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1 ハイリスク薬のポイントブック<5> 経口糖尿病用剤 目次 参考診療報酬におけるハイリスク薬の考え方 1 薬学的管理指導において特に注意すべき事項 2 対応時の注意 2 服薬指導のポイント 2 自覚症状確認 服薬状況確認 2 患者データ確認 2 リスク因子の有無 3 他疾患の確認 他薬剤併用 3 食事影響指導 生活習慣確認 3 服用忘れの対応と低血糖の説明 3 副作用発症の有無確認 4 シックデイ対策の理解確認 4 OTC 薬 民間療法 健康食品の使用確認 4 糖尿病手帳への記入 4 フットケア 家族の協力 4 他科受診の勧め 4 災害への備え 5 海外旅行の際のアドバイス 5 自動車の運転 5 < 米国糖尿病学会による 交通事故を起こさないための低血糖対策 7 ヵ条 > 5 糖尿病の自覚症状 6 糖尿病に関する指標 6 HbA1c 6 グリコアルブミン フルクトサミン 1,5-AG 7 インスリン分泌指数 C ペプチド 8 インスリン抵抗性指数 9 早朝空腹時の血中インスリン濃度 9 糖尿病の診断 ( 概要 ) 9 < 妊娠中の糖代謝異常と診断基準 (2015)> 10 [ 参考 ] 空腹時血糖値 随時血糖値 75gOGTT( 経口ブドウ糖負荷試験 ) 11 境界型とメタボリックシンドローム 11 糖尿病治療の目標 12 糖尿病の予防 13 糖尿病の治療 ( 薬物療法 ) 14 経口糖尿病用剤の分類 製剤 15 1 ビグアナイド剤 15 2 チアゾリジン剤 17 3 スルホニル尿素剤 18 4 速効型インスリン分泌促進剤 19 5DPP-4 阻害剤 21 6α- グルコシダーゼ阻害剤 23 7SGLT2 阻害剤 25 副作用 28 低血糖 28 シックデイ 睡眠障害 30 妊婦又はその可能性のある人への投与 31 高齢者への投与 31 相互作用 31 OTC 薬 民間療法 32 急性糖尿病合併症 32 糖尿病ケトアシドーシス 32 ソフトドリンクケトーシス 33 高血糖性高浸透圧昏睡 感染症 34 慢性糖尿病合併症 34 糖尿病網膜症 糖尿病性腎症 34 糖尿病神経障害 35 虚血性心疾患 脳梗塞 35 糖尿病足病変 35 手の病変 歯周病 認知症 36 < 表 > 経口糖尿病用剤一覧 39 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 44 経口糖尿病用剤の重大な副作用とその対策 48 糖尿病患者に対して 禁忌 と記載のある薬剤 49 経口糖尿病用剤の他糖尿病用剤との併用 54 糖尿病合併症治療剤一覧 55 健康食品 サプリメント等食品との相互作用 56 ハイリスク薬の薬学的管理指導薬局向け参考資料ホームページ紹介 60 特定薬剤管理指導加算について ( 厚労省からの事務連絡等 ) 58 番外 : インスリン使用は ドーピング! 53

2 この冊子は 現在 愛知県薬剤師会薬事情報センターと岐阜県薬剤師会ぎふ薬事情報センターが共同し県薬剤師会ホームページの会員情報に提供している ハイリスク薬の薬学的管理指導薬局向け参考資料 より作成しました 近年 糖尿病用剤の新薬発売やその使い分けなど注目されています そこで 今回はハイリスク薬の 経口糖尿病用剤 について冊子にまとめました 日常業務にお役立てください 参考診療報酬におけるハイリスク薬の考え方 ハイリスク薬の薬学的管理指導を実施する上で必要な 薬局 薬剤師が行うべき標準的な業務を示したものが 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ) [ 日本薬剤師会平成 23 年 4 月 15 日 ] です このガイドラインは 平成 28 年度調剤報酬点数表 特定薬剤管理指導加算 の参考にするものです 特にハイリスク薬については 5-Components を意識した服薬指導が望まれています 1 薬剤の効果 ( 作用 ) : どういう効果があるか いつごろ効果が期待できるか 2 副作用 ( 副作用の自覚症状 ) : どのような副作用が起こりうるか いつ頃から どのように自覚されるか 3 服薬手順 : どのように いつ いつまで服用するか 食事との関係 最大用量 服用を継続する意義 4 注意事項 : 保管方法 残薬の取り扱い 自己判断による服薬や管理の危険性 5 再診の予定 ( 次回受診日 ) : いつ再診するか 予定より早く受診するのはどのような時か 個々の患者さんを薬剤のハイリスクから守るため 薬局薬剤師が投薬時に患者さんと対面において 情報収集し考え フォロー 指導を行うものであり 画一的な内容では網羅しきれない綿密な薬学的管理指導です 患者さん又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点については 薬剤服用歴の記録に記載することが基本となります 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について ( 通知 ): 抜粋 P61 参照平成 28 年 3 月 4 日保医発 0304 第 3 号別添 3( 調剤報酬点数表 ) よりア特定薬剤管理指導加算は 薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて 患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え 当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する なお 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 日本薬剤師会 ) 等を参照し 特に安全管理が必要な医薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが 薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない イ ( 省略 ) 具体的な対象薬剤については その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している -1-

3 経口糖尿病用剤 薬学的管理指導において特に注意すべき事項 1) 患者に対する処方内容 ( 薬剤名 用法 用量等 ) の確認 2) 服用患者のアドヒアランスの確認 (Sick Day 時の対処法についての指導 ) 3) 副作用モニタリング及び重篤な副作用発生時の対処方法の教育 ( 低血糖及び低血糖状態出現時の自覚症状とその対処法の指導 ) 4) 効果の確認 ( 適正な用量 可能な場合の検査値 (HbA1cや血糖値) のモニター ) 5) 一般用医薬品やサプリメント等を含め 併用薬及び食事との相互作用の確認 < 対応時の注意 > 1. ライフスタイルに合わせた服薬指導が重要患者自身による日常の管理が重要であるため 患者自身が病態を理解して積極的に取り組んでいけるよう指導する 2. 食事療法や運動療法に関連付けた指導基本は食事療法と運動療法であることを説明する 3. 服薬の意義を伝える薬剤の作用を説明し 服薬する必要性および服用時間を守る意味を理解してもらう また 飲み忘れた場合の対処も併せて指導する 4. 服薬の不安を取り除く副作用 低血糖への対応について説明する 服薬指導薬物療法に関して 薬剤を服用する必要性 服用方法 注意事項などを患者に説明し 副作用の早期発見に努めることにより 正しい服薬による良好な血糖コントロールの維持 糖尿病合併症の発症 進展の予防 QOL の維持が確保されるよう 服薬指導を行っていく必要がある < 服薬指導のポイント> 患者の自覚症状を確認する 高血糖症状 口渇 多尿 体重減少 易疲労など 低血糖症状 発汗 動悸 顔面蒼白 眼のかすみ 空腹感 眠気など 服薬状況を確認する 医師の指示どおりに決められた時間に 決められた量を服用できているか 服薬時間を守る意味 理由を指導し 理解した上で服用させる 残薬の確認 服薬し忘れる原因を探り 対処する 患者のデータ ( 指標 ) を確認する 血糖値正常空腹時血糖値 (110mg/dL 未満 ) 75gOGTT 負荷後 2 時間 (140mg/dL 未満 ) HbA1c 値 ( 基準値 :4.6~6.2%) -2-

4 身長 体重標準体重 (kg)= 身長 (m) 身長 (m) 22 BMI = 体重 (kg) [ 身長 (m)] 2 ( 目標値 :20~22) リスク因子の有無を確認する 腎機能障害 肝機能障害 心不全等の心血管障害の有無 高血圧 脂質代謝異常の有無 低血糖 高血糖誘発薬剤の有無 喫煙 インスリン抵抗性を悪化させる 過度のアルコール摂取の有無 妊娠または妊娠する可能性 他の疾患にかかっていないかを確認する 歯周病はないか きちんとブラッシングできているか 感染症 発熱 下痢などはないか 手術 抜歯などの予定はないか 他の薬剤の併用を確認する 糖尿病患者に投与禁忌 ジプレキサ セロクエル クロザリル エビリファイ 耐糖能異常をきたす 副腎ホルモン剤 甲状腺ホルモン剤など ワルファリンカリウム 血糖値を低下させる サルチル酸 リスモダン シベノールなど 低血糖からの回復抑制 β 遮断剤 食事療法の重要性を指導する 外食が多いか また 外食時の注意について説明を受けているか 食事の量や食事の時間が変わったり 間食などで食事療法が乱れていないか 栄養士等からの食事指導 食事療法を受けているか 食物繊維の摂取増量 食塩 蛋白質 ショ糖 果糖 脂質などの摂取量制限 生活習慣を確認する 朝食 昼食 夕食の三食をほぼ毎日同時間に摂っているか 運動療法 適度な運動 適正体重の維持 節酒 アルコールは高エネルギー(7.1kcaL/g) で それに伴うつまみにより食事療法が乱れる場合がある上に インスリン作用の低下 アルコール性低血糖などの発現もあるため禁酒が望ましい 禁煙 喫煙はインスリン抵抗性の悪化や動脈硬化の危険因子 睡眠 不眠により耐糖能の悪化がみられる 服用忘れの対応と低血糖の説明を行う 低血糖 P28 飲み忘れもなく 指示どおりに服用できているか 医師の説明を理解しているか 糖尿病患者 ID カード 私は糖尿病患者です を携帯しているか確認する あらかじめ低血糖への備えなどを説明しているか 特に高齢者では夜中の低血糖( 寝汗 覚醒や悪夢など ) 症状が発現していないか -3-

5 < 低血糖への備え> ブドウ糖をバックや引き出しの中など手が届くところに持っておく 家族にも対処法を伝えておき ブドウ糖または砂糖を唇と歯肉の間に塗りつけてもらう 長時間何らかの作業に従事するときや自動車運転時には糖質が含まれる飲み物や飴 キャラメルなどを用意しておく 治療している内服薬や注射名を明記して 糖尿病患者 ID カード 私は糖尿病患者です と共に携帯しておく 副作用の発症の有無を確認する 副作用 P28 スルホニルウレア(SU) 剤 低血糖 光線過敏症 速効型インスリン分泌促進剤 低血糖 α-グルコシダーゼ阻害(gi) 剤 腹部膨満 鼓腸 放屁増加 肝機能障害 チアゾリジン剤 心不全が増悪あるいは発症 浮腫 体重増加 肝機能障害 ビグアナイド(BG) 剤 乳酸アシドーシス 胃腸障害 筋肉痛 DPP-4 阻害剤 アナフィラキシー反応 皮膚粘膜眼症候群 剥脱性皮膚炎 SGLT2 阻害剤 尿路 性器感染症 重症低血糖 脱水 全身性皮疹 シックデイ対策を理解しているかを確認する シックデイへの対応 P30 どのような状態になったら医師に連絡すべきかの説明があったかを確認する 水分を十分に摂取し 脱水の予防に努める 食欲がないときは 消化のよい食べ物を選び 絶食しないように指導する OTC 薬 民間療法 健康食品の使用状況を確認する OTC 民間療法 P32 < 表 > 健康食品 サプリメント等食品との相互作用 - 経口糖尿病用剤 P56 健康食品や民間薬などを摂っていないか また摂りたいと考えていないか むやみに OTC 薬や民間薬を使用して 薬物療法の妨げにならないよう注意し 治療薬との併用に問題がないかを確認する 糖尿病手帳を確認する医療機関から 糖尿病手帳 が配布されているか服用薬剤を 糖尿病手帳 に記入し 他の診療科 病院に受診する際に提示するよう指導する フットケア 糖尿病足病変 P35 フットケアについて看護師から指導を受けているか 素足を毎日見て 異常がないことを確認しているか 家族への協力依頼ができているかを確認する 低血糖の初期症状や対処法を家族に説明しているか シックデイ対策が理解できているか 医師への連絡先が確認できているか 薬剤管理の協力ができるか 患者の身体機能 認知機能 心理状態( うつ状態 ) を観察する 他科受診への勧め 網膜症の合併症をチェックするためにも定期的に眼科受診を勧める 糖尿病患者に歯周病が高頻度にみられ 病状にも影響するため 歯科受診を勧める -4-

6 他科受診の際にはお薬手帳などを活用し 服用状況等を説明するよう指導する 感染症にかかりやすいため 体調を崩したら早めに受診することを勧め 感染対策を行う 災害への備え震災直後から 1 週間は医薬品の供給が途絶える場合もあるため 内服薬やインスリン 注射針など最低 1 週間分の準備が必要である お薬手帳や糖尿病手帳には最新の処方を記載しておくことも必要である < 備品リスト例 > お薬手帳 糖尿病手帳 ID カード 懐中電灯 インスリン 経口糖尿病用剤 インスリン注射針 アルコール消毒綿 針捨てボックス 簡易血糖測定装置 血糖記録用ノート 筆記用具 緊急連絡先メモ 低血糖対応用ブドウ糖 低血糖予防用炭水化物食品( クラッカーなど ) 眼鏡 老眼鏡 海外旅行に出かける際のアドバイス 事前に英文の糖尿病カード 英文の診断書 薬剤の英文名などを用意するようアドバイスする 低血糖を予防するためブドウ糖や軽食 治療薬は機内に持ち込む 長時間座っていると足の血流が悪くなるため 静脈血栓塞栓症の予防に ときどき姿勢を変える 歩く などを勧める 機内は乾燥しやすいため 清涼飲料水以外でこまめに水分補給をする 旅先でも食事療法は継続して行う また 機内食に糖尿病食が用意されている場合もあるので 事前に航空会社に確認をとるようアドバイスする 自動車の運転 運転 をすることについて医師の判断を得ているかを確認する 無自覚性低血糖症を起こしていない または人為的に血糖を調節することができるか 自動車を運転する場合は 必ずブドウ糖を含む食品を車内に常備しているかまた 空腹時の運転は避け 何か食べてから運転するように習慣づけているか 運転する直前に血糖値を測定するようにアドバイスする ドライブ中は十分な水分補給を心がけ 脱水にならないように指導する < 米国糖尿病学会 (ADA) による 交通事故を起こさないための低血糖対策 7 ヵ条 > ADA はインスリン療法を行っている糖尿病患者が安全に運転するために 次のことをアドバイスしている 1. 運転前と長い時間の運転時には 一定間隔で血糖自己測定を行い 自分の血糖値をチェックしましょう 2. 運転するときは 血糖自己測定器と ブドウ糖やそれに代わるものを 常に側に置いてください 3. 低血糖のサインを感じたり 血糖自己測定を行い血糖値が 70mg/dL 未満と低かった場合は 運転をやめて 車を安全な場所にとめましょう 4. 低血糖を確かめたときには 吸収の速いブドウ糖製剤や ブドウ糖を多く含むジュースやス -5-

7 ナックなど 血糖値を上げやすい食品をとりましょう ブドウ糖を含まず低カロリー甘味料を使用した清涼飲料などもあるので あらかじめ成分を確かめておきましょう 5. 捕食をしてから 15 分待ち 血糖値が目標値に達していることを確認してから 運転を再開しましょう 6. もしもあなたが無自覚性低血糖症を経験しているのなら 運転をやめて 主治医に相談してください 7. 患者によっては糖尿病網膜症により視力障害が起きている場合があります 末梢神経障害によりアクセルやブレーキのペダルの感じ方が弱まっている場合もあります 早期に医師に相談しましょう 糖尿病の自覚症状 2 型糖尿病は 1 型糖尿病と異なり進行が緩和なため 発症しても長期間無症状で気づかなかったり 早期に診断されても自覚症状がないため 受診 治療を中断してしまうことが多い 自覚症状がまず無いと推定される空腹時血糖値が 200mg/dL 以下であっても 糖尿病合併症は発症 進展しており 2 型糖尿病と診断された時点で膵 β 細胞機能はすでに 50% 低下し 経年的に 4% ずつ低下するとされている 自覚症状が出現した頃には既に合併症が重症化している場合があり 特に 糖尿病神経障害 糖尿病網膜症 糖尿病腎症 が糖尿病の 3 大合併症としてあげられる < 高血糖による症状 > 多尿: 尿中にブドウ糖が多量に排出されて尿の浸透圧が高くなり そのため水分の再吸収が妨げられるため 口の渇き: 多尿 尿量が増加することによる脱水からと考えられるが かなりの高値の血糖値が持続しないと出現しない 体重減少 易疲労: 重症になると脂肪組織から脂肪酸の放出や筋蛋白質の分解が起こるため < 症状からみた合併症 > 飛蚊症視 力の極端な低下 ものが二重 三重に見える: 糖尿病網膜症 足のしびれ 筋力の低下 顔面神経麻痺 目がピクピクする ほてり 発汗異常: 糖尿病神経障害 胸の痛み: 虚血性心疾患 足や全身のむくみ 吐き気 疲れやすい: 糖尿病腎症 歯茎に炎症や腫れ 出血: 歯周病 糖尿病に関する指標 (1) 平均血糖値を反映する指標 HbA1c(hemoglobin A1c グリコヘモグロビン): グリコヘモグロビンとも呼ばれ 赤血球中の血色素 ( ヘモグロビン ) の一部であり ブドウ糖と非酵素的に結合している特殊なヘモグロビンで これを HbA1 と呼ぶ A1 には A1a~A1c の 3 種があり A1c の量が最も多く 糖尿病では HbA1 全体または A1c -6-

8 が増量するので これらを測定することにより 糖尿病診断の指標の一つとしている HbA1c( 国際標準値 :4.6~6.2%) は 患者毎のばらつきも少なく 赤血球寿命 (120 日 ) までの間ずっと体内を循環して 血管内のブドウ糖と少しずつ結びつくため 糖が多ければ多いほど結びつきが増え HbA1c も多くなることから 1~2 ヵ月前の血糖コントロールの状態を示すものとして重視されている 一方 短期間の高血糖は反映できず 異常ヘモグロビン症や出血 鉄欠乏性貧血の回復期 肝硬変などでも平均血糖値と乖離した値になるので注意を要する HbA1c 値と平均血糖値の間に乖離があるとき 7 ) HbA1c 値が高め HbA1c 値が低め どちらにもなりうるもの 急速に改善した糖尿病 鉄欠乏状態 急激に発症 増悪した糖尿病 鉄欠乏性貧血の回復期 溶血( 赤血球寿命 ) 失血後( 赤血球寿命 ) 輸血 エリスロポエチンで治療中の腎性貧血 肝硬変 異常ヘモグロビン症 <HbA1c の国際標準化に伴う変更について> HbA1c 国際標準化については 我が国以外のほとんどの国々で臨床 学術の両面に広く用いられている National Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP) 値と 我が国で用いられてきた Japan Diabetes Society(JDS) 値との差 ( 約 0.4%) が明らかとなり 平成 22 年 7 月 1 日より HbA1c(JDS 値 ) に 0.4% を加えた NGSP 値に相当する HbA1c を国際標準値とし 平成 25 年 4 月 1 日以降 HbA1c は NGSP 値で表記を統一することとなった NGSP 値 (%)=1.02 JDS 値 (%)+0.25% グリコアルブミン (GA) フルクトサミン(FRA): 血清中の主要な蛋白質であるアルブミンに糖が結合したもので グリコアルブミン ( 基準値 : 11~16%) フルクトサミン( 基準値 :210~290μmol/L) は 過去約 2 週間の平均血糖値 ( 半減期約 17 日 ) を表し HbA1c より直近の血糖コントロールを反映する 妊娠糖尿病 異常ヘモグロビン血症 出血などの評価に適しているが いずれも甲状腺機能亢進症や糖尿病性腎症でのネフローゼなどのように 体外に蛋白質が失われて血漿蛋白質の半減期が短くなり低値となる 反対に肝硬変 甲状腺低下症などでは半減期が延長し高値となる GA と HbA1c との間は正の相関関係があるとされ GA 値は HbA1c の約 3 倍であると経験的に知られている 1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール ): ブドウ糖に類似した構造をもつ物質 主に食物より体内に入り 体内での代謝をほとんど受けず 尿糖の排出量と相関して尿細管での再吸収が低下する 高血糖によりブドウ糖が尿中に排泄されると 1,5-AG の再吸収が阻害され 尿中への排泄が増加し 血中濃度が低下する このため尿糖排泄量を鋭敏に反映し 日内変動応答動態を示す グリコアルブミンが 20% を下回った場合 血糖値とともに 1,5-AG ( 基準値 :14.0μg/mL 以上 ) を計測することも重要である 1,5-AG は 糖代謝状況の急激な変化を示し 1,5-AG が低値の場合は尿糖プラス すなわち食後血糖値が 200mg/dL 以上になっていることを意味する -7-

9 1,5-AG が低くグリコアルブミンが低ければ 食後高血糖 夜間低血糖となっている 腎性糖尿 妊娠後期 長期高カロリー輸液 ステロイド投与例では低値になり 1,5-AG が含まれている人参養栄湯 加味帰脾湯などの漢方薬などで高値となる また アカルボース服用患者の 1,5-AG は低値を示すことが報告されている HbA1c グリコアルブミン 1,5-AG の比較 血糖値を反映する時期 基準値 血糖値上昇時の変化 HbA1c 約 2 ヵ月 4.6~6.2% グリコアルブミン 約 2 週間 11~16% 1,5-AG 約 1 週間 14.0μg/mL 以上 (2) インスリン分泌能の指標インスリン分泌には食事に関係なく ( 空腹時 )24 時間分泌する基礎分泌と食事摂取による血糖値や消化管ホルモンの上昇で分泌量が増加する追加分泌とがある 1 型糖尿病では両者ともに低下 消失しており 2 型糖尿病では主に追加分泌が遅延 低下している インスリン分泌指数 : インスリン追加分泌のうち初期分泌能の指標となる 糖尿病を診断するときに行う経口ブドウ糖負荷試験 (75gOGTT) と同じ方法で調べることができる 早朝空腹時と 75gのブドウ糖を溶かした水を飲んでから 30 分後の血中インスリン濃度 (μu/ml) の差を 同じ時間内で生じた血糖値 (mg/dl) の差で割った値 インスリン分泌指数 (II;Insulinogenic Index) が小さいほど インスリンの自己分泌力が低いと考えられる 健康であればインスリン分泌指数は 0.4 以上 2 型糖尿病では普通 0.4 未満になるが 糖尿病予備群 ( 境界型 ) でインスリン分泌指数が 0.4 未満の場合は 糖尿病へ移行する危険率が高いことがわかっている インスリン分泌指数 = (II) 負荷後血中インスリン値 (30 分値 -0 分値 )(μu/ml) 負荷後血糖値 (30 分値 -0 分値 )(mg/dl) C ペプチド (C-peptide:CPR): 膵 β 細胞でインスリンが生成される過程 ( プレプロインスリン プロインスリン インスリン +C ペプチド ) の副産物で インスリンのように生物活性を有さないが プロインスリンの分解によりインスリン分子と 1:1 に対応して血中に放出され インスリン値の増減とおおむね並行するため 空腹時血中 C ペプチド値と 24 時間尿中 C ペプチド排泄量はインスリン分泌能の指標となる 肝ではほとんど代謝されず もっぱら腎より代謝 排泄され 血中半減期が約 30 分 ( インスリンは 5~6 分 ) と長い C は connecting( 連結 ) の略語であり プロインスリン分子内でインスリンの A 鎖と B 鎖の両端断片を連結している単鎖のペプチドである C ペプチドの構造は動物差が著しく アミノ酸数も種々である 空腹時血中 C ペプチド値が 0.5ng/mL 以下 24 時間尿中 C ペプチド排泄量が 20μg/mL 以下であればインスリン依存状態と考えられる -8-

