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1 第 121 回北海道整形外科外傷研究会 抄 録 平成 22 年 2 月 27 日 ( 土 ) 14:50~ 於 : かでる 研修室 会長 : 刀圭会協立病院津村敬先生共催 : 北海道整形外科外傷研究会大日本住友製薬株式会社

2 第 121 回北海道整形外科外傷研究会 一般演題 (1)GustiloⅢC 足関節開放骨折の2 例札幌東徳洲会病院井畑朝紀先生 (2) 安定型足関節外踝骨折に対するギプス固定と装具による早期運動療法の比較手稲前田整形外科病院整形外科畑中渉先生 (3) 治療に難渋した人工肩 肘関節周辺骨折の1 例市立札幌病院整形外科佐久間隆先生 主題 (1) 踵骨アキレス腱付着部裂離骨折 2 例の治療経験旭川赤十字病院整形外科森井北斗先生 (2) 皮膚壊死 感染を生じた踵骨裂離骨折の1 例市立函館病院整形外科中島菊雄先生 (3) 両側踵骨開放骨折 (GustiloⅢB) に対する皮弁形成術の1 例札幌東徳洲会病院外傷部土田芳彦先生 (4) 当院で踵骨骨折に対し施行したプレートでの観血的骨接合術々後の合併症北見赤十字病院整形外科中川宏士先生 (5) 当院における踵骨関節内骨折に対するプレート固定術の治療成績刀圭会協立病院津村敬先生 (6)Locking plateを用いた踵骨骨折の治療経験札幌医科大学附属病院高度救命救急センター入船秀仁先生 教育研修講演 踵骨骨折の病態と治療 奈良県総合リハビリテーションセンターセンター長北田力先生

3 一般演題 (1) GustiloⅢC 足関節開放骨折の 2 例 札幌東徳洲会病院外傷部井畑朝紀土田芳彦村上裕子辻英樹成田有子熊谷明史田逢康名和正行札幌徳洲会病院整形外科外傷部磯貝哲倉田佳明高橋信行橋本功二平山潔新井学 はじめに 血管損傷を伴う下肢重度開放骨折のなかでも膝関節や足関節など関節近傍の損傷は 関節機能温存への要求度が高く それゆえ関節再建を可能にする軟部組織はより重要な役割を有する 今回我々は GustiloⅢC 足関節開放骨折 2 症例の治療経験より 良好な結果を得るための方策について検討し報告する 症例 1 48 歳 男性 土木作業中に右足関節を重機に挟まれ受傷 足関節背側の皮膚剥脱と足関節以遠の血行障害があり 内果 距骨 踵骨 舟状骨の骨折を認めた 緊急手術にて距骨骨折に対し骨接合の後に後脛骨動脈を展開 血栓性閉塞を切除し動脈端々吻合を行った 剥脱した足背皮膚は一次縫合した 第 7 病日に壊死に陥った剥脱皮膚をデブリドマンしたところ 足背と足関節内側部に各々 約 5cm 5cm 大の皮膚欠損を認めた 下層の軟部組織血行は温存され 関節部や腱が露出する状態には至らなかったため 植皮術にて対応した 術後感染などの合併症はなく 術後 3 ヶ月の現在 PTB 装具で歩行している 症例 2 60 歳 男性 鉄工場で勤務中 鐵鋼が倒れ左足関節を挟まれ受傷 左足関節の開放性脱臼骨折を認めた 足関節以遠の阻血があり 緊急手術にてデブリドマン施行後に 完全断裂していた後脛骨動脈の端々吻合を行った 足関節周囲の軟部組織損傷が著しく 関節部および腱が露出したため 第 3 病日目に遊離大網移植術にて再建した 術後 8 ヶ月経過し 跛行はあるが独歩可能である 考察 今回の自験例においては 欠損した軟部組織の再建術として 1 例に植皮術 もう 1 例に遊離皮弁術を施行した 皮弁術が必要か否かの判断は 骨 関節 腱 インプラントなどの 露出に不適当な組織が血行のある軟部組織に被覆されるか否かに拠る 保存的に経過を観察した後に軟部組織が破綻することは許容されない 良好な結果を得るためには信頼に足る判断を行い 軟部組織の血行が疑わしい場合には皮弁術を選択する姿勢が望ましい

