カラム試験における通水方法の違いが移流分散特性に及ぼす影響について

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1 第 48 巻第 5 号 ( 財 ) 日本地下水理化学研究所コーナー カラム試験における通水方法の違いが移流分散特性に及ぼす影響について 青木一男 * ** 日置和昭 1. はじめに汚染物質の移流分散特性や透過性浄化壁の浄化性能などを評価するため, カラム試験が広く用いられている ( 本論文では, 汚染物質の移流分散特性を求めるための室内試験法としてのカラム試験について議論する ) しかし, 試験方法 ( 試験仕様, 通水方法など ) や評価方法 ( 整理方法, 同定方法など ) については未だ基準化されておらず, 試験方法や評価方法の違いが移流分散特性に及ぼす影響について十分に議論されていないのが現状である 移流分散特性 ( 地盤環境パラメーター ) を評価するためのカラム試験では, トレーサーとして塩化ナトリウム (Nal) 水溶液が用いられることが多い しかし,Nal 水溶液を用いる場合,Nal 水溶液の浸透過程 (Nal 水溶液濃度の増加過程 ) で拡散二重層の厚さが徐々に減少するため 1), 通水方法 ( 流量一定条件, 水頭差一定条件 ) の違いによって求まる移流分散特性に有意な差が生じる可能性がある すなわち, 通常, カラム試験では, バックグラウンド水溶液 ( 筆者らは, 脱気精製水を用いることが多い ) を通水し定常状態を得た後, バックグラウンド水溶液と同じ通水条件 (Darcy 流速 q) で試験溶液 ( ここでは,Nal 水溶液 ) の通水を開始するが,Nal 水溶液の浸透過程において, 粘土鉱物表面のごく近傍に形成された拡散二重層の厚さが減少し, 試料の透水性が増大する可能性がある 例えば, 金ら ) は, ベントナイトの場合,Nal 水溶液濃度が増加するに伴い液性限界が減少し, 透水性が増大すること, 液性限界とζ 電位 ( 拡散二重層の性質を代表する指標 ) 3) の変化傾向は極めてよく類似すること, などを室内実験により明らかにしている また, 農学関係 4) では, 間隙水をバルク水 ( 比較的スムーズに移動する間隙水 ) と電気拡散二重層 ( 土粒子近傍の電気化学的な力で拘束される水膜 ) に区別し, 拡散二重層中の間隙水はスムーズに移動し難いものと考えられている こ こで, Nal 水溶液濃度が増加するに伴い, 拡散二重層の厚さの減少に起因して試料の透水性が増大する と仮定すると, 流量一定条件下では,Nal 水溶液通水直後のqを試験中維持できるのに対して, 水頭差一定条件下では,Nal 水溶液の浸透過程で流出水の流量 Q, すなわちqが徐々に増大するものと推察される 本論文では, まず陽イオン交換容量が異なる 種類の砂質系試料を対象に,Nal 水溶液を用いたカラム試験を実施し, 通水方法の違いが破過曲線に及ぼす影響について検討した 次に, カラム試験により得られた破過曲線に通水方法を考慮した移流分散特性を間接法逆問題として定式化し, その同定手法を示すとともに, 通水方法の違いが移流分散特性に及ぼす影響について議論した. 試料および試験方法今回, カラム試験に用いた砂質系試料は, 試料 A: 豊浦標準砂, 試料 B: 東京都の臨海地区で採取したシルト質細砂の 種類である 各試料の諸性質を表 -1 に示す 表 1 試料の諸性質 試料 A 試料 B 土粒子の密度 ρs (g/cm 3 ) 砂分 (%) シルト分 (%) 0 1 粘土分 (%) 0 5 強熱減量 (%) <5 <5 ph a + (meq/100g) Mg + (meq/100g) 5 05 吸着イオン K + (meq/100g) 組成 Na + (meq/100g) (meq/100g) * あおきかずお 大阪工業大学 ** ひおきかずあき 不動建設株式会社