10 (3) インスリン抵抗性の指標血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない状態をインスリン抵抗性という インスリン拮抗物質 インスリン受容体数の減少 インスリン受容体を介する細胞内への情報伝達能力が低下した状態などが考えられる インスリン抵抗性指数 : 空腹時の血糖値 (mg/dl) と血中インスリン濃度 (μu/ml) を掛けて 405 で割った値の インスリン抵抗性指数 (HOMA-IR) から およそのインスリン抵抗性を把握するという簡便な方法 インスリンの自己分泌が比較的保たれている場合に対する検査法として行われるため インスリン治療中の患者には用いない HOMA-IR = 空腹時インスリン値 (μu/ml) 空腹時血糖値 (mg/dl) 405 この指数が 1.6 以下の場合は正常 2.5 以上の場合にはインスリン抵抗性があるとされ 数値が大きいほどインスリン抵抗性が強いと考えられる ( ただし インスリン治療中の患者には適用しない ) また 生理的に空腹時血糖値が 140 mg/dl を超えると代償的なインスリン分泌能は低下するため HOMA-R の結果と実際のインスリン抵抗性との間に乖離が生じる 空腹時血糖値 140mg/dL 以下の場合に使用することが望ましい 早朝空腹時の血中インスリン濃度 (IRI): 早朝空腹時の血中インスリン濃度が 15μU/mL 以上の場合にも インスリン抵抗性の存在が強く疑われる 糖尿病の診断 ( 概要 ) 詳細は 糖尿病治療ガイド 日本糖尿病学会編 著 文光堂をご覧下さい 1 型糖尿病 2 型糖尿病の発症原因は異なるが 糖尿病としての診断方法は基本的に同様である 1 早朝空腹時血糖値 126mg/dL 275gOGTT 2 時間値 200mg/dL 3 随時血糖値 200mg/dL 4HbA1c 6.5% 5 早朝空腹時血糖値 <110mg/dL 675gOGTT 2 時間値 <140mg/dL 1~4のいずれかを認めた場合は 糖尿病型 と判定 別の日に再検査を行い 再び 糖尿病型 と判定されれば糖尿病と診断 ただし HbA1c のみの反復検査による診断は不可とする 1~3のいずれかと4が確認されれば 初回検査だけで糖尿病と診断してよい 5および6の血糖値が確認された場合は 正常型 と判定する 上記の 糖尿病型 正常型 いずれにも属さない場合は 境界型 と判定する 血糖値が 糖尿病型 を示し かつ 1. 口渇 多飲 多尿 体重減少などの症状 2. 確実な糖尿病網膜症のいずれかが認められたら 初回検査だけでも糖尿病と診断できる -9-

11 糖尿病診断基準のフローチャート 7 ) < 妊娠中の糖代謝異常と診断基準 (2015)> 妊娠中に取り扱う 糖代謝異常 には 1 妊娠糖尿病 (GDM) 2 妊娠中の明らかな糖尿病 3 糖尿病合併妊娠 の 3 つがある 妊娠糖尿病 (GDM) は 妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常である と定義され 妊娠中の明らかな糖尿病 糖尿病合併妊娠は含めない 1~3の糖代謝異常は 次の診断基準により診断する 1 妊娠糖尿病 (GDM) 75gOGTT において次の基準の 1 点以上を満たした場合に診断する (1) 空腹時血糖値 92mg/dL (2)1 時間値 180mg/dL (3)2 時間値 153mg/dL 2 妊娠中の明らかな糖尿病 1 以下のいずれかを満たした場合に診断する (1) 空腹時血糖値 126mg/dL (2)HbA1c 値 6.5% : 随時血糖値 200mg/dL あるいは 75gOGTT で 2 時間値 200 mg/dl の場合は 妊娠中 -10-

12 の明らかな糖尿病の存在を念頭に置き (1) または (2) の基準を満たすかどうか確認する 2 3 糖尿病合併妊娠 (1) 妊娠前にすでに診断されている糖尿病 (2) 確実な糖尿病網膜症があるもの 1 妊娠中の明らかな糖尿病には 妊娠前に見逃されていた糖尿病と 妊娠中の糖代謝の変化の影響を受けた糖代謝異常 および妊娠中に発症した 1 型糖尿病が含まれる いずれも分娩後は診断の再確認が必要である 2 妊娠中 特に妊娠後期は妊娠による生理的なインスリン抵抗性の増大を反映して糖負荷後血糖値は非妊時よりも高値を示す そのため 随時血糖値や 75gOGTT 負荷後血糖値は非妊時の糖尿病診断基準をそのまま当てはめることはできない これら1~3は妊娠中の基準であり 出産後は改めて非妊娠時の 糖尿病の診断基準 に基づき再評価することが必要である 参考 空腹時血糖値 : 食事から 10 時間以上あけて測定した血糖値であり 一般に前日午後 9 時以降絶食とし 翌朝の食前前に採血する 随時血糖値 : 食事に関係なく測定した血糖値である 75gOGTT( 経口ブドウ糖負荷試験 ): 75gOGTT( 経口ブドウ糖負荷試験 ) は 75gのブドウ糖を経口負荷することで食後における 糖のながれ を再現し 血糖値を測定して耐糖能異常 (IGT) を評価する ( 耐糖能とは 食事によって上昇した血糖値を正常に戻す代謝能力のことである ) 2 型糖尿病は発症初期に食後高血糖がみられ 進行してから空腹時高血糖がみられることが多い より早く診断するためには 食後高血糖を捉える OGTT が重要となる 検査手順は次のように行われる a. 朝まで 10 時間以上絶食後 空腹のままでブドウ糖を服用させるが この検査は午前 9 時頃に開始することが望ましい b. 空腹のまま採血し 血糖値を測定する c. 次にブドウ糖 ( 無水ブドウ糖 75g を水に溶かしたもの またはデンプン分解産物の相当量 - 例えばトレーラン G) を飲用させる d. ブドウ糖負荷後 30 分 1 時間 2 時間に採血し血糖値を測定する e. 空腹時血糖値と 75gOGTT による判定基準 (P9 参照 ) に従い 糖尿病型 正常型 境界型のいずれかに判定する 検査終了まで喫煙 運動は控える また 本試験は上部消化管造影 X 線検査や内視鏡検査後には行わない 境界型とメタボリックシンドローム境界型は 75gOGTT で 糖尿病型にも正常型にも属さない血糖値を示す群であるが 数年以内に糖尿病を発病する確率が高いことから 糖尿病予備軍 とされる WHO 分類での IGT( 耐糖能異常 ) と IFG ( 空腹時血糖異常 ) がこの群に相当する 境界型の中には糖尿病の発症過程または改善過程にある症例 -11-

13 が混在し インスリン分泌障害が主たるものとインスリン抵抗性の増大が主たるものがあり 後者にはメタボリックシンドロームを呈するものが多い IGT は動脈硬化を促進する病態でもあるため動脈硬化疾患の合併の有無を確認し 生活習慣の改善 ( 食事量の制限 脂肪摂取の制限 運動の奨励 飲酒習慣の是正 ) 高血圧および脂質代謝異常の改善に努める 参考 日本におけるメタボリックシンドロームの診断には 内臓脂肪の蓄積 ( ウエスト周囲径男性 85cm 女性 90cm) が必須条件で それに加えて 血圧 ( 収縮期 130mmHg 拡張期 85mmHg) 血糖 ( 空腹時高血糖 110mg/dL) 脂質代謝異常(TG 値 150mg/dL HDL-C 値 <40mg/dL) のうち 2 つ以上が基準値を超えていることが条件となっている 糖尿病治療の目標糖尿病は慢性の病気で ほとんどの場合は完治させることはできないため 糖尿病と診断された人は 食事療法 運動療法 薬物療法を組合せながら生涯を通じて治療を継続していく必要がある また 糖尿病は全身の病気であり 高血糖状態が続くと血管や神経の障害が起こり 全身の臓器に異常をきたす このため 治療の目標は血糖値を長期にわたって良好にコントロールし 合併症の発症 進展を予防して 健康者と変わらない日常生活の質 (QOL) の維持 健康者と変わらない寿命の確保が大きな目標となる 血糖コントロール指標 : 糖尿病に関する指標 P6 血糖コントロールの指標では HbA1c 値を重視し 主要な判定はこれによって行うが HbA1c 値では 血糖値の日内変動など細かな変化が把握できず また HbA1c 値に影響を及ぼす血糖以外の因子も少なくない 血糖コントロールの指標には HbA1c 値以外にグリコアルブミン (GA) 1,5-AG(1,5- アンヒドログルシトール ) がある 血糖値は HbA1c 値を補完する指標で 空腹時血糖値は代謝状態を示す指標として比較的安定している 血糖コントロール目標 7 ) 治療目標は年齢 罹病期間 臓器障害 低血糖の危険性 サポート体制などを考慮して個別に設定する 注 1) 適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合 または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標とする 注 2) 合併症予防の観点から HbA1c の目標値を 7% 未満とする 対応する血糖値としては 空腹時血糖値 130mg/dL 未満 食後 2 時間血糖値 180mg/dL 未満をおおよその目安とする 注 3) 低血糖などの副作用 その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とする 注 4) いずれも成人に対しての目標値であり また妊娠例は除くものとする -12-

14 その他のコントロール指標 : 1. 体重標準体重 (kg)= 身長 (m) 身長 (m) 22 BMI(body mass index)= 体重 (kg) [ 身長 (m)] 2 BMI 25 以上を肥満とするが 肥満の人は当面は 現体重の 5% 減を目指す 達成後は 20 歳時の体重や 個人の体重変化の経過 身体活動量などを参考に目標体重を決める 2. 血圧収縮期血圧 130mmHg 未満拡張期血圧 80mmHg 未満血圧測定は通常座位で 5 分程度安静後に行う 糖尿病自律神経障害をもつ例では測定の体位により異なる 立ちくらみなどの訴えがある場合は 体位による血圧の変動の有無を必ず測定する 家庭血圧の測定は 収縮期血圧 125mmHg 未満 拡張期血圧 75mmHg 未満を目標とし 朝は起床後 1 時間以内 排尿後 坐位 1~2 分安静後 降圧薬服用前 朝食前に また夜は就寝前 坐位 1~2 分安静後に測定する 3. 血清脂質 LDL コレステロール 120mg/dL 未満 ( 冠動脈疾患がある場合 100mg/dL 未満 ) HDL コレステロール 40mg/dL 以上中性脂肪 150mg/dL 未満 ( 早期空腹時 ) non-hdl コレステロール * 150mg/dL 未満 ( 冠動脈疾患がある場合 130 mg/dl 未満 ) * 総コレステロール値 -HDL コレステロール 4. 合併症を見いだすための検査と指標眼底 尿中アルブミン 尿蛋白 BUN( 血中尿素窒素 ) クレアチニン Ccr( クレアチニンクリアランス ) アキレス腱反射 振動覚 血清脂質 尿酸 肝機能 血算 胸部 X 線 心電図 血圧 ( 立位 臥位 ) など 糖尿病の予防 ( 健康日本 21 より ) * 1. 肥満を防ぐ [ 肥満者等の割合 ] 20~60 代男性 40~60 代女性 現状 ( 平成 9 年国民栄養調査 ) 24.3% 15% 以下 25.2% 20% 以下 *: 肥満者 =BMI が 25 以上の者 やせ=BMI が 18.5 未満の者 2. 食事食べ過ぎないことと 栄養のバランスをとることが大切 野菜はたっぷりとろう 1 日に 350g 以上 ( うち緑黄色野菜を 120g 以上 ) を目標 甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない 肝での糖新生の材料を減らす -13-

15 調味料はかけずに薄味にしよう 食事は決まった時間に 時間をかけて食べよう ひとり分ずつ 取り分けて食べ 多いときは残そう ながら食いはやめよう お茶碗は小ぶりのものを 食品のエネルギーを知ろう 3. 運動の工夫無理のない 適度な運動をすることでからだについた中性脂肪を減らしたり 筋肉をつけて基礎代謝の多いからだを作り 筋肉への糖の取り込みを高めることが大切 外出するとき 少しだけ早めに歩く 遠回りして歩く距離を増やす 買い物は歩いて 買いだめをせずこまめに行く 3 階までなら階段を使う 1 日 1 万歩を目標に歩く 週に 1 度くらいは 隣の駅まで歩いてみる 周囲の風景などを楽しみ 観察しながら歩く テレビを見ながら ストレッチをする 泳げなくても 水中を歩く 運動療法禁止または制限した方がよい人 糖尿病の代謝コントロールが極端に悪い( 空腹時血糖 250mg/dL 以上または尿中ケトン体中等度以上陽性 ) 心肺機能に障害がある 腎不全がある( 血清 Cr: 男性 2.5mg/dL 以上 女性 2.0mg/dL 以上 ) 高度の糖尿病自律神経障害がある 増殖糖尿病網脈症による新鮮な眼底出血がある 糖尿病の治療 ( 薬物療法 )- 経口糖尿病用剤の適応 - 経口糖尿病用剤による治療は 原則として食事 運動療法が適切に 2~3 ヵ月続けて行っても目標の血糖コントロールを達成できない場合 および膵臓のインスリン分泌能がある程度維持されている場合に行われる 2 型糖尿病の 2 大特徴はインスリン抵抗性と膵 β 細胞機能障害で 治療もインスリン抵抗性改善と膵 β 細胞からのインスリン分泌促進が中心となる 近年経口薬の第一選択として BG 製剤のメトホルミンやインクレチン製剤の DPP-4 阻害剤が使われているが インスリンを介せず SU 剤 BG 剤 DPP-4 阻害剤と同等かそれ以上の血糖降下作用を有する SGLT2 阻害剤も体重減少や脂質代謝改善の効果も併せ持つことから期待されている 経口剤や注射剤は 少量から始め 血糖コントロールの状態を見ながら徐々に増量する 1 種類の薬剤で投与量を増やしても効果が得られない場合 2 種類以上の薬剤の併用を考慮する 作用機序の異なる薬剤の組み合わせは有効と考えられるが 一部の薬剤では有効性及び安全性が確立されていない組み合わせもあり 体重減少や生活習慣の改善による血糖コントロールの改善に伴って糖毒性が解除され 減量 中止が可能になることがある 特に高齢者では低血糖を起こしやすく 認知症による血糖コントロールの悪化がみられる -14-

16 妊娠中または妊娠の可能性がある女性に対しては経口糖尿病用剤を使用せず インスリン療法を選択 する ( 経口糖尿病用剤の催奇形性や胎児への低血糖の影響が否定されていない ) 図 1 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択 ( 日本糖尿病学会編 : 糖尿病治療ガイド , 文江堂より作成 ) 経口糖尿病用剤の分類 製剤 < 表 > 経口糖尿病用剤一覧 P39 2 型糖尿病の基本的な病態は 図 1 に示すように インスリン分泌能低下 と インスリン抵抗性増大 のいずれか または両方によって インスリン作用不足 が惹起され 初期にはまず 食後高血糖 進行すると 空腹時高血糖 が起こってくる 持続すると高血糖による 糖毒性 により さらにインスリン分泌能低下とインスリン抵抗性が進行 悪化する 2 型糖尿病の基本的な病態に合わせて 現在市販されている 7 系統薬剤をそれぞれの作用機序に基づき インスリン抵抗性改善剤 インスリン分泌促進剤 食後高血糖改善剤 の 3 群に分ける 1. インスリン抵抗性改善剤インスリン抵抗性改善剤には ビグアナイド剤 チアゾリジン剤がある 1ビグアナイド (BG) 剤中世ヨーロッパで薬草として用いられたマメ科の多年草 Galega officinalis ( ガレガソウ ) の薬効成分であるグアニジンに血糖作用があることが報告されたが グアニジン自体には毒性があるため 使用可能な成分の開発が進められ 1950 年代にグアニジン環 (HN=C(NH 2 ) 2 ) を 2 つもつ BG 剤が開発された BG 剤の詳細なメカニズムは未だ明らかではないが 肝の糖新生抑制 末梢での糖利用促進 腸管からのグルコース吸収抑制 脂肪酸酸化促進などの作用をもつと考えられている -15-

17 (1) 肝臓における糖新生抑制作用肝臓において AMP キナーゼ (AMPK)* を活性化して糖新生に関わる酵素の発現を抑制することで 肝ブドウ糖放出を抑制する * AMP キナーゼ : 細胞内の ATP 消費を抑え ATP を増加させる方向に代謝調整する酵素で 糖代謝 脂質代謝に働き 糖新生 グリコーゲン合成 脂質合成 蛋白合成など ATP 消費を伴う反応を抑制する 近年メトホルミンが AMPK 経路とは独立して肝においてグルカゴン作用を阻害することにより肝糖産生を抑制することが示されている ミトコンドリアに作用して肝エネルギーチャージを減少させる その結果 AMP が増加してアデニル酸シクラーゼが直接阻害され これにより 細胞内 camp の産生が低下し プロテインキナーゼ A(PKA) 活性化が抑制されるとともに PKA 標的蛋白質のリン酸化が阻害され 最終的に肝糖新生が抑制されると推定されている (2) 肝臓における脂肪酸酸化酵素促進 脂肪酸合成抑制 AMP キナーゼの活性化により AMP キナーゼがアセチル CoA からマロニル CoA への転換を触媒させ 脂肪合成に必須の酵素であるアセチル CoA カルボキシラーゼ (ACC) をリン酸化することにより ACC の活性を低下させ脂肪合成を低下させる また マロニル CoA の産生が低下すると 脂肪酸酸化に関わるカルニチンパルモトイルトランスフェラーゼ 1 の活性が増強して脂肪の酸化が促進する (3) 骨格筋におけるグルコースの取り込み促進作用 AMP キナーゼは骨格筋において糖輸送担体 (GLUT4) の細胞膜上への移行を促進 あるいは GLUT4 の発現を促進することなどにより 筋肉内のブドウ糖取り込みを増加させると考えられている (4) 食欲抑制 体重減少作用グレリンや GLP-1 などの食欲調節作用のある消化管ホルモンに影響を及ぼすとの報告がある BG 剤は 膵 β 細胞のインスリン分泌を刺激したり増強することなく インスリン感受性を改善することにより血糖降下作用を示すと推測されている このため 単剤投与では低血糖を引き起こす可能性が低いうえに 体重の増加が少なく過体重 肥満 2 型糖尿病例では第一選択薬とされるが 非肥満例にも有効であり SU 剤の二次無効例やインスリン治療例にも併用され効果が期待できる 主に空腹時血糖の低下に作用があり 積極的に食後血糖を下げる機序ではないが 肝での糖新生抑制 末梢での糖利用促進 腸管からのグルコース吸収抑制が食後血糖にも効果がある また 用量依存性に効果を発揮し 血糖降下作用は単独でもインスリン分泌刺激剤に匹敵することが明らかになり 我が国でも高用量の使用が承認された ( メトグルコ : 通常 1 日 750~1,500mg 1 日最高投与量は 2,250mg まで ) 現在 欧米では 2 型糖尿病の第一選択薬に推奨されている 〇成分 ( 主な商品名 ) メトホルミン( グリコラン メトグルコ メタクト配合錠 エクメット配合錠 ) ブホルミン( ジベトス ジベトン S) -16-

18 2チアゾリジン剤チアゾリジン剤は PPARγに結合することによりインスリン抵抗性を改善し 血糖値を低下させるばかりでなく 抗動脈硬化ホルモンである高分子量アディポネクチンの増加や血清脂質の改善など大血管障害を抑制する効果が期待されている PPARγは核内受容体型転写因子で脂肪 肝臓 血管壁などに存在して 脂肪細胞分化 脂肪酸の取り込みなどの役割を果たす チアゾリジン剤はこの PPARγに結合し 脂肪細胞の分化誘導を促進してインスリン感受性の高い小型脂肪細胞を増やし 一方でインスリン抵抗性を増悪する肥大化した大型脂肪細胞をアポトーシスし 腫瘍壊死因子 (TNF-α) 遊離脂肪酸(FFA) などのアディポカインを減らすことでインスリン抵抗性を改善している可能性が示唆されている また チアゾリジン剤は脂肪細胞から分泌され インスリン感受性作用を有する高分子量アディポネクチンを増加することで 肝における糖新生を抑制し 骨格筋などの末梢組織における糖の取り込みを高め血糖を低下させる 血中のインスリン濃度も低下されることから インスリン分泌促進作用はなく 単独では低血糖の危険は少ないが 体重増加と浮腫 貧血 肝障害などの副作用が報告されている インスリンとの併用時や女性においては 浮腫が多く報告されていることから 浮腫及び心不全の症状 徴候を十分に観察しながら 1 日 1 回 15mg から投与を開始することが望ましい 投与 3 ヵ月後にはほぼ最大効果を認め緩徐に効果があらわれ 長期にわたり維持される BMI が高いほど 血糖降下作用が増強することが明らかとなっている 〇成分 ( 主な商品名 ) ピオグリタゾン( アクトス メタクト配合錠 ソニアス配合錠 リオベル配合錠 ) インスリン抵抗性改善剤 2 剤の特徴 ビグアナイド剤 チアゾリジン剤 作用機序 肝臓での糖新生の抑制 筋 脂肪細胞での糖の取り込み促進 消化 PPARγに結合して肝臓 骨格筋でのインスリン抵抗性を軽減 管からの糖吸収抑制 インスリン分泌刺激 なし なし 血糖降下作用 中等度 中等度 作用部位 肝臓 > 骨格筋 肝臓 < 骨格筋 低血糖リスク なし なし 肥満助長 なし あり 副作用 消化器症状 乳酸アシドーシス 体重増加 浮腫 貧血 禁忌 腎又は肝機能障害のある患者 心不全 心不全の既往 -17-

