スウェーデン環境視察レポート

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ゆりかあみおか
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1 スウェーデン環境視察レポート ~ 自治体の取り組み ~ 慶應義塾大学 4 年小串聡彦スウェーデンウプサラ大学留学

2 プレゼンテーションの狙い地球温暖化への取り組みに焦点を当てる環境先進国の先進性はどこにあるのか先進性はどこにあるのか? 行政主導行政の取り組みに注目最後のまとめで日本への示唆

3 目次 1 スウェーデンという国について 2 スウェーデンの地球温暖化への取り組み 3 ストックホルムハンマルビーの取り組み 4 ヘルシンボリ市の取り組み 5 ヘルシンボリ市のリサイクルバイオガス施設 6 まとめ

5 スウェーデンのデータ人口 933 万 (2009 年 ) 国土日本の 1.2 倍森林面積が 70% 弱を占める自治体人口ストックホルム市 80 万人強ヨーテボリ市 50 万人マルメ市 30 万人弱ウプサラ市 18 万人主要産業機械工業化学工業林業 IT 雇用全体の約 3 割が公共部門で雇用

6 1990 年比の各国の CO2 排出量

7 地球温暖化二酸化炭素 ( 換算 ) の国民 1 人当たり排出量 ~2006 年度 ~ アメリカ日本ドイツイギリススウェーデ中国ン EDMC/ エネルギー経済統計要覧 2009 年版にスウェーデンのエネルギー庁のデータを加えた

8 Swedish Envir Swedish Envir onmental Prot ection Agency

9 スウェーデンの地球温暖化への取り組み 1973 年オイルショック脱石油の動き地域暖房システムの構築 1980 年中期に停滞 ( 様々な仕組み 1991 年に環境税の導入 1993 年にエコリサイクル法 2003 年に電力証認システムの導入 ) 1990 年代後半地域暖房と再生可能エネルギー拡大 1997 年の京都議定書では 2008 年から12 年に温室効果ガスを 1990 年比で +4% 増しかし -4% の削減目標を課した

10 スウェーデンの地球温暖化への取り組みの取り組み 2008 年の段階で温室効果ガスを -9% 達成 2009 年政府は 2020 年までの中期目標を発表温室効果ガスを 1990 年比で 40% 削減 ( 国内で 32%) 電力供給における再生可能エネルギーの割合を 50% に上げる ( 現在水力 45% 原子力 44% 他 11% 2007 年 ) 運輸部門の再生可能エネルギーを 10% 風力発電を 30TWh に増やすために努力 ( 現在 1,4TWh)

11 電力供給の全体の割合

12 電力供給のコージェネの原料

13 温室効果ガス削減の決定打 ~ 地域暖房と再生可能エネルギー ~ 地域暖房 (District Heating) の拡大地域の熱供給のシステムある施設で作られた熱をパイプを通じて地域に分配するエネルギー効率が良いコジェネ ( 電熱併給 ) など色んな形がある集合住宅の約 8 割会社オフィスの6 割をカバー一戸建ても1 割残りは電気や石油バイオを使用再生可能エネルギーの増大バイオマスピートなど温室効果ガスの出ない物質を地域暖房に利用している

14 ヴァッテンフォール社

15 ヒートポンプの普及

17 ハンマルビーショースタッドストックホルム ~

21 ハンマルビーもともとは工業地でもともとは工業地で荒れ地 1990 年代に2004 年のオリンピックを誘致するため開発を行った 20~25もの不動産会社及び建築家が参画住居は10000 戸の住人を予定している 2018 年に完成の予定 2018 年に完成の予定 ( 現在 1 万 8000 人が暮らす )

22 ハンマルビーの具体的な目標この地域内で使うエネルギーの50% を再生可能エネルギーで自給する 2010 年までに 80% 以上の住民が地域の移動に公共交通機関及び自転車を使う最低で15% の住民がカーシェアリングシステムに加盟する住民一人当たりの水の使用量を一日 100 リットル住民人当たりの水の使用量を日 100 リットルに抑える

23 ゴミ回収の効率化

25 ゴミ箱とバキューム管ゴミ回収のトラック削減とゴミの有効利用ゴミの分別ができるかが課題生ゴミ紙可燃ごみプラスチック類

26 下水処理からバイオガス汚泥からメタンガスを取り出しバイオガスに変換ハンマルビーの住宅のガスコンロと市内のバンロと市内のバスの約 80 台に使われている下水処理施設での廃熱地域暖房地域冷房に利用

27 バリアフリーの橋 ( 緑地道 ) 町の至るところに設けられた森や木の緑

28 インフォメラスの家ーションセンターガ

29 課題移動手段としての自動車はまだ必要? 予想に反して子供のいる家族が多く入居結果駐車場のさらなる整備が必要住宅の 45% が賃貸 55% が分譲で売られるが政権党が変わるごとに動きが変わる市所有によるメリットとデメリット

