レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 1 レパグリニド製造販売承認申請 CTD 第 2 部 2.5 臨床に関する概括評価 大日本住友製薬株式会社

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2 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 2 目次 2.5 臨床に関する概括評価 製品開発の根拠 型糖尿病の病態 型糖尿病の治療 本剤の開発意義 臨床開発の経緯 臨床試験パッケージ 治験相談及び対面助言の要約 生物薬剤学に関する概括評価 生物学的同等性 生物学的利用率 食事の影響 臨床薬理に関する概括評価 薬物動態 薬力学 有効性の概括評価 有効性評価の概観 有効性の評価結果 部分集団での検討 有効性のまとめ 安全性の概括評価 安全性評価方法の概観 曝露状況 安全性の評価結果 部分集団における検討 投与量 投与時期及び投与方法との関連性 有害事象の予防 軽減 対処方法 過量投与に対する反応 自動車運転及び機械操作に対する影響 市販後データ 安全性のまとめ ベネフィットとリスクに関する結論 ベネフィット リスク 申請する効能 効果及び用法 用量...81

3 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 結論 参考文献...88

4 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 4 用語 レパグリニド 定義 読み替えなど 本項における用語の説明 化学名 : (+)-(S)-2-Ethoxy-4-[2-[3-methyl-1-(2-piperidinophenyl)butylamino]-2- oxoethyl]benzoic acid 化学式 ( 分子量 ): C 27 H 36 N 2 O 4 (452.59) 構造式 : H 3 C CH 3 H O O OH N H O CH 3 N 一般的略号 略号省略しない表現日本語 75g OGTT 75g Oral glucose tolerance test 75g 経口ブドウ糖負荷試験 ADA American Diabetes Association 米国糖尿病学会 α-gi 剤 α glucosidase inhibitor α- グルコシダーゼ阻害剤 ALP Alkaline phosphatase アルカリフォスファターゼ ALT Alanine aminotransferase アラニン アミノトランスフェラー ゼ AST Aspartate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェ ラーゼ AUC Area under the concentration-time curve 濃度 - 時間曲線下面積 BMI Body mass index 肥満度指数 CCDS Company Core Data Sheet 企業中核データシート CL CR Creatinine clearance クレアチニンクリアランス C max Maximum concentration 最高血中濃度 CYP Cytochrome P450 チトクローム P450 DECODE DECODA Diabetes Epidemiology: Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Europe Diabetes Epidemiology: Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Asia - -

5 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 5 略号省略しない表現日本語 DIS Diabetes Intervention Study - DDI Drug-drug interaction 薬物相互作用 EMEA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 egfr Estimated glomerular filtration rate 推算糸球体濾過量 FAS Full analysis set 最大解析対象集団 FDA Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 HbA 1C Hemoglobin A 1C ヘモグロビン A 1C IC 50 50% Inhibitory concentration 50% 阻害濃度 IDF International Diabetes Federation 国際糖尿病連合 IFG Impaired fasting glucose 空腹時血糖値異常 IGT Impaired glucose tolerance 耐糖能異常 OATP Organic anion transporting polypeptide PD Pharmacodynamics 薬力学 PK Pharmacokinetics 薬物動態 有機アニオントランスポーター PSUR Periodic Safety Update Report 定期的安全性最新報告 QOL Quality of life 日常生活の質 RR Reporting Rate - SPC Summary of product characteristics - SU Sulfonylurea スルホニルウレア SU 剤 Sulfonylureas スルホニルウレア剤 SUR Sulfonylurea receptor スルホニルウレア受容体 t 1/2 Elimination half life 消失半減期 T max Time to maximum concentration 最高血中濃度到達時間 UKPDS UK Prospective Diabetes Study - WHO World Health Organization 世界保健機関

6 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 製品開発の根拠 型糖尿病の病態糖尿病は インスリン作用の不足により生じる慢性高血糖を主徴とした 種々の特徴的な代謝異常を伴う症候群である 糖尿病は 1 型糖尿病 2 型糖尿病 その他の特定の機序 疾患によるもの及び妊娠糖尿病に大別され 国内では糖尿病患者全体のうち 2 型糖尿病患者が 95% 以上を占める文献 1) 2 型糖尿病は 家族歴等の複数の遺伝因子に過食 運動不足 肥満 ストレス等の生活環境因子及び加齢が加わり発症する その他 高血圧や高脂血症も独立した危険因子である また 2 型糖尿病の成因は インスリン分泌低下を主体とするものと インスリン抵抗性 ( 血中インスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない状態 ) が主体でそれにインスリンの相対的不足を伴うもの等に分類される文献 1) 日本糖尿病学会による糖尿病の判定基準文献 2) ( 図 ) では 早朝空腹時血糖値 126 mg/dl 以上 75 g 経口ブドウ糖負荷試験 ( 以下 75 g OGTT)2 時間値 200 mg/dl 以上 随時血糖値 200 mg/dl 以上のいずれかが確認された場合は糖尿病型と判定する そして別の日に行った検査でいずれかが再確認できれば糖尿病と診断できると定めている ただし 糖尿病の典型的症状 ( 口渇 多飲 多尿 体重減少等 ) 糖化ヘモグロビンの一つである HbA 1C 値 6.5% 以上 明らかな糖尿病網膜症の存在 過去に糖尿病型を示した検査データがある場合のうち 1 つ以上に該当する場合は 1 回の検査で糖尿病型の基準を満たせば糖尿病と診断される また検査した血糖値が糖尿病型の基準を満たさなくても 過去に上記の条件が満たされた記録があり糖尿病であったと診断される場合は糖尿病の疑いをもって対応する 一方 早朝空腹時血糖値 110 mg/dl 未満及び 75 g OGTT 2 時間値 140 mg/dl 未満が確認されれば正常型と判定し これらのいずれにも属さない場合は境界型と判定している なお米国糖尿病学会 ( 以下 ADA) 及び世界保健機関 ( 以下 WHO) は 食後高血糖と空腹時高血糖は異なる代謝異常であるとみなしていることから 日本糖尿病学会で境界型と判定されている領域を 空腹時血糖値異常 ( 以下 IFG) と耐糖能異常 ( 以下 IGT) に分類している文献 2) ( 図 ) また 2009 年 6 月に ADA 欧州糖尿病学会及び国際糖尿病連合 ( 以下 IDF) の 3 団体は合同で 新たな糖尿病診断基準として指標に HbA 1C 値を採用し HbA 1C 値 6.5% 以上を糖尿病とする と提案している文献 3)

7 腹時血糖値75 g OGTT 負荷後血糖 2 時間値空レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 7 (mg/dl) 糖尿病型 126 IFG *110 正常型 *:ADA では 100 IFG/IGT 境界型 IGT (mg/dl) 図 空腹時血糖値及び 75g OGTT による判定区分文献 2) 図 3 インスリン作用の低下 及び膵 β 細胞機能の低下とそれによるインスリン分泌低下という代謝異常は 臨床的に明らかな糖尿病の発現よりも前に まず食後血糖値の上昇として現れる文献 4),5),6) そのため 食後高血糖は糖尿病患者で頻繁に認められる現象であるが文献 7),8),9) 最も重要な血糖コントロール指標である HbA 1C 値で見ると全体的な血糖コントロールは適正であると考えられる場合でも 食後高血糖が認められることがある文献 8),9) 食後高血糖は 食後早期のインスリン分泌が失われ 末梢組織でのインスリン感受性が低下し文献 4),5),6) インスリン作用の相対的不足が生じた結果 食後の肝糖放出抑制が減少して生じる文献 10) 食後血糖値が徐々に調節されなくなると 空腹時における血糖値の調節も段階的に悪化し 糖尿病が増悪する文献 11) 平成 19(2007) 年度に実施された厚生労働省による国民健康 栄養調査結果の概要によると 調査対象の 4003 人のうち 糖尿病が強く疑われる人 (HbA 1C 値が 6.1% 以上 又は 現在糖尿病の治療を受けている人 ) は男性の 15.3% 女性の 7.3% であり 糖尿病の可能性を否定できない人 (HbA 1C 値が 5.6% 以上 6.1% 未満で上記以外の人 ) は 男性の 14.0% 女性の 15.9% であった文献 12) この値に推計人口を乗じたところ 糖尿病が強く疑われる人 は約 890 万人であり 糖尿病の可能性を否定できない人 を合わせると約 2210 万人 ( 成人約 4.7 人に 1 人 ) と推計された文献 12) 平成 14(2002) 年度に実施された糖尿病実態調査文献 13) に比べて 5 年間で 糖尿病が強く疑われる人 は約 150 万人 糖尿病の可能性を否定できない人 を合わせると全体で約 590 万人増加した また 男女とも年齢が高くなると共に 糖尿病が強く疑われる人 と 糖尿病の可能性を否定できない人 を合わせた割合は高くなり 70 歳以上では 37.6%( 男性 41.0% 女性 34.8%) であった文献 12) 以上の調査結果からも糖尿病患者数は今後も増加していくと推測される 糖尿病に伴う代謝異常が長く続くと 網膜 腎臓 神経を代表とする臓器 組織で細小

8 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 8 血管の形態的 機能的異常を来し 糖尿病特有の慢性合併症が出現する 更にこれらの細小血管症が進展すると 視力障害 失明 腎不全等の重篤な障害に至る可能性がある 近年実施された種々の大規模臨床試験結果から 厳格な血糖コントロールにより細小血管症の発症を抑制できることが検証されており文献 14),15),16) 細小血管症の発症と HbA 1C 値がよく相関することが確認されている文献 17) 代表的な 2 型糖尿病患者を対象とした研究である UK Prospective Diabetes Study( 以下 UKPDS) によると HbA 1C 値 1% の低下は細小血管症の発症を約 37% 抑制すると報告されている文献 17) 心血管疾患 脳血管障害などの大血管疾患は わが国の死因の上位を占める この大血管疾患の危険因子として 高血糖 高血圧 脂質異常症 喫煙 肥満などが挙げられている この中で高血糖に焦点を絞ると 疫学研究から食後高血糖と全死亡率及び心血管疾患発症リスクとの強い関連が示唆されている文献 18),19),20) またヨーロッパ系やアジア系の男女多数を対象とした研究 [Diabetes Epidemiology: Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Europe(DECODE) 試験 Diabetes Epidemiology: Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Asia(DECODA) 試験 ] は 糖負荷後血糖 2 時間値が心血管疾患の死亡率や全死亡率のより優れた予測因子であることを明らかにした文献 21),22) 糖尿病ではないが食後高血糖状態を示す IGT 群は正常群より心血管疾患や脳血管障害の発現リスクが高くなるという結果が報告されており文献 23) 国内でも IGT 群は正常群よりも脳血管障害を発症する頻度が明らかに高かったことが報告されている文献 24) 更に食後高血糖は既知の心血管疾患マーカーである酸化ストレス文献 25) 26) 頚動脈の内膜中膜肥厚文献及び内皮機能不全文献 27),28) を引き起こすことが示されている このように食後高血糖は 心筋梗塞等の虚血性心疾患 脳梗塞等の脳血管障害の危険因子であり 2007 年に IDF より発表された食後血糖値の管理に関するガイドライン (Guideline for management of postmeal glucose) では食後高血糖は大血管疾患の独立した危険因子であると述べられている文献 29) 糖尿病は 単なる代謝疾患でなく 細小血管症や大血管疾患の合併症の発症により 糖尿病患者の日常生活の質 (quality of life; QOL) を著しく損なう また 厚生労働省が発表した平成 20 年人口動態統計月報年計 ( 概数 ) の概況によると 糖尿病による 1 年間の死亡者数は 全死因の 1.3% に当たる 人であった文献 30) 以上のことから 糖尿病を適切に治療することは重要であると考えられる 型糖尿病の治療糖尿病による代謝異常は 時として死に至るような心筋梗塞等の大血管疾患及び糖尿病網膜症や糖尿病腎症等の細小血管症の合併症を引き起こすことから 糖尿病の早期発見及び早期治療が重要である また日本糖尿病学会は 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドラインで 糖尿病治療の目標は 糖尿病症状を除くことはもとより 糖尿病に特徴的な合併症 糖尿病に併発しやすい合併症の発症 増悪を防ぎ 健康人と同様な日常生活の質 (QOL) を保ち 健康人と変わらない寿命を全うすることにある 文献 1) として 代謝異常の改善だけが治療目標ではないことを明確にしている