19 * SU 受容体 (SUR): SU 受容体には SUR1 SUR2A SUR2B が存在し すべて 2 ヵ所のベンズアミド骨格の結合部位をもつ ABC(ATPbinding cassette) 蛋白ファミリーに属する分子量が約 18 万の膜蛋白質である 17 ヵ所の膜貫通部位が想定されている 膵 β 細胞膜上にはアイソフォームの 1 つである SUR1 が発現しており SU 基とベンズアミド基の部位があり ベンズアミド骨格をもつグリベンクラミドやグリメピリドは 2 ヵ所の部位で強固に結合する 一方もう 1 つのアイソフォームの SUR2 には C 末端側の異なる SUR2A と SUR2B が存在し SUR2A は主に心筋や骨格筋にベンズアミド骨格の結合部位のみを有し SUR2B は血管平滑筋に発現が認められる 膵 β 細胞膜上の KATP チャネルは SUR1 とチャネルポアを形成するサブユニット Kir6.2 が 4 分子ずつ集合しヘテロ 8 量体を構成している 2. インスリン分泌促進剤インスリン分泌促進剤としてスルホニル尿素剤 速効型インスリン分泌促進剤 DPP-4 阻害剤がある 3スルホニル尿素剤 (SU 剤 ) SU 剤は 経口糖尿病用剤のなかでも種類が多い その作用機序は基本的にはどの SU 剤でも同一で 膵 β 細胞膜上の SU 受容体 1(SUR1)* に結合し ATP 感受性 K(KATP) チャンネルを閉鎖して β 細胞膜の脱分極をきたし 電位依存性 Ca チャンネルより細胞外カルシウムが流入してインスリンの分泌を起こす 膵 β 細胞膜上の SU 受容体に 12~24 時間結合するためその作用時間は比較的長く 内服薬の中では血糖降下作用が強い薬剤とされているが SU 剤自身には直接的に血糖を下げる作用はないため 内因性インスリン分泌能が残っている症例に適応となり 1 型糖尿病や膵疾患に伴う糖尿病には無効である また一部の SU 剤で 膵 β 細胞内 camp を感知する Epac2(cAMP-GEFII) へ直接結合し 低分子量 G 蛋白質 Rap1 を活性化することで インクレチンと同様の機序でインスリン分泌を増強させることが明らかになった SU 剤には 第一世代から第三世代までの薬剤があり それぞれ作用時間 効力などが異なっており 血糖降下作用以外の作用をもつ薬剤がある 現在は 第一世代の薬剤はほとんど使われておらず 第二 第三世代の薬剤が使われている 経口糖尿病用剤のなかでは 最も低血糖の頻度が高く 血糖値に依存しない 血糖降下作用の強さはおおむね グリベンクラミド 25mg>グリメピリド 3mg>グリクラジド 40mg の順とされる 服用により血糖は速やかに改善し 低血糖が出現した場合は減量 中止または他剤への変更を考える 長期間使用していると効果が減弱してくる ( 二次無効 ) ことがあるが 他の系統の薬物より二次無効が起こりやすいかどうかについては 一定の成績が得られていない 原因の一つとして 膵 β 細胞の疲弊や SUR1 のダウンレギュレーションによるものと考えられている 食事療法 運動療法がおろそかになると SU 剤の持続的なインスリン分泌促進が加わり体重増加が起こりやすくなる 腎機能障害 肝障害 特に高齢者においては低血糖の危険性が増大するため注意する -18-

20 汎用されている SU 剤の比較 第二世代 第三世代 グリクラジド ( グリミクロン ) グリベンクラミド ( オイグルコン ダオニール ) グリメピリド ( アマリール ) SU 骨格 SU 骨格 SU 骨格 / ベンズアミド骨格 SU 骨格 / ベンズアミド骨格 SUR1 選択性 選択性高い 心筋 SUR2A も結合 *1 心筋 SUR2A も結合 Epac2 結合 作用しない 作用する 作用する 虚血フ レコンテ ィショニンク *2 影響なし 阻害 影響なし 血糖降下力 3 番 ( ク リヘ ンクラミト の約 1/2) 1 番 2 番 ( ク リヘ ンクラミト と同等 ) インスリン分泌促進作用 強 強 中 最高血中濃度到達時間 4 時間 2~4 時間 1.3 時間 血中半減期 8.6 時間 2.7 時間 1.5 時間 *3 作用時間 6~12 時間 12~24 時間 6~24 時間 その他 抗酸化作用 血小板機能 改善作用あり 心機能の副作用 ( 心筋に影 響 ) インスリン抵抗性改善作用 あり *1 心筋の SUR2A には弱い親和性を示すが 心筋細胞のミトコンドリア膜の K ATP チャネルには作用しない *2 虚血プレコンディショニング (Ischemic preconditioning;ipc): 短時間の虚血により心筋細胞の虚血耐性が増強し その後の虚血再灌流による障害が抑制される現象心筋が虚血状態になったときに K ATP チャネルが開口することで心筋収縮力を低下させて心筋を保護する *3 日本糖尿病学会編: 糖尿病治療ガイド ( 文光堂 ) では 3 製剤とも作用時間は 12~24 時間と記載 〇成分 ( 主な商品名 ) 第一世代 : アセトヘキサミド ( ジメリン ) クロルプロパミド ( アベマイド ) グリクロピラミド ( デアメリン S) 第二世代 : グリクラジド ( グリミクロン グリミクロン HA) グリベンクラミド( オイグルコン ダオニール ) 第三世代 : グリメピリド ( アマリール ソニアス配合錠 ) 4 速効型インスリン分泌促進剤 ( グリニド剤 ) グリニド剤は SU 剤と異なり SU 骨格を有さないが SU 剤と同様で膵 β 細胞膜上の SU 受容体に結合し ATP 感受性 K(KATP) チャンネルを閉鎖してβ 細胞膜の脱分極をきたし 電位依存性 Ca チャンネルより細胞外カルシウムが流入してインスリンの分泌を起こす 膵 β 細胞の SU 受容体 (SUR1) との結合は非常に短時間であり 即効かつ短期のインスリン分泌をもたらす 血糖降下作用は SU 剤に比べると弱いが 空腹時に服用すると服用後 15 分程度で効果があらわれ 約 30 分で最高血中濃度に到達するため 食直後に服用し 食後の血糖値上昇に遅延して分泌されるインスリンを健常人のように素早く分泌されるように働く 連日の投与により食後血糖値のみではなく食前血糖値も低下し 結果的に平均血糖値 (HbA1c 値 ) の低下につながり血糖の日内変動を少なくするとの報告もある 副作用の低血糖は SU 剤より頻度は少ない 現在市販されているものにナテグリニド ミチグリニド レパグリニドがあるが ナテグリニドとミチグリニドは SU 受容体の SUR1 に選択で腎臓から排泄されるが レパグリニドはすべての SU 受 -19-

21 容体に結合して主に肝臓で代謝され 胆汁に排泄される 他剤との併用においては ナテグリニドに α-グルコシダーゼ阻害剤 ビグアナイド剤 チアゾリジン剤のみの適応条件が課せられている 速効型インスリン分泌促進剤 ( グリニド剤 ) 一般名 ナテグリニド レパグリニド ミチグリニド 製剤スターシスファスティック シュアポスト グルファスト 1 日量 (mg) 270~360mg 0.75~3mg 30mg 適応 併用 2 型糖尿病の食後血糖推移の改善 2 型糖尿病 α-グルコシダーゼ阻害剤 併用薬剤等の条件の記載なし ビグアナイド剤チアゾリジン剤 投与時間 毎食前 10 分以内 毎食前 10 分以内 毎食前 5 分以内 Tmax(h) 0.9~ ~1 0.23~0.28 T1/2(h) 1.1~ ~1 0.75~11.2 作用時間 (h) 3 4~5 3 SU 結合部位 SUR1 に選択的 全ての SUR SUR1 に選択的 代謝酵素 CYP2C9 CYP2C8 及び一部 CYP3A4 グルクロン酸抱合 (UGT1A9 及び 1A3) 重大な副作用 低血糖 肝機能障害 (0.1% 未満 ) 黄疸 (0.1% 未満 ) 心筋梗塞 ( 頻度不明 ) 突然死 ( 頻度不明 ) 低血糖及び低血糖症状 (19.0%) 肝機能障害 (0.4%) 心筋梗塞 ( 頻度不明 ) 心筋梗塞 (0.1%) 低血糖肝機能障害 〇成分 ( 主な商品名 ) ナテグリニド( スターシス ファスティック ) ミチグリニド( グルファスト グルベス配合錠 ) レパグリニド( シュアポスト ) -20-

22 スルホニル尿素剤 (SU 剤 ) と速効型インスリン分泌促進剤 ( グリニド剤 ) の違い SU 剤 グリニド剤 機序 膵 β 細胞膜上の SU 受容体に結合し インスリン分泌を刺激する 適応 重症 2 型糖尿病 軽症 2 型糖尿病 作用発現時間 時間がかかる 約 30 分 服用時 食前又は食後 食直前 インスリン 空腹時高血糖を是正 食後高血糖を是正 分泌動態 作用 強い 弱い 作用時間 約 6~24 時間 約 3 時間 欠点 肥満を助長しやすい 長期使用により膵 β 細胞が疲弊し 二次無効をきたすことあり 低血糖を起こしやすい 基礎分泌低下症例や SU 剤無効症例では効果が期待できない 5DPP-4 阻害剤薬理的にDPP-4(Dipeptidyl peptidase-4) 作用を阻害することにより インクレチンGIPとGLP-1 の血中濃度を高め 糖濃度依存的にインスリン分泌を促進させ 血糖値を低下させる また 食後のグルカゴンの分泌は抑制するが 低血糖のグルカゴンの分泌は抑制せず 高血糖のみ血糖改善効果を示すため 単剤作用では低血糖を惹起しないと考えられているが SU 剤と併用する場合 低血糖のリスクが増加するおそれがある 単独投与でHbA1cが0.6~1% 程低下する インクレチンとはインクレチンは 食事摂取時に消化管から分泌されて膵 β 細胞からのインスリン分泌を促進するホルモンの総称であり 小腸上部の十二指腸 空腸の粘膜上皮細胞に存在する K 細胞から分泌される GIP(Glucose-dependent insulinotropic polypeptide) と下腹部小腸の回腸粘膜上皮細胞に存在する L 細胞から分泌される GLP-1(Glucagon-like peptide-1) の 2 種類が知られている GLP-1 はインスリン産生と分泌を促進する作用以外に 膵 β 細胞の増殖や新生の促進 グルカゴン分泌抑制 胃排泄遅延作用 中枢を介して食欲の抑制など血糖値を下げる働き 心筋保護作用を有する 一方 GIP の作用は インスリン分泌増強作用に加えて 胃酸分泌抑制 ガストリン分泌抑制 脂肪細胞での脂肪蓄積作用 骨芽細胞でのカルシウム蓄積作用などがある GIP 及び GLP-1 は 食事やブドウ糖の刺激により 血糖値の上昇に伴って細胞内 Ca 2+ 濃度が上昇するとインスリン産生と分泌を促進し 膵 β 細胞の 7 回貫通型 G 蛋白共役受容体である GIP 及び GLP-1 受容体に作用できるが それぞれ単独 もしくは血糖値が低く細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇がみられない状況下では インスリン分泌を刺激しない このため 低血糖をきたしにくいが これらは 血管壁内に広く存在する DPP-4 酵素により速やかに分解 不活性化されて腎臓より排泄されるため GIP の血中半減期は約 5 分 GLP-1 は約 2 分となっている -21-

23 インクレチン GIP と GLP-1 の比較 GIP GLP-1 膵細胞への作用 血糖依存的インスリン分泌促進 血糖依存的インスリン分泌促進 血糖依存的グルカゴン分泌促進 血糖依存的グルカゴン分泌抑制 細胞増殖の促進 細胞増殖の促進 細胞死 ( アポトーシス ) の抑制 細胞死 ( アポトーシス ) の抑制 消化管への作用 胃酸分泌 胃運動抑制 胃排泄遅延 ガストリン ペプシン分泌抑制 脂肪細胞への作用 脂肪蓄積 脳 ( 中枢神経 ) への作用 食欲抑制 心臓への作用 心筋保護作用 骨芽細胞への作用 Ca 蓄積 DPP-4:dipeptidyl peptidase-4 DPP-4 の構造は非共有結合のホモ 2 量体を示す 766 のアミノ酸からなる異型セリンプロテアーゼの 1 種で 分子量 110,000 の糖蛋白で すべての臓器の上皮細胞 腺房細胞 血管内皮細胞 リンパ球などの表面に存在する T 細胞 B 細胞 NK 細胞など生体内に広く分布している また DPP-4 は この細胞膜結合型以外に 血液内に可溶型として存在し ペプチドを切断する酵素活性を介して ペプチドの生理活性を制御する DPP-4 の機能の中で糖尿病治療に関係するのは このペプチダーゼ機能である その機序はペプチドのN 末端から 2 番目に存在するアラニン (Ala) またはプロリン (Pro) を切断することでペプチドの活性化 不活性化に関与する DPP-4 の基質には 多種類のケモカイン サイトカイン ニューロペプチド ホルモン 生理活性化ペプチドなど多く存在する DPP-4 阻害剤と GLP-1 作動剤との比較 ( 次ページ 表 1 参照) GLP-1 作動剤と比較すると 血糖改善効果や膵 β 細胞の保護作用はやや劣るが 経口剤のため患者のアドヒアランスの点では優れている また GLP-1 作動剤では有意な体重減少が報告されているが DPP-4 阻害剤には あきらかな食欲抑制作用や体重減少作用が存在しないため 食事指導は心掛ける 薬物動態からみると 内服後速やかに吸収され 食事による影響はないため 食前食後に関係なく服用することができる 〇成分 ( 商品名 ) シタグリプチン( ジャヌビア グラクティブ ) ビルダグリプチン( エクア エクメット配合錠 ) アログリプチン( ネシーナ リオベル配合錠 ) リナグリプチン( トラゼンタ ) テネリグリプチン( テネリア ) アナグリプチン( スイニー ) サキサグリプチン( オングリザ ) トレラグリプチン( ザファテック ) オマリグリプチン( マリゼブ ) -22-

24 表 1 DPP-4 阻害剤と GLP-1 作動剤の比較 (Kendall,D.M.et al.:am.j.med,122) DPP-4 阻害剤 ( シタグリプチン ビルダグリプチン 他 ) GLP-1 受容体作動剤 ( エキセナチド リラグルチド 他 ) HbA1c 0.5~1.1% 低下 HbA1c 0.6~1.5% 低下 体重増減なし 体重減少あり 経口剤 注射剤 有意な消化器系副作用なし 消化器系副作用あり ( 嘔吐 嘔気 下痢 ) 低血糖の発生頻度は低い 低血糖の発生頻度は低い 食後インスリン分泌改善 食後インスリン分泌改善 グルカゴン分泌低下 グルカゴン分泌低下 摂食量減少 胃排泄抑制 胃酸分泌抑制 食欲低下 注 :GLP-1 受容体作動剤の使い始めには 嘔吐などの消化器系副作用が出ること があり 慣れるまでに 2 ヵ月程度を要する < 参考 > 用法 1 週間 1 回の DPP-4 阻害薬 ( ザファティック マリゼブ ) をのみ忘れた時は ( 武田薬品工業 HP ザファテック錠服用時の留意点 より ) 3. 糖吸収 排泄調節剤糖吸収 排泄調節剤として 食後の高血糖を改善するα-グルコシダーゼ阻害剤 腎臓でのグルコース再吸収を抑制し尿中の余分なグルコースを体外に排出することで血糖値を低下させる選択的 SGLT2 阻害剤がある 6α-グルコシダーゼ阻害剤 (α-gi) 通常 摂取した糖質は唾液や膵液中のα-アミラーゼにより二糖類に分解され 次いで小腸粘膜上皮細胞の刷子縁にある α-グルコシダーゼ ( 二糖類水解酵素 ) によって単糖類 ( ブドウ糖や果糖 ) に分解されて絨毛上皮から吸収される -23-

25 α-gi は α-グルコシダーゼ α-アミラーゼ ( アカルボースのみ ) の活性部位に結合して競合的に阻害することで 糖類の分解を遅延させる 軽症糖尿病の場合 インスリンは遅延過剰反応を示すことが多いため 血糖の上昇 ( 糖の吸収速度 ) とインスリンの分泌のタイミングを合わせ 食後高血糖を是正することで 効果を発揮させるためには 食物 ( 炭水化物 糖類 ) に先行して小腸に到達して食物と混在する時間帯 - 食直前に服用しなくてはいけない また この作用は可逆的な結合による糖類の分解遅延だけで 小腸の下部に行くに従って α-グルコシダーゼの阻害活性が弱まり 最終的には糖類はすべて吸収されるため 食事療法の厳守が必要となる α-gi は インスリンの過剰な上昇を抑制することで膵 β 細胞への負荷を軽減し 肥満の改善 脂質異常の改善に働く 単独では低血糖をきたす可能性は低いため他の糖尿病用剤 ( インスリン製剤も含む ) との併用も可能であるが 低血糖に対してはブドウ糖を速やかに経口する 主な副作用として 腹部膨満感 放屁の増加 下痢が認められる 食後高血糖を改善することで糖毒性が解除され 2 次的に空腹時血糖値の低下が期待できる 〇成分 ( 主な商品名 ) アカルボース( グルコバイ ) ボグリボース( ベイスン ) ミグリトール( セイブル ) α-グルコシダーゼ阻害剤の特徴 一般名 アカルボース ボグリボース ミグリトール 製剤 グルコバイ -OD ベイスン -OD セイブル -OD 1 日量 150~300(mg) 0.6~0.9(mg) 150~225(mg) 適応 併用 糖尿病の食後過血糖の改善経口血糖降下薬インスリン製剤 1 糖尿病の食後過血糖の改善経口血糖降下薬インスリン製剤 錠 -OD 錠 0.2 のみ 2 耐糖能異常における 2 型糖尿病の発症抑制 糖尿病の食後過血糖の改善スルホニルウレア剤ビグアナイド系薬剤インスリン製剤 作用機序 α-アミラーゼ阻害 α-グルコシダーゼ阻害 α-グルコシダーゼ阻害 α-グルコシダーゼ阻害 小腸上部での吸収 未変化体は吸収されない 未変化体は吸収されない 1/2 未変化体が吸収 作用部位 小腸全体 小腸全体 小腸上部に集中 大腸に到達する状態 大分子 ( オリゴ糖 ) 小分子 ( 二糖類 ) 小分子 ( 二糖類 ) 消化器症状 放屁増加 (15.8%) 腹部膨満 鼓腸 (13.3%) 鼓腸 (17.4%) 腹部膨満 (13.1%) 放屁増加(4.0%) 鼓腸 (19.1%) 腹部膨満 (14.9%) -24-

26 食後高血糖改善作用の 2 剤の特徴 α-gi グリニド剤 作用機序 小腸で糖の吸収を遅らせて食後血糖の上昇を遅らせる 膵 β 細胞膜上の SU 受容体に結合してインスリン分泌を促進 適応 糖尿病 ( インスリン製剤との併用可 ) 2 型糖尿病 ( インスリン分泌能が少なくともある ) 肥満の助長 ない 弱い 低血糖時 必ずブドウ糖を投与 砂糖 ( ショ糖 ) またはブドウ糖 飲み忘れ 食事中であればすぐに服用 服用せず 次の食事の食直前に服用 副作用 放屁増加 腹部膨満 鼓腸 低血糖 肝機能障害 7SGLT2 阻害剤体内のグルコースは 吸収 消費 蓄積 糖新生 再吸収等の過程で 絶えず細胞膜を通過し細胞間を移動する 親水性物質のグルコースが細胞の脂質二重膜を通過するには 膜上でグルコースと結合して細胞への出し入れを担う膜蛋白 糖輸送体 ( グルコーストランスポーター ) が必要となる グルコーストランスポーターには 促進拡散型グルコース輸送体 (GLUT:glucose transporter) と Na + / グルコース共輸送体 (SGLT:sodium glucose co-transporter) とがある GLUT がグルコース濃度勾配に沿って受動輸送を行うのに対し SGLT は Na + 濃度勾配を駆動力として グルコース濃度の低いほうから高いほうへと取り込める強力なトランスポーターである GLUT はすべての細胞に発現するが 2 種類の SGLT は腎尿細管や小腸ほかいくつかの組織において発現が確認されている グルコースは 1 日約 180g が糸球体でろ過され原尿中に移行する グルコースは重要なエネルギー源なので近位尿細管の上流側と下流側の 2 種の SGLT の働きですべてのグルコースが再吸収される 上流側の近位尿細管では SGLT2 を介して約 90% のグルコースが回収され 残りの 10% は下流側の SGLT1 によって回収される SGLT1 2 により管腔膜から尿細管上皮細胞内に取り込まれ 血管側の GLUT を介して血中に戻されるため 正常では尿中にほとんど排出されない 1980 年代になってリンゴやナシの樹皮に含まれる配糖体であるフロリジンは SGLT を阻害することで尿糖排泄作用を示すことが明らかとなった SGLT2 阻害剤は 既存の経口血糖降下剤と異なった作用機序として近位尿細管に存在する SGLT2 のグルコース再吸収を選択的に阻害することで 過剰なグルコースを尿糖として排泄を促進させ血糖コントロールを得るとして開発された 作用点が腎臓にあるため腎機能の低下に伴って血糖降下作用が減弱する 高血糖でない時は原尿中グルコースも少ないため SGLT2を阻害しても尿糖排泄は相対的に少なくなり 一定量のグルコースがSGLT1 により再吸収されると考えられるため 過度に血糖を低下させる可能性が低く 低血糖を生じにくい また インスリン分泌には 直接作用しないので 単独投与なら低血糖のリスクや膵 β 細胞を疲弊させるリスクは低いと考えられるが 他の糖尿病用剤と併用した場合は 低血糖を起こすおそれがあるので 他の糖尿病用剤と本剤を併用する場合には 低血糖の症状及び対処方法について説明を十分行い 注意喚起を行う SU 剤やチアゾリジン剤では体重の増加が課題とされているのに対し SGLT2 阻害剤は1 日当たり グルコース換算で約 90~100g カロリー換算で約 400kcalを排泄することで 有意な体重の減少を示す -25-

