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1 No 年夏号 料理上手は節約上手 食費対策は手作り和食 - 食卓の節約法とその意識 - バブル崩壊からはや 10 年 いまだ景気の低迷が続くなかで 家庭の食卓に変化はあるのでしょうか? 節約の実践 外食の頻度 手作りの度合いなどデフレ時代の主婦の食費対策とその意識を聞いてみました 情報あ ら か る と 2003 年 7 月発行

2 調査概要 バブル崩壊から 10 年を過ぎ 依然として景気の低迷は続いています デフレ時代といわれる日本経済ですが この1 年で家庭の食費はどう変わったのでしょうか また バブル崩壊直後と比べ 主婦の節約意識にはどんな変化があるのでしょうか ミツカングループでは 94 年 98 年に実施した家計や節約に関する調査結果を参考に デフレ時代の主婦の食費対策あれこれとその意識を浮き彫りにしました 調 査 名 : デフレ時代にみる食卓の節約法とその意識 調査方法 :FAXによるアンケート調査 調査時期 : 2003 年 6 月 11 日 ( 水 )~6 月 17 日 ( 火 ) 調査対象 : 東京都および大阪府に在住の小学生以上の子供を持つ 30~40 代の主婦 有効回収数 :355 票 ( 回収率 88.9%) 30 代 =172 人 40 代 =183 人 計 東京都 90 人 94 人 184 人 大阪府 82 人 89 人 171 人 調査結果のポイント 長引く不況の中 1 年前に比べ家計が苦しくなった家庭は 57.8% で過半数を占めた そんな中で削りたくない費用のトップは 教育費 (74.4%) で 9 年前 1 位だった 食費 は6 位にダウン 食費は切り詰めても 子供の教育に関する費用は何とかキープしている様子だ 実際におかずの品数が 減った 家庭は 18.6% で 変わらない がほとんど (76.0%) 手作りが 増えた 家庭は 24.2% だった また 全体の3 人に1 人は 家で作る料理は 和食が増えた と答えており デフレ時代の食卓対策は 手作りの和食メニューがポイントのようだ この 1 年で外食が 減った 家庭は半数以上 (53.4%) で とくに年収 400 万円以下の家庭では7 割以上が外食を減らしている 外食決行 の動機としては 家族の記念日 祖父母が一緒のとき 給料日 に続き 主婦自身が 疲れているとき もあげられている 食費の節約は8 割近い主婦が実践 節約の理由には せざるを得ない 今の時代では当然のこと に続き 上手に出来ると達成感がある かえって健康的 節約は面白い センスのみせどころ という弾んだ声も多い 厳しい時代とはいえ 節約も楽しんでしまうのが 今風節約術 のようだ 食材のやりくりが 上手 という主婦は全体の半数以下だった しかし 料理が得意な主婦 (172 人 ) では 8 割が やりくり上手 と自認 料理上手なミセスは節約も上手 なようだ 食材やおかずを捨ててしまうことが ある 主婦は 60% で 9 年前に比べ約 3 割減っている 捨てるときには 食べ物をムダにした (56.3%) という反省の気持ちが強く なんとも思わず に捨てるという回答はゼロ 主婦たちの食べ物に対する真摯な姿勢が感じられる 食費の節約度を自己採点してもらったところ 平均は 53.7 点 ただし 料理が得意な主婦と不得意な主婦の平均点には 28 点 もの差があり ここでも 料理上手 = 節約上手 の図式が浮き彫りにされた 2

