コンクリート工学年次論文集 Vol.26

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1 委員会報告フレッシュコンクリートの単位水量迅速測定及び管理システム調査研究委員会報告 吉兼亨 *1 河野広隆 *2 鈴木一雄 *3 辻幸和 *4 十河茂幸 *5 要旨 : 単位水量は, コンクリートの品質を左右する最も重要な因子のひとつであり, 最近現場測定項目として取り上げられつつある しかし, これまでは強度のような一般に認知された管理あるいは検査の判定基準は示されてこなかった そこで, 本研究委員会では, フレッシュコンクリートの単位水量およびその迅速測定法の現状を把握するための文献調査, 生コン工場における単位水量の実態, 検査の実例, 共通試験, 分析等を行い, 単位水量測定方法の精度 測定限界 誤差要因などを明らかにし, それを基に, 現時点で合理的と考えられる品質管理検査システムを提案した キーワード : フレッシュコンクリート, 単位水量, 迅速測定法, 品質管理 検査 1. はじめに単位水量はコンクリートの品質を左右する最も重要な因子のひとつである しかし, 長年にわたって, その具体的な規制値などは示されてこなかった 1986 年に初めて, 日本建築学会の鉄筋コンクリート標準仕様書および土木学会のコンクリート標準示方書に単位水量の限度が示された しかし, その時点では強度のように検査法や合否判定基準は示されなかった ところが, 数年前から構造物の劣化現象が顕在化したことで, コンクリートの耐久性確保への関心が高まり, それを契機に単位水量測定方法の提 案や測定装置の製品化が進み, 各方面で生コンの受入れ検査として用いられるようになってきた しかし, これら測定方法及び装置の検定方法や検査のシステムが確立されておらず, 本委員会がスタートした段階では, その試験精度も明らかではない上に誤差が小さいとは言えず, そのため生コンの受入れ検査でしばしばトラブルが発生している状況にある 一方, 昨秋の国土交通省の単位水量検査の実施に伴い, 合否判定基準が示されたが, 生コン工場における単位水量とそのバラツキの実態が明らかでないので, 配合設計において単位水量の目標設 表 -1 委員会構成 委員長吉兼亨 ( 宇部生コン ) 顧問長瀧重義 ( 愛知工業大学 ) 幹 事佐伯昇 ( 北海道大学大学院 ) 清水昭之 ( 東京理科大学 ) 田村博 ( 日本建築総合試験所 ) 河野広隆 ( 土木研究所 ) 鈴木一雄 ( 全生工組連 ) 辻幸和 ( 群馬大学 ) 十河茂幸 ( 大林組 ) 並木哲 ( 大成建設 ) 委 員小野聖久 ( 日本道路公団 ) 閑田徹志 ( 鹿島建設 ) 菅野貴浩 ( 東日本旅客鉄道 ) 岸賢蔵 ( 建材試験センター ) 栗田守朗 ( 清水建設 ) 副田康英 ( 東京工組 ) 棚野博之 ( 国土技術政策総合研究所 ) 田口茂久 ( 福岡工組 ) 八田常一 ( 京都工組 ) 吉田和隆 ( 全生工組連 ) 協力委員荒井正直 ( 日本建築総合試験所 ) 伊藤司 ( 東京エスオーシー ) 小野馨 ( ミナト生コン ) 片平博 ( 土木研究所 ) 川尻伸治 ( 静岡工組 ) 平井渉 ( 青森工組 ) 近藤俊美 ( 長崎工組 ) 近松竜一 ( 大林組 ) 辻本一志 ( 全生工組連 ) 寺石文雄 ( 高知東部協組 ) 身野和久 ( 関東宇部コンクリート ) *1 宇部生コンクリート ( 株 ) 技術本部工博 ( 正会員 ) *2 独立行政法人土木研究所工修 ( 正会員 ) *3 全国生コンクリート工業組合連合会工博 ( 正会員 ) *4 群馬大学工学部工博 ( 正会員 ) *5 ( 株 ) 大林組技術研究所工博 ( 正会員 )

