQRJOS に引用されている英国防衛省が定めた規格であり 燃料のトレーサビリティを要求している 58 R&D Control Study: Plan for Future Jet Fuel Distribution Quality Control and Description of Fuel Properties Catalog _Final.pdf 91

102 れる COA に直接記載するか バッチ作成記録に記載することを推奨しており バイオジェ ット燃料に関しても原産地を特定できる追跡書類を保存することが推奨される 3) 純バイオ燃料の技術情報の伝達 バイオジェット燃料は 純バイオ燃料と化石燃料由来のジェット燃料が混合される時点で JET-A1 並びに Def Stan 規格の認証を取得することになるため 混合の時点で新たに RCQ や COA が作成される その際作成される RCQ や COA には バイオ成分の体積分率を示さなければならない 混合された純バイオ燃料の組成情報をその後の取扱者に知らせることは重要であり その後 にさらに混合プロセスがある場合などは特に重要となる 海外におけるバイオジェット燃料の運用事例 (1) ノルウェー オスロ空港における運用 ノルウェー オスロ空港におけるバイオジェット燃料運用について 2016 年 1 月 22 日に ハイドラントシステムを通じた供給が開始された 59 ことを受け ノルウェーにおける現地 調査を実施した 実施した調査の行程は以下のとおりである 表 6-1 ノルウェー現地調査の日程 2016 年於オスロ市内 3 月 2 日午前 : ノルウェー政府 気候環境省との面談 ノルウェー国内のバイオ燃料政策 バイオ燃料供給状況のヒアリング午後 : ノルウェー生命科学大学有識者との面談 ノルウェー国内のバイオ燃料取組状況と背景情報に関するヒアリング 3 月 3 日於カールスタード空港午前 :Sky NRG 社との面談 Sky NRG 社の取り組み紹介 質疑応答午後 : カールスタード空港視察 SkyNRG との面談続き カールスタード空港の給油施設視察 オスロ ガーデモエン空港等のバイオジェット燃料供給先行事例でのサプライチェーンに関するヒアリング 3 月 4 日於オスロ ガーデモエン空港午前 : ノルウェー政府 運輸通信省及び AVINOR( 空港運営会社 ) との面談 オスロ ガーデモエン空港におけるバイオジェット燃料に関する取り組み等プレゼンテーション 質疑応答午後 : 空港内視察 Gardermoen Fuel Suppply Service 及び Ari BP との面談 オスロ ガーデモエン空港におけるハイドラントシステムを通じたバイオジェット燃料の取り扱いに関するヒアリング現地調査により把握された運用状況は以下のとおりである 1) オスロ空港におけるバイオジェット燃料の供給の実態 オスロ ガーデモエン空港におけるバイオジェット燃料の供給は Sky NRG 社の協力の 下 空港運営会社である AVINOR や ルフトハンザ航空 KLM オランダ航空 スカンジナ ビア航空のエアライン 3 社などがイニシアティブを取って開始したものである バイオジェ 59 es