27 現在市販されている 6 種類の薬剤比較においては SGLT2 選択性 蛋白結合率 血中半減期に違 いはあるが 有効性や安全性に大きな差はないとされている 〇成分 ( 商品名 ) イプラグリフロジン( スーグラ ) ルセオグリフロジン( ルセフィ ) トホグリフロジン( アプルウェイ デベルザ ) ダパグリフロジンプロピレングリコール ( フォシーガ ) カナグリフロジン( カナグル ) エンパグリフロジン( ジャディアンス ) SGLT1 と SGLT2 の比較 SGLT1 SGLT2 発現部位 主に小腸 腎近位尿細管 腎臓にのみ 近位尿細管での局在 下流 上流 発現量 少ない 多い 輸送能 低い 高い グルコース再吸収率 約 10% 約 90% Na + / グルコース 1 分 2 個のNa + と共役 1 個の Na + と共役 親和性 高親和性 (SGLT2 の約 140 倍濃縮力 ) 低親和性 参考 <SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation>( 抜粋 ) ( 日本糖尿病学会 SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会 より 2014 年 8 月 29 日改訂 ) p?file=/uid000025_ f6d6d656e f6e5f53474c54322e このたび本委員会 (SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会 ) が入手した資料によれば 予想された副作用である尿路 性器感染症に加え 重症低血糖 ケトアシドーシス 脳梗塞 全身性皮疹などの重篤な副作用が発症している この中には 現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが 多くが当初より懸念された副作用であることから 本委員会としては 今の時点でこれらの副作用情報を広く共有することにより 今後 副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する Recommendation 1. インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には 低血糖に十分留意して それらの用量を減じる ( 方法については略 ) インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である 患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと 2. 高齢者への投与は 慎重に適応を考えたうえで開始する 発売から3ヶ月間に65 歳以上の患者に投与する場合には 全例登録すること 3. 脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること 利尿薬との併用は推奨されない -26-

28 4. 発熱 下痢 嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合 ( シックデイ ) には必ず休薬する 5. 本剤投与後 薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し 皮膚科にコンサルテーションすること また 必ず副作用報告を行うこと 6. 尿路感染 性器感染については 適宜問診 検査を行って 発見に努めること 問診では質問紙の活用も推奨される 発見時には 泌尿器科 婦人科にコンサルテーションすること 7. 原則として 本剤は当面他に 2 剤程度までの併用が推奨される 参考 ( デベルザ錠 インタビューフォームより ) -27-

29 糖の流れと糖尿病用剤の作用部位 副作用 < 表 > 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 P44 < 表 > 経口糖尿病用剤の重大な副作用とその対策 P48 低血糖良好な血糖コントロールを目指すほど低血糖のリスクは増え 低血糖発作は患者の QOL を下げ 治療に対する恐怖を与えかねない そのためにも低血糖を回避しつつ血糖コントロールを維持する必要がある また 高所作業 自動車の運転等にも注意する 病態 症状正常では 血糖値は常に 70mg/dL 以上に維持されており 低血糖は 70mg/dL 以下の状態をいう 血糖値が 80mg/dL 付近まで低下すると膵臓からのインスリン分泌は減少し 70mg/dL 付近まで低下してくるとインスリン拮抗ホルモンであるカテコールアミン グルカゴン コルチゾールなどが分泌され 血糖が低下しないように作用する この際 カテコールアミン分泌により動悸 冷汗 振戦 高度の空腹感などの自律神経症状が出現し 脱力感 思考力の低下 錯乱などの中枢神経系症状は脳神経のブドウ糖の欠乏によって起こる 血糖値 30mg/dL 以下になると意識レベルが低下し 昏睡へと進行し 低体温 けいれんをきたす 昏睡に陥って 4 時間以上経過すると脳浮腫をきたし 死に至ったり 回復しても脳機能障害を残す可能性があるため 高血糖よりもむしろ危険である -28-

30 要因 誘発低血糖をきたす要因として ( 表 2) インスリン作用に見合った食事が摂取できなかったり 運動や労働により通常よりブドウ糖消費が多くなったなどの場合にみられる また 前夜にアルコールを過飲すると翌朝低血糖の発作を起こしやすい 表 2 低血糖の要因 誘発 ( 井窪万里子他 : 治療 Vol92,No.4, ,2010) 食事量が少ない 食事時間が遅れる 体調が悪く摂取が少なかった ( シックデイ ) 薬 注射をしたが 用事ができてすぐ食事摂取できなかった 病院に行くために食事をいつもより控えめにした 普段より運動量や運動量が増加 とくに朝食前 夕食前など空腹時の運動 運動後 6~15 時間経過してから起きることがある インスリン量が多すぎる 内服薬が過剰 インスリン量の間違い 服薬の間違い 意図的に増量した 血糖上昇とインスリン効果のタイミングのずれ 超速効型 速効型インスリン グリニド系薬剤と食事摂取 胃腸通過障害停滞 胃切除 早食い 軽症糖尿病 炭水化物の少ない食事 食物繊維が多い α-gi アルコール摂取 下痢による吸収 ほかの薬剤との相互作用 対策低血糖の症状を感じて 経口摂取が可能な場合は ブドウ糖 (5~10g 砂糖の場合は少なくともブドウ糖の倍量 ) またはブドウ糖を含む清涼飲料水 (150~200mL 缶ジュースなら 1 本 ) を飲む 飴玉やチョコレートは吸収に時間がかかり また α-グルコシダーゼ阻害剤を服用中の場合は 砂糖は十分に吸収されないので ブドウ糖またはブドウ糖を含む清涼飲料水を摂る 症状が改善してもすぐに立ち上がらず 30 分位はそのままで安静にする 約 15 分後も低血糖が持続しているようならば 再度同一量を摂取し 70mg/dL になるまで繰り返す 経口摂取が不可能な場合は ブドウ糖または砂糖を唇と歯肉の間に塗りつけ またグルカゴンがあれば 1 バイアル (1mg) を家族が注射し 主治医と連絡をとり医療機関へ運ぶ グルカゴンは上腕外側部 臀部 大腿の上半分の外側のいずれかに筋肉または皮下注射する インスリン注射とは少し異なるのであらかじめ医療機関で指導を受けておく必要がある 低血糖は投与中止後 臨床的にいったん回復したと思われる場合でも数日間は再発することがある 予防低血糖を起こしたとき すぐに対処できるようブドウ糖をバックや引き出しの中など手が届くところに持っておく また 必ずしも本人が対処できない場合もあるため 家族にも対処法を伝えておく必要がある 食間が長いと低血糖が起きやすいため 長時間何らかの作業に従事するときや自動車運転時には -29-

31 糖質が含まれる飲み物や飴 キャラメルなどを用意して舐めるなどの予防をする 治療している内服薬や注射名を明記して 糖尿病患者 ID カード 私は糖尿病患者です と共に 携帯しておく シックデイ (sick day) への対応シックデイとは 糖尿病患者が治療中に一般には発熱 下痢 嘔吐をきたし または食欲不振のため食事ができないなどの一過性の急性疾患の状態を示す 下痢 嘔吐による水分喪失 嘔気による水分補給不足 発熱による脱水や感染 外傷 手術などのストレスも高血糖の原因となる また 逆にストレスがそれ程でもないときに 食欲不振などで摂取エネルギーが低い状態で普段と同一量のインスリン投与を行うと低血糖を引き起こすこともある シックデイ対応 1. シックデイのときには主治医に連絡し指示を受けるよう平素より患者に指導する インスリン治療中の患者は 食事がとれていなくても自己判断でインスリン注射を中断してはならない 発熱 消化器症状が強いときは必ず医療機関を受診するよう指導する 2. 十分な水分の摂取により脱水を防ぐように指示する ( 来院した患者には点滴注射にて生理食塩水 1L から 1.5L/ 日を補給する ) 3. 食欲のないときは 日頃食べ慣れていて口当たりがよく消化のよい食物 ( たとえば おかゆ ジュース アイスクリームなど ) を選び できるだけ摂取するように指示する ( 絶食しないようにする ) 特に糖質と水の摂取を優先する 4. 自己測定により血糖値の動きを 3~4 時間に 1 回ずつ測定し 血糖値 200mg/dL を超えてさらに上昇の傾向がみられたら その都度 速効型または超速効型インスリンを 2~4 単位追加するように指示する 5. 来院時には必ず尿中ケトン体の測定を行う 入院を考慮して早急に対処が必要なとき 1. 高熱が 1~2 日以上続くとき 2. 嘔吐や下痢が続き 食事摂取が困難なとき 3. 高血糖 (350mg/dL 以下にならない ) や尿中ケトン体陽性が続くとき 4. 高血糖に伴う症状 ( 口渇 多飲 多尿 急激な体重減少 意識障害 ) があるとき 5. 脱水 尿量減少があるとき 睡眠障害糖尿病患者に睡眠障害が多くみられる 睡眠不足はインスリン分泌量には変化を与えないが インスリン感受性を低下させ 耐糖能悪化による 血糖上昇が知られている また 睡眠時間が 5 時間未満の人は 7~8 時間の人と比べ 糖尿病発症リスクが増大することや 睡眠時間の短縮 睡眠の質の低下が肥満とともに糖尿病発症の大きな危険因子であることが報告されている 睡眠時間減少の原因としては 多飲多尿による夜間のトイレや 神経障害で下肢の痛みや痺れのために不眠になったりすることが指摘されている また 低血糖を起こさないかが不安で不眠になる場合もあるという 不眠は それ自体がストレスとなり それによりコルチゾールや成長ホルモンなどの ストレスホルモン や神経を興奮させる働きのあるノルアドレナリンが多く分泌され これらの物質が血糖値を上げるように働くため 糖尿病の悪化につながる -30-

32 このようなことから不眠を改善することで代謝状態も改善し 血糖のコントロールも良好になるこ とが示唆されている 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への投与 妊娠糖尿病の定義と診断基準 P10 妊娠時の糖代謝異常には 妊娠時に初めて耐糖能低下が見つかった場合の妊娠糖尿病 (GDM) と既に糖尿病の診断がついている女性が妊娠した場合の糖尿病合併妊娠の 2 つがある 妊娠初期の血糖コントロールがうまくできない場合 胎児の先天異常や流産が高率になるため HbA1c 7.0% 未満が妊娠を許容できる目安となる また 妊娠中の血糖コントロールは 母体や胎児の合併症を予防するため 朝食前血糖値 70~100mg/dL 食後 2 時間血糖値 120mg/dL 未満 HbA1c 6.2% 未満を目標とする 経口糖尿病用剤は 現時点で 催奇形性や胎児への低血糖の影響が否定されていないため使用せず インスリン療法を選択する インスリン抵抗性が増大する妊娠中期以降には必要に応じてインスリン投与量を増量し 分娩後には速やかに減量または中止できる症例もある 高齢者への投与加齢に伴う体組成の変化や膵 β 細胞におけるミトコンドリア機能の低下 また運動量の低下や糖質過剰な食事などを背景に 高齢者においては 遺伝因子の有無にかかわらず 加齢自体が インスリン抵抗性増大 と インスリン初期分泌の遅延 低下 を招くことから 高齢になって発症した者と青壮年発症から高齢になった者に分けて 患者の年齢と罹患期間 慢性合併症の発症に要する年月を考慮して 血糖コントロールの目標を決定する 高齢者では腎 肝臓の予備能低下により 薬剤の副作用として低血糖を生じやすく 軽症例では食前より食後血糖が高値を示し 朝食前に比べて夕食前や午前 2 時 ~ 午前 5 時頃の間に低血糖を起こすことが多い そのため 夜間トイレに立って転倒し 寝たきりにならないよう良好な血糖コントロールの維持が必要とされる 低血糖の異常行動は 認知症と間違われやすいので 疑わしい場合は SU 剤を減量することがあるが 認知症がある場合は血糖コントロールの悪化が問題となる 高齢者では 渇中枢の純化により 喉の渇きの自覚がない場合が多く 脱水状態になりやすいため 高浸透圧性昏睡に陥ることがある 夏場や運動中など汗をかきやすい状況では定期的に水分を摂取するよう指導する また 血糖コントロールが不良だと歯周病が増悪しやすい 相互作用 < 表 > 糖尿病患者に対して 禁忌 と記載のある薬剤 P49 < 表 > 経口糖尿病用剤の他糖尿病用剤との併用 P54 血糖降下作用を増強する薬剤( インスリン製剤 各種血糖降下剤 (SU 剤 BG 剤 インスリン抵抗性改善剤 α-gi 剤 DPP-4 阻害剤 ) ピラゾロン系消炎剤 サルファ剤 クロラムフェニコール プロベネシド ワルファリンカリウム NSAIDs フィブラート系薬剤 アゾール系抗真菌剤 ジヒドロエルゴタミン製剤 グアネチジン β 遮断剤 モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 テ -31-

33 トラサイクリン系抗生物質 クラリスロマイシン シプロフロキサシン 蛋白同化ホルモン剤 レセルピン シベンゾリンコハク酸塩など ) 低血糖症状 血糖降下作用を減弱する薬剤( アドレナリン 副腎皮質ホルモン 甲状腺ホルモン 卵胞ホルモン ピラジナミド イソニアジド ニコチン酸 インドメタシン 利尿剤 フェノチアジン系薬剤 フェニトイン リファンピシン ブセレリン酢酸塩など ) 高血糖症状 アンジオテンシン変換酵素阻害剤 低血糖が起こりやすいとの報告がある ヨード造影剤( 尿路 血管用 ) BG 剤 ( メトホルミン塩酸塩 ) との併用で乳酸アシドーシスがあらわれるおそれがある OTC 薬 糖尿病用薬として 漢方製剤が販売されている糖解散 強活腎散 強力蘇命湯 五苓散 竹葉石膏湯 八味地黄丸 白虎加人参湯などがあり シノミッテルカプセルにおいては 糖尿病を改善するために考え出された生薬製剤 と記載されている サルチル酸含有製剤アスピリンなどのサルチル酸製剤には 血糖降下作用があるため 併用により作用が増強され 低血糖症状を起こす可能性がある 民間療法民間療法には確実な有効性 安全性が確立しているわけではない 民間療法を実施している患者は糖尿病治療に対しての満足度が低く 血糖コントロールが不良の場合が多い 問題となるのは 民間薬に頼り切って 食事療法 運動療法 薬物療法を中断してしまうケースである また 血糖降下作用をもつ成分を知らずに摂取して 治療の妨げになる場合があるので むやみに摂取 取り入れることは慎むべきである 正しい情報を提供し 誤った情報に騙されないよう アドバイスも必要である 急性糖尿病合併症急性合併症は 高度のインスリン作用不足によって引き起こされ 糖尿病のいかなる時期にも起こりうる 糖尿病ケトアシドーシスとケトン体産生量が比較的少ない高血糖性高浸透圧昏睡があるが いずれも重症になると意識障害の原因になるため 早急かつ的確な対応が必要となる 糖尿病ケトアシドーシス (DKA:diabetic ketoacidosis): 主に 1 型糖尿病に多く 高度なインスリン作用不足にコルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの上昇が加わって生じる 高血糖 ( 300mg/dL) 高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加 ) アシドーシス(pH7.3 未満 ) をきたした代謝失調状態が糖尿病ケトアシドーシスである 肝臓 筋 脂肪組織は 実際には高血糖であるにもかかわらず 糖を取り込むことができないた -32-

34 症状 身体所見め飢餓状態と 勘違い してしまう 脳を守るために脂肪組織において遊離脂肪酸 (FFA) が脂肪 分解によって生じ 代謝されるとケトン体が生産され 蓄積する 一方 肝臓ではグリコーゲン分 解による糖の放出や糖新生が行われ さらに血糖は上昇し これにより血漿浸透圧が上昇し細胞内 脱水が生じる 症状は激しい口渇 多飲 多尿 強い全身倦怠感 悪心 嘔吐 腹痛 血圧低下 頻脈 意識障害 重症では昏睡をきたす 治療としては 循環虚脱状態を脱するまでは生理食塩水 を成人では 1,000mL/ 時間 (14~20mL/kg/ 時間 ) の速度で点滴し 速効型インスリンの投与が行わ れる 糖尿病ケトアシドーシスと高血糖性高浸透圧昏睡の比較 6) 糖尿病ケトアシドーシス 高血糖性高浸透圧昏睡 誘因 インスリン絶対欠乏 高度脱水 発症年齢 若年者 (1 型に多い ) 高齢者 (2 型に多い ) 前駆症状 激しい口渇 多飲 多尿 体重減少 強い全身倦怠感 悪心 嘔吐 腹痛 倦怠感 悪心 嘔吐 皮膚 粘膜の乾燥 頭痛 腹痛 けいれん 脱水 (+++) (+++) 呼気アセトン臭 (+) (-) 呼吸 過呼吸 Kussmaul 大呼吸 ほぼ正常 血圧 低下 低下 脈拍 頻脈 微弱 頻脈 循環虚弱 神経学的所見はっきりしないけいれん 振戦など検査所見血糖中 ~ 高度上昇 (250~1,000mg/dL) 高度上昇 (600~1,500mg/dL) 尿中ケトン体 強陽性 陰性 ~ 弱陽性 血液ガス ph ~7.4 - 血液ガス HCO 3 10mEq/L 以下 16mEq/L 以上 浸透圧 軽度上昇 ( 正常 ~330mOsm/L) 著明に上昇 (335mOsm/L 以上 ) Na 軽度低下 (130mEq/L 未満が多い ) 上昇 (140mEq/L 以上 ) BUN 増加 著明に増加 遊離脂肪酸 増加 ほぼ正常 ( ときに低値 ) その他の特徴 反復傾向あり 改善後は血糖コントロール良好 鑑別を要する疾患 脳血管障害 低血糖 肝膵疾患 代謝性アシドーシス 急性胃腸障害 急性呼吸障害 脳血管障害 低血糖 けいれんを伴う疾患 注意すべき合併症 ( 治療経過中に起こりうる ) 急性胃拡張 腎不全 低 K 血症 脳浮腫 急性感染 急性胃拡張 腎不全 低血圧 脳梗塞 脳浮腫 心不全 動脈血栓 ソフトドリンクケトーシス ( ペットボトル症候群 ): 主に2 型糖尿病の清涼飲料多飲者に起こる糖尿病ケトーシスをいい 青年期の高度肥満男性に好発する 病識のない肥満 2 型糖尿病患者がソフトドリンクによるショ糖過剰摂取を習慣的に行い 高血糖による糖毒性が生じてインスリン分泌と作用が低下して ケトーシスを起こす -33-

35 口あたりの良い清涼飲料などを飲んだ直後は口の渇きもなくなるが 糖質が多く含まれているため 血糖値が上昇する 血糖が上昇すると口が渇くため さらに清涼飲料を飲むという悪循環になる * コーラやジュース 缶コーヒーなどは砂糖やブドウ糖 果糖などを約 10% 含んでいる スポーツ飲料でも 5~6% の糖質がある 例えば 1.5L のペットボトルの炭酸飲料なら角砂糖 (3g) で 50 個分 150g 入っているという ちなみに 白米ご飯 1 膳 (150g) に 糖質は約 55g 入っている 高血糖性高浸透圧昏睡 (HHS:hyper- osmolar hyperglycemic syndrome): 2 型糖尿病で軽度でも意識障害を認めた場合には 高血糖性高浸透圧昏睡を疑う 血糖値が 600mg/dL 以上で 主に 2 型糖尿病の高齢者に多く インスリン抵抗性に伴うインスリン作用不足とインスリン抵抗ホルモンの作用促進による高血糖に 発熱や嘔吐 下痢 ストレス 脱水が加わり 血漿浸透圧上昇や浸透圧利尿が起こる 高齢者に多くみられる 症状は皮膚 口腔粘膜乾燥 血圧低下 頻脈 けいれん 意識障害をきたすが 脱水が重症化すると昏睡に至る 治療としては 循環虚脱状態を脱するまでは生理食塩水を用い インスリンの投与が行われる 感染症 : 糖尿病患者では多核白血球の機能障害や細胞性免疫能の低下など宿主の感染抵抗性が低下している上に高血糖の状態は微生物にとっては好環境である 細菌感染を受けやすいため 足の皮膚感染症 手術 ( 抜歯 ) 時には十分な感染対策が望まれる 慢性糖尿病合併症 < 表 > 糖尿病合併症治療剤一覧 P55 糖尿病網膜症 : 長時間持続する高血糖によって 網膜の微小管壁の変性 基底膜の肥厚による血流障害 血液成分の漏出などが原因となり 未治療で放置した場合 糖尿病発症後に数 ~10 年で約 50% が発症し 黄斑症 ( 黄斑浮腫 ) を起こしたり 網膜および硝子体内に新生血管が生じ 硝子体出血や牽引性網膜剥離を起こして視力が低下する いったん網膜症が進行すると 血糖コントロールが改善されても治癒せず 放置して進行すると失明に至る 糖尿病患者の約 40% が合併しており 我が国の失明原因の第 1 位である 糖尿病性腎症 : 糸球体の細小血管変性が起こり 血管周囲の結合組織であるメサンギウムが増殖し 糸球体の構造が破壊され 進行すれば慢性腎不全となり 放置すると透析導入もしくは腎移植をしなければならない状態になる 主徴候は尿蛋白であり 我が国の透析導入原因の第 1 位である 臨床的には 糸球体濾過量 (GFR 推算糸球体濾過量:eGFR で代用 ) と尿中アルブミン排泄量 (UAE) あるいは尿蛋白排泄量によって評価する ( 一般社団法人全国腎臓病協議会ホームページ参照 ) 高血圧の十分なコントロール (JSH2014 糖尿病降圧目標 130/80mmHg 未満 ) や ACE 阻害剤 アンジオテンシンⅡ 受容体拮抗剤の使用は 蛋白尿の増加や腎機能の低下を抑制するため腎症の進行を遅らせる -34-

