情報セキュリティエコノミクスシンポジウム年度インターネット倫理に関する意識調査 Copyright 2013 独立行政法人情報処理推進機構 2013 年 3 月 5 日独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) 技術本部セキュリティセンター情報セキュリティ分析ラボラトリー花村憲一

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情報セキュリティエコノミクスシンポジウム 203 202 年度インターネット倫理に関する意識調査 203 年 3 月 5

1 情報セキュリティエコノミクスシンポジウム年度インターネット倫理に関する意識調査 203 年 3 月 5 日独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) 技術本部セキュリティセンター情報セキュリティ分析ラボラトリー花村憲一小松文子

2 本日の内容情報倫理ってなに倫理教育が求められている常識が疑われる事例倫理教育は情報セキュリティとともに情報セキュリティに倫理は必要 IPAアンケート調査結果の紹介まとめ 2

3 情報倫理とは道徳行動の規範善悪を判断する基準正しく行動するための規範法律外部からの強制力として働くもの情報セキュリティは法律やルールだけではなく情報を扱う人の倫理ある行動によって成り立つ 3

4 倫理が問われる事例 SNS で社内情報を公開お客さんの来店情報をつぶやくネットいじめ掲示板ブログ SNS 等に誹謗中傷の書き込み未成年者の不正行為フィッシングサイト作成アカウント詐取なりすまし誰もが手軽に情報を発信できる不正行為を行うための情報に触れられる 4

5 IPA が実施した調査の概要. 調査方法ウェブアンケート 2. 調査対象 5 歳以上の PC インターネット利用者 3. 調査期間 202 年 0 月 2 日 ~5 日 4. 有効回答数 5,000 名 ( 男性 2,587 名 [5.7%] 女性 2,43 名 [48.3%]) インターネット利用者数の性別年代別の構成比を基に割付 5

6 . 投稿やコメントをする割合 -. テキスト写真動画などを投稿する Q: インターネットで次のような行動をする頻度はどれくらいですかインターネット上でテキストや写真を投稿したり他人の投稿にコメントをするのは約 4 割経験がないは全体の 6 割年代が上がる程高い割合に 57.0% 5.3% 9.7% 9.0% 8.9% 日回以上週に回以上月に回以上月に回未満経験がない n=5000 n 日回以上 57.9% 週に回以上 -2. ニュース記事や他人の投稿にコメントをつける 5.3% 0.7% 8.2% 8.0% 日回以上週に回以上月に回以上月に回未満月に回以上月に回未満経験がない経験がない全体全体 % 9.7% 9.0% 8.9% 57.0% 0 代 % 3.7% 4.0% 25.0% 35.2% 年代別 20 代 % 5.% 3.4% 25.0% 38.% 30 代 % 2.9% 9.7% 20.3% 5.8% 40 代 % 8.5% 7.% 8.3% 6.2% 50 代 % 5.2% 6.0% 5.0% 70.9% 60 代 % 4.3% 6.7% 2.8% 73.9% n=5000 n 日回以上週に回以上月に回以上月に回未満経験がない全体全体 % 0.7% 8.2% 8.0% 57.9% 0 代 372.3% 7.2% 2.9% 8.8% 39.8% 年代別 20 代 % 6.6% 2.% 22.3% 4.0% 30 代 % 2.8% 9.% 9.3% 52.9% 40 代 % 9.2% 6.9% 7.3% 6.7% 50 代 % 6.3% 6.2% 6.2% 69.3% 60 代 % 5.% 4.4% 3.9% 73.9% 6

7 2. 投稿やコメントをしない理由 7 2. 投稿またはコメントを書き込まない主な理由 Q: インターネット上に投稿またはコメントを書き込まない主な理由は何ですか関心や必要性がない 52.3% 投稿する時間がなく面倒 34.8% ネット上に自分の痕跡を残したくない 33.2% が上位情報取得のみで発信する必要性は感じていない全体よりも 0 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上低い全体よりも 0 ポイント以上低い n ネット上に自分の痕跡を残したくないから投稿 / コメントの内容に確信がないから他人からの否定的な評価や批判 ( 悪質なコメントなど ) が気になるから匿名性が保障されないのではと心配になるから法的な問題が起こりうるから ( 著作権法名誉毀損など ) 関心や必要性がないから投稿する時間がなかったり面倒だからその他 % 3.6% 4.9% 4.5% 5.4% 52.3% 34.8%.4% 0 代 %.8% 7.3% 0.9% 5.5% 43.6% 4.3% 0.9% 20 代 % 3.8% 4.6% 9.6% 4.6% 43.3% 34.9%.% 30 代 % 3.5% 7.4% 2.7% 4.3% 44.0% 33.5%.0% 40 代 % 2.0% 5.0% 4.6% 6.2% 49.5% 32.6%.4% 50 代 % 2.4% 5.% 4.4% 4.8% 57.8% 28.7%.4% 60 代 % 7.0% 2.2% 9.3% 6.8% 63.6% 35.9% 2.% 年代別全体 33.2% 3.6% 4.9% 4.5% 5.4% 52.3% 34.8%.4% 0% 20% 40% 60%