103 ット燃料は Air BP 社が供給し エアライン 3 社が購入の契約を締結している ハイドラントシステムを通じた供給は当初 2015 年内には開始される予定であったが 2016 年 1 月の供給開始へとスケジュールが大幅に遅れた 現地調査によると これはバイオ燃料が当初の想定通りのスケジュールで供給されなかったことが原因であり 現在市場において持続可能性基準を満たすバイオ燃料の供給が足りない状況にあることが背景にあるとのことであった 現在 オスロ ガーデモエン空港に供給されているバイオジェット燃料は 約 48% の純バイオ燃料と約 52% の化石燃料由来のジェット燃料が混合されたものである 約 48% 混合されている純バイオ燃料は フィンランドの Neste Oil 社が精製している この純バイオ燃料の原料はカメリナであり スペインの Camelina Company Espana (CCE) 社が生産したものである CCE 社は欧州委員会から補助金を受け実施された バイオジェット燃料の供給実証事業である ITAKA プロジェクトのパートナーでもある Neste Oil 社が精製したバイオジェット燃料は ASTM D7566 の認証を受けた合成燃料として AipBP 社がスウェーデン イエーブレに有する製油所へ輸送され 化石燃料由来の JET-A1 燃料と混合 (blend) され 改めて JET-A1 燃料として認証される ( この混合済みのジェット燃料を 以下では バイオ燃料混合済み JET-A1 とする ) なお 品質管理の観点では Neste Oil 社が製造したバイオ燃料の ASTM D7566 の CoA( 試験成績書 ) イエーブレにてブレンドされた燃料の CoA およびオスロ近郊のターミナルから供給された通常の JET A-1 の CoA の3つの提出を受け 品質を確認している バイオ燃料混合済み JET-A1 として ルフトハンザ航空 KLM オランダ航空 スカンジナビア航空のエアライン 3 社は既に 1,250kl の購入契約を結んでおり 現在まで 600kl 分の供給の目途が立っているとのことである ( この 600kl 分は先のスペイン産カメリナ由来の純バイオ燃料のバッチを混合したバイオ燃料混合済み JET-A1 の供給予定量であり 残り契約済みのバイオ燃料混合済み JET-A1 の原料は現在のところ明らかになっていないとのことである ) なお 上述より 現段階では異なる原料由来のバイオ燃料混合済み JET-A1 を 同時にハイドラントシステムに投入するまでは至っていないことが推察される 2) ハイドラントシステムを通じたバイオ燃料混合 JET-A1 の取扱いの実態オスロ ガーデモエン空港に燃料を供給している石油会社は 3 社で Air BP 社 シェル社 エッソ社である これらが AVINOR の子会社である GFS(Gardermoen Fuel Supply Service) 社に燃料を供給し GFS が燃料供給施設管理と航空機への供給サービスを担っている 化石燃料由来のジェット燃料は鉄道輸送で バイオジェット混合済み JET-A1 は週 2 回のタンクローリー輸送で空港内に搬入されている 両者は空港内の共同貯油施設で混ぜられ (mix され ) 結果的にオスロ ガーデモエン空港内で供給されているジェット燃料に占める純バイオ燃料の割合は 1-2% 程度と想定されるとのことである 現地調査によると オスロ ガーデモエン空港におけるジェット燃料の取り扱いは JIG Standard に従っており バイオ燃料混合済み JET-A1 についても従来の JET-A1 と変わらぬ取扱いを行っているとのことである またこれまで バイオ燃料混合済み JET-A1 を供給したことによるフィルターやセパレータにおける問題は報告されておらず 万が一問題が発生したとしてもイエーブレのデポ ( 燃料貯蔵所 ) において問題が発見されるだろうとの認識を有しているとのことである 93

104 なお バイオ燃料混合済み JET-A1 の供給は 2016 年 1 月に開始されたばかりであり 貯油施設の検査は JIG Standard に従って行っており JIG Standard では検査項目によって検査間隔が異なるため 全ての検査結果が出揃っているわけではないとのことであった また バイオ燃料混合済み JET-A1 がイエーブレで保管している期間も数ヶ月に渡っている可能性があるとのことであった また 現地調査によると 純バイオ燃料の取り扱いについては 異なる原料のバイオ燃料同士を直接混ぜることは厳禁であり また金属成分や残渣が悪影響を及ぼす可能性があるため 非常に厳格な品質管理が行われているとのことであった 具体的には 例として一度の輸送について三度の洗浄を行っており プロジェクトベースで洗浄に関するガイドラインを設けて 輸送会社へ通達しているとのことであった ジェット燃料の品質を示す CoA( 試験成績書 ) については Neste Oil 社が純バイオ燃料に関して発行するもの AirBP 社がイエーブレにおいて製造したバイオ燃料混合済み JET-A1 について発行するもの 従来から供給されている化石燃料由来のジェット燃料に関するものの 3 種類を入手しているとのことであった 3) オスロ空港における供給開始までの経緯現地調査によると 2007 年に AVINOR 社環境報告書の中で非常に簡単にバイオジェット燃料に関して記述されたことを契機として 大学などで研究プロジェクトが始まり その後 2013 年にかけて検討が進められたとのことである その後 2014 年にバイオジェット燃料供給に関する国際会議を開催し 関係するステークホルダーに対する情報提供が行われたとのことである 加えて同年 純バイオ燃料が 50% 混合したジェット燃料を 独立系統により供給し ベルゲン-オスロ間 トロンハイム-オスロ間の 2 回にわたってデモフライトを行ったとのことであった 共同貯油施設にバイオ燃料混合済み JET-A1 が投入されるということは 購入契約を結んでいるルフトハンザ航空 KLM オランダ航空 スカンジナビア航空以外のエアライン各社の航空機へも 実体的にバイオ燃料混合済み JET-A1 が流れ込んでいるということになる しかし 現地調査によるとこの点に関してエアライン各社からの異議はなく これは 2014 年に開催した国際会議等を通じた情報提供がステークホルダーの合意に功を奏しているだろうとのことであった 2014 年に開催された国際会議は 2014 年の会議は AVINOR が主催し ガーデモエン空港に就航するエアライン各社や環境 NGO がオーディエンスとなり 大学の教授や専門技術者等がプレゼンテーションを行ったとのことであった また 各関係会社の CEO などトップ同士のコミュニケーションが行われたことが ハイドラントシステムのバイオジェット燃料の供給に至った成功要因であるだろう との指摘もあった 94