2 定が容易にできない状況にあった 単位水量もその変動や判定基準に応じて, 強度管理と同様に目標単位水量を決定できるようにする必要がある このような背景から, 本委員会では下記の調査研究を行い, 報告書に取りまとめた 1 試験方法 試験装置検定法の標準化 2 生コン工場における単位水量の実態把握 3 試験方法 装置の共通試験による精度把握 4 単位水量の検査 管理のあり方の提案 (1:WG1 2:WG2 3:WG4 4:WG3) 2. 単位水量管理の必要性 2.1 単位水量とは単位水量とは, 骨材を表面乾燥飽水状態とした条件におけるコンクリート 1m 3 中の水の量で, 一般に質量で表される値である つまり, コンクリート中の全水量から細骨材および粗骨材が吸水する水量を除いた水の量である 2.2 単位水量の影響コンクリート技術者にとっては, 前節と同様に次のことも常識である 単位水量を増加させるとスランプは大きくなり, 運搬 打込み 締固めの作業が容易となる 単位水量が過剰に増加すると, 種々のコンクリートの品質上の問題が生じやすくなる 2.3 単位水量に対する認識コンクリートの特性は, 単位水量と水セメント比による部分が極めて大きいにもかかわらず, 単位水量の実態については, あまり関心が払われてこなかった 最大の理由は, ひとたび練り混ぜられたコンクリートの単位水量を正確に測定することが極めて難しかったからである そして, 多くの人が配合計画書に書かれた単位水量が, 現に配達されてきたコンクリートの単位水量であると信じてきた しかし, 次章で述べるように現状では, 現に配達されてきたコンクリートの単位水量は配合計画書に書かれた単位水量とは別物であるとの認識が必要である 2.4 単位水量管理の必要性強度, スランプと同様に, あるいはそれ以上に コンクリートの品質に大きな影響を与える単位水量と水セメント比を管理する必要性は, 極めて明白である 生コンがセメントや鉄筋と同等の信頼性を有する工業製品であるなら, 配合 ( 結果 ) 報告書が添付され, それをもって信頼されるようでなければならない しかし, 現状ではそうした状況とはほど遠く, 単位水量管理 検査が必要である もちろん, こうした状況は改善されるべきで, 将来は信頼できる配合 ( 結果 ) 報告書が添付され, それをもって受け取り検査とできる状況へもっていく必要がある 3. 単位水量測定の目的と意義 3.1 単位水量の変動 単位水量の変動 が, 配合計画書に書かれた単位水量と配達されてきたコンクリートの単位水量の差であるとすると, そこには大きく分けるとふたつの要素がある 悪意のない変動と, 悪意のある変動である 後者は, いわゆる 加水 の問題である 前者には種々の要素がある 主なものは : 夏冬の気温を考慮しない一律の配合表 試験練りと実際に使う材料との差 材料の変動( 特に砂の粒度の変動 ) そして, こうした要素を包み込んでしまう行為が, 細骨材の表面水調整 という名のスランプあわせである 3.2 単位水量測定の目的単位水量測定の目的は, 一言で言えば, 配達されたコンクリートの単位水量の把握である これをもとに, コンクリートの品質および製造時の品質管理レベルを判定する コンクリートの品質の把握は 購入した品物の検査と同時に できあがった構造物の性能確認 維持管理のための基礎データともなる重要なものである ただし, 確信犯である 加水 に対しては無力である 抜き打ち検査とペナルティーとを組み合わせるしか対応がない 3.3 単位水量測定の意義単位水量測定の短期的な目的は, 前節のもので

3 あるが, これが実施されると, 配合報告書には真実の単位水量を書かなければならなくなる かつ, 変動の大きなコンクリートを製造することはリスクにもなるため, 骨材の品質管理等が徹底されるようになる 全体の製造 品質管理が向上すれば, 将来は, 配合報告書をもって受入れ検査に代えていくことにもつながる そうなって初めて, 生コンは工業製品として自信を持って製造できることになるのである 4. 