4 一般演題 (2) 安定型足関節外踝骨折に対するギプス固定と装具による早期運動療法の比較 手稲前田整形外科病院整形外科畑中渉 はじめに 安定型足関節外踝骨折に対する保存療法に関して ギプス固定群と装具固定による早期運動療法群との間に差異は生じるのかを検討した 対象および方法 対象は37 例 男性が16 例 女性が21 例で 右が18 例 左が19 例 受傷時平均年齢は48.6 歳 (16~89 歳 ) であった 受傷機転はスポーツが5 例 一般外傷が24 例 労災が6 例 交通事故が2 例であった 骨折形は AO 分類のA1が 11 例 B1が25 例 C1が1 例であった 治療法は ギプス固定単独群 ( 以下 C 群 ) が12 例 ギプス固定後装具固定に変更したもの ( 以下 CB 群 ) が12 例 装具固定単独群 ( 以下 B 群 ) が13 例であった 結果 固定期間は C 群が30.6 日 CB 群が53.3 日 B 群が44.5 日であった 受傷後 6 週で終診となった1 例を除いて 平均 6.4 週で骨癒合が得られた 疼痛消失は C 群が2.8 週 CB 群が4.1 週 B 群が5.2 週とC 群が優れていたが 独歩可能になったのは C 群が2.6 週 CB 群が2.3 週 B 群が1.5 週とB 群が優れていた 最終調査時の対健側比 AROMは C 群が91.5% CB 群が83.0% B 群が92.9% であったが 骨癒合が得られた平均 6 週時点での対健側比 AROMは C 群が 75.7% CB 群が72.0% B 群が84.2% で B 群がいずれも優れていた 考察 安定型の足関節外踝骨折に対して 漫然とギプス固定を行うより 症例を見極めたうえで装具固定によって足関節の内反は制限するが底背屈を許容する運動療法を行ったほうが 足関節の可動域改善に有利であり 骨癒合を障害することも無かった

5 一般演題 (3) 治療に難渋した人工肩 肘関節周辺骨折の 1 例 市立札幌病院整形外科佐久間隆平地一彦奥村潤一郎平山光久中山央高橋敬介宮腰友子 目的 股関節 膝関節を主体とした人工関節置換術が普及しているが 周辺骨折を合併した場合 インプラントやセメントの介在 骨質 その他の要因のため治療は困難である 今回 人工肩関節 人工肘関節の間で骨折し治療に難渋した例を経験した 治療経過を報告する 症例 81 歳女性 50 代発症のRAで右人工膝関節置換術 (TKA) 両側人工肩関節置換術 (TSA) 右人工肘関節置換術(TEA) の手術歴と 糖尿病 気管支喘息の既往があった 平成 20 年 5 月 自宅内で転倒し右肘を打撲受傷 近医に搬入され X 線上 右 TSA(SOLAR) とTEA(Kudo) の間での上腕骨骨幹部骨折と診断され 手術目的で当科に紹介入院となった 入院時現症で橈骨神経不全麻痺も合併していた 受傷 10 日目に7 穴 LCPスモールプレートにスクリュー 4 本とドールマイルズケーブル3 本を用いて固定 骨接合部に銀行骨を充填した しかし 術後 5 週頃より右肘関節近位部に疼痛出現し X 線上 プレート遠位 TEA 上腕コンポーネントの近位端で新たな骨折が発生した この頃から内科合併症から併発した呼吸困難 胸水貯留 心房細動のためCCU 搬入 循環器科管理が約 7 週間なされた 全身状態の改善を待って 平成 20 年 9 月 ( 初回手術後 14 週 ) に偽関節手術を施行した 7 穴のナロー LCPプレートにスクリュー 4 本とドールマイルズケーブル3 本を用い腸骨骨移植を追加した 術後 10 週頃から骨接合部の安定性が確認された 橈骨神経麻痺による母指以外の機能障害が残存したため 平成 21 年 1 月にPT ECRB FCU EDCの腱移行術を追加した 術後 1 年の現在 右上肢機能は受傷前の状態に回復した ポイント 初回手術ではプレートの選択 スクリューとケーブルの位置に問題があった 橈骨神経麻痺に対する手術時期などを含めて検討する

