ニホンナシの盛土式根圏制御栽培法 この盛土式根域制限栽培法 ( 以下 根圏制御栽培 ) は 遮根シートにより地面と隔離した培土量 150 Lの盛土に苗を植付け 樹齢 生育時期別に測定した吸水量に基づき 樹の成長に合わせて設定した灌水を行うことができる 培地を盛土にすることで滞水による湿害の発生がなく

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1 技術 果樹 安定生産を可能とする技術 技術名技術の特徴開発機関名ページ ブドウの施設栽培での LED ランプの利用による品質向上 無加温ハウス下のポット植栽ブドウ樹を供試して 夜間 ( 日没後 3 時間および夜明け前 3 時間 ) に青色光 LEDの照射を行った LED の照射期間は満開後 25 日以降収穫日までとした ハウス内の温度は露地に比べ1 度程度上昇した 青色 LED 光の照射は 無処理に比較して有意にブドウ果皮のアントシアニン合成を促進し さらにブドウ糖 ショ糖 果糖など糖濃度の上昇を促進した LED 千葉大学 1 照射による果実品質への影響としては ブドウの場合 特に植物ホルモン : アブシシン酸との関連が考えられたが 本研究では青色 LED 光の果実への影響としては 青色波長のアントシアニン合成関連遺伝子への直接的な影響が強いと推察された 赤色光 LEDの照射も糖濃度の上昇を促進したが 着色については青色光に比較し その影響は小さかった 作業性の良いモモ低樹高開張型樹形 モモの低樹高開張型樹形は 添え竹や吊り支柱の利用により骨格枝を開張することで低樹高に整枝した樹形である 当樹形は慣行樹と同等の品質と収量が見込まれ 作業性が良く労働負担の軽減が図られる 1 低樹高開張型樹形は主枝角度を 30 度前後に開張することにより 樹高 3.5m 以下の低樹高に維持することができる 2 樹を開張することで樹冠占有面積の拡大が早く 早期多収性がある また 病害虫防除の面からは薬液の到達性が高く 防除効果の向上が期待できる 3 骨格枝を開張することによって高さ 1.5~3.0m に多くの側枝を配置することが可能になり 作業時間の削減など作業性の向上が図られる 福島県農業総合センター 2 新病害 モモ果実赤点病 の発生生態と防除対策 モモ果実赤点病は 本県および和歌山県で発生が確認されている新病害である 被害果は商品性を著しく低下させるため 早急に防除対策が必要なことから 発生生態の解明や有効な薬剤の選抜を行ってきた その結果 防除対策として果実への感染が多い 6 月下旬 ~7 月中旬にダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布することが有効であることが明らかとなった 1 本病は Ellisembia sp. による病害であることが明らかとなり これまでウメシロカイガラムシの加害症状と誤認されてきたが 吸汁痕がないので識別できる 生育適温は 25 ~30 生育温度は 10 ~35 である 3 伝染源は枝に形成された分生胞子であり 分生胞子は 6 月上旬 ~9 月上旬まで飛散し 捕捉数は降雨後に多くなる傾向を示した 4 果実への感染は 6~7 月の梅雨期に多いことから 6 月下旬 ~7 月中旬にダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布したところ いずれも防除効果が認められた 福島県農業総合センター 5 リンゴ ふじ の省力密植栽培に適した不織布ポット栽培 1 不織布ポットの容量が小さいほど樹高や樹幅が小さく抑えられる傾向があり 作業の面から望ましい樹高を 3.5m 程度とすると JM7 台の 15 リットルポット栽培がこの条件を満たす 2 JM7 台利用樹では ポット容量が異なっても果実品質には有意な差は認められない 3 JM7 台の 15 リットルポット栽培では樹体がコンパクトに押さえられ 日当たりも良好であることから 花芽分化率が高い 4 JM7 台の 15 リットルポット栽培は 作業性が良く 10a 当たりの作業時間が少ない 5 JM7 台相当のわい性台木を使用した低容量のポット栽培樹は 植栽距離 m の密植条件でも樹が植栽距離内に無理なく収められ 早期多収を可能とするリンゴの密植栽培に有効な栽培方法である 福島県農業総合センター 8 ブドウ シャインマスカット の果粒肥大を促進させる生育条件 管理方法 ブドウ シャインマスカット は 着房位置の葉が大きく 開花期の副梢葉枚数が多い新梢や 新梢先端側の花穂に優先して着果させると果粒肥大が良い 開花期の副梢葉枚数が中程度 (7 枚 ) 以上の新梢では 摘心後発生する副副梢を適宜摘除すると果粒重が大きくなる 茨城県農業総合センター園芸研究所 11 QoI 剤耐性ブドウべと病菌発生圃場における効果的な防除体系 QoI 剤 ( ミトコンドリア電子伝達系のチトクロームbc1 複合体のQo 部位に作用する薬剤 ) 耐性ブドウべと病菌が発生する圃場で は QoI 剤の防除効果は低く CAA 剤 ( カルボン酸アミド ) 等の防除効果が高い 茨城県農業総合センター園芸研究所 14 CAA 剤やキャプタン水和剤等を導入し QoI 剤の使用回数を削減した防除体系は べと病に対して高い防除効果が認められる

2 ニホンナシの盛土式根圏制御栽培法 この盛土式根域制限栽培法 ( 以下 根圏制御栽培 ) は 遮根シートにより地面と隔離した培土量 150 Lの盛土に苗を植付け 樹齢 生育時期別に測定した吸水量に基づき 樹の成長に合わせて設定した灌水を行うことができる 培地を盛土にすることで滞水による湿害の発生がなく 培土量 灌水量および施肥量などにより樹勢を制御することができる この方法により 植付け2 年目に慣行成園並の2t/10a 4 年目以降慣行の2 倍の6t/10aと早期多収に加え 超多収が可能となる また 品質 ( 糖度 ) も慣行よりも高い 給水方法を点滴灌水の他 底面給水法とすることで 灌水関係経費の削減が図られ低コストでの導入が可能である 移植による未収益期間が短く 早期に高所得が得られることから 農家経営改善効果の高い栽培方法である 栃木県農業試験場 17 早期多収で省力化が可能なスモモの樹体ジョイント仕立て栽培 スモモの樹体ジョイント仕立て栽培は 優良側枝が確保できるため慣行の二本主枝栽培と比べ約 1.5 倍の増収となり 早期多収が可能である また 側枝を一定方向に配置するため樹形が直線的となり 人工受粉やせん定等の管理作業時間を慣行の二本主枝栽培より 27% 短縮できる 群馬県農業技術センター 19 樹木の樹体ジョイント仕立て 主枝を片側一方方向へ延長し 先端部を隣接樹の主幹肩部へ接ぎ木により連結し 複数樹を直線状の集合樹に仕立てる技術 特徴 1 樹勢の均一化が得られる 2 早期成園化が図れる 3 整枝 剪定作業の省力化が図れる 神奈川県農業技術センター 20 ブドウ シャインマスカット の専用カラーチャートの開発 収穫期前後の シャインマスカット の果粒写真を画像ソフトに取り込み 果皮の平均色を求め 濃緑色 ~ 黄緑色の5 段階にした シャインマスカット 専用のカラーチャートを開発した シャインマスカット の果粒はカラーチャート値が大きくなるにしたがって糖度が高くなり カラーチャート値 3 以上になると県の収山梨県果樹試験場 21 穫基準である18 Brixを越える シャインマスカット の果粒はカラーチャート値が大きくなるにしたがって かすり症 の発生度が高まる傾向にあるので カラーチャート値 3 以上になったら順次収穫する モモ スモモ オウトウの貯蔵花粉の発芽率を向上させる順化方法 モモ スモモ オウトウの貯蔵花粉を温度 4~20 湿度 90% の多湿条件下で 2 時間程度順化させることで 室内で前日から順化させる慣行の方法に比べて 高い発芽率が得られる 多湿条件で順化した花粉を用いて人工受粉すると結実が向上する 多湿条件 : クーラーボックスなどの密封容器内に濡らしたタオルなどを入れる 吸湿のムラを防ぐため 十分な容量の容器を使用 花粉は少量ずつ小分けに順化 保存が利かないので 一度に使用するだけの花粉をその都度順化する 山梨県果樹試験場 22 チャノキイロアザミウマによる ロザリオビアンコ の かすり症 類似被害の識別と抑制 ロザリオビアンコ は 成熟期にチャノキイロアザミウマに果粒表面を加害されると かすり症 に類似した被害が発生する 被害果粒の表面を観察すると チャノキイロアザミウマの被害では吸汁された細胞がモザイク状に見られる かすり症 では微小な亀裂が見られる 被害は 100 倍以上の顕微鏡等で識別できる 除袋直前まで防除を行い 本種の発生を抑制することにより 果粒および穂軸の被害を抑制できる 山梨県果樹試験場 23 りんご ふじ 単植園における受粉専用品種の混植方法 ふじ 単植園に受粉樹として導入した受粉専用品種 メイポール の花粉は 訪花昆虫により 40m 程度離れた場所まで伝播されるが その量は 10m 程度までに急激に減少する ふじ 単植園において 受粉樹として受粉専用品種を 15~20m 程度の間隔 ( 受粉樹からの最大距離 7.5~10m) で植栽すると 頂芽中心果 80% 程度以上の結実が確保される これは花芽着生率 ( 開花率 ) を 60% とした場合 概ね 2 頂芽に 1 果の割合で中心果が結実していることになり 最終的な着果量の 2 倍程度の中心果が確保できることになる メイポール のえき芽花満開期は ふじ の開花始期とほぼ同時期である ふじ の満開期にかけて開花期間が重複する 長野県果樹試験場 24

3 交信攪乱剤は殺虫効果がなく 交尾を阻害し次世代の増殖を抑制する効果がある 設置園では 交信攪乱対象害虫に対するりんご なし ももの交信攪乱剤による殺虫剤の散布回数削減が可能である ただし ほ場内やほ場近隣の対象害虫の発生源をよく確認して 取り組み前に薬剤散布シンクイムシ類 ハマキムシ類等の防等で密度を減らしておく また 設置初年目から殺虫剤を削減せず ほ場内の対象害虫の発生がなくなったことを確認してから殺除虫剤の削減に取り組む 長野県果樹試験場 25 りんごの新わい化栽培 リンゴ新わい化栽培はこれまでのわい化栽培と比べ後述のような特徴を持ち 地上から 70% の果実が収穫できることを主な目標とする (1)M.9 ナガノ台木を台木法で利用し 切返し 芽かき ビーエー液剤散布処理で養成された 2 年生苗木を利用すること (2) 列間 3.5~4m 樹間 1.25~2m の並木植えで 10a 当たり栽植本数は 125~200 樹とすること (3) 仕立て法は従来と同様の細型紡すい形で 側枝は水平に誘引して 花芽の着生を促すなどにより 樹高は 3m 程度 結実部位の高さは 2.5m 程度で 樹幅は 1.5~2m 程度となる 従来の矮化栽培と比べ小型樹を長期にわたり維持できる 主要数品種の 4 2m 植えでの定植 8 年後までの収量について 定植 2 年目で多くの品種で 2~3kg/ 樹の初期収量があり 定植 7 年目で最大収量となった 10a あたり収量は ふじ が約 6.6t と最も高く 秋映 は 3.2t とやや低かった シナノゴールド シナノスイート はいずれも約 3.9t であった 長野県果樹試験場 26 リンゴの 2 年生フェザー苗の生産方法 りんごのわい化栽培の開園にあたっては 側枝 ( フェザーと呼ばれている ) を有する2 年生苗木の利用価値が高い この2 年生苗木の育成ほ手法は (1)1 年間育成して圃場に植えたままの状態の1 年生苗木に対し 発芽前までに接木部から約 40cm 程度の高さで切り戻しを行う (2) 展葉を過ぎた頃 頂端付近の旺盛な新梢を1 本残して芽かきを行う (3)1 本の新梢が20cm 程度に伸長長野県果樹試験場 27 した頃 新梢全体にビーエー液剤を散布する (4) 以後概ね10 日間隔で新たに伸長した新梢の先端から15cm 程度までの部分にビーエー液剤を散布する というものである また 密植度の高い栽培に適する2 年生わい性台木苗木とは 主に側枝本数で評価し 長さ5cm 以上 50cm 未満の側枝本数が概ね10 本以上であることを目標にする 水稲育苗ハウスを利用したぶどうのアーチ栽培技術 遊休期間が長く有効活用が求められていた水稲育苗ハウスを利用して 収益性の高いぶどう栽培が可能である アーチ栽培は 育苗ハウスアーチに沿ってぶどう主枝を誘引する短梢せん定無核栽培をベースにしたコンパクトな樹形で 新規にはじめる人でも高度なせん定技術を必要としない 開園費用は苗木を含めて約 7 万円 /aで ハウス資材や針金を利用しての自家施工も可能である シャインマスカット の場合 植栽 2 年目で収穫が始まり 3 年で樹形が完成して開園費用が回収できるようになる また 4 年目からは成園化が可能で 150~200kg/aの収穫量が見込める 年間の労働時間は 24.2h/aで水稲の主要作業時期との競合は少ない 水稲育苗は 通常どおり行うことができる 新潟県農業総合研究所 28 日本ナシの降雨後の溶液受粉による着果安定 開花期に降雨が続き花が濡れていると ぼん天や市販の受粉器による受粉ができなくなるが 溶液受粉 は 降雨が続いても 数時間の晴れ間がれば 花が多少濡れた状態でも受粉可能で 40% 程度の着果率が確保できる 種子数は 慣行 ( ぼん天受粉 ) に比べ 低下するが 1 果重に大きな差は見られない また 従来の 溶液受粉 では 受粉器としてハンドスプレーを用いているが ぼん天の先端部をスポンジに変えることで 手の疲労を減らすことができる 石川県農林総合研究センター農業試験場 30 幸水 の二本主枝垣根仕立てによる早期成園化技術 1 二本主枝垣根仕立ては 二本主枝仕立てを基本に棚下の主幹部分から左右合計 6 本の側枝 ( 棚下側枝 ) を配した樹形である 遮根シートの上に堆肥等で土壌改良した用土 600 リットルの高うねに 2 年生の大苗を定植する 2 この栽培法は 定植 2 年目 (4 年生樹 ) から棚下側枝が結実し始め 定植 4 年目 (6 年生樹 ) には成園並みの 3t/10a 以上の収量が得られる 初期収量 (4~6 年生樹 ) は同じ樹齢の慣行栽培に比べ 2 倍以上の収量で また成園並みの収量に達する樹齢は慣行栽培に比べ 3 年早い 概要 植栽本数は 10a 当たり 80 本 ( 列間 5m 樹間 2.5m) 高うねの大きさは 1 樹当たり幅 80cm 長さ 2.5m 高さ 30cm 棚下側枝を配置するため 棚下に 3 本の補助線を高さ 70cm 100cm 130cm に設置 養液は高うねに設置した点滴灌水チューブにより供給 窒素濃度 50~100ppm で日給液量は 15~40L/ 樹を時期に応じて供給 石川県農林総合研究センター農業試験場 32

4 クリの大果生産のための徒長枝の摘心処理時期の解明 8 月下旬に未展開葉部分を摘心処理することで 二次伸長を防ぐことができ 翌年の徒長枝 1 本当たりの着毬数および収量が増加し 大果率も高まる 摘心処理により徒長枝長が短くなり 風害による折損被害が軽減できる 石川県農林総合研究センター農業試験場 34 イチジクにおける主枝更新剪定 ( リフレッシュ剪定 ) 樹の骨格となる主枝を毎年新しく入れ替え イチジクの樹を常に若い状態に保つことができる新しい剪定法を開発した 具体的には 4 本程度の 1 年枝 ( 前年の結果枝 ) と これを支える枝だけを残し 他の枝を全て切除する 残した 1 年枝は適度な角度に曲げ 翌年の結果母枝と主枝を兼ねた枝として活用する この作業を毎冬行うことによって 通常は半永久的に残る主枝を毎年更新することができる 大阪府立環境農林水産総合研究所 36 柿苗の周年生産方法および苗ポット等や施設を利用し 従来 2 年かかっていたカキ苗を 1 年以内で生産できる技術奈良県農業総合センター 37 早生ウンシュウミカンの新しい灌水指標にもとづく Web 灌水情報 15カ年の現地調査結果から高品質 M 級果実理想生育モデルと生育ステージ区分を導き出し 各ステージ毎のLWP 適範囲 ( 日没直後 ) を設定した 2 基準園 (3 園 ) の土壌体積含水率をTDRセンサーで連続的に計測し 前述のLWP 適範囲に対応する土壌体積含水率域をステージ別に導くとともに 適水分域の下限に達した際 上限に復帰させる為に必要な灌水量を算出した 3 気象台観測値をパラメータとして算出できる蒸発散位と TDRセンサーで計測する土壌体積含水率現況値をもとに 現況値測定日以降の土壌水分消費ペースを予測した 4Web 上 ( ) には土壌体積含水率の現況 および望ましい水分域を基準園別に示すとともに 適水分域の下限に到達すると予測される日を 次の灌水日 適水分域の上限に復帰させるのに必要な灌水量を 1 回当たり灌水量 その後も晴天が続くという仮定で再び下限に到達し 再灌水が必要となるまでの日数を 間断日数 として明示した なお 閲覧者は各々の条件に近い基準園の情報を参考にできる仕組みとした 和歌山県果樹試験場ホームページ ( あるいは 有田みかんデータベース ( からアクセス 和歌山県果樹試験場 38 簡易キットの利用によるカンキツウイルス病の簡易診断 カンキツの主要なウイルス病である温州萎縮病 (SDV) と接ぎ木部異常病 (ASGV) を個別にまたは同時に 約 15 分間で診断できる 福岡県農業総合試験場 40 ナシの大苗育苗を利用した根底制限栽培による早期成園化 大苗育苗方法ナシの大苗育苗は 不織布製ポット (25l) にピートモス等を混和した土壌を利用しそこに植え付け 一年間育成する方法です ポットへの苗木の定植 設置ポットの大きさに合わせて深さ 30 cmほどの溝を掘り ポットを並べ 植え付けます 植付け後は必ずかん水を行って 麦ワラを敷き 支柱を立てておきます この苗を 1 年間育苗することで細根が多い 2 年生の大苗を育成します 根底制限栽培根を水平方向に動きやすく誘導するため 透水性の防根シートを使った根底制限を行う方法です 1 直径 1m 深さ 30 cmの植え穴を掘り 透水性の防根シートを敷きます 2 ポット育苗した苗をシートの上に乗せ 植え付けます 3 植え付け土壌はピートモス 石灰 よう燐を混和したものを利用します 4 植え付け後は必ずかん水を実施し 麦ワラをのせておきます このように大苗を利用した根底制限栽培を行うことで 生育が促進され 結実までの期間を 2 年程度短縮し 早期成園化を行うことができます 佐賀県果樹試験場 45

5 隔年交互結実栽培技術を活用した 清見 の完熟栽培 清見 はを4 月まで樹上完熟させることで 糖度が高い高品質な果実を生産することができるが 隔年結果により生産が不安定となる そこで 温州みかんで実践されている隔年交互結実栽培を活用し 人為的に生産樹 遊休樹をつくり 毎年交互に生産させ佐賀県果樹試験場 50 ることで 高品質な果実の安定生産が可能となる ハウスミカン園で発生する にせ黄斑病 に対する防除対策 春芽利用型ハウスミカン園では, 展葉中期 ( 発芽 20 日後 ) 以降に 1~2 回無機銅剤を散布することで にせ黄斑病 の発生を抑制できる 夏芽利用型ハウスでも新梢伸長期に銅剤が散布されている場合には発病が少ない 新梢伸長期にボルドー液を使用する場合, 石灰による葉やけや穿孔等の薬害の発生を防ぐためにパラフィン系展着剤 ( アビオン E) を 1,000 倍で加用する 夏芽利用型ハウスでは, 銅剤との近接散布でビーエー液剤の効果が低下するので, 銅剤散布からビーエー液剤散布までの間隔を最低 60 日以上確保する 佐賀県上場営農センター 52 カンキツのチャノキイロアザミウマ発生予察の精度向上 チャノキイロアザミウマの適期防除のためには発生予察が有効であり 既に静岡県など主要カンキツ産地の県によって有効積算温度を利用した世代別の発生ピークを予測するシステム (JPP-NET 有効積算温度シミュレーション ) が構築されている しかし そのシステムを本県で利用するためには 現地での有効性を確認する必要があったため チャノキイロアザミウマの発生消長と有効積算温度に基づく予測との適合性を調べ それらのデータの活用法を明らかにした 研究の成果有効積算温度によってチャノキイロアザミウマの発生ピークを予測し 約 5 日間隔の黄色粘着トラップ調査で発生量と発生ピークを確認することで 効率的かつ精度の高い発生予察が可能となり 防除適期の目安として活用できる 普及上の留意点 有効積算温度の算出に利用する気象データをアメダスから入手する場合には 調査園地とそこから最寄りのアメダス地点の標高を考慮し 標高補正 (0.55 ( アメダス地点の標高 (m)- 調査園地の標高 (m)) /100) を行う必要がある 各世代の発生ピークがチャノキイロアザミウマの要防除水準(2.5 頭 / 日 / トラップ片面 ; 黄色粘着トラップの面積は20cm 10cm) 以上に達した場合に防除を実施する 熊本県農業研究センター果樹研究所 53 性フェロモンを用いた交信かく乱によるヒメボクトウ被害の低減技術 ヒメボクトウ幼虫がリンゴ ナシなど果樹の枝幹に穿入 食害する被害が 東北地方 北関東地方 長野県 三重県 徳島県などで大きな問題になっている 幼虫が樹体内に潜るため 従来の防除法では防除効果が薄かったが 交信かく乱により成虫の交尾千葉大学 56 を阻害することにより 次世代密度を低減させることが可能になった ぶどう ナガノパープル の強樹勢樹に対する環状はく処理 短梢せん定栽培のぶどう ナガノパープル において 満開時新梢基部径 ( 第 4~5 節間の最大径 ) が 10mm を越える強樹勢樹で 前年の果てい部着色が赤紫色に達しなかった樹に対して 環状はく皮処理を実施すると 果実品質が向上する 処理方法は次に示すとおりである (1) 対象 : 強樹勢の ナガノパープル ( 短梢せん定栽培 ) (2) 時期 : 満開 30~35 日後頃 (3) 位置 : 主幹部 地面から 100~150cm の高さ (4) 方法 : 1 太めのマーキングペン等を用い 主幹に幅 5mm で印をつける 2 つけた印に沿い 師部組織に達する程度に鋭利なナイフ等で切り込みを入れ 内側の薄皮部分まできれいに除去する 3 はく皮後に 処理部が乾燥しないようにテープ等で保護する 4 処理後 30 日程度経過し 処理部がゆ合組織で覆われ次第 テープを除去する 長野県果樹試験場 57 ウンシュウミカンの主幹形栽培 ウンシュウミカンにおいて主枝 1 本仕立てとすることにより, 開心自然形に比べ樹形が単純なため, 作業時間, 作業強度が低減する 定植後 3 年で成園化する 樹幅が 1.5m 程度とコンパクトなため, 傾斜地のテラス園でも, 作業通路が確保できる 広島県立総合技術研究所農業技術センター 59