単位水量の実態の把握生コン製造時における単位水量の管理目標値や受入れ検査の頻度および判定基準の設定並びに試験方法の選定を, どのようにすれば合理的であるかを検討するための情報収集として, 全国生コンクリート工業組合連合会 ( 以降, 全生連 ) の協力を得て実態調査を行った 調査項目は, 単位水量の計画値, 印字記録を基に算出した単位水量の計算値, 単位水量の日内変動および生コン受入れ時の単位水量検査に関する事項とした 4.1 単位水量の計画値生コン工場における単位水量の計画値の実態調査結果のうち, 季節変動及び粗骨材の種類による影響を整理し, 以下に示す (1) 季節別にみた単位水量の計画値生コン工場における単位水量の計画値を季節毎に整理し, 図 -1 に示す なお, 本節で述べる単位水量の計画値とは, 配合計画書に記載された単位水量を示している 単位水量の計画値の平均値は, 通常期の場合 172kg/m 3, 夏期の場合はこれより 9kg/m 3 大きい 181kg/m 3 となっている また, 冬期における計画値は通常期より 5kg/m 3 程度小さくなっており, 荷卸し地点において同等のスランプを得るためには, 季節によって単位水量の計画値が異なることが示されている (2) 粗骨材の種類別にみた単位水量の計画値単位水量の計画値をコンクリートの種類 ( 土木用, 建築用 ) 及び粗骨材の種類ごとに整理した この結果によれば, 建築用コンクリートで砕石を用いた場合の単位水量の計画値の平均値は 度数 件数 単位水量の計算値と計画値との差 (kg/m 3 ) 通常期 (Ave.172) 夏期 (Ave.181) 冬期 (Ave.167) ~ ~155 ~160 ~165 ~ ~175 ~180 ~185 ~ ~ ~ 単位水量の計画値 (kg/m 3 ) 図 -1 単位水量の計画値の分布 ( スランプ 18cm) <-10-8 土木用建築用 (Ave.1.9, (Ave.1.9,Max.22.7,Min.-12.1) Max.22.7, Min.-12.1) (Ave.0.6, (Ave.0.6,14.7,Min.-22.5) Max.14.7, Min.-22.5) < 単位水量の計算値と計画値との差 (kg/m 3 ) 図 -2 単位水量の計算値と計画値との差の分布 表面水率の実測値と設定値との差 (%) 図 -3 表面水率の実測値と設定値との差と単位水量の計算値と計画値との差の関係 176kg/m 3, 砂利を用いた場合が平均 169kg/m 3 となっており, 両者には 7kg/m 3 程度の差が認められた この傾向は土木用コンクリートも同様であった なお,1985 年の全生連による調査では, 砕石を用いたコンクリートの単位水量の計画値の平均は 191kg/m 3, 砂利を用いた場合が 176kg/m 3 で, 両者の差は 15kg/m 3 程度となっている したがって, 今回の調査時点では, 砕石を使用する場

4 合に混和剤の種類や使用量の変更等, 単位水量を低減するための対策が講じられていたものと推測される 4.2 印字記録を基に算出した単位水量生コン工場における印字記録 ( 骨材の表面水率, 各材料の計量値等 ) から算出した単位水量の計算値の実態を調査した なお, 印字記録は, 全国統一品質管理監査における調査データの一部を活用した 図 -2 は単位水量の計算値と計画値との差を土木用と建築用とに分けて整理した結果を示したものである 単位水量の計算値と計画値との差は-4~+6kg/m 3 の範囲が全体の 8 割程度で, その平均値は土木用が +1.9kg/m 3, 建築用が +0.6kg/m 3 となっている つぎに, 図 -3 は, 細骨材の表面水率の実測値と設定値との差と単位水量の計算値と計画値との差との関係を示したものである 図 -3 において, 両者の関係はほぼ直線で示されており, 表面水率の実測値と設定値との差 1% あたり単位水量の計算値と計画値との差は約 5kg/m 3 に対応する 4.3 単位水量の日内変動出荷する生コンの単位水量を測定し, その日内変動の実態を調査した 試験方法は, 高周波加熱法およびエアメータ法の 2 種類とした 試験結果は表 -2 に示すように, 測定値の標準偏差は試験方法によって若干相違するが全体として 2.1~ 6.6kg/m 3 で,A 及び D 工場の変動が大きくなっている 日内変動の傾向としては, ほとんどの工場が図 -4 に示すように, 日内を通じて測定値が増減を繰返したが, 中には, 徐々に単位水量が減少する工場 (D 工場 ) もあった 4.4 荷卸し地点における受入れ検査の現状全生連の全組合員工場を対象として, 生コンの単位水量の受入れ検査の実態を調査 (2003 年 5 ~6 月 ) した 調査結果のうち, 測定方法の種類, 検査の実施者及び頻度, 合否判定基準, 不合格時の要求事項について整理した結果を表 -3 に総括した 表 -3 において, 官庁工事において採用されている測定方法は, 高周波加熱法が最も多い しかし, 新しい測定方法が提案される等, 年々多 様化する傾向が認められる なお,2003 年 (1~ 5 月 ) に民間工事で採用された方法は, 高周波加熱法 (64%), 静電容量法 (29%), その他 (7%) であった つぎに, 検査の実施者は, 施工者が行うケースが 36.9%, 依頼を受けた第三者の検査機関が 33.3%, 生コンの製造者が 21.4% であった 対象としたコンクリートの種類 A 工場 BB B 工場 BB C 工場 N D 工場 N E 工場 M 表 -3 単位水量検査に関するアンケート結果 測定方法 ( 官庁工事 ) 検査の実施者検査の頻度合否の判定基準不合格時の要求 表 -2 単位水量の日内変動の試験結果 測定方法単位水量 (kg/m 3 ) 測定値計画値平均最大最小範囲 全体に占める割合 高周波 エアメータ 静電容量 減圧加熱 RI (33.3%) (24.2%) (19.2%) (13.1%) (3.0%) 施工者 第三者 製造者 (36.9%) (33.3%) (21.45%) <m 3 <50m 3 <100m 3 m 3 < (38.5%) (36.8%) (22.6%) (2.1%) ~10kg/m 3 ~5kg/m 3 ~15kg/m 3 ~20kg/m 3 (55.7%) (23.6%) (11.9%) (5.6%) 返品廃棄 頻度変更 再試験 配合見直し (68.0%) (13.1%) (7.1%) (5.6%) 標準偏差 高周波 エアメータ 高周波 エアメータ 高周波 エアメータ 高周波 エアメータ 高周波 エアメータ F 工場高周波 M エアメータ 注 ) 表中の 高周波 は高周波加熱法を, エアメータ はエアメータ法の結果を示す 高周波加熱法エアメータ法 計画値 測定回数 図 -4 単位水量の日内変動 (F 工場 )

5 また, その頻度については,1 回 /100~m 3 が 38.5%,1 回 /50m 3 以下が 36.8%,1 回 /50 ~100m 3 が 22.6% となっている 検査結果の判定基準については,±10kg/m 3 が全体の 56%, ±5kg/m 3 が 24%,±15kg/m 3 が 12% となっている 合否判定の結果が不合格となった場合に生コンの製造者が要求される対応については, 返品が 最も多く全体の 68% を占めている ついで, 検査頻度の変更が 13.1%, 再試験が 7.1%, 混和剤の添加量の変更を含めた配合の見直しが 5.6% となっており, 口頭指導を含めた是正の要求や発注者又は施工者と製造者とで協議が行われるケースは全体の 6% 程度であった 表 -4 フレッシュコンクリートの単位水量迅速測定方法試験方法測定原理対象試料量乾燥炉法試試料を加熱乾燥させ 乾燥前後の質量差から単位水量コンクリート 0.5~1l 減圧乾燥炉法を測定する コンクリートを試料とする場合は乾燥後にモルタル 400g 加熱乾燥法高周波加熱法試料を水洗いして 粗骨材量の補正を行う モルタル 400g ガスコンロ法コンクリート 0.5 l 単位容積質量法 RI 法静電容量法 エアメータ法 試料の単位容積質量から単位水量を推定する コンクリート 7 l 水中質量法 コンクリート 1 l コンクリート中の水素原子量と中性子減衰量が対応する コンクリート 制限なし ことを利用して単位水量を推定する 物質の静電容量が水分量と相関する原理を利用して単位 モルタル 330ml 水量を推定する 遠心分離法 遠心分離器により水とその他の材料を分離する コンクリート 1 l 濃度法 アルコール濃度法コンクリートに試薬を混合すると 