105 図 6-2 オスロ ガーデモエン空港のバイオ燃料混合 JET-A1 タンク屋舎 図 6-3 バイオ燃料混合 JET-A1 タンクへの給油口 95

106 図 6-4 オスロ ガーデモエン空港のリフューラー 図 6-5 オスロ ガーデモエン空港のサービサー 96

107 (2) 英国 グリーンスカイプロジェクトにおける運用英国 グリーンスカイプロジェクトは Solena Fuels 社がブリティッシュ航空とパートナーシップを組み 埋め立てごみをジェット燃料に変換する施設を 2017 年までに建設し 年間 5 万トンのジェット燃料を供給することを予定したプロジェクトであった 廃棄物の処理による料金を収入として得ることができるため マイナスの原料コストとなり 供給契約の締結 ブリティッシュ航空からの株式投資 その他投資銀行からの資金調達が進められていたが 2015 年にプロジェクトがキャンセルされることとなった (3) 米国 ロサンゼルス空港における運用米国ロサンゼルス空港では ユナイテッド航空と Alt Air Fuels 社が 2013 年 6 月に 3 年間に 15 百万ガロン (4 万 5 千トン ) のバイオジェット燃料の取引を契約している これは追加購入のオプションもつけたものであり 従来の化石燃料由来のジェット燃料と比較しても競争力があるとされた その後 2016 年 3 月 11 日にユナイテッド航空は ロサンゼルス-サンフランシスコ間の UA708 定期便へのバイオジェット燃料の供給を開始したと発表した 60 燃料は Alt Air Fuels のパラマウント製油所で製造されたものとされているが ハイドラントシステム等の共同貯油施設を介した供給がされているかについては明らかにされていない 我が国におけるサプライチェーン構築の可能性我が国におけるサプライチェーン構築の可能性についてサプライチェーン WG で議論を行ったところ 今後 以下の観点から具体的な解決策等の検討が求められると考えられる (1) 導入を目指す空港 合成燃料の種類 数量についてバイオジェット燃料の消費者である航空会社が決定すべき導入予定の空港 合成燃料油種 数量 ( 具体的プラン ) については 後述の混合施設や輸送手段等の検討の前提となり またその検討や実際の施設や輸送手段等の整備には一定のリードタイムを要するため 2020 年の導入に間に合わせるためには一定の時期までの決定が求められる この時期について航空業界と石油業界で明確に共有し 航空業界はこれを念頭に置いて検討を進め 石油業界に早期に具体的プランを示すことが求められると考えられる (2) 混合所の設置 バイオ燃料製造所から混合所 ( 製油所等 ) への輸送手段 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道筋検討委員会における方向性として 我が国におけるバイオ燃料製造産業の振興の観点から 国産バイオ燃料を導入することが望まれている 現状のバイオジェット燃料の規格動向に鑑みると 導入するバイオジェット燃料には AFQRJOS 規格に適合することが求められ 混合所 ( 製油所等が想定される ) の設置 純バイオ燃料製造所から混合所への輸送手段について検討を要する 混合所については 保税生産要否の観点から国際線航空機への給油可能性 消防法への対 60 s-using-sustainable-biofuel 97