6 モモのジョイント仕立て栽培 ナシで開発されたジョイント仕立て栽培をモモに適用した 従来の仕立て法と比較し摘蕾 摘果 袋かけ 収穫の作業時間では短縮効果が認められる 脚立を使う必要がなくなり, すべての作業で作業強度が低下する 定植後 3 年で成園化する 広島県立総合技術研究所農業技術センター 61 晩霜害対策技術 早春 果樹類の開花時は低温に対する耐性が弱く 晩霜に遭遇する機会が多い このため 晩霜害回避のために 多目的防災網 防霜ファン 燃焼資材の組合せによる防霜対策技術を確立した 栃木県農業試験場 64 各種袋 カサ資材利用によるブドウ シャインマスカット の果皮黄化抑制および かすり症 発生軽減 白色シートのマルチ処理による垣根仕立て赤ワイン用ブドウの熟期前進 ブドウ シャインマスカット の袋かけにおいて 緑色もしくは青色袋を使用すると 慣行の白色袋と比較して果皮色の黄化を抑制する また カサかけにおいても 緑色もしくは不織布製カサを使用すると 慣行の乳白カサと比較して果皮色の黄化を抑制する 袋管理とカサ管理を 慣行の白色資材で比較すると 袋で かすり症 の発生および果面のこすれが少なくなり外観が優れる 一方 カサでは糖度の上昇がやや早まり早熟傾向となる 山梨県果樹試験場 65 色シートのマルチ処理により カベルネ ソーヴィニヨン では糖度の上昇 酸含量の低下 およびpHの上昇が早くなり 1~2 週間熟期が前進する 同様に メルロ でも1 週間程度熟期が前進する 白色シートをマルチ処理した場合 カベルネ ソーヴィニヨン では約 2 週間 メルロ では約 1 週間早く収穫しても 糖度 phは同程度である 白色シートをマルチ処理した場合 カベルネ ソーヴィニヨン および メルロ とも同程度の収量であればアントシアニン含量は増加する 山梨県果樹試験場 66 受粉する時間帯の違いがスモモ オウトウの結実に及ぼす影響 スモモでは 年次変動はあるものの 受粉する時間帯により結実率に大きな差はみられないため どの時間帯の受粉も結実確保が可能であることから 日中に受粉ができない場合や受粉作業が遅れている場合等に活用する 一方 オウトウでは受粉する時間帯により結実率が異なり 10~14 時の受粉で良好な結実が得られるが 早朝や夕方の受粉では結実率が低下する オウトウでは 従来どおり気温が高い日の 10~14 時を中心とした受粉が効果的である 山梨県果樹試験場 67 ブドウの害虫クビアカスカシバの防除体系 クビアカスカシバの幼虫に対して パダン SG 水溶剤は高い殺虫活性を示し 食入防止効果は散布後 30 日程度認められる 成虫発生の初期 (6 月上 ~ 中旬 ) と中期 (7 月上 ~ 中旬 ) の薬剤散布により 高い防除効果が得られる 山梨県果樹試験場 の温水点滴処理によるリンゴ紫紋羽病防除 50 の温水点滴処理により地温を35 で6 時間程度維持することで リンゴ紫紋羽病菌を防除できる 温水点滴処理の基本条件や手順の概略は下記のとおりである 1 温水点滴処理の基本条件 50 の温水を使用する 点滴チューブを用いて温水を土壌表面に点滴する 処理終了の目安は 深さ10cmおよび30cmの地温を各 3ヵ所で測定し 1 深さ30cmの地温が3ヵ所とも35 を超えたとき あるいは2 深さ10cmの地温が45 を1ヵ所でも超えたときのいずれかとする 2 処理時期 地温の高い6~10 月が望ましい 3 処理範囲 処理樹を中心とした1.5m~2m 四方の範囲 4 点滴チューブおよび配置方法 市販の潅水用点滴チューブ( 圧力補正付 ドリッパー間隔 20cm 吐出量 2.3L/ 時 / ドリッパータイプのもの ) を使用し チューブ間隔は20cmで処理樹を中心に設置する 点滴チューブを格子型に組んだ市販の点滴器具 (EB-1000T エムケー精工株式会社) を用いるか 処理樹を中心に螺旋状または櫛形に点滴チューブを配置する 5 処理機器 既存の熱水処理機や家庭用小型ボイラーを利用した熱水処理機 あるいは市販の温水処理機(EB-1000H エムケー精工株式会社 ) を用いる 長野県果樹試験場 69

7 ナシ病害防除支援情報システム 梨病害防除ナビゲーション の開発 梨病害防除ナビゲーション は Microsoft Excel 2003 等で稼働し ナシ開花日 ( 始期 ) ナシ黒星病感染危険度 農薬散布日及び散布農薬を入力設定すると 病害防除支援チャートとして 防除要否を判断するために必要なナシ生育期の黒星病菌胞子の飛散状況 潜伏期間後の予測発病度 幼果の高感受性期間 農薬の残効期間等の情報をパソコン上に示す 千葉県農林総合研究センター 71 果実の付加価値向上に資する鮮度保持技術 加工技術 技術名技術の特徴開発機関名ページ 果実から 果汁を精製 濃縮することにより 蜂蜜状の食品素材を開発した 果実蜜の製造法 果汁を精製し 低温 (40 ) 条件下でBrix 値を75~80まで減圧濃縮することにより 粘度が7~9Pa Sの透明性があり 果実フレーバーの残る蜂蜜様食品 ( 果実蜜 ) となる 福島県農業総合センター 74 果実蜜 は原料果実の成分を反映し グルコース フルクトース スクロース及びソルビトール等の糖やクエン酸 リンゴ酸及び 酒石酸等の有機酸 カリウムを多く含む ウメ乳酸発酵飲食品およびその製造方法 ウメ果汁またはウメ果実を含む組成物が ph3 未満の範囲で 耐酸性を有しウメ果実の発酵に適した乳酸菌である Lactobacillus sp.fpl2(nite P-692) 該乳酸菌含有物 その処理物の少なくともひとつを含有してなること を特徴とする飲食品 福井県農業試験場 76 白干梅整列板の開発 塩漬け加工したウメを天日干しする際に 新たに開発した整列板を用いることにより 従来の手並べ方法に比べて作業が省力的で 果実品質の向上を図ることができる 整列板はセイロの形に合わせた 58 cm 58cm 厚さ 12mm の合板で 果実サイズ L~3L の直径の穴をそれぞれ 144~225 個配置し FRP 塗装を施したもの 整列板をセイロの内側にはめ込み その上から塩漬け加工した果実を投入し 水洗いしながらセイロ全体に果実を広げ 各穴に 1 個ずつ果実を配置する そのまま干し場へ運搬し 慎重に整列板をセイロから引きぬく 福井県農業試験場 77 柿タンニンの高速抽出方法 柿渋 として流通している柿タンニンは 従来その製造に 3 年以上必要だったが この技術は その製造期間を約 2 週間に短縮し 臭いの少ない扱いやすいタンニンが得られる また 果実の状態を選ばず あらゆる果実から抽出が可能になる 奈良県農業総合センター 78 ブドウ穂軸への水分補給による鮮度保持技術 収穫後のブドウ穂軸にバイアル容器を利用して水分を補給する鮮度保持技術を開発した この技術によって果実の脱粒や穂軸の褐変を抑制し 出荷輸送中の鮮度を保つことができる 岡山県農林水産総合センター農業研究所 79 長距離トラック輸送を可能にするイチジクの光殺菌技術 収穫後のイチジクに赤外線 30 秒 紫外線 30 秒を連続的に照射すると果実表面付着菌数を減少させ 輸送中のカビ果発生を抑制 できる 果実品質に影響は無い この方法で福岡から東京へイチジクをトラック輸送する場合 着荷時の果実品質が良好に保たれるため 航空便と同等の商品性 福岡県農業総合試験場 80 が保たれる

8 カンキツの高温処理による減酸 着色 カンキツにおいて収穫時に着色が不良な場合や酸度が高い場合に 果実を収穫直後に 高湿度 (100%) 条件下で高温処理 促進技術 (35 3 日間 ) することで一度に大量の果実の着色と減酸を促進することができる 佐賀県果樹試験場 83 カンキツ 不知火 果実の MA 包装資材活用による長期貯蔵技術 カンキツ 不知火 は 全国的な生産増大に伴い 3~4 月に出荷量が集中し 価格が低下している そのため 出荷量を平準化し 価格の維持 向上を目的として 出荷期間を 7 月まで延長可能な長期貯蔵方法を明らかにした 1. カンキツ 不知火 の MA 包装資材を活用した長期貯蔵での減酸の推移を明らかにし 7 月に出荷するための指標を明らかにした 2. 不知火 果実では 1 月中旬の収穫時 または 3 月上旬の MA 個装時のクエン酸濃度がわかれば MA 個装果実の貯蔵後のクエン酸濃度が推定できるため 長期貯蔵して出荷するための指標にできる 3.3 月下旬に収穫 予措した果実を MA 個装し 貯蔵温度 および常温で検討した結果 12 が果皮色および果肉色ともに最も優れ 食味が良好で 貯蔵性においても 12 で貯蔵した果実は 腐敗果の発生がほとんど見られず こはん症およびヘタ枯れ発生率も少なかった そのため MA 個装した 不知火 果実の長期貯蔵温度は 12 が最も適している 熊本県農業研究センター果樹研究所 88 氷温貯蔵によるモモ果実の品種別鮮度保持効果と出庫後の温度管理 モモ果実は 氷温貯蔵により果実品質の低下が抑えられ 品種間差はあるが 28~42 日間貯蔵できる さらに 出庫後は 5 保冷により果実品質が保たれる 山梨県果樹試験場 91

9 その他の技術 技術名技術の特徴開発機関名ページ ナツハゼの抗インフルエンザウイルス作用 ブルーベリー類にはインフルエンザウイルス吸着阻害活性があり 総ポリフェノール含量と高い相関がある 特にナツハゼの活性は高く 株が異なるインフルエンザウイルスに対しても吸着阻害活性を有し 加熱をしてもその効果は失われない 1 ブルーベリー類の3% 果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 ナツハゼの活性が最も高く ブルーベリーではラビットアイ系やエリオットが高かった 2 ブルーベリー類のインフルエンザウイルス吸着阻害活性と総ポリフェノール含量には正の相関があり 活性を示す成分はポリフェノールである可能性が示された 3 4 種のウイルス株を使ってナツハゼのインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 10% 濃度では100% の阻害活性を示したが 株によって活性が異なることが示された 4 加工法によってナツハゼ果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性は異なるが ポリフェノール含量と同じ傾向を示した また 分の加熱によっても活性が失われないことが明らかとなった 福島県農業総合センター 92 近赤外分光法によるクリ ぽろたん と 国見 の非破壊判別の試み 光センサーとして糖度や酸度の非破壊測定に用いられる近赤外分光法により クリ ぽろたん と 国見 は非破壊 ( 鬼皮付きの状態 ) で概ね正しく判別できる 茨城県農業総合センター園芸研究所 94 ブドウ園におけるリン酸 カリ低減型肥料と家畜ふん堆肥を用いた環境保全型施肥 リン酸 カリ低減型肥料を主体に牛ふん堆肥と鶏ふんをあわせてブドウ園に施用すると 化学肥料由来の窒素比率は 24% と低く抑えられ 窒素流亡の少ない環境保全型施肥となる また 土壌中のリン酸 カリ蓄積は回避され 慣行施肥と同等の果実生産が可能となる 山梨県果樹試験場 97 センチピードグラスは樹園地草生栽培に適した草種である 長野県では既にトールフェスク ペレニアルライグラス ケンタッキーブルーグラス及びレッドトップを樹園地の草生栽培用草種として普及に移しているが これらと比較して センチピードグラスの地上部乾物生産量および窒素の含有量は同等か多い また 全面わらマルチ 全面清耕 全面雑草草生栽培の地表面管理法と比較して 土壌溶液中の硝酸態窒素の濃度が極めて低いこと から センチピードグラスのち密な草生を維持することで 環境にやさしい果樹栽培が実践できる 樹園地の列間土壌の除草を行い 浅く耕起して凹凸をなくす等の事前準備をして 5~6 月にセンチピードグラスを 2g/ m2以上播種する センチピードグラス草生への雑草の侵入量は少なく 長期間にわたり 雑草の少ない草生が維持できる センチピードグラスは暖地型牧草だが 標高 360m の当試験場でも十分生育した また 耐寒性に優れる品種では 標高 560m および標高 870m の現地ほ場でも 十分生育した 長野県果樹試験場 98 非破壊果実硬度測定装置による果実の内部品質評価 < システムの特徴 > 音響振動法による非破壊果実硬度測定装置を使用する ( 本装置は広島大学が開発 ) < システムの概要 > 本装置によりカキの食べ頃を予測できる 本装置により食べ頃の果実硬度を評価できる 本装置によりカキの早期軟化を判別できる 岐阜県農業技術センター 99

10 STS マーカーによるイチジクの品種識別 イチジク品種間の ISSR 等に基づいた多型の STS 化により開発した 8 種のマーカーを用いることで 8 時間程度で国内主要 15 品種を識別できる 福岡県農業総合試験場 100 クリ ぽろたん の果頂部の果皮黒変と腐敗との関係 ぽろたん は 渋皮が剥けやすいため青果用並びに加工用として期待が大きい新品種であるが 果頂部が黒く変色した果実が多くみられ 腐敗果になる危険性が高いという理由で 産地においては選別時に除外して市場出荷を行っていた しかし 果皮の熊本県農業研究センター球磨農業研究所 103 黒変と腐敗との関係について調査した結果 健全な果実と黒変のある果実と腐敗果の発生に差は見られず 収穫時に果皮黒変が見られる果実が腐敗する結果とはならなかった ライチ品種 篤姫 の着果における結果母枝の実態 天草地域の特産果樹として 有望視されているライチであるが 着房 着果が不安定で 着果しても翌年は強い隔年結果性を示す しかしながら安定した着房や着果の要因についてはこれまで明らかにされていない そこで 比較的安定した着房 着果性を持つ 篤姫 を用い 優良結果母枝の実態を把握した ハウス栽培ポット植え ライチ品種 篤姫 では 樹冠上部および赤道部の結果母枝は 発生角度が大きいほど また長いほど着果率が高い 特に発生角度が 80 度以上の長い結果母枝の着果数が多い 熊本県農業研究センター天草農業研究所 106 R-BIP マーカーによるカキの品種識別 カキゲノムにおけるレトロトランストランスポゾンの挿入位置の違いに由来する R-BIP マーカー 14 種を用いることで 国内主要 19 種を識別できる 福岡県農林業総合試験場 107 ブルーベリー収穫用作業台車 一粒一粒手作業で収穫する必要があり 肩や腰に付けたカゴの重さが体への負担となっているブルーベリーの収穫作業の軽労化のため 収穫用作業台車を開発した 開発した作業台車は 逆円錐状の果実受けホッパを備え 手で摘み取った果実をホッパに投入すると損傷することなくコンテナに収納される 収穫作業時間は慣行作業と同程度 ~やや短縮となる 収穫後の果実の損傷やブルーム剥離状態は慣行作業と同程度である 作業台車を使用することで 慣行作業に比べて作業者の疲労が少なくなる 群馬県農業技術センター ( 株 ) マツモト 110 ブドウ シャインマスカット の短梢せん定栽培において 省力技術を組み合わせることにより 果実品質を低下させずに開花から収穫期の作業時間を約 35% 短縮できる 1 花穂整形は 花穂整形器を利用することで作業時間を約 60% 省力化することができる 2 1 新梢 2 房利用によりジベレリン処理および摘房作業を約 35% 省力化することができる 1 新梢に2 房着房させても 果粒肥ブドウ シャインマスカット の省力栽培大 糖度の低下など果実品質への影響はみられない 群馬県農業技術センター 花穂の先端が帯化 分岐した異常花穂は 副穂を利用することで摘粒作業を約 35% 省力化することができる 4 果実軟化期以降は副梢の摘心作業を省くことで 新梢管理作業を約 75% 省力化することができる 5 これらの省力技術によって 開花から収穫前までの10aあたりの作業時間が242 時間から157 時間となり 約 35% の短縮が可能 である また 果実品質や翌年の花芽への影響はみられない (1) 土壌中の可給態リン酸が50mg/100gより多いりんご樹園地では 3~6 年間リン酸肥料を施用しなくても樹体生育 果実収量 樹体のリン吸収量に影響がなく リン酸施肥を一時的に中断できる (150mg/100g 程度では6 年間 50mg/100g 程度でも3 年間 ) 土壌中の可給態リン酸が50mg/100g (2) リン酸施肥の再開は 3 年に1 回程度土壌診断を行い 土壌中の可給態リン酸濃度から判断する より多いりんご樹園地では 一時的に (3) リン酸施肥中断中は 窒素とカリを単肥で施用する リン酸を無施肥とすることで肥料コストは 慣行の複合肥料施肥と比べてリン酸施肥を中断できるおよそ半減できる 長野県果樹試験場 112

11 機関名 千葉大学 部署名 大学院園芸学研究科 記入者氏名 近藤悟 電話番号 品目 技術名 果樹 ブドウの施設栽培での LED ランプの利用による品質向上 特徴 無加温ハウス下のポット植栽ブドウ樹を供試して 夜間 ( 日没後 3 時間および夜明け前 3 時間 ) に青色光 LED の照射を行った LED の照射期間は満開後 25 日以降収穫日までとした ハウス内の温度は露地に比べ 1 度程度上昇した 青色 LED 光の照射は 無処理に比較して有意にブドウ果皮のアントシアニン合成を促進し さらにブドウ糖 ショ糖 果糖など糖濃度の上昇を促進した LED 照射による果実品質への影響としては ブドウの場合 特に植物ホルモン : アブシシン酸との関連が考えられたが 本研究では青色 LED 光の果実への影響としては 青色波長のアントシアニン合成関連遺伝子への直接的な影響が強いと推察された 赤色光 LED の照射も糖濃度の上昇を促進したが 着色については青色光に比較し その影響は小さかった 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 早期収穫を目的とし 施設下で加温栽培されるブドウでは 日照量の不足などから着色および糖濃度不良の問題が指摘されるが 本実験の結果から青色 LED 光の補光により解決される可能性がある 本技術はブドウの早期栽培 二期作栽培などでも応用可能と考えられる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 千葉大学大学院園芸学研究科 備考 1

12 機関名 福島県農業総合センター 部署名 企画経営部企画技術科 記入者氏名 遠藤敦史 電話番号 品目 技術名 果樹 作業性の良いモモ低樹高開張型樹形 特徴 モモの低樹高開張型樹形は 添え竹や吊り支柱の利用により骨格枝を開張することで低樹高に整枝した樹形である 当樹形は慣行樹と同等の品質と収量が見込まれ 作業性が良く労働負担の軽減が図られる 1 低樹高開張型樹形は主枝角度を 30 度前後に開張することにより 樹高 3.5m 以下の低樹高に維持することができる 2 樹を開張することで樹冠占有面積の拡大が早く 早期多収性がある また 病害虫防除の面からは薬液の到達性が高く 防除効果の向上が期待できる 3 骨格枝を開張することによって高さ 1.5~3.0m に多くの側枝を配置することが可能になり 作業時間の削減など作業性の向上が図られる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 1 作業性の良いモモの樹形が明らかになり モモ栽培における整枝 せん定の改善につながる 2 早期多収性が期待され 農家所得の向上につながる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 モモの主産地である県北地方において 当該樹形に準ずる仕立て方法が 50ha 程度で導入されている 開発機関名 福島県農業総合センター 備考 2