9 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 9 2 型糖尿病の治療は病態や代謝異常の程度によって異なるが 十分な食事療法 運動療法を 2~3 ヵ月行っても良好な血糖コントロールが得られない場合 経口血糖降下剤又はインスリンによる治療を開始する 代謝異常の程度によっては 治療開始時からインスリンや経口血糖降下剤の薬物療法を食事療法 運動療法に加えて実施する 2 型糖尿病に対する経口血糖降下剤としては 現時点では表 で示すような薬剤があり インスリン作用の不足を是正する目的で様々なアプローチがなされている 表 経口血糖降下剤の種類と特徴 種類一般名主な効果特徴的な副作用 速効型インスリン分泌促進剤 ナテグリニドミチグリニドカルシウム水和物 SU 受容体に結合し 服用後短時間で血糖降下作用を示す SU 剤と比較し吸収及び血中からの消失が速く 効果の持続時間が短い食後高血糖を改善する 低血糖 スルホニルウレア剤 (SU 剤 ) グリベンクラミドグリクラジドグリメピリド等 SU 受容体に結合し インスリン分泌を促進し 血糖降下作用を示す 低血糖 ( 重篤かつ遷延性低血糖 ) 体重増加 α- グルコシダーゼ阻害剤 (α-gi 剤 ) アカルボースボグリボースミグリトール 腸管での糖分解を抑制し吸収を遅らせる食後高血糖を抑制する 腹部膨満感 放屁の増加 下痢等重篤な肝機能障害 ビグアナイド剤 メトホルミン塩酸塩ブホルミン塩酸塩 肝臓での糖新生抑制が主であるが その他 消化管からの糖吸収抑制 末梢組織でのインスリン感受性の改善等により 血糖降下作用を示す 乳酸アシドーシス胃腸障害 チアゾリジン剤 ピオグリタゾン塩酸塩 インスリン抵抗性の改善を介 して血糖降下作用を示す 心不全浮腫 貧血血清 LDH 血清 CPK の上昇体重増加 経口血糖降下剤による治療は 各々の薬物作用の特性や副作用を考慮に入れながら個々の糖尿病患者の病態に応じて使い分けられ 単剤での治療から開始される 単剤で血糖コントロールが不十分な場合には 食事療法 運動療法の徹底を図り 作用機序の異なる経口血糖降下剤を併用するか インスリンへの切り替え又は併用による治療を行う また 単剤で良好な血糖コントロールが得られた患者でも次第に血糖コントロールが不良になる場合があり その場合も他の経口血糖降下剤との併用やインスリンへの切り替え又は併用を行う場合がある 作用機序の異なる経口血糖降下剤の併用療法は 種々の組み合わせで血糖コントロール改善作用が認められている文献 1) 現在国内で最も広く使用されているインスリン分泌促進剤であるスルホニルウレア剤 (SU 剤 ) は作用が持続的であることから インスリンの基礎分泌を促進し空腹時血糖値

10 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 10 を低下させ HbA 1C 値を低下させるものの 食後早期のインスリン分泌促進は不十分であり 食後血糖推移改善効果はあまり期待できない また SU 剤には低血糖の発現のリスク 肥満の誘発及び長期間使用による 2 次無効等の問題もある α-グルコシダーゼ阻害剤 (α-gi 剤 ) は 糖質の消化及び吸収を遅延させ食後血糖推移を改善する薬剤であるが その作用は主に糖吸収の遅延であるため HbA 1C 値の改善効果は小さい また α-gi 剤特有の副作用である放屁の増加 下痢等の消化器症状の問題もある ビグアナイド剤は肝臓の糖新生を抑制することにより またチアゾリジン剤は末梢組織のインスリン抵抗性を改善することにより HbA 1C 値を低下させるが 食後早期のインスリン分泌促進作用は認められず 投与直後の速やかな食後血糖推移改善効果は期待できない また ビグアナイド剤は乳酸アシドーシスや胃腸障害 チアゾリジン剤は浮腫や体重増加 心不全などの副作用が懸念されている 速効型インスリン分泌促進剤は 食後早期のインスリン分泌を促進し 食後血糖推移を改善する しかしながら副作用として低血糖の発現がある また既存の速効型インスリン分泌促進剤 ( ナテグリニド及びミチグリニド ) では 12 週間の二重盲検比較試験で ナテグリニド (90 mg/ 回 ) は投与開始前からの HbA 1C 値を 0.77% 低下させ文献 31) ミチグリニド (10 mg/ 回 ) は 0.35% 低下させた文献 32) これらの HbA 1C 値の改善効果は SU 剤ほど大きくないとされている文献 1) 食後早期のインスリン分泌を促進することで食後血糖推移を改善し 同時に HbA 1C 値を顕著に改善する薬剤は 糖尿病の進行を抑制するだけでなく糖尿病合併症の発症抑制 すなわち食後血糖推移の改善から大血管症の発症を抑制し HbA 1C 値の改善から細小血管症の発症を抑制する可能性があることから 臨床的に非常に有用な糖尿病治療剤であると考えられる しかしながら既存の薬剤の中で 単剤でこれらを十分に満足させる薬剤はまだない 本剤の開発意義本剤は Dr. Karl Thomae GmbH 社 (Boehringer Ingelheim 社の系列会社 ) で 1985 年に見出された速効型インスリン分泌促進剤である 19 年に Novo Nordisk 社 ( デンマーク ) に引き継がれて世界的に臨床開発が行われ 米国では 1997 年に 欧州では 1998 年に食事療法と運動療法で十分に血糖コントロールできない 2 型糖尿病を適応として 欧米では 1 日 16 mg までの用量で承認され 現在 世界主要国を含む 90 ヵ国以上で承認 販売されている 速効型インスリン分泌促進剤は SU 剤と同様に 膵 β 細胞 SU 受容体に結合し ATP 感受性カリウムチャネルを閉鎖することにより脱分極がおこり Ca 2+ イオンが細胞内に流入しインスリン分泌を促進するという作用メカニズムを有している ( (2) 参照 ) しかしながら SU 剤と異なり作用時間が短く 効果の消失も早いことが特徴である 本剤は 国内で市販されている速効型インスリン分泌促進剤であるナテグリニドと同様に服用後短時間でインスリン分泌を促進する薬剤である in vitro 試験の結果では 本剤は

11 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 11 ナテグリニドに比べてより低濃度で受容体に作用し インスリン分泌作用が強い文献 33) という結果が得られている in vivo 試験の結果では 本剤の方がナテグリニドに比べて低用量で同程度の血糖上昇抑制作用を示した その際 両剤とも投与 30 分後の血漿インスリン値を増加させ 投与 60~180 分後に血糖降下作用を示した ( (5) 参照 ) また両剤で SU 受容体上の結合部位が異なることが示唆されている ( (5) 参照 ) 海外で実施された本剤とナテグリニドの比較試験からは 健康成人における薬物動態はほぼ同様であるものの 本剤のインスリン分泌作用の方がより長時間持続すること文献 34) 食事療法 運動療法にて治療中の 2 型糖尿病患者に対して 食後血糖値はほぼ同程度の改善であったが HbA 1C 値及び空腹時血糖値は本剤の方がナテグリニドに比べて有意に改善すること文献 35) メトホルミン塩酸塩と併用した場合 ナテグリニドに比べて本剤の方が HbA 1C 値及び空腹時血糖値の有意な改善作用を示すこと文献 36) が報告されている 以上のことから 本剤は 食後血糖推移を改善すると共に HbA 1C 値を十分に下げることが期待でき 既存の速効型インスリン分泌促進剤より優れた薬剤になる可能性が示唆され 本剤を医療現場に供給することは日本人 2 型糖尿病患者の治療に対する臨床的意義が大きいと考えられた 臨床開発の経緯国内では 19 年からノボノルディスクファーマ社 ( 以下 ノボ社 ) によって臨床開発が開始され その後 2004 年より住友製薬株式会社 ( 現 大日本住友製薬株式会社 ) が本剤の開発を引き継いだ ノボ社での開発の経緯ノボ社では 本剤の速やかなインスリン分泌促進作用 短時間の血糖降下作用といった薬理的特徴を踏まえ 空腹時の基礎インスリン分泌は正常であるが 食後のインスリン追加分泌が遅延する比較的軽症の 2 型糖尿病患者を対象として臨床試験を進めた 参考後期第 2 相試験 (AGEE/DCD/051/J 資料 ) では 食事療法 運動療法で十分な血糖コントロールが得られない 2 型糖尿病患者又は経口血糖降下剤で治療中の 2 型糖尿病患者を対象として 食後血糖値 空腹時血糖値 HbA 1C 値のいずれの評価項目もプラセボ群に比べて有意に低下することが示され 軽症の 2 型糖尿病患者では 1 回 0.5 mg 1 日 3 回食直前投与が本剤の至適用法 用量と考えられた 同じ対象患者で実施された参考長期投与試験 (1)(AGEE/DCD/075/J 資料 ) は 本剤の用法 用量を 1 回 0.25~0.5 mg 1 日 3 回食直前投与 評価期間を 48 週間として実施された その結果 食事療法 運動療法のみの患者又は α-gi 剤で治療していた患者では HbA 1C 値 空腹時血糖値 食後血糖値いずれも改善したが SU 剤で治療していた患者では改善しなかった その後 ノボ社では先行する海外臨床試験成績及び海外における承認状況から 本剤はより高用量を用いることにより 比較的重症の糖尿病患者に対しても薬効が期待できると判断し 参考第 3 相試験 (AGEE-1116 資料 ) では SU 剤 ( グリベンクラミド又は

12 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 12 グリクラジド ) による治療を受けていた 2 型糖尿病患者を対象に グリクラジドを対照とした二重盲検比較試験を実施した その結果 両投与群共に HbA 1C 値 空腹時血糖値及び食後血糖値のいずれの血糖パラメータに対する改善効果も認められなかった また 有害事象発現割合は両投与群でほぼ同程度であったものの 低血糖症状の発現割合はグリクラジド投与群と比較して 本剤投与群では約 2 倍であった 参考長期投与試験 (2)(AGEE-1120 資料 ) は SU 剤にて治療されていた 2 型糖尿病患者を対象とし 用法 用量は 1 回 0.5~4 mg 1 日 3 回食前投与とされたが いずれの血糖パラメータも改善しなかった ノボ社は国内で実施した臨床試験成績により 20 年月日に 2 型糖尿病患者 ( ただし 食事療法 運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る ) を効能 効果 ( 案 ) として輸入承認申請を行った しかしながら 承認審査における照会事項等を検討した結果 20 年月日に本剤の輸入承認申請を取り下げた ノボ社から開発を引き継いだ経緯国内で実施された 48 週間投与の参考長期投与試験 (1) で 本剤は食事療法 運動療法で治療されていた 2 型糖尿病患者に対し HbA 1C 値を 0.77% 改善し また α-gi 剤から切り替えた患者においても 0.58% の改善を示した 安全性は 24 週間投与の参考第 3 相試験 48 週間投与の参考長期投与試験 (1) 及び参考長期投与試験 (2) で 574 名に対し 0.25 mg/ 回 (0.75 mg/ 日 ) から最大 4 mg/ 回 (12 mg/ 日 ) までの用量を用いた投与実績があり 臨床上特に問題となる所見は認められなかった 低血糖症状は 51 名 (8.9%) 153 件報告されているが ほとんどの症状は軽度であり 第三者の介助やグルコース静脈内投与を必要とする重度の低血糖の発現 重度の遷延性低血糖 夜間低血糖は報告されなかった これらの結果と海外で実施された本剤とナテグリニドの比較試験文献 35),36) から 本剤は安全性に問題なく 同様の薬効を有するナテグリニドと比較して食後血糖推移は同等で HbA 1C 値及び空腹時血糖値はより強い改善作用を有する可能性が示唆され 食後血糖推移の改善に加えて HbA 1C 値と空腹時血糖値を単剤で強く改善する新たな薬剤として 2 型糖尿病患者の治療に有効であることが期待された また実際の医療現場においては 作用機序の異なる糖尿病治療薬の併用療法が行われている 速効型インスリン分泌促進剤と作用機序の異なる α-gi 剤との併用はいずれも食後血糖推移の改善を目的とし 相加的な血糖コントロールの改善効果が期待できることから 本剤も α-gi 剤と併用することにより α-gi 剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合にも食後血糖推移や HbA 1C 値の改善が得られる可能性があると考えられた 以上のことから 効能 効果としては海外での承認内容やノボ社が国内で申請した効能 効果とは異なるが 当社が本剤の開発を引き継いだ当時のナテグリニドと同様の 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善 ( ただし 食事療法 運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合 又は食事療法 運動療法に加えて α-gi 剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る ) として 本剤を国内で開発することとした