108 応 ならびに後述の品質確認方法についても検討が必要であるが これらも念頭に置きつつ 導入空港 合成燃料の種類 数量が決まった段階で 実際の合成燃料受入 混合施設の設置可能性について 議論していく必要がある 輸送手段についても 導入を目指す空港 合成燃料の種類 数量を踏まえ 適切な輸送手段や必要な品質管理を確保できる手段を検討する必要がある (3) 混合所で受け入れる際の純バイオ燃料品質確認方法の検討燃料混合所では 受け入れる純バイオ燃料が ASTM D7566 の Annex に示された品質が確保されていることを確認する必要がある オスロ空港の事例では純バイオ燃料について純バイオ燃料製造所で ASTM D7566 に則った CoA が発行されているとのことであり こうした海外事例も踏まえて 業界統一的な混合所での純バイオ燃料受け入れ時の品質確認方法の必要性等のバイオジェット燃料に投入する合成燃料の検査体制やエビデンスのあり方について 議論していくことが求められる (4) 純バイオ燃料と化石燃料由来のジェット燃料との混合方法 混合率具体的な純バイオ燃料と化石燃料由来のジェット燃料との混合方法については 現地調査においても明らかにされなかったため 引き続き海外事例織 ( 例えばオスロ空港の事例では AirBP) や燃料生産事業者 ( 燃料製造 WG) との議論を通じ 混合方法を確認していく必要がある 混合率については 前述のとおり 航空会社から導入する合成燃料の数量が示されることが前提であるが その品質については ASTM D7566 の Annex ごとの混合率の上限と 純バイオ燃料混合後の燃料に Table1 と Table2 に示される品質が確保される必要があることを踏まえ検討される必要がある (5) 燃料混合所から空港内共同貯油施設への輸送方法及び長期保存時の安定性 検証試験オスロ現地調査に基づくと JET-A1 として認証済みのバイオ燃料混合済みジェット燃料の共同貯油施設における取扱いについては 従来の JIG Standard と変更なく実施しているとのことであった 一方 オスロ空港に対する供給では 長期保存性の問題について明らかにされなかったこと 結果的にハイドラントシステムに投入される純バイオ燃料の混合比率は低く 現段階では一種類の純バイオ燃料のみに限定されていること 今後問題が生じるリスクも考慮されていたことから 我が国において導入を目指すバイオ燃料の種類 供給されている化石燃料由来のジェット燃料の品質 我が国独自のジェット燃料供給体制に照らした検証試験の必要性 必要な場合の試験項目と時期について議論されることが望まれる なお 航空会社の合成燃料の導入量が少なかったり ハイドラントシステムでの利用が困難な場合などで 仮に代替サプライチェーンが構築される必要があると判断された場合においては 空港内専用貯油施設の建設は容易ではないと考えられることから 混合所から航空機への給油まで一貫したフューエラーの利用が想定される その際には フューエラーを増設するリードタイムも考慮する必要がある (6) 合意形成オスロ空港の事例では バイオジェット燃料の導入に当たっては 空港を運営する国営企 98