2 30 地下水技術 同表には, 一般的な土壌に対する代表的な吸着イオン (a +,Mg +,K +,Na + ) の量を示しており, 試料 Bの陽イオン交換容量は試料 Aと比較し 4 倍程度であることを知ることができる また, 各試料における吸着イオン中のカルシウムイオン (a + ) の占める割合は, 試料 A:7%(0.193/69), 試料 B: 89%(5.666/6.355) となっており, 各試料ともに a 系の土壌であることがわかる 次に, 試験手順の基本的な流れを以下に示す 1 直径 5cm, 長さ 10cmの浸透カラムに, 所定の密度となるように乾燥試料を入れ, 吸引ポンプ ( 吸引圧 :-100cmH O) を用いて, 脱気精製水にて飽和状態にした 所定濃度 (35,000mg-Nal/l) のNal 水溶液を水頭差一定条件 ( オーバーフロー型 ; 動水勾配 i=0.1) で通水させ, 流出水の塩素イオン (l - ) 濃度をイオン電極法により, またナトリウムイオン (Na + ) 濃度を原子吸光分析により測定した なお,Nal 水溶液の通水は,Na + の比濃度 (/ 0 ) がほぼ になるまで続け, 流出水の流量 Qも併せて測定した 3 所定濃度 (35,000mg-Nal/l) のNal 水溶液を流量一定条件 ( 定流量ポンプ型 ; 水頭差一定条件における通水開始直後のQと同量 ) で通水させ, 流出水のl - 濃度とNa + 濃度を水頭差一定条件と同様の方法で測定した なお,Nal 水溶液の通水は, Na + の/ 0 がほぼ になるまで続け, 流出水のQ も併せて測定した 3. 試験結果および考察試料 Aおよび試料 Bに対するl - とNa + の破過曲線を図 -1~ に, 流出水の流量 Qの経時変化を図 -3 ~4 に示す また,Q から想定されるDarcy 流速 qの経時変化を図 -5~6 に示す まず, 試料 Aに着目すると,l -,Na + ともに, 通水方法の違いによって破過曲線に有意な差は生じていないことがわかる これは, 流量一定条件下でのqを水頭差一定条件でのqとほぼ同程度に制御できたためである 次に, 試料 B に着目すると,l -,Na + ともに, 通水方法の違いによって破過曲線に有意な差が生じていることがわかる これは, 流量一定条件下でのqを水頭差一定条件下でのqと同程度に制御できなかった ( 水頭差一定条 件下では, 時間の経過に伴ってqが徐々に増大する傾向にあった ) ためである すなわち, 陽イオン交換容量が比較的大きい試料 Bでは,Nal 水溶液濃度の増加に伴って試料の透水性が増大し,q が増大したものと考えられる 以上より, 試料 Aのように陽イオン交換容量が小さい試料では, 通水方法の違いが破過曲線に及ぼす影響は無視できるほど小さいが, 試料 Bのように陽イオン交換容量が比較的大きい試料では, 通水方法の違いが破過曲線に及ぼす影響はかなり大きいことが明らかとなった 以下に, 陽イオン交換容量が比較的大きい試料 Bに対して, 通水方法の違いが地盤環境パラメーター (n e,d,r) に及ぼす影響について議論する 流量一定条件 (l イオン ) 流量一定条件 (Na イオン ) 水頭差一定条件 (l イオン ) 水頭差一定条件 (Na イオン ) 図 -1 l - と Na + の破過曲線 ( 試料 A) 流量一定条件 (lイオン) 流量一定条件 (Naイオン) 水頭差一定条件 (lイオン) 水頭差一定条件 (Naイオン) 図 - l - と Na + の破過曲線 ( 試料 B)

3 第 48 巻第 5 号 Q (cm 3 /min) Q (cm 3 /min) q (cm/min) q (cm/min) 図 -3 Q の経時変化 ( 試料 A) 0.5 流量一定条件 水頭差一定条件 図 -4 Q の経時変化 ( 試料 B) 流量一定条件 80 水頭差一定条件 t ( min) 図 -5 q の経時変化 ( 試料 A) 5 流量一定条件 0 水頭差一定条件 t ( min) 図 -6 q の経時変化 ( 試料 B) 4. 地盤環境パラメーターの同定手法 (1) 流量一定条件下での同定手法 流量一定条件下における地盤環境パラメーター (n e, D,R) の同定には,(1) 式に示す基礎方程式を () 式 に示す初期条件と (3) 式に示す境界条件のもとで解 かれた理論解 (4) 式 5), および (4) 式のうち R=1 とみな した (5) 式を用いた (l - のような非吸着性トレーサ ーを使った場合,(4) 式中の R は 1 とみなすことがで きる ) R = ned q t x x ne (x, t = 0) = 0 ned + q = q0, x 0 x = 0 (x, t) = 0, x x 0 (1) () (3) 1 (n er)l