13 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 当社での開発の経緯以上の経緯から 住友製薬株式会社 ( 現 大日本住友製薬株式会社 ) では ノボ社より本剤の開発を引き継ぎ 国内における当該効能 効果の取得を目指すこととし ノボ社で得られた臨床試験成績を活用しつつ 1) 食事療法 運動療法 ( 以下 単剤療法 ) で十分な効果が得られない 2 型糖尿病患者及び 2) 食事療法 運動療法に加えて α-gi 剤 ( 以下 α-gi 剤併用療法 ) にて十分な効果が得られない 2 型糖尿病患者を対象とした新たな臨床試験を追加実施することを計画した 1) 単剤療法食事療法 運動療法にて十分な効果が得られない 2 型糖尿病患者を対象として 以下の試験を実施した 臨床試験の開始に先立ち 平成 (20 ) 年月日に医薬品副作用被害救済 研究振興調査機構との治験相談 (# 資料 ) を実施し その結果を踏まえて 安全管理が比較的容易な入院患者を対象として実施した臨床薬理試験 (D 資料 ) で 1 mg/ 回 1 日 3 回 5 日間反復投与時の忍容性及び本剤の薬力学的特性を確認した 次にプラセボ群を対照として 本剤 0.25 mg/ 回 0.5 mg/ 回 1 mg/ 回を 1 日 3 回 12 週間投与時の有効性に関する用量反応性及び安全性を検討する単剤後期第 2 相試験 (D 資料 ) を実施した その結果 本剤 0.25~1 mg/ 回までの投与量における有効性及び安全性が確認された この試験の結果から 本剤の中心用量と確認された 0.5 mg/ 回を用いた臨床薬理試験 (D 資料 ) を実施し 0.5 mg/ 回の単回投与時の忍容性及び本剤の薬力学的特性を確認した その後 独立行政法人医薬品医療機器総合機構との対面助言 (# 資料 ) を平成 (20 ) 年月日に実施し その結果を踏まえて 以下の単剤療法の試験については 主要評価項目を HbA 1C 値として臨床試験を実施することとした まず 長期投与時における安全性及び有効性を検討する単剤長期投与試験 (D 資料 ) を実施した その結果 本剤の長期投与による有効性及び安全性が確認された 次に本剤の臨床的位置付けを明確にするために 既にその臨床的有用性及び安全性が確立されているナテグリニドを対照として二重盲検 並行群間比較により有効性及び安全性を検討する単剤実薬対照比較試験 (D 資料 ) を実施した その結果 主要評価項目の HbA 1C 値は ナテグリニドと比較して有意に低下し 本剤のナテグリニドに対する優越性が検証された 2) α-gi 剤併用療法食事療法 運動療法に加えて α-gi 剤にて十分な効果が得られない 2 型糖尿病患者

14 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 14 を対象として 以下の試験を実施した まず初めに治験相談 (# 資料 ) の結果を受けて 無対照で本剤 0.25 mg/ 回 0.5 mg/ 回 1 mg/ 回を 1 日 3 回 8 週間投与時の有効性及び安全性を探索的に検討する α-gi 剤併用前期第 2 相試験 (D 資料 ) を実施した その結果 本剤の当該用量における α-gi 剤併用での有効性と安全性が確認された 次に α-gi 剤併用前期第 2 相試験での用量にプラセボ群を加え 12 週間投与時の本剤の有効性に関する用量反応性及び安全性を検討する α-gi 剤併用後期第 2 相試験 (D 資料 ) を実施した その結果 本剤 0.25~1 mg/ 回までの有効性及び安全性が確認された α-gi 剤併用後期第 2 相試験の継続投与試験として長期投与時の安全性及び有効性を検討する α-gi 剤併用長期投与試験 (D 資料 ) を実施した その結果 長期投与による有効性及び安全性が確認された 以上のように単剤療法でも α-gi 剤併用療法でも 本剤の臨床上の有用性及び安全性が確認され 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善 [ ただし 下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る (1) 食事療法 運動療法のみ (2) 食事療法 運動療法に加えて α-gi 剤を使用 ] を効能 効果とすることが適切であることを確認した 臨床試験パッケージ評価資料とした国内外のすべての臨床試験を表 に示した なお すべての国内臨床試験は GCP 省令及び関連通知を遵守して実施した また 参考資料として用いた臨床試験を表 に示した なお 評価資料のうち 第 1 相試験及び BE 試験はノボ社で実施され BA 試験 高齢者 PK 試験 腎障害患者 PK 試験 肝障害患者 PK 試験及びすべての DDI 試験は Novo Nordisk 社で実施された また 参考資料のうち 空腹時単回投与試験 参考パイロット試験 参考前期第 2 相試験 参考後期第 2 相試験 参考第 3 相試験 参考長期投与試験 (1) 参考長期投与試験 (2) 及び 0.5 mg 錠と 1 mg 錠の BE 試験はノボ社で実施され その他の試験は Novo Nordisk 社で実施された

15 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 15 表 臨床試験一覧 ( 評価資料 ) 試験番号 試験の略名 試験デザイン 対照の 種類 対象 添付資料番号 第 1 相試験 AGEE/DCD/058/J 単回投与試験 (0.25~2 mg) 単盲検 無作為割付 プラセボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/045/J 単回投与試験 (3 mg) 単盲検 無作為割付 プラセボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/060/J 反復投与試験 (1 日 1 回 5 日間 ) 単盲検 無作為割付 プラセボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/043/J 反復投与試験 (1 日 3 回 1 日間 ) 単盲検 無作為割付 プラセボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/044/J 反復投与試験 (1 日 3 回 5 日間 ) 単盲検 無作為割付 プラセボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/061/J 食事の影響試験 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 男性 第 2 相試験 D 単剤後期第 2 相試験 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 プラセボ対照 2 型糖尿病患者 D α-gi 剤併用前期第 2 相試験 無対照 2 型糖尿病患者 D α-gi 剤併用後期第 2 相試験 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 プラセボ対照 2 型糖尿病患者 第 3 相試験 D 単剤実薬対照比較試験 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 長期投与試験 D 単剤長期投与試験 漸増漸減法 無対照 2 型糖尿病患者 D α-gi 剤併用 漸増漸減法 無対照 2 型糖尿病患者 長期投与試験 BA 試験 AGEE/DCD/072/D BA 試験 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性 臨床薬理試験 D PK/PD 試験 (1 mg/ 回 ) 無対照 2 型糖尿病患者 D PK/PD 試験 (0.5 mg/ 回 ) 無対照 2 型糖尿病患者 AGEE/DCD/057/USA 高齢者 PK 試験 非盲検 並行群間比較 健康成人 ( 海外 ) 健康高齢者 ( 海外 ) 2 型糖尿病高齢者 ( 海外 ) AGEE/DCD/083/D 腎障害患者 PK 試験 非盲検 並行群間比較 2 型糖尿病患者 ( 海 外 ) AGEE/DCD/056/D 肝障害患者 PK 試験 非盲検 並行群間比較 慢性肝疾患患者 ( 海外 ) 健康成人 ( 海外 ) AGEE/DCD/066/NL DDI 試験 ( シメチジン ) 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) AGEE/DCD/067/NL DDI 試験 ( ジゴキシン ) 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性

16 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 16 表 臨床試験一覧 ( 評価資料 )( 続き ) 試験番号 試験の略名 試験デザイン 対照の 種類 対象 添付資料番号 臨床薬理試験 AGEE/DCD/068/D DDI 試験 ( テオフィリン ) 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性 AGEE/DCD/069/USA DDI 試験 ( ワルファリン ) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 プラセボ対照 健康成人 ( 海外 ) 男性 AGEE-1057 DDI 試験 ( ケトコナゾール ) 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性 AGEE-1058 DDI 試験 ( リファンピシン ) 非盲検 無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性 AGEE-1059 DDI 試験 ( 経口避妊薬 ) 非盲検 無作為割付 3 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 女性 AGEE-1060 DDI 試験 ( シンバスタチン ) 非盲検 無作為割付 3 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) 男性 AGEE-1061 DDI 試験 ( ニフェジピン ) 非盲検 無作為割付 3 期クロスオーバー 健康成人 ( 海外 ) BE 試験 AGEE/DCD/078/J 0.25 mg 錠と 0.5 mg 錠 の BE 試験 非盲検 層別無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 男性

17 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 17 表 臨床試験一覧 ( 参考資料 ) 試験番号試験の略号試験デザイン 対照の種類対象添付資料番号 AGEE/DCD/059/J 空腹時単回投与試験 単盲検 無作為割付 プラセ ボ対照 健康成人 男性 AGEE/DCD/073/J 参考パイロット試験 無対照 インスリン非依存型糖 尿病 (NIDDM) 患者 AGEE/DCD/029/J 参考前期第 2 相試験 非盲検 並行群間比較 インスリン非依存型糖 尿病 (NIDDM) 患者 AGEE/DCD/051/J 参考後期第 2 相試験 二重盲検 無作為割付 並行 群間比較 プラセボ対照 AGEE-1116 参考第 3 相試験 二重盲検 無作為割付 並行 群間比較 実薬対照 インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者 インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者 AGEE/DCD/075/J 参考長期投与試験 (1) 無対照 インスリン非依存型糖 尿病 (NIDDM) 患者 AGEE-1120 参考長期投与試験 (2) 無対照 インスリン非依存型糖 尿病 (NIDDM) 患者 AGEE-1096 腎障害患者治療試験非盲検 並行群間比較 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE-1263 代謝物同定試験 非盲検 健康成人 ( 外国人 日 本人 ) 男性 AGEE/DCD/064/USA 海外 PK/PD 試験 二重盲検 無作為割付 並行 群間比較 プラセボ対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE-1366 日本人と白人の PK 比較試験 非盲検 無作為割付 3 期クロスオーバー 健康成人 ( 外国人 日本人 ) 男性 AGEE mg 錠と 1 mg 錠の BE 試験 非盲検 層別無作為割付 2 期クロスオーバー 健康成人 男性 AGEE/DCD/048/DK/ N/S/SF 海外実薬対照長期投与試験 (1) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE/DCD/049/USA 海外実薬対照長期投与試験 (2) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE/DCD/046/UK 海外実薬対照長期投与試験 (3) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE/DCD/050/D/NL 海外実薬対照長期投与試験 (4) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 ) AGEE/DCD/047/B/F/I 海外実薬対照長期投与試験 (5) 二重盲検 無作為割付 並行群間比較 実薬対照 2 型糖尿病患者 ( 海外 )

18 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 治験相談及び対面助言の要約当社の開発段階における医薬品副作用被害救済 研究振興調査機構との治験相談 及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構との対面助言はそれぞれ 1 回ずつ実施した 治験相談は平成 (20 ) 年月日に実施し 対面助言は平成 (20 ) 年月日に実施した 各々の相談内容の要約を以下に示し 相談記録は資料 に添付した (1) 治験相談 [# 平成 (20 ) 年月日 ] の要約 1) の妥当性について第相試験をことを提案したところ と了解を得た 長期投与時の安全性 有効性を確認する試験は ことを提案したが との助言を踏まえて 新たに α-gi 剤併用長期投与試験を実施することとした また であったが との助言を踏まえて 9 つの薬物相互作用試験 高齢者 PK 試験 腎障害患者 PK 試験及び肝障害患者 PK 試験を評価資料とした なお 場合は ことで了解を得た 2) 第相試験及び試験のの妥当性について を重視し ことを提案したが 被験者の安全性 との助言を得た そのため 2 型糖尿病患者を対象とした PK/PD 試験 (1 mg/ 回 ) を実施し 1 回 1 mg 1 日 3 回反復投与時の安全性及び本剤の薬物動態学的特性並びに薬力学的特性を確認したうえで 単剤後期第 2 相試験を実施することとした その際 との助言を踏まえて が 本剤による低血糖関連の有害事象の発現が懸念されるため 被験者の安全性をより配慮する目的でした また との助言を踏まえて 2 型糖尿病患者を対象とした PK/PD 試験 (0.5 mg/ 回 ) を実施し 0.5 mg を単回投与したときの本剤の薬物動態学的特性及び薬力学的特性を検討した