6 主題 (1) 踵骨アキレス腱付着部裂離骨折 2 症例の検討 旭川赤十字病院整形外科森井北斗加茂裕樹高橋滋小野沢司 はじめに 踵骨骨折の中でアキレス腱付着部裂離骨折は比較的稀である 手術を要した2 例に対してスーチャーアンカーを用いた固定を行い良好な経過を得たので報告する 症例 1 66 才女性 水田であぜを飛び越え着地した際にアキレス腱部の疼痛が出現し 近医を経て当院を初診した 単純レントゲンにおいて踵骨アキレス腱付着部裂離骨折を認めた 受傷後 4 日に骨接合術を施行した 骨片をK-Wireを 2 本用いて固定し さらに踵骨にスーチャーアンカーを2 本挿入 アキレス腱にKrachaw Sutureをかけて縫合した 術後は下腿から足部まで軽度底屈位でシーネ固定を行った 術後 5 週から自他動可動域訓練を開始し 術後 10 週より部分荷重歩行を開始した 術後 11 週の時点で レントゲン上の骨癒合は得られている 症例 2 28 才男性 バイク運転中にカーブを曲がりきれずに転倒 右足をバイクと地面にはさんで受傷した 同日当院救急外来を初診した 単純レントゲンにおいて踵骨アキレス腱付着部粉砕骨折を認めた 受傷後 15 日に骨接合術を施行した アキレス腱付着部の骨片をKワイヤーで固定し整復位を保って 踵骨にスーチャ アンカーを2 本挿入 アキレス腱にKrachaw Sutureをかけて縫合した 術後は足関節最大底屈 軽度外反位で外固定を行った 術後 2 週から自他動可動域訓練を開始し 術後 7 週で部分荷重歩行を開始した 受傷後 4ヶ月現在 1 本杖歩行は自立し 足関節の可動域は健側と同程度得られている 考察 踵骨アキレス腱付着部裂離骨折は比較的稀であり 諸家の報告によると全踵骨骨折の0.5% から6.5% 程度の頻度とされている 手術が行われることが多い骨折であり様々な内固定方法が報告されている 今回我々は スーチャーアンカーを用いた内固定を行い良好な経過を得た症例を経験したので 文献的な考察を踏まえて報告する

7 主題 (2) 皮膚壊死 感染を生じた踵骨裂離骨折の 1 例 市立函館病院整形外科中島菊雄佐藤隆弘平賀康晴岩澤智宏岸谷正樹花香恵 症例 53 歳 男性 糖尿病の既往あり 喫煙歴あり 左足部全体の腫脹 疼痛を主訴に来院 外傷のエピソードの訴えがなかったため 踵骨骨折は疑わず前足部のみのX-Pを撮った 踵部に水疱形成が見られ CRP 7.6mg/dl WBC 12,800/µlと高値であり 蜂窩織炎を疑い まず抗菌薬の点滴治療を開始した 3 日後の再診時に 初診前日にダンプの荷台から飛び降りたとの訴えあり X-Pを追加撮影し踵骨裂離骨折と診断した 受傷から8 日目に手術を行なったが 踵骨後方の皮膚は既に壊死となっており 骨折部の整復 固定と同時に局所皮弁手術を行なった 術後は軽度尖足位で3 週ギプス固定を行なった 皮弁は次第に壊死となり 骨折部は再転位を生じた 術後 1ヵ月で 再固定とOsferion の充填 medial plantar flapでの被覆を行なった しかし 創からの滲出が続き Staphylococcus sp. が検出された 3ヵ月後に抜釘 AMK 混入 Biopex の充填を行い その6ヵ月後にようやく創の閉鎖が得られた しかし 6ヵ月後に再び排膿が見られ defattingと骨掻爬を2 回行なった 合計で5 回の手術 2 年の治療期間を要した 考察 踵骨骨折のうち beak typeとavulsion typeを合わせても3% 以下 ~4% 前後と報告され 比較的珍しいと言われる また これらの骨折では 皮膚壊死や再転位を生じることがあるといわれる 皮膚壊死の原因についてはこれまでもいろいろと考察されてきているが 骨片の大きな転位が生じる事により 皮膚 皮下組織と深部との連絡が途絶するわけであり degloving 損傷と類似の病態と考えるべきではないかと思われる このタイプの骨折は 当初より骨折と皮膚損傷の両面からの治療を考えるべきであり 早期の整復と軟部組織への愛護的な操作が必要と考えられる