8 ( ) 3. 投稿やコメントをする理由 Q: インターネット上に投稿またはコメントを書き込む主な理由は何ですか交流のため 54.2% 情報や知識を共有するため 50.4% 楽しいから 34.6% が上位若年層では交流のためのツールとして活用されている全体よりも 0 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上低い全体よりも 0 ポイント以上低い年代別全体 60% 40% 20% 0% n 3. インターネット上に投稿する主な理由 54.2% 50.4% 交流のために 34.6% 楽しいからめ情に報や知識を共有するた知事ら件せやる事た故めに美談などをの日た常め生に活についての記録め自に己表現および広報のたたス経めの済に販活売動広商告品などサーのビ % 34.6% 50.4% 6.0% 2.6% 9.5% 3.8%.5% 0 代 % 53.4% 45.8% 4.6% 2.0% 5.3% 0.8%.5% 20 代 % 4.% 44.7% 6.5% 24.7% 7.9% 2.4% 0.9% 30 代 % 36.8% 49.7% 6.7% 22.6% 4.8% 4.9%.3% 40 代 % 29.4% 53.7% 5.7% 2.6% 7.5% 3.0%.5% 50 代 % 23.% 55.% 6.6% 5.2% 24.7% 4.7% 0.9% 60 代 % 20.6% 57.4% 4.4% 2.0% 34.9% 7.4% 4.0% 6.0% 2.6% 9.5% 3.8%.5% その他 8

9 4. 問題がある内容の投稿経験 9 Q: 次のような内容の投稿またはコメントを書き込んだことはありますか 4-. 投稿またはコメントを書き込んだ内容経験ありは約 2 割 ( 総数の割 ) 問題になる書き込みは一部の利用者によって行われている? 全体よりも 0 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上低い全体よりも 0 ポイント以上低い n 悪口や下品な言葉が含まれる内容蔑んだりけなしたりする内容人身攻撃人格冒涜などの内容非難したり他人の不幸を願ったりする内容不確かなことや噂が含まれる内容悪意をもって何度も投稿される同じ内容性的な描写卑下する内容いかがわしい内容その他誹謗中傷するような投稿またはコメントを書き込んだことはない % 6.0% 2.8% 4.3% 8.4%.3% 2.2% 0.5% 8.5% 0 代 % 9.9% 5.0% 8.4% 3.4% 2.7% 3.6% 0.4% 69.% 20 代 % 7.7% 2.7% 5.2%.3%.2% 3.9% 0.5% 76.3% 30 代 % 6.6% 2.9% 4.9% 8.9%.3%.9% 0.7% 79.4% 40 代 % 5.3% 3.4% 3.6% 7.2% 2.% 0.6% 0.4% 83.7% 50 代 % 3.2%.6% 2.2% 5.7% 0.3% 0.6% 0.0% 89.9% 60 代 % 2.2%.%.%.% 0.0%.3% 0.7% 95.2% 年代別全体 7.6% 6.0% 2.8% 4.3% 8.4%.3% 2.2% 0.5% 8.5% 0% 20% 40% 60% 80% 00%

10 5. 問題ある内容の投稿をした理由 Q: 前問でお答えになった内容の投稿またはコメントを書き込む理由は何ですか反論したい 33.5% 人の投稿を見て不快になった 30.9% 非難批評するため 29.4% が多い自分の考えを主張したいという動機で書き込んでいる全体よりも 0 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上低い全体よりも 0 ポイント以上低い全体年代別 5-. 投稿またはコメントを書き込んだ理由 n 40% 20% 0% 33.5% く人ての意見に反論した評するために 29.4% 人の意見を非難批 30.9% かを人ら見のて投不稿快 / にコなメっンたトめ相に手に仕返しするただと思ったから誰かがやるべきことか皆らがよくやっている % 29.4% 30.9% 6.7% 6.0% 7.8% 2.0% 0.2% 0 代 % 29.6% 35.8% 7.4% 6.2% 2.3% 7.% 2.3% 20 代 % 27.5% 26.8% 2.9% 4.5% 8.0% 22.0%.6% 30 代 % 27.9% 30.3% 6.6% 6.4% 6.6% 0.5% 9.8% 40 代 % 36.4% 39.0% 7.8% 8.2% 5.2% 7.9% 0.4% 50 代 % 34.4% 25.0% 5.6% 8.8% 6.3% 0.0% 3.% 60 代 % 7.7% 5.4% 5.4% 69.2% 7.7% 24.9% 0.0% 6.7% 6.0% 7.8% 2.0% 好奇心や面白さから 0.2% その他 0

11 6. 健全なネット文化の定着のための活動やネット文化の認識 Q: 健全なインターネット文化の定着のために各界の活動における努力の程度やインターネット文化の水準についてどのように感じていますか政府の活動やインターネット利用者の自らの努力が低いと認識されている 6. 健全なインターネット文化の定着のための活動や文化水準に関する認識 0% 0% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 00% 凡例とても高い高い普通低いとても低い.7% 政府の法や制度および政策的な支援 5.6% 4.0% 34.5% 7.2% インターネット事業者 ( プロバイダなど ) の社会的責任や支援 2.0% 7.6% 45.5% 30.9% 4.% 2.% インターネット利用者の自らの努力 6.7% 4.7% 3.8% 7.7%.8% 全般的なインターネット文化水準 7.6% 47.3% 3.8%.5% n=5000