19 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 19 3) の妥当性について たが を提案し との助言を踏まえて α-gi 剤と本剤の併用時の有効性 安全性及び用量反応性を探索的に検討するための α-gi 剤併用前期第 2 相試験を実施することとした 4) 第 相試験 の妥当性について 第 相試験の を提案したが との助言を踏まえて こととした (2) 対面助言 [# 平成 (20 ) 年月日 ] の要約 1) 第相試験の妥当性について主にを相談し との助言を踏まえて 主要評価項目を HbA 1C 値とした ことで了解を得た 2) の妥当性について を中心に相談し 験を実施することとした また との助言を受け との助言を踏まえて 単剤長期投与試 実施することとした なお また ことで了解を得た 了解を得た 更に 解を得た ことで ことで了

20 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 生物薬剤学に関する概括評価 生物学的同等性本剤の製造販売承認申請製剤は 0.25 mg 錠 ( 淡赤色素錠 ) 及び 0.5 mg 錠 ( 白色素錠 ) である 評価資料とした臨床試験のうち 国内で実施した単回投与試験 (3 mg ) (AGEE/DCD/045/J) 反復投与試験(1 日 3 回 1 日間 )(AGEE/DCD/043/J) 及び反復投与試験 (1 日 3 回 5 日間 )(AGEE/DCD/044/J) では 1 mg 錠 ( 白色素錠 ) を用いた 国内で実施したその他の臨床試験では 0.25 mg 錠 ( 白色素錠 ) 及び 0.5 mg 錠 ( 白色素錠 ) を用いた また 薬物相互作用試験など海外で実施した臨床薬理試験では 2 mg 錠 ( 赤褐色素錠 ) を用いた 生物薬剤学に関する臨床試験として 0.25 mg 錠 ( 白色素錠 ) と 0.5 mg 錠の BE 試験 (AGEE/DCD/078/J) 及び 0.5 mg 錠と 1 mg 錠 ( 黄色素錠 ) の BE 試験 (AGEE-1160: 参考資料 ) BA 試験 (AGEE/DCD/072/D) 及び食事の影響試験 (AGEE/DCD/061/J) を実施した また 臨床試験に使用した 0.25 mg 錠 ( 白色素錠 ) と申請製剤である 0.25 mg 錠 ( 淡赤色素錠 ) の溶出挙動の類似性を比較検討した BE 試験では 0.25 mg 錠 ( 白色素錠 ) と 0.5 mg 錠は生物学的に同等であると判断された 0.5 mg 錠と 1 mg 錠の BE 試験では 血中レパグリニド濃度の AUC 0-8h は判定基準を満たしたものの C max は基準を満たさなかった しかし C max の平均値の比が 106.8% であることから 1 mg 錠を用いた臨床試験成績を薬物動態の評価に用いることについて 問題ないと判断した また臨床試験に使用した 0.25 mg 錠 ( 白色素錠 ) と申請製剤である 0.25 mg 錠 ( 淡赤色素錠 ) は生物学的に同等であると判定した 生物学的利用率 本剤の生物学的利用率は 62.5% であった 食事の影響本剤 1 mg を食直前 ( 食事開始直前 ) 及び食後 ( 食事開始 20 分後 ) に投与した時の血漿中濃度推移を比較して食事の影響を検討したところ 食後投与では 食直前投与に比べ C max の低下及び T max の延長が認められた しかし AUC は両投与条件で同様な値であることから 食事により本剤の吸収は遅延するものの 吸収量に差はないと考えられた また国内において健康成人に本剤を食直前 ( 食事開始直前 )(AGEE/DCD/058/J 及び AGEE/DCD/044/J) に投与した場合と 2 型糖尿病患者に食直前 (10 分 )(D D 及び D ) に投与した場合で 薬物動態パラメータに差がみられなかったことから 食事開始 10 分から食事開始直前までの間に本剤を投与した場合 同様の血中レパグリニド濃度推移を示すと考えられた なお 食直前 ( 食事開始直前 ) 投与 (AGEE/DCD/058/J) と空腹時投与 (AGEE/DCD/059/J) では類似した薬物動態パラメータを示すと考えられた

21 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 臨床薬理に関する概括評価 薬物動態 健康成人における薬物動態 (1) 単回投与時の薬物動態国内において 本剤 0.25~3 mg を食直前 ( 食事開始直前 ) に単回経口投与した場合 血中レパグリニド濃度の C max 及び AUC は投与量の増加に伴い上昇及び増加し 0.25~3 mg において 本剤の薬物動態は線形であることが確認された 申請用量である 0.25~1 mg/ 回において 単回投与後の血中レパグリニド濃度は 投与量に関わらず同様の T max ( 中央値 :30 分 ) で速やかに C max に達し t 1/2 45.4~66.5 分で速やかに消失することが確認された ( (1) 参照 ) 表 単回投与試験での薬物動態パラメータ 投与量 AUC(ng hr/ml) C max (ng/ml) T max (min) t 1/2 (min) 0.25 mg(n=6) 7.5± ± ±87.2(30) 46.4± mg(n=6) 15.3± ± ±6.1(30) 45.4±8.3 1 mg(n=6) 31.5± ± ±7.7(30) 66.5± mg(n=6) 76.8± ± ±0.0(30) 99.9± mg(n=6) 91.4± ± ± ±68.8 平均値 ± 標準偏差 T max : 平均値 ± 標準偏差 ( 中央値 ) 3 mg は平均値 ± 標準偏差 (2) 反復投与時の薬物動態国内において 本剤 1 mg/ 回及び 2 mg/ 回を食直前 ( 食事開始直前 ) に 1 日 3 回 5 日間反復投与した場合 両用量共に投与初日と投与 5 日目の血中レパグリニド濃度の C max 及び AUC は同様であり 蓄積性がないことが確認された また T max や t 1/2 も投与初日と投与 5 日目で同様の値を示し 反復投与で変化することはなかった 更に 反復投与でも血中レパグリニド濃度の C max 及び AUC は用量の増加に応じて上昇及び増加した ( (2) 参照 ) 表 反復投与試験 (1 日 3 回 5 日間 ) での薬物動態パラメータ 投与量時期 AUC(ng hr/ml) C max (ng/ml) T max (min) t 1/2 (min) 1 mg/ 回 (n=6) 2 mg/ 回 (n=6) 平均値 ± 標準偏差 投与初日 32.2± ± ± ±17.5 投与 5 日目 28.5± ± ± ±13.4 投与初日 85.2± ± ± ±23.6 投与 5 日目 81.9± ± ± ±6.2 表 再掲

22 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 22 (3) 吸収 ( 生物学的利用率 ) 海外において 本剤 2 mg を空腹時経口投与あるいは点滴静脈内投与した結果 本剤の 経口投与時の生物学的利用率は 62.5% であった ( 参照 ) (4) 分布 ( たん白結合 ) ヒト血漿での in vitro たん白結合率は 98.3~98.6% と高く 結合するたん白は主にアルブ ミンであると考えられた ( 参照 ) (5) 代謝ヒト CYP 発現系ミクロソーム ヒト肝ミクロソーム及びヒト凍結肝細胞を用いた in vitro 代謝試験から 本剤の代謝には CYP2C8 が主に関与し 一部 CYP3A4 も関与すると推察された ( 参照 ) 海外において 14 C-レパグリニド 2 mg を空腹時単回投与した場合 投与後 0.5 時間の血清中放射能の 85% 以上が未変化体であったが 投与 3 時間後には未変化体の割合は血清中放射能の約 35% となり M10[M4( ピペリジン環水酸化体 ) のグルクロン酸抱合体 ]( 約 20%) 及び M2( ジカルボン酸体 )( 約 8%) が認められた また薬理活性を有する M5( フェノール体 ) 及び M12(N-オキシド体 ) は血清には検出されなかった 尿及び糞中から未変化体はほとんど検出されず 糞中の主要代謝物は M2 であった ( (3) 参照 ) (6) 排泄 海外において 14 C- レパグリニド 2 mg を単回投与した場合 放射能量の尿中及び糞中の 回収率は それぞれ約 9.4% 及び約 95% であった ( (3) 参照 ) 型糖尿病患者における薬物動態国内において 健康成人あるいは食事療法 運動療法のみで治療中の 2 型糖尿病患者に対し本剤 0.25~1 mg を食直前 ( 食事開始直前 10 分あるいは 10 分以内 ) に投与した場合の本剤の薬物動態パラメータを表 にまとめた 健康成人と 2 型糖尿病患者の薬物動態パラメータはほぼ同様であり 反復投与による蓄積性もみられなかった また 2 型糖尿病患者に本剤を単剤投与した時と本剤を α-gi 剤と併用投与した時の薬物動態パラメータには差がみられなかった 以上より 本剤を 2 型糖尿病患者に単剤又は α-gi 剤を併用投与した場合も健康成人と同様の血中レパグリニド濃度推移を示すと考えられた ( (4) 参照 )

23 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 23 表 健康成人あるいは 2 型糖尿病患者の薬物動態パラメータ 被験者 投与量 ( 被験者数 ) 投与日数 ( 日 ) AUC (ng hr/ml) C max (ng/ml) T max (min) t 1/2 (min) 試験 0.25 mg (n=6) 1 7.5± ± ± ±12.6 (a) 健康成人 0.5 mg (n=6) ± ± ± ±8.3 (a) 1 mg(n=6) ± ± ± ±17.4 (a) 1 mg(n=6) ± ± ± ±17.5 (b) 1 mg(n=6) ± ± ± ±13.4 (b) 2 型糖尿病患者 0.5 mg (n=6) ± ± ± ± (c) 1 mg(n=6) ± ± ± ±32.4 (d) 2 型糖尿病患者 (α-gi 剤併用 ) 1 mg(n=6) ± ± ± ±11.0 (d) 0.25 mg (n=6) (f) 0.5 mg (n=8) (g) 1 mg (n=10) 50~ ± ± ± ±6.40 (e) 14.76± ± ± ±9.71 (e) 33.43± ± ± ±16.17 (e) 平均値 ± 標準偏差, 健康成人 : 食直前 ( 食事開始直前 ) 投与 2 型糖尿病患者 : 食直前 (10 分あるいは 10 分以内 ) 投与 (a) 単回投与試験 (0.25~2 mg)(b) 反復投与試験 (1 日 3 回 5 日間 )(c)pk/pd 試験 (0.5 mg/ 回 ) (d)pk/pd 試験 (1 mg/ 回 )(e)α-gi 剤併用前期第 2 相試験 (f)t 1/2 は 5 名 (g)t 1/2 は 6 名 内因性要因 (1) 高齢者海外において 本剤 2 mg/ 回を食前 15 分に 1 日 3 回 9 日間反復投与 ( ただし 投与 1 日目と 9 日目は空腹時 1 日 1 回投与 ) した場合 健康高齢者では健康成人と比較して薬物動態パラメータに差はみられなかった 一方 2 型糖尿病高齢患者では健康成人と比べて血中レパグリニド濃度の AUC は 1 日目で 1.7 倍 9 日目で 2.4 倍 C max は投与 1 日目 9 日目共に 1.2 倍であり 投与 9 日目の t 1/2 は健康成人の 1 時間から 1.7 時間に延長した ( (1) 参照 ) 以上のように 高齢者では健康成人と比較して血中レパグリニド濃度が高くなる傾向が認められたが 高齢者と非高齢者で本剤投与により有害事象及び低血糖関連の有害事象の発現割合に違いはみられなかった ( 参照 ) しかしながら 一般に高齢者では生理機能が低下していることから 食事摂取量 血糖値及び HbA 1C 値に留意しながら用量を調節し 経過を十分に観察しながら慎重に投与する必要があると考えられた (2) 肝障害患者海外において 本剤 4 mg を空腹時に単回投与した場合 慢性肝疾患患者 ( カフェイン

