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1 チトクロム酸化酵素の配位子結合構造に基づく反応機構 兵庫県立大学大学院生命理学研究科村本和優 チトクロム酸化酵素 (Cc) は原核生物から真核生物まで普遍的に保持され 呼吸鎖電子伝達系の末端酵素 ( 複合体 IV) として細胞におけるエネルギー生産機能を担っている 呼吸鎖電子伝達系は真核生物ではミトコンドリア内膜中に存在し 複合体 I, II, III, IV と呼ばれる 4 つの膜タンパク質超分子複合体によって構成される ( 図 1) 電子はミトコンドリアマトリックスのクエン酸回路で生成された AD またはコハク酸の酸化によって供与され 電子伝達系の酸化還元中心の還元電位の勾配に従って AD 複合体 I III IV またはコハク酸 複合体 II III IV の順に最終の電子受容体である酸素 ( ) まで伝達される 電子伝達に伴い放出されるエネルギーは膜を介したプロトンの電気化学ポテンシャルエネルギーに変換され このエネルギーは複合体 V による ATP 合成 膜タンパク質による物質輸送 細胞運動など様々な生命活動に利用される Cc は の還元反応を触媒するとともに それと共役したプロトン能動輸送を行うことによってプロトンの電気化学ポテンシャル差を形成している Cc における 還元反応とプロトン電気化学ポテンシャル差形成のエネルギー変換効率は 70% に達すると推定され 高効率なエネルギー変換機構の物理化学的解明は長年にわたって生体エネルギー学分野における中心的な研究課題である 複合体 I 複合体 III 複合体 IV チトクロム bc 1 チトクロム酸化酵素 (4) 4 (2) チトクロム c 2e - 2e - 複合体 V ATP 合成酵素 膜間腔 2e - 2e - ½ UQ UQ 2 マトリックス 2 AD AD ADP + Pi ATP (3) ミトコンドリア 図 1 ミトコンドリア呼吸鎖の模式図 電子伝達経路は青 プロトン移動方向は赤で表している 複合体 I と III 間の電子伝達は膜内在性の低分子化合物ユビキノン (UQ) が 複合体 III と IV 間の電子伝達は膜表在性のタンパク質チトクロム c が担っている

2 我々の研究グループでは ウシ心筋ミトコンドリアの Cc を研究対象に用いて X 線結晶構造解析を主な方法として反応機構の解明を目指している 図 2A は X 線構造解析によって決定されたウシ Cc のペプチド α 炭素骨格構造である (1, 2) ウシ Cc は 13 種類の異なるサブユニット ( ポリペプチド ) で構成される それらが集合して機能単位である分子量約 210 kda 28 本の膜貫通 α ヘリックスを持つ超分子複合体を形成し それがさらに 2 量体を形成している サブユニット I, II, III は機能上必須の膜貫通ドメインで 構造的な保存性も高い サブユニット I は補因子としてヘム分子 (heme a と heme a 3 ) と銅原子 (Cu ) を結合し ( 図 2) サブユニット II は銅原子 (Cu A ) を結合している eme a の鉄原子 (Fe a ) は軸配位子として 61 と 378 が結合した 6 配位構造をとっている eme a 3 の鉄原子 ( ) には 376 が配位し から 5 Å 程度離れたところにある Cu には 90, 91, 240 が配位している eme a 3 の第 6 配位座と Cu の第 4 配位座は外部配位子を結合する性質を持ち の還元反応の触媒部位として機能する を還元するための電子は還元型チトクロム c から Cu A heme a, heme a 3, Cu の順に伝達される eme a 3 -Cu サイトが還元されると の結合が可能になり heme a 3 -Cu サイトから へ電子が移動することにより - 結合の解裂が起こる 生成した酸素種はプロトンと反応することにより最終的に 2 分子の水 () となる を に還元する反応には 4 電子と 4 プロトンが必要である 膜間腔 A heme a heme a ミトコンドリア内膜 Cu 240 マトリックス + 4e 図 2 (A) ウシ心筋チトクロム酸化酵素 2 量体の全体構造 サブユニット I は黄色 サブユニット II は水色で表している サブユニット I 内部にあるヘム分子は赤で表している () 還元部位付近の構造 eme a と heme a 3 は赤 Cu は水色で表している アミノ酸の炭素原子は黄色 窒素原子は水色 酸素原子は赤で表している