単位水量に応じてそコンクリート 1 l 塩分濃度法の濃度が低下することを利用して単位水量を推定する コンクリート 2~7 l ガス発生法 水と反応しガスを発生する物質を用い 発生したガスのコンクリート 500ml 圧力を測定して水量を推定する サンプリングに関わる誤差要因 材料物性に関わる誤差 測定機器 フ ロセスに関わる誤差 表 -5 単位水量測定方法と各種誤差要因の関係分類加熱乾燥法単位容積質量法濃度法方法 ( ) 内は試料の種類高周波エア RI 法アルコー減圧乾乾燥炉水中質静電容塩分濃 C: コンクリート加熱法メータ ( 配管ル濃度燥炉法法量法量法度法 M: モルタル法式 ) 法 誤差要因 ( M ) ( M ) ( C ) ( C ) ( C ) ( C ) ( M ) ( C ) ( C ) アジテータドラム内の品質変動 - 粗骨材採取量の変動 - - a a - - ウェットスクリーニングに関わる誤差 a,b b b - - セメントの密度の変化 b b 骨材の密度の変動 a 骨材の吸水率の変動 骨材の過大粒 過小粒の変動 秤の精度 計量誤差 結合水量による誤差 b b 乾燥による骨材の変状 容器の質量と容積の変化 専用機器の検出精度 検量線に関わる誤差 a b - - 機器の劣化 温度による水の密度変化 a 熟練度 - - 凡例 10k/m 3 以上の誤差となり得る 熟練を要す 熟練度推定単位水量に与える誤数 kg/m 3 の誤差となり得る やや熟練を要す 差の大きさの目安 2kg/m 3 程度以下の誤差となり得る 熟練を要しない - 現状での誤差に対する対応 a : 変動する因子をその都度測定し 補正する b : あらかじめ設定した補正係数で補正する

6 5. 試験方法の現状と課題 5.1 試験方法の現状フレッシュコンクリートの練混ぜから打込みまでの時間は制限されているから, コンクリートの受入れ検査の段階で単位水量を判定するためには, その測定法に迅速性と簡易性が求められる したがって, 試験装置が複雑で操作が難しい試験や, 測定に時間がかかる試験方法は受入れ検査としては適用できない しかし, 時間がかかる試験方法でも事後の品質管理や, コンクリート品質の変動の把握などには適用できる場合もある 現在一般的に普及している試験方法を表 -4 に示す 5.2 試験方法の誤差について単位水量の測定に関わる誤差要因には種々のものが考えられる その主要なものを整理すると表 -5 のようである 誤差要因を大まかに分類すると (1) サンプリングに関わる誤差,(2) 材料物性に関わる誤差,(3) 測定機器 プロセスに関わる誤差, に分類することができる これらの誤差要因が単位水量の測定値にどの程度影響を及ぼすかについては, 各測定方法, 測定原理によって異なる さらに, それぞれの誤差要因そのものが不変ではなく, また様々な要因が複雑に影響しあっているので, その影響度を数量化することは難しい 表 -5 では影響度を3ランクで表示することを試みた あくまで目安である また, それぞれの誤差要因に対して測定手法ごとに様々な補正が行われているので, 表中の誤差の累積が各測定手法の誤差となるものではない 本表には共通試験時点での各測定手法の補正の現状についても概要を示した 6. 試験精度の把握 6.1 共通試験の実施とその目的共通試験は, 代表的な単位水量測定方法について共通の尺度で評価するとともに, 単位水量迅速測定方法の基準化に向けて基礎データを収集することを目的として実施した 6.2 共通試験の実施概要同一のバッチで練り混ぜたコンクリートから 試料を採取し, 表 -6 に示す計 10 種類の測定方法により単位水量を測定した 対象とした配合 ( 調合 ) は, 土木用 ( スランプ 8cm), 建築用 ( 同 18cm) および高流動 ( スランプフロー 60cm) の 3 種類とし, これらを計画通りに練り混ぜた場合と, 計画に対して水量を増減させた場合について測定値のバラツキや設定値に対する偏りを調べた ( 表 -7 参照 ) コンクリートの製造は, 影響の大きな細骨材の表面水のバラツキの影響を排除するため, 