24 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 24 クリアランスが 0.8 ml/min/kg 未満の者 ) では 健康成人と比べて血中レパグリニド濃度の C max が 2.5 倍に上昇し AUC が 4.3 倍に増加した また t 1/2 は 慢性肝疾患患者 10 名の中央値は 1.95 時間 2 名の健康成人では 0.6 及び 1.0 時間であり 慢性肝疾患患者で t 1/2 が延長することが示唆された ( (2) 参照 ) 以上のように 肝機能障害患者では血中レパグリニド濃度が上昇する可能性が考えられたこと CCDS では肝機能障害患者には慎重に投与すべきとされていることから ( 参照 ) 肝機能障害のある患者に対しては食事摂取量 血糖値及び HbA 1C 値に留意しながら用量を調節し 経過を十分に観察しながら慎重に投与する必要があると考えられた (3) 腎障害患者海外において 本剤 2 mg/ 回を 2 型糖尿病患者に 1 日 3 回 5 日間食直前 ( 食事開始直前 ただし 1 日目と 5 日目は空腹時 1 日 1 回投与 ) 反復投与した場合 軽中等度腎障害患者 (CL CR :40~80 ml/min) では 投与 1 日目 5 日目共にいずれの薬物動態パラメータも腎機能正常患者 [ クレアチニンクリアランス (CL CR ):>80 ml/min] との違いは認められなかった 一方重度腎障害患者 (CL CR :20~39 ml/min) の薬物動態パラメータは 腎機能正常患者と比べて血中レパグリニド濃度の C max は投与 1 日目では同様な値であったが 5 日目には 1.3 倍であり AUC は投与 1 日目で 1.4 倍 5 日目で 1.7 倍であった また投与 5 日目の t 1/2 の中央値は 腎機能正常患者の 2.10 時間と比較して 4.83 時間に延長した ( (3) 参照 ) 国内 2 型糖尿病患者対象試験では egfr(ml/min/1.73 m 2 ) が 30 以上 60 未満 60 以上 90 未満 90 以上のカテゴリ別で安全性に大きな違いはみられず 海外の腎障害患者治療試験で腎障害患者 (CL CR :20 ml/min 以上 ) でも安全性に大きな問題はなかった ( 参照 ) しかし 重度の腎機能障害者(CL CR :20~39 ml/min) では血中レパグリニド濃度が上昇する可能性が考えられたこと 一般に慢性腎臓病ではインスリンの半減期が延長することから ( 参照 ) 重度の腎機能障害のある患者に対しては食事摂取量 血糖値及び HbA 1C 値に留意しながら用量を調節し 経過を十分に観察しながら慎重に投与する必要があると考えられた (4) 性差の影響国内において 2 型糖尿病患者に本剤 1 mg/ 回を食直前 (10 分 )1 日 3 回 5 日間反復投与 あるいは本剤 0.25 mg/ 回 0.5 mg/ 回 1 mg/ 回を 1 日 3 回食直前 (10 分以内 )1 日 3 回 8 週間 α-gi 剤と併用反復投与した時 血中レパグリニド濃度の C max 及び AUC に大きな性差はないと考えられた ( (4) 参照 ) 海外において 2 型糖尿病患者に本剤 0.25~2 mg/ 回を食前 15 分 1 日 3 回 4 週間反復投与した場合の最終評価時の AUC 0-24h の平均値は 男性より女性の方が高かったが ばらつきが大きかったため明確な性差の比較はできなかった ( (4) 参照 ) また海外において 2 型糖尿病高齢患者 ( 年齢 65 歳以上 ) に本剤 2 mg/ 回を食前 15 分 1

25 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 25 日 3 回 9 日間反復投与 ( ただし投与 1 日目と 9 日目は空腹時 1 日 1 回投与 ) した場合の 9 日目の AUC 0-24h は女性の方が高値を示したが AUC を体重あたりの投与量で補正したところ 補正 AUC 0-24h に大きな性差は認められなかった ( (4) 参照 ) 以上の結果から 申請用量 (0.25~1 mg/ 回 ) における薬物動態に大きな性差はないと判断した (5) 人種差比較海外において 健康成人 ( 日本人及び白人 ) に本剤 0.5 mg 1 mg 及び 2 mg を空腹時単回投与した場合 血中レパグリニド濃度の T max 及び t 1/2 は日本人及び白人共に同様の値であった C max と AUC 0-t は日本人の方が高かったが 申請用量である 0.5 mg 及び 1 mg では AUC は約 13% 及び 17% C max はいずれの用量でも約 17% 日本人の方が高かった程度で 両人種間に大きな違いはないと考えられた ( (3) 参照 ) なお 体重 ( 日本人 kg 白人 kg) で補正した場合 0.5 mg 及び 1 mg では C max 及び AUC の人種間の差は 10% 以内であり C max と AUC の差には体重の違いも影響していると考えられた ( (4) 及び (3) 参照 ) 以上の結果から 申請用量 (0.25~1 mg/ 回 ) における薬物動態に 日本人と白人で大きな差はないと判断した 外因性要因 (1) 食事の影響国内において 健康成人に本剤 1 mg を食直前 ( 食事開始直前 ) 及び食後 ( 食事開始 20 分後 ) に投与した場合 食直前投与に比べ食後投与した時の AUC は同程度であったが 食直前投与に比べて食後投与で血中レパグリニド濃度の C max が低下し T max が延長した ( 参照 ) 血清インスリン値は 食直前投与時には投与後 45 分で最高値 100.1±42.5 µu/ml まで上昇し 食後投与時には投与後 15 分で最高値 64.0±41.3 µu/ml まで上昇した ( (1) 参照 ) 食後投与に比べて食直前投与の方が血清インスリン値の最高値が高かったことから 本剤が有効に作用するためには食直前投与が適切であると考えられた また国内において健康成人に本剤を食直前 ( 食事開始直前 ) 投与した場合と 2 型糖尿病患者に食直前 (10 分 ) 投与した場合 薬物動態パラメータに差がみられなかったことから 食事開始 10 分前から食直前 ( 食事開始直前 ) に本剤を投与した場合 血中レパグリニド濃度は同様の推移を示すと考えられた なお 食直前投与と空腹時投与では類似した薬物動態パラメータを示すと考えられた ( (6) 参照 ) (2) 薬物相互作用 たん白結合 代謝 トランスポーターにおける薬物相互作用について検討した 本剤の投与において 4 mg/ 回での薬物動態は確認されていないものの 安全性評価参考

26 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 26 試験も踏まえると最高 4 mg/ 回まで安全性に大きな問題はないと考えられた ( 参 照 ) なお 0.25~3 mg/ 回投与時の薬物動態の線形性が確認されている 1) たん白結合における薬物相互作用ヒト血清における本剤の結合たん白は主にアルブミンと考えられるが 本剤は in vitro の検討で アルブミンの各結合サイトのプローブ基質 ( ワルファリン ジアゼパム及びジギトキシン ) の血清たん白結合率に影響を与えなかった ( (1) 参照 ) また 本剤とワルファリンの臨床薬物相互作用試験で ワルファリンの薬物動態は 本剤との併用によって影響を受けなかった ( (8) 参照 ) これらの結果から 本剤はアルブミンを主結合たん白とする併用薬のたん白結合率に影響を与えないと推察された 本剤のたん白結合に対する他剤の影響について ワルファリン フロセミド トルブタミド ジアゼパム グリベンクラミド又は塩酸ニカルジピン共存下 in vitro で検討したところ ジアゼパム グリベンクラミド及び塩酸ニカルジピンは 検討したレパグリニド濃度範囲では本剤のたん白結合に影響を与えなかった またワルファリン フロセミド トルブタミド共存下では 本剤の添加濃度 1 及び 100 µg/ml では血漿中非結合型レパグリニド濃度が有意に増加 ( 約 20~40%) したが 0.01 µg/ml では有意な増加は認められなかった ( (2) 参照 ) 本剤の PK/PD 試験 (1 mg/ 回 ) での被験者別の最高血漿中濃度 (0.053 µg/ml)( 参照 ) は in vitro で血漿中非結合型レパグリニド濃度に影響が認められた濃度 (1 及び 100 µg/ml) と約 20 倍及び 2000 倍の乖離があること また影響を受けた場合でも レパグリニドの非結合型濃度の上昇が最大 40% 程度であることから 他剤との併用によって本剤のたん白結合が臨床的に意味のある影響を受ける可能性は低いと考えられた 以上の結果から 本剤は たん白結合に関する他剤との薬物相互作用を起こす可能性は低いと推察された 2) 代謝における薬物相互作用ヒト肝ミクロソームを用いた検討で 本剤 (0.05~5.5 µmol/l) はヒト CYP 分子種 (CYP1A2 CYP2C8 CYP2C9 CYP2C19 CYP2D6 及び CYP3A4) のいずれに対しても 対照群と比べて 20% 以上の阻害作用を示さなかった また 本剤は不可逆的な阻害作用を示さなかった ( (1) 参照 ) 本剤の PK/PD 試験 (1 mg/ 回 ) で得られた被験者別の最高血漿中濃度は µg/ml(0.12 µmol/l) で ( 参照 ) ここから予測される最高門脈血中非結合型レパグリニド濃度は約 µmol/l である ( 参照 ) CYP 阻害試験での本剤の最高濃度 (5.5 µmol/l) は 推定最高門脈血中非結合型レパグリニド濃度及び臨床での最高血漿中レパグリニド

27 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 27 濃度と比較して それぞれ 1300 倍 45 倍以上高い濃度であること 更に海外で実施された薬物相互作用試験では 経口避妊薬 ニフェジピン ( 以上 CYP3A4 の基質 ) テオフィリン (CYP1A2 の基質 ) ワルファリン(CYP2C9 の基質 ) の血中濃度は 本剤との併用によって顕著な影響を受けなかったことから 本剤が臨床において併用薬の CYP による代謝を阻害又は誘導する可能性は低いと考えられた また海外で実施されたジゴキシンとの薬物相互作用試験で 本剤はジゴキシンの薬物動態に影響を与えないと考えられた ( (7) 参照 ) 本剤の代謝には CYP2C8 が主に関与し 一部 CYP3A4 も関与することから ( (2) 参照 ) 本剤が他剤から CYP2C8 及び CYP3A4 における薬物相互作用を受ける可能性について検討した 海外で健康成人を対象とした本剤と非特異的 CYP 阻害剤であるシメチジンの薬物相互作用試験で シメチジン (1 日 2 回 400 mg/ 回 ) 併用投与時の本剤の AUC は 本剤単独投与時の 1.16 倍であり シメチジンは本剤の薬物動態に影響を与えないと考えられた ( (1) 参照 ) CYP2C8 に対し阻害作用が報告されている薬剤が本剤の代謝に及ぼす影響を in vitro で検討したところ イソニアジド ( 最終濃度 : 0~1000 µmol/l) において不可逆的阻害の傾向が認められ 阻害パラメータ (K iapp 及び K inact ) は それぞれ 256 µmol/l 及び /min であった ( (2) 参照 ) この結果から イソニアジドは本剤の代謝を阻害する可能性があり 本剤の血中濃度を上昇させる可能性があることから 本剤とイソニアジドの併用には注意が必要と考えられた 本剤と CYP2C8 の強い阻害剤であるゲムフィブロジル (600 mg 1 日 2 回 3 日間 ) を併用した場合 本剤の AUC が 8.1 倍になり t 1/2 が 1.3 時間から 3.7 時間に延長したという報告がある文献 37) 安全性を考慮すると 本剤とゲムフィブロジルの併用は避けるべきと考えられた また CYP2C8 の阻害剤であるトリメトプリム (160 mg 1 日 2 回 ) と本剤 (0.25 mg 単回投与 ) を併用した場合 本剤の AUC が本剤単独投与時の 1.6 倍になったという報告がある文献 38) 本剤と CYP2C8 の中程度の阻害剤の併用によって本剤の薬物動態が受ける影響は小さいと考えられた 海外での健康成人を対象とした本剤と CYP3A4 阻害剤であるケトコナゾールとの薬物相互作用試験で ケトコナゾール (200 mg 1 日 1 回 ) を併用したときの本剤の AUC は本剤の単独投与時の 1.15 倍であり ケトコナゾールは本剤の薬物動態に影響を与えないと考えられた ( (2) 参照 ) また CYP3A 阻害剤であるイト 37) ラコナゾール文献又はクラリスロマイシン文献 39) との併用時の本剤の AUC は 本剤単独投与時の 1.4 倍であったとの報告がある これらの結果から 本剤を CYP3A 阻害剤と併用した場合 本剤の薬物動態が受ける影響は小さいと考えられた 本剤と CYP3A4 基質であるシンバスタチン ( (4) 参照 ) 経口避妊薬