qt = erfc (ned)(ner)t (4) 1 ql (ner)l + qt + exp erfc (ned) (n ed)(ner)t 0 1 nel qt = erfc (ned)n t 1 ql n el + qt + exp erfc (ned) (ned)net (5) ここに,n e : 有効間隙率,/ 0 : 比濃度,R: 遅延 係数,L: カラム長さ (cm),q:darcy 流速 (cm/min), t: 経過時間 (min),d: 分散係数 (cm /min) である 未知パラメーター (n e,d,r) を同定する手法と しては, 定式化の容易さ, 追加情報の処理および誤差評価のし易さなどから間接法を採用し, 実験値としてはカラム試験により得られた/ 0 を用いた 間接法による同定問題では, 式 (6) に示すように, 未知パラメーターを仮定して得られた解析値と実験値との残差二乗和 Eを最小にするパラメーターを推定するという手法がよく用いられる 本論文では, 式 (6) e

4 3 地下水技術 を最小化する手法として, 定式化のし易さから Gauss-Newton 法を用いることとした l 1 L E = (6) l 1 0 ここに,m,n: 定数である = 0 ob カラム試験により得られた q とt の関係に対し,(8) ここに,E: 残差二乗和,L: 実験値の数,(/ 0 ) l : 式を適用した結果を図 -7 に示す 実験値と解析値 仮定されたパラメーターに基づき得られた解析値, ( ただし,m=09,n=69) は, 比較的良い相 (/ 0 ) l ob: 実験値である 関関係を示しており, 時間経過に伴う q の増大をほ 未知パラメーター (n e,d,r) を同定する手順と ぼ的確に表現しているものと考えられる しては, まず,l - の破過曲線に基づいて (5) 式を用 い, 個のパラメーター (n e,d) を同時に同定した 実験値 すなわち, 実験値の中で最も信頼性の高い/ 0 を用 解析値 いて, 実験値とn e,d を仮定して得られた解析値との 残差二乗和を最小にするn e,d を推定した 次に, 推 定したn e,d を (4) 式に代入し, 未知パラメーターをR のみとしたうえで,Na + の破過曲線に基づいてRを同 定した n e,d と同様, 実験値の中で最も信頼性の高 01 い/ 0 を用いて, 実験値とR を仮定して得られた解 析値との残差二乗和を最小にするRを推定した な お, 本論文では, カラム試験における流速が比較的 図 -7 (6) 式による解析値と実験値の相関関 大きい場合には, 溶質種に依存する拡散特性は無視 できるため,l - とNa + のDは同じ値 ( ただし, 流速 なお, 未知パラメーター (n e,d,r) の同定手法 が同じ場合 ) を示す 6) ものと仮定し,Rの同定を行 および同定手順については, 流量一定条件下と同様 った また, 流量一定条件下では,Nal 水溶液濃度 とした また, 水頭差一定条件下では,Nal 水溶液 の増加に伴って試料の透水性が増大すると, 動水勾 濃度の増加に伴って試料の透水性が増大すると,q 配 iが減少するため, 各パラメーター (n e,d,r) に が増大するため, 各パラメーター (n e,d,r) に何 何らかの影響を及ぼす ( 各パラメーターの値は, 時 らかの影響を及ぼす ( 各パラメーターの値は, 時間 間の経過とともに変化する ) ものと推察されるが, の経過とともに変化する ) ものと推察されるが, 本 本論文では試験開始から終了までの平均的な値を同 論文では試験開始から終了までの平均的な値を同定 定した ( 各パラメーターの経時変化を同定したもの した ( 各パラメーターの経時変化を同定したもので ではない ) はない ) () 水頭差一定条件下での同定手法 水頭差一定条件下における地盤環境パラメーター (3) 実験値の選択方法 (n e,d,r) の同定には, 流量一定条件下と同様, 地盤環境パラメーター (n e,d,r) を同定する場合, (4) 式および (5) 式を用いた ただし, 時間経過に伴う どの実験値を用いても, 正確な同定結果が得られると qの増大を考慮するため,q とtの関係を電解質物質な は限らない 中には不適切問題となる場合もある そ どの吸着等温式としてよく用いられる (7) 式 7) により こで, 同定に用いる実験値として, どのデータを選択 定式化することとした なお,(7) 式は, 両辺の対数 するのが最適であるかを判断する一つの指標として, を取ることにより, 式 (8) のようなlogqとlogtの線形関 各パラメーターに対する/ 0 の感度分析を行った こ 係に変形することができる こで, 感度分析とは, 各パラメーターが微小変化した ときの / 0 の変化率を求めるものである q (cm/min) n q = mt log q = log m + n log t (7) (8)