細骨材水浸式計量システムを採用した全自動型バッチャープラントを使用した 練混ぜは二軸強制練りミキサを用い,1 バッチを 80 lとした 練り混ぜた後, 品質を確認し, 直ちに試料をサンプリングして単位水量を測定した 計量誤差はわずかで, また同一配合 ( 調合 ) ではバッチ間の品質の相違がほとんどないことが確認でき, 製造バッチが異なる試料による測定結果についても同一配合 ( 調合 ) のデータとして取り扱うことにした なお, 単位水量測定方法のうち, 高周波加熱法に関しては, モルタル試料を採 表 -6 試験に供した単位水量測定方法 測定方法 測定試料 A 加熱炉乾燥法 コンクリート B エアメータ法 ( 注水式 ) C エアメータ法 ( 無注水式 ) D 水中質量法 E 塩分濃度差法 F 水濃度測定法 G 高周波加熱法 ( 全生式 ) モルタル H 高周波加熱法 ( 竹中式 ) I 静電容量法 J 減圧乾燥法 表 -7 単位水量試験用配合の組み合わせ 目標スランプ ( フロー ) 目標空気量 水セメント比 単位水量 (cm) (%) (%) (kg/m 3 ) SL SL SF

7 取する際のウェットスクリーニング方法の相違が測定結果に及ぼす影響についても調査した 6.3 共通試験の結果および考察各方法による単位水量の測定結果を設定値と実測値の関係で整理し, 図 -5 に示す また, これらの結果を統計処理し, 設定値と測定値の差および標準偏差を指標として図 -6 に示す 測定値の標準偏差に関しては, いずれの測定方法を用いた場合についても 5kg/m 3 以内で, ほとんどが 3kg/m 3 を下回る結果が得られた 一方, 測定値の絶対値に関しては, 全般的に設定値と同等か若干小さい値を示す傾向が認められた 測定値の設定値からの偏りは, 測定方法の多くが ±5kg/m 3 の範囲内であったが, 高周波加熱法では-10 ~-20kg/m 3 も小さい結果が得られた また, 高周波加熱法の場合には, 高流動コンクリートで測定値と設定値の差が小さい傾向にあるが, その他の測定方法ではコンクリートの種類による結果の相違は認められない なお, ほとんどの測定方法が概ね 15 分以内で終了することが確認された ( 図 -6) 6.4 各種単位水量測定方法の評価共通試験により明らかになった事項を以下に示す (1) 今回用いた単位水量測定方法は, いずれも測定値の標準偏差が小さく, ほとんどが約 1~2kg/m 3 の範囲にあり, 最大でも約 3kg/m 3 程度であった (2) 単位水量の測定値は, 全般的に設定値と同等か若干小さい値を示す傾向にあり, 特に高周波加熱法の場合は偏りが顕著であった (3) 今回用いた単位水量測定方法によれば, 一部の方法を除き, 概ね 15 分以内での測定が可能である 加熱炉乾燥法 エアメータ法 ( 無注水法 ) 塩分濃度差法 高周波加熱法 ( 全生方式 ) 静電容量法 エアメータ法 ( 注水法 ) 水中質量法 水濃度測定法 高周波加熱法 ( 竹中方式 ) 減圧乾燥法 図 -5 各測定方法による単位水量測定結果

8 )法法35 法減圧7. 単位水量管理のあり方と 各配合の単位水量設定値を基準とした測定平均値の差の平均 検査基準の提案加工程のあらゆる段階で行う効果 10 的で組織的な技術活動である 7.1 単位水量管理のあり方 品質管理は, 使用目的に合致 した製品を経済的に造るために, 検査の定義は後述するが, 本来品質管理と検査はまったく異なった目的で行われるものである ( 図 -7) 生コン製造時の品質管理は, コンクリートの各構成材料を, 計画に近い値となるように計量 各配合の標準偏差 し, 所要の性能のコンクリートを製造する技術的な活動である 生コンの管理において, 各種 の材料のなかで単位水量だけが 2 特に問題となったのは, 前述し 1 たように配合計画で示された単 0 加エ(エ水塩水(高(高静減(位水量と配達された生コンの単熱ア無ア中分濃全周竹周電圧シリーズ注Ⅰ 単位水量測定に要する 1 回当たりの所要時間 ( 平均値 ) 炉( メ注メ質濃度位水量の違いが大きいことから水試験器具 