28 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 28 ( (5) 参照 ) 又はニフェジピン ( (6) 参照 ) を併用したときの本剤 の AUC は 本剤単独投与時と比べて大きな変化がなく これらの薬剤との併用は 本剤の薬物動態に影響を与えないと考えられた CYP3A4 の強い誘導剤であり CYP2C8 も誘導することが知られているリファン ピシンと本剤の薬物相互作用試験では リファンピシンを 7 日間投与 (600 mg 1 日 1 回 7 日間 ) し 7 日目に本剤 4 mg を単回併用投与したときの本剤の C max 及び AUC は リファンピシンと併用しなかった場合の 68% 及び 74% であった ( (3) 参照 ) 一方 リファンピシンを 7 日間投与 (600 mg 1 日 1 回 ) し 7 日目に本剤 4 mg を併用投与及び 8 日目に本剤 4 mg を単独投与した場合 本剤の AUC がそれぞれ 50% 及び 80% 低下したという報告がある文献 40) ( (2) 参照 ) この報告において リファンピシンは CYP2C8 の阻害能も有し 7 日目の併用投与 時には CYP2C8 の誘導と阻害の両方の影響を受けて本剤の AUC の低下は 50% にと どまったが 8 日目に本剤を単独投与した場合 誘導の影響のみを受けたため AUC がより低下したと推察された 本剤の AUC はいずれの試験においてもリファンピ シンの CYP2C8 誘導の影響で低下しており 本剤をリファンピシンと併用した場合 本剤の血中濃度が低下する可能性がある 一方 in vitro の検討結果より リファンピ シンの CYP2C8 阻害作用の K i 値は 30.2 µm であることが報告されている文献 41) リ ファンピシン 600 mg を投与後の血漿中リファンピシン濃度の C max の平均値 [10 µg/ml(12 µm)] は CYP2C8 に対する K i 値の約 40% であることから文献 41) リファ ンピシンの投与初期に本剤を併用したとしても 本剤の薬物動態が受ける影響は大きくないと考えられた 以上のことから リファンピシンの薬物代謝酵素阻害に伴う本剤の血糖降下作用の増強に対する注意は必要ないが 薬物代謝酵素誘導に伴う血糖降下作用の減弱に対する注意は必要と考えられた ヒト肝ミクロソームを用いた in vitro の検討で α-gi 剤であるミグリトールは 本剤の代謝に対して影響を与えないことが確認された ( (3) 参照 ) また α-gi 剤併用前期第 2 相試験では α-gi 剤であるボグリボースを併用時の本剤の薬物動態パラメータは 単独投与時と比較して大きな変化はないことが確認された ( (3) 参照 ) 以上の結果から 本剤を α-gi 剤と併用した場合に 薬物相互作用を起こす可能性は大きくないと考えられた 3) 薬物トランスポーターにおける薬物相互作用ヒト OATP1B1 及び OATP1B3 発現アフリカツメガエル卵母細胞を用いた阻害試験から 本剤は両トランスポーターに対する阻害能を有することが示唆されたが ( 参照 ) その IC 50 値 ( それぞれ 31.2 及び 5.5 µmol/l) は 臨床用量投与時の最高門脈血中非結合型レパグリニド濃度 ( 約 µmol/l) に対して 1000 倍以上であり 本剤が臨床上 OATP1B1 及び OATP1B3 を阻害する可能性は低いと推察された ( 参照 )

29 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 29 本剤は P-gp の基質ではないと考えられた ( (1) 参照 ) またヒト肝細胞及び OATP1B1 及び OATP1B3 発現アフリカツメガエル卵母細胞を用いて 本剤の肝取り込み輸送機構を検討したところ OATP1B3 の関与の可能性は低いことが示唆されたが OATP1B1 については明らかな結果が得られなかった ( 参照 ) 一方 OATP1B1 をコードする SLCO1B1 遺伝子のアレルの 521 位が CC ホモ型の被験者のレパグリニド AUC 0- は TC ヘテロ型又は TT ホモ型の被験者と比べてそれぞれ 2.1 倍及び 2.9 倍に上昇したという報告がある文献 42) 非臨床の検討 ( (3) 参照 ) からは明確な結果が得られていないが 本剤が OATP1B1 の基質である可能性が考えられた 本剤と OATP1B1 阻害剤として知られているシクロスポリンを併用した場合 本剤の AUC が 2.4 倍に上昇することが報告されている文献 43) しかし AUC の増加が約 2.4 倍であったこと また Novo Nordisk 社のデータベース検索では 本剤とシクロスポリンの相互作用に関する報告が無かったことから 本剤をシクロスポリンと併用した場合 安全性に大きな問題はないと判断した 薬力学食事療法 運動療法にて血糖コントロール不十分な 2 型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験 [PK/PD 試験 (0.5mg/ 回 )( (2) 参照 ) 及び PK/PD 試験 (1 mg/ 回 )( (1) 参照 )] を実施した その結果 本剤の血糖降下作用及び食後早期のインスリン分泌促進作用が確認され これらの作用は用量の増加に応じて強くなると考えられた 加えて 本剤の食後早期のインスリン分泌促進作用は速効性であり かつ速やかに消失することが確認された また 本剤の血糖降下作用は 5 日間反復投与した時にも継続することが確認され 反復投与した時にも本剤の血糖降下作用が持続することが示唆された 血糖値の日内変動を検討した結果から 毎食後の食後血糖値の上昇抑制だけでなく 昼食前や夕食前の血糖値の低下が認められ 本剤に食前血糖値の低下作用があることが示唆された 2 型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験で確認された本剤の薬物動態的及び薬力学的特性から 本剤は食事療法 運動療法にて血糖コントロール不十分な 2 型糖尿病患者の食後血糖推移の改善に有効であることが期待される

30 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 有効性の概括評価 有効性評価の概観単剤療法の有効性評価には単剤後期第 2 相試験 (D ) 単剤実薬対照比較試験 (D ) 単剤長期投与試験(D ) を α-gi 剤併用療法では α-gi 剤併用前期第 2 相試験 (D ) α-gi 剤併用後期第 2 相試験 (D ) α-gi 剤併用長期投与試験 (D ) を用いた なお 各試験での選択 除外基準の概略を表 及び表 に 人口統計学的特性 基礎値の特性をそれぞれ表 ~ 表 に示した 単剤療法及び α-gi 剤併用療法の試験は 主要な選択 除外基準が試験間で大きな差はなく 各試験の被験者集団は類似しており 本剤の有効性や用法 用量の検討及び類薬との比較をするうえで妥当であると判断した なお α-gi 剤併用前期第 2 相試験での HbA 1C 値に関する被験者選択の基準が他の試験と若干異なっていたものの 各試験の被験者集団は他の 2 試験と比較して大きな差はなく 比較検討するうえで問題ないと判断した 糖尿病治療ガイドでは 経口血糖降下剤の投与量は少量から開始し 血糖コントロール状況を観察しながら 必要に応じて増量することが推奨されている文献 2) また 一般的に薬剤の副作用を軽減するため 少量の薬剤で開始し症状を観察しながら徐々に増量する漸増法が用いられることがある 有効性を評価した臨床試験のうち α-gi 剤併用前期第 2 相試験を除くすべての試験で漸増法を採用した 投与期間は α-gi 剤併用前期第 2 相試験ではHbA 1C 値の評価に最低限必要と考えられる8 週間を設定し 単剤後期第 2 相試験及びα-GI 剤併用後期第 2 相試験では 用量反応性を十分検討できると考えた 12 週間を設定した 単剤実薬対照比較試験では 対面助言 (# 資料 ) を踏まえ 十分効果が反映される期間を考慮して 16 週間を設定した 単剤長期投与試験及び α-gi 剤併用長期投与試験では 平成 7(1995) 年 5 月 24 日付薬審第 592 号薬務局審査課長通知 致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階において安全性を評価するために必要な被験者数と投与期間について を参考に 本治験の目的に則して 長期投与試験の一般的な期間として 52 週間を設定した 単剤実薬対照比較試験では対面助言 (# 資料 ) を踏まえ 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善剤として有効性及び安全性評価が確立しているナテグリニドを対照薬とした 既存の速効型インスリン分泌促進剤としてナテグリニドとミチグリニドがあるが いずれも本剤と薬理作用が類似しており 服薬後速やかに吸収 排泄されて速効性のインスリン分泌促進作用を有する ナテグリニドとミチグリニドは 1 日 3 回毎食直前投与の 2 型糖尿病における食後血糖推移の改善剤として国内でそれぞれ 1999 年 6 月 2004 年 1 月に承認されていることから ナテグリニドの方がより有効性及び安全性の評価が確立していると考え選定した

31 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 有効性の評価方法主要評価項目単剤後期第 2 相試験では本剤の特徴である食後血糖推移の改善に着目して 食後血糖値 AUC 0-3h を主要評価項目として設定した しかし 対面助言 (# 資料 ) を踏まえ 食後血糖推移の改善を目的とする薬剤であっても 主要評価項目には総合的な血糖コントロールの指標として確立している HbA 1C 値を設定することが適切であると考え 単剤実薬対照比較試験 単剤長期投与試験では HbA 1C 値を主要評価項目として設定した また α-gi 剤併用療法での有効性評価に用いた 3 試験では 食後血糖推移の評価に加えて 総合的な血糖コントロールに対する影響も評価するべきと考え 食後血糖値 AUC 0-3h に加え HbA 1C 値も主要評価項目として設定した (1) HbA 1C 値改善の意義 Kumamoto Study UK Prospective Diabetes Study(UKPDS) などの臨床研究では 糖尿病合併症の発症又は進展抑制に対する HbA 1C 値を指標とした血糖コントロールの重要性が科学的に証明されている文献 14),15),16),44) 文献国内で実施された Kumamoto Study 15) では 2 型糖尿病患者 110 名を中間型インスリン治療による従来療法群とインスリン頻回注射治療による強化療法群に無作為に割り付け 6 年間にわたり追跡調査を実施した 追跡終了後 従来療法群及び強化療法群の HbA 1C 値はそれぞれ 9.4% 7.1% であり 強化療法群は従来療法群に比べ有意に低値であった 網膜症及び腎症の累積進展率は従来療法群 38.0% 30.0% に対して強化療法群 13.4% 9.6% と 強化療法群で有意に低かった 強化療法による厳格な血糖コントロールにより網膜症及び腎症悪化のリスクはそれぞれ 69% 70% 低下した また 神経障害に対しても従来療法群では有意な悪化がみられたのに対し 強化療法群では有意な改善が認められた 文献海外で実施された 2 型糖尿病患者 3867 名を対象とした UKPDS 16) では 食事療法により空腹時血糖値を 270 mg/dl 未満に維持する従来治療群に 1138 名 SU 剤又はインスリン製剤で空腹時血糖値を 108 mg/dl 未満に維持する強化治療群に 2729 名を無作為に割り付け 糖尿病合併症の発症等をエンドポイントとして 10 年間にわたり調査した その結果 強化治療群は従来治療群と比較して血糖コントロールは良好であり 追跡終了後の従来治療群の HbA 1C 値 7.9% に対し 強化治療群では 7.0% であった 従来治療群と比較して強化治療群は 糖尿病合併症 細小血管合併症の発症リスクがそれぞれ 12% 25% 減少し いずれも有意差が認められた これらの臨床研究から HbA 1C 値の改善が糖尿病合併症の発症や進展抑制につながることが明らかとなった 日本糖尿病学会より示されている 血糖コントロール指標と評価 文献 2) を表 に示した