13 実用化技術情報 作業性の良いモモ低樹高開張型樹形 部門名 担当者 福島県農業総合センター果樹研究所栽培科果樹 -モモ- 整枝 剪定 作業技術阿部和博 志村浩雄 木幡栄子 相原隆志 増子俊明 高野靖洋 畠良七 佐久間宣昭 額田光彦 安部充 Ⅰ 新技術の解説 1 要旨 モモの低樹高開張型樹形は 添え竹や吊り支柱の利用により骨格枝を開張することで低樹高に整枝した樹形である 当樹形は慣行樹と同等の品質と収量が見込まれ 作業性が良く労働負担の軽減が図られる (1) 低樹高開張型樹形は主枝角度を30 度前後に開張することにより 樹高 3.5m 以下の低樹高に維持することができる ( 図 1 表 1) (2) 樹を開張することで樹冠占有面積の拡大が早く 早期多収性がある ( 図 2) また 病害虫防除の面からは薬液の到達性が高く 防除効果の向上が期待できる (3) 骨格枝を開張することによって高さ1.5~3.0mに多くの側枝を配置することが可能になり 作業時間の削減など作業性の向上が図られる ( 表 3) 2 期待される効果 (1) 作業性の良いモモの樹形が明らかになり モモ栽培における整枝 せん定の改善につながる (2) 早期多収性が期待され 農家所得の向上につながる 3 適用範囲 県内全域 4 普及上の留意点 (1) モモ樹を低樹高に整枝すると樹幅が大きくなりやすいので 新規植栽や改植の際の植栽距離は広めとする また 徒長枝の発生も多くなりやすいので 摘心 夏季せん定などの新梢管理を徹底する (2) 本樹形は 平成 22 年度科学技術情報 モモの作業負担を軽減する側枝の高さと作業姿勢 において 作業性が良く 作業負担が軽減される樹形であることが明らかとなっている 3

14 Ⅱ 具体的データ等 表 1 樹形別の樹体生育 (11 年生樹 ) 樹形 樹高結果部高樹幅樹幅主枝角度 (cm) (cm) (cm) (cm) ( 度 ) 低樹高開張 ,163 1, 開心自然 F 検定 ** n.s. ** ** ** 注 1)** は危険率 1% で有意差有り 主枝 2 本 亜主枝 4 本 樹高 :3.5m 結果部 :3.0m 以下 主枝角度 :30 度 主枝長 :5m 側枝 : 高さ 1.5m~3.0m に 80% を配置 図 1 目標となる低樹高開張型樹形 表 2 樹形別の果実着色と糖度の比較 樹形 着色度 ( 非破壊果実品質 ) 推定糖度 ( 非破壊果実品質 ) 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 低樹高開張 開心自然 図 2 樹齢別の 10a 当たり収量と平均果重 の推移 表 3 果実 1t 生産に要する作業時間 (10 年生樹 ) ( 単位 時 : 分 ) 樹形 X Z 着果管理 Y せん定合計収穫摘らい摘花予備摘果仕上摘果修正摘果 X+Y+Z 小計冬季夏季秋季小計 低樹高開張 26:09 7:30 6:51 2:33 1:56 45:01 10:14 04:57 00:38 01:16 06:52 62:08 開心自然 25:27 8:56 7:55 3:15 1:59 47:34 11:42 04:45 00:46 01:27 06:59 66:15 F 検定 n.s. n.s. n.s. n.s. ** n.s. n.s. n.s. n.s. ** n.s. * 注 1)** * は危険率 1% 5% で有意差有り Ⅲ その他 1 執筆者阿部和博 2 研究課題名モモの省力型高生産樹形の確立 3 主な参考文献 資料 (1) 平成 20 年度 ~22 年度農業総合センター試験成績概要 (2) 平成 18 年度東北農業研究 4

15 機関名 福島県農業総合センター 部署名 企画経営部企画技術科 記入者氏名 遠藤敦史 電話番号 品目 技術名 果樹 新病害 モモ果実赤点病 の発生生態と防除対策 特徴 モモ果実赤点病は 本県および和歌山県で発生が確認されている新病害である 被害果は商品性を著しく低下させるため 早急に防除対策が必要なことから 発生生態の解明や有効な薬剤の選抜を行ってきた その結果 防除対策として果実への感染が多い 6 月下旬 ~7 月中旬にダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布することが有効であることが明らかとなった 1 本病は Ellisembia sp. による病害であることが明らかとなり これまでウメシロカイガラムシの加害症状と誤認されてきたが 吸汁痕がないので識別できる 生育適温は 25 ~30 生育温度は 10 ~35 である 3 伝染源は枝に形成された分生胞子であり 分生胞子は 6 月上旬 ~9 月上旬まで飛散し 捕捉数は降雨後に多くなる傾向を示した 4 果実への感染は 6~7 月の梅雨期に多いことから 6 月下旬 ~7 月中旬にダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布したところ いずれも防除効果が認められた 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 1 防除を実施した場合には 果実被害を無散布の約 50% から 10% 以下に抑制可能である 2 ダコレート水和剤 1,000 倍とベルクート水和剤 1,000 倍は すでに灰星病およびホモプシス腐敗病の一般的な防除薬剤であり 両剤の使用によって本病との同時防除が可能である 3 両者の診断ポイントが明らかとなったことから 診断に基づく防除指導が可能である 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 普及指導活動の中で生産者の理解が深まり 防除の適正化が進んでいる 開発機関名 福島県農業総合センター 備考 5

16 実用化技術情報 モモ果実赤点病の発生生態と防除対策 福島県農業総合センター 果樹研究所病害虫科 部門名 担当者 果樹 - モモ - 病害虫発生 病害虫防除 菅野英二 藤田剛輝 三瓶尚子 Ⅰ 新技術の解説 1 要旨 モモ果実赤点病は 本県および和歌山県で発生が確認されている新病害である 被害果は商品性を著しく低下させるため 早急に防除対策が必要なことから 発生生態の解明や有効な薬剤の選抜を行ってきた その結果 防除対策として果実への感染が多い6 月下旬 ~7 月中旬にダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布することが有効であることが明らかとなった (1) 1998 年に伊達地方の山間部のモモ園において 中生種の あかつき および晩生種の あぶくま で着色期ころに果実表面に赤色の小斑点を生じる障害が確認された ( 図 1) 2004 年以降には伊達地方の平坦部や福島市にも発生拡大し 早生種の 日川白鳳 以降に収穫される主な品種でも発生が確認されている (2) 本病は Ellisembia sp. による病害であることが明らかとなり これまでウメシロカイガラムシの加害症状と誤認されてきたが 吸汁痕がないので識別できる ( 図 4) 生育適温は25 ~30 生育温度は10 ~35 である (3) 伝染源は枝に形成された分生胞子 ( 図 2) であり 分生胞子は6 月上旬 ~9 月上旬まで飛散し 捕捉数は降雨後に多くなる傾向を示した ( 図 3) (4) 果実への感染は6~7 月の梅雨期に多いことから ( 図 5) 6 月下旬 ~7 月中旬に ダコレート水和剤 1,000 倍またはベルクート水和剤 1,000 倍を散布したところ いずれも防除効果が認められた ( 表 1) 2 期待される効果 (1) 防除を実施した場合には 果実被害を無散布の約 50% から10% 以下に抑制可能である (2) 本県ではダコレート水和剤 1,000 倍とベルクート水和剤 1,000 倍は すでに灰星病およびホモプシス腐敗病の防除薬剤として使用されており 両剤の使用によって本病との同時防除が可能である (3) 両者の診断ポイントが明らかとなったことから 診断に基づく防除指導が可能である 3 適用範囲 本病の発生が確認されているモモ栽培産地 4 普及上の留意点 (1) ダコレート水和剤 ベルクート水和剤は使用回数がそれぞれ3 回であるため 使用回数を超過しないよう留意する (2) 本病の伝染源は枝に形成されるため 薬液が主枝先端や樹冠内部まで到達するように 薬液量を十分確保して散布する 6

17 Ⅱ 具体的データ等 図 1 被害果実 ( 左 ; 着色開始期 右 ; 着色期 ) 図 2 分生胞子 胞子捕捉数 ( 個 ) 降水量 月舘町 あぶくま 月舘町 紅博桃 5/22-5/27 5/27-5/29 5/29-6/2 6/2-6/6 6/6-6/9 6/9-6/12 6/12-6/19 6/19-6/24 6/24-6/26 6/26-6/30 6/30-7/3 7/3-7/7 7/7-7/10 7/10-7/15 7/15-7/17 7/17-7/24 7/24-7/31 7/31-8/7 8/7-8/12 8/12-8/14 8/14-8/19 8/19-8/21 8/21-8/26 8/26-8/29 8/29-9/2 9/2-9/5 9/5-9/ 降水量 ( mm ) スライドグラス設置期間 ( 月 / 日 ) 図 3 果実赤点病発生樹おける分生胞子の飛散消長 (2008 年 ) 図 4 本病の症状と類似したウメシロカイガラムシによる被害果 発生果率 (%) 発生度 発生果率 発生度 期間降水量 期間降水量 ( mm ) 表 1 モモ果実赤点病に対する薬剤の防除効果 ( 品種 あかつき 霊山 ) 供試薬剤 希釈倍数 調査果数 発病果率 (%) 発病度防除価薬害 ダコレート水和剤 1,000 倍 ベルクート水和剤 1,000 倍 月 12 日 6 月 20 日 7 月 1 日 7 月 11 日 7 月 20 日 7 月 29 日 果実袋の除袋月日 8 月 14 日 8 月 24 日 全期間無袋 図 5 曝露期間の違いが発生に及ぼす影響 (2006 年 ) 注 1) 品種は あぶくま を用いた 注 2) 被袋は 6 月 6 日に 調査は 8 月 30 日に行った 注 3) 慣行は 7 月 10 日に被袋 8 月 20 日に除袋した 慣行 無散布 注 1) 散布は 2009 年 6 月 25 日 7 月 6 日 7 月 17 日の計 3 回十分量散布した 注 2) 防除価は発病度より算出した Ⅲ その他 1 執筆者 三瓶尚子 2 研究課題名 モモ果実赤点病の発生生態と防除対策 3 主な参考文献 資料 (1) 平成 18 年度 ~21 年度農業総合センター試験成績概要 (2) 平成 19~20 年度参考成果 (3) 平成 20 年度病害虫発生予察特殊報第 1 号 7

18 機関名 福島県農業総合センター 部署名 企画経営部企画技術科 記入者氏名 遠藤敦史 電話番号 品目 技術名 果樹 リンゴ ふじ の省力密植栽培に適した不織布ポット栽培 特徴 1 不織布ポットの容量が小さいほど樹高や樹幅が小さく抑えられる傾向があり 作業の面から望ましい樹高を 3.5m 程度とすると JM7 台の 15 リットルポット栽培がこの条件を満たす 2 JM7 台利用樹では ポット容量が異なっても果実品質には有意な差は認められない 3 JM7 台の 15 リットルポット栽培では樹体がコンパクトに押さえられ 日当たりも良好であることから 花芽分化率が高い 4 JM7 台の 15 リットルポット栽培は 作業性が良く 10a 当たりの作業時間が少ない 5 JM7 台相当のわい性台木を使用した低容量のポット栽培樹は 植栽距離 m の密植条件でも樹が植栽距離内に無理なく収められ 早期多収を可能とするリンゴの密植栽培に有効な栽培方法である 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 1 JM7 台相当のわい性台木を使い低容量ポットで植栽することにより 現在問題となっているリンゴのわい化栽培樹の樹の大型化と園地の混み合い 果実品質の低下の問題が改善される 2 樹のコンパクト化により 作業性が向上し省力化できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 リンゴにおけるポット栽培についての理解が進んでおらず 現場での導入は見られない 開発機関名 福島県農業総合センター 備考 8

19 実用化技術情報 リンゴ ふじ の省力密植栽培に適した不織布ポット栽培 福島県農業総合センター果樹研究所栽培科部門名果樹 -リンゴ- 植栽様式 植栽密度担当者畠良七 志村浩雄 額田光彦 佐久間宣昭 永山宏一 遠藤敦史 斎藤祐一 木幡栄子 安部充 Ⅰ 新技術の解説 1 要旨 植栽距離 m の密植栽培を可能とする ふじ の栽培技術を確立するため みしまふじ を供試し 樹勢の異なる 3 種類の台木容量の異なる不織布ポットを組み合わせて樹体生育および果実品質を比較検討した その結果 根域制限によりわい化効果が期待でき 果実品質も優れる台木と不織布ポット容量の組み合わせは JM 7 台の 15L ポットであった (1) (2) JM7 台利用樹では ポット容量が異なっても果実品質には有意な差は認められない ( 表 2) (3) (4) JM7 台の15Lポット樹は 樹体がコンパクトであり作業性も良く 10a 換算の作業時間が少ない ( 図 1) (5) 不織布ポットの容量が小さいほど 樹高や樹幅が小さく抑えられる傾向があり 作業の面から望ましい樹高を 3.5m 程度とすると JM7 台の 15L ポットがこの条件を満たす ( 表 1 図 2) JM7 台の 15L ポット樹は樹体がコンパクトに押さえられ 日当たりも良好であることから 花芽分化率が高い ( 表 1) JM7 台相当のわい性台木を使用した低容量のポット栽培樹は 植栽距離 m の密植条件でも樹が植栽距離内に無理なく収められ 早期多収を可能とするリンゴの密植栽培に有効な栽培方法と判断される 期待される効果 (1) JM7 台相当のわい性台木を使い低容量ポットで植栽することにより 現在問題となっているリンゴのわい化栽培樹の樹の大型化と園地の混み合い 果実品質の低下の問題が改善される (2) 樹のコンパクト化により 作業性が向上し省力化できる 適用範囲 リンゴ栽培可能地域 普及上の留意点 (1) 地力等の条件により 最適のポット容量は異なる可能性がある (2) 本試験で使用した不織布ポットは根を通すタイプのものであるが 10 年生時点で根がポットを貫通し樹勢が強まる症状が見られたことから このような場合 それ以後の樹の生育にバラツキが生じることがある (3) ポットで苗木を養成し移植することで植え傷みも少なく より早く成園化できる 9

20 Ⅱ 具体的データ等 表 1 JM7 台 ふじ におけるポット容量の違いと樹体生育 ( 年生 ) 試験区 樹高 Z 東西樹幅南北樹幅幹断面積 収量 生産効率 頂芽 cm cm cm cm 2 Y kg/ 樹 kg/10a (Y/Z) 花芽率 % 15L b L L ab L a 60.0 対照 a 48.8 F 検定 ** 2.66 注 1)30L 区は紫紋羽病の発生により2 樹となり反復数 (1 区 1 樹 4 反復 ) が確保できず 統計処理未実施 注 2) ** は1% * は5% は10% 水準で有意差あり TUKEYの多重検定によりアルファベット異符号間で有意差あり 注 3) 東西樹幅は列間方向 南北樹幅は樹間方向を示す 無ポット 表 2 JM7 台 ふじ におけるポット容量の違いと果実品質 ( 年生 ) 試験区 果重 着色度 W RM 示度蜜入指数 裂果 青実果 g CS 値 % 発生率 % 発生率 % 15L L L L 対照 F 検定 注 1)30L 区は紫紋羽病の発生により2 樹となり反復数 (1 区 1 樹 4 反復 ) が確保できず 統計処理未実施 注 2) ** は1% * は5% は10% 水準で有意差あり TUKEYの多重検定によりアルファ ベット異符号間で有意差あり 注 3) 着色度はファンテック製カラーソーターの計測値 ( 数値が高いほど着色良好 ) 注 4) 蜜入指数 :1( 蜜入り微 )~5( 蜜入り多 ) 150L 80L 30L 15L 時間 (h/10a) 冬季せん定 人工受粉 予備摘果 仕上摘果 夏季せん定 修正摘果 摘葉 玉回し 収穫 図 1 JM7 台 みしまふじ の作業時間 (2008) cm L 30L 80L 150L ポット無し 図 2 JM7 台 みしまふじ の樹高の推移 kg 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1, L 30L 80L 150L ポット無し 図 3 JM7 台 みしまふじ の 10a 当たり収量の推移 Ⅲ その他 1 執筆者 2 3 畠良七研究課題名 不織布ポット利用による省力密植栽培栽培技術の検討 主な参考文献 資料 (1) 平成 19~21 年度福島県農業総合センター成績概要 (2007~2009) 10

21 機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 部署名 果樹研究室 記入者氏名 冨田恭範 電話番号 0299(45)8340 品目 技術名 果樹 ブドウ シャインマスカット の果粒肥大を促進させる生育条件 管理方法 特徴 ブドウ シャインマスカット は 着房位置の葉が大きく 開花期の副梢葉枚数が多い新梢や 新梢先端側の花穂に優先して着果させると果粒肥大が良い 開花期の副梢葉枚数が中程度 (7 枚 ) 以上の新梢では 摘心後発生する副副梢を適宜摘除すると果粒重が大きくなる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 高品質な シャインマスカット 生産のために 果粒が肥大する条件を明らかにすることにより 一粒重 15g 以上の高品質果実として付加価値が高くなる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) シャインマスカットを導入した県内のブドウ農家 ( 約 150 戸 ) 開発機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 備考 11

22 ブドウ シャインマスカット の果粒肥大を促進させる生育条件 管理方法 [ 要約 ] ブドウ シャインマスカット は 着房位置の葉が大きく 開花期の副梢葉枚数が多い新梢や 新梢先端側の花穂に優先して着果させると果粒肥大が良い 開花期の副梢葉枚数が中程度 (7 枚 ) 以上の新梢では 摘心後発生する副副梢を適宜摘除すると果粒重が大きくなる 成果農業総合センター園芸研究所平成 24 年度技術情報区分 1. 背景 ねらい本県において ブドウ新品種 シャインマスカット は一粒重 15g 以上を高品質果実の目標としている そこで 高品質な シャインマスカット 生産のために 果粒が肥大する条件を明らかにする 2. 成果の内容 特徴 1) 開花期における着房節の葉身長が大きいと 果粒重が大きくなる ( 図 1) 2) 新梢を着房節の先 5 枚を残して摘心し 果房より先端側の副梢を 1 節当たり1 枚 基部側の副梢を 1 節当たり5 枚で管理した場合 開花期における果房より基部側の副梢枚数が少ないと 果粒重が小さくなることが多い ( 図 2) 3) 着房節 3 節目の新梢と比較して 着房節が5 節目の新梢では着房節の葉身長が大きく 開花期の副梢枚数が多い ( 図 1 2) 着房節が先端側になるに従って果粒重が大きくなる ( 図 3) 4) 開花期の副梢枚数が中程度 ~ 多い新梢では 新梢や副梢を摘心した後発生する副副梢を適宜摘除すると 副副梢を放任した場合と比較して果粒重が大きくなる ( 図 4) 副副梢を放任すると開花期の副梢枚数による果粒肥大の差がなくなる ( 図 4) 3. 成果の活用面 留意点 1) 本試験は 着房数を 2.5 房 / m2 着粒数を 45~50 粒 / 房の管理である シャインマスカット では 1.8t/10a が収量の目安である 葉身長が大きく 副梢枚数が多く 形のよい花穂を優先して残し 生育の悪い新梢の花穂は早めに摘除する 2)1 新梢に2つ以上花穂が着生した場合 基部から離れた花穂を残して1 新梢 1 花穂に整理する ただし 花穂の形が極端に悪い場合は 花穂の形の良い方を優先して残す 12

23 4. 具体的データ 図 1 シャインマスカット 着房節葉身長と果粒重 (H22~24) 凡例は着房節を示す 供試樹は無加温パイプハウス内根域制限栽培 短梢剪定平行整枝 (7 ~9 年生 ) 図 2 シャインマスカット 開花期房基副梢枚数と果粒重 (H22~24) 凡例は着房節を示す 供試樹は無加温パイプハウス内根域制限栽培 短梢剪定平行整枝 (7~ 9 年生 ) 新梢は房先 5 枚で摘心し 着房位置より基部の副梢を 1 節当たり 5 枚 着房位置より先の副梢を 1 節当たり 1 枚で管理 図 3 シャインマスカット 着房節と果粒重 (H22~24) 供試樹は無加温パイプハウス内根域制限栽培 短梢剪定平行整枝 (7~9 年生 ) データ数は着房位置 3 節目が 36 房 4 節目が 63 房 5 節目が 15 房 図 4 シャインマスカット の開花期房基副梢枚数および新梢管理方法と果粒重 (H23) 供試樹はトンネル栽培 短梢剪定平行整枝 14 年生 開花期の房基部副梢枚数の平均は 多い : 14 枚 中 :7 枚 少ない :2 枚であった 図 2 と同様に摘心を行い 摘心区は発生した副副梢を適宜除去し 放任区では開花期以降 8 月まで副副梢を放任した 上部の縦棒は最大値 最小値の幅を示す データ数は各区 8 房 5. 試験課題名 試験期間 担当研究室ブドウ シャインマスカット 高品質安定生産技術の開発 平成 21~23 年度 果樹研究室大粒で外観 食味が優れる シャインマスカット 栽培技術の確立 平成 24~26 年度 果樹研究室 13

24 機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 部署名 病虫研究室 記入者氏名 冨田恭範 電話番号 0299(45)8340 品目 技術名 果樹 QoI 剤耐性ブドウべと病菌発生圃場における効果的な防除体系 特徴 QoI 剤 ( ミトコンドリア電子伝達系のチトクローム bc1 複合体の Qo 部位に作用する薬剤 ) 耐性ブドウべと病菌が発生する圃場では QoI 剤の防除効果は低く CAA 剤 ( カルボン酸アミド ) 等の防除効果が高い CAA 剤やキャプタン水和剤等を導入し QoI 剤の使用回数を削減した防除体系は べと病に対して高い防除効果が認められる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 近年 県内でブドウべと病が多発傾向にあり 全国的にも問題となっている その一因として 主要防除薬剤である QoI 剤に対する耐性菌の発生が確認され 山梨県では防除効果の低下が認められている 平成 23 年には 本県においても QoI 剤耐性菌が遺伝子診断により確認された そこで 本県で発生する QoI 剤耐性ブドウべと病菌の各種殺菌剤に対する防除効果の新たな知見は 露地巨峰参考防除例等の技術資料に導入することにより 現場での防除に活用される 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 県内ブドウ産地 (277ha) を対象 開発機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 備考 14