36 糖尿病神経障害 : 糖尿病神経障害には 多発性神経障害と単神経障害があり 比較的早期から出現する頻度の高い障害で 中でも多発性神経障害が多く発症する 多発性神経障害両足の感覚神経障害 ( しびれ 疼痛 感覚低下など ) から温度や痛みを感じにくくなり ケガやヤケドの原因となる また 自律神経障害 ( 起立性低血圧 嘔気 嘔吐 便秘 下痢 膀胱機能障害 無痛性心筋虚血 勃起障害など ) も生じる 多発性神経障害の予防 治療には 血糖コントロールの維持 アルドース還元酵素阻害剤 ( エパルレスタット ) が使われ 各症状には対症療法が行われる 自発痛 ( 穿刺痛 電撃痛 灼熱痛など ) を呈する有痛性神経障害では Ca 2+ チャネルα2δリガンド ( プレガバリン ) セロトニン ノルアドレナリン再取り込阻害剤 ( デュロキセチン ) 抗不整脈剤( メキシレチン ) 抗けいれん剤( カルバマゼピン ) 三環系抗うつ剤などを単独または併用で用い 副作用が出現した場合には中止 変更する 慢性例では治療に抵抗性のことが多いので 心理的サポートも必要である 血管運動神経機能低下による起立時眩暈 失神 ( 起立性低血圧 ) には 血管収縮剤を 消化管運動神経機能低下による嘔気 便秘 下痢 血糖不安定にはモサプリドなどを 勃起障害 (ED) には ED 治療剤を用いる 単神経障害栄養血管の閉塞による脳神経麻痺が起こり 外眼筋麻痺 顔面神経麻痺が多く 95% 以上の症例で 3 ヵ月以内に自然寛解する 虚血性心疾患 脳梗塞 : 糖尿病患者は大血管の動脈硬化により 虚血性心疾患 脳梗塞になりやすく 非糖尿病者の 2~4 倍高頻度である 自律神経障害があると狭心痛などの自覚症状があらわれず 無痛性の心筋虚血を繰り返してしまい 重症の心筋梗塞を発症することになる 糖尿病足病変 : 潰瘍 壊疽の直接の成因には 糖尿病多発性神経障害 微小循環障害 閉塞性動脈硬化症 (ASO) 外傷 感染症などが複雑に関連しており 感覚鈍麻による熱傷や靴づれ タコや外傷などが引き金となり 高血糖が創傷治癒を遅延させるため感染が潰瘍 壊疽へ進行し 予後不良のため最終的には足を切断することになりかねない 毎日素足をよく観察し 感染 外傷 爪の変色 白癬 胼胝などの異常があれば主治医に相談するように指導するが フットケアによる予防 早期発見が重要になる 自発痛を訴えなくなった場合は 知覚鈍麻に陥った可能性が考えられる <フットケア> 糖尿病足病変を予防 早期発見するためにも 次のことに心掛ける 1 足を毎日よく見て 変色した部分 痛み きり傷などがないか確かめ 足の裏側は手鏡に映すなどすると良い 2 足を清潔に保つ 3 爪はヤスリで削るなどして深爪をしないようまっすぐになるように切る 4 熱さにも鈍くなっているため こたつや電気カーペット 入浴などでの低温ヤケドにも注意する 5 通気性の良い綿かウールの靴下を履き 足全体にフィットし つま先がゆったりしたかかとのあ -35-

37 まり高くない靴を選ぶ 手の病変 : 糖尿病患者が手のこわばり 指の動きの制限 痛みなどを訴えた場合は 糖尿病に伴う手の病変として 狭窄性屈筋腱腱鞘炎 ( 腱鞘炎 ) 手根管症候群 デュピュイトラン拘縮 関節可動制限(Limited joint mobility:ljm) の合併を考える 手の腱鞘炎はばね指減少や手のこわばりを示し 手根管症候群は正中神経圧迫による母指 示指 中指 環指 1/2 の知覚障害を示す デュピュイトラン拘縮は 手掌腱膜が肥厚 収縮し 皮下の硬結 手指の屈曲拘縮 伸展障害をきたす疾患で整形外科の受診を勧める 歯周病 : 歯周病は グラム陰性嫌気性菌である Porphyromonas gingivalis などの歯周病原菌の感染による歯周組織の慢性炎症で 糖尿病の重大な合併症の一つとして 糖尿患者によくみられ 歯周病の発症が早く 進行が激しいことが示されている 発症の機序は未だ不明な点があるが 高血糖が口喝を引き起こし 口腔の自浄作用を低下されることで 歯周病菌を繁殖しやすくする また 生体の感染防御能としてのマクロファージ機能や好中球の細菌貧食能が 高血糖や虚血によって低下し 歯周病原菌の増殖を制御できなくなり そのうえに養分となる糖質も多いため 細菌にとって住みやすい環境ができあがり 歯周病が発症しやすくなる 歯周病という慢性的な炎症があることにより さらに血糖値が上昇することがあり 糖尿病は歯周病を増悪させ 歯周病は糖尿病を増悪させるという悪循環が考えられる また 歯周病はさらに心筋梗塞などの動脈硬化性疾患や感染性心内膜炎 呼吸器疾患 低体重児出産などの誘因となる可能性が指摘されている 就寝前にしっかり歯を磨き 歯間ブラシを使うなどの口腔ケアを行い 定期的に歯科検診を受診することで血糖コントロールの改善 合併症の予防が期待できる 認知症 : 最近の研究では 糖尿病それ自体が血管性認知症のみならず アルツハイマー病の危険因子であることが明らかになっている 糖尿病における認知機能障害の発症機序は複雑で その成因や病態は多様である 現在のところ 糖尿病は 他の生活習慣病の合併や遺伝的素因と合わさって 動脈硬化病変を基盤とする脳血管病変の進展 糖毒性による微小血管病変 インスリン抵抗性によるアミロイド代謝の障害などをもたらし これらが相互に作用して脳の加齢変化 脳血管病変 アルツハイマー病を進展させ 認知症発症に影響すると考えられている 高齢糖尿病患者の認知症は 糖尿病のコントロールを悪化させ また自己管理を継続する上には大きな妨げになる 家族のサポートなどを利用しての薬剤管理が必要となる -36-

38 参考 1) 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会 : 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告( 国際標準化対応版 ), 糖尿病 55:489,2012 2) 日本糖尿病学会 : インクレチンと SU 薬の適正使用に関する委員会 からの勧告 3) 清野裕編 :DPP-4 阻害剤のすべて, 先端医学社,2010 4) 河盛隆造他編 : 糖尿病最新の治療 , 南江堂,2010 5) 長田幸恵 : 疾患別薬物療法管理マニュアル- 糖尿病, ,2010 6) 医学情報科学研究所編 : 病気がみえる Vol.3 糖尿病 代謝 内分泌第 2 版, メディックメディア,2010 7) 日本糖尿病学会編 : 糖尿病治療ガイド , 文江堂,2014 8) 清野弘明他編 : 糖尿病服薬指導スキルアップ, 診断と治療社,2004 9) 阿部隆三他 : 糖尿病服薬指導マニュアル第 2 版, 南江堂, ) 寺内康夫他 : 新しい糖尿病の臨床, 診断と治療増刊号 Vol.95 Soppl., 診断と治療社, ) 赤沼安夫他編 : 糖尿病 2005, からだの科学増刊号, ) 春日雅人監修 : 糖尿病, きょうの健康別冊,NHK, ) 木村健 : 患者ケアのための薬学管理ハンドブック, じほう, ) 賀来浩平 :2 型糖尿病の病態と治療方針, 日本医師会雑誌第 138 巻第 1 号,28-32, 日本医師会, ) 長嶋一昭他 : スルホニル尿素薬, 治療学 Vol.44 No.1,26-29, ) 山内俊一 : スルホニル尿素 (SU) 薬, 薬局 Vol.57 No.9,3-7, ) 葛谷健 : スルホニル尿素薬, 臨床医 Vol.31 No.3, , ) 久保木幸司他 : 速効型インスリン分泌促進薬, 薬局 Vol.57 No.9,29-33, ) 能登谷洋子 : グリニド系インスリン分泌促進薬, 臨床医 Vol.31 No.3, , ) 柴輝男 :α-グリコシダーゼ阻害薬(α-gi), 薬局 Vol.57 No.9,15-20, ) 岸本寛子 :α-グリコシダーゼ阻害薬, 臨床医 Vol.31 No.3, , ) 金藤秀明 :α-グリコシダーゼ阻害薬,pharma Medica Vol.28 No.5,25-27, ) 大角誠治 : 質疑応答, 日本医事新報 No.3724,120, ) 麻生好正 : インスリン抵抗性改善薬 -チアゾリジン薬, 治療学 Vol.44 No.1,45-50, ) 山内敏正 : チアゾリジン誘導体, 臨床医 Vol.31 No.3, , ) 野村和弘 : ビグアナイド薬, 治療学 Vol.44 No.1,53-57, ) 林道夫 : ビグアナイド (BG) 薬, 薬局 Vol.57 No.9,9-13, ) 吉原理恵 : ビグアナイド薬, 臨床医 Vol.31 No.3, , ) 仁科祐子 : メトホルミンが抗メタボリックシンドローム薬と認識されるのでの経緯, 薬局 Vol.58 No.12,3-6, ) セロトニンで妊娠糖尿病抑制 薬事日報,2010/07/07 31) 門脇孝 : しのびよる糖尿病合併症を防ぐ変わる診断基準, きょうの健康 6-9,NHK, ) 綿田裕孝 : 糖尿病の病態生理とガイドラインから考える糖尿病治療薬の選択, 治療学 Vol.44 No.1, 5-13, ) 阿部学他 : ハイリスク薬の処方の見方 考え方 -(1) 糖尿病用薬のリスク, 調剤と情報 Vol.16 臨時増刊号 No.9,92-95,

39 34) 鹿村恵明 : ハイリスク薬の処方の見方 考え方 -(2) 糖尿病用薬の処方せんを受け付けたら, 調剤と情報 Vol.16 臨時増刊号 No.9,97-101, ) 成田琢磨 : 食後高血糖に対する経口薬 : 第一選択薬はα-GI かビグアナイドかインクレチンか?, 治療 Vol.92 No.4, , ) 門脇孝 : しのびよる糖尿病合併症を防ぐ新しい治療薬, きょうの健康 10-13,NHK, ) 服部正和他 :DPP-4 阻害薬,JIM Vol.20 No.4, , ) 荒木栄一 :DPP-4 阻害薬,Pharma Medica Vol.28 No.5,29-34, ) 原島伸一他 : インクレチンとはどんなものでしょうか?, 薬局 Vol.61 No.6,71-74, ) 美内雅之他 : 投与時に留意すべき患者さんはいますか? また副作用モニタリングのポイントを教えてください, 薬局 Vol.61 No.6,85-89, ) 山田裕一郎 : インクレチン作用, 治療 Vol.92 No.4, , ) 藤田義人他 : インクレチン薬, 治療 Vol.92 No.4, , ) 井窪万里子他 : 低血糖リスクをいかに防ぐか?, 治療 Vol.92 No.4, , ) 実践! 糖尿病塾 : 武田薬品工業 HP 45) 糖尿病ネットワーク HP 46) 稲垣暢也編 : 特集 糖尿病治療薬 Q&A, 治療 Vol.96 No.6, ) 稲垣暢也編 : 経口糖尿病薬の新展開, フジメディカル出版, ) 特集糖尿病治療薬 update, 日本臨床 Vol.73 No.3, 日本臨床社, ) 特集糖尿病治療薬 update,medicina Vol.53 No.1, 医学書院, ) 各社添付文書及びインタビューフォーム 愛知県薬剤師会薬事情報センター岐阜県薬剤師会ぎふ薬事情報センター作成最終更新日 2016/3/8-38-

40 経口糖尿病用剤一覧 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 a. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病 b. 重篤な腎機能障害 c. 重症感染症 手術前後 重篤な外傷 d. 妊婦又は妊娠可能性 e. 下痢 嘔吐等の胃腸障害 f. 乳酸アシドーシスを起こしやすい ( 腎機能障害 肝機能障害 ショック 心不全 心筋梗塞 肺塞栓など心血管系 肺機能に高度の障害 過度のアルコール摂取者 脱水症 下痢 嘔吐等の胃腸障害 高齢者 ) g. 重篤な肝機能障害 h. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 i. 心不全の患者及び心不全 j. 栄養不良状態 飢餓状態 衰弱状態 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 k. 急性ポルフィリン症 l. 血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害 分類 (ビグアナイド B G )剤 一般名 ( 商品名 ) 会社名 ブホルミン ( ジベトス ) 日医工 ( ジベトン S) 寿 = ゼリア メトホルミン ( グリコラン ) 日本新薬 メトホルミン ( メトグルコ ) 大日本住友 剤形 容量 錠 :50mg ( ジベトン S) 腸溶錠 :50mg 錠 :250mg 錠 : mg 効能 効果用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序次の場合に限り服用量回数服用時特徴 インスリン非依存型糖尿病 5 2 型糖尿病 1 5 初期 :100mg 150mg まで 初期 :500mg 750mg まで 初期 :500mg 維持量 :750 ~1,500mg 2,250mg まで 10 歳以上の小児 :500mg 維持量 :500 ~1,500mg 2,000mg まで 2~3 回食後 a c d f j ~14 尿 :( 未 ) 2~3 回食後 0.1 2~3 回 食直前 or 後 主に肝臓における糖新生を抑制し 筋 脂肪組織でのインスリン感受性改善単独投与での低血糖の危険は少ない体重が増加しにくいため過体重 肥満型では有効効果用量依存性 警告禁忌 重篤な乳酸アシドーシスあるいは低血糖症 a c d f j 効力 効果発現 (h) 2.4 血中半減期 (h) ( メ )3 ( グ )3.6 作用時間 (h) 6~14 代謝 排泄 尿 :71.5%( 未 ) (インスチリアンゾ抵リ抗ジ性ン改善剤 ( アクトス -OD) 武田 剤 )ピオグリタゾン 錠 :15 30mg OD:15 30mg 2 型糖尿病 ~30mg 45mg まで 7:15mg 30mg まで 1 回朝食食前 or 後 インスリン抵抗性を改善し 末梢では糖の取り込み及び糖の利用を促進し 肝臓では糖の放出を抑制して血糖を低下単独投与での低血糖の危険は少ない a b c d g i 代謝 :CYP2C8 ( 主 ) 尿 :30%( 代 ) (48h) 1 / 5 ページ -39-

41 経口糖尿病用剤一覧 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 a. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病 b. 重篤な腎機能障害 c. 重症感染症 手術前後 重篤な外傷 d. 妊婦又は妊娠可能性 e. 下痢 嘔吐等の胃腸障害 f. 乳酸アシドーシスを起こしやすい ( 腎機能障害 肝機能障害 ショック 心不全 心筋梗塞 肺塞栓など心血管系 肺機能に高度の障害 過度のアルコール摂取者 脱水症 下痢 嘔吐等の胃腸障害 高齢者 ) g. 重篤な肝機能障害 h. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 i. 心不全の患者及び心不全 j. 栄養不良状態 飢餓状態 衰弱状態 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 k. 急性ポルフィリン症 l. 血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害 分類 スルホニルウレア(S U )剤 速効型インスリン 第一世代 第二世代 第三世代 分泌促進剤 一般名 ( 商品名 ) 会社名 アセトヘキサミド ( ジメリン ) 塩野義 クロルプロパミド ( アベマイド ) 小林化工 グリクロピラミド ( デアメリン S) 杏林 グリクラジド ( グリミクロン -HA) 大日本住友 グリベンクラミド ( オイグルコン ) 中外 ( ダオニール ) サノフィ グリメピリド ( アマリール ) サノフィ ナテグリニド ( スターシス ) アステラス ( ファスティック ) 味の素 = 持田 ミチグリニド ( グルファスト ) キッセイ = 武田 レパグリニド ( シュアポスト ) 大日本住友 剤形 容量 錠 : mg インスリン非依存型糖尿病 1 錠 :250mg 錠 :250mg 錠 :20 40mg 効能 効果用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序次の場合に限り服用量回数服用時特徴 インスリン非依存型糖尿病 1 インスリン非依存型糖尿病 1 インスリン非依存型糖尿病 ( 成人型糖尿病 ) 1 錠 : mg インスリン非依存型糖尿病 1 錠 : mg OD: mg 錠 :30 90mg 錠 :5 10mg 錠 : mg 2 型糖尿病 インスリン非依存型糖尿病 1 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善 mg 1000mg まで 100~125mg 500mg まで 125~250mg 500mg まで 初期 :40mg 維持 :40~ 120mg 160mg まで 1.25~2.5mg 10mg まで 初期 :1mg 維持 :1~ 4mg 6mg まで 270mg (1 回 90mg) 1 回 120mg まで 2 型糖尿病 30mg (1 回 10mg) 0.75~1.5mg (1 回 0.25mg) 1 回 1mg まで 1~2 回朝又は朝夕 1~2 回朝又は朝夕 1~2 回朝又は朝夕 1~2 回朝又は朝夕 1~2 回朝又は朝夕 警告禁忌 効力 効果発現 (h) 血中半減期 (h) 作用時間 (h) 食前 or 後 3~ ~16 代謝 排泄 尿 ( 主 ) 一部胆汁 1 回食前 or 後 a b c d e g k 6 0.5~ ~60 尿 :99% 現在はあまり使用されていない 3 回 3 回 食前 or 後 2.5~ 尿 ( 主 代 ) 食前 or 後 食前 or 後 食前 or 後 毎食前 10 分以内 ( 食直前 ) 毎食直前 (5 分以内 ) 膵 β 細胞からのインスリン分泌促進 SU 剤の中では中等度の血糖降下作用 SU 剤の中では血糖降下作用が強い インスリン抵抗性改善作用血糖降下作用が強いがインスリン分泌促進作用はグリベンクラミド グリクラジドなどと比べてマイルド 膵 β 細胞を剌激し インスリンの分泌を促進服用後短時間で効果発現消失時間が速い食後高血糖の是正に有効 重篤かつ遷延性の低血糖症 重篤かつ遷延性の低血糖症 重篤かつ遷延性の低血糖症 a b c d e g 10~12 1.5~3 8 6~12 100~ ~24 a b c d e g ~24 a b c d - 0.9~ ~1.3 3 a c d ~ 回食直前 a c d - 0.5~1 0.75~1 4~5 尿 :61% (96h 代 ) 代謝 :CYP2C9 3A4 尿 :23% 糞 :68%(48h) 代謝 :CYP2C9 尿 :57.5% 糞 :35.0% ( 14 C 168h) 代謝 :CYP2C9 尿 :30~40% (5% 未 ) 胆汁 :50~60% 代謝 :UGT1A9 及び 1A3 尿 :54~74% ( 未 <1%) 代謝 :CYP2C8 一部 3A4 尿 :9% 糞 :95% ( 14 C 3h) 2 / 5 ページ -40-

42 分類 D P P 4 阻害剤 経口糖尿病用剤一覧 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 a. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病 b. 重篤な腎機能障害 c. 重症感染症 手術前後 重篤な外傷 d. 妊婦又は妊娠可能性 e. 下痢 嘔吐等の胃腸障害 f. 乳酸アシドーシスを起こしやすい ( 腎機能障害 肝機能障害 ショック 心不全 心筋梗塞 肺塞栓など心血管系 肺機能に高度の障害 過度のアルコール摂取者 脱水症 下痢 嘔吐等の胃腸障害 高齢者 ) g. 重篤な肝機能障害 h. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 i. 心不全の患者及び心不全 j. 栄養不良状態 飢餓状態 衰弱状態 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 k. 急性ポルフィリン症 l. 血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害 一般名 ( 商品名 ) 会社名 シタグリプチン ( ジャヌビア ) MSD ( グラクティブ ) 小野 剤形 容量 錠 : mg 2 型糖尿病 効能 効果用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序次の場合に限り服用量回数服用時特徴 50mg 100mg まで 警告禁忌 効力 効果発現 (h) 1 回 a c l - 2 血中半減期 (h) 9.6~ 11.6 作用時間 (h) 24 代謝 排泄 代謝 :CYP3A4 ( 主 ) 2C8 尿 :79%( 未 ) ビルダグリプチン ( エクア ) ノバルティス 錠 :50mg 2 型糖尿病 1 回 50mg 1~2 回朝又は朝夕 a c g 尿 :85% 糞 :15% (168h) アログリプチン ( ネシーナ ) 武田 錠 : mg 2 型糖尿病 1 回 25mg 1 回 a c 代謝 :CYP3A4 ( 弱 ) 尿 :73%( 未 ) リナグリプチン ( トラゼンタ ) ヘ ーリンカ ー テネリグリプチン ( テネリア ) 田辺三菱 アナグリプチン ( スイニー ) 三和化学 錠 :5mg 2 型糖尿病 1 回 5mg 1 回 a c DPP-4 酵素を阻害し インクレチ 錠 :20mg 2 型糖尿病 ンの DPP-4 による分解を抑制し 1 回 20mg 1 回て 活性型インクレチン濃度を上 40mg まで昇させ 血糖値依存的にインス a c リン分泌促進作用 グルカゴン 濃度低下作用を増強 錠 :100mg 2 型糖尿病 2 回 a c 回 100mg 1 回 200mg まで 0.5 (80% 阻害 ) 2(α) 6(β) 代謝 :CYP3A4 ( 弱 ) 糞 :80%( 未 ) 代謝 :CYP3A4 尿 :45.4% 糞 :46.5% 尿 :49.8% (100mg 72h) サキサグリプチン ( オングリザ ) 協和発酵キリン 錠 :2.5 5mg 2 型糖尿病 1 回 5mg 1 回 2.5mg も可 1 回 a c 代謝 : CYP3A4/5 尿 :75% 糞 :22% (168h) トレラグリプチン ( ザファテック ) 武田 錠 :50 100mg 2 型糖尿病 1 回 100mg 1 週間 1 回 a c l ~ 代謝 :CYP2D6 尿 :76% (168h) オマリグリプチン ( マリゼブ ) MSD 錠 : mg 2 型糖尿病 1 回 25mg 1 週間 1 回 a c 尿 :74% (20 日 ) 3 / 5 ページ -41-