32 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 32 表 血糖コントロール指標と評価 血糖コントロールの評価とその範囲 優 良 可 不可 指標 不十分 不良 HbA 1C 値 (%) 5.8 未満 5.8~6.5 未満 6.5~7.0 未満 7.0~8.0 未満 8.0 以上 空腹時血糖値 (mg/dl) 80~110 未満 110~130 未満 130~160 未満 160 以上 食後血糖 2 時間値 (mg/dl) 80~140 未満 140~180 未満 180~220 未満 220 以上 血糖コントロール 優 とは 耐糖能正常者の上限値に基づいて選択された領域である 血糖コントロール 良 の上限値は細小血管症の発症予防や進展抑制のための基準として設定されており HbA 1C 値が 6.5% 未満 食後血糖 2 時間値が 180 mg/dl 未満であれば細小文献血管症の発症リスクが減少することを示唆した Kumamoto Study 15) に基づき設定された したがって 糖尿病治療の目標として 細小血管症の発症予防や進展抑制のためには 血糖コントロール指標と評価における 優又は良 を目指すことが望ましいとされている文献 1),2) また 2009 年 6 月に米国糖尿病学会 国際糖尿病連合及び欧州糖尿病学会の 3 団体は合同で 新たな糖尿病診断基準に HbA 1C 値を採用し HbA 1C 値 6.5% 以上を糖尿病とする ことを提案しており文献 3) HbA 1C 値を改善する重要性が増している (2) 食後高血糖改善の意義 2007 年に国際糖尿病連合より発表された 食後血糖値の管理に関するガイドライン では食後高血糖は大血管疾患の独立した危険因子である文献 29) と述べられており 2 型糖尿病患者における食後血糖値が心血管疾患の危険因子となることを示唆した疫学研究が種々報文献告されている Diabetes Intervention Study(DIS) 45) では 2 型糖尿病患者 1139 名を 11 年間追跡した際の心筋梗塞及び全死亡に対する危険因子について検討した その結果 食後血糖値と心筋梗塞の発現割合及び全死亡率との関連性が示唆された Diabetes 21),46) Epidemiology: Collaborative Analysis of Diagnostic criteria in Europe(DECODE) 試験文献では 空腹時血糖値及びブドウ糖負荷後の血糖 2 時間値と全死亡 心血管疾患による死亡との関連性を評価した その結果 ブドウ糖負荷後の血糖 2 時間値は 全死亡率及び心血管疾患での死亡の予測因子であることが明らかとなった また 糖尿病の診断基準を満たさない軽度の糖代謝異常の患者でも ブドウ糖負荷後の高血糖が心血管疾患の独立した危険因子であることが国内外の疫学研究で示唆されている文献 47) 食後高血糖の改善剤であるアカルボースでは 2 型糖尿病患者 2180 名 ( アカルボース : 1248 名 プラセボ :932 名 ) を対象として実施したプラセボ対照二重盲検比較試験の 7 試験を併合解析した結果 心筋梗塞及び心血管疾患の発現割合はプラセボと比較して有意に低く ハザード比はそれぞれ 0.36(95% 信頼区間 :0.16~0.80 p=0.0120) 0.65(95% 信頼区間 :0.48~0.88 p=0.0061) であった文献 48) 以上より 2 型糖尿病患者で食後高血糖を改善することにより心血管疾患の発症リスクを軽減することが期待できると考えられる

33 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 33 副次的評価項目主な副次的評価項目として 空腹時血糖値 食後血糖 2 時間値 HbA 1C 値の治療目標 (6.5% 未満 ) 達成割合及び食後血清インスリン値 AUC 0-3h を設定した また その他の評価項目として HbA 1C 値の治療目標 (5.8% 未満 ) 達成割合を設定した 有効性の評価結果 単剤療法単剤療法の有効性評価に用いた試験は 単剤後期第 2 相試験 単剤実薬対照比較試験 単剤長期投与試験である なお 有効性評価は最大解析対象集団 ( 以下 FAS) で実施した ナテグリニドとの比較単剤実薬対照比較試験では ナテグリニドを対照薬とした二重盲検比較により本剤の有効性を評価した 投与量及び投与方法は 本剤 0.5 mg/ 回又はナテグリニド 90 mg/ 回を毎食直前 (10 分以内 ) に 1 日 3 回経口投与し 投与期間は 16 週間とした FAS は 130 名であり 内訳は本剤 0.5 mg/ 回群 64 名 ナテグリニド群 90 mg/ 回群 66 名であった (1) HbA 1C 値改善作用各投与群の HbA 1C 値変化量と群間比較を表 に HbA 1C 値の治療目標達成割合を表 に示した ナテグリニド 90 mg/ 回群と本剤 0.5 mg/ 回群で 最終評価時の投与開始前値に対する変化量は それぞれ 0.81±0.39% 1.17±0.62% であった 投与開始前値を共変量とした共分散分析で比較した結果 ナテグリニド 90 mg/ 回群に対して本剤 0.5 mg/ 回群は有意に HbA 1C 値を低下させ 本剤 0.5 mg/ 回群のナテグリニド 90 mg/ 回群に対する優越性が確認された HbA 1C 値の治療目標 優又は良 (6.5% 未満 ) の達成割合は ナテグリニド 90 mg/ 回群 59.1%(39/66 名 ) に対し本剤 0.5 mg/ 回群では 75.0%(48/64 名 ) と ナテグリニド 90 mg/ 回群に比べ 本剤 0.5 mg/ 回群の方が高かった また HbA 1C 値の治療目標 優 (5.8% 未満 ) 達成割合でも ナテグリニド 90 mg/ 回群 9.1%(6/66 名 ) に対し本剤 0.5 mg/ 回群では 29.7%(19/64 名 ) と ナテグリニド 90 mg/ 回群に比べ 本剤 0.5 mg/ 回群の方が高かった

34 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 34 表 HbA 1C 値変化量と群間比較 ( 単剤実薬対照比較試験 ) 解析対象集団 :FAS HbA 1C 値 (%) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前 最終評価時 最終評価時における変化量 解析結果 単剤 P3 (16 週間 ) ナテ 90mg/ 回 ± ± ±0.39 (-0.90, -0.71) ナテ 90 mg/ 回群との差 (%): -0.30±0.08(-0.46, -0.15) 0.5 mg/ 回 ± ± ±0.62 (-1.32, -1.01) p<0.001 N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外 ナテ 90 mg/ 回 : ナテグリニド 90 mg/ 回 投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) ナテ 90 mg/ 回群との差 :LSMean±SE(95% 信頼区間 ) 解析方法 : 最終評価時における変化量の群間差を 投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価 表 HbA 1C 値の治療目標達成割合 ( 単剤実薬対照比較試験 ) 解析対象集団 :FAS 投与群 ナテ 90 mg/ 回 0.5 mg/ 回 HbA 1C 値 (%) < % 29.7% 6/66 19/64 < % 39/ % 48/64 ナテ 90 mg/ 回 : ナテグリニド 90 mg/ 回 割合 ( 上段 ) 該当被験者数/ 評価被験者数 ( 下段 ) (2) 食後血糖推移の改善作用本剤の食後血糖推移の改善作用は食後血糖値 AUC 0-3h を用いて評価した 各投与群の食後血糖値 AUC 0-3h 変化量とその群間比較を表 に示した ナテグリニド 90 mg/ 回群と本剤 0.5 mg/ 回群で 最終評価時の投与開始前値に対する変化量は それぞれ 153±81 mg hr/dl 132±109 mg hr/dl と同程度であり 有意な差は認められなかった なお 食後血糖 2 時間値も食後血糖値 AUC 0-3h の結果と同様 ナテグリニド 90 mg/ 回群と本剤 0.5 mg/ 回群で変化量は同程度であり 有意な差は認められなかった ( 表 ) 表 食後血糖値 AUC 0-3h 変化量と群間比較 ( 単剤実薬対照比較試験 ) 解析対象集団 :FAS 食後血糖値 AUC 0-3h (mg hr/dl) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前最終評価時 最終評価時における変化量 解析結果 単剤 P3 (16 週間 ) ナテ 90mg/ 回 ± ± ±81 (-174, -132) ナテ 90 mg/ 回群との差 (mg hr/dl): 14±15(-17, 45) 0.5 mg/ 回 ± ± ±109 (-160, -104) p=0.363 N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外 ナテ 90 mg/ 回 : ナテグリニド 90 mg/ 回 投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) ナテ 90 mg/ 回群との差 :LSMean±SE(95% 信頼区間 ) 解析方法 : 最終評価時における変化量の群間差を 投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価 (3) 空腹時血糖値改善作用各投与群の空腹時血糖値変化量とその群間比較を表 に示した ナテグリニド 90 mg/ 回群と本剤 0.5 mg/ 回群で 最終評価時の投与開始前値に対する変化量は それぞれ 18.3±17.8 mg/dl 26.0±20.9 mg/dl であった ナテグリニド 90 mg/ 回群と比較して本剤

35 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page mg/ 回群は空腹時血糖値を有意に低下させた 表 空腹時血糖値変化量と群間比較 ( 単剤実薬対照比較試験 ) 解析対象集団 :FAS 空腹時血糖値 (mg/dl) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前 最終評価時 最終評価時における変化量 解析結果 単剤 P3 (16 週間 ) ナテ 90mg/ 回 ± ± ±17.8 (-22.7, -13.9) ナテ 90 mg/ 回群との差 (mg/dl): -6.5±2.7(-11.8, -1.2) 0.5 mg/ 回 ± ± ±20 9 (-31.3, -20.8) p=0.018 N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外 ナテ 90 mg/ 回 : ナテグリニド 90 mg/ 回 投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) ナテ 90 mg/ 回群との差 :LSMean±SE(95% 信頼区間 ) 解析方法 : 最終評価時における変化量の群間差を 投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価 用量反応関係単剤後期第 2 相試験では 最終評価時の HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h の投与開始前値に対する変化量の用量反応性を 最大対比法を用いて評価した 投与量及び投与方法は プラセボ 本剤 0.25 mg/ 回 0.5 mg/ 回又は 1 mg/ 回のいずれかを毎食直前 (10 分以内 ) に 1 日 3 回経口投与し 投与期間は 12 週間とした HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h の推移をそれぞれ表 表 に示した FAS は 147 名であり 内訳はプラセボ群 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群でそれぞれ 36 名 37 名 37 名 37 名であった 投与群 [ プラセボ群 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群 ] に対して 対比 [ 3, 1, 1, 3] [ 5, 1, 3, 3] [ 3, 1, 1, 1] はいずれも高度に有意差が認められ HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 共に最大対比法において選択された対比は [ 3, 1, 1, 1] であった HbA 1C 値変化量は プラセボ群 0.16±0.38% に対し 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群でそれぞれ 1.08±0.63% 1.34±0.66% 1.06±0.58% であった 食後血糖値 AUC 0-3h 変化量は プラセボ群 19±79 mg hr/dl に対し 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群でそれぞれ 168±110 mg hr/dl 180±117 mg hr/dl 122±62 mg hr/dl であった

36 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 36 表 HbA 1C 値の推移 ( 単剤後期第 2 相試験 ) 解析対象集団 :FAS HbA 1C 値 (%) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前 最終評価時 最終評価時における変化量 単剤 P2b プラセボ ± ± ±0.38 (12 週間 ) (-0.28, -0.03) 0.25 mg/ 回 ± ± ±0.63 (-1.29, -0.87) 0.5 mg/ 回 ± ± ±0.66 (-1.57, -1.12) 1 mg/ 回 ± ± ±0.58 (-1.26, -0.87) 解析結果 [-3, -1, 1, 3]:p<0.001 [-5, -1, 3, 3]:p<0.001 [-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比 :[-3, 1, 1, 1] N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) 解析方法 : 最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価 表 食後血糖値 AUC 0-3h の推移 ( 単剤後期第 2 相試験 ) 解析対象集団 :FAS 食後血糖値 AUC 0-3h (mg hr/dl) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前 最終評価時 最終評価時における変化量 単剤 P2b プラセボ ± ±125-19±79 (12 週間 ) (-47, 8) 0.25 mg/ 回 ± ±89-168±110 (-206, -130) 0.5 mg/ 回 ± ± ±117 (-221, -140) 1 mg/ 回 ±87 525±98-122±62 (-144, -101) 解析結果 [-3, -1, 1, 3]:p<0.001 [-5, -1, 3, 3]:p<0.001 [-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比 :[-3, 1, 1, 1] N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) 解析方法 : 最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価 長期投与による有効性単剤療法での長期投与における有効性は単剤長期投与試験にて評価した 投与量及び投与方法は 本剤 0.25~1 mg/ 回 ( 適宜増減可 ) を毎食直前 (10 分以内 ) に 1 日 3 回経口投与し 投与期間は 52 週間とした FAS は 105 名であった (1) 血糖パラメータ (HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 空腹時血糖値) 改善作用血糖パラメータ (HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 空腹時血糖値) の推移を表 に HbA 1C 値の治療目標達成割合を表 に示した HbA 1C 値では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は 0.84±0.55% であり 投与開始前に比べ低下した 投与開始 8 週後 12 週後の変化量は 0.87±0.40% 1.00±0.47% で その後ほぼ一定の値で推移し 投与開始 52 週後では 0.85±0.56% と長期にわたり安定した HbA 1C 値の推移を維持した また HbA 1C 値変化量は単剤後期第 2 相試験 単剤実薬対照比較試験と大きな違いはなかった 最終評価時の HbA 1C 値の治療目標 (6.5% 未満 ) 達成割合は 65.7%(69/105 名 ) であり 多くの被験者で治療目標を達成した 更に治療目標 (5.8% 未満 ) 達成割合は 16.2%(17/105 名 ) であった