25 QoI 剤耐性ブドウべと病菌発生圃場における効果的な防除体系 [ 要約 ] QoI 剤耐性ブドウべと病菌が発生する圃場では QoI 剤の防除効果は低く CAA 剤等の防除効果が高い CAA 剤やキャプタン水和剤等を導入し QoI 剤の使用回数を削減した防除体系は べと病に対して高い防除効果が認められる 成果農業総合センター園芸研究所平成 24 年度技術情報区分 1. 背景 ねらい近年 県内でブドウべと病が多発傾向にあり 全国的にも問題となっている その一因として 主要防除薬剤である QoI 剤 ( ミトコンドリア電子伝達系のチトクローム bc 1 複合体の Qo 部位に作用する薬剤 ) に対する耐性菌の発生が確認され 山梨県では防除効果の低下が認められている 平成 23 年には 本県においても QoI 剤耐性菌が遺伝子診断により確認された そこで 本県で発生する QoI 剤耐性ブドウべと病菌の各種殺菌剤に対する防除効果を明らかにし 露地巨峰参考防除例に導入した場合の防除効果を検討した 2. 成果の内容 特徴 1)QoI 剤耐性べと病菌が発生する露地圃場において QoI 剤を主成分とするアゾキシストロビン水和剤 ( 商品名 : アミスター 10 フロアブル ) やシモキサニル - ファモキサドン水和剤 ( 商品名 : ホライズンドライフロアブル ) は 他系統の薬剤に比べて防除効果が低い ( 表 ) 2)QoI 剤耐性べと病菌が発生する露地圃場においては CAA( カルボン酸アミド ) 系剤を主成分とするシモキサニル - ベンチアバリカルブイソプロピル顆粒水和剤 ( 商品名 : ベトファイター顆粒水和剤 ) およびマンジプロパミド水和剤 ( 商品名 : レーバスフロアブル ) の防除効果が高い ( 表 ) 3) 露地巨峰病害虫参考防除例で 3 回使用されていた QoI 剤をマンジプロパミド水和剤やキャプタン水和剤等により 2 回削減した防除体系 ( 図 1) は べと病 ( 図 2) に対して高い防除効果が認められる 4) 本防除体系は 主要病害である褐斑病 ( 図 3) や灰色かび病 ( データ省略 ) に対しても高い防除効果が認められる 3. 成果の活用面 留意点 1)QoI 剤耐性ブドウべと病菌は 県内のブドウ圃場で確認されている ( 平成 年病害虫防除所調査 ) 2) 県内では QoI 剤耐性ブドウ褐斑病菌の発生が確認され 防除効果の低下が認められている ( 平成 21 年度農業総合センター主要成果 ) 3)CAA 系剤 QiI 剤 ( ミトコンドリア電子伝達系複合体 Ⅲ の Qi 部位に作用する薬剤 ) フェニルアミド系剤は QoI 剤と同様に耐性菌が発達しやすい系統であることから 同系統を含む薬剤の連続散布は避ける 4) 本防除体系は 平成 25 年露地巨峰参考防除例として現地に導入予定である 5) シモキサニル - ファモキサドン水和剤は QoI 剤を含むため 今後 変更が必要な薬剤であるが 晩腐病を防除する上で重要な薬剤であり 代替薬剤がないことから本防除体系では継続使用することとした 6) 試験に使用した農薬は平成 25 年 3 月 1 日現在 露地巨峰栽培で使用可能な薬剤である 15

26 無防除区発病葉率(%) 無防除区発病葉率(%) 4. 具体的データ 表 QoI 剤耐性ブドウべと病菌発生圃場における各種殺菌剤の防除効果 薬剤名 薬剤系統 希釈倍率 ( 倍 ) 調査葉数 ( 枚 ) 発病葉率 (%) 1) 発病度 2) 防除価 シモキサニル - ヘ ンチアハ リカルフ イソフ ロヒ ル水和剤 CAA 2, マンシ フ ロハ ミト 水和剤 CAA 2, マンセ フ - メタラキシル水和剤 フェニルアミト 1, シアソ ファミト 水和剤 QiI 1, マンセ フ - メタラキシル M 水和剤 フェニルアミト 1, シモキサニル - ファモキサト ン水和剤 QoI 2, アソ キシストロヒ ン水和剤 QoI 1, 無処理 ) 発病度 =Σ( 発病指数別葉数 指数 ) 100/(4 全調査葉数 ) 発病指数 0: 病斑なし 1: 葉面積の10% 以下 2: 葉面積の11~30% 3: 葉面積の31~50% 4:51% 以上 2) 防除価 =(1- 試験区の発病度 / 無処理区の発病度 ) 100 * 薬剤散布は各試験区にべと病の発生を確認したH24 年 7 月 10 日に実施 1 区 10 新梢 50 葉の2 連制 調査は7 月 20 日に実施 ** 供試薬剤はH25 年 2 月 1 日現在 露地巨峰栽培で使用可能な薬剤 変更前 変更後 休眠期 3 月中 ~ 下旬 ジチアノン水和剤 休眠期 3 月中 ~ 下旬 ジチアノン水和剤 発芽期 4 月下旬 クレソキシムメチル水和剤 発芽期 4 月下旬 有機銅水和剤 展葉 2~3 枚 5 月上旬 マンゼブ水和剤 展葉 2~3 枚 5 月上旬 マンゼブ水和剤 展葉 5~8 枚 5 月中旬 キャプタン- ホセチル水和剤 展葉 5~8 枚 5 月中旬 キャプタン- ホセチル水和剤 開花直前 5 月下旬フェンヘキサミド水和剤フェンヘキサミド水和剤開花終期 6 月上旬開花終期 6 月上旬シ エトフェンカルフ -チオファネートメチル水和剤マンジプロパミド水和剤落花期 - シフ ロシ ニル-フルシ オキソニル水和剤落花後 ~ - キャプタン水和剤小豆粒大期 - テブコナゾール水和剤小豆粒大期まで 大豆粒大期 - アゾキシストロビン水和剤 大豆粒大期 - テブコナゾール水和剤 - 7 月上旬 シモキサニル-ファモキサト ン水和剤 - 7 月上旬 シモキサニル-ファモキサト ン水和剤 袋がけ直後 7 月下旬 シアゾファミド水和剤 袋がけ直後 7 月下旬 シアゾファミド水和剤 - 8 月上旬 塩基性硫酸銅水和剤 - 8 月上旬 塩基性硫酸銅水和剤 - 8 月中旬 塩基性硫酸銅水和剤 - 8 月中旬 塩基性硫酸銅水和剤 図 1 露地巨峰栽培における QoI 剤を削減した病害防除体系 ( 注 : 網掛けは QoI 剤を示す ) 月 10 日 5 月 25 日 6 月 9 日 6 月 24 日 7 月 9 日 7 月 24 日 8 月 8 日 8 月 23 日 図 2 QoI 剤を削減した防除体系を実施した場合の べと病の発生推移 ( 薬剤散布量は約 250L/10a) 月 10 日 5 月 25 日 6 月 9 日 6 月 24 日 7 月 9 日 7 月 24 日 8 月 8 日 8 月 23 日 図 3 QoI 剤を削減した防除体系を実施した場合の褐斑病の発生推移 ( 薬剤散布量は約 250L/10a) 5. 試験課題名 試験期間 担当研究室農作物有害動植物発生予察事業 昭和 43 年度 ~ 病虫研究室 16

27 機関名 栃木県農業試験場 部署名 研究開発部果樹研究室 記入者氏名 大谷義夫 電話番号 ( 代表 ) ooyay03@pref.tochigi.lg.jp 品目 技術名 果樹 ニホンナシの盛土式根圏制御栽培法 特徴 この盛土式根域制限栽培法 ( 以下 根圏制御栽培 ) は 遮根シートにより地面と隔離した培土量 150 L の盛土に苗を植付け 樹齢 生育時期別に測定した吸水量に基づき 樹の成長に合わせて設定した灌水を行うことができる 培地を盛土にすることで滞水による湿害の発生がなく 培土量 灌水量および施肥量などにより樹勢を制御することができる この方法により 植付け 2 年目に 2t/10a 4 年目以降慣行の 2 倍の 6t/10a と早期多収に加え 超多収が可能となる また 品質 ( 糖度 ) も慣行よりも高い 給水方法を点滴灌水の他 底面給水法とすることで 灌水関係経費の削減が図られ低コストでの導入が可能である 移植による未収益期間が短く 早期に高所得が得られることから 農家経営改善効果の高い栽培方法である 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 老木化や萎縮症で生産性が低下しており 改植により早期多収を期待する場合 ハウスや雨よけ栽培 新品種など作期の拡大による規模拡大 所得向上を期待する場合 後継者が就農に当たって新たな技術導入をする場合 土地生産性が高く 早期多収が可能であることに加え 土壌を隔離するため 土壌病害対策にも有効である 土壌と隔離するため 放射能対策としても有効である 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 - - 現在栃木県内で 3ha 程度 (800ha 中 ) 早生品種の導入とあわせ 5ha 程度が普及見込み 開発機関名 栃木県農業試験場研究開発部果樹研究室 備考 17

28 培地を盛土とした根域制限栽培により 植付け後 2 年目に着果し 4 年目以降慣行の 2 倍の収量を得ることができる栽培法 研究開発の背景 開発機関 : 栃木県農業試験場 早期多収を可能としたニホンナシの盛土式根圏制御栽培法 1 幸水 の導入から 40 年以上経過し 老木化 萎縮症 土壌病害 による収量 品質の低下が深刻となっている 2 しかし 成園化を図るためには約十年を要するため 改植が困難となっている また 価格が低迷し 生産者の高齢化が進展している 3 このため 早期成園化 多収 省力化 軽労働化 土壌病害等が総合的に解決できる技術の開発が必要 研究成果の内容 1. 培土赤玉土 : ハ ーク堆肥 =2:1 幅 135 cm 奥行 60 cm 高 20 cm 2. 仕立て方 2 本主枝 Y 字仕立て結果枝を約 45 度に誘引 2 年成り育成法 により 2 年目から着果 2.0m 0 入 水位調節装置メ1.0m ビニルマルチ 3 遮根シート 1ビニル 2 給水マット 5% ( 幅 100 奥行 70cm ) 樹をコンパクト Y 字仕立てにより密植が可能 早期多収 樹体センシングで 吸水量 施肥量を設定 高品質多収期待される効果 1 土地生産性の高い根圏制御栽培の導入により 飛躍的に収量が向上し農家経営が安定化する 2 高品質果実によるブランド化 樹オーナー制度や車いすも入れるもぎ取り園など 新たな販売法が確立 導3. 施肥窒素 100g- りん酸 86g- 加里 100g 緩効性肥料 ( リニア型 )100 日タイプ 5. 栽植本数 200 本 /10a ( 樹間 2.0m 列間 2.5m) 4. かん水 ( 底面給水方式 ) 水位をボールタップにより地面より 2 cm下に設定し 塩ビ管に挿入した給水マットから盛り土に水分を供給 点滴灌水より安価に設置 18 リット早期高品質多収 軽労働化 土壌病害が一挙に解決できる栽培法 所得および支出 ( 千円 ) 2,000 1,500 1, 植付け後年数 ( 年 ) 栽培方法別の累積所得の推移 根圏制御栽培は初期投資が大きいが 収穫開始が早く早期に多収が得られるため収支 がプラスに転じるのが早く その後の累積所得の増加が慣行の地植平棚栽培にくらべ格段に大きい 累積所得 ( 千円 10a-1) 15,000 10,000 5, ,000 収入所得 1,2 年目除く 支出 - 所得 露地平棚を利用した根圏制御栽培の経営収支 露地平棚を利用した底面吸水では 初期投資が少ないため 2 年目には収支がプラスに転じ 2 年目以降は収量の増加により収入が増加する 露地根圏制御 ( 底面給水 ) 雨よけハウス根圏制御 ( 点滴灌水 ) 慣行 ( 露地平棚地植栽培 ) 植付け後年数 ( 年 ) 導入をオススメする対象 改植を指向する生産者 土壌病害に悩んでいる生産者 栽培面積が限られる生産者 放射能汚染対策を検討している等

29 機関名 群馬県農業技術センター 部署名 園芸部果樹係 記入者氏名 平井一幸 電話番号 品目 技術名 果樹 早期多収で省力化が可能なスモモの樹体ジョイント仕立て栽培 特徴 スモモの樹体ジョイント仕立て栽培は 優良側枝が確保できるため慣行の二本主枝栽培と比べ約 1.5 倍の増収となり 早期多収が可能である また 側枝を一定方向に配置するため樹形が直線的となり 人工受粉やせん定等の管理作業時間を慣行の二本主枝栽培より 27% 短縮できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 高樹齢化が進んでいるスモモ産地では 樹勢の低下から収量の減少がみられ 改植の必要性が高まっている しかし 改植は 収量回復に長い年月がかかるため遅滞してる 当技術を活用することによって 改植に伴う課題である収量低下を軽減でき 管理作業の省力化も可能で 産地の維持 活性化につながる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 群馬県高崎市スモモ農家 2 戸約 15a 開発機関名 群馬県農業技術センター 備考 19

30 機関名部署名記入者氏名電話番号 神奈川県農業技術センター生産技術部柴田健一郎 品目 技術名 果樹 樹木の樹体ジョイント仕立て 特徴 主枝を片側一方方向へ延長し 先端部を隣接樹の主幹肩部へ接ぎ木により連結し 複数樹を直線状の集合樹に仕立てる技術 特徴 1 樹勢の均一化が得られる 2 早期成園化が図れる 3 整枝 剪定作業の省力化が図れる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) ナシ ウメ リンゴ等の改植時 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 有り平成 24 年 1 月 6 日 神奈川県 福岡県 鳥取県 開発機関名 神奈川県農業技術センター 備考 20

31 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 三宅正則 電話番号 品目 技術名 果樹 ブドウ シャインマスカット の専用カラーチャートの開発 特徴 収穫期前後の シャインマスカット の果粒写真を画像ソフトに取り込み 果皮の平均色を求め 濃緑色 ~ 黄緑色の 5 段階にした シャインマスカット 専用のカラーチャートを開発した シャインマスカット の果粒はカラーチャート値が大きくなるにしたがって糖度が高くなり カラーチャート値 3 以上になると県の収穫基準である 18 Brix を越える シャインマスカット の果粒はカラーチャート値が大きくなるにしたがって かすり症 の発生度が高まる傾向にあるので カラーチャート値 3 以上になったら順次収穫する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 生産現場で活用され高品質果実の安定供給が可能となる また 新規就農者など農業未経験者や雇用労働者に収穫の目安を示すことができ 収穫指導に活用できる 箱詰め時に使用することで 箱内の果皮色のバラツキが解消され有利販売が可能となる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 無 配布状況 1500 枚を作成し 県関係指導機関等に配布するとともに 本年 6 月全農山梨を通じ 8JA 管内のシャインマスカット栽培農家向けに 1,000 枚を配布した 全国の農業関係試験研究機関 (32 場所 ) に本カラーチャートを供試し 使用感や必要性についてアンケート調査を行った その結果 大多数の回答が実用性及び必要性について高評価を示した 山梨県総合理工学研究機構 備考 21

32 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 三宅正則 電話番号 品目 技術名 果樹 モモ スモモ オウトウの貯蔵花粉の発芽率を向上させる順化方法 特徴 モモ スモモ オウトウの貯蔵花粉を温度 4~20 湿度 90% の多湿条件下で 2 時間程度順化させることで 室内で前日から順化させる慣行の方法に比べて 高い発芽率が得られる 多湿条件で順化した花粉を用いて人工受粉すると結実が向上する 多湿条件 : クーラーボックスなどの密封容器内に濡らしたタオルなどを入れる 吸湿のムラを防ぐため 十分な容量の容器を使用 花粉は少量ずつ小分けに順化 保存が利かないので 一度に使用するだけの花粉をその都度順化する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 発芽率が高い花粉を人工受粉に用いることで 結実率が向上し 生産安定が期待できる 当日の天候を確認してから順化できるので 貯蔵花粉を無駄なく有効利用できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 スモモとオウトウは結実確保が最も重要であることから スモモ (940 ha) とオウトウ (365 ha) で技術導入が見込まれる 現場では急速に普及が進んでいる 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 22

33 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 功刀幸博 電話番号 品目 技術名 果樹チャノキイロアザミウマによる ロザリオビアンコ の かすり症 類似被害の識別と抑制 ロザリオビアンコ は 成熟期にチャノキイロアザミウマに果粒表面を加害されると かすり症 に類似した被害が発生する 特徴 被害果粒の表面を観察すると チャノキイロアザミウマの被害では吸汁された細胞がモザイク状に見られる かすり症 では微小な亀裂が見られる 被害は 100 倍以上の顕微鏡等で識別できる 除袋直前まで防除を行い 本種の発生を抑制することにより 果粒および穂軸の被害を抑制できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 緑色系品種において チャノキイロアザミウマによる果粒表面の被害が抑制され 品質の向上が期待できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 無 県下の ロザリオビアンコ ( 栽培面積 92ha H21 年 ) で 防除体系の中に組み込まれて普及している チャノキイロアザミウマ成虫の発生状況は普及指導員 防除所から JA 営農指導員を通じて生産者に示され 防除指導に活用されている 山梨県果樹試験場 備考 23

34 機関名 長野県果樹試験場 部署名 育種部 記入者氏名 前島勤 電話番号 品目 技術名 果樹 りんご ふじ 単植園における受粉専用品種の混植方法 特徴 ふじ 単植園に受粉樹として導入した受粉専用品種 メイポール の花粉は 訪花昆虫により 40m 程度離れた場所まで伝播されるが その量は 10m 程度までに急激に減少する ふじ 単植園において 受粉樹として受粉専用品種を 15~20m 程度の間隔 ( 受粉樹からの最大距離 7.5~10m) で植栽すると 頂芽中心果 80% 程度以上の結実が確保される これは花芽着生率 ( 開花率 ) を 60% とした場合 概ね 2 頂芽に 1 果の割合で中心果が結実していることになり 最終的な着果量の 2 倍程度の中心果が確保できることになる メイポール のえき芽花満開期は ふじ の開花始期とほぼ同時期である ふじ の満開期にかけて開花期間が重複する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) ふじ の単植化や ふじ に対する受粉樹不足により 結実不良 果実品質や収量の低下を引き起こしている園地 受粉専用品種を適切な栽植密度で導入することによって ふじ の結実の向上が期待される 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 無し 長野県下全域 新わい化栽培新植園 110ha のうちの 55ha 程度 受粉専用品種の導入にあたっては 各地域において ふじ との開花期の同時期性を検討する 本技術はマメコバチを放飼して得られた結果であるので ミツバチを利用した場合は異なる結果となることが予想される 長野県果樹試験場 備考 24

35 機関名 長野県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 加藤秀一 電話番号 品目 技術名 特徴 果樹 りんご なし ももの交信攪乱剤によるシンクイムシ類 ハマキムシ類等の防除 交信攪乱剤は殺虫効果がなく 交尾を阻害し次世代の増殖を抑制する効果がある 設置園では 交信攪乱対象害虫に対する殺虫剤の散布回数削減が可能である ただし ほ場内やほ場近隣の対象害虫の発生源をよく確認して 取り組み前に薬剤散布等で密度を減らしておく また 設置初年目から殺虫剤を削減せず ほ場内の対象害虫の発生がなくなったことを確認してから殺虫剤の削減に取り組む 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) シンクイムシ類やハマキムシ類等の防除に当たって 化学合成農薬の散布を合理的に削減することが可能となる 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 農業にも環境への負荷を減らす事が求められるようになり 害虫防除においても化学農薬の散布を可能な限り抑制する技術が求められていた 合成性フェロモンによる害虫の交信攪乱効果が確認され 各樹種や虫種により有効な交信攪乱剤が開発された 効果を安定させるには 大面積での取り組みが必要となる 長野県内全域で普及している 開発機関名 長野県果樹試験場 備考 25

36 機関名 長野県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 小川秀和 電話番号 品目 技術名 果樹 りんごの新わい化栽培 特徴 リンゴ新わい化栽培はこれまでのわい化栽培と比べ後述のような特徴を持ち 地上から 70% の果実が収穫できることを主な目標とする (1)M.9 ナガノ台木を台木法で利用し 切返し 芽かき ビーエー液剤散布処理で養成された 2 年生苗木を利用すること (2) 列間 3.5~4m 樹間 1.25~2m の並木植えで 10a 当たり栽植本数は 125~200 樹とすること (3) 仕立て法は従来と同様の細型紡すい形で 側枝は水平に誘引して 花芽の着生を促すなどにより 樹高は 3m 程度 結実部位の高さは 2.5m 程度で 樹幅は 1.5 ~2m 程度となる 従来の矮化栽培と比べ小型樹を長期にわたり維持できる 主要数品種の 4 2m 植えでの定植 8 年後までの収量について 定植 2 年目で多くの品種で 2~3kg/ 樹の初期収量があり 定植 7 年目で最大収量となった 10a あたり収量は ふじ が約 6.6t と最も高く 秋映 は 3.2t とやや低かった シナノゴールド シナノスイート はいずれも約 3.9t であった 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) これまでのわい化栽培に比べて (1) 密植が可能となり 早期成園化や早期多収が可能となる (2) 日光が良く当たることで 果実収量や果実品質が向上する (3) 地上からの作業割合が多く 栽培管理の省力化や軽労化できる といったメリットがあり 新植や改植に際して積極的に導入されている ことに 新品種を導入する場合は 新わい化で取り組むことによりより早期に生産量が拡大できると考えられる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 長野県内における新わい化栽培の導入面積は平成 23 年現在で 67ha であり 県果樹振興計画では平成 32 年までに 1000ha までに拡大する目標を掲げている 県では新わい化栽培マニュアルを作成し指導を行っている 開発機関名 長野県果樹試験場 備考 26