5 第 48 巻第 5 号 感度値 感度値 (min/cm ) 図 -8 に示すような破過曲線 ( ただし,n e =,D =0.1(cm /min),r=) について,q を一定とした場 合 (q=5cm/min), および q を時間経過に伴い増 大させた場合 (m=5,n=5) における各パラ メーター (n e,d,r) に対する / 0 の感度値分布を 図 -9~11 に示す これらの図より, 流量一定条件 と水頭差一定条件では, 感度値に大きな差異は認められないことがわかる 以下に個々のパラメーターの感度値について考察する 0 / 図 -8 感度値の算定に用いた破過曲線 比濃度 / 0 図 -9 n e に対する / 0 の感度値の分布 -3.0 比濃度 / 0 図 -10 Dに対する/ 0 の感度値の分布 感度値 比濃度 / 0 図 -11 R に対する / 0 の感度値の分布 まず,n e に対する / 0 の感度値 ( 絶対値 ) は, 低比 濃度領域で小さく, 中比濃度領域で最大となり, 高比濃度領域で再び小さくなる このことから,n e の同定に用いる実験値としては,/ 0 が 0~0.90 の範囲にある中比濃度領域のデータが適しているものと考えられる 一方,Dに対する/ 0 の感度値 ( 絶対値 ) は, 低比濃度領域で大きく, 中比濃度領域で最小となり, 高比濃度領域で再び大きくなる傾向にある これより,D の同定に用いる実験値としては, / 0 が 5~0 の範囲にある低比濃度領域のデータと,/ 0 が 0~0.95 の範囲にある高比濃度領域のデータが適しているものと考えられる したがって, これら両者を同時に同定する場合には, 低比濃度領域から高比濃度領域までの幅広い範囲の実験値が必要となってくる 次に,Rに対する/ 0 の感度値 ( 絶対値 ) は,n e と同様, 低比濃度領域で小さく, 中比濃度領域で最大となり, 高比濃度領域で再び小さくなる したがって,Rの同定に用いる実験値としては,/ 0 が 0 ~0.90 の範囲にある中比濃度領域のデータが適しているものと考えられる 以上より, 本論文では,n e,dを同定する場合には低比濃度領域から高比濃度領域までの幅広い範囲から実験値を選択し,rを同定する場合には中比濃度領域を中心に実験値を選択した 5. 同定結果および考察各パラメーターの同定結果 ( 試験開始から終了までの平均的な値 ) を表 - に示す また, 同定されたパラメーターを用いて順解析を行い求めた破過曲

6 34 地下水技術 線と実験値を比較したものを図 -1~13 に示す こ れによると, 流量一定条件, 水頭差一定条件ともに, 実験値と解析値は良好な一致を示しており, 本論文で示した同定手法の妥当性が明らかとなった 以下に個々のパラメーターについて考察する 表 - 各パラメーターの同定結果 通水方法 測定イオン n e D (cm /min) R l Na l Na 実験値 (l イオン ) 実験値 (Na イオン ) 解析値 (l イオン ) 解析値 (Na イオン ) 図 -1 同定結果に基づく/ 0 の解析値と実験値 ( 流量一定条件 ) 実験値 (l イオン ) 実験値 (Na イオン ) 解析値 (l イオン ) 解析値 (Na イオン ) 図 -13 同定結果に基づく / 0 の解析値と実験値 ( 水頭差一定条件 ) まず, 流量一定条件下と水頭差一定条件下での n e および R を比較すると, ほぼ同値となっており, 通 水方法の違いが n e や R の同定結果に及ぼす影響は小 さいものと考えられる 一方,Dを比較すると, 水頭差一定条件下の方が大きい値 ( 約 1.6 倍 ) となっているが, これはqが大きいためである 