8 主題 (3) 両側踵骨開放骨折 (GustiloⅢB) に対する皮弁形成術の 1 例 札幌東徳洲会病院外傷部土田芳彦村上裕子辻英樹名和正行井畑朝紀成田有子熊谷明史田邉康札幌徳洲会病院整形外科外傷部磯貝哲倉田佳明高橋信行橋本功二平山傑新井学札幌医科大学高度救命救急センター入船秀仁 はじめに 転落外傷などによる踵骨骨折はときに重症化し 遷延する軟部組織治癒が骨髄炎を惹起し 治療に難渋する事例は散見される しかし 同部位における皮弁形成術の報告は少ない 今回我々は 両側性踵骨開放骨折 (Gustilo ⅢB) に対して遊離組織移植術により再建した 1 症例を報告する 症例提示 症例は既往に統合失調症を有する 27 歳の男性である 自宅 5 階より転落受傷 救命救急センターへ搬送された 搬入時出血性ショック状態で 腰椎脱臼骨折および両踵骨開放骨折を認めた 出血性ショックに対して大量輸血および腰動脈塞栓術を施行した 両踵骨開放骨折は踵骨の粉砕が著しく 足底踵骨側の皮膚は大きく剥脱していた 当日は可及的に洗浄し 創閉鎖を施行した 全身状態は安定せず ICU にて開放創部の洗浄を繰り返したが ようやく全身状態が安定化した受傷 1 週間後には両踵骨部には深部感染症を合併していた 手術室にてデブリドマンを施行すると 両側とも死腔形成を伴った皮膚軟部組織欠損が生じ その大きさは右側で 15 20cm 大 左側で 5 10cm 大であった デブリドマン施行 4 日後に遊離筋肉移植術による再建術を施行した 両踵骨部のデブリドマンを再度施行後に レシピエント血管として後脛骨動静脈を剥離した 遊離組織として左側胸部より広背筋および前鋸筋を挙上し 組織欠損の大きい右側には広背筋を 左側には前鋸筋をそれぞれ移植した 移植組織血行にトラブルはなく 感染症を併発することなく軟部組織は治癒した 術後 5 週間で両下肢グラフィン装具にて平行棒歩行を開始した 術後 3 カ月で装具なく独歩が可能となり 以後 1 年の経過にて足底部軟部組織に破綻を認めていない 考察 GustiloⅢB のごとく重度の踵骨開放骨折は系統的かつ緻密な治療を必要とする 早期遊離組織移植術による再建は健常な軟部組織被覆を可能にし 重篤な合併症である骨髄炎を回避することを可能にする

9 主題 (4) 当院で踵骨骨折に対し施行したプレートでの観血的骨接合術々後の合併症 北見赤十字病院整形外科中川宏士菅原修森末昌諭妹尾一誠原由佳 はじめに 近年 CTなどによる骨折部や後距踵関節面の評価が進歩したこともあり踵骨骨折に対してプレートによる観血的骨接合術が積極的に行われるようになり その良好な成績の報告が散見される しかしその一方で創癒合の遷延や離開 創縁の壊死 感染 腓腹神経損傷など術後合併症の報告も多く見られる 今回 当院で施行した踵骨観血的骨接合術の術後合併症について報告する 対象 方法 対象は当院で2004 年 4 月から2009 年 3 月までの5 年間にプレートによる観血的骨接合術を施行した32 症例 34 足のうち一ヶ月以上フォローできた28 症例 30 足 男性 24 足 女性 6 足 平均年齢 52.7 歳 (17~78 歳 ) 外来 入院カルテ 手術記録を元に手術時間 手術時の皮切 創部の完全閉鎖までの日数 術後合併症を調査した 結果 平均手術時間は115.5 分 (76~192 分 ) 手術の皮切はOllier incision 21 足 Extended lateral incision 9 足であった 創部の完全閉鎖までの日数は53 日 (16~756 日 ) であった 術後の合併症は表層感染 3 足 (10%) 深部感染 2 足 (6.7%) 神経損傷 深部静脈血栓症は認めなかった 考察 踵骨骨折に対する観血的骨接合術々後の合併症としては創癒合の遷延や離開 創縁の壊死 感染 腓腹神経損傷等が報告されている その中で 術後感染率は0~25% であり当院の術後感染率もこの範囲に含まれている 今回 当院で踵骨骨折に対し施行した観血的骨接合術の術後合併症について若干の文献的考察を加えて報告する