37 機関名 長野県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 小川秀和 電話番号 品目 技術名 果樹 リンゴの 2 年生フェザー苗の生産方法 特徴 りんごのわい化栽培の開園にあたっては 側枝 ( フェザーと呼ばれている ) を有する 2 年生苗木の利用価値が高い この 2 年生苗木の育成ほ手法は (1)1 年間育成して圃場に植えたままの状態の 1 年生苗木に対し 発芽前までに接木部から約 40cm 程度の高さで切り戻しを行う (2) 展葉を過ぎた頃 頂端付近の旺盛な新梢を 1 本残して芽かきを行う (3)1 本の新梢が 20cm 程度に伸長した頃 新梢全体にビーエー液剤を散布する (4) 以後概ね 10 日間隔で新たに伸長した新梢の先端から 15cm 程度までの部分にビーエー液剤を散布する というものである また 密植度の高い栽培に適する 2 年生わい性台木苗木とは 主に側枝本数で評価し 長さ 5cm 以上 50cm 未満の側枝本数が概ね 10 本以上であることを目標にする 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 県内の 2 年生フェザー苗を生産する業者や生産団体および農家が フェザー 10 本以上の苗を目標に この手法により生産に取り組むことができる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 無 長野県内におけるフェザー苗生産は 苗木業者 JA 個人生産者が行っており 県でフェザー苗生産マニュアルを作成し指導を行ってきておりまた 事業としてバックアップしている その生産本数は平成 22 年実績で 51,000 本 平成 25 年は 100,000 本が見込まれている 長野県果樹試験場 備考 27

38 機関名 新潟県農業総合研究所 部署名 企画情報部 記入者氏名 原澤良栄 電話番号 品目 技術名 果樹 水稲育苗ハウスを利用したぶどうのアーチ栽培技術 特徴 遊休期間が長く有効活用が求められていた水稲育苗ハウスを利用して 収益性の高いぶどう栽培が可能である アーチ栽培は 育苗ハウスアーチに沿ってぶどう主枝を誘引する短梢せん定無核栽培をベースにしたコンパクトな樹形で 新規にはじめる人でも高度なせん定技術を必要としない 開園費用は苗木を含めて約 7 万円 /a で ハウス資材や針金を利用しての自家施工も可能である シャインマスカット の場合 植栽 2 年目で収穫が始まり 3 年で樹形が完成して開園費用が回収できるようになる また 4 年目からは成園化が可能で 150~ 200kg/a の収穫量が見込める 年間の労働時間は 24.2h/a で水稲の主要作業時期との競合は少ない 水稲育苗は 通常どおり行うことができる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 園芸導入により複合営農を志向する稲作農家や生産組織 法人 ( 近年の米価低迷等により所得低下が続く水稲経営において 収益性の高い果樹部門導入することによって経営基盤強化を図る ) 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 新潟県内稲作農家の経営基盤の安定化を図るため 普及組織と一体となって導入を進め 普及 5 年目には 35 戸 ( うち法人 4) 約 60a となり 今後も拡大する見込み ( 新潟県内の普及目標面積 200a) 開発機関名 備考 新潟県農業総合研究所園芸研究センター 技術の詳細は 新潟県農業総合研究所 HP の 水稲育苗ハウスを利用したブドウのアーチ栽培 マニュアルを参照 28

39 入メリット アーチ栽培はハウスアーチに沿って主枝を誘引する短梢せん定無核栽培をベースにしたわかり 水稲育苗ハウスを利用したぶどう シャインマスカット のアーチ栽培技術 研究開発の背景 遊休期間の長い水稲育苗ハウスを有効利用したぶどう シャインマスカット の栽培技術 米価低迷や生産調整の拡大が稲作経営を厳しく圧迫しており 園芸導入によって経営の安定化を図ることが課題 水稲育苗ハウスは経営に組み込めるような活用がされておらず 有効な利用方法の提案が必要 そこで 水稲育苗ハウスを利用した簡単な果樹栽培技術の開発し 収益性の高い果樹部門導入により 経営基盤の強化を図る 研究成果の内容 水稲育苗ハウスをぶどう栽培ハウスとして有効利用する技術 ハウスへの追加設備は軽微 苗木代も含めて 7 万円 /a 程度で導入可能 既製のハウス用資材や針金によりハウス内に棚を設置する 自家施工可能 ぶどう主枝水稲育苗期ぶどう成熟期やすくコンパクトな樹形で 新規にはじめる人でも高度なせん定技術を必要としない 水稲育苗中はぶどうの葉が展葉初期のため 水稲育苗に支障はなく 水稲の主要作業との労力競合も少ない 収益性の高い シャインマスカット は高温による着色不良の心配もなくアーチ栽培にベストマッチ 栽培方法をマニュアル化し ホームページにて公開 期待される効果 遊休施設の有効利用により 少ない投資で所得向上が期待できる 水稲単一経営農家へのぶどう栽培導入により複合営農の推進が図られる 導開発機関 : 新潟県農業総合研究所園芸研究センター 29 労働時間 (hr/ 旬 ) 年目から本格的な収穫を開始 開園 5 年目で約 200,000 円 /a の販売額 年間合計労働時間 24.2 時間 /a 新梢 着果管理 収穫 出荷 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 年間の労働時間は 24.2h/a で水稲の主要作業時期 との競合は少ない 導入をオススメする対象園芸導入による複合営農を志向する稲作農家

40 機関名部署名記入者氏名電話番号 石川県農林総合研究センター農業試験場育種栽培研究部園芸栽培グループ谷克史 農業試験場代表 品目 技術名 果樹 日本ナシの降雨後の溶液受粉による着果安定 特徴 開花期に降雨が続き花が濡れていると ぼん天や市販の受粉器による受粉ができなくなるが 溶液受粉 は 降雨が続いても 数時間の晴れ間があれば 花が多少濡れた状態でも受粉可能で 40% 程度の着果率が確保できる 種子数は 慣行 ( ぼん天受粉 ) に比べ 低下するが 1 果重に大きな差は見られない また 従来の 溶液受粉 では 受粉器としてハンドスプレーを用いているが ぼん天の先端部をスポンジに変えることで 手の疲労を減らすことができる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 開花期が降雨続きで ぼん天や市販の受粉器が使用できない場合に数時間の晴れ間を利用して受粉ができ 着果量を確保できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 受粉方法は 県梨部会会員には周知させており 複数農家による試験的受粉も 3 年間実施している ただし この 3 年間での受粉期間の気象条件は悪くなかったため 本格的な実施は行われていない 開発機関名 石川県農林総合研究センター農業試験場 備考 30

41 石川県農林水産研究成果集報第 15 号 (2013) 農林総合研究センター ( 農業試験場 ) 日本ナシの降雨後の溶液受粉による着果安定 1 背景 目的日本ナシは 着果安定のために開花期に人工授粉を行うが 開花期の降雨によって着果が安定しない場合がある そこで 花が濡れている状態でも受粉できる溶液受粉の効果について検討する 2 技術のポイント (1) 溶液受粉は ぼん天受粉ができない降雨後の条件下でも 安定生産の目安である着果率 40% 程度を確保でき 収量が確保できる ( 図 ) また 種子数は慣行 ( ぼん天受粉 ) に比べ減少傾向となるが 1 果重に大きな差はみられない ( 表 ) 受粉用溶液の作り方 : 寒天 0. 1 % ショ糖 10% の濃度で加え 加熱しながら 溶かした溶液を室温までさまし 純花粉を 0. 4 % 加えて撹拌する (2) 受粉方法は 従来のハンドスプレーよりもスポンジ ( 写真 ) を用いる方が花粉量が 1/4 と少なく 作業時間は同じであるが 経費面で優れる ( データ略 ) (%) 100 着 80 果 率 20 0 散水 + スポンジ 散水 + スプレー 平成 23 年 慣行 ( ぼん天 ) 平成 24 年 無処理 図受粉方法の違いと着果率注 ) 散水 + スフ レーの平成 24 年値は欠測 表受粉方法の違いが種子数 1 果重に及ぼす影響 処理区 散水 + スポンジ 1.7 a 402 a 散水 + スプレー 1.3 ab 391 ab 慣行 ( ぼん天 ) 2.1 a 446 a 無処理 0.2 b 300 b 有意性 種子数 ( 個 ) ** 写真スポンジ受粉 1 果重 (g) ** 注 )**: 分散分析により 1% 水準で有意差あり Tukey 法により異符号間で 5% 水準で有意差あり 3 成果の活用と残された問題点 (1) 受粉率が低下するため 寒天溶液に花粉を加えてから 2 時間以内に溶液を使い切る (2) 溶液受粉の着果率が開花期の気象により大きく変動することから 低温時における溶液の花粉濃度の検討が必要である 問合先 : 園芸栽培グループ TEL 担当者 : 谷克史 水野文敬 31

42 機関名部署名記入者氏名電話番号 石川県農林総合研究センター農業試験場育種栽培研究部園芸栽培グループ谷克史 農業試験場代表 品目 技術名 特徴 果樹 幸水 の二本主枝垣根仕立てによる早期成園化技術 1 二本主枝垣根仕立ては 二本主枝仕立てを基本に棚下の主幹部分から左右合計 6 本の側枝 ( 棚下側枝 ) を配した樹形である 遮根シートの上に堆肥等で土壌改良した用土 600 リットルの高うねに 2 年生の大苗を定植する 2 この栽培法は 定植 2 年目 (4 年生樹 ) から棚下側枝が結実し始め 定植 4 年目 (6 年生樹 ) には成園並みの 3t/10a 以上の収量が得られる 初期収量 (4~6 年生樹 ) は同じ樹齢の慣行栽培に比べ 2 倍以上の収量で また成園並みの収量に達する樹齢は慣行栽培に比べ 3 年早い 概要 植栽本数は 10a 当たり 80 本 ( 列間 5m 樹間 2.5m) 高うねの大きさは 1 樹当たり幅 80cm 長さ 2.5m 高さ 30cm 棚下側枝を配置するため 棚下に 3 本の補助線を高さ 70cm 100cm 130cm に設置 養液は高うねに設置した点滴灌水チューブにより供給 窒素濃度 50~100ppm で日給液量は 15~40L/ 樹を時期に応じて供給 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 1. ナシ栽培新規就農者 後継者の経営安定 2. 改植園での導入 3. 土壌水分がコントロールできるため 果実品質の安定的な向上が期待できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 次の点で普及していない 1 施設の設置や定植に時間がかかる 2 どのくらいの樹齢で廃園になるのかが不明 3 給水用の水の確保 4 給水用機器の耐用年数が短い 開発機関名 石川県農林総合研究センター農業試験場 備考 32

43 幸水 の二本主枝垣根仕立てによる早期成園化技術 農業総合研究センター 1 背景 目的日本ナシは成園化までに長い期間を要し 初期収量が少ないことが課題となっている そこで 新しく開発した高うね式根域制限による二本主枝垣根仕立て栽培法について その収量性を明らかにする 2 技術のポイント (1) 二本主枝垣根仕立ては 二本主枝仕立てを基本に棚下の主幹部分から左右合計 6 本の側枝 ( 棚下側枝 ) を配した樹形である ( 図 1 写真 1) 遮根シートの上に堆肥等で土壌改良した用土 600 リットルの高うねに 2 年生の大苗を定植する (2) 新栽培法は定植 2 年目 (4 年生樹 ) から棚下側枝が結実し始め 定植 4 年目 (6 年生樹 ) には成園並みの 3t/10a 以上の収量が得られる 初期収量 (4~6 年生樹 ) は同じ樹齢の慣行栽培に比べ 2 倍以上の収量で また成園並みの収量に達する樹齢は慣行栽培に比べ 3 年早い ( 図 2) 概要 植栽本数は 80 本 ( 列間 5m 樹間 2.5m) 高うねの大きさは 1 樹当たり幅 80cm 長さ 2.5m 高さ 30cm 棚下側枝を配置するため 棚下に 3 本の補助線を高さ 70cm 100cm 130cm に設置する 養液は高うねに設置した点滴灌水チューブにより供給 窒素濃度 50~100ppm で日給液量は 15~40L/ 樹を時期に応じて供給 図 1 二本主枝垣根仕立て ( 左側主枝の側枝は省略 ) 5 4 新栽培法 慣行栽培法 収 3 量 2 (t/10a) 1 写真 1 高うね式根域制限による二本主枝垣根仕立て 樹齢 ( 年 ) 図 2 新栽培法の収量推移 3 成果の活用と留意点この栽培法のマニュアルを作成し nashisaibai.html で公開している 問合先 : 園芸栽培グループ TEL 担当者 : 小浦場卓 松田賢一 山内大輔 井須博史 中野眞一 木下一男 33

44 機関名部署名記入者氏名電話番号 石川県農林総合研究センター育種栽培研究部能登特産物栽培グループ中村史也 農業試験場代表 品目 技術名 果樹 クリの大果生産のための徒長枝の摘心処理時期の解明 特徴 8 月下旬に未展開葉部分を摘心処理することで 二次伸長を防ぐことができ 翌年の徒長枝 1 本当たりの着毬数および収量が増加し 大果率も高まる 摘心処理により徒長枝長が短くなり 風害による折損被害が軽減できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) クリの剪定において 徒長枝を利用した大果生産を行っているが 新梢伸長が続く徒長枝では着毬不良や小果が発生するため 安定して結実を促すために実施するものである 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無し 普及していない 高齢者が多いことから 徒長枝の先端を摘心するまで作業の手が回らないため 開発機関名 石川県農林総合研究センター農業試験場 備考 34

45 農業総合研究センター クリの大果生産のための徒長枝の摘心処理時期の解明 1 背景 目的クリでは大果生産のために徒長枝を利用した栽培が行われている しかし 遅くまで新梢伸長が続く徒長枝では 着毬不良や小果が発生する そこで 安定して結実する徒長枝を育成するため 摘心処理の時期を検討する 2 技術のポイント (1) 摘心処理は 伸長中の徒長枝先端の未展開葉を指先で切除する方法で行う ( 図 1) (2) 8 月下旬に摘心処理を行うと 二次伸長 ( 再発芽 ) しない ( 図 2) (3) 8 月下旬の摘心処理では 翌年の徒長枝 1 本当たりの着毬数および収量が最も多く 大果率も高い ( 図 3 4) 無摘心 9 月中旬頃まで伸長 徒長枝長 160cm 以上 摘心処理 8 月下旬で摘心 徒長枝長 120cm 程度 図 1 徒長枝の摘心処理イメージ図 二次伸長発生率 (%) 月下旬 8 月上旬 8 月中旬 8 月下旬摘心時期図 2 摘心時期が二次伸長発生率に及ぼす影響 (H20) 着毬数 徒長枝 1 本当たり着毬数 10a 当たり収量 7 月下旬 8 月上旬 8 月中旬 8 月下旬 摘心時期 無摘心 a 500 当 400 た 300 り 200 収量 100 (kg) 0 図 3 摘心時期が着毬数および収量に及ぼす影響 (H21) 果実階級別割合 (%) 100% 80% 60% 40% 20% 果実階級別割合 3L 2L L M S 平均 1 果重 % 月下旬 8 月上旬 8 月中旬 8 月下旬 無摘芯 摘心時期 図 4 摘心時期が果実階級別割合と平均 1 果重 に及ぼす影響 (H21) 平均 1 果重 (g) 3 成果の活用と留意点 (1) 本技術は 丹沢 での試験結果である (2) 摘心処理により徒長枝長が短くなり 風等による折損被害が軽減できる 問合先 : 能登分場 TEL 担当者 : 木下一男 35

46 機関名 大阪府立環境農林水産総合研究所 部署名 食の安全研究部 記入者氏名 細見彰洋 電話番号 品目 技術名 果樹 イチジクにおける主枝更新剪定 ( リフレッシュ剪定 ) 特徴 樹の骨格となる主枝を毎年新しく入れ替え イチジクの樹を常に若い状態に保つことができる新しい剪定法を開発した 具体的には 4 本程度の 1 年枝 ( 前年の結果枝 ) と これを支える枝だけを残し 他の枝を全て切除する 残した 1 年枝は適度な角度に曲げ 翌年の結果母枝と主枝を兼ねた枝として活用する この作業を毎冬行うことによって 通常は半永久的に残る主枝を毎年更新することができる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) イチジク樹は 凍害やカミキリムシの食害で主枝が損傷し易いが 主枝を毎年更新する本剪定により その被害を回避できる 結果枝の発芽が 10 日ほど早くなり 果実の成熟開始が早まる 果実の肥大が促進される また 当所ら開発の 棚栽培 と組み合わせるとさらに高い果実肥大効果が得られる 剪定法の習得には 一定の講習が必要なものの 技術の導入に追加の栽培コストが発生せず 従来法からの移行に伴う一時的な減収もないため 一般の栽培農家が容易に実施できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 備考 無 開発して間もない ( 平成 23 年発表 ) ことや 知財化 ( 特開 ) の経緯から 現時点では広く普及していない しかし 本発明は当所として審査請求しない方針を固めており 栽培者による自由な実施を可能とする見込みである 本技術は生産者の注目を集め 各地の視察も増えていることから 今後の普及が期待できる ( 地独 ) 大阪府立環境農林水産総合研究所 参考 URL: 36

47 機関名 奈良県農業総合センター 部署名 企画調整課 記入者氏名 鷹野晋三 電話番号 品目 技術名 果樹 柿苗の周年生産方法および苗 特徴 ポット等や施設を利用し 従来 2 年かかっていたカキ苗を 1 年以内で生産できる技術 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 有 2011 年 11 月 11 日 特許 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 奈良県農業総合センター 備考 37

48 機関名 和歌山県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 鯨幸和 電話番号 品目 技術名 果樹 早生ウンシュウミカンの新しい灌水指標にもとづく Web 灌水情報 特徴 15 カ年の現地調査結果から高品質 M 級果実理想生育モデルと生育ステージ区分を導き出し 各ステージ毎の LWP 適範囲 ( 日没直後 ) を設定した 2 基準園 (3 園 ) の土壌体積含水率を TDR センサーで連続的に計測し 前述の LWP 適範囲に対応する土壌体積含水率域をステージ別に導くとともに 適水分域の下限に達した際 上限に復帰させる為に必要な灌水量を算出した 3 気象台観測値をパラメータとして算出できる蒸発散位と TDR センサーで計測する土壌体積含水率現況値をもとに 現況値測定日以降の土壌水分消費ペースを予測した 4Web 上 ( ) には土壌体積含水率の現況 および望ましい水分域を基準園別に示すとともに 適水分域の下限に到達すると予測される日を 次の灌水日 適水分域の上限に復帰させるのに必要な灌水量を 1 回当たり灌水量 その後も晴天が続くという仮定で再び下限に到達し 再灌水が必要となるまでの日数を 間断日数 として明示した なお 閲覧者は各々の条件に近い基準園の情報を参考にできる仕組みとした 和歌山県果樹試験場ホームページ ( あるいは 有田みかんデータベース ( からアクセス 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 1 これまで 生産者が土壌水分状態の現況 予測を把握する術はなかったが 本情報を閲覧することで降雨 灌水後の推移や灌水の目安を客観的に知ることができるようになった 2 土壌によって水分特性に違いがあることや 生育ステージによって適水分域や灌水法が変わるといった基本的な知識について 生産者への啓蒙が進んだ 3 すでに共同灌水 ( 有田川土地改良区 ) の判断基準とされているが 本情報を契機に 小ブロック単位での灌水が可能な灌水設備への更新に向けた議論が加速すると期待される 特許権 実用新案権の有無 なし 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) [ 普及に至った背景 ] 傾斜地ウンシュウミカン園で昭和 40 年代に整備された灌水施設は大ブロック単位での灌水が前提であったことから 頻発する異常気象や多様化する消費者ニーズにきめ細かく対応するために ハード ( 設備改修 ) ソフト ( 新灌水指標 ) 両面で改善が求められるようになった 本成果はソフト面についての対策技術という位置づけである [ 普及状況 ] H23.8 月から公開を開始し H24 以降は JA を始めとした地域の指導機関が共同でホームページ運営にあたっている 開発機関名 備考 和歌山県果樹試験場 大阪府立大学 技術の概要を示す資料を添付 38

49 早生ウンシュウミカンの新しい灌水指標にもとづく Web 灌水情報 高品質なM 級果実を安定して生産できる葉の水ポテンシャル域 (7~11 月 ) を基準とし 地域を代表する土壌ごとに適正な水分状態を維持できるよう 土壌体積含水率の現況値や水分消費ペースの予測 および望ましい灌水の目安をWeb 上で情報提供する 和歌山県果樹試験場 HP( からアクセス! 研究開発の背景 1970 年代の共同灌水設備産地の動向 安定多収 を目的とした古い灌水指標大ブロック単位でローテーション灌水施設の老朽化 更新の必要性 限界が 見えてきた 温暖化 異常な高 低温 集中豪雨 長期の干ばつ高品質化に向け 実情に応じた様々な管理法が普及 ( マルチ栽培 点滴灌水 ) 変動する気象に対応し 高品質果実を安定的に生産できる新しい灌水指標を作りたい 刻々と変動する土壌水分状態や それに応じた望ましい灌水の目安を Web 上で発信したい 研究成果の内容 灌水情報を構成する 3 つの技術 現地調査に基づき 糖度 12 度以上 クエン酸 1.0% 以下の M 級果実を安定生産する理想モデルを確定生育ステージごとの適正な葉の水ポテンシャル域 ( 日没直後の LWP) を決定 度(14 13 Ⅱ Ⅲ 期 5 12 期 4 B 11 Ⅰ 期遊糖度 r 10 離 i 3 酸(9 酸濃度 %)糖 /18 8/18 9/17 10/16 11/17 x )糖 酸推移の理想モデル 理想モデルに対応する好適 LWP 域 期待される効果 生産者自身が土壌水分の現況 ( 降雨 灌水後の推移 ) や灌水の目安を客観的に把握し 適正な水分管理に役立てる 開発担当機関 : 和歌山県果樹試験場 大阪府立大学 消費水量実測値 / Penman 蒸発散位 地域の代表的な土壌を有する基準園を選定土壌体積含水率をTDRセンサーでモニタリングし 好適 LWP 域に対応する適正水分域を決定適正な土壌体積含水率域と灌水量 土壌体積含水率の現況値と蒸発散位 ( 気象台観測値をもとに Penman 法で算出 ) から 1 日の消費水分量を予測 y = 0.097x R² = 土壌体積含水率 (%) 39 TDR センサー 現況測定日以降の水分消費ペースを予測 Web 上で灌水情報を発信 次の灌水日 : 適水分域の下限に到達すると予測される日 1 回当たり灌水量 : 適水分域上限までの復帰に要する水量 間断日数 : 再び下限に至り再灌水が必要になるまでの日数 閲覧者は個々の条件に近い基準園の情報を参考にする 導入をオススメする対象早生温州ミカン産地に広く導入可能