一般に,D は (9) 式 ( 分子拡散現象に起因する有効拡散係数 D d を無視した場合 ) に示すように,q に比例するため, 水頭差一定条件下のDの方が大きい値を示したものと考えられる ( ただし,n e がほぼ同値を示すことが前提である ) 以上より,n e およびRに関しては, 通水方法の違いが同定結果に及ぼす影響は小さいものと考えられるが,Dに関しては, 同定結果に及ぼす影響は比較的大きく, 同定結果に有意な差が生じる可能性がある q D = α (9) L n e ここに,αL: 分散長 (cm) である 次に, 水頭差一定条件下における破過曲線に対して, 流量一定条件下 (q=10cm/min: 試験開始直後の Darcy 流速を適用 ) として各パラメーターの同定 ( 試験開始から終了までの平均的な値 ) を行った その結果, n e =0.384,D=34,R=1.443 となり, 時間経過に伴うqの増大を考慮した同定手法 ( 水頭差一定条件下での同定手法 ) による同定結果 ( 表 - 参照 ) と比較して, n e をかなり小さく評価してしまうことがわかった このことから, 陽イオン交換容量が比較的大きい試料を対象に, 水頭差一定条件でカラム試験を実施する場合には, 流出水のQ を測定し時間経過に伴うq の増大を考慮したうえで, 各パラメーターの同定を行う必要があるものと考えられる 6. まとめカラム試験における通水方法の違いが破過曲線や移流分散特性 ( 地盤環境パラメーター ) に及ぼす影響について実験的, 数値解析的に種々の検討を行った 得られた結果を要約すると以下のとおりである (1) 陽イオン交換容量が異なる 種類の砂質系試料を対象に, 流量一定条件下および水頭差一定条件下でカラム試験を実施し, 陽イオン交換容量が小さい試料では, 通水方法の違いが破過曲線に及ぼす影響は無視できるほど小さいが, 陽イオン交換容量が比較的大きい試料

7 第 48 巻第 5 号 では, 通水方法の違いが破過曲線に及ぼす影響はかなり大きいことを確認した () 通水方法 ( 流量一定条件, 水頭差一定条件 ) を考慮した移流分散特性を間接法逆問題として定式化し, その同定手法を示した また,1 次元移流分散方程式に用いられる各パラメーター (n e,d,r) に対する / 0 の感度分析を行い, 流量一定条件と水頭差一定条件では感度値に大きな差異は認められないこと,n e とD を同時に同定する場合には低比濃度領域から高比濃度領域までの幅広い範囲の実験値が必要になること,R の同定に用いる実験値としては中比濃度領域のデータが適していること, などを明らかにした (3) 本論文で提案した同定手法 ( 流量一定条件下, 水頭差一定条件下 ) にしたがって, 地盤環境パラメーター (n e,d,r) の同定 ( 試験開始から終了までの平均的な値 ) を行い, 同定手法の妥当性について検証するとともに, 通水方法の違いが移流分散特性 ( 地盤環境パラメーター ) に及ぼす影響について考察した 参考文献 1) Bolt,G.H.and Bruggenwert,M.G.M. 編著 / 岩田進午 三輪睿太郎 井上隆弘 陽捷行訳 (1980): 土壌の化学, 学会出版センター,pp ) 金亨柱 吉国洋 鶴ヶ崎和博 (1991): 拡散二重層理論による超軟弱粘土の圧縮性および透水生の評価, 土質工学会論文報告集,Vol.31,No.3, pp ) 例えば, 土質工学編 (1978): 土質工学における化学の基礎と応用 ( 土質基礎工学ライブラリー 15 ), 土質工学会,pp ) 日本土壌肥料学会 (1987): 移動現象, 博友社. 5) 進士喜英 小橋創一 大山将 (00) 小山孝: 移流分散方程式における分散係数と有効間隙率に関する一考察, 第 37 回地盤工学研究発表会平成 14 年度発表講演集,pp ) 社団法人地盤工学会関西支部 (003): 地盤環境汚染 - 試験法と活用 -,pp ) Sposito,G.(1980):Derivation of the Freundlich equation for ion exchange reactions in soil,soil Sci. Soc.Am.J.,Vol.44,pp

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