3 苦しい家計で 食費 より 教育費 優先 長引く不況 景気の低迷が続く中 1 年前に比 この 1 年の家計状態の変化 (SA) べ家計が苦しくなった家庭は 57.8% で過半数を 楽になった変わらない苦しくなったその他 占めました 94 年の同じ調査に比べて 15 ポイントほど増加 今回の調査 しており 家計は確実にひっぱくしてきています 94 年の調査 N= そんな中で削りたくない費用のトップは 教育 費 (74.4%) で 94 年の調査に比べて 31.2 ポイントも増えています 2 位以下の ローン 保険医療費 習い事の費用 も 20~30 ポイント増です 9 年前 1 位だった 食費 は 69.5% から 34.4% に 同 3 位だった 交際費 は 40.2% から 6.2% に いずれも 34 ポイントも減りました ぎりぎりまで経費を節減しながらも 夫の小遣いは変わらず 子供の教育に関する費用は大切だということでしょう 夫の小遣い 位 削りたくない費用 (MA) 順 項目 今回 94 年 94 年順位 N=172 ( 増減 ) 1 教育費 位 ( ) 2 ローン 位 ( ) 3 保険医療費 位 ( ) 4 住居費 位 ( ) 5 習い事の費用 位 ( ) 6 食費 位 ( ) 7 ( ) 12 交際費 位 ( ) 手作り和食 と 外食セーブ で食卓対策では 食費節減で毎日の食卓に影響はあるのでしょうか この 1 年で実際におかずの品数が 減った 家庭は 18.6% で 変わらない がほとんど (76.0%) です 手作りの度合いは 変わらない が 62.8% で 増えた 家庭は 24.2% でした 料理のメニューでは3 人に1 人の割で 和食が増えた と答えており デフレ時代の食卓対策は 手作りの和食メニューがポイントのようです この一年のメニューの変化 (MA) この1 年のおかずの品数 (SA) 増えた 変わらない 減った 全体 和食が増えた 洋食が増えた 洋食が減った 和食が減った 中華が増えた 中華が減った 7.0 この 1 年の手作り度 (SA) 全体 増えた 変わらない 減った エスニック料理が増えた エスニック料理が減った 1.4 変化はなかった

4 一方 この 1 年で外食が 減った 家庭は半数以上 (53.4%) でした ひところの価格競争で格安店が増えたとはいえ 外食はやはり経費がかかるのでしょう とくに年収 400 万円以下の家庭では7 割以上が外食を減らしており 厳しさが実感されます それでも 家族の記念日 祖父母が一緒のとき といった家族交流の日や 給料日 などお財布が豊かなときには出かけています また主婦自身が 疲れているとき (35.7%) も 外食決行 の大いなる動機で 専業主婦や働いている主婦にかかわらず上位にランクされています この 1 年の外食頻度の変化 (SA) 全体 N=350 年収 400 万円未満 N=50 400~600 万円 N=92 600~800 万円 N= 万円以上 N=99 増えた変わらない減った 家族で外食をするとき (MA) 順位 項目 全体 N= 350 専業主婦 N= 134 有職主婦 N= 家族の誕生日や記念日など 祖父母が一緒のとき お給料日など収入があったとき 自分が疲れているとき 夫が行こうというとき 値段が安くなっているとき 自分が忙しいとき 気分転換をしたいとき 美味しい店に行きたいとき 子供がせがむとき 情報あ ら か る と エンゲル係数 8 年前との比較 生活の豊かさの一つの指標であるエンゲル係数 ( 消費支出に占める食費の割合 ) は戦後の昭和 23 年の 60.4% から年々縮小し 2002 年 ( 平成 14) には 23.3% となりました 情報ファイルで前回 家計の調査をしたのは 1994 年 ( 平成 6) バブル後の不況の中 当時のエンゲル係数は 24.1% でした そこで 02 年の結果を 8 年前と比較するとマイナス 0.8% となっているものの それほど大きな変化は見られません しかし これを金額でみると 94 年の消費支出 ( 注 1) は 33 万 3840 円 そのうち食費が 8 万 552 円でした 一方 02 年の消費支出は 30 万 6129 円 食費は 7 万 1286 円と いずれもマイナス ( 消費支出 :-2 万 7711 円 食費 :-9266 円 ) になっています デフレで物価が下がったとはいえ 収入の減少が続いたことを考え合わせると 家計をあずかる主婦の財布のヒモは固くならざるを得ないようです ( 注 1) 全国 全世帯の消費支出で 1 世帯当たり 1 か月平均 ( 総務省統計局 : 家計調査より ) 4