50 機関名 福岡県農業総合試験場 部署名 果樹苗木分場 苗木花木チーム 記入者氏名 草野成夫 電話番号 品目 技術名 果樹 簡易キットの利用によるカンキツウイルス病の簡易診断 特徴 カンキツの主要なウイルス病である温州萎縮病 (SDV) と接ぎ木部異常病 (ASGV) を個別にまたは同時に 約 15 分間で診断できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) カンキツ苗木育成時や穂木採取用の母樹等を診断することにより 健全な樹の育成が可能となる また 農家自身での診断が簡単にでき 生育障害の原因が特定できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 特許権あり 平成 21 年 3 月 6 日 特許第 号 福岡県 静岡県 三重県のカンキツ産地を中心に年間に約 3000~4000 テスト分が利用されている 開発機関名 福岡県 ( 株 ) ミズホメディ 備考 平成 17 年度福岡県成果情報 40

51 ,000 41

52 5,

53 43

54 44

55 機関名 佐賀県果樹試験場 部署名 落葉果樹研究担当 記入者氏名 福田浩幸 電話番号 品目 技術名 果樹 ナシの大苗育苗を利用した根底制限栽培による早期成園化 特徴 大苗育苗方法ナシの大苗育苗は 不織布製ポット (25l) にピートモス等を混和した土壌を利用しそこに植え付け 一年間育成する方法です ポットへの苗木の定植 設置ポットの大きさに合わせて深さ 30 cmほどの溝を掘り ポットを並べ 植え付けます 植付け後は必ずかん水を行って 麦ワラを敷き 支柱を立てておきます この苗を 1 年間育苗することで細根が多い 2 年生の大苗を育成します 根底制限栽培根を水平方向に動きやすく誘導するため 透水性の防根シートを使った根底制限を行う方法です 1 直径 1m 深さ 30 cmの植え穴を掘り 透水性の防根シートを敷きます 2 ポット育苗した苗をシートの上に乗せ 植え付けます 3 植え付け土壌はピートモス 石灰 よう燐を混和したものを利用します 4 植え付け後は必ずかん水を実施し 麦ワラをのせておきます このように大苗を利用した根底制限栽培を行うことで 生育が促進され 結実までの期間を 2 年程度短縮し 早期成園化を行うことができます 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) ナシの高樹齢化が進む中 通常の 1 年生苗を利用した改植では結実までに年数がかかるため改植が進まないのが現状です 今後改植を推進するためには より効率的な改植方法での取り組みが必要であり 大苗を利用した本技術は 有効な方法であると思われます そのため関係機関が一体となった取り組みを進める技術として積極的に活用が図れるものと思われます 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 無 佐賀県伊万里地区を中心にナシ部会を中心とした大苗の集団育苗が行われており 平成 25 年は約 3000 本の苗の育苗が行われています 佐賀県果樹試験場 備考 45

56 大苗育成に利用する不織布製ポット 30 cm 30 cm 30 cm 容量約 25L 防根 透水性シート 46

57 大苗育苗における管理方法 誘引作業 定期的な灌水 47

58 大苗生育状況 48

59 根底制限栽培の植え付け方法と効果 不織布製ポット 防根性 透水性で地中への埋設可 展開するとシート状に 根底制限可能 マルチ被覆効果が高まる 施肥効果が高まる 排水不良地や地下水位の高い水田転換園で根傷みを防ぐ 49

60 機関名 佐賀県果樹試験場 部署名 常緑果樹研究担当 記入者氏名 夏秋道俊 電話番号 品目 技術名 果樹 隔年交互結実栽培技術を活用した 清見 の完熟栽培 特徴 清見 はを 4 月まで樹上完熟させることで 糖度が高い高品質な果実を生産することができるが 隔年結果により生産が不安定となる そこで 温州みかんで実践されている隔年交互結実栽培を活用し 人為的に生産樹 遊休樹をつくり 毎年交互に生産させることで 高品質な果実の安定生産が可能となる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 品質が不良で価格が低迷している 清見 の高品質化を図ることができ 高単価での販売が期待できる また 規格外の果実であっても糖度が高いため 加工用としての用途も可能となる これらのことから 生産農家の所得向上を図ることができ 経営安定につながる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 現在 一部の現地で実証試験を実施している段階であり 今後の普及が期待される 開発機関名 佐賀県果樹試験場 備考 50

61 隔年交互結実栽培を利用した清見の完熟栽培 生産年 〇園地を半分に分けて1 年毎に交互に生産〇慣行栽培の約 1.5 倍の着果〇 4 月上旬まで樹上着果 遊休年 高品質果安定生産 0 a )1 4 収量 青果重量 隔年交互 t / 1 慣行(3 2 0 栽培法の違いによる収量及び青果重量の比較 (4 月上旬時点 ) 隔年交互は 30 本 /10a 慣行は 60 本 /10a で試算 生産樹本数を半分にしても慣行と同等の収量! 糖度(13.2 B 12.8 r i 12.4 x )12.0 隔年交互慣行栽培法の違いによる糖度の比較 (4 月上旬時点 ) 350 アミノ酸含量 ( 苦味 ) m 300 g ア / ミ 250 ノ 酸 含 量(g 50 )0 アミノ酸含量 ( 酸味 ) アミノ酸含量 ( 甘味 ) 隔年交互 慣行 果汁中遊離アミノ酸組成と含量の比較 (4 月上旬時点 ) 有田陶器市にて青果試験販売実施 関東の洋菓子店にて加工品試験販売実施 県内の果物販売店 フルーツパーラーにて試食会 アンケート調査を実施中毎回消費者から好評を得ている

62 機関名 佐賀県上場営農センター 部署名 研究部 記入者氏名 山口正洋 電話番号 品目 技術名 果樹 ハウスミカン園で発生する にせ黄斑病 に対する防除対策 特徴 春芽利用型ハウスミカン園では, 展葉中期 ( 発芽 20 日後 ) 以降に 1~2 回無機銅剤を散布することで にせ黄斑病 の発生を抑制できる 夏芽利用型ハウスでも新梢伸長期に銅剤が散布されている場合には発病が少ない 新梢伸長期にボルドー液を使用する場合, 石灰による葉やけや穿孔等の薬害の発生を防ぐためにパラフィン系展着剤 ( アビオン E) を 1,000 倍で加用する 夏芽利用型ハウスでは, 銅剤との近接散布でビーエー液剤の効果が低下するので, 銅剤散布からビーエー液剤散布までの間隔を最低 60 日以上確保する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) にせ黄斑病 発生のハウスミカン園 にせ黄斑病 の多発によって落葉が著しい場合には加温停止に至ることから大きな問題となる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 備考 52

63 機関名 熊本県農業研究センター 部署名 果樹研究所 記入者氏名 杉浦直幸 電話番号 0964(32)1723 品目 技術名 果樹 カンキツのチャノキイロアザミウマ発生予察の精度向上 特徴 チャノキイロアザミウマの適期防除のためには発生予察が有効であり 既に静岡県など主要カンキツ産地の県によって有効積算温度を利用した世代別の発生ピークを予測するシステム (JPP-NET 有効積算温度シミュレーション ) が構築されている しかし そのシステムを本県で利用するためには 現地での有効性を確認する必要があったため チャノキイロアザミウマの発生消長と有効積算温度に基づく予測との適合性を調べ それらのデータの活用法を明らかにした 研究の成果有効積算温度によってチャノキイロアザミウマの発生ピークを予測し 約 5 日間隔の黄色粘着トラップ調査で発生量と発生ピークを確認することで 効率的かつ精度の高い発生予察が可能となり 防除適期の目安として活用できる 普及上の留意点 有効積算温度の算出に利用する気象データをアメダスから入手する場合には 調査園地とそこから最寄りのアメダス地点の標高を考慮し 標高補正 (0.55 ( アメダス地点の標高 (m)- 調査園地の標高 (m)) /100) を行う必要がある 各世代の発生ピークがチャノキイロアザミウマの要防除水準 (2.5 頭 / 日 / トラップ片面 ; 黄色粘着トラップの面積は 20cm 10cm) 以上に達した場合に防除を実施する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 薬剤感受性の低下したチャノキイロアザミウマが発生し 本虫による果実被害が問題となっているカンキツ栽培地帯 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 無 無 熊本県熊本市 (JA 熊本市管内 ) の温州ミカン栽培地域で普及 極早生温州 (239ha) 早生温州 (315ha) 普通温州 (495ha) 平成 23 年産熊本県果樹振興実績書 より 開発機関名 熊本県農業研究センター果樹研究所 備考 53

64 農業の新しい技術 No. 658( 平成 24 年 5 月 ) 分類コード 熊本県農林水産部 カンキツのチャノキイロアザミウマ発生予察の精度向上農業研究センター果樹研究所病虫化学研究室担当者 : 杉浦直幸 研究のねらい近年 県内の露地温州ミカンの主産地でチャノキイロアザミウマの被害が多発し 商品果率低下が問題となっている チャノキイロアザミウマの適期防除のためには発生予察が有効であり 有効積算温度を利用した世代別の発生ピークを予測するシステム (JPP-NET 有効積算温度シミュレーション ) が構築されている しかし そのシステムを本県で利用するためには 現地での有効性を確認する必要がある そこで チャノキイロアザミウマの発生消長と有効積算温度に基づく予測との適合性を調べ それらのデータの活用法を明らかにする 研究の成果 1. 黄色粘着トラップの調査間隔を約 5 日間隔に短縮することで チャノキイロアザミウマ の各世代の発生ピークが検出されやすい ( 図 1A と 1B, 図 1C と 1D) 2. 標高補正を行った有効積算温度による予測ピーク日と黄色粘着トラップによって検出さ れた誘殺ピーク日との偏差 ( 日 ) は 平均で 1 半旬以内 (5 日以内 ) であり 有効積算温 度による予測ピークと黄色粘着トラップによる誘殺ピークは概ね一致する ( 表 1) 以上のことから 有効積算温度によってチャノキイロアザミウマの発生ピークを予測し 約 5 日間隔の黄色粘着トラップ調査で発生量と発生ピークを確認することで 効率的かつ精 度の高い発生予察が可能となり 防除適期の目安として活用できる 普及上の留意点 1. 有効積算温度の算出に利用する気象データをアメダスから入手する場合には 調査園地と調査園地から最寄りのアメダス地点の標高を考慮し 標高補正 (0.55 ( アメダス地点の標高 (m)- 調査園地の標高 (m)) /100) を行う必要がある 2. 各世代の発生ピークがチャノキイロアザミウマの要防除水準 (2.5 頭 / 日 / トラップ片面 ; 黄色粘着トラップの面積は 20cm 10cm) 以上に達した場合に防除を実施する 54

65 [ 具体的データ ] 熊本県農林水産部 50 誘殺数 40 / 日 30 / トラ 20 ッ プ 10 片面 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 250 誘殺数 200 / 日 150 / トラ 100 ッ A B プ 50 片面 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 図 1 各園地の黄色粘着トラップによるチャノキイロアザミウマ誘殺数の季節的消長と誘殺ピーク (2010 年, 2011 年 ) 熊本市 ( 河内 ) 2010 年 熊本市 ( 河内 ) 2011 年 注 1)2010 年は約 10 日おき 2011 年は約 5 日おきに調査. 注 2) 矢印は検出された各世代の誘殺ピークを示す. 5 プ片面 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 注 3) 逆三角形の数字は有効積算温度による各世代の予測ピークを示す. 表 1 黄色粘着トラッフ によるチャノキイロアサ ミウマ誘殺ヒ ークと有効積算温度による予測ヒ ーク日との偏差 (2011 年 ) 地域標高アメタ ス地点粘着トラッフ の有効積算温度による偏差 ( 日 ) 世代 (a) 誘殺ヒ ーク日予測ヒ ーク日 (b), 注 ) ( 園地 ) (m) ( 標高補正 ) b-a 第 1 世代 5/16 5/11-5 第 2 世代 6/13 6/7-6 第 3 世代 7/1 6/29-2 第 4 世代 7/20 7/16-4 熊本市第 5 世代 8/2 8/2 0 ( 河内 ) 15m 熊本 (0.1 ) 第 6 世代 8/18 第 7 世代 9/9 9/6-3 第 8 世代 9/26 9/26 0 ( 平均 ) -2.9 第 1 世代 5/16 5/15-1 第 2 世代 6/13 6/11-2 第 3 世代 7/1 7/2 1 第 4 世代 7/20 7/20 0 熊本市第 5 世代 8/8 8/6-2 ( 白浜 ) 122m 熊本 (-0.6 ) 第 6 世代 8/24 第 7 世代 9/9 9/11 2 第 8 世代 10/5 10/3-2 ( 平均 ) -0.6 第 1 世代 5/20 5/21 1 第 2 世代 6/21 第 3 世代 7/11 7/10-1 第 4 世代 7/29 熊本市第 5 世代 8/16 ( 芳野 ) 338m 熊本 (-1.7 ) 第 6 世代 8/30 9/4 5 第 7 世代 9/27 第 8 世代 ( 平均 ) 1.7 第 1 世代 5/20 5/18-2 第 2 世代 6/17 6/17 0 第 3 世代 7/6 7/7 1 第 4 世代 7/20 7/24 4 宇土市第 5 世代 8/17 8/10-7 ( 赤瀬 ) 100m 三角 (-0.2 ) 第 6 世代 9/6 8/28-9 第 7 世代 9/26 9/16-10 第 8 世代 10/14 10/12-2 ( 平均 ) -3.1 注 ) JPP-NETの有効積算温度計算シミュレーションより推定された予測ピーク日を引用. 20 誘殺数 15 / 日 / 10 トラ ッ 25 誘殺数 20 / 日 15 / トラ 10 ッ C D 熊本市 ( 白浜 ) 2010 年 熊本市 ( 白浜 ) 2011 年 プ 5 片面 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 55

66 機関名 千葉大学 部署名 大学院園芸学研究科 記入者氏名 中牟田潔 電話番号 品目 技術名 果樹 性フェロモンを用いた交信かく乱によるヒメボクトウ被害の低減技術 特徴 ヒメボクトウ幼虫がリンゴ ナシなど果樹の枝幹に穿入 食害する被害が 東北地方 北関東地方 長野県 三重県 徳島県などで大きな問題になっている 幼虫が樹体内に潜るため 従来の防除法では防除効果が薄かったが 交信かく乱により成虫の交尾を阻害することにより 次世代密度を低減させることが可能になった 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) リンゴ ナシ栽培地域で ヒメボクトウの被害が発生している果樹園にて普及させることにより ヒメボクトウ被害を低減できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 特許権 有 2008/8/15 特許 号現在 農薬登録申請中であり 普及は登録認可後に可能となる 開発機関名 備考 千葉大学 信越化学工業株式会社 徳島県 福島県 山形県 平成 年度に実施した農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 リンゴ ナシ産地を蝕む ヒメボクトウ に対する複合的交信かく乱防除技術の開発 の成果に基づく技術である 56

67 機関名 長野県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 鈴木剛伸 電話番号 品目 技術名 特徴 果樹 ぶどう ナガノパープル の強樹勢樹に対する環状はく処理 短梢せん定栽培のぶどう ナガノパープル において 満開時新梢基部径 ( 第 4~ 5 節間の最大径 ) が 10mm を越える強樹勢樹で 前年の果てい部着色が赤紫色に達しなかった樹に対して 環状はく皮処理を実施すると 果実品質が向上する 処理方法は次に示すとおりである (1) 対象 : 強樹勢の ナガノパープル ( 短梢せん定栽培 ) (2) 時期 : 満開 30~35 日後頃 (3) 位置 : 主幹部 地面から 100~150cm の高さ (4) 方法 : 1 太めのマーキングペン等を用い 主幹に幅 5mm で印をつける 2 つけた印に沿い 師部組織に達する程度に鋭利なナイフ等で切り込みを入れ 内側の薄皮部分まできれいに除去する 3 はく皮後に 処理部が乾燥しないようにテープ等で保護する 4 処理後 30 日程度経過し 処理部がゆ合組織で覆われ次第 テープを除去する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 果実品質向上には適正樹勢への誘導が重要となるが 改善までには時間を要する 改善を継続している期間中に果実品質が向上する技術として 環状はく皮処理を実施する 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 長野県内における ナガノパープル の導入面積は 平成 25 年現在で?ha であり 県果樹振興計画では平成 32 年までに 350ha までに拡大する目標を掲げている 県ではナガノパープル栽培マニュアルを作成し指導を行っている 開発機関名 長野県果樹試験場 備考 57

68 環状はく皮の処理方法 58

69 機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター 部署名 果樹研究部 記入者氏名 平尾晃 電話番号 品目 技術名 果樹 ウンシュウミカンの主幹形栽培 特徴 ウンシュウミカンにおいて主枝 1 本仕立てとすることにより, 開心自然形に比べ樹形が単純なため, 作業時間, 作業強度が低減する 定植後 3 年で成園化する 樹幅が 1.5m 程度とコンパクトなため, 傾斜地のテラス園でも, 作業通路が確保できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) ウンシュウミカンの新植園 特に傾斜地での栽培に取組む生産者 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 広島県呉市, 尾道市他普及面積 5ha 開発機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター 備考 59

70 主幹形仕立てを活用した大規模みかん栽培省力化支援システム 開心自然形個別経営 主幹形個別経営 1 作業の省力 効率化 1 クローラ型防除機 2 動力運搬車の導入 3 園内道の改善 4 表層管理資材の検討 大規模経営 2 水管理の効率化 1 かん水チューブ タイマーかん水 2 生体情報に基づく管理 果実肥大 水ストレス 3 着果管理の効率化 1 摘蕾作業の簡素化 1 前年のGA散布 尿素の葉面散布 2 秋剪定 母枝刈り 2 摘果作業の簡素化 1 側枝別枝別全摘果 2 摘果剤散布方法 側枝別の散布機具の検討 4 コンパクト樹形維 持による省力化 1 少量施肥 2 根域制限 3 植調剤の使用 主幹形仕立て 60

71 機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター 部署名 果樹研究部 記入者氏名 平尾晃 電話番号 品目 技術名 果樹 モモのジョイント仕立て栽培 特徴 ナシで開発されたジョイント仕立て栽培をモモに適用した 従来の仕立て法と比較し摘蕾 摘果 袋かけ 収穫の作業時間では短縮効果が認められる 脚立を使う必要がなくなり, すべての作業で作業強度が低下する 定植後 3 年で成園化する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) モモ新植園や新規にモモの栽培に取組む生産者 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 広島県三原市他普及面積 20a 開発機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター 備考 61

72 平成 26 年度広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅰ 普及に移し得る成果 7. モモの樹体ジョイント仕立ての栽培管理マニュアル の作成 1. 背景とねらいモモの栽培には, 熟練した経験に裏づけられた整枝 せん定等の精密な管理技術が必要です そのため, 技術の継承が進まず, 栽培面積は年々減少しています そこで, 後継者, 新規の生産者や雇用者でも, 従来の仕立て法と比較し単純かつ省力的に高品質果実を生産できるモモの樹体ジョイント仕立て ( 図 1) を開発し, その栽培管理マニュアルを作成しました なお, 本研究の一部は, 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業によって実施しました 2. 成果の内容 1) 育苗は, 培養土に赤玉土を利用し,100cm で切返しを行い, ジベレリンペーストを 2 回処理し, 副梢を 2 葉で摘心することで, 本仕立て法に適した苗木が育成できます 2) 棚は,T 字連結型の棚とすることで, 従来の一文字形整枝の棚と比較し, 資材費が削減でき, 設置作業時間も短くなります 3) 樹形は, 主枝高 155cm, 植栽間隔は樹間 1.6m, 列間 3m を基本 ( 図 2) とすることで, その場合定植 3 年目での成園化が見込め, 従来の仕立て法と比較して早期に成園となります 4) 従来の仕立て法と比較して, 作業時間が短くなり, 心拍数増加率が低くなる傾向があり, 省力化と軽労化を図ることができます 5) 以上の研究成果をとりまとめ, モモの樹体ジョイント仕立ての栽培管理マニュアル を作成しました ( 図 3) 3. 利用上の留意点 1) 作成したマニュアルについては, 果樹研究部において配布しますので, モモの樹 体ジョイント仕立ての導入を検討する際には, 果樹研究部にご相談ください ( 果樹研究部 )

73 平成 26 年度広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅰ 普及に移し得る成果 4. 具体的データ 図 1 定植 4 年目開花期のモモの樹体ジョイント仕立て (2013 年 ) 横方向からの模式図 縦方向からの模式図 図 2 モモの樹体ジョイント仕立ての基本樹形 (2013 年 ) 項 目 ページ Ⅰ はじめに 1 Ⅱ 年次別管理作業の流れ 4 Ⅲ 栽培を始めるための準備 5 Ⅳ 育苗 7 Ⅴ 定植ほ場の準備 13 Ⅵ 棚の作成 16 Ⅶ ほ場定植 引き倒し 接ぎ木 26 Ⅷ 定植後の管理 32 Ⅸ 必要資材と経営試算 42 Ⅹ 普及上の課題と今後の取り組みについて 44 Ⅺ よくある質問とその回答 46 Ⅻ 参考資料 48 図 3 モモの樹体ジョイント仕立ての栽培管理マニュアルの目次 (2013 年 )