装置の準備に要する時間は含まれていない生波中波容) 乾乾度方加方加量くるもので, 所要の性能とする ための計画が正しく行われていれば, 単位水量だけをことさらに問題にする必要はない したがって, 季節による温度変化な どを想定した配合計画を立て, 0 加エ(エ水塩水(高(高静コンクリートの製造時の変動要(熱ア無ア中分濃全周竹周電注因を考慮して配合を定めていれ炉メ注メ質濃度生波中波容水乾ー水ー量度測方方加量ば, あとは骨材の表面水率の管法法理を十分に行い, 各材料を正確 に計量するように管理を行えば よいことになる なお, 検査項 図 -6 各種単位水量測定方法の測定誤差および測定時間 目として単位水量が指定されて いる場合は, その許容範囲を満足するように変動を考慮して配合を定め, 製造時の管理は, あくまでも中央値を目標とすることになる 7.2 単位水量検査のあり方検査は, 製品の品質が要求性能を満足している か, あるいは指定した仕様どおりになっているかを確認する行為であり, 試験によるか書類によるかは信頼性の程度による 生コンの単位水量の検査が義務付けられたのは, 生コンの製造管理状態が信頼されていないからといえる 水濃度測定法エアメータ法エアメータ法(無注水法)(全生方式)(竹中方式塩分濃度差法高周波加熱法高周波加熱(注水法)水中質量法熱炉乾燥法静電容量減圧乾燥法(kg/m3) 燥法(kg/m3) 水法)量法測定法ータ法ータ法法)式)差法式)熱法熱法燥法) 分 ( 測定時間乾燥法加熱法法)定法差法燥法法)式)タ法タ法式)熱法

9 生コンの受入れ検査は, 荷卸し地点において行われ, 抜取り検査が標準となり, 不合格の生コンは廃棄することになる この場合, 供給の遅れを余儀なくされ, 購入者にはコールドジョイント発生などのリスクが生じる したがって, 不合格の結果は重大な影響を残すことになり, 製造者だけでなく, 購入者の施工会社, 構造物発注者 ( 設計者 ) にとっても極力, 避ける必要がある 検査の方法と頻度は, 製造者に 対する信頼の度合いによって異なり, 信頼できる場合は, 検査は書類のみでも可能であり, 信頼に欠ける場合は測定検査頻度を高め, さらに不定期な抜取り検査が標準となる つまり, 生コン製造管理のレベルにより検査頻度が異なることになる なお, 検査の実行者は, 購入者が基本である また, 単位水量の測定方法は, 信頼される方法から購入者が選定し, 検査で不合格になると生コンの費用は製造者負担となるばかりか, 安定供給に対する製造者として責任も負うことになる なお, 検査費用は購入者が負担するので, 検査が不要な信頼できる生コン会社からの購入が有利とある 7.3 単位水量検査判定基準の提案単位水量の測定方法とその頻度は, 製造者の信頼性と対象とする構造物の重要度により異なり, 生コン購入者は検査判定基準を設定し, 製造者と協議した上で購入契約を行うことになる 国土交通省の検査方法に関する通達を参考に, この委員会で提案する検査方法案 ( 図 -8) を以下に示す ここで, 検査の判定基準値は, コンクリートの性能のみをみると上限を定めればよいが, 生コン製造の信頼性問題が検査の義務付けにつながったことを考えれば, 正確な製造を検査する 上限 + 下限 を示した検査基準が適切である また, 判定基準は, 本来は合否判定の値 ( レッド値 ) だけを定めればよいが, コンクリートの製 製造者の管理構造物の品質管理 不合格の予防 打込まれるコンクリートの品質管理 安定製造が目的 目標とする性能 安定した品質の確保生コン建設構造物検査検査製造者会社発注者受入検査 ( 購入者が実施 ) 打込み検査 ( 発注者が実施 ) 不合格の場合は返品 不合格の場合は構造物の検査 迅速性を優先 絶対値の評価 全量検査が理想 図 -7 単位水量の管理と検査の位置付け造管理技術と単位水量測定技術の双方が未成熟であるため, 当面は注意を喚起する値 ( イエロー値 ) を設けて, 管理に役立てることを提案する 判定の基となる値は, 配合計画表に示されている単位水量の値である 