109 業主催の国際ワークショップ等を通じて関係するステークホルダーへの周知が行われた 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道筋検討委員会サプライチェーン WG メンバーを中心として 対外的な説明資料を作成し 特に施設管理会社 給油サービス会社 輸送会社等関係者で合意形成を図ることが導入にむけて必要なステップであると考えられる その際 サプライチェーン WG のメンバーである 航空会社並びに石油元売り会社が共同しての説明内容の検討や 空港運営会社や政府との役割分担を整理することが求められる 6.2 我が国におけるバイオジェット燃料の生産体制について 我が国におけるバイオジェット燃料生産技術の現状バイオジェット燃料生産技術について 我が国では 戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業として バイオマス由来 FT 油の製造技術 微細藻類由来油脂からの燃料製造技術の開発等が進められている また 民間の取組として ユーグレナ社等による生物系油脂を原料としたバイオジェット燃料製造プラント構想が存在する (1) BTLによるバイオ液体燃料製造戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業における BTL 61 によるバイオ燃料製造技術開発では 単プロセスの高効率化 高性能化だけではなくトータルシステムとしての適正化に取り組んでおり 付加価値の高いバイオジェット燃料製造システムを対象とした開発が行われている 具体的には 大径原料の投入が可能で BTL に適した噴流床ガス化炉と高選択性 耐久性を有した Anti-ASF 型合成触媒を組み合わせて開発に注力し 効率向上 低コスト化を達成すると共に 対象原料拡大による大量の原料確保の実現が目指されている <BTL によるバイオ液体燃料製造工程 ( 例 )> 原料 木質バイオマス ガス化 gas (CO 水素など ) 分解効率の向上副生成物の抑制 ガス精製 図 6-6 BTL によるバイオ液体燃料製造工程 ( 例 ) 出所 : 第 1 回 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道 筋検討委員会資料 (NEDO) より タール等の除去 悪影響を及ぼす不純物を低コストで除去 圧縮 合成 改質 触媒 リアクター 低圧化 (1MPa 以下 ) 温度制御 触媒寿命の向上 酸素他成分調整 精製 分離 バイオ 液体燃料 合成油 (2) 微細藻類由来油脂からのバイオ燃料製造 戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業では 微細藻由来バイオ液体燃料製 造技術について 微細藻株としてボツリオコッカス 珪藻 シュードココミクサ クラミド 61 Biomass to Liquid の略 バイオマスをガス化し FT( フィッシャー トロプシュ ) 法により合成して製造 する燃料を指す 99

110 ~ ~ ~ モナスの 4 種類について取り組まれている このうち ボツリオコッカスについては平成 27 年度時点で商用実証に向けた展開が見られており ボツリオコッカスの商用展開については 鹿児島市七ツ島に 1500 m2の屋外微細藻大規模培養施設が建設され コスト削減に必須となる微細藻大量培養体制の構築に期待が寄せられている < 微細藻由来バイオ液体燃料製造工程 ( 例 )> 探索 育種 屋外大規模培養 藻体回収 濃縮 脱水 乾燥 抽出 改質 抽出 バイオ 液体燃料 精製 改質 高油脂生産藻 高効率な増殖撹拌装置の省エネ化太陽光 排出 CO 2 利用 高効率な油脂分離プロセス低減 省エネ油脂抽出油脂組成の最適化 図 6-7 微細藻由来バイオ液体燃料製造工程 ( 例 ) 出所 : 第 1 回 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道 筋検討委員会資料 (NEDO) より (3) ユーグレナ社等による実証プラント構想株式会社ユーグレナは 横浜市 千代田化工 建設株式会社 伊藤忠エネクス株式会社 いすゞ自動車株式会社 全日本空輸株式会社の協力のもと 2020 年に向けた国産バイオジェット ディーゼル燃料の実用化計画を推進することを発表した 本計画は 2018 年前半からの日本初のバイオジェット ディーゼル燃料製造実証プラントの稼働と 2020 年のバイオジェット ディーゼル燃料の実用化を目指した計画を推進するものであり ユーグレナ社がバイオ燃料原料として微細藻類ユーグレナの生産 バイオジェット ディーゼル燃料製造実証プラント建設地確保 設備投資 運営 バイオ燃料の製造を担う ジェット燃料への改質プロセスについては アイソコンバージョンプロセス技術に関してライセンス契約およびエンジニアリング契約を米国の Chevron Lummus Global & Applied Research Associates 社と締結している 100

111 図 6-8 ユーグレナ社等による実証プラント構想完成イメージ図 出所 : 株式会社ユーグレナ 2015 年 12 月 01 日ニュースリリースより 今後の生産体制の見通し我が国におけるバイオジェット燃料の生産体制について 燃料製造 WG において 2020 年に向けた見通しを議論した結果 事業者 研究機関から 2020 年に向けた計画が示された なお 前述のとおり 現段階では ASTM が定めるバイオジェット燃料認証規格 (D7566) に基づいて製造 供給 利用を行うことが求められ 下記 (2)(3) については規格認証を取得することが課題となる可能性がある (1) BTLによるバイオ液体燃料製造 BTLによるバイオ液体燃料製造に関しては 2020 年に燃料認証獲得済のジェット燃料を供給するためのシステム技術開発を念頭に検討が進められている スケジュールとしては 以下の線表に示されているとおり 2018 年度にバイオマスガス化装置の試運転を実施し 2019 年度中に実証運転が行われることが想定されている 101

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