10 主題 (5) 当院における踵骨関節内骨折に対するプレート固定術の治療成績 刀圭会協立病院津村敬伊林克也佐藤幸宏長谷川敏 緒言 我々は転位の大きな踵骨骨折にプレート固定術を行っているので治療成績を報告する 対象と方法 症例は2006 年 6 月から2009 年 9 月までに当院で外側アプローチによるプレート固定術にて治療した踵骨関節内骨折 9 例 平均年齢 57 才 (25~74) 男性 7 例 女性 2 例 受傷機転は全例転落 骨折型はEssex-Lopresti 分類で関節陥没型 5 例 舌状型 4 例 平均経過観察期間 20ヶ月 (4~43) 手術方法は 拡大外側アプローチにて展開 整復後にβ-TCPを移植 外側壁にプレート固定を施行 後療法は可動域訓練を即時 部分荷重を5~6 週 全荷重を 8~12 週で許可 検討項目はMaxfieldの評価基準 合併症 骨癒合 スクリューの関節面穿孔 ベーラー角 杉本の横径指数 術後の後距踵関節面の step offとgapとした 結果 Maxfieldの評価基準は優 6 例 良 3 例 合併症として2 例に創縁の潰瘍形成 1 例に縫合糸感染 1 例に術後急性心筋梗塞を認めた 全例が骨癒合 スクリューの関節面穿孔を2 例 3 本に認めた ベーラー角は受傷時 4.1± 14.5 度 術直後 26.7±6.0 度 骨癒合時 22.1±6.3 度で 各群間に有意差を認めた 杉本の横径指数は受傷時 29.2±15.4% 術直後 7.4±3.5% 骨癒合時 6.7±4.9% で 受傷時と術直後に有意差を認めたが 術直後と骨癒合時に有意差を認めなかった 術後の後距踵関節面のstep offは全例で3mm 以下であったが gapが4mm 以上の症例を2 例に認めた また後距踵関節の後内側ほど整復不良となる傾向を認めた まとめ 臨床成績は良好であった 基礎疾患を有する症例で創に関する合併症を認めた スクリューの関節面穿孔を少なからず認めた ベーラー角に矯正損失を認めたが 踵骨横径は保持された 視野の悪い後距踵関節面の後内側ほど整復不良となる傾向が見られた

11 主題 (6) Locking plate を用いた踵骨骨折の治療経験 札幌医科大学附属病院高度救命救急センター入船秀仁斉藤丈太 はじめに 踵骨骨折は観血的治療を行ったとしても矯正損失がおきることが多く 治療に難渋することの多い骨折である 骨移植を併用しても完全にそれを避けることが出来るとは言い難く 何らかの工夫が必要であることが多い 近年ロッキングプレートが開発され 各部位でその有用性が証明されてきているが 国内では踵骨用のロッキングプレートは依然として流通してはいない 今回 踵骨骨折に対し 橈骨遠位端用のロッキングプレートを用いて治療を行ったので その結果を報告する 対象と方法 演者が治療を行った踵骨骨折のうち LCP を使用した 3 例を対象とした 手術方法は Ollier のアプローチに準じたものを使用し plate は Synthes 社の 2.4mm LC-DRP T-plate で これを bending して straight として使用した 骨移植は自家骨 人工骨とも使用せずに治療を行っている これらに対し 骨折型は Sanders 分類 また 術直後と最終経過観察時の矯正損失に関して調査を行った 機能予後に関しては Maxfield 評価を使用した 結果 前記の方法で治療を行ったのは 3 例で 全例女性 受傷時平均年齢は 43.3 歳 受傷時の Bohler 角は平均 0.7 度であった 受傷後平均 5 日目に手術を行っていた 術直後の Bohler 角は平均 29 度であった 経過観察期間は平均 322 日で 最終経過観察時の Bohler 角は平均 29 度で いずれの症例も矯正損失は認められなかった また Maxfield 評価は 3 例とも excellent であった 考察 過去の報告では 豊田らが 3.5mm LCP T oblique angle plate を使用しての踵骨骨折の治療成績を紹介している 演者もこれと同様の考えで 関節面の整復位保持のために角状安定性の必要性を感じており かつ 低侵襲での手術を模索していた 本法は通常の 2.4mm screw では長さが不十分なことがあるが 同社の 2.7mm screw を使用することが出来るので これを用いれば長さが不足することはなかった また 従来の plating では骨移植を必要とすることが多かったが 本法では骨移植は併用しなくとも矯正損失は生じないことが示された

12 教育研修講演踵骨骨折の病態と治療 奈良県総合リハビリテーションセンターセンター長北田力

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