74 機関名 栃木県農業試験場 部署名 研究開発部果樹研究室 記入者氏名 大谷義夫 電話番号 ( 代表 ) ooyay03@pref.tochigi.lg.jp 品目 技術名 果樹 晩霜害対策技術 特徴 早春 果樹類の開花時は低温に対する耐性が弱く 晩霜に遭遇する機会が多い このため 晩霜害回避のために 多目的防災網 防霜ファン 燃焼資材の組合せによる防霜対策技術を確立した 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 晩霜害の被害が想定される地域特に 開花が早い年や 寒気が溜まりやすい園地では必須 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 無 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) ( ニホンナシ ) 多目的防災網 : 約 95% 防霜ファン : 約 40% 燃焼資材保持率 : ほぼ 100% 開発機関名 栃木県農業試験場 備考 64

75 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 三宅正則 電話番号 品目 技術名 果樹 各種袋 カサ資材利用によるブドウ シャインマスカット の果皮黄化抑制および かすり症 発生軽減 特徴 ブドウ シャインマスカット の袋かけにおいて 緑色もしくは青色袋を使用すると 慣行の白色袋と比較して果皮色の黄化を抑制する また カサかけにおいても 緑色もしくは不織布製カサを使用すると 慣行の乳白カサと比較して果皮色の黄化を抑制する 袋管理とカサ管理を 慣行の白色資材で比較すると 袋で かすり症 の発生および果面のこすれが少なくなり外観が優れる 一方 カサでは糖度の上昇がやや早まり早熟傾向となる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) シャインマスカットの高品質 安定生産に寄与できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県内 シャインマスカット 産地 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 65

76 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 三宅正則 電話番号 品目 技術名 果樹 白色シートのマルチ処理による垣根仕立て赤ワイン用ブドウの熟期前進 特徴 色シートのマルチ処理により カベルネ ソーヴィニヨン では糖度の上昇 酸含量の低下 および ph の上昇が早くなり 1~2 週間熟期が前進する 同様に メルロ でも 1 週間程度熟期が前進する 白色シートをマルチ処理した場合 カベルネ ソーヴィニヨン では約 2 週間 メルロ では約 1 週間早く収穫しても 糖度 ph は同程度である 白色シートをマルチ処理した場合 カベルネ ソーヴィニヨン および メルロ とも同程度の収量であればアントシアニン含量は増加する 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 酸含量が下がりにくい標高の高い地域や涼しい年においても カベルネ ソーヴィニヨン では白色シートのマルチ処理により品質の高い果実の生産が見込める 白色シートのマルチ処理により成熟が前進することで 病害の発生が少なくなる可能性がある また 無処理との収穫および醸造作業時期の分散を図ることができる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県内ブドウ 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 66

77 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 栽培部 記入者氏名 三宅正則 電話番号 品目 技術名 果樹 受粉する時間帯の違いがスモモ オウトウの結実に及ぼす影響 特徴 スモモでは 年次変動はあるものの 受粉する時間帯により結実率に大きな差はみられないため どの時間帯の受粉も結実確保が可能であることから 日中に受粉ができない場合や受粉作業が遅れている場合等に活用する 一方 オウトウでは受粉する時間帯により結実率が異なり 10~14 時の受粉で良好な結実が得られるが 早朝や夕方の受粉では結実率が低下する オウトウでは 従来どおり気温が高い日の 10~14 時を中心とした受粉が効果的である 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) スモモやオウトウの人工受粉作業の効率化が図られることで 結実安定が期待できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県内スモモ オウトウ 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 67

78 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 功刀幸博 電話番号 品目 技術名 果樹 ブドウの害虫クビアカスカシバの防除体系 特徴 クビアカスカシバの幼虫に対して パダン SG 水溶剤は高い殺虫活性を示し 食入防止効果は散布後 30 日程度認められる 成虫発生の初期 (6 月上 ~ 中旬 ) と中期 (7 月上 ~ 中旬 ) の薬剤散布により 高い防除効果が得られる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) クビアカスカシバによる被害が軽減することで ブドウの安定生産につながる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県内ブドウ栽培面積 4,190ha(H25) パダン SG 水溶剤は防除暦に採用され 本虫発生園では広く用いられている 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 68

79 機関名 長野県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 加藤秀一 電話番号 品目 技術名 特徴 果樹 50 の温水点滴処理によるリンゴ紫紋羽病防除 50 の温水点滴処理により地温を 35 で 6 時間程度維持することで リンゴ紫紋羽病菌を防除できる 温水点滴処理の基本条件や手順の概略は下記のとおりである 1 温水点滴処理の基本条件 50 の温水を使用する 点滴チューブを用いて温水を土壌表面に点滴する 処理終了の目安は 深さ 10cm および 30cm の地温を各 3 ヵ所で測定し 1 深さ 30cm の地温が 3 ヵ所とも 35 を超えたとき あるいは 2 深さ 10cm の地温が 45 を 1 ヵ所でも超えたときのいずれかとする 2 処理時期 地温の高い 6~10 月が望ましい 3 処理範囲 処理樹を中心とした 1.5m~2m 四方の範囲 4 点滴チューブおよび配置方法 市販の潅水用点滴チューブ ( 圧力補正付 ドリッパー間隔 20cm 吐出量 2.3L/ 時 / ドリッパータイプのもの ) を使用し チューブ間隔は 20cm で処理樹を中心に設置する 点滴チューブを格子型に組んだ市販の点滴器具 (EB-1000T エムケー精工株式会社 ) を用いるか 処理樹を中心に螺旋状または櫛形に点滴チューブを配置する 5 処理機器 既存の熱水処理機や家庭用小型ボイラーを利用した熱水処理機 あるいは市販の温水処理機 (EB-1000H エムケー精工株式会社 ) を用いる 化学農薬を使用しないため 環境にやさしい農業技術である 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 普及技術として周知したのが昨年度のため 県内への普及はこれからであるが 環境にやさしい技術であり普及が期待できる 開発機関名 長野県果樹試験場 備考 69

80 温水処理に必要な装置の例 1 温水処理機 ( エムケー精工株式会社製 ) 2 温水処理機用燃料タンク 3 温水処理機電源 ( 発電機 ) 4 温水点滴用チューブ : りんご樹主幹の周りの地表面に設置する 5 点滴用の水源 : 水源を確保する 出来ない場合はスピードスプレヤー等で水を運んで使用する 6 処理状況自動監視装置 ( オプション ): 処理が順調に行われているときは緑色回転灯が点灯する 一方トラブルが起こった場合 赤色回転灯が点灯し処理を自動停止する 70

81 機関名 千葉県農林総合研究センター 部署名 病理昆虫研究室 記入者氏名 金子洋平 電話番号 品目 果樹 分類コード E - 2 技術名 ナシ病害防除支援情報システム 梨病害防除ナビゲーション の開発 特徴 梨病害防除ナビゲーション は Microsoft Excel 2003 等で稼働し ナシ開花日 ( 始期 ) ナシ黒星病感染危険度 農薬散布日及び散布農薬を入力設定すると 病害防除支援チャートとして 防除要否を判断するために必要なナシ生育期の黒星病菌胞子の飛散状況 潜伏期間後の予測発病度 幼果の高感受性期間 農薬の残効期間等の情報をパソコン上に示す 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 普及指導機関あるいは生産者自身が ナシ生産圃場において 病害防除支援チャートと天気予報から防除要否及び農薬散布時期を判断できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 本システムは平成 21 年度に千葉県内の農業事務所に配付されており 県内各産地には周知されている なお 本システムは利用申請書を千葉県農林水産部担い手支援課 ( ) に提出することで誰でも入手が可能であり 個人やグループで利用されている 開発機関名 千葉県農林総合研究センター 備考 71

82 試験研究成果普及情報 部門病害虫対象普及 課題名 : ナシ病害防除支援情報システム 梨病害防除ナビゲーション [ 要約 ] 梨病害防除ナビゲーション はMicrosoft Excel 2003 上で稼働し 黒星病菌胞子 飛散状況 黒星病感染危険度 潜伏期間後の予測発病度 散布農薬の残効期間等の情報をチャート化して示す これらの情報からナシ黒星病の防除要否を判断できる フリーキーワート ナシ 黒星病 発病度予測モデル 情報システム 気象観測実施機関名主査農業総合研究センター 生産環境部 病理研究室協力機関独立行政法人中央農業総合研究センター実施期間 2003 年度 ~2007 年度 [ 目的及び背景 ] 慣行のナシの病害防除は生育期間中には10 日間隔で9~12 回 ( 約 20 成分回数 ) 行われる しかし 殺菌剤の残効 ナシの生育状況 気象経過や予報により防除要否及び農薬散布時期を適切に判断すれば 減農薬が可能である そこで 防除要否及び農薬散布時期の判断を可能とする病害防除支援情報システムを構築する [ 成果内容 ] 1 梨病害防除ナビゲーション はMicrosoft Excel 2003 上で稼働し ナシ開花日 ( 始期 ) Duthieの発生予察モデルによるナシ黒星病感染危険度 農薬散布日及び散布農薬を入力設定すると 病害防除支援チャートとして ナシ生育期の黒星病菌胞子の飛散状況 潜伏期間後の予測発病度 幼果の高感受性期間 農薬の残効期間等の情報をパソコン上に示す ( 図 1 ) 2 上記ナシ黒星病感染危険度は以下のいずれかの計算結果を入力する (1) インターネット (URL: arduthie.html ) で公開されている Duthie(1997) によるナシの黒星病 黒斑病発生予察モデル による 農業総合研究センター気象観測装置 アメダス 各地に設置されたフィールドサーバ等の気象観測データに基づく計算結果 (2) 小型温湿度記録計の温湿度データに基づく計算結果 3 ナシ黒星病防除に使用される主な農薬とその治療 残効期間を簡易なデータベースとして内蔵し 参照入力できる ( 図 2) 登録されたデータは加除修正できる 4 病害防除支援チャートと天気予報から防除要否及び農薬散布時期を判断する [ 留意事項 ] 1 生育後期の 幸水 果実の黒星病高感受性期間及び黒星病に対する果実における散布農薬の治療 残効期間も示す ( 図省略 ) 2 農薬の治療 残効期間は散布方法 ナシの生育ステージ 気象条件により影響される データベースに予め登録されている農薬の治療 残効期間は これまでの試験や経験に基づく大まかな目安である 3 今後輪紋病など他の病害等に関する情報も加えてゆく 72

83 [ 普及対象地域 ] 県下ナシ栽培地帯 [ 行政上の措置 ] [ 普及状況 ] [ 成果の概要 ] 図 1 梨病害防除ナビゲーション の病害防除支援チャート ( 一部 ) 図 2 [ 発表及び関連文献 ] 梨病害防除ナビゲーション の散布農薬入力フォーム ナシ黒星病菌子のう胞子の飛散消長とモデル化 関東東山病害虫研究報告 第 54 集 2007 年 梨病害防除ナビゲーション の開発 日本植物病理学会報 第 73 号 第 3 巻 2007 年 気象データを利用したナシ黒星病感染予測モデルの開発と検証 平成 14 年度試験研究 普及情報 ( 病害虫 ) [ その他 ] 本成果の一部は ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構の 生物機能を活用した環境 負荷軽減技術の開発 委託事業の 樹園内気象情報のリアルタイム モニタリングによるナシ黒星病および輪紋病の発生予察技術の開発 による 73

84 機関名 福島県農業総合センター 部署名 生産環境部流通加工科 記入者氏名 丹治克男 電話番号 品目 技術名 果樹 果実蜜の製造法 果実から 果汁を精製 濃縮することにより 蜂蜜状の食品素材を開発した 特徴 果汁を精製し 低温 (40 ) 条件下で Brix 値を 75~80 まで減圧濃縮することにより 粘度が 7~9Pa S の透明性があり 果実フレーバーの残る蜂蜜様食品 ( 果実蜜 ) となる 果実蜜 は原料果実の成分を反映し グルコース フルクトース スクロース及びソルビトール等の糖やクエン酸 リンゴ酸及び酒石酸等の有機酸 カリウムを多く含む 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 蜂蜜やジャムと同様の利用法が可能である パンや菓子のトッピング 飲料の甘味料 焼き菓子等多様な菓子の甘味 香料 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 - - 低温濃縮装置の導入に初期投資がかかるため 新規での事業化が難しい 開発機関名 福島県農業総合センター 備考 74

85 果実蜜の製造法及び特性 成分 福島県農業総合センター 生産環境部流通加工科 1 部門名 食品 - 食品 - 加工 2 担当者 武地誠一 丹治克男 3 要旨 本県では多様な果実が多く生産されているが 出荷規格外品等の加工利用が課題となっている このためにはリンゴ やナシ モモ等を利用した新たな加工素材の製造法を開発し 多様な農産加工品の開発 生産に活用することが重要で ある このため 果実から 果汁を精製 濃縮することにより 蜂蜜状の食品素材を開発し その加工特性 成分等を明ら かにした (1) リンゴ ナシ ブドウ モモ等をジューサー等で果汁化し これを遠心分離及びろ過処理によって精製し 低温 (40 ) 条 件下 ロータリーエバポレーターによりBrix 値を75~80まで減圧濃縮することにより 粘度が7~9Pa Sの透明性があ り 甘味と酸味 ( 原料果実による ) のある 果実フレーバーの残る蜂蜜様食品 ( 果実蜜 ) を作ることができる ( 図 1) (2) 果実蜜 は原料果実により その成分を反映し グルコース フルクトース スクロース及びソルビトール等の糖やクエ ン酸 リンゴ酸及び酒石酸等の有機酸などから出来ている またカリウムも多く含まれる ( 表 1,2) (3) なお モモ果汁は酸化により褐変しやすいので果汁化前に十分なブランチングが必要である またブドウ 果実蜜 は 酒石酸水素カリウムの沈殿を生じやすいので 果実蜜 にした後 数日間静置し 沈殿を分離する必要がある (4) 果実蜜 はそのままで蜂蜜やジャムのような利用が出来る他 焼き菓子など多様な菓子の原材料として利用できる 表 1 果実蜜のBrix 値と糖濃度 (FW%) 果実蜜 Brix 値 フルクトース ク ルコース スクロース ソルヒ トール 総糖含量 1 リンゴ ( ふじ ) ナシ ( 豊水 ) ブドウ ( ヒ オーネ ) モモ ( 川中島白桃 ) 蜂蜜 ( トチ ) 表 2 果実蜜の有機酸及びカリウム濃度 (FW%) 果実蜜 クエン酸 リンゴ酸 酒石酸 カリウム 1 リンゴ ( ふじ ) ナシ ( 豊水 ) ブドウ ( ヒ オーネ ) モモ ( 川中島白桃 ) 蜂蜜 ( トチ ) 主な参考文献 資料 (1) 平成 22 年度センター試験成績概要 図 1 蜂蜜様食品 ( 果実蜜 ) 75

86 機関名 福井県農業試験場 部署名 福井県食品加工研究所 記入者氏名 小林恭一 電話番号 品目 技術名 果樹 ウメ乳酸発酵飲食品およびその製造方法 特徴 ウメ果汁またはウメ果実を含む組成物が ph3 未満の範囲で 耐酸性を有しウメ果実の発酵に適した乳酸菌である Lactobacillus sp.fpl2(nite P-69 2) 該乳酸菌含有物 その処理物の少なくともひとつを含有してなること を特徴とする飲食品 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) ウメ果実の酸味改変 機能性食品素材開発 地域特産物の付加価値向上 飲料開発 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 特許権有平成 25 年 3 月 8 日特許第 号無 開発機関名 備考 福井県食品加工研究所 平成 25 年度指導活用技術掲載先 : 福井県農業情報ポータルサイトアグリネットアドレス : 76

87 機関名 福井県農業試験場 部署名 園芸研究センターウメ 果樹研究 G 記入者氏名 冬廣吉朗 電話番号 engei-ken@pref.fukui.lg.jp 品目 技術名 果樹 白干梅整列板の開発 特徴 塩漬け加工したウメを天日干しする際に 新たに開発した整列板を用いることにより 従来の手並べ方法に比べて作業が省力的で 果実品質の向上を図ることができる 整列板はセイロの形に合わせた 58 cm 58cm 厚さ 12mm の合板で 果実サイズ L ~3L の直径の穴をそれぞれ 144~225 個配置し FRP 塗装を施したもの 整列板をセイロの内側にはめ込み その上から塩漬け加工した果実を投入し 水洗いしながらセイロ全体に果実を広げ 各穴に 1 個ずつ果実を配置する そのまま干し場へ運搬し 慎重に整列板をセイロから引きぬく 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 近年 多収性品種の新改植が進み 大幅な生産拡大が見込まれており 一次加工ウメ ( 白干梅 ) の製造作業を効率的に行うために活用できる 果実の配置作業時間は手並べ方法の約 1/3 に軽減され 果実同士の接触も手並べ方法の半分以下に減少するため干しムラが少なくなり高品質の白干梅が得られる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 実用新案登録有 平成 21 年 6 月 24 日 実用新案登録第 号 普及している地域福井県若狭町および周辺市町整列板の試用農家数 18 戸 (H24 現在 ) 整列板製品購入農家数 12 戸 ( ) 開発機関名 備考 福井県園芸研究センター 平成 21 年普及に移す技術福井県農業情報ポータルサイトアグリネット 77

88 機関名 奈良県農業総合センター 部署名 企画調整課 記入者氏名 鷹野晋三 電話番号 品目 技術名 果樹 柿タンニンの高速抽出方法 特徴 柿渋 として流通している柿タンニンは 従来その製造に 3 年以上必要だったが この技術は その製造期間を約 2 週間に短縮し 臭いの少ない扱いやすいタンニンが得られる また 果実の状態を選ばず あらゆる果実から抽出が可能になる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 未熟な果実から過熟な果実まで利用できるので 廃棄果実の有効利用ができる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 有 2010 年 4 月 23 日 特許 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 奈良県農業総合センター 備考 78

89 機関名部署名記入者氏名電話番号 岡山県農林水産総合センター農業研究所作物 経営研究質土居典秀 品目 技術名 果樹 ブドウ穂軸への水分補給による鮮度保持技術 特徴 収穫後のブドウ穂軸にバイアル容器を利用して水分を補給する鮮度保持技術を開発した この技術によって果実の脱粒や穂軸の褐変を抑制し 出荷輸送中の鮮度を保つことができる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 輸出などの長時間の輸送を行う場合 ブドウ果実の荷痛みが問題となり 特に脱粒は商品価値を著しく低下させるが 本技術によって鮮度が保たれ 品質低下を抑制できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 なし 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 岡山県農林水産総合センター農業研究所 備考 79

90 機関名 福岡県農業総合試験場 部署名 食品流通部 記入者氏名 茨木俊行 電話番号 品目 技術名 果樹 長距離トラック輸送を可能にするイチジクの光殺菌技術 特徴 収穫後のイチジクに赤外線 30 秒 紫外線 30 秒を連続的に照射すると果実表面付着菌数を減少させ 輸送中のカビ果発生を抑制できる 果実品質に影響は無い この方法で福岡から東京へイチジクをトラック輸送する場合 着荷時の果実品質が良好に保たれるため 航空便と同等の商品性が保たれる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) イチジクを遠隔地にトラック輸送する場面 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 福岡県内 4JA に導入し 京浜地区へ出荷している 開発機関名 備考 福岡県農業総合試験場 平成 24 年度福岡県成果情報本成果は実用新技術開発事業 産学官連携事業 ( 国庫 : 平成 19~24 年 ) で実施した 80

91 とよみつひめ のトラック輸送を 可能にする光殺菌技術 食品流通部 1 背景 目的 本県では とよみつひめ の販路拡大とブランド化を推進するため 京浜地域へ航空機による出荷を行っています 今後 遠隔地への出荷をさらに拡大するためには トラック輸送など低コストな輸送体系が求められています しかし イチジクは日持ち性が悪く 輸送時間が長いトラック輸送では輸送中のカビの発生による品質低下が懸念されています そこで イチジクのカビの発生を低減するため 赤外線 (IR) と紫外線 (UV) を搭載した光殺菌装置を用い イチジクの最適殺菌条件とカビ果発生低減効果を明らかにし トラック便による高品質輸送技術を確立しました 2 成果の内容 特徴 1) 光殺菌装置でイチジクにIR30 秒 UV30 秒の順に照射すると 果実品質に影響することなく 果実表面付着菌数が減少し 保存中のカビの発生率を低減できます ( 図 1 図 2 図 3) 2) 東京へトラック輸送する場合 光殺菌したイチジクを10 以下で輸送すると カビの発生が抑えられ 着荷時の果実品質が良好に保たれるため 航空便と同等の商品果率が得られます ( 表 1) 15 81

92 3 主要なデータなど 赤外線照射装置 紫外線照射装置 コンベア搬送 図 1 光殺菌装置の構造 Log(cfu/3.8cm2) 果実表面の菌数 無処理 殺菌処理直後 光殺菌 殺菌処理後 2 日目 図 2 果実表面の殺菌効果 ( 平成 19 年 ) 注 )1. ポテトデキストロース寒天培地を使用 カビ果発生率 ( % ) 無処理 1 日目 2 日目 3 日目 4 日目 保存日数 光殺菌 図 3 保存中のカビ果防止効果 ( 平成 20 年 ) 注 )1. 保存温度は15 表 1 東京へ輸送した光殺菌果実の商品果率 ( 平成 年 ) 商品果率 (%) 輸送中輸送手段光殺菌無処理平均温度 ( ) トラック便 航空便 注 )1. 光殺菌条件 : 赤外線 30 秒 + 紫外線 30 秒 2. 商品果率は 1mm 以上のカビが発生したものを除いた果実の割合 3. 輸送時間は 集荷場 (JA 筑前あさくら ) から東京都卸売市場まで トラック便で 26 時間 航空便で 13 時間 16 82