43 分類 α グルコシ ダーゼ 阻害剤 S G L T 2 阻害剤 経口糖尿病用剤一覧 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 a. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病 b. 重篤な腎機能障害 c. 重症感染症 手術前後 重篤な外傷 d. 妊婦又は妊娠可能性 e. 下痢 嘔吐等の胃腸障害 f. 乳酸アシドーシスを起こしやすい ( 腎機能障害 肝機能障害 ショック 心不全 心筋梗塞 肺塞栓など心血管系 肺機能に高度の障害 過度のアルコール摂取者 脱水症 下痢 嘔吐等の胃腸障害 高齢者 ) g. 重篤な肝機能障害 h. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 i. 心不全の患者及び心不全 j. 栄養不良状態 飢餓状態 衰弱状態 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 k. 急性ポルフィリン症 l. 血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害 一般名 ( 商品名 ) 会社名アカルボース ( グルコバイ -OD) バイエル ボグリボース ( ベイスン -OD) 武田 ミグリトール ( セイブル -OD) 三和化学 剤形 容量 錠 :50 100mg OD:50 100mg 錠 : mg OD: mg 錠 : mg OD:50 75mg 効能 効果用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序次の場合に限り服用量回数服用時特徴 糖尿病の食後過血糖の改善 糖尿病の食後過血糖の改善 (0.2mg のみ ) 耐糖能異常における 2 型糖尿病の発症抑制 1 糖尿病の食後過血糖の改善 回 100mg 3 回食直前 1 回 0.2mg 1 回量 0.3mg まで 1 回 0.2mg 1 回 50mg 1 回量 75mg まで 3 回 食直前 3 回食直前 膵液及び唾液の α- アミラーゼを阻害し 食後の著しい血糖上昇を抑制 腸管で α- グルコシダーゼを阻害し 糖質の消化 吸収を遅延させ食後の過血糖を改善ほとんど吸収されない 小腸上部で α- グルコシダーゼを阻害し 糖質の消化 吸収を遅延させ食後早期 (30 分 ~1 時間 ) の過血糖を改善ほぼ半量が速やかに吸収され 代謝を受けず未変化体のまま主に腎臓から排泄 警告禁忌 効力 c d h - c h - c d h - 効果発現 (h) 食事開始直後 食事開始直後 食事開始直後 血中半減期 (h) 作用時間 (h) - 2~3-2~3 2 3 代謝 排泄 尿 :35.4%( 代 ) 糞 :51.3% ( 14 C 96h) 尿 :5% 糞 :98% ( 14 C ラット ) 尿 :59%( 未 ) 糞 :29.1% イプラグリフロジン L- プロリン ( スーグラ ) アステラス トホグリフロジン ( デベルザ ) 興和 ( アプルウェイ ) サノフィ ダパグリフロジンプロピレングリコール ( フォシーガ ) ブリストル ルセオグリフロジン ( ルセフィ ) 大正 錠 :25 50mg 2 型糖尿病 1 回 50mg 1 回朝食食前 or 後 c h 錠 :20mg 2 型糖尿病 1 回 20mg 1 回朝食食前 or 後 c h 錠 :5 10mg 2 型糖尿病 錠 :2.5 5mg 2 型糖尿病 1 回 5mg 1 回 10mg まで 1 回 Na+/ グルコース共輸送担体 c h - 8~12 24 (SGLT2) を阻害し 尿糖排泄を 促進させ血糖を下げる 1 回 2.5mg 1 回 5mg まで 1 回朝食食前 or 後 c h カナグリフロジン ( カナグル ) 田辺三菱 錠 :100mg 2 型糖尿病 1 回 100mg 1 回朝食 食前 or 後 c h エンパグリフロジン ( ジャディアンス ) ヘ ーリンカ ー 錠 :10 25mg 2 型糖尿病 1 回 10mg 25mg まで 1 回朝食食前 or 後 c h UGT2B7 尿 :67.9% 糞 :32.7% (14h) 代謝 :CYP2C18 4A11 4F3B 尿 :77.0% 糞 :21.7% (168h) UGT1A9 尿 :76% 糞 :15%( 未 ) (24h) 代謝 : CYP3A4/5 4A11 尿 :4.47%( 未 ) (72h) UGT1A9 2B4 尿 :32.5% 糞 :60.4% (168h) UGT1A8 1A9 尿 :21.3% (72h 未 ) 4 / 5 ページ -42-

44 経口糖尿病用剤一覧 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 a. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病 b. 重篤な腎機能障害 c. 重症感染症 手術前後 重篤な外傷 d. 妊婦又は妊娠可能性 e. 下痢 嘔吐等の胃腸障害 f. 乳酸アシドーシスを起こしやすい ( 腎機能障害 肝機能障害 ショック 心不全 心筋梗塞 肺塞栓など心血管系 肺機能に高度の障害 過度のアルコール摂取者 脱水症 下痢 嘔吐等の胃腸障害 高齢者 ) 分類 一般名 ( 商品名 ) 会社名 剤形 容量 効能 効果用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序次の場合に限り服用量回数服用時特徴 警告禁忌 効力 チアゾリジン剤 / B G 剤 ピオグリタゾン / メトホルミン ( メタクト配合錠 LD メタクト配合錠 HD) 武田 LD: ピ 15mg メ 500mg HD: ピ 30mg メ 500mg 2 型糖尿病 * 併用による治療が適切と判断される場合 1 回 1 錠 1 回朝食食後 チアゾリジン系とビグアナイド系の配合剤 重篤な乳酸アシドーシスあるいは低血糖症 b c d f g h i - チアゾリジン剤 / S U 剤 ピオグリタゾン塩酸塩 / グリメピリド ( ソニアス配合錠 LD ソニアス配合錠 HD) 武田 LD: ピ 15mg グ 1mg HD: ピ 30mg グ 3mg 2 型糖尿病 * 併用による治療が適切と判断される場合 1 回 1 錠 1 回朝食食前 or 後 チアゾリジン系とスルホニルウレア系の配合剤 重篤かつ遷延性の低血糖症 b c d e g h i - チアゾリジン剤 / D P P 4 ピオグリタゾン塩酸塩 / アログリプチン ( リオベル配合錠 LD リオベル配合錠 HD) 武田 LD: ピ 15mg ア 25mg HD: ピ 30mg ア 25mg 2 型糖尿病 * 併用による治療が適切と判断される場合 1 回 1 錠 1 回朝食食前 or 後 チアゾリジン系と DPP-4 阻害剤の配合剤 a b c d g i - B G 剤 / D P P 4 ビルダグリプチン / メトホルミン塩酸塩 ( エクメット ) ノバルティス LD: ピ 50mg メ 250mg HD: ピ 50mg メ 500mg 2 型糖尿病 * 併用による治療が適切と判断される場合 1 回 1 錠 2 回朝夕 ビグアナイド系と DPP-4 阻害剤の配合剤 重篤な乳酸アシドーシスあるいは低血糖症 a b c d fg ijl - 速効型 / α ミチグリニド / ボグリボース ( グルベス配合錠 ) キッセイ ミ 10mg ボ 0.2mg 2 型糖尿病 1 回 1 錠 3 回 食直前 (5 分以内 ) 速効型インスリン分泌促進剤と α- グルコシダーゼ阻害剤の配合剤 a c d - 参考 各医薬品添付文書 インタビューフォーム今日の治療薬 2015, 南江堂日本糖尿病学会編 : 糖尿病治療ガイド , 文光堂 代 : 代謝物未 : 未変化体 14C: 放射能活性 5 / 5 ページ g. 重篤な肝機能障害 h. 重症ケトーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 i. 心不全の患者及び心不全 j. 栄養不良状態 飢餓状態 衰弱状態 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 k. 急性ポルフィリン症 l. 血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害 効果発現 (h) 血中半減期 (h) 作用時間 (h) 代謝 排泄 ピオグリタゾン及びメトホルミンを参照 ピオグリタゾン及びグリメピリドを参照 ピオグリタゾン及びアログリプチンを参照 メトホルミン及びビルダグリプチンを参照 ミチグリニド及びボグリボースを参照 愛知県薬剤師会薬事情報センター (' ) G I -43-

45 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 ビグアナイド (BG) 剤 インスリン抵抗性改善剤 スルホニルウレア (SU) 剤 第 1 世代 重大な副作用 初期症状 ブホルミンメトホルミンピオグリタゾンアセトヘキサミドクロルプロパミドグリクロピラミド 低血糖 再生不良性貧血 溶血性貧血 発汗 寒気 動悸 めまい 手足の震え 空腹感 脱力感 意識障害 あおあざかできやすい 歯茎や鼻の粘膜からの出血 発熱 のどの痛み 皮膚や粘膜が青白く見える 疲労感 動悸 疲労感 動悸 息切れ 黄疸 発熱 赤褐色尿 耳鳴り めまい ジベトス メルビングリコラン (0.1% 未満 ) ( 不明 ) アクトスジメリンアベマイドデアメリン S ( 不明 ) ( 不明 ) (2.36%) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1% 未満 ) 無顆粒球症突然の高熱 さむけ のどの痛み (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 汎血球減少胃潰瘍肝機能障害 黄疸心筋梗塞心不全突然死腸閉塞様の症状高アンモニア血症 体がだるい 頭が重い 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 息切れ 鼻血 歯ぐきからの出血 みぞおちの痛み 圧痛 吐き気 胸やけ もたれ意識がぼんやりする 疲れる 食欲がない 体がだるい 皮膚がかゆい 皮膚や眼が黄色くなる 急激な前胸部の圧迫感 狭心痛 冷汗 心臓の機能低下 左心不全 : 息苦しい 座る方が呼吸が楽 右心不全 : 全身のむくみ 胸水 腹水前触れなしの突然の死 ( 発症 24 時間以腸管内容の通過障害意識障害 手のはばたき振戦 ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) 浮腫むくみ (8.2%) 横紋筋融解症 手足 肩 腰 その他の筋肉がが痛む 手足がしびれる 手足に力が入らない こわばる 全身がだるい 尿の色が赤褐色になる ( 不明 ) 乳酸アシドーシス 食欲不振 吐き気 嘔吐 下痢 腹痛 (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ケトアシドーシス 悪心 嘔吐 食欲減退 腹痛 過度な口渇 倦怠感 呼吸困難 意識障害 アナフィラキシー反応 全身が赤くなる 息苦しい のどが詰まる むくみ 唇や舌 手足がしびれる くしゃみ 蕁麻疹 皮膚粘膜眼症候群 高熱 (38 以上 ) のどが痛い 関節が痛い 体がだるい 皮膚が斑に赤くなる 水ぶくれができる 口の中がただれる 目の充血 剥脱性皮膚炎 急性膵炎 急性腎不全 腎盂腎炎間質性肺炎 脱水敗血症 その他の副作用肝機能障害 血小板減少 顔に発疹ができる 顔が斑に赤くなる 全身の皮膚が赤くなる 皮膚のカスがぼろぼろ落ちる 発熱持続的な激しい腹痛 嘔吐尿量が少なくなる ほとんど尿が出ない 一時的に尿量が多くなる 発疹 むくみ 体がだるい 息切れがする 息苦しく 空咳が出る 発熱 悪感 ふるえ 心拍数増加 意識障害 ショック状態 食欲がない 体がだるい 吐き気鼻血 歯茎からの出血 月経出血の増加 四肢などの皮下出血 (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) 白血球減少 発熱 のどの痛み 体がだるい 口内炎 (0.1% 未満 ) ( 不明 ) 光線過敏症 日光の照射による過度の日焼け 痒み 色素沈着 悪心 嘔吐 気持ちが悪い 吐く ( 不明 ) ( 不明 ) 食欲不振 食欲がない ( 不明 ) 腹部膨満感腹部の張る感じ (0.1% 未満 ) 口喝 放屁増加 おならが出る 心胸比増大 胸部 X 線写真上 心左右径 / 胸部左右径 100が50% 以上 ( 不明 ) 心電図異常 胸痛 動機 胸部不快感 ( 不明 ) 動悸胸がどきどきする LDH 及びCK(CPK) の上昇 (5% 以上 ) 骨折 骨折した局所の腫れや痛み ( 不明 ) 無力症 筋力低下 疲れやすい 尿路感染 性器感染血中ケトン体増加尿中 β2ミクログロ ン増加便秘頻尿 ( 不明 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 1 / 4 ページ -44-

46 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 SU 剤 第 2 世代 SU 剤 第 3 世代 速効型インスリン分泌促進剤 重大な副作用 初期症状 グリクラジドグリベンクラミドグリメピリドナテグリニドミチグリニドレパグリニド 低血糖 発汗 寒気 動悸 めまい 手足の震え 空腹感 脱力感 意識障害 グリミクロンオイグルコングリミクロンHA ダオニール アマリール (1.9%) (2.5%) (5.1%) スターシスファスティック グルファストシュアポスト (6.1%) (19.0%) 再生不良性貧血溶血性貧血無顆粒球症汎血球減少 あおあざかできやすい 歯茎や鼻の粘膜からの出血 発熱 のどの痛み 皮膚や粘膜が青白く見える 疲労感 動悸 疲労感 動悸 息切れ 黄疸 発熱 赤褐色尿 耳鳴り めまい 突然の高熱 さむけ のどの痛み 体がだるい 頭が重い 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 息切れ 鼻血 歯ぐきからの出血 ( 類薬 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 胃潰瘍 肝機能障害 黄疸 みぞおちの痛み 圧痛 吐き気 胸やけ もたれ意識がぼんやりする 疲れる 食欲がない 体がだるい 皮膚がかゆい 皮膚や眼が黄色くなる (0.1% 未満 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1% 未満 ) (0.4%) 心筋梗塞心不全突然死腸閉塞様の症状高アンモニア血症浮腫横紋筋融解症乳酸アシドーシスケトアシドーシスアナフィラキシー反応皮膚粘膜眼症候群 急激な前胸部の圧迫感 狭心痛 冷汗 心臓の機能低下 左心不全 : 息苦しい 座る方が呼吸が楽 右心不全 : 全身のむくみ 胸水 腹水前触れなしの突然の死 ( 発症 24 時間以腸管内容の通過障害意識障害 手のはばたき振戦むくみ 手足 肩 腰 その他の筋肉がが痛む 手足がしびれる 手足に力が入らない こわばる 全身がだるい 尿の色が赤褐色になる食欲不振 吐き気 嘔吐 下痢 腹痛悪心 嘔吐 食欲減退 腹痛 過度な口渇 倦怠感 呼吸困難 意識障害全身が赤くなる 息苦しい のどが詰まる むくみ 唇や舌 手足がしびれる くしゃみ 蕁麻疹 高熱 (38 以上 ) のどが痛い 関節が痛い 体がだるい 皮膚が斑に赤くなる 水ぶくれができる 口の中がただれる 目の充血 ( 不明 ) (0.1%) ( 不明 ) ( 不明 ) 顔に発疹ができる 顔が斑に赤くなる 全 剥脱性皮膚炎 身の皮膚が赤くなる 皮膚のカスがぼろ ぼろ落ちる 発熱 急性膵炎 持続的な激しい腹痛 嘔吐 尿量が少なくなる ほとんど尿が出ない 急性腎不全 一時的に尿量が多くなる 発疹 むくみ 体がだるい 腎盂腎炎 間質性肺炎 息切れがする 息苦しく 空咳が出る 発熱 脱水 敗血症 悪感 ふるえ 心拍数増加 意識障害 ショック状態 その他の副作用 肝機能障害 食欲がない 体がだるい 吐き気 血小板減少 鼻血 歯茎からの出血 月経出血の増加 四肢などの皮下出血 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 白血球減少 発熱 のどの痛み 体がだるい 口内炎 (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) (0.65%) 光線過敏症 日光の照射による過度の日焼け 痒み (0.1% 未満 ) 色素沈着 (0.1% 未満 ) 悪心 嘔吐気持ちが悪い 吐く (0.1% 未満 ) 食欲不振 食欲がない (0.1% 未満 ) 腹部膨満感腹部の張る感じ (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) 口喝 放屁増加 おならが出る 心胸比増大 胸部 X 線写真上 心左右径 / 胸部左右径 100が50% 以上 心電図異常 胸痛 動機 胸部不快感 動悸 胸がどきどきする LDH 及びCK(CPK) の上昇 骨折 骨折した局所の腫れや痛み 無力症 筋力低下 疲れやすい 尿路感染 性器感染 血中ケトン体増加 尿中 β2ミクログロ ン増加 便秘 頻尿 (1.3%) / 4 ページ

47 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 重大な副作用 初期症状 シタグリプチン ビルダグリプチンアログリプチンリナグリプチンテネリグリプチンアナグリプチン サキサグリプチントレラグリプチンオマリグリプチン ジャヌビア グラクティブ エクア ネシーナ トラゼンタ テネリア スイニー オングリザ ザファテック マリゼブ 低血糖 発汗 寒気 動悸 めまい 手足の震え 空腹感 脱力感 意識障害 (2.1%) (1.0%) DPP-4 阻害剤 (2.1%) (2.0%) (1.5) 再生不良性貧血溶血性貧血無顆粒球症汎血球減少胃潰瘍肝機能障害 黄疸心筋梗塞心不全突然死腸閉塞様の症状高アンモニア血症浮腫横紋筋融解症乳酸アシドーシスケトアシドーシスアナフィラキシー反応皮膚粘膜眼症候群 あおあざかできやすい 歯茎や鼻の粘膜からの出血 発熱 のどの痛み 皮膚や粘膜が青白く見える 疲労感 動悸 疲労感 動悸 息切れ 黄疸 発熱 赤褐色尿 耳鳴り めまい 突然の高熱 さむけ のどの痛み 体がだるい 頭が重い 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 息切れ 鼻血 歯ぐきからの出血 みぞおちの痛み 圧痛 吐き気 胸やけ もたれ意識がぼんやりする 疲れる 食欲がない 体がだるい 皮膚がかゆい 皮膚や眼が黄色くなる 急激な前胸部の圧迫感 狭心痛 冷汗 心臓の機能低下 左心不全 : 息苦しい 座る方が呼吸が楽 右心不全 : 全身のむくみ 胸水 腹水前触れなしの突然の死 ( 発症 24 時間以腸管内容の通過障害意識障害 手のはばたき振戦むくみ 高熱 (38 以上 ) のどが痛い 関節が痛い 体がだるい 皮膚が斑に赤くなる 水ぶくれができる 口の中がただれる 目の充血 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.5% 未満 ) ( 類薬 ) ( 類薬 ) 血管浮腫 ( 不明 ) 手足 肩 腰 その他の筋肉がが痛む 手足がしびれる 手足に力が入らない こ ( 不明 ) わばる 全身がだるい 尿の色が赤褐色になる ( 不明 ) ( 不明 ) 食欲不振 吐き気 嘔吐 下痢 腹痛 悪心 嘔吐 食欲減退 腹痛 過度な口 渇 倦怠感 呼吸困難 意識障害 全身が赤くなる 息苦しい のどが詰ま る むくみ 唇や舌 手足がしびれる く ( 不明 ) ( 不明 ) しゃみ 蕁麻疹 ( 不明 ) ( 不明 ) 剥脱性皮膚炎 顔に発疹ができる 顔が斑に赤くなる 全身の皮膚が赤くなる 皮膚のカスがぼろぼろ落ちる 発熱 ( 不明 ) 急性膵炎 持続的な激しい腹痛 嘔吐 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 類薬 ) ( 類薬 ) 尿量が少なくなる ほとんど尿が出ない 急性腎不全 一時的に尿量が多くなる 発疹 むくみ ( 不明 ) 体がだるい 腎盂腎炎間質性肺炎 息切れがする 息苦しく 空咳が出る 発熱 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 脱水敗血症 悪感 ふるえ 心拍数増加 意識障害 ショック状態 その他の副作用肝機能障害 食欲がない 体がだるい 吐き気 血小板減少 鼻血 歯茎からの出血 月経出血の増重大な副作用加 四肢などの皮下出血 ( 不明 ) (1% 未満 ) 白血球減少 発熱 のどの痛み 体がだるい 口内炎 光線過敏症 日光の照射による過度の日焼け 痒み 色素沈着 悪心 嘔吐気持ちが悪い 吐く (1% 未満 ) (0.1~1% 未満 ) 食欲不振 食欲がない 腹部膨満感腹部の張る感じ (3% 以上 ) (0.1~2% 未満 ) (1~5% 未満 ) (0.1~1% 未満 ) 口喝 放屁増加 おならが出る 心胸比増大 胸部 X 線写真上 心左右径 / 胸部左右径 100が50% 以上 心電図異常 胸痛 動機 胸部不快感 動悸胸がどきどきする (1~5% 未満 ) CK LDH 及びCK(CPK) の上昇 (1~5% 未満 ) 骨折 骨折した局所の腫れや痛み 無力症 筋力低下 疲れやすい (2.2%) 尿路感染 性器感染血中ケトン体増加尿中 β2ミクログロ ン増加 便秘頻尿 (2.6%) (0.7%) 3 / 4 ページ -46-