3 Cc における の 4 電子還元反応では 中間生成物としてスーパーオキシドやペルオキシドといった反応性が高く細胞に危害を与える酸素種を遊離させることなく 反応を進行させなければならない これまでの分光学的研究から Cc の 還元反応サイクルにおける中間体が同定されている ( 図 3) 還元型(R) の heme a 3 -Cu サイトは外部配位子を結合しておらず は 2 価 5 配位 Cu は 1 価 3 配位の状態にある が Fe a3 に結合すると酸素化型 ( A ) が生成する 酸素化型の次に観測される中間体は P 型と呼ばれ P 型では の - 結合は既に切れた状態にあることが時間分解共鳴ラマン分光法により示されている (3) つまり が結合した後 の 4 電子還元反応は一気に進行する 4 つの電子のうち 3 つは と Cu から供与され 4 つ目の電子は heme a 3 または 240 側鎖と共有結合した 244 側鎖から供与されると考えられる P 型が 1 電子還元されると F 型 更に 1 電子還元されると酸化型 () になる 酸化型が 1 電子還元されると E 型 更に 1 電子還元されると還元型に戻る 2 分子の を生成するために必要な 4 つのプロトンは反応過程の各ステップにおいて heme a 3 -Cu サイトに取り込まれると考えられる また 生成した は酸化型から還元型への還元過程で Cc から放出されると考えられる の生成とは別に 能動輸送されるプロトンは P 型から還元型への反応過程の各ステップにおいて 電子移動と共役して Cc から放出されると考えられる これらの反応中間体以外に 単離精製された後の酵素は休止酸化型 ( R ) と呼ばれる状態で存在することが知られている Cu I Fe III Cu I e - E R Fe II 4e - A Fe II Cu I e - R Cu II () Fe III e - F Cu II () P e - Cu II () Fe V Fe IV 図 3 Cc の反応サイクルモデル eme a 3 -Cu サイトへの電子の移動を緑色 プロトンの移動を茶色で表している プロトン能動輸送 ( プロトンポンプ ) を赤で表している 各反応中間体において存在が推測される Cu 配位子の酸素種を括弧で表している 休止酸化型 ( R ) は Cc が過剰の に長時間曝されることで生成する

4 Cc の反応機構を解明するためには 各反応中間体構造や反応過程における構造変化の詳細な情報が必要である 我々はこれまでの研究において Cc 結晶の反応中間体を作製し 加えて heme a 3 -Cu サイトに結合する呼吸阻害剤をプローブとして用い X 線構造解析により 還元反応とプロトンポンプ機構に関与する構造情報を得てきた (4, 5) 以下に heme a 3 -Cu サイトの配位子結合構造に基づいて得られた 還元反応機構に関する知見を紹介する 休止酸化型構造 ( 図 4A) Cc を単離 精製し X 線構造解析を行った結果 Fe 3+ a3 と Cu の間を架橋する peroxide の電子密度が観測された 酸化型の 1 電子還元によってプロトンポンプが誘起されるのに対し 休止酸化型では 1 電子還元と共役したプロトンポンプ機能が認められない よって heme a 3 -Cu サイトへの peroxide の結合はプロトンポンプ機能を阻害することが示唆される (6, 7) 還元型構造 ( 図 4) 休止酸化型 Cc 結晶に還元剤を作用させると Fe a3, Cu 1+ の還元型が生成する は 5 配位構造で ポルフィリン面から 0.3 Å 程度 376 側へ出た位置にある Cu は 3 配位構造で 配位子である 側鎖の 3 つの窒素が作る平面内に位置している (6, 8) Cu 1+ C 結合構造 ( 図 4C) 還元型 Cc と一酸化炭素 (C) を反応させると C は に結合する Fe a3 C 結合型 Cc に低温状態で光を照射すると C が から解離して Cu 1+ C 結合構造をとることが分かった C は Cu に対して side-on 型の結合をしており この構造は が還元型 に結合する過程で一時的に Cu に結合する状態に対応すると考えられる Cu は還元型の構造と比べて C 寄りに位置する A C D E Cu - - Cu 1+ Cu 1+ C Cu 1+ Cu 1+ C - 3+ 図 4 eme a 3 -Cu サイトの配位子結合構造 (A) 休止酸化型 () 還元型 (C)C 結合還元型 ( 光解離後 ) (D) 結合還元型 (E)C 結合還元型いずれの構造も温度 100 K での X 線構造解析により決定した