93 機関名 佐賀県果樹試験場 部署名 常緑果樹研究担当 記入者氏名 夏秋道俊 電話番号 品目 技術名 果樹 カンキツの高温処理による減酸 着色促進技術 特徴 カンキツにおいて収穫時に着色が不良な場合や酸度が高い場合に 果実を収穫直後に 高湿度 (100%) 条件下で高温処理 (35 3 日間 ) することで一度に大量の果実の着色と減酸を促進することができる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 温州みかんで収穫時に着色や減酸が不良な果実が多い場合に 品質向上を図ることができる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 佐賀県内の一部産地で 選果場の貯蔵施設を活用して実施している 処理施設や温度 湿度の管理が難しい点が課題である 開発機関名 佐賀県果樹試験場 備考 83

94

95 t

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98 機関名 熊本県農業研究センター 部署名 果樹研究所 記入者氏名 榊英雄 電話番号 0964(32)1723 品目 技術名 果樹 カンキツ 不知火 果実の MA 包装資材活用による長期貯蔵技術 特徴 カンキツ 不知火 は 全国的な生産増大に伴い 3~4 月に出荷量が集中し 価格が低下している そのため 出荷量を平準化し 価格の維持 向上を目的として 出荷期間を 7 月まで延長可能な長期貯蔵方法を明らかにした 1. カンキツ 不知火 の MA 包装資材を活用した長期貯蔵での減酸の推移を明らかにし 7 月に出荷するための指標を明らかにした 2. 不知火 果実では 1 月中旬の収穫時 または 3 月上旬の MA 個装時のクエン酸濃度がわかれば MA 個装果実の貯蔵後のクエン酸濃度が推定できるため 長期貯蔵して出荷するための指標にできる 3.3 月下旬に収穫 予措した果実を MA 個装し 貯蔵温度 および常温で検討した結果 12 が果皮色および果肉色ともに最も優れ 食味が良好で 貯蔵性においても 12 で貯蔵した果実は 腐敗果の発生がほとんど見られず こはん症およびヘタ枯れ発生率も少なかった そのため MA 個装した 不知火 果実の長期貯蔵温度は 12 が最も適している 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 不知火 果実の出荷ピークである 3~4 月の出荷量を抑制し 値崩れを防止できるとともに 6 7 月出荷での高単価販売が期待でき かんきつ生産における経営安定と所得向上に役立つことが期待される 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無無無熊本県の 不知火 産地に普及しており 約 600tを出荷 (H23) 開発機関名 熊本県農業研究センター果樹研究所 備考 88

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101 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 功刀幸博 電話番号 品目 技術名 果樹 氷温貯蔵によるモモ果実の品種別鮮度保持効果と出庫後の温度管理 特徴 モモ果実は 氷温貯蔵により果実品質の低下が抑えられ 品種間差はあるが 28 ~42 日間貯蔵できる さらに 出庫後は 5 保冷により果実品質が保たれる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) モモ果実の出荷調整など 計画的な販売を行う際の資料として活用できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県内の一部業者によりモモの長期貯蔵が行われている 今後 輸出や出荷調整による有利販売に向けて技術の活用が期待される 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 91

102 機関名 福島県農業総合センター 部署名 企画経営部企画技術科 記入者氏名 遠藤敦史 電話番号 品目 技術名 特徴 果樹 ナツハゼの抗インフルエンザウイルス作用 ブルーベリー類にはインフルエンザウイルス吸着阻害活性があり 総ポリフェノール含量と高い相関がある 特にナツハゼの活性は高く 株が異なるインフルエンザウイルスに対しても吸着阻害活性を有し 加熱をしてもその効果は失われない 1 ブルーベリー類の 3% 果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 ナツハゼの活性が最も高く ブルーベリーではラビットアイ系やエリオットが高かった 2 ブルーベリー類のインフルエンザウイルス吸着阻害活性と総ポリフェノール含量には正の相関があり 活性を示す成分はポリフェノールである可能性が示された 3 4 種のウイルス株を使ってナツハゼのインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 10% 濃度では 100% の阻害活性を示したが 株によって活性が異なることが示された 4 加工法によってナツハゼ果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性は異なるが ポリフェノール含量と同じ傾向を示した また 分の加熱によっても活性が失われないことが明らかとなった 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 機能性のある加工品として 産品開発等への活用が期待される 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 本成果を基にした搾汁技術が農産加工所や個人加工者で利用されている 開発機関名 福島県農業総合センター 備考 92

103 1 部門名 食品 - 食品 - 加工 2 担当者 関澤春仁 3 要旨 ベリー類の抗インフルエンザウイルス作用 福島県農業総合センター 生産環境部流通加工科 ブルーベリー類にはインフルエンザウイルス吸着阻害活性があり 総ポリフェノール含量と高い相関がある 特にナツハゼ の活性は高く 株が異なるインフルエンザウイルスに対しても吸着阻害活性を有し 加熱をしてもその効果は失われない (1) ブルーベリー類の 3% 果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 ナツハゼの活性が最も高く ブ ルーベリーではラビットアイ系やエリオットが高かった ( 図 1) (2) ブルーベリー類のインフルエンザウイルス吸着阻害活性と総ポリフェノール含量には正の相関があり 活性を示す 成分はポリフェノールである可能性が示された ( 図 2) (3) 4 種のウイルス株を使ってナツハゼのインフルエンザウイルス吸着阻害活性を調べた結果 10% 濃度では 100% の 阻害活性を示したが 株によって活性が異なることが示された ( 図 3) (4) 加工法によってナツハゼ果汁のインフルエンザウイルス吸着阻害活性は異なる ( 図 4) が ポリフェノール含量と同じ インフルエンサ ウイルス吸着阻害活性 (%) 傾向を示した ( データ示さず ) また 分の加熱によっても活性が失われないことが明らかとなった ( 図 4) アーリーフ ルー 3% 果汁 アトランティック あまつぶ星 ウェイマウス エックス エリオット エリサ ヘ ス おおつぶ星 コリンス シエラ シ ャーシ ー スハ ルタン タ ロウ テ ューク ネルソン ハ ークレー はやばや星 ひとみ フ リシ ッタ フ ルークロッフ フ ルーチッフ フ ルーレイ ルーヘ ル 北部ハイフ ッシュ南部ハイフ ッシュラヒ ットアイ半樹高ハイフ ッシュ 図 1 フ ルーヘ リー類果汁 (3%) のインフルエンザウイルス吸着阻害活性 レイトフ ルー レカ シー シャーフ フ ルー テ ライト T-100 オースチン ティフフ ルー ハ ルト ウィン フェスティハ ル フ ライトフ ルー ノースラント チッヘ ワ ナツハセ インフルエンサ ウイルス吸着阻害活性 (%) R ** = 0.799(1% 水準 ) ホ リフェノール含量 (g/ml) インフルエンサ ウイルス吸着阻害活性 (%) A 型 (H1N1) ( 新型 ) A 型 (H1N1) A 型 (H3N2) ( ソ連 タミフル耐性 ) ( 香港型 ) B 型 10% 3% 1% インフルエンサ ウイルス吸着阻害活性 (%) ミキサー処理のみ 分加熱 130 凍結乾燥 30 分加熱熱水抽出 5% 1% 0.5% 総ホ リフェノール 60 乾燥ヘ クチナーセ 熱水抽出処理 総ホ リフェノール含量 (μg/ml) ( 没食子酸換算 ) 図 2 フ ルーヘ リー類のインフル吸着阻害活性とホ リフェノール含量の相関 図 3 ナツハセ のインフル吸着阻害活性 ( ウイルス株別 ) 図 4 ナツハセ のインフル吸着阻害活性 ( 加工法別 ) とホ リフェノール量 4 成果を得た課題名 (1) 研究期間 平成 23 年度 ~26 年度 (2) 研究課題名 地域産業 6 次化推進のための県産農産物の加工技術の開発 (3) 参考となる成果の区分 ( 指導参考 ) 5 主な参考文献 資料 (1) 平成 23 年度福島県農業総合センター試験成績概要 (2) 園芸学研究第 10 巻別冊 1 (3) 日本食品化学工学会第 58 回大会講演集 93

104 機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 部署名 流通加工研究室 記入者氏名 冨田恭範 電話番号 0299(45)8340 品目 技術名 果樹 近赤外分光法によるクリ ぽろたん と 国見 の非破壊判別の試み 特徴 光センサーとして糖度や酸度の非破壊測定に用いられる近赤外分光法により クリ ぽろたん と 国見 は非破壊 ( 鬼皮付きの状態 ) で概ね正しく判別できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) クリ ぽろたん は渋皮のむけやすい品種として注目を集めているが 収穫期が重なる 国見 と外観が酷似しており 品種の混入が懸念されている 一般に光センサーと呼ばれる近赤外分光法は 果実類の糖度 酸度の非破壊測定や 内部障害などの判定に導入されるようになっている 近赤外分光法による ぽろたん と 国見 の品種判別の可能性を検証した この技術は 品種混入を防止する手法として活用できる 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 県内クリ栽培地域 開発機関名 茨城県農業総合センター園芸研究所 備考 94

105 近赤外分光法によるクリ ぽろたん と 国見 の非破壊判別の試み [ 要約 ] 光センサーとして糖度や酸度の非破壊測定に用いられる近赤外分光法により クリ ぽろたん と 国見 は非破壊( 鬼皮付きの状態 ) で概ね正しく判別できる 成果農業総合センター園芸研究所平成 23 年度研究区分 1. 背景 ねらい クリ ぽろたん は渋皮のむけやすい品種として注目を集めているが 収穫期が重なる 国見 と外観が酷似しており 品種の混入が懸念されている 近年 一般に光センサーと呼ばれる近赤外分光法は 果実類の糖度 酸度の非破壊測定や 内部障害などの判定に導入されるようになっている ぽろたん は渋皮中に含まれるポリフェノールの形態や量が他のニホングリとは異なると考えられているので 近赤外分光法の測定結果が ぽろたん と 国見 で異なるか また その違いから品種判別が可能か検証する 2. 成果の内容 特徴 1) 近赤外分光法を用いた青果物品質評価装置により ぽろたん と 国見 の近赤外線 2 次微分スペクトルを測定すると 820nm 付近 840nm 付近 850~900nm 940~960nm に差が見られる この差は 平成 22 年 23 年ともに見られる ( 図 1 2) 2) 以下の手順で品種判別モデルを作成する (1) 国見 を 0 ぽろたん を 1 とする このように 品種情報を数値情報に置き換えることで質的データである品種の判別に量的評価法を応用できるようになる 数値に置き換えた品種情報を目的変数とする (2) 説明変数には 近赤外線 2 次微分スペクトル (800~986nm の範囲 2nm 毎で 94 波長データ ) を用いる (3) PLS(partial least squares) 回帰法により品種判別モデルのパラメータを決める 3) 作成した品種判別モデルで 国見 と ぽろたん は概ね正しく判別できる ( 表 1) モデルでは品種が数値で計算されるが 国見 を 0 ぽろたん を 1 としてモデルを作成しているので 計算結果が 0.5 未満の場合は 国見 0.5 以上の場合は ぽろたん とする 3. 成果の活用面 留意点 1) 平成 22 年 23 年とも園芸研究所内で収穫したクリを用い 双子果や障害果を除いた健全果のデータのみを使用した 2) 自動化 実用化へは 果実を一つずつ手動で扱う必要があること 測定とデータ出力をPC と接続して行う必要があること 測定結果からの計算を別途行う必要があることなどを改善 解決する必要がある 95

106 4. 具体的データ H22 国見 H22 ぽろたん 次微分値 H 波長 (nm) 図 1 平成 22 年産クリの近赤外線 2 次微分スペクトル 国見 17 ヶ ぽろたん 20 ヶの平均値を図示した H23 国見 H23 ぽろたん 2 次微分値 H23 品種および産年 波長 (nm) 図 2 平成 23 年産クリの近赤外線 2 次微分スペクトル 国見 15 ヶ ぽろたん 24 ヶの平均値を図示した 表 1 品種判別モデルへの適合 評価結果モデル作成向け群モデル評価向け群正答誤答小計正答誤答小計 数率数率数数率数率数 H % 0 0% % 1 20% 5 国見 H % 3 25% % 0 0% 3 計 21 88% 3 13% % 1 10% 8 H % 0 0% % 1 13% 8 ぽろ H % 1 8% % 3 25% 12 たん計 23 96% 1 4% % 4 19% 20 合計 44 92% 4 8% % 5 14% 28 率の 計 は H22 と H23 の平均 合計 は 国見の計 と ぽろたんの計 の平均 5. 試験課題名 試験期間 担当研究室果樹推奨品種決定と生態 収量予測 平成 22~23 年 流通加工研究室 96

107 機関名 山梨県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 功刀幸博 電話番号 品目 技術名 果樹 ブドウ園におけるリン酸 カリ低減型肥料と家畜ふん堆肥を用いた環境保全型施肥 特徴 リン酸 カリ低減型肥料を主体に牛ふん堆肥と鶏ふんをあわせてブドウ園に施用すると 化学肥料由来の窒素比率は 24% と低く抑えられ 窒素流亡の少ない環境保全型施肥となる また 土壌中のリン酸 カリ蓄積は回避され 慣行施肥と同等の果実生産が可能となる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 家畜ふん堆肥等有機物を主体とするブドウ園施肥法および環境負荷軽減効果が明らかとなり 環境保全型農業の取り組みが進む 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 県下の主要 JA において これまでの配合肥料からエコ肥料に全て切り替えており 7 割以上の普及率になっている 開発機関名 山梨県果樹試験場 備考 97

108 機関名 長野県果樹試験場 部署名 環境部 記入者氏名 加藤秀一 電話番号 品目 技術名 果樹 センチピードグラスは樹園地草生栽培に適した草種である 特徴 長野県では既にトールフェスク ペレニアルライグラス ケンタッキーブルーグラス及びレッドトップを樹園地の草生栽培用草種として普及に移しているが これらと比較して センチピードグラスの地上部乾物生産量および窒素の含有量は同等か多い また 全面わらマルチ 全面清耕 全面雑草草生栽培の地表面管理法と比較して 土壌溶液中の硝酸態窒素の濃度が極めて低いことから センチピードグラスのち密な草生を維持することで 環境にやさしい果樹栽培が実践できる 樹園地の列間土壌の除草を行い 浅く耕起して凹凸をなくす等の事前準備をして 5~6 月にセンチピードグラスを 2g/ m2以上播種する センチピードグラス草生への雑草の侵入量は少なく 長期間にわたり 雑草の少ない草生が維持できる センチピードグラスは暖地型牧草だが 標高 360m の当試験場でも十分生育した また 耐寒性に優れる品種では 標高 560m および標高 870m の現地ほ場でも 十分生育した 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) センチピードグラスの草生栽培では雑草の侵入量が少なく 更新頻度の低い牧草草生栽培ができることから 省力的な樹園地牧草草生栽培を必要とする場合 有効と考える 特許権 実用新案権の有無 無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 本県で普及に移されている草種は 雑草の侵入量が多いものもあり 導入後数年で更新する必要があるため 牧草草生として維持するのは煩雑であった そこで本草種を検討した センチピードグラスは日照を好むため 園地全体の受光態勢を良好に保つことが必要である 草生が緻密になるまでは雑草の侵入が認められる 昨年度普及技術として公表したため まだ現地への普及はごくわずかである 長野県果樹試験場 備考 98

109 機関名 岐阜県農業技術センター 部署名 野菜 果樹部 記入者氏名 鈴木哲也 電話番号 品目 技術名 果樹 非破壊果実硬度測定装置による果実の内部品質評価 特徴 < システムの特徴 > 音響振動法による非破壊果実硬度測定装置を使用する ( 本装置は広島大学が開発 ) < システムの概要 > 本装置によりカキの食べ頃を予測できる 本装置により食べ頃の果実硬度を評価できる 本装置によりカキの早期軟化を判別できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) < 活用が想定される場面 > 多様な果実における食べ頃の評価 予測 多様な果実における収穫期の判別 予測 < 解決が期待される課題 > 多様な果実における内部障害の判別 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 有 ( 非破壊果実硬度測定装置に関するもの ) 特許 特許 特許 特許 特許 研究段階であり 普及はこれから 開発機関名 岐阜県農業技術センター ( 広島大学 ) 備考 99

110 機関名 福岡県農業総合試験場 部署名 研究企画部バイオテクノロジー課 記入者氏名 平島敬太 電話番号 品目 技術名 果樹 STS マーカーによるイチジクの品種識別 特徴 イチジク品種間の ISSR 等に基づいた多型の STS 化により開発した 8 種のマーカーを用いることで 8 時間程度で国内主要 15 品種を識別できる 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 市場で流通する種苗や果実の表示偽装が疑われる場面での 品種判定 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 無し 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 開発機関名 福岡県農業総合試験場 備考 平成 20 年度福岡県成果情報 100

111 101

112 102

113 機関名部署名記入者氏名電話番号 熊本県農業研究センター球磨農業研究所児玉万穂 品目 技術名 果樹 クリ ぽろたん の果頂部の果皮黒変と腐敗との関係 特徴 ぽろたん は 渋皮が剥けやすいため青果用並びに加工用として期待が大きい新品種であるが 果頂部が黒く変色した果実が多くみられ 腐敗果になる危険性が高いという理由で 産地においては選別時に除外して市場出荷を行っていた しかし 果皮の黒変と腐敗との関係について調査した結果 健全な果実と黒変のある果実と腐敗果の発生に差は見られず 収穫時に果皮黒変が見られる果実が腐敗する結果とはならなかった 活用が想定される場面 ( または 当該技術の活用によって解決が期待される課題 ) 果皮の黒変が腐敗にはつがならないため 青果としての出荷は可能 特許権 実用新案権の有無 登録年月日 登録番号 普及状況 ( 普及している地域 面積 その他参考情報 を記載願います ) 無 熊本県での栽培面積は 65ha( 平成 25 年度 ) 開発機関名 熊本県農業研究センター球磨農業研究所 備考 103

114 農業研究成果情報 No.582( 平成 24 年 5 月 ) 分類コード 熊本県農林水産部 クリ ぽろたん における果頂部の果皮黒変と腐敗果発生との関係 クリ新品種 ぽろたん では 果頂部周辺の果皮が黒変した果実が 国見 並みに多く発生しやすいが 収穫後 2 日間常温保存した場合 黒変程度と腐敗果率との関係に一定の傾向はみられない 農業研究センター球磨農業研究所 ( 担当者 : 中尾郁美 ) 果樹研究所 ( 担当者 : 藤丸治 ) 研究のねらい ぽろたん は 渋皮が剥けやすいため青果用並びに加工用として期待が大きい新品種であるが 果頂部が黒く変色した果実が多くみられ 腐敗果になる危険性が高いという理由で 産地においては選別時に除外して市場出荷を行っている しかし 果皮のみの黒変で果肉部が健全であれば 加工用原料としての需要が期待できる そこで ぽろたん における果皮の黒変程度と腐敗との関係を明らかにする 研究の成果 1. 果頂部の果皮黒変程度を無 軽 中 甚 ( 写真 1~4) の4 段階に分けて調査したところ ぽろたん における黒変程度が中 甚の割合は 国見 と変わらず 筑波 丹沢 杉光 より多い( 表 1) 2. 収穫後に常温 (25~30 ) で 2 日間保存した ぽろたん において 果頂部に黒変のない 果実 ( 無 ) と黒変のある果実 ( 軽 ~ 甚 ) では腐敗果率に一定の傾向はみられない ( 表 2) 普及上の留意点 1. 腐敗については 病虫害果 裂果 未熟果等の不良果を取り除き 常温 (25~30 ) で 2 日間保存後 果実を切断して調査した 2. 果頂部を押して軟らかい果実は実炭そ病 ( 写真 5) 座部が黒変または軟化したり 腐臭 のする果実は黒色実腐れ病 ( 写真 6) の可能性が高いので確実に選別する 3. 収穫後のクリの腐敗は 保存中の温度が高いほど また保存期間が長いほど発生が多くな るので 収穫した果実はなるべく低い温度で保存する 104

115 具体的データ No.582( 平成 24 年 5 月 ) 分類コード 熊本県農林水産部 表 1 クリの品種による果頂部黒変の程度別発生比率 (2011 果樹研究所) 果頂部からの黒変程度別の発生率 (%) 品種調査果数無軽中甚ぽろたん 国見 筑波 丹沢 杉光 注 1) 黒変程度 : 無 軽 ( 長径 1cm未満 ) 中( 長径 1cm以上 2cm未満 ) 甚( 長径 2cm以上 ) 注 2) 調査果 : 軟らかい果実 腐臭のする果実 虫害果 裂果 未熟果等の不良果を除く 表 2 クリ ぽろたん の黒変程度と腐敗果発生との関係 (2011 球磨農業研究所) 果頂部から果頂部の調査果数腐敗果数腐敗果率の腐敗果率黒変程度 ( 個 ) ( 個 ) (%) (%) 無 軽 中 甚 全体 2, 注 1) 黒変程度 : 無 軽 ( 長径 1cm未満 ) 中( 長径 1cm以上 2cm未満 ) 甚( 長径 2cm以上 ) 注 2) 調査果 : 軟らかい果実 腐臭のする果実 虫害果 裂果 未熟果等の不良果を除く注 3) 腐敗果 : 常温 (25~30 ) で2 日間保存後に腐敗していた果実注 4) 果頂部からの腐敗果 : 腐敗果の中で果頂部から腐敗していた果実 写真 1 黒変程度 : 無 写真 2 黒変程度 : 軽 写真 3 黒変程度 : 中 写真 4 黒変程度 : 甚 写真 5 実炭そ病 写真 6 座部からの腐敗 105

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