48 経口糖尿病用剤の注意すべき副作用と初期症状 重大な副作用初期症状アカルボースボグリボース 低血糖 発汗 寒気 動悸 めまい 手足の震え 空腹感 脱力感 意識障害 グルコバイベイスンセイブルスーグラ α- グルコシダーゼ阻害剤 SGLT2 阻害剤 ミグリトールイプラグリフロジントホグリフロジンダパグリフロジンルセオグリフロジンカナグリフロジンエンパグリフロジン デベルザアプルウェイ フォシーガルセフィカナグルジャディアンス (7.8%) (1.0%) (3.3%) (2.4%) (4.8%) (2.3%) 再生不良性貧血溶血性貧血無顆粒球症汎血球減少胃潰瘍肝機能障害 黄疸心筋梗塞心不全突然死腸閉塞様の症状高アンモニア血症浮腫横紋筋融解症乳酸アシドーシスケトアシドーシスアナフィラキシー反応皮膚粘膜眼症候群 あおあざかできやすい 歯茎や鼻の粘膜からの出血 発熱 のどの痛み 皮膚や粘膜が青白く見える 疲労感 動悸 疲労感 動悸 息切れ 黄疸 発熱 赤褐色尿 耳鳴り めまい 突然の高熱 さむけ のどの痛み 体がだるい 頭が重い 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 息切れ 鼻血 歯ぐきからの出血 みぞおちの痛み 圧痛 吐き気 胸やけ もたれ意識がぼんやりする 疲れる 食欲がない 体がだるい 皮膚がかゆい 皮膚や眼が黄色くなる 急激な前胸部の圧迫感 狭心痛 冷汗 手足 肩 腰 その他の筋肉がが痛む 手足がしびれる 手足に力が入らない こわばる 全身がだるい 尿の色が赤褐色になる食欲不振 吐き気 嘔吐 下痢 腹痛悪心 嘔吐 食欲減退 腹痛 過度な口渇 倦怠感 呼吸困難 意識障害全身が赤くなる 息苦しい のどが詰まる むくみ 唇や舌 手足がしびれる くしゃみ 蕁麻疹 高熱 (38 以上 ) のどが痛い 関節が痛い 体がだるい 皮膚が斑に赤くなる 水ぶくれができる 口の中がただれる 目の充血 (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) 心臓の機能低下 左心不全 : 息苦しい 座る方が呼吸が楽 右心不全 : 全身のむくみ 胸水 腹水 前触れなしの突然の死 ( 発症 24 時間以 腸管内容の通過障害 (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) ( 不明 ) 意識障害 手のはばたき振戦 ( 類薬 ) ( 不明 ) ( 類薬 ) むくみ ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) 顔に発疹ができる 顔が斑に赤くなる 全 剥脱性皮膚炎 身の皮膚が赤くなる 皮膚のカスがぼろ ぼろ落ちる 発熱 急性膵炎 持続的な激しい腹痛 嘔吐 尿量が少なくなる ほとんど尿が出ない 急性腎不全 一時的に尿量が多くなる 発疹 むくみ 体がだるい 腎盂腎炎 (0.1%) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1%) (0.1%) ( 不明 ) 間質性肺炎 息切れがする 息苦しく 空咳が出る 発熱 脱水敗血症 悪感 ふるえ 心拍数増加 意識障害 ショック状態 ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) ( 不明 ) (0.1%) ( 不明 ) (0.1%) ( 不明 ) (0.1%) ( 不明 ) その他の副作用肝機能障害 食欲がない 体がだるい 吐き気 血小板減少 鼻血 歯茎からの出血 月経出血の増加 四肢などの皮下出血 (0.1% 未満 ) (0.1% 未満 ) 白血球減少 発熱 のどの痛み 体がだるい 口内炎 (0.1% 未満 ) ( 不明 ) 光線過敏症 日光の照射による過度の日焼け 痒み 色素沈着 (0.1% 未満 ) 悪心 嘔吐 気持ちが悪い 吐く 食欲不振食欲がない 腹部膨満感 腹部の張る感じ (5% 以上 ) (5% 以上 ) (14.9%) 口喝 (4.3%) (7.5%) (1.8%) (1.6%) (1.6%) 放屁増加 おならが出る (5% 以上 ) (5% 以上 ) (5% 以上 ) 心胸比増大 胸部 X 線写真上 心左右径 / 胸部左右径 100が50% 以上 心電図異常 胸痛 動機 胸部不快感 動悸 胸がどきどきする LDH 及びCK(CPK) の上昇骨折 骨折した局所の腫れや痛み 無力症 筋力低下 疲れやすい 尿路感染 性器感染 (1.7%) (1~5% 未満 ) (1~5% 未満 ) (0.3~1% 未満 ) (0.1~1% 未満 ) (0.1~4% 未満 ) 血中ケトン体増加 (1% 未満 ) (11.0%) (2.9%) (1~3% 未満 ) (0.1~4% 未満 ) 尿中 β2ミクログロ ン増加 (2.5%) (1% 未満 ) (2.1%) 便秘頻尿 (3.2%) (8.9%) (7.5%) (3.6%) (2.8%) (2.2%) (3.4%) (1.4%) (3.8%) 参考 各医薬品添付文書くすりの適正使用協議会監修 : くすりの副作用用語事典, 第一メディカル重大な副作用疾患別対応マニュアル, 医薬品医療機器総合機構 愛知県薬剤師会薬事情報センター (' ) / 4 ページ

49 経口糖尿病用剤の重大な副作用とその対策 分類副作用初期症状患者においての対策 ( 医療関係者の対策 ) 飲み忘れ 経口糖尿病剤全般 ビグアナイド剤 チアゾリジン剤 スルホニルウレア剤 速効型インスリン分泌促進剤 DPP-4 阻害剤 α- グルコシダーゼ阻害剤 低血糖 乳酸アシドーシス 肝機能障害 黄疸 横紋筋融解症 心不全を発症あるいは増悪浮腫 ( 女性やインスリン併用時 糖尿病性合併症発症例 増量後多発 ) 肝機能障害 黄疸 発汗 寒気 動悸 めまい 手足の震え 空腹感 脱力感 意識障害 意識の低下 考えがまとまらない 判断力の低下 深く大きい呼吸 甘酸っぱいにおいの息 吐き気 嘔吐 皮膚が黄色くなる 嘔吐 白目が黄色くなる 尿の色が濃くなる 吐き気 食欲不振 かゆみ 体がだるい脱力感 手のしびれ 手足のこわばり 足のしびれ 筋肉の痛み 尿が赤褐色になる全身のむくみ 急激な体重増加 動く時の息切れ 体がだるい 息切れ 息苦しい 横になるより座っている時に呼吸が楽になる 眼がはれぼったい 体のむくみ 皮膚が黄色くなる 嘔吐 白目が黄色くなる 尿の色が濃くなる 吐き気 食欲不振 かゆみ からだがだるい ブドウ糖 5~15g 又は砂糖 10~30g もしくはそれらが入ったジュース キャンディなどを飲食する 意識が薄れてきた場合は直ちに受診する α グルコシダーゼ阻害剤服用時は ブドウ糖を飲食する 投与を中止して 直ちに受診する : 過度の飲酒を避ける : 脱水状態の発熱 下痢 嘔吐 食事が十分にとれない等には いったん使用を中止し 医師に相談する ( 投与中止 ) 横紋筋融解症 手足のこわばり 足のしびれ 手のしびれ 脱力感 筋肉の痛み 尿が赤褐色になる 間質性肺炎 発熱 から咳 息苦しい 息切れ 胃潰瘍の再燃 吐き気 嘔吐 胸やけ みぞおちの痛み ただちに医師または薬剤師に相談する 汎血球減少 めまい 動悸 耳鳴り 鼻血 出血しやすい 歯ぐきの出血 青あざができる 息切れ 無顆粒球症 発熱 のどの痛み 溶血性貧血 ふらつき 立ちくらみ 白目が黄色くなる 皮膚が黄色くなる 疲れやすい 褐色尿 頭が重い めまい 体がだるい 動く時の動悸 ( どうき ) や息切れ 血小板減少 肝機能障害 黄疸 再生不良性貧血 肝機能障害 心筋梗塞 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 剥脱性皮膚炎 鼻血 歯ぐきの出血 青あざができる 皮下出血 出血が止まりにくい皮膚が黄色くなる 嘔吐 白目が黄色くなる 尿の色が濃くなる 吐き気 食欲不振 かゆみ 体がだるい階段や坂を上る時の動悸や息切れ 鼻血 動悸 息切れ 青あざができる めまい 歯ぐきの出血 出血が止まりにくい 皮膚が黄色くなる 嘔吐 白目が黄色くなる 尿の色が濃くなる 吐き気 食欲不振 かゆみ 体がだるい息苦しい 急激に胸を強く押さえつけたれた感じ 狭心痛 冷や汗 高熱 (38 以上 ) のどが痛い 関節が痛い 体がだるい 皮膚が斑に赤くなる 水ぶくれができる 口の中がただれる 目の充血 ただちに医師または薬剤師に相談する ( 投与中止 ) 急性膵炎 発熱 吐き気 嘔吐 急に激しくおなかが痛む 急に激しく腰や背中が痛む 速やかに医師の診察を受ける ( 投与中止 ) 肝機能障害 黄疸 皮膚が黄色くなる 嘔吐 白目が黄色くなる 尿の色が濃くなる 吐き気 食欲不振 かゆみ 体がだるい ただちに医師または薬剤師に相談する 間質性肺炎 から咳 息苦しい 息切れ 発熱 ( 検査し 異常が認められたら投与中止 ) 横紋筋融解症 筋力低下 筋肉の痛み 赤褐色尿 アナフィラキシー反応 ほてり 眼と口唇のまわりのはれ しゃがれ声 息苦しい 息切れ 動悸 じんましん 急性腎不全 体がだるい 眼がはれぼったい 体のむくみ 意識の低下 尿量が減るまたは尿がでない 腸閉塞 血小板減少 嘔吐 むかむかする 排便 排ガスの停止 激しい腹痛 鼻血 歯ぐきの出血 青あざができる 皮下出血 出血が止まりにくい 腸閉塞 ( 腸内ガス等の嘔吐 排便 排ガスの停止 激しい下腹部痛 ( 疝痛 ) む増加より ) かむかする 劇症肝炎 肝機能障害 黄疸高アンモニア血症 ( 重篤な肝硬変例の便秘等契機として ) 尿路感染症から腎盂腎炎尿路感染症から敗血症脱水 血圧低下 意識がぼんやりする 疲れる 食欲がない 体がだるい 皮膚がかゆい 皮膚や眼が黄色くなる 羽ばたくような手のふるえ 意識がうすれる 考えがまとまらない 判断力の低下 尿路感染症 ( 尿が近い 残尿感排 残尿感排 残尿感排尿時の痛み 陰部のかゆみなど ) 悪寒 発熱 脇腹の痛み 背部痛 ただちに医師または薬剤師に相談する ( 検査し 異常が認められたら投与中止 ) 使用を中止し 医師に相談する ( 投与中止 ループ利尿剤 ( フロセミド等 ) の投与等 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 検査し 異常が認められたら投与中止 ) ( 間質性肺炎は副腎皮質ホルモン剤の投与等 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 腸内ガスは時間の経過とともに消失することが多い 症状に応じて減量あるいは消化管内ガス駆除剤の併用を考慮し 持続する腹痛 嘔吐等は投与中止 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) ただちに医師または薬剤師に相談する ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) 各分類毎記載 飲み忘れに気づいても忘れた分は服用しない 次の決められた時間に 1 回分服用 (2 回分を一度に服用しない ) 朝食時に飲みを忘れた場合は昼食時に服用する 昼すぎに飲み忘れに気がついた場合は 忘れた分はとばして次の時間に 1 回分服用 (2 回分を一度に服用しない ) 飲み忘れに気づいても忘れた分は服用しない 次の決められた時間に決められた用量を服用 (2 回分を一度に服用しない ) 飲み忘れに気づいても忘れた分は服用しない 次の決められた時間に決められた用量を服用 (2 回分を一度に服用しない ) 気がついたときにできるだけ早く飲み忘れた分 (1 回分 ) を服用次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分は飛ばして次の決められた時間に決められた用量を服用 (2 回分を一度に服用しない ) 1 週間に 1 回服用の場合 : 気が付いたときに決められた用量の 1 回分を飲み 次回からは決められた曜日に服用 絶対に 2 回分を一度に服用しない 食直前に飲み忘れた場合は食事中に服用食後かなりの時間がたっている場合又は空腹時には服用しない 指示された時間に飲み忘れ SGLT2 阻害剤 悪寒やふるえを伴う急激な高熱がでる 関節の痛み 筋肉の痛み たら 1 回とばして 次の指示された時間に 1 回分を服用 尿量変化 のどが渇く 体がだるい 脱力感 めまい 適度な水分補給をし 医師に相談する 決して2 回分を一度に服用し 皮膚の乾燥等 ( 休薬や補液等 血栓 塞栓症注意 ) ない ケトアシドーシス 悪心 嘔吐 食欲がない 腹痛 過度な口渇 体がだる直ちに医療機関を受診 い 息苦しい 意識の低下 ( 観察し 異常が認められたら投与中止 ) [ 参考 ] 各医薬品添付文書 各医薬品患者向け医薬品ガイド 愛知県薬剤師会薬事情報センター 岐阜県薬剤師会ぎふ薬事情報センター (' 更新 ) -48-

50 糖尿病患者に対して 禁忌 と記載のある薬剤 分類一般名 ( 商品名 ) 対象者記載内容ドロキシドパ糖尿病性壊疸等のある血液透析患抗パーキンソン剤症状が悪化するおそれがある ( ドプス ) 者 抗精神病剤 高血圧治療剤 オランザピン ( ジプレキサ ) クエチアピン ( セロクエル ) クロザピン ( クロザリル ) アリピプラゾール ( エビリファイ ) エプレレノン ( セララ ) 糖尿病の患者 糖尿病の既往歴のある患者 < 慎重投与 > 糖尿病の家族歴 高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者 糖尿病又は糖尿病の既往歴のある患者 < 慎重投与 > 糖尿病の家族歴 高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者 < 慎重投与 > 糖尿病又はその既往歴を有する患者 もしくは糖尿病の家族歴 高血糖 肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者 微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者 警告 : 1 著しい血糖値の上昇から 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し 死亡に至る場合があるので 本剤投与中は 血糖値の測定等の観察を十分に行うこと 2 投与にあたっては あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを 患者及びその家族に十分に説明し 口渇 多飲 多尿 頻尿等の異常に注意し このような症状があらわれた場合には 直ちに投与を中断し 医師の診察を受けるよう 指導すること 警告 : 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡等の死亡に至ることのある重大な副作用が発現するおそれがあるので 本剤投与中は CPMS に準拠して定期的に血糖値等の測定を行うこと また 臨床症状の観察を十分に行い 高血糖の徴候 症状に注意するとともに 糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと 特に 糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること 血糖値が上昇するおそれがある 警告 : 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので 本剤投与中は高血糖の徴候 症状に注意すること 特に 糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし 投与にあたっては 血糖値の測定等の観察を十分に行うこと 血糖値が上昇するおそれがある 高カリウム血症を誘発させるおそれがある 切迫流 早産治療剤 リトドリン ( ウテメリン ) 重篤な糖尿病の患者 過度の血糖上昇が起こるおそれがある また 糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある 副腎ホルモン剤経口避妊剤成分栄養剤抗凝固剤結核化学療法剤局所麻酔剤 -49- デキサメタゾン ( デカドロン ) デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム ( コンドロンデキサ点眼 点耳 点鼻液 ) コントロール不良の糖尿病の患者 耳鼻科 : 糖尿病の患者 ベクロメタゾンプロピオン酸エステル糖尿病の患者 ( リノコートパウダースプレー鼻用 ) エチニルエストラジオール レボノルゲストレル ( アンジュ21 トライディオール トリキュラー ) エチニルエストラジオー血管病変を伴う糖尿病患者 ( 糖尿ル ノルエチステロン病性腎症 糖尿病性網膜症等 ) ( オーソ ノリニール ルナベル ) エチニルエストラジオール デソゲストレル ( マーベロン ) アミノ酸他 ( エレンタール ツインラ重症糖尿病イン ツインライン ラコール ) ワルファリンカリウム重症糖尿病の患者 ( ワーファリン ) エタンブトール ( エサンブトール ) ジブカイン ( ペルカミン原末 ) コカイン ( コカイン塩酸塩 タケダ 原末 ) < 原則禁忌 > 糖尿病患者 糖尿病のある患者 1 / 5 ページ 糖新生促進作用 ( 血糖値上昇 ) 等により 糖尿病が増悪するおそれがある 糖新生促進作用 ( 血糖値上昇 ) 等により 糖尿病が増悪するおそれがある 症状を増悪するおそれがある 血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある 高血糖があらわれるおそれがある 出血している患者同様に血管や内臓等の障害箇所に出血が起こることがある 既に視神経障害を起こしている場合があり 症状が増悪されるおそれがある 症状を悪化するおそれがある

51 慎重投与 に記載のある薬剤 抗てんかん剤 レボドパ製剤 抗精神病剤 抗うつ剤 食欲抑制剤 抗めまい剤 分類 一般名 ( 商品名 ) 対象者 記載内容 フェニトイン ( アレビアチン ヒダン 糖尿病の患者 トール ) レボドパ ( ドパストン ドパゾール ドパール ) ( ネオドパストン ) ( マドパー イーシー ドパール ) ブロナンセリン ( ロナセン ) ペロスピロン ( ルーラン ) リスペリドン ( リスパダール ) ミアンセリン ( テトラミド ) マジンドール ( サノレックス ) イソプロテレノール ( イソメニール ) ジソピラミド 糖尿病患者 コントロール不良な糖尿病患者 糖尿病の患者 糖尿病の患者 インスリン非依存型糖尿病の患者で 高血糖を起こしたとの報告がある 血糖値の上昇を誘発し インスリン必要量を増大させるとの報告がある 耐糖能の低下がみられることがある インスリン 経口糖尿病剤の必要量が変化することがある 糖尿病が悪化するおそれがある 抗不整脈剤 ( リスモダン ) ピルメノール ( ピメノール ) アセブトロール ( アセタノール ) アテノロール ( テノーミン ) アルプレノロール ( スカジロール ) オクスプレノロール ( トランサコール ) カルテオロール ( ミケラン ) セリプロロール ( セレクトール ) チリソロール ( セレカル ) ナドロール ( ナディック ) 治療中の糖尿病患者 低血糖を起こすおそれがある β- 遮断剤 ニプラジロールコントロール不十分な糖尿病 ( ハイパジール ) ビソプロロール ( メインテート ) ピンドロール ( カルビスケン ) ブフェトロール ( アドビオール ) プロプラノロール ( インデラル ) ベタキソロール ( ケルロング ) ペンブトロール ( ベータプレシン ) ボピンドロール ( サンドノーム ) メトプロロール ( セロケン ) ソタロール ( ソタコール ) 糖尿病の患者 αβ 遮断剤 アモスラロール ( ローガン ) アロチノロール ( アルマール ) カルベジロール ( アーチスト ) ベバントロール ( カルバン ) ラベタロール ( トランデート ) 糖尿病又はその既往歴のある患者 あるいは糖尿病の家族歴 高血糖値が上昇することがある 血糖 肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者 コントロール不十分な糖尿病 低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい 低血糖の症状をマスクするおそれがある 低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい 2 / 5 ページ -50-

52 慎重投与 に記載のある薬剤 分類 一般名 ( 商品名 ) 対象者 記載内容 利尿剤 アセタゾラミド ( ダイアモックス ) トリクロルメチアジド ( フルイトラン ) ヒドロクロロチアジド ( ダイクロトライド ) チアジド系 ( エカード コディオ プ レミネント ミコンビ ) ベンチルヒドロクロロチア ジド ( ベハイド ) インダパミド ( ナトリックス ) クロルタリドン ( ハイグロトン ) 非チアジド系 トリパミド糖尿病のある患者血糖値の悪化や顕性化のおそれがある ( ノルモナール ) メチクラン ( アレステン ) メフルシド ( バイカロン ) アゾセミド ( ダイアート ) トラセミド ( ルプラック ) ループ利尿剤 ピレタニド ( アレリックス ) ブメタニド ( ルネトロン ) フロセミド ( ラシックス ) アトルバスタチン ( リピトール カデュエッ 糖尿病を悪化させることがある 高脂血症用治療剤 ト ) 糖尿病の患者 エゼチミブ ( ゼチーア ) 空腹時血糖の上昇が報告されている 鎮咳剤 ジメモルファンリン ( アストミン ) 糖尿病又はその疑いのある患者 耐糖能に軽度の変化を来たすことがある エフェドリン ( セキコデ アスゲン ) 血糖が上昇するおそれがある メチルエフェドリン ( フスコデ ) 交感神経刺激作用により糖代謝を促進し 血中グルコースを増加させるおそれがある イソプレナリン肝グリコーゲン分解が促進され 血糖が上昇するおそれがあ ( アスプール イソパーる ル P) オルシプレナリン ( アロテック ) クレンブテロール 症状が増悪するおそれがある ( スピロペント ) サルブタモール ( サルタノール ) グリコーゲン分解作用により症状を悪化させるおそれがある ツロブテロール ( ホクナリン ) 気管支拡張剤テルブタリン糖尿病の患者 β- 刺激剤血糖値を上昇させるおそれがある ( ブルカニール ) トリメトキノール ( イノリン ) フェノテロール ( ベロテック ) プロカテロール ( メプチン ) 症状を悪化させるおそれがある マブテロール ( ブロンコリン ) ホルモテロール ( アトック ) メトキシフェナミン ( メトキシフェナミン ) オロダテロール ( スピオルト ) リオチロニン 甲状腺ホルモン剤 ( チロナミン ) レボチロキシン 糖尿病患者 血糖コントロールの条件が変わることがある ( チラーヂン ) 交感神経刺激作用により糖代謝を促進し 血中グルコースを増加させるおそれがある 交感神経刺激作用により糖代謝を促進し 血中グルコースを増加させるおそれがある 交感神経刺激作用により糖代謝を促進し 血中グルコースを増加させるおそれがある 高用量の β 2 刺激薬を投与すると 血糖値が上昇するおそれがある / 5 ページ