5 節約は面白い!- 楽しんで実践する今どきのミセスたち食費の節約は8 割近い (76.6%) 主婦が実践しています 94 年当時には 節約していない 主婦が4 割もいたことを考えると 隔世の感があります さらに節約をしていない主婦の半数が したいけれど上手く出来ない と答えていることを考慮すると デフレ時代の主婦のほとんどは節約志向です 食費節約の実践状況 (SA) 実践している 実践していない 今回の調査 年の調査 N= 節約の理由としては せざるを得ない (60.3%) が最も多く 次いで 今の時代では当然のこと (46.0%) が続きます しかし3 人に1 人は 上手に出来ると達成感がある と答えているほか かえって健康的になる 節約は面白い センスのみせどころ という弾んだ声も多く聞こえてきます 厳しい時代とはいえ 節約も楽しんでしまうのが 今風節約術 のようです 特に料理の得意な主婦 (23 人 ) では これらの声はさらに 10~17 ポイント高くなっており 料理の得意な主婦ほど節約もポジティブにこなしている様子です 食費を節約する理由 (MA) 料理料理順全体項目得意不得意位 N=272 N=23 N=28 1 家計に余裕がないのでせざるを得ない 今の時代 節約は当然のこと 上手に節約できると達成感がある かえって健康的な食生活になる 工夫して節約するのは面白い 節約は主婦のセンスのみせどころ 食費を節約していない理由 (MA) N=83 1 節約したいが上手く出来ない 食べることは家族の健康の元なので 節約ばかりしていると気持ちが沈む 食費くらいは自由に使いたい 面倒くさい 節約のことなど考えたことがない 2.4 そんな妻の食費節約ぶりに 夫の 4 割は 納得 しており まとめ買いを手伝ってくれる 協力派 節約を奨励 ほめてくれる エール派がいる一方で 何も言わない 気付かない という無関心派もいます 食費節約に対する夫の反応 (MA) N=272 1 家計の節約になるので納得している まとめ買いなど手伝ってくれる とくに何も言わない 節約を奨励する 節約していることに気付いていない 上手に節約すると褒めてくれる 量が減ってがっかりしている メニューが変わってがっかりしている 3.3 5

6 料理上手は節約上手 家庭での食費節約のポイントは 食材の上手なやりくりです そのやりくりが 上手 やや上手 という主婦は 47.0% 下手 やや下手 は 53.0% でした しかし 料理が得意 やや得意な主婦 (172 人 ) では 8 割が やりくり上手 と自認 料理上手なミセスは節約も上手なようです 具体的なやりくり術としては できるだけ手作りする (49.0%) 余った材料で 1 品作る (42.8%) など調理テクニックのほか 昼の弁当に利用 余さず適量作る 上手に保存 再利用 など保存や 再利用を工夫しているようです 食材のやりくり度 (SA) 全体 料理が不得手 1.1 やや不得手 N=183 料理が得意 やや得意 N=172 上手 やや上手 やや下手 40.9 下手 多めに作って小分けして保存する 食材を使い切るための工夫 (MA) 1 できるだけ手作りする 余った材料で1 品を作る 余さずに適量を作る 昼の弁当用に利用する 余ったら上手に保存 再利用する 冷蔵庫の整理を頻繁にする 野菜の皮や芯の部分も料理に使う とくに何もしていない 6.2 6

7 食べきれずに捨てること は激減 食べきれずに捨てることの有無 (SA) 食材やおかずを食べきれずに捨ててしまうこ ある ない とが ある 主婦は 60% ない は 40% で 東京の主婦より 大阪の主婦の方が捨ててしまうことがやや多い ( 東京 =55.4% 大阪 =64.9%) と 全体 東京 N= いう結果でした 5 年前の調査では 92.0% が 捨てたことがある と答えていたのに比べると 捨 大阪 N= てるケースはグンと減っており ここでも無駄は 98 年 N= 極力しないというシビアな姿勢が浮かび上がり ます 捨てるときには 家計のムダ (28.2%) というよりも 食べ物をムダにした (56.3%) という反省の気持ちが強く なんとも思わず に捨てるという回答はゼロでした 主婦たちの食べ物に対する真摯な姿勢が感じられます 食べ物を捨てるときの気持ち (MA) N=213 1 食べ物をムダにして心苦しい 家計のムダになると思う 世界の食事情を思うと心苦しい 仕方がないと思う 環境に良くないことをしてしまった なんとも思わない 0.0 食費の節約度は 53.7 点食費の節約度を自己採点してもらったところ 平均 =53.7 点で 9 年前の 58.7 点をわずかに下回りました 料理が得意な主婦 (29 人 ) でも平均点は 65.2 点で 食の節約はなかなか奥が深いようです また 料理が不得意な主婦 (42 人 ) の平均点は 37.1 点で 得意な主婦とは 28 点もの差があり ここでも 料理上手 = 節約上手 の図式が浮き彫りにされました 食費の節約度自己採点 (SA) 点数 全体料理得意料理不得意 98 年調査 N=29 N=42 N=681 人 0 点 点 点 点 点 点 点 点 点 点 点 不明 平均点 53.7 点 65.2 点 37.1 点 58.7 点 7