計画表では季節変動などを考慮しておかなければならない まず, この値が (1) または (2) を満足することを確認する (1) 土木工事における配合計画表の値の上限 165kg/m 3 ( 粗骨材の最大寸法 :40mm) 175kg/m 3 ( 粗骨材の最大寸法 :20~25mm) (2) 建築工事における調合計画表の値の上限 175kg/m 3 ( 高耐久コンクリートの場合 ) 185kg/m 3 ( 一般コンクリートの場合 ) 次に, 以下の条件で測定した単位水量が配合計画表の値に対して ±10kg/m 3 の範囲にあることが確認できた場合には合格とする 1) 生コン車の最初の 1 台目 2) それ以降は, 午前 1 回, 午後 1 回以上 3)100m 3 に 1 回以上もし ±10kg/m 3 の範囲にない場合, イエローゾーン ( 目標値に対し ±10kg/m 3 以上 ±15kg/ m 3 以内 ) の生コンはそのまま受け取り, 打設する レッドゾーン ( 目標値に対して ±15kg/m 3 以上 ) にある場合は, 受け取りを拒否する いずれの場合も以降の測定を以下の頻度で行う 4) 不合格以降の検査はすべての生コン車 5) 連続 3 台が合格したことで安定と評価 6) 生コンクリートの状態を観察し適宜測定

10 土木 粗骨材最大寸法 20mm の場合 : 配合計画表の値の上限 175kg/m 3 の例 単位水量 (kg/m 3 ) 計画の単位水量に対して合格判定値を定めるレッド値 :±15kg/m 3 イエロー値 :±10kg/m 3 *1 目標値が 175kg/m 3 の場合 最大で kg/m 3 となる ~3 は各打設日の計画値それぞれを 175kg/m 3 値以内とする日間 日内変動などを想定 計画時の配合表に示された単位水量 : 175kg/m 3 以内であることを確認季節変動を想定し 最大でも 175kg/m 3 を満足するものとする *1: レッド値は当面 ±15kg/m 3 とするが 5 年後には ±10kg/m 3 とし イエロー値は廃止する 合否判定は検査のために必要であり イエロー値は管理のための値であるため 図 -8 単位水量の検査に対する合否判定の考え方の案 なお, 測定した結果が信頼できない場合は 1 回のみ再試験をすることができ, その結果は 2 回の値のよい方の値を結果として扱ってよい ここで示した配合計画表の値の上限やイエロー値, レッド値はあくまで暫定的なものである 前者は地域などによっては厳しいものであり, コンクリート構造物全体の性能をもとに適切な値が議論されるべきである 後者は, コンクリートの品質変動を考えれば大変甘いものであるが, 現状の製造管理体制と測定器の精度を考え合わせると致し方ないものである 今後の製造管理の高度化, 測定器の高度化に伴い, より厳しい値に見直していくのがよいと考えられる ただし, 製造管理が十分に高度化すれば, 単位水量の現場測定そのものが必要なくなり, 書類審査で十分となるであろう 8. おわりに単位水量の測定, 管理, 検査に関しては, 解決 しなければならない問題が山積している とくに, 今後の議題としては, 試験方法の標準化や試験装置の検定システムの確立があり, 何よりも試験精度の向上が上げられる コンクリートに限らず, 工業製品は検査をするのが主でなく, 製造者の責任において品質保証をすることが社会的信頼の本質である 本報告に示された内容を参考とし, 従来の強度管理から単位水量管理へと重点を移し, 信頼性の高いコンクリートが提供されることが望まれる また検査基準を提案したが, これで充分という水準までには今少し厳しさが必要である 当面この水準で実績を積み重ね, 今後, できるだけ早い時期に管理水準や試験精度の向上の進展状況に応じて, 高い水準に引き上げられ, コンクリートへの信頼性が高まることを期待する 最後に, 本委員会ならびに委員会活動に伴った実験などにご協力いただいた機関 会社の方々に謝意を表します

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