12 7. 健全なネット文化を構築するために重要度が高い主体インターネット利用者が最も重要との回答が最も多い利用者自らがネット文化を構築する主体であると認識している Q: 健全なインターネット文化を構築するために必要な主体は誰だと思いますか重要度が高いと思う主体順をお知らせください 7. 健全なインターネット文化を構築するための主体位 2 位 3 位.2% 9.2% 2.2%.8% 8.9% 3.2% 23.7% 54.2% 25.4% 5.7% 57.3% 58.0% 政府インターネット事業者 ( プロバイダなど ) インターネット利用者その他政府インターネット事業者 ( プロバイダなど ) インターネット利用者その他政府インターネット事業者 ( プロバイダなど ) インターネット利用者その他 2

13 8. 問題行為に対する認識 3 Q: 次の内容について問題があると思いますか 8. 問題がある行為に対する認識パスワードに対する認識は高い著作権についてはどれも違反だが全体よりも 0 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上高い全体よりも 5 ポイント以上低い全体よりも 0 ポイント以上低い n 違法にアップロードされた音楽ファイルなど著作権のあるファイルをダウンロードすること著作権のあるファイルをアップロードすること友人知人にあげるために市販のソフトウェアをコピーすること友人知人が作ってくれた市販のソフトウェアのコピーを利用することパソコンのパスワードを他人に教えること % 72.3% 6.0% 57.8% 76.4% 0 代 % 64.2% 54.6% 54.0% 73.7% 20 代 % 68.4% 56.5% 53.3% 73.0% 30 代 % 67.7% 56.6% 55.4% 74.8% 40 代 % 7.6% 6.% 56.7% 74.9% 50 代 % 77.7% 64.7% 6.5% 79.5% 60 代 % 8.7% 70.7% 65.0% 82.0% 全体年代別 68.3% 72.3% 6.0% 57.8% 76.4% 0% 20% 40% 60% 80% 00%

14 9. 倫理教育の経験有無 Q: インターネット倫理に関する教育を受けたことがありますかインターネット倫理に関する教育は全体では 4.% のみ受講している 0 代は半数が受けている中学高校で教育を受けていると推測 9. インターネット倫理に関する教育の有無 4.% 全体よりも0ポイント以上高い全体よりも5ポイント以上高い全体よりも5ポイント以上低い全体よりも0ポイント以上低い n はいいいえ全体 % 85.9% 0 代 % 49.5% 20 代 % 74.7% 85.9% はいいいえ n=5000 年代別 30 代 % 92.6% 40 代 04 9.% 90.9% 50 代 % 9.2% 60 代 % 93.3% 4

15 0. 倫理教育と問題行為との関係倫理教育を受けたことがあるグループのほうが問題行為の経験が多いとの結果にただし教育を受けた時期と問題行為をした時期との前後関係はわからない 5

16 アンケート調査のまとめ情報セキュリティの要素としてインターネット倫理に関する調査を一般利用者向けに初めて実施したネットでの行動についての実態把握が主な目的インターネット上の書き込みを中心に質問書き込みをしているのは全体の約 4 割約割が倫理を問われる書き込みの経験ありこの数値は小さいのか大きいのか 6

17 アンケート調査の今後の課題倫理をどのような尺度で測ればいいのか? 今回は掲示板等への書き込みをメインに実施正しい倫理を普及するためにはどうすれば? ( 新 ) 社会人向けには情報セキュリティ教育とともに学習指導要領に情報モラル教育あり IPAの取り組み情報セキュリティ標語ポスター 4コマ漫画コンクールを小中高生を対象に実施 (2006 年 ~) 7

18 まとめネットには様々な情報が氾濫し誰もがアクセスできまた容易に発信することもできる情報を発信する側の倫理が求められているインターネット利用者に対する倫理教育情報を受け取る側の情報リテラシーも求められている情報の真偽を判断する能力 8

Q8 Q6 でお答えになった内容の投稿をした後にどのような感情を覚えましたかお答えはいくつでも面白かった小気味良かった気が済んだすっとした書き込んだ相手に謝罪したいやらなければよかったと後悔した問題になるか心配になったその他 [ ] 何も感じない

Q8 Q6 でお答えになった内容の投稿をした後にどのような感情を覚えましたかお答えはいくつでも面白かった小気味良かった気が済んだすっとした書き込んだ相手に謝罪したいやらなければよかったと後悔した問題になるか心配になったその他 [ ] 何も感じないインターネット倫理に関するアンケートスマートデバイス編 Q これまでに学校や会社組織などでインターネットや情報に関する倫理教育を受けたことがありますか. 2. 3. 受けたことがある受けたことはない覚えていない Q2 倫理教育はどの程度の頻度で受講していますかまたは受講しましたか最も近いものをつだけお選びください. 2. 3. 4. 年回程度以上教育を受講している数年に回程度教育を受講している不定期だが