37 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 37 食後血糖値 AUC 0-3h では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は 113±106 mg hr/dl であり 投与開始前に比べ低下した 投与開始 24 週後 52 週後の変化量はそれぞれ 150±105 mg hr/dl 114±106 mg hr/dl と同程度であり 長期にわたり安定した食後血糖値 AUC 0-3h に対する効果を維持した 空腹時血糖値では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は 23.9±24.8 mg/dl であり 投与開始前に比べ低下した 投与開始 4 週後 52 週後の変化量はそれぞれ 27.6±18.6 mg/dl 23.2±25.4 mg/dl とほぼ同程度であり 長期にわたり安定した空腹時血糖値の推移を維持した 解析対象集団 :FAS HbA 1C 値 (%) 食後血糖値 AUC 0-3h (mg hr/dl) 空腹時血糖値 (mg/dl) 表 主な有効性評価項目の推移 ( 単剤長期投与試験 ) 評価時期 N 測定結果 投与開始前からの変化量 (95% 信頼区間 ) 投与開始前 ± 週後 ± ±0.28(-0.57, -0.47) 8 週後 ± ±0.40(-0.94, -0.79) 12 週後 ± ±0.47(-1.09, -0.90) 16 週後 ± ±0.53(-1.08, -0.87) 24 週後 ± ±0.56(-1.07, -0.84) 36 週後 ± ±0.53(-1.05, -0.83) 52 週後 ± ±0.56(-0.96, -0.74) 最終評価時 ± ±0.55(-0.94, -0.73) 投与開始前 ± 週後 ± ±105(-171, -129) 52 週後 ± ±106(-135, -93) 最終評価時 ± ±106(-134, -92) 投与開始前 ± 週後 ± ±18.6(-31.2, -24.0) 8 週後 ± ±22.7(-32.4, -23.5) 12 週後 ± ±23.7(-32.8, -23.4) 16 週後 ± ±23.3(-31.6, -22.4) 24 週後 ± ±23.0(-33.7, -24.6) 36 週後 ± ±21.6(-35.2, -26.6) 52 週後 ± ±25.4(-28.3, -18.1) 最終評価時 ± ±24.8(-28.7, -19.1) N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみ ( 投与開始以外の評価時期にデータがない ) の場合は評価対象から除外測定結果 投与開始前からの変化量 :Mean±SD 表 HbA 1C 値の治療目標達成割合 ( 単剤長期投与試験 ) 解析対象集団 :FAS 治療目標 HbA 1C 値 (%) 達成割合 < % 17/105 < % 69/105 割合 ( 上段 ) 該当被験者数 / 評価被験者数 ( 下段 ) (2) インスリン分泌作用インスリン分泌作用は食後血清インスリン値 AUC 0-3h を用いて評価し その推移を表 に示した 食後血清インスリン値 AUC 0-3h の最終評価時の投与開始前値に対する変化量は 24.9±36.7

38 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 38 µu hr/ml であり投与開始前に比べ増加した 投与開始 24 週後 52 週後の変化量はそれぞ れ 30.7±37.8 µu hr/ml 25.2±37.3 µu hr/ml と同程度であり 長期にわたりインスリン分泌 作用が減弱することなく維持した 表 食後血清インスリン値 AUC 0-3h の推移 ( 単剤長期投与試験 ) 解析対象集団 :FAS 評価時期 N 食後血清インスリン値 AUC 0-3h (μu hr/ml) 食後血清インスリン値 AUC 0-3h 変化量 (μu hr/ml) 投与開始前 ± 週後 ± ±37.8(22.8, 38.6) 52 週後 ± ±37.3(17.3, 33.2) 最終評価時 ± ±36.7(17.3, 32.6) N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみ ( 投与開始以外の評価時期にデータがない ) の場合 は評価対象から除外 食後血清インスリン値 AUC 0-3h :Mean±SD 食後血清インスリン値 AUC 0-3h 変化量 :Mean±SD(95% 信頼区間 ) (3) 1 mg/ 回増量時の有効性本剤の 1 mg/ 回増量時の有効性をより明確にするために 長期投与試験において 0.5 mg/ 回から 1 mg/ 回への増量効果を検討した 単剤長期投与試験では治験実施計画書に規定した増量基準 ( 直近の連続した 2 回の来院時の HbA 1C 値がいずれも 6.5% 以上又は直近の HbA 1C 値が 5.8% 以上であり 第 24 週来院時の食事負荷試験の食後血糖 1 時間値 2 時間値 3 時間値のいずれかが 200 mg/dl 以上 ) を満たし 12 週間以上 1 mg/ 回で維持された被験者 37 名を解析対象とした 解析対象 37 名での増量 0 週時及び最終評価時の HbA 1C 値はそれぞれ 6.60±0.56% 6.67±0.65% その変化量は 0.06±0.40% であり 増量 0 週時の値を維持した ( 表 ) 被験者背景による部分集団解析では BMI 25 kg/m 2 以上の被験者の HbA 1C 値変化量は 0.26±0.35% 25 kg/m 2 未満では 0.07±0.38% であり HbA 1C 値変化量に差が認められたが その他の項目では大きな違いは認められなかった ( 表 ) 増量 0 週時の血糖パラメータによる部分集団解析では HbA 1C 値変化量に特に大きな違いは認められなかった ( 表 ) 解析対象 37 名では 1 mg/ 回への増量により増量 0 週時の HbA 1C 値を維持するに留まったが 増量前後の HbA 1C 値のクロス集計表から HbA 1C 値が増量 0 週時よりも更に低下した被験者が認められた ( 表 ) そこで 本剤の 1 mg/ 回への増量効果をより詳細に検討するため 糖尿病治療ガイド文献 2) で推奨されている HbA 1C 値を指標とした治療目標を考慮し 増量 0 週時の HbA 1C 値が 6.5% 以上の被験者と 6.5% 未満の被験者でそれぞれ HbA 1C 値変化量を検討した その結果 増量 0 週時の HbA 1C 値が 6.5% 以上であった被験者 20 名のうち 7 名 (35.0%) が増量 0 週時より HbA 1C 値が低下した ( 表 ) これら 7 名の被験者の HbA 1C 値変化量は 0.2~ 0.9% であった ( 表 ) 以上の結果から 増量 0 週時の HbA 1C 値が 6.5% 以上の被験者の一部では 1 mg/ 回への増量により更なる HbA 1C 値の低下が認められた 1 mg/ 回への増量効果が認められた患者層を検討した結果 増量効果が認められた被験者

39 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 39 では BMI がやや小さい傾向が認められ 前治療なしの被験者が多かった ( 表 ) その他の項目では大きな違いは認められなかった ( 表 ) 以上より 一部の 2 型糖尿病患者に対しては増量効果が認められることが示唆された 糖尿病治療においては 早期から厳格な血糖コントロールの管理が必要であることが近年の臨床研究の結果などから提唱されている文献 15),17) また 薬剤の使用に際しては 患者の状態を観察しつつ HbA 1C 値や血糖値をみながら増量する文献 2) とされており 0.5 mg/ 回で効果不十分な患者の一部で 1 mg/ 回への増量により血糖コントロールを治療目標に近づけることができ 本剤の増量意義はあると考えられた ただし 増量後十分な効果が得られない場合には漫然と投与を継続することを避けるなど適切な措置が必要と考えられた α-gi 剤併用療法 α-gi 剤併用療法の有効性評価に用いた試験は α-gi 剤併用前期第 2 相試験 α-gi 剤併用後期第 2 相試験 α-gi 剤併用長期投与試験である なお 有効性評価は FAS で実施した 用量反応関係 α-gi 剤併用後期第 2 相試験では 最終評価時の HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h の投与開始前値に対する変化量の用量反応性を 最大対比法を用いて検討した 投与量及び投与方法は プラセボ 本剤 0.25 mg/ 回 0.5 mg/ 回又は 1 mg/ 回のいずれかを毎食直前 (10 分以内 ) に 1 日 3 回経口投与し 投与期間は 12 週間とした HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h の推移をそれぞれ表 表 に示した FAS は 128 名であり 内訳は各投与群それぞれ 32 名であった 投与群 [ プラセボ群 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群 ] に対して 対比 [ 3, 1, 1, 3] [ 5, 1, 3, 3] [ 3, 1, 1, 1] はいずれも高度に有意差が認められ HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 共に最大対比法において選択された対比は [ 3, 1, 1, 1] であった HbA 1C 値変化量は プラセボ群 0.17±0.59% に対し 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群でそれぞれ 1.00±0.49% 1.23±0.61% 1.30±0.69% であった 食後血糖値 AUC 0-3h 変化量は プラセボ群 3±84 mg hr/dl に対し 0.25 mg/ 回群 0.5 mg/ 回群 1 mg/ 回群でそれぞれ 131±70 mg hr/dl 168±94 mg hr/dl 178±65 mg hr/dl であった

40 レパグリニド 2.5 臨床に関する概括評価 Page 40 表 HbA 1C 値の推移 (α-gi 剤併用後期第 2 相試験 ) 解析対象集団 :FAS HbA 1C 値 (%) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前最終評価時 最終評価時における変化量 α-gi 剤併用 プラセボ ± ± ±0.59 P2b (-0.04, 0.38) (12 週間 ) 0.25 mg/ 回 ± ± ±0.49 (-1.18, -0.82) 0.5 mg/ 回 ± ± ±0.61 (-1.45, -1.00) 1 mg/ 回 ± ± ±0.69 (-1.54, -1.05) 解析結果 [-3, -1, 1, 3]:p<0.001 [-5, -1, 3, 3]:p<0.001 [-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比 :[-3, 1, 1, 1] N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) 解析方法 : 最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価 表 食後血糖値 AUC 0-3h の推移 (α-gi 剤併用後期第 2 相試験 ) 解析対象集団 :FAS 食後血糖値 AUC 0-3h (mg hr/dl) 試験名 ( 投与期間 ) 投与群 N 投与開始前最終評価時 最終評価時における変化量 α-gi 剤併用 プラセボ ± ±116-3±84 P2b (-35, 29) (12 週間 ) 0.25 mg/ 回 ± ± ±70 (-157, -104) 0.5 mg/ 回 ± ±99-168±94 (-204, -132) 1 mg/ 回 ± ±84-178±65 (-203, -154) 解析結果 [-3, -1, 1, 3]:p<0.001 [-5, -1, 3, 3]:p<0.001 [-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比 :[-3, 1, 1, 1] N( 評価被験者数 ): 投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外投与開始前と最終評価時 :Mean±SD 最終評価時における変化量 :Mean±SD( 上段 ) 95% 信頼区間 ( 下段 ) 解析方法 : 最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価 長期投与における有効性 α-gi 剤併用療法の長期投与における有効性は α-gi 剤併用長期投与試験にて評価した 投与量及び投与方法は 本剤 0.25~1 mg/ 回 ( 適宜増減可 ) を毎食直前 (10 分以内 ) に 1 日 3 回経口投与し 投与期間は 52 週間とした なお 当該試験は α-gi 剤併用後期第 2 相試験 ( 以下 先行試験 ) からの継続試験であり 投与開始時を先行試験プラセボ群では長期投与試験移行時 実薬群では先行試験開始時として解析したため 総投与期間が異なりそれぞれ 52 週間及び 64 週間である FAS は 109 名であった (1) 血糖パラメータ (HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 空腹時血糖値) 改善作用血糖パラメータ (HbA 1C 値 食後血糖値 AUC 0-3h 空腹時血糖値) の推移を表 に HbA 1C 値の治療目標達成割合を表 に示した HbA 1C 値では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は 1.09±0.76% であり 投与開始前に比べ低下した 投与開始 12 週後の変化量は 1.23±0.56% であった その後ほぼ一定の値で推移し 投与開始 52 週後 64 週後でそれぞれ 1.18±0.68% 1.03±0.75% と長期にわたり安定した HbA 1C 値の推移を維持した また HbA 1C 値変化量は α-gi 剤併用前期第 2 相試験 α-gi 剤併用後期第 2 相試験と大きな違いはなかった 最終評価時の HbA 1C 値の治

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