53 慎重投与 に記載のある薬剤 分類 一般名 ( 商品名 ) 対象者 記載内容 コルチゾン ( コートン ) ヒドロコルチゾン ( コートリル ) フルチカゾン ( フルタイド アドエア ) ベクロメタゾン ( リノコート ) ベタメタゾン副腎ホルモン剤 ( リンデロン セレスタミ糖尿病の患者ン ) トリアムシノロン ( レダコート ) プレドニゾロン ( プレドニン プレドネマ注腸 ) メチルプレドニゾロン ( メドロール ネオメドロールEE 軟膏 ) エストラジオール ( ジュリナ ウェールナラ ディビゲル フェミエスト ) エチニルエストラジオール結合型エストロゲン ( プレマリン ) 女性ホルモン剤エストリオール糖尿病患者 ( エストリール ホーリノルエチステロン ( ノアルテン ) メドロキシプロゲステロン ( プロベラ ヒスロン ) 卵胞 黄体ホルモン混合 ( ソフィア配合錠 ) ( ルテジオン ) ダナゾール ( ボンゾール ) 子宮内膜症治療剤糖尿病患者ブセレリン ( スプレキュア ) クロルマジノン前立腺肥大症治療剤 ( プロスタール プロス糖尿病患者タット ) メスタノロン ( メサノロン ) 蛋白同化ステロイド剤糖尿病患者メテノロン ( プリモボラン ) アドレナリンカテコラミン糖尿病患者 ( ボスミン ) メトキサレン尋常性白斑治療剤糖尿病の患者 ( オクソラレン ) アルプロスタジルアル褥瘡 皮膚潰瘍治療ファデクス重症糖尿病患者剤 ( プロスタンディン軟膏 ) エトレチナート角化症治療剤糖尿病患者 肥満者 ( チガソン ) たんぱく質 ビタミン経腸栄養剤 ( ハーモニック ) 抗血小板剤 抗酒癖剤 肝不全治療剤 ウィルソン病治療剤 抗悪性腫瘍剤 抗アレルギー剤 シロスタゾール ( プレタール ) ジスルフィラム ( ノックビン ) ラクツロース ( モニラック ラクツロース ) トリエンチン ( メタライト ) エストラムスチン ( エストラサイト ) トレチノイン ( ベサノイド ) 塩酸プソイドエフェドリン ( ディレグラ配合錠 ) 糖尿病が増悪するとの報告があるので 耐糖能の低下があらわれることがある 耐糖能の低下があらわれることがある 肝におけるグリコーゲン分解の促進や インスリン分泌の抑制により 高血糖を招くおそれがある 海外で血糖値の増加例が報告されている 網膜症等脆弱血管からの出血を助長するおそれがある 脂質代謝異常が起こるおそれがある 重症糖尿病など糖代謝異常の患者高血糖 高ケトン血症を生じるおそれがある 糖尿病あるいは耐糖能異常を有する患者 糖尿病の患者 糖尿病の患者 出血性有害事象が発現しやすい 動物実験でジスルフィラム アルコール反応により血糖降下作用がみられる 本剤はガラクトース (13w/v% 以下 ) 及び乳糖 (7w/v% 以下 ) を含有する 重篤な合併症 ( 糖尿病等 ) のある患使用経験が無い 者血糖値を上昇させるおそれがある 糖尿病患者 ( エストロゲン様作用 ) 糖尿病患者 肥満者 糖尿病の患者 4 / 5 ページ 糖尿病が増悪するおそれがある 副腎皮質ホルモンの糖新生作用により 血糖が上昇し 症状が悪化するおそれがある 耐糖能の低下があらわれることがある 症状が悪化するおそれがある 耐糖能の異常 ( 悪化 ) がみられるおそれがある 耐糖能の低下があらわれることがある 脂質代謝異常が起こるおそれがある 塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用によるグリコーゲン分解が増加し グリコーゲン分解が増大し インスリン分泌を減少させることがあるため 血糖値を上昇させるおそれがある -52-

54 慎重投与 に記載のある薬剤 分類一般名 ( 商品名 ) 対象者記載内容ガレノキサシンキノロン系経口抗菌剤糖尿病又は耐糖能異常のある患者血糖値の異常変動があらわれることがある ( ジェニナック ) リバビリン抗ウイルス剤糖尿病が増悪又は発症しやすい ( レベトール コペガス ) インターフェロン製剤インターフェロン 散瞳剤 トロピカミド ( ミドリンM) フェニレフリン ( ネオシネジンコーワ ) ジピベフリン ( ピバレフリン ) 糖尿病の患者又はその既往歴 家族歴のある患者 耐糖能障害のある患者 糖尿病の患者 糖尿病または甲状腺機能亢進症の患者 糖尿病の患者 糖尿病が増悪又は発症しやすい インスリン依存型糖尿病 (IDDM) の増悪又は発症があらわれることがある 症状が増悪するおそれがある アドレナリンの糖新生促進作用により症状が増悪するおそれがある 緑内障治療剤 局所血管収縮剤 チモロール ( チモプトール他 ) ベタキソロール ( ベトプティク ) オキシメタゾリン ( ナシビン ) テトラヒドロゾリン ( ナーベル ) (ABCスプレー) テトラヒドロゾリン プレドニゾロン ( コールタイジン ) トラマゾリン ( トーク ) ナファゾリン ( プリビナ コンドロンナファ点眼液 ) コントロール不十分な糖尿病のある患者 糖尿病の患者 耳鼻科用剤 : 糖尿病の患者 糖尿病の患者 低血糖症状を隠蔽することがあるので血糖値に注意すること 肝臓のグリコーゲンを分解して血糖を上昇させる作用がある 糖尿病が悪化するおそれがある 愛知県薬剤師会薬事情報センター (' ) 番外 インスリン使用はドーピング! 世界アンチ ドーピング規程 (2016 年 1 月 1 日発効 ) の禁止表国際基準において インスリン類およびインスリン模倣物質は S4. ホルモン調節薬および代謝調節薬 のグループに分類され 筋肉増強作用等があるため禁止物質とされています アスリートが運動後に炭水化物と蛋白質を摂るのも インスリンを分泌させ筋肉の修復等を早める作用を期待するからです ただし インスリンが必要な糖尿病のアスリートは TUE( 治療使用特例 ) 申請を行うことで承認されれば使用することができます また インスリン以外の糖尿病用剤は今のところ禁止物質ではありません 皮下注射薬の GLP-1 受容体作動剤や浸透圧性利尿作用のある SGLT2 阻害剤も現時点 ( 時点 ) では禁止されていません / 5 ページ

55 経口糖尿病用剤の他糖尿病用剤との併用 1 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない 2 食事療法 運動療法に加えて α- グルコシダーゼ阻害剤を使用しても効果不十分 3 食事療法 運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用しても効果不十分 4 食事療法 運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても効果不十分 5 食事療法 運動療法に加えて SU 剤を使用しても効果不十分 6 食事療法 運動療法に加えて経口血糖降下剤を使用しても効果不十分 7 食事療法 運動療法に加えてインスリン製剤を使用しても効果不十分 一般名 ( 商品名 ) 添付文書記載での効能効果 SU 剤 ビグアナイド系薬剤 チアゾリジン系薬剤 速効型インスリン分泌促進剤 DPP-4 阻害剤 α- グルコシダーゼ阻害剤 SGLT2 阻害剤 GLP-1 受容体作動剤 インスリン製剤 ビグアナイド剤 ブホルミン ( ジベトス ジベトン S) メトホルミン ( グリコラン メトグルコ ) インスリン非依存型糖尿病 5 2 型糖尿病 1 5 *4 チアゾリジン剤 ピオグリタゾン ( アクトス -OD) 2 型糖尿病 *4 速効分型泌イ促ン進ス剤リン D P P 4 阻害剤 ナテグリニド ( スターシス ファスティック ) ミチグリニドカルシウム水和物 ( グルファスト ) レパグリニド ( シュアポスト ) シタグリプチン ( ジャヌビア グラクティブ ) ビルダグリプチン ( エクア ) アログリプチン ( ネシーナ ) リナグリプチン ( トラゼンタ ) テネリグリプチン ( テネリア ) アナグリプチン ( スイニー ) サキサグリプチン水和物 ( オングリザ ) 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善 併用しない 2 型糖尿病 *1 併用しない *3 *2 4 *2 2 型糖尿病 *1 併用しない *3 *2 4 *2 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 トレラグリプチン ( ザファテック ) 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 オマリグリプチン ( マリゼブ ) 2 型糖尿病 *1 *3 同作用を有す *2 3 *2 5 アカルボース糖尿病の食後過血糖の改善 ( グルコバイ -OD) *3 *3 *3 *3 *3 *4 α グル阻ボグリボースコ害シ剤 ( ベイスン -OD) ダーゼミグリトール ( セイブル -OD) イプラグリフロジン L-プロリン ( スーグラ ) トホグリフロジン水和物 ( デベルザ アプルウェイ ) S ダパグリフロジンプロピレングリ G 阻コール水和物 L 害 ( フォシーガ ) T 剤ルセオグリフロジン水和物 2 ( ルセフィ ) カナグリフロジン ( カナグル ) エンパグリフロジン ( ジャディアンス ) [ 参考 ] 各医薬品添付文書 インタビューフォーム 糖尿病の食後過血糖の改善 (0.2mgのみ) 耐糖能異常における2 型糖尿病の発症抑制 1 糖尿病の食後過血糖の改善 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) 2 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) 2 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) 2 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) 2 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) 2 型糖尿病 (1 型糖尿病には投与しない ) *3 *3 *3 *3 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *2 *1 経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン に従って 併用される可能性のある薬剤すべてとの組み合わせの併用試験が実施された場合には 効能 効果を 2 型糖尿病 とし 添付文書の臨床成績の項において臨床試験成績を記載し その結果によっては使用上の注意等で注意喚起するということを意図している なお インスリン製剤については 本ガイドラインの適用範囲には含まれない 経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン ( 平成 22 年 7 月 9 日薬食審査発 0709 第 1 号事務連絡 ): 質疑応答集 (Q&A): *2 有効性及び安全性は検討されていない *3 臨床試験によるデータは得られていない *4 GLP-1 受容体作動剤 ( ビクトーザ ) の効能は 2 型糖尿病 で 経口糖尿病薬 (SU 剤 速効型インスリン分泌促進剤 メトホルミン α-グルコシダーゼ阻害剤又はチアゾリジン系薬剤 ) の臨床試験は実施されている *5 インスリン依存状態の2 型糖尿病患者に対するとインスリン製剤との併用投与は 患者のインスリン依存状態について確認し 可否を判断すること *3 *4 愛知県薬剤師会薬事情報センター (' ) -54-

56 分類 アルドース還元 酵素阻害剤 糖尿病性神経障害治療剤 糖尿病性腎症治療剤 糖尿病合併症治療剤一覧 一般名 ( 商品名 ) 会社名 エパルレスタット ( キネダック ) 小野 剤形 容量 錠 :50mg 用法 用量 (/ 日 成人 ) 作用機序効能 効果服用時禁忌服用量回数特徴点 糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状 ( しびれ感 疼痛 ) 振動覚異常 心拍変動異常の改善 ( 糖化ヘモグロビンが高値を示す場合 ) 1 回 50mg 3 回毎食前 12 週間投与して効果が認められない場合は他に切り換える アルドース還元酵素を特異的に阻害し 神経内ソルビトールの蓄積を抑制することにより 糖尿病性末梢神経障害における自覚症状及び神経機能異常を改善黄褐色又は赤色の着色尿あり メキシレチン ( メキシチール ) 日本ヘ ーリンカ ー カフ セル :50 100mg 糖尿病性神経障害に伴う自覚症状 ( 自発痛 しびれ感 ) の改善 300mg 300mg まで 3 回食後 多めの水で服用 2 週間投与しても効果が認められない場合には 投与を中止 機械的侵害刺激 (Tailpinch) 熱的侵害刺激 (Tail-flick) 化学的侵害刺激 ( ホルマリン誘発 ソマトスタチン誘発 サブスタンス P 誘発 ) に対する鎮痛効果 重篤な心不全を合併 デュロキセチン ( サインバルタ ) 塩野義 リリー カフ セル :20 30mg 糖尿病性神経障害に伴う疼痛 40mg 60mg まで 1 回朝食後 セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより 脳及び脊髄における下行性疼痛抑制系を賦活化し 鎮痛効果をもたらす MAO 阻害剤の投与 高度の肝障害 腎障害 閉塞隅角緑内障の患者 プレガバリン ( リリカ ) ファイザー カフ セル : mg 神経障害性疼痛 150mg/ 日から開始 1 週間で 300mg/ 日 600mg まで 2 回 電位依存性 Ca チャネルの補助サブユニット α 2 δ 蛋白との結合で 神経前シナプスにおける Ca の流入を低下させ 各種興奮性神経伝達物質の放出を抑制し 鎮痛効果を示す イミダプリル ( タナトリル ) 田辺三菱 錠 :2.5 5mg 1 型糖尿病に伴う糖尿病性腎症 5mg 腎障害 : 2.5mg から 1 回 腎 ACE 活性阻害作用 尿中アルブミン排泄量の増加抑制作用 血管浮腫既往歴 デキストラン硫酸セルロースを用いた LDL アフェレーシス施行中 AN69 を用いた血液透析中 妊婦 ロサルタンカリウム ( ニューロタン ) MSD 錠 :25 50mg 高血圧及び蛋白尿を伴う 2 型糖尿病における糖尿病性腎症 50mg 100mg まで 1 回 昇圧物質アンジオテンシン Ⅱ(A-Ⅱ) の生理作用を受容体レベルで抑制することにより降圧作用及び腎保護効果を示す 妊婦 重篤な肝障害 アリスキレンを投与中 参考 各社添付文書 インタビューフォーム 重大な副作用 効果発現 (h) 血中半減期 (h) 代謝 排泄 血小板減少劇症肝炎 肝機能障害 黄疸 肝不全 代謝 :CYP4A11 糞 :( 主 ) 中毒性表皮壊死症 皮膚粘膜眼症候群 紅皮症過敏症症候群 心室頻拍 腎不全 幻覚 錯乱 間質性肺炎 好酸球性肺炎 ( 類薬 ) 心停止 心室細動 失神 洞房ブロック 房室ブロック 徐脈 3~4 10 代謝 :CYP2D6 CYP1A2( 強 ) 尿 :60% (24h 未 5~6%) セロトニン症候群 悪性症候群 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH) 痙攣 幻覚 肝機能障害 肝炎 黄疸 皮膚粘膜眼症候群 アナフィラキシー反応 高血圧クリーゼ 閉尿 6 12 代謝 :CYP1A2 CYP2D6( 阻害 ) 尿 :70%( 代 ) 糞 :20% めまい 傾眠 意識消失 心不全 肺水腫 横紋筋融解症 腎不全 血管浮腫 低血糖 間質性肺炎 アナフィラキシー 皮膚粘膜眼症候群 多形紅斑 劇症肝炎 肝機能障害 1 6 尿 :99%( 未 ) 血管浮腫 血小板減少 急性腎不全 腎機能障害の増悪 高カリウム血症 紅皮症 ( 剥脱性皮膚炎 ) 皮膚粘膜眼症候群 天疱瘡様症状 ( 未変化体 ) 2 ( 活性体 ) 6~8 ( 未変化体 ) 2 ( 活性体 ) 8 尿 :25.5% ( 未 + 代 ) アナフィラキシー 血管浮腫 急性肝炎 劇症肝炎 腎不全 失神 意識消失 横紋筋融解症 高 K 血症 不整脈 汎血球減少 白血球減少 血小板減少 低血糖 低 Na 血症 6 ( 活性体 ) 4 代謝 :CYP2C9 CYP3A4 尿 :8%( 代 ) 愛知県薬剤師会薬事情報センター (' ) 代 : 代謝物未 : 未変化体 -55-

57 健康食品 サプリメント等食品との相互作用 - 経口糖尿病用剤 医薬品名 糖尿病治療剤 ビグアナイド剤メトホルミン塩酸塩 健康食品 飲食物 機序 文献 血糖が気になる方の特定保健用食品 3,4, 特定保健用食品に糖の吸収を遅延させる作用があるため 医薬グアバ葉 7 品の血糖降下作用が増強される可能性がある ポリフェノール イラクサ ( 過剰 ) エゾウコギ ( シベリアニンジン ) オリーブ ( オイル 葉 ) クワ グアガム グルコマンナン コエンザイムQ 10 セージセイヨウトチノキ ( マロニエ ) タマネギツルドクダミバナバビルベリーマイタケピクノジェノール ( 松樹皮抽出物 ) ガラパゴスウチワサボテンショウガ これら素材は 血糖値を下げる作用があると考えられている インスリン濃度を上昇させることが示唆されている 理論上 糖尿病治療薬との併用で その作用が増強される可能性がある 6,11 6 ロイシン 分岐鎖アミノ酸はインスリン分泌を促進する可能性があるので 理論的には糖尿病治療薬に相加的に働く可能性がある 6 エルダーフラワー インスリン分泌促進作用とインスリン様作用をもつという報告があり 経口血糖降下薬を併用する時は副作用を発現する可能性がある 6 イチョウ葉エキス イチョウ葉エキスインスリン濃度を変化させ 血糖値に影響を与える可能性があるため 糖尿病治療剤との併用には注意する 7,8 イチョウ葉が膵 β 細胞を活性化しインスリン分泌が増加するため 2,6 血糖降下作用が増強される可能性がある 桑の葉 α-グルコシダーゼ阻害作用により 血糖降下作用が増強される 6,7 可能性があるため 抗糖尿病薬との併用時には血糖値を綿密に インゲン豆 ( さや ) モニターする必要がある 8 セイヨウタンポポ ( 全草 ) 併用により 血糖降下作用を強めてしまうので併用を避けるべきセイヨウトチノキ 8 である ブルーベリー ビルベリー ビルベリーの葉は併用すべきでない 13 魚油 (EPA DHA) 5,6 血糖コントロールに影響を与える可能性がある 2 型糖尿病患者ステビア 9,10 は注意が必要である オオバコの種子 ( サイリウム ) ツボクサ 血糖値を上昇させる可能性があるため 血糖降下薬の作用と拮抗する可能性がある 6 ニコチン酸 < 併用注意 > 併用により血糖降下作用が減弱することがある 12 ニコチン酸による血糖上昇作用が考えられている アルコール < 投与禁忌 > 過度のアルコール摂取者肝臓における乳酸の代謝能が低下し 乳酸アシドーシスを起こ 12 す可能性がある グアガム メトホルミンの吸収を減少させ血糖降下作用を減弱させる可能性がある 6 ビタミンB 12 ( シアノコバラミン ) ビタミンB 1 ( チアミン ) ビタミンB 12 ビタミンB 1 の血中濃度が低下する可能性がある 1,6 アガリスク メトホルミン グリクラジドの併用により2 型糖尿病のインスリン抵抗性が改善したとの報告がある 7 ギムネマ 血糖値などの値が減少したとの報告がされているため 薬効増強の可能性がある 7 1 / 2 ページ -56-

58 インスリン SU 剤共通 医薬品名 クロルプロパミド α- グルコシダーゼ阻害剤アカルボースボグリボースミグリトール アカルボース インスリン抵抗性改善剤ピオグリタゾン塩酸塩 速効型インスリン分泌促進剤ナテグリニドミチグリニドカルシウム水和物 DPP-4 阻害剤 SGLT2 阻害剤 健康食品 飲食物 機序 文献 < 併用注意 > ニコチン酸 肝臓でのブドウ糖の同化抑制により 血糖降下作用を減弱する 12 おそれがある アルコール ギムネマ イチジクの葉 < 慎重投与 > 過度のアルコール摂取者アルコールを大量摂取すると 肝における糖新生を抑制し 低血糖を起こす可能性がある 血糖値などの値が減少したとの報告がされているため 薬効増強の可能性がある 血糖を下げる作用があるため血糖値が下がりすぎることがある 高麗人参 ( 朝鮮ニンジン オタネニン 5,6, ジン ) 高麗人参にインスリンの作用を強めるおそれがある ショウガ 8,10 11 タバコ インスリンの皮下吸収量を減少させるので 薬効が減弱する 5,9, 10 グアガム グアガムは血糖値を下げるので インスリンや糖尿病治療薬の効果を増強することが考えられる 6,8 クズ 併用すると 相加的に効果を増強する可能性がある 8 クロム血糖値を低下させることがあるので 併用で血糖値が下がりすソロモンズシールぎることがある 6,11 グルコサミン N-アセチルグルコサミン インスリン耐性あるいはインスリン産生低下が起きることがある インスリンやSU 剤の投与量を調整する必要があると考えら 8 れる アルコール < 慎重投与 > 過度のアルコール摂取者 12 アンタビュース様作用が起こる可能性がある ニガウリ ( ゴーヤ ) ニガウリの相加的作用により血糖降下作用が増強される 2,7, 9 カレー ( 香辛料 ) カレー ( 香辛料 ) の相加的作用により血糖降下作用が増強される 2 高麗人参 ( 朝鮮ニンジン オタネニンジン ) 虫歯になりにくい特定保健用食品 ニコチン酸 ギムネマ パンクレアチン ( タフマック E) 高麗人参 ( 朝鮮ニンジン オタネニンジン ) ニコチン酸 イチョウ葉エキスクランベリーマリアアザミギムネマ アルコール 高麗人参にインスリンの作用を強めるおそれがある 特定保健用食品に含まれる糖アルコールは難消化性であるため 大量に摂取すると軟便 下痢が発現する可能性がある 血糖降下作用を減弱するおそれがあるので 併用する場合には 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 血糖値などの値が減少したとの報告がされているため 薬効増強の可能性がある 本剤はα-アミラーゼ活性の阻害作用を有し 一方 炭水化物消化酵素製剤はα-アミラーゼ活性を有している 高麗人参にインスリンの作用を強めるおそれがある < 慎重投与 > 肝でのブドウ糖の同化抑制により 経口血糖降下剤の効果を減弱させ 血糖値が上昇してコントロール不良になることがある これらはが肝薬物代謝酵素 CYP2C9 を阻害し薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある 血糖値などの値が減少したとの報告がされているため 薬効増強の可能性がある < 慎重投与 > 過度のアルコール摂取者低血糖を起こすおそれがある 参考文献 愛知県薬剤師会薬事情報センター 1. 堀美智子 : サプリメントの基礎知識, 薬事日報,2005 岐阜県薬剤師会ぎふ薬事情報センター 2. 大西憲明 : 医薬品と飲食物 サプリメントの相互作用とそのマネージ東海四県情報システム委員会 (TOP/NET) より 3. 堀美智子 : 薬とサプリメントの相互作用, 医学のあゆみ,Vol.208 No.12, , 小内享他 : 代替医療の日本特有の問題点, 治療 Vol.84 No.1,31-37, 福岡県薬剤師会薬事情報センター : 飲食物 嗜好品とくすりの相互作用, 健康食品 の安全性 有効性情報サイト: 独立行政法人国立健康 栄養研究所ホームページ ( タ ウンロート ) 7. 吉川敏一 : 医療従事者のためのサプリメント 機能性食品事典, 講談社, 清水俊雄 : 機能性食品素材便覧, 薬事日報, 佐藤健次他 : 健康食品の基礎知識, じほう, 独立行政法人国立健康 栄養研究所監訳 : 健康食品データーベース, 第一出版 11. 田中平三他監訳 : 健康食品のすべて第二版, 同文書院, 医薬品添付文書 12 6,7, ,6, 10, ,7 12 6,7, 10, , / 2 ページ

59 ハイリスク薬の薬学的管理指導薬局向け参考資料 掲載ホームページ紹介 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン( 第 2 版 ) ( 日本薬剤師会編 ) に基づいて資料を作成し 下記ホームページにて提供しております どうぞご利用下さい 本冊子の内容も全て掲載しております 提供の PDF ファイルは A4 用紙に印刷できるよう文字等を小さくしてある場合があります ご了承下さい また エクセル ワードファイルは 薬局様それぞれで加工できる資料として提供しております 本冊子には掲載できなかった製剤概要なども提供しています どうぞご利用下さい 愛知県薬剤師会ホームページ HOME > 医療関係者用サイト > ハイリスク薬 岐阜県薬剤師会ホームページ HOME > 会員情報 > ハイリスク薬参考資料

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