5 Fe a3 結合構造 ( 図 4D) 還元型 Cc と亜硝酸イオン ( 2 ) を反応させると に が結合する 解析の結果 は に対し bent end-on 型の結合をしており - 軸は Cu の第 4 配位座の方向を向いていることが分かった この構造は Fe a3 のモデルと考えられる が結合した はポルフィリン面内に位置する Cu は配位子が作る面近くに位置することから と Cu との相互作用は弱いと考えられる Fe a3 中間体の Fe 伸縮振動の共鳴ラマンスペクトルがヘモグロビンやミオグロビンのそれらと酷似していることから と Cu との相互作用は弱いと推定されていた (3) この X 線構造解析結果は 共鳴ラマン分光解析結果を導く構造要因を示すものと考えられる Fe a3 C 1+ Cu 結合構造 ( 図 4E) 陰イオンである C は一般に酸化型の heme(fe 3+ ) に強く結合するが Cc においては C は還元型の heme a 3 -Cu サイトにも結合する 解析の結果 C が Fe a3 に配位すると heme a 3 のポルフィリン面が僅かにスライドし 244 と C を水素結合で架橋する位置に水分子が取り込まれることが分かった この結果は Fe a3 に結合した (Fe Fe 3+ 2 ) も同様に水分子を取り込むことを示唆している この水分子が配置されることは に結合している への 4 電子還元の引き金になると考えられる 以上の知見をもとに 我々は次の 還元機構を提唱している ( 図 5) は還元型 heme a 3 -Cu サイトの Cu 1+ に一時的に結合した後 に bent end-on 型の配位をする Cu との相互作用は弱く (Fe a3 Fe 3+ a3 2 ) 構造は安定化される と 244 の間に が取り込まれて水素結合が形成されると それが引き金となって の 4 電子還元が起きる 244 は と呼ばれるプロトン輸送経路の末端に位置しており の還元に伴いプロトンが から heme a 3 -Cu サイトに取り込まれて P 型中間体が形成される Cu 1+ Cu 1+ Cu 1+ Cu - 5+ R state + A state Transition state P state 図 5 還元反応過程 ( 還元型から P 型中間体まで ) のスキーム

6 謝辞本研究は兵庫県立大学大学院生命理学研究科の吉川信也教授の研究室において 伊藤 新澤恭子助教 前田友子研究員 小倉尚志教授 ( 兵庫県立大学 ) 月原冨武教授( 兵庫県立大学 ) 山下栄樹助教( 大阪大学 ) 青山浩准教授( 大阪大学 ) らとの共同研究で行われたものです この場をお借りして深く感謝いたします 文献 1. Tsukihara T, Aoyama, Yamashita E, Tomizaki T, Yamaguchi, Shinzawa-Itoh K, akashima R, Yaono R, Yoshikawa S. (1995) Structures of metal sites of oxidized bovine heart cytochrome c oxidase at 2.8 A. Science 269, Tsukihara, T., Aoyama,., Yamashita, E., Tomizaki, T., Yamaguchi,., Shinzawa-Itoh, K., akashima, R., Yaono, R. and Yoshikawa, S. (1996) The whole structure of the 13-subunit oxidized cytochrome c oxidase at 2.8 A. Science 272, Kitagawa T., gura T. (1997) xygen activation mechanism at the binuclear site of heme-copper oxidase superfamily as revealed by time-resolved resonance Raman spectroscopy. Prog. Inorg. Chem. 45, Yoshikawa S, Muramoto K, Shinzawa-Itoh K, Aoyama, Tsukihara T, gura T, Shimokata K, Katayama Y, Shimada. (2006) Reaction mechanism of bovine heart cytochrome c oxidase. iochim iophys Acta. 1757, Yoshikawa S, Muramoto K, Shinzawa-Itoh K, Aoyama, Tsukihara T, Shimokata K, Katayama Y, Shimada. (2006) Proton pumping mechanism of bovine heart cytochrome c oxidase. iochim iophys Acta. 1757, Yoshikawa S, Shinzawa-Itoh K, akashima R, Yaono R, Yamashita E, Inoue, Yao M, Fei MJ, Libeu CP, Mizushima T, Yamaguchi, Tomizaki T, Tsukihara T. (1998) Redox-coupled crystal structural changes in bovine heart cytochrome c oxidase. Science 280, Aoyama, Muramoto K, Shinzawa-Itoh K, irata K, Yamashita E, Tsukihara T, gura T, Yoshikawa S. (2009) A peroxide bridge between Fe and Cu ions in the reduction site of fully oxidized cytochrome c oxidase could suppress the proton pump. Proc. atl. Acad. Sci. USA (in press) 8. Tsukihara T, Shimokata K, Katayama Y, Shimada, Muramoto K, Aoyama, Mochizuki M, Shinzawa-Itoh K, Yamashita E, Yao M, Ishimura Y, Yoshikawa S. (2003) The low-spin heme of cytochrome c oxidase as the driving element of the proton-pumping process. Proc. atl. Acad. Sci. USA 100,

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