31 ヘルシンボリ市の取り組み ~ バイオガス施設の見学 ~

33 ヘルシンボリ市の環境への取り組みの取り組みデンマークに近い人口 12 万人の港町産業としては貿易や運輸関係 IKEA も市の環境戦略局の副議長のウルラさんの話市役所は分野ごとに専門知識の人間を持つ

34 ヘルシンボリ市の目標 ~2005 年から 2010 年 ~ 1 CO2 の排出量を 1990 年に比べて 20% 削減 2 火力による電力施設や地域暖房を 20% 内に抑える 3 再生可能エネルギーによる電力供給を 2002 年に比べて100GWh 増やす年までに市内で消費された電力の 20% を Good Environmental Choice of Electricity ( エコの認証機関 ) の基準に達するようにする運輸部門のCO2 排出を1990 年のレベルにする

35 ヘルシンボリにおける CO2 の推移 Totala a utsläpp Koldioxidutsläpp i Helsingborg (tuse en ton) Totala utsläpp Utsläpp per invånare ? Källa: Länsstyrelsen Utsläpp pe er invånare e(ton)

36 セクター別の CO2の排出量 (kton) Utsläpp av koldioxid från olika sektorer i Helsingborg (tusen ton) Källa: Länsstyrelsen ( 船, 地上の運輸, エネルギー, 産業 ) sjöfart trafik energi industri

37 成功の要因地域暖房に再生可能エネルギー公共交通機関を拡充バイオガス施設の役割の増大 ( 次章 ) 政府からの投資による支援クリンプバガ資バイオガスへの投資新しいエネルギーシステムへの切り替えのための投資 3 億ユーロ

38 NSRリサイクルバイオガス施設

39 NSRリサイクルバイオガス施設 NSRとは Nordvastra Skane Renhallnings の略で 1982 年にヘルシンボリ市と 5つの隣接する市町村が資金を出し合って設立したゴミ埋め立て地リサイクル施設のこと株式を 100% 自治体が保有している公社という位置づけ経営は会社に任されている収支は黒字化に転じ将来における民営化も視野に入れて活動している

40 NSR 施設の 3 つの役割 1 市民のリサイクルの持ち込み 2 埋め立て地とメタンガスの回収 3 リサイクルからバイオガスを作りだす

41 1 市民の分別 (9 種 ) リサイクルの徹底粗大ごみ ( 車のバッテリー冷蔵庫メタル類紙類, ソフトハードなプラスティック類色のついたガラスと透明なガラスのボトル類, 新聞紙, 生ゴミ, その他

42 2 ゴミの埋め立て (Landfill)

43 2 ゴミの埋め立て (Landfill) 家庭と産業界から運ばれる廃棄物の埋め立て埋め立て地から漏れるメタンガスを取ってバイオガスに 2008 年にEUの埋め立てからリサイクルへという流れに沿って埋め立ては禁止されたゴミの埋め立て地からはあと 20 年近くメタンガスが流出し続けるメタンガスを探知し取り出す技術を開発に乗り出している

44 2 ゴミの埋め立て (Landfill) 統計をみると世界の埋め立て率は 84% メタンの取り出し技術の輸出の可能性ヘルシンボリ市はバイオガスを利用した地域暖房で市の一年当たりで約 3450の住宅のエネルギー消費を賄っているリサイクルエネルギーリサイクル埋め立て世界の平均 9% 7% 84% スウェーデン 46% 49% 4%

45 3 生ごみからバイオガスへ

46 3 生ごみからバイオガスへ 2007 年 NSRに来たゴミの総量は約 50 万トンそのうちの28 万トン ( 約 60%) ) はリサイクルされて産業界にかえすその他可燃ごみ ( 地域暖房に利用 ) と不可燃ゴミに分別する残りの 10 万の有機ゴミの 20% をタンクに入れる産業界の有機ゴミと家庭の有機ゴミを混ぜて汚泥の形でバイオガスにする

47 3 バイオガスの用途バイオガス市バス 100 台市内のバス 100 台液化肥料

48 課題民営化に向けて売り上げを上げる必要があるバイオガス生産のためのゴミを確保できるか? ヘルシンボリ市では家庭の有機ゴミの量が減少産業界や他の自治体からゴミを持ってくる必要がある

49 まとめスウェーデンの環境政策の成功の要因 ~ 日本への示唆という観点から~ 行政主導の改革システム構築の巧みさ 1 住宅政策 ( 官による土地所有 ) の伝統地域暖房などへの移行がトップダウンで迅速 2 環境意識とともに政治意識の違い? 参加して仕組みを変えるという意識が強い日本の場合は精神論に終始してしまう

資料１：地球温暖化対策基本法案（環境大臣案の概要）

資料１：地球温暖化対策基本法案（環境大臣案の概要）地球温暖化対策基本法案 ( 環境大臣案の概要 ) 平成 22 年 2 月環境省において検討途上の案の概要であり各方面の意見を受け今後変更があり得る 1 目的この法律は気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止すること及び地球温暖化に適応することが人類共通の課題でありすべての主要国が参加する公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みの下に地球温暖化の防止